JP2017071600A - くすぶり炎症抑制剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】加齢による脆弱性増加を抑制することにより、皮膚を健全化して健康な皮膚を取り戻し、身体機能の低下を防止させる方法を提供する。【解決手段】本発明は、哺乳動物の胎盤抽出物、哺乳動物の母乳又は哺乳動物の肝臓抽出物に含有されるエタノールアミンとアミノ酸を有効成分とすることを特徴とする加齢に伴うくすぶり炎症抑制剤により上記課題を達成する。【選択図】なし

Description

本発明は、加齢による脆弱性増加を抑制し、皮膚や毛髪の健全化と身体機能の低下を防止するくすぶり炎症抑制剤に関する。
高齢化が進む現代社会においては、がん、アルツハイマー病などの神経変性疾患、動脈硬化性疾患、自己免疫疾患などが明らかに増加しつつあり、国民が健やかに老いることを妨げる原因となっている。これらの疾患の発症・進行・重症化には、くすぶり炎症が原因と考えられるようになってきた。
くすぶり炎症とは、体内でじわじわとくすぶり続ける慢性炎症のことであり、加齢とともに増加するがん、アルツハイマー、動脈硬化、肥満などの種々の疾患、さらには老化そのものも、このような慢性的な炎症性の変化によって症状が進行するのではないかと考えられる証拠が見つかってきている。
また、慢性疾患だけでなく、加齢とともに増加するくすぶり炎症が原因で、さまざまな生理的予備能の衰え環境因子に対する脆弱性が高まり、疲れやすくなり、皮膚は弾力性を失って皺が刻まれ、白髪が増え毛髪が薄くなり、身体機能が低下していく。外因として、紫外線、気候変化、乾燥、汚染物質、食品や添加物、内因として、精神ストレス、睡眠や疲労などが挙げられる。
このような加齢で環境因子に対する脆弱性が高まることの要因として、高血糖、インスリン抵抗性、慢性炎症、低筋肉量、インターロイキン1、2、6、インターフェロンγ、TNF-αなどの高値などが指摘されている。
生体には、ホメオスタシスを維持する能力が備わっている。しかし、加齢とともに完全に元の状態に戻ることができず、形態にも変化を引き起こして細胞に障害が生じやすくなる。細胞の障害によって機能低下が起きるが、細胞の傷害に対して、傷害部の機能を補うため再生、肥大、過形成などの反応が起る。
再生は、生体内で失われた細胞・組織が元の細胞・組織によって補われることである。また、肥大は細胞が容積を増して正常以上に大きくなることで、組織・臓器の形が正常のまま大きくなる。心筋や横紋筋の場合は、成人では細胞分裂が起きない非分裂細胞であるので肥大が起きる。一方、過形成は、組織・臓器を構成している細胞の数が増加することである。
個体が生き続ける限り分裂している細胞(分裂細胞)としては、外界と接している表皮、粘膜(皮膚、口腔、子宮頸部、消化管、気管・気管支、膀胱など)の上皮細胞や、骨髄の造血細胞などがあげられる。肝臓、膵、腎臓の実質細胞、線維芽細胞、平滑筋細胞、血管内皮細胞は、ふだんはG0期に留まっているが、刺激によっては分裂を開始することがある。特に、肝臓は再生能が高い。
内臓の不調が皮膚に現れることはよく知られている。肝臓は食物や呼吸を通して体内に入り込んだ有害物質や添加物などの不要物を代謝・分解して無害化する働きを持っている。しかし、肝臓は沈黙の臓器と言われるほど、不調は重症化するまで症状として現れにくい。2014年人間ドッグ全国集計では3人に1人が肝機能に異常値が見つけられるよう
に、異常が見つかる頻度が激増してきた。
肝機能の数値が正常範囲の人でも、年々変化が見られたら、肝臓における細胞自己再生能力や修復作用が阻害されている可能性がある。自己再生能力や修復作用が阻害され、肝機能の低下領域が増加してくると、病気にならないまでも肝臓の働きが悪く代謝しきれなくなると、有害物質が体内をめぐり徐々にさまざまな機能低下を引き起こすことにより生理的な予備能力が衰えてくるようになる。その結果、皮膚に異常が現れ肌トラブルを引き起こしたり、さらに血色が悪くなるので、加齢変化が容姿の衰えとして現れる。
したがって、加齢による脆弱性増加を抑制する方法、すなわち慢性炎症やくすぶり炎症を抑制する方法の開発は、老化に伴う身体的変化や機能低下の防止に大きな貢献をもたらすと考えられる。
特公平7−68122 再公表WO95/30412 再公表WO99/45900 特許第5688163号 特開2015−27968
今堀和友、 山川民夫監修 (1998): 生化学辞典, 第3 版、 東京化学同人 後藤稠、 池田正之、 原一郎編 (1994): 産業中毒便覧(増補版)、 医歯薬出版 村上貴哉、Toxicology Letters 94(1998) 137-144頁 Ellison et a1.,Brain Res(1987)389-392頁 Marshall et a1.,Neurosci Res Commun 18(1996)87-96頁
加齢による脆弱性の増加は、ホメオスタシス維持に影響を及ぼし、皮膚や毛髪の老化変化や身体機能の低下を引き起こす。本発明が解決しようとする課題は、加齢による脆弱性増加を抑制することにより、皮膚を健全化して健康な皮膚を取り戻し、身体機能の低下を防止させる方法を提供することにある。
本発明は、エタノールアミンとアミノ酸を有効成分とすることを特徴とする加齢に伴うくすぶり炎症抑制剤を提供する。
また、本発明は、哺乳動物の胎盤抽出物、哺乳動物の母乳又は哺乳動物の肝臓抽出物に含有されるエタノールアミンとアミノ酸を有効成分とする加齢に伴うくすぶり炎症抑制剤を提供する。
また、本発明は、上記アミノ酸が、グリシン、セリン又はスレオニンの1種又は2種以上を含有する上記加齢に伴うくすぶり炎症抑制剤を提供する。
また、本発明は、加齢に伴うくすぶり炎症抑制が必要な対象に対し、エタノールアミンと、グリシン、セリン又はスレオニンの1種又は2種以上を摂取させることを特徴とする
皮膚を健全化して健康な皮膚を取り戻す方法及び/又は身体機能の低下を防止する方法を提供する。
また、本発明は、加齢に伴うくすぶり炎症抑制剤の有効成分として、哺乳動物の胎盤抽出物、哺乳動物の母乳又は哺乳動物の肝臓抽出物に含有されるエタノールアミンとグリシン、セリン又はスレオニンの1種又は2種以上の使用を提供する。
加齢による脆弱性増加を抑制するためには、肝機能の衰えを防止する手段が考えられる。そのためには肝機能の恒常性を維持することが重要で、肝細胞の再生にはエタノールアミンが関与することが知られている。エタノールアミンは、コリン含有リン脂質に次いで生体内に多いリン脂質のホスファチジルエタノールアミン(PE)やアミノ酸の一つであるセリンの構成成分で、PE のホスホリパーゼDによる加水分解、セリンの脱炭酸によって生じ、定常的に生体内に存在する(非特許文献1、2参照)。
エタノールアミンは、リン脂質であるホスファチジルエタノールアミン(PE)の合成に使用されており、細胞膜のリン脂質組成を正常に保つために必要な因子であり、細胞膜を介する生体反応を正常に維持する働きをしている。
エタノールアミンは、四塩化炭素誘発肝障害モデルを使った試験から、肝保護作用および肝細胞の増殖の促進作用があることが知られている(非特許文献3参照)。また、アルツハイマー病患者の脳、特に側頭皮質、前頭皮質および海馬中のPEが正常の40−60%に低下している事が報告され(非特許文献4参照)、アルツハイマー病におけるエタノールアミンの役割が示唆されている(非特許文献5参照)。
また、エタノールアミンの誘導体がコラーゲンの異常蓄積を伴う疾患の治療(特許文献1参照)やサイトカインの働きが低下した疾患の治療(特許文献2参照)、皮膚の健全化(特許文献3参照)に有用であることが提案されている。
一般に、エタノールアミンやその代謝物であるエタノールアミンリン酸は、細胞成長因子の増強剤として培地に添加できることが知られている。また、エタノールリン酸はアセトアルデヒド脱水素酵素活性を増強する活性成分であり二日酔いなどの肝臓系疾患や腸粘膜障害に有用であることが知られている。さらに、エタノールアミンリン酸はうつ病のバイオマーカーである可能性があること(特許文献4参照)、エタノールアミンリン酸には抗炎症作用や抗酸化剤作用が見出され、炎症性疾患の予防又は治療に有用であることが提案されている(特許文献5参照)。
一方、エタノールアミンは、合成洗剤や化粧品などを製造する際のpH調整剤、機械などの洗浄剤に含まれる防さび剤、溶剤、ガス吸収剤、線維の柔軟剤、化学物質の原料でもある。これらの用途では、皮膚、眼に対して腐食性を示し、経口摂取でも腐食性がみられ腹痛、灼熱感、虚脱を生じるので食品に用いることはない。
そこで、鋭意検討した結果、単独では刺激が強くて経口摂取できないエタノールアミンに対し、アミノ酸を組み合わせることで、アミノ酸による保護作用だけでなく相乗効果によりエタノールアミンの所要量を低減することができ、経口摂取が可能であることを見出した。
また、自然界に存在するエタノールアミンを含む資源を鋭意検討した結果、エタノールアミンに加え、アミノ酸としてグリシン、セリン又はスレオニンを含むことで、加齢による脆弱性増加を抑制し、加齢に伴うくすぶり炎症の抑制効果を見出した。
さらに、エタノールアミンとグリシン、セリン又はスレオニンの1種又は2種以上を摂取させることにより、加齢に伴うくすぶり炎症が原因で生じる消化器官や肝臓など内臓の機能低下、それに伴う肌の弾力性低下、皺の増加などの肌状態に対しても改善効果を有することを見出した。
さらに、哺乳動物の胎盤抽出物、哺乳動物の母乳又は哺乳動物の肝臓抽出物にエタノールアミン及び上記アミノ酸が含有されていることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、エタノールアミンと、グリシン、セリン又はスレオニンからなるアミノ酸の1種又は2種以上を含有するくすぶり炎症抑制剤が、加齢による脆弱性の増加で高値を示すサイトカイン類(例えば、インターロイキン1βおよび6やTNF-αなど)や、炎症やストレスによって誘導されるiNOS(誘導型一酸化窒素合成酵素)を抑制でき、さらに肝線維化を抑制することにより加齢による脆弱性増加を抑制することができ、その結果、皮膚を健全化して健康な皮膚を取り戻し、身体機能の低下を防止することができる。
dTHP-1細胞のLPS刺激による炎症性サイトカイン誘導に対する、ブタ胎盤抽出物の影響 LX-2細胞のTGFβ刺激による可溶性コラーゲンの産生に対する、ブタ胎盤抽出物の影響(生存細胞あたりで換算) 薬物性肝障害モデルに対するブタ胎盤抽出物の影響 急性アルコール中毒モデルに対するブタ胎盤抽出物の影響 慢性アルコール性肝障害モデルに対するブタ胎盤抽出物の影響
本発明のくすぶり炎症抑制剤は、有効成分として、エタノールアミンンと、グリシン、セリン、スレオニンからなるアミノ酸の1種又は2種以上を含有する天然に存在する資源、或いはその素材から抽出したエキスである。
たとえば胎盤抽出物が挙げられ、ブタ或いはウマ由来の胎盤抽出物はスノーデン株式会社などから市販のものを使用することができる。ブタ由来の胎盤抽出物1g中にはエタノールアミン約20〜2000μg、グリシン20〜200mg、セリン10〜100mg、スレオニン10〜100mgが含有されている。また、哺乳動物の母乳や肝臓抽出物なども用いることができる。
本発明のくすぶり炎症抑制剤には、エタノールアミンと、グリシン、セリン又はスレオニンからなるアミノ酸の1種又は2種以上を含有する素材の抽出物以外に、機能性成分として、例えば、「ビタミン類」(レチノール類、肝油類、β−カロテン、ビタミンD類、ビタミンE類、チアミンの塩類、ビタミンB1誘導体、リボフラビン、酪酸リボフラビン、ビタミンB6類、ビタミンB12類、ビタミンC類、ニコチン酸類、パントテン酸類、ビオチン等)、「栄養素」(例えば、アスパラギン酸カリウム・マグネシウム、イノシトール、イノシトールヘキサニコチネート、ウルソデスオキシコール酸、システイン類、オロチン酸、γ−オリザノール、カルシウム塩類、グルクロン酸類等)、「生薬エキス類」(ブルースカルキャップ、カノコソウ、天門冬、黄耆、ツボクサ、朝鮮人参、西洋ニンジン、オート麦、エゾウコギ、オトギリソウ、ホップ、レモンバーム、ヨモギ、バラ、トケイソウ、レイシ、バジル、党参、アシュワガンダ、ググル、竜眼肉、イチョウ、女貞子、カッコウチョロギ、ダミアナ、カミツレ、ライム、ラベンダーなど)、「アミノ酸及びタンパク質類」(アスパラギン酸、シスチン、フェニルアラニン、タウリン、トリプトファ
ン、カゼイン加水分解物やラクトフェリンなど)、「ミネラル類」(カルシウム、イオウ、マグネシウム、亜鉛、セレンや鉄など)、「キノコ類」(シイタケエキス、ヤマブシタケなど)、「種子・胚芽・果実類」(ザクロ、アセロラ、プルーン、ブルーベリーやゴマなど)、「健康茶エキス」(ハブ茶、甜茶やドクダミ茶など)、そしてハチミツ、グルコサミン、米由来セラミドやヒアルロン酸、N−アセチルグルコサミン、ビルベリー、大豆イソフラボン、ヘスペリジン等を組み合わせることができる。
また、経皮的に外用適用でも効果が期待できるので、肌再生の目的で、「抗炎症成分」(グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸等)、「血行促進成分」(ニコチン酸ベンジル、トコフェロール等)、「組織修復成分」(ヘパリン類似物質、アラントイン、酢酸トコフェロール等)、「美白成分」(アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸リン酸マグネシウム塩、アスコルビン酸グルコシド、システイン、グルタチオン、グルタチオンの塩、N−アシル化グルタチオン、グルタチオンのエステル、ハイドロキノン、ハイドロキノンの塩、ハイドロキノンの配糖体、フェルラ酸、フェルラ酸の塩、イソフェルラ酸、イソフェルラ酸の塩、カフェー酸、カフェー酸の塩、レゾルシノール類、カフェイン、タンニン、べラパミル、トラネキサム酸、甘草抽出物、グラブリジン、酢酸トコフェロール、グリチルリチン酸、アルブチン、コウジ酸、エラグ酸、カミツレ抽出物、リノール酸、オレイン酸、リノレン酸等)、「ヒアルロン酸産生促進成分」(N−アセチルグルコサミン、グルコサミン、レチノール、レチノールパルミチン酸エステル、レチノイン酸、マジョラムエキス、セイヨウハッカエキス、ミドリハッカエキス、アップルミントエキス、キランソウエキス、ビューグルエキス、メハジキエキス、キセワタエキス、シソエキス、アオジソエキス、チリメンジソエキス、エゴマエキス、レモンエゴマエキス、メボウキエキス、ヒキオコシエキス、マグワエキス、モウコグワエキス、ロウソエキス、パンノキエキス、コウゾエキス、カジノキエキス、イチジクエキス、オオイタビエキス、アナアオサエキス、オオアオサエキス、シジアオノリエキス、オゴノリエキス、マクサエキス、キリンサイエキス、アラメエキス、ワカメエキス、ヒジキエキス、ノッテドラックエキス、ダービリアエキス等)、「コラゲナーゼ活性阻害作用を有する成分」(レチノール、レチノールパルミチン酸エステル、レチノイン酸、アスコルビン酸又はその塩、パルミチン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、ジステアリン酸アスコルビル、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、ダイズエキス、バーチエキス、藤茶エキス、ウコンエキス、ボタンピエキス、シルクペプチド等)等を組み合わせることができる。
本発明のくすぶり炎症抑制剤は、1日あたりの投与量が成人一人あたりエタノールアミンを1μg〜100mgとなるように含むことができる。本発明のくすぶり炎症抑制剤は、特に限定されないが、週1〜7日投与されてもよい。
本発明の製剤は、病者用食品、健康食品、機能性食品、特定保健用食品、栄養補助食品およびサプリメントなどの形態であってもよい。
本発明の抑制剤は、本発明のくすぶり炎症抑制剤を、そのままの形で使用することもできる。
本発明の抑制剤は、さらに任意の成分を含むことができる。たとえば、本発明のくすぶり炎症抑制剤は、医薬品や食品に許容される基剤、担体、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤および着色剤などを含む形態にて提供することができる。
医薬品や食品に使用する担体および賦形剤の例には、乳糖、ブドウ糖、白糖、マンニトール、デキストリン、馬鈴薯デンプン、トウモロコシデンプン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウムおよび結晶セルロースなどを含む。
また、結合剤の例には、デンプン、ゼラチン、シロップ、トラガントゴム、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースなどを含む。
また、崩壊剤の例には、デンプン、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびカルボキシメチルセルロースカルシウムなどを含む。
また、滑沢剤の例には、ステアリン酸マグネシウム、水素添加植物油、タルクおよびマクロゴールなどを含む。また、着色剤は、食品に添加することが許容されている任意の着色剤を使用することができる。
また、本発明のくすぶり炎症抑制剤は、必要に応じて、白糖、ゼラチン、精製セラック、ゼラチン、グリセリン、ソルビトール、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、フタル酸セルロースアセテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルメタクリレートおよびメタアクリル酸重合体などで一層以上の層で被膜してもよい。
また、必要に応じて、pH調節剤、緩衝剤、安定化剤および可溶化剤などが添加されてもよい。
また、任意の形態の製剤として提供することができる。たとえば、経口投与製剤として、糖衣錠、バッカル錠、コーティング錠およびチュアブル錠等の錠剤、トローチ剤、丸剤、散剤およびソフトカプセルを含むカプセル剤、顆粒剤、懸濁剤、乳剤、ドライシロップを含むシロップ剤、ならびにエリキシル剤等の液剤であることができる。
また、哺乳動物等からの抽出物を使用する場合には、抽出物が特有のえぐみを有することから、抽出物をマスキングする製剤としたり、被覆剤で被覆するフィルムコート剤としたりすることができる。
また、本発明のくすぶり炎症抑制剤は、水、アルコール、1,3−ブチレングリコールなどの溶媒の単独あるいは適宜混合した溶剤に溶解してそのまま使用し得るが、医薬品あるいは化粧品の製造に通常用いられる乳化剤、乳化安定化剤、ゲル化剤、湿潤剤、防腐剤、あるいはその他の添加剤を加えて、常法により容易に各種軟膏、ローション、W/O型クリーム、O/W型クリーム、液剤等の皮膚外用製剤とすることができる。また、化粧品類の形状として、液体、ペースト状などいろいろな粘度ものが挙げられ、化粧水、ローション、クリーム、ミルク、ゲル、パック、含浸シート、含浸マスク、入浴剤、ミストやスプレーなどとすることができる。
外用で用いる場合、外用剤の総量を基準として、本発明のくすぶり炎症抑制剤の配合割合は0.001〜95wt%(重量%の略称)が、効果の発現性や経済性の点から考えて好ましく、特に0.005〜50wt%が好ましい。
以下に試験例を挙げて本発明を詳細に説明する。
〔試験例1〕
ブタの正常分娩胎盤を用い、洗浄後にホモジネートした原料を用いて殺菌処理後に、水を加えて攪拌しながら1.0重量%の蛋白分解酵素を加えて一昼夜保温して消化し、遠心分離して酵素消化液を採取した。酵素消化液を濃縮し、噴霧乾燥することによりブタ胎盤
抽出物を得た。得られたブタ胎盤抽出物は、1g中にエタノールアミン400μg、グリシン75mg、セリン25mg、スレオニン25mgを含有することを確認した。
〔試験例2〕
エンドトキシンに起因する肝障害は、微量に血中に浸入する腸内細菌由来の成分を原因とする。通常、敗血症などの深刻な感染症による大量のエンドトキシンへの暴露を除いて、血中にわずかに混入したエンドトキシンが慢性炎症へ移行することはまれである。一方で、糖尿病や長期にわたるアルコール摂取、高度な疲労や化学物質への暴露は、腸の透過性を昂進させることで腸内菌に由来するエンドトキシンを血中に移行させ、またこれらの習慣や疾病では、肝クッパー細胞(在住マクロファージ系統)などでエンドトキシン刺激への過敏性が誘導されているため、肝臓で強い炎症が引き起こされ、肝障害を誘導することが知られている。
そこで、ヒトマクロファージ様細胞(dTHP-1)に対して、胎盤抽出物の存在下にLPS刺激を与え、炎症性サイトカインおよび炎症応答因子の発現量をRealtime PCRにて評価した。
ヒト単球様細胞株(THP-1)をRPMI(invitrogen)+10%FBS(invitrogen)に懸濁し、終濃度 10nM PMA(sigma)を添加して、37℃,5%CO条件下にて36時間インキュベートし、ヒトマクロファージ様細胞(dTHP-1)へ分化させた。
試験例1のブタ胎盤抽出物をRPMI1640 (Sigma) + 5% FBS (Invitrogen) を含む培地に終濃度0.5-30 mg/mlで添加し、2時間前処理後、LPS-05(Sigma)を終濃度30 ng/mlで細胞に添加し、5時間インキュベートした。
細胞をPBS(-)で洗浄後に、RNeasy Mini キット (Qiagen)のキットに製品添付のプロトコールに従いTotal RNAの抽出を実施した。Total RNAは、ReverTra Ace qPCR RT Master Mix with gDNA Remover キット(TOYOBO)を使って、製品添付のプロトコールに従いcDNA合成に供した。
cDNAは、Fast SYBR Green Master Mix (Life technologies) を使い、製品プロトコール記載の条件に従い、StepOne Plus(Life technologies)を使用して、Realtime PCR分析によって遺伝子の定量を実施した。
プライマーは、以下のものを使用した。
IL-1beta (Primer Set ID: HA237369、 タカラバイオ)、 IL-6 (HA209655)、 TNFalpha (HA198263)、 iNOS (HA032546)。
結果を図1に示す。dTHP-1を、LPSで刺激したところ、炎症性サイトカインの発現量に、未処理に比べてそれぞれIL-6で78×10倍、IL-1betaで64×10倍、TNFalpHaで106倍の大幅な増加が認められた。
一方で、10、 20、 30mg/mlのブタ胎盤抽出物をLPSとともに処理した場合、未処理に比べてIL-6がそれぞれ67×10倍、4×10倍、1.4×10倍、IL-1betaがそれぞれ36×10倍、35×10倍、4×10倍、TNFalpHaがそれぞれ78倍、 43倍、 21倍までの、ほぼ容量依存的な低下が認められた。
また、10、20、30mg/mlのブタ胎盤抽出物のみで細胞を処理した場合、未処理に比べてIL-6がそれぞれ2.2×10倍、1.2×10倍、1.4×10倍、IL-1betaがそれぞれ3.7×10倍、6.4×10倍、6.5×10倍、TNFalpHaがそれぞれ14倍、 22倍、12倍の変動が認められた。
これらの結果から、ブタ胎盤抽出物が、主に大腸菌などの膜成分に由来するエンドトキシン(LPS)が引き起こす炎症反応を抑制することを示唆している。本結果より、ブタ胎盤抽出物が、こういった炎症性臓器傷害に対する緩和効果を持つことが示唆される。
〔試験例3〕
肝線維化症は,臓器にコラーゲンを主体とする細胞外マトリクスが過剰蓄積することで発症する疾病であり、ほぼ全ての原因による肝細胞損傷に対して生ずる反応である。特に、肝炎ウイルスやエンドトキシン、アルコール、脂肪肝などで肝細胞が刺激されると、末梢血や骨髄から炎症細胞が損傷局所に集積し、線維化を促進するTGFbなどを放出して肝星細胞が活性化して、コラーゲン等の細胞外マトリクスの過剰蓄積を引き起こし、臓器の線維化が進行する事が知られる。
ヒト肝臓星細胞様株(LX-2)に対して、ブタ胎盤抽出物の存在下に、炎症性応答モデルとしてTGFβで刺激を与えて、産生される総コラーゲン量を測定した。
50%細胞密度に播種したLX-2細胞を24時間、DMEM medium (Sigma)+2% FBS (invitrogen) 培地で培養し、Opti-MEM Serum Free Medium (invitrogen)に交換後3時間ほど前培養を実施した後に、実施例1のブタ胎盤抽出物を終濃度1-100 mg/mlで添加し、2時間前処理後、2ng/ml recombinant TGFβ (Militenyi)を終濃度2ng/mlで細胞に添加して、さらに12時間培養後、培養上清を回収した。なお、残った細胞はCell Counting Kit-8(同仁化学)を使用し、製品プロトコール記載の条件に従い、細胞生存率の測定に供した。回収した培養上清から、QuickZyme Soluble Collagen Assay(QuickZyme bioscience)を使用し、製品プロトコール記載の条件に従い、上清中の総可溶性コラーゲンの変動を、未処理 (0%)および2ng/ml TGFβ処理(100%)のみの値から、増加率(%)で表した。
結果を図2に示す。LX-2に対する2ng/ml TGFb刺激によって、可溶性コラーゲンの産生量は未刺激に比べて90倍程度上昇したが、TGFb刺激とともにブタ胎盤抽出物を10, 50, 100mg/ml添加することにより、濃度依存的にそれぞれ、82倍、62倍、54倍に産生が抑制された。また、ブタ胎盤抽出物のみを細胞に添加した場合は、それぞれ16倍、15倍、8倍の変動が認められた。
これらの結果から、ブタ胎盤抽出物は、線維化の主な原因である炎症によって誘導されたTGFb刺激による星細胞からのコラーゲン過剰産生について、抑制効果が認められた。
〔試験例4〕
肝臓は、体内で最も容積を占める臓器であり、その機能は多岐にわたる。特に食物や、治療用の薬物、体内で生成される老廃物の解毒排出機能は重要であり、一旦、肝機能が低下すると体内の様々な臓器や皮膚などに変調が生じることが知られている。以下の試験例では、種々の薬物モデルを使用し、肝障害に対する胎盤抽出物及びエタノールアミンの影響を評価した。
風邪薬の成分として知られるアセトアミノフェンの長期大量投与による慢性薬物性の肝障害モデルを使用して、胎盤抽出物およびエタノールアミンの肝臓機能障害に与える影響を評価した。
C57BL/6(雌, 6週齢)マウスに、16時間の絶食後に週4回0.2g/kgのアセトアミノフェン(Sigma)の腹腔投与を実施した。同時に、週6回350mg/kgの実施例1のブタ胎盤抽出物または、週6回0.35mg/kgのエタノールアミンの経口投与を12週間に亘って実施した。治療終了後に、マウスから血漿を回収し、肝臓傷害の指標である血中の肝臓逸脱酵素ALT, ASTを、トランスアミナーゼCII-テストワコー(和光純薬)を使用し、製品プロトコール記載の条件に従い測定を実施した。また肝臓も回収し、4%パラホルムアルデヒドで固定後にパラフィン包埋・薄切を実施し、組織を常法に従ってヘマトキシリンエオシン染色および、F4/80抗体(Biorad)にて免疫組織化学染色を実施し、検鏡後に取得画像より、M
ethamolph(Molecular device)にて、細胞質が失われている変性した肝細胞および肝炎症の指標の一つであるマクロファージ/クッパー細胞のマーカー(F4/80)の集積率を評価した。
結果を図3に示す。図3は、一段目に治療終了時の肝臓HE染色の代表的な写真データ、2段目に肝臓のマクロファージ/クッパー細胞の免疫染色の代表的な写真データを示した。また、三段目に上記の画像の数値化データを示し、四段目に治療終了時の肝臓の血中逸脱酵素(AST、 ALT)の測定データを示した。AAPはアセトアミノフィンをEtnはエタノールアミンを示す。
アセトアミノフェンの長期大量投与によって、未投与に比べて変性した肝臓細胞が、平均55.6倍増加、F4/80強陽性細胞が 7.4倍増加、ASTが3.6倍増加、ALTが3.2倍増加した。一方で、胎盤抽出物またはエタノールアミンを併せて投与したマウスでは、未投与に比べてそれぞれ、変性した肝臓細胞が、平均17.1倍、16.2倍増加、F4/80強陽性細胞が 3.8倍、7.2倍増加、ASTが2.5倍、2.3倍増加、ALTが1.9倍、1.8倍の増加に止まっていた。
これらの結果から、アセトアミノフェンの誘導する肝障害に対して、ブタ胎盤抽出物および、炎症指標を除く指標でのエタノールアミンの投与において、肝臓障害の抑制効果が認められた。
〔試験例5〕
飲酒モデルとして、エタノール強制投与による急性アルコール中毒モデルを作製し、胎盤抽出物およびエタノールアミンの肝臓でのアルコール代謝速度および、酩酊感・嘔吐感に由来する行動阻害に与える影響を評価した。
C57BL/6(雌, 6週齢)マウスを12時間の絶食後に、100mg/kgの実施例1のブタ胎盤抽出物または、0.35mg/kgのエタノールアミン、または滅菌水の経口投与を実施した。0.5時間後に3.5g/kgの生理食塩水に懸濁したエタノールを強制経口投与し、消灯後にSupermex(室町機械)にて、自発運動量を測定した。同様に、C57BL/6(雌, 6週齢)マウスを12時間の絶食後に、100mg/kgの実施例1のブタ胎盤抽出物または、0.35mg/kgのエタノールアミン、または滅菌水の経口投与を実施し、0.5時間後に3.5g/kgの生理食塩水に懸濁したエタノールを強制経口投与し、2時間後に血漿を回収し、血中に残留しているエタノールおよびエタノールの代謝物で嘔吐感や頭痛、各種変調の原因であるアセトアルデヒドの量をF-kitエタノール/アセトアルデヒド(JK International)にて測定した。
結果を図4に示す。EtOHは3.5g/kgエタノール、 Etnは100μg/kgエタノールアミン、 100mg/kg 胎盤抽出物を示す。
消灯直後から、エタノールを投与しない群で、活発に運動量が上昇していたが、エタノール投与群では、投与後7時間後までほとんど運動が確認されなく、その後も9時間までわずかな運動が認められるのみだった。一方で、胎盤抽出液を事前投与していた群では、6時間目から活発な運動が認められ、7時間半の時点でエタノール未投与群と同等になるまでの回復が認められた。エタノールアミン事前投与群では、胎盤抽出物と同様に投与後6時間過ぎからの運動量の上昇を認めたが、終始未投与群の1/3程度の運動量に止まっていた。
さらに、エタノール投与2時間後にエタノールの血中濃度を測定したところ、胎盤抽出物及びエタノールアミンの投与によって、滅菌水投与群と比べてアルコール濃度にほとん
ど差は認められなかった。一方で、代謝物で悪酔いの原因であるアセトアルデヒドの濃度を測定したところ、胎盤抽出物投与群でのみ32%の有意な減少が認められた。
これらの結果から、急性アルコール中毒に伴う行動阻害、およびその原因である血中のアセトアルデヒドの肝臓での無毒化に対して、ブタ胎盤抽出物の事前投与による、改善効果が認められた。一方で、相当するエタノールアミンの投与群では、弱い改善傾向を示すが、有意性は認められなかった。
〔試験例6〕
慢性アルコール性肝障害モデルとして、アルコール長期投与モデルを作製し、胎盤抽出物およびエタノールアミンの肝臓機能障害に与える影響を評価した。
C57BL/6(雌, 6週齢)マウスに、Lieber-DeCarli liquid diet(EPS益新)に5%エタノールを混餌した試料を3か月に渡って持続的に与え、その後、31.5%エタノールを20ml/kg強制経口投与後、37度で9時間保温した後に、血液及び肝臓を回収した。同時に、エタノール投与に加えて、毎日10-1000mg/kgの実施例1のブタ胎盤抽出物または、10〜1000μg/kgのエタノールアミンまたは、滅菌水を経口投与した群も調製した。また対照群として、エタノールを投与しない群には、エタノールの投与カロリーに相当するマルトデキストリン(Sigma)をLieber-DeCarli liquid dietに混餌した試料を与えた。
治療終了後に、マウスから血漿を回収し、肝臓傷害の指標である血中の肝臓逸脱酵素ALT, ASTを、トランスアミナーゼCII-テストワコーを使用し、製品プロトコール記載の条件に従い測定を実施した。また肝臓も回収し、4%パラホルムアルデヒドで固定後にパラフィン包埋・薄切を実施し、組織を常法に従ってヘマトキシリンエオシン染色および、F4/80抗体にて免疫組織化学染色を実施し、検鏡後に取得画像より、Methamolphにて、細胞質が失われている変性した肝細胞および肝炎症の指標の一つであるマクロファージ/クッパー細胞のマーカー(F4/80)の集積率、およびアルコール性脂肪肝進行の指標である直径10μm以上の肝臓内脂肪滴数を評価した。
結果を図5に示す。Pairはエタノール非投与群(対照としてマルトデキストリンを投与)、Etnは100μg/kgエタノールアミン、 100mg/kg 胎盤抽出物、 F4/80はマクロファージ/クッパー細胞マーカーを示す。
エタノールの長期投与によって、エタノール未投与群に比べて変性した肝臓細胞数が、平均54倍、F4/80強陽性細胞が 4.1倍、ASTが3.8倍、ALTが5.5倍、脂肪滴数が51倍増加した。胎盤抽出物をエタノールに加えて併用で投与したマウスでは、滅菌水投与群に比べて、変性肝臓細胞数、F4/80強陽性細胞、AST、ALTおよび、100mg/kg以上の胎盤抽出物の投与群の脂肪滴数で、用量依存的な減少が認められた。一方、相当するエタノールアミンの併用では、変性肝臓細胞数、ASTおよびALTに減少傾向が認められたが、脂肪滴数は逆に増加傾向が認められた。
これらの結果から、アルコール長期投与による慢性アルコール性肝障害に対して、ブタ胎盤抽出物の障害の抑制効果が認められた。一方でエタノールアミンの関しては、ALTおよび変性肝細胞数が顕著に減少しているため、肝細胞の保護作用が認められると考えられるが、脂肪肝および炎症に関しては、作用を認めない、または増悪する可能性が示唆される。
試験例4、5、6より、エタノールアミン単独の投与では、アルコールを含む薬物性の肝臓障害に対して一定の保護作用が認められるものの、十分な効果を期待することは難しく、肌質の改善も同様と考えられる。ことのため、治療効果を期待するためには、胎盤抽
出物のような幾つかの補助成分を含んだ形でのエタノールアミンの提供が望ましいと考えられる。
以下の実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例1(液剤)
(成分)
(1)試験例1のブタ胎盤抽出物 90 g
(2)クエン酸三ナトリウム 10 g
(3)スクラロース 0.6 g
(4)クエン酸 10 g
(5)香料 6 g
(6)水 残 余
(合 計 3000 g)
(製造法)
水2000gに上記の(1)〜(5)を順次加えて溶解し、水を加えて3000gとする。次に、上記混合物を95℃まで加熱した後、容器に10gずつ充填し、ドリンクタイプの実施例1の液剤を得る。
実施例2(カプセル剤)
(成分)
(1)試験例1の胎盤抽出物 300mg
(2)グリシン 10mg
(3)ニコチン酸アミド 5mg
(4)L−リジン塩酸塩 5mg
(5)L−アルギニン 5mg
(6)L−ヒスチジン 5mg
(7)ステアリン酸カルシウム 4mg
(8)ビタミンB1 2mg
(9)ビタミンB6 2mg
(10)ビタミンB2 2mg
(11)葉酸 0.2mg
(12)ビタミンD3 1mg
(13)ビタミンB12 0.5mg
(14)結晶セルロース 38.3mg
(合 計 380mg)
(製造法)
上記の(1)から(14)までの各成分の10000倍量を秤量・混合し、プルランカプセル1号に380mgずつ充填し、実施例3のカプセル剤を得る。
実施例3(錠剤)
(処方)
(1)実施例1のブタ胎盤抽出物 25重量部
(2)乳糖 69重量部
(3)合成ケイ酸アルミニウム 5重量部
(4)ステアリン酸マグネシウム 1重量部
(製造方法)
上記の各成分を混合し、その混合物を打錠機で1錠300mgに打錠して1錠中にブタ胎盤抽出物75mg含む錠剤を得る。

Claims (5)

  1. エタノールアミンとアミノ酸を有効成分とすることを特徴とする加齢に伴うくすぶり炎症抑制剤。
  2. 哺乳動物の胎盤抽出物、哺乳動物の母乳又は哺乳動物の肝臓抽出物に含有されるエタノールアミンとアミノ酸を有効成分とする加齢に伴うくすぶり炎症抑制剤。
  3. アミノ酸が、グリシン、セリン又はスレオニンの1種又は2種以上を含有する請求項1又は2に記載の加齢に伴うくすぶり炎症抑制剤。
  4. 加齢に伴うくすぶり炎症抑制が必要な対象に対し、エタノールアミンと、グリシン、セリン又はスレオニンの1種又は2種以上を摂取させることを特徴とする皮膚を健全化して健康な皮膚を取り戻す方法及び/又は身体機能の低下を防止する方法(但し、ヒトに対する医療行為を除く)。
  5. 加齢に伴うくすぶり炎症抑制剤の有効成分として、哺乳動物の胎盤抽出物、哺乳動物の母乳又は哺乳動物の肝臓抽出物に含有されるエタノールアミンとグリシン、セリン又はスレオニンの1種又は2種以上の使用。


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