JP2017071518A - チタン酸バリウム微粒子とその分散体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 微細な粉末でありながら、誘電体材料としての結晶性および分散媒への分散性が良好なチタン酸バリウム微粒子を提供する。
【解決手段】本発明が提供するチタン酸バリウム微粒子は、チタン酸バリウムを主体とする微粒子であって、電子顕微鏡観察に基づく平均粒子径が30nm以上200nm以下で、実質的にチタン酸バリウムからなるコア粒子の表面の少なくとも一部に有機物を備え、コア粒子におけるチタン酸バリウム結晶子のa軸とc軸との格子定数比c/aが1.003以上であって、FTIR分析により得られるスペクトルにおいて、波数1450cm-1近傍と1650cm-1近傍とにそれぞれ吸収ピークが観測され、1450cm-1近傍の吸収ピークの強度I1450が、1650cm-1近傍の吸収ピークの強度I1650よりも高いことを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、チタン酸バリウム微粒子と、該チタン酸バリウム微粒子を含有する分散体に関する。
チタン酸バリウム(BaTiO)は、室温で正方晶のペロブスカイト型結晶構造を有する人工鉱物であって、非常に高い比誘電率を示すことから電子材料等として様々な技術分野において利用されている。このチタン酸バリウムにより誘電体物品を作製する場合、一般には、チタン酸バリウムの微粒子を分散媒に分散させたスラリー(分散体)を調製し、このスラリーから目的の物品を製造することが行われている。そして電子部品等の小型化および高品質化が進むに伴い、チタン酸バリウム微粒子についても、粒子径がなるべく小さく、分散性の良好な粒子が必要とされている。ナノメートルオーダーのチタン酸バリウム微粒子を製造する従来技術として、例えば、特許文献1〜9および非特許文献1が挙げられる。
なお一般に、粒子はナノメートルオーダーにまで微細化されると凝集しやすくなり、スラリーを調製する際の分散性が悪くなる傾向にある。また、チタン酸バリウムはナノメートルオーダーにまで粒子径が減少すると、正方晶から立方晶に近い構造へと相転移を起こしやすく、これに伴い比誘電率が低下する傾向にあった。
特開2002−211926号公報 特開2010−030861号公報 特開2009−058840号公報 特開2012−155346号公報 特開2014−144899号公報 特開H07−232923号公報 特開2001−253711号公報 特許第4702515号公報 特開2008−133163号公報
S.-G. Kwon et al., Journal of the European Ceramic Society 26 (2006)1401-1404
上記のチタン酸バリウム微粒子の製造に係る従来技術のうち、水熱合成法によるものは、結晶性が良好で結晶格子定数比c/aの比較的大きなチタン酸バリウム微粒子が得られやすいという利点があった(例えば、特許文献1および2)。しかしながら、水熱合成によるチタン酸バリウム微粒子は微細になるほど凝集性が著しく高くなり、均一なスラリーが得られにくいという問題があった。
一方で、有機化合物の存在下、比較的低温でチタン酸バリウム微粒子を製造し、該微粒子の表面を有機化合物でコーティングして分散性を高めることも提案されている(例えば特許文献3〜5)。しかしながら、これらの製法によると、チタン酸バリウム微粒子がアモルファスとして得られたり、c/aが1に近い立方晶側のチタン酸バリウム微粒子が得られたりしやすく、強誘電体特性が損なわれるという欠点があった。さらには、製造直後には分散性の良好なチタン酸バリウム微粒子が得られていても、一旦粉末とすると凝集性が高められ、その後スラリーを調製する際には均一なスラリーが得られ難いという問題があった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、微細な粉末でありながら、誘電体材料としての結晶性および分散媒への分散性が良好なチタン酸バリウム微粒子を提供することを目的とする。また、他の観点から、本発明は、かかるチタン酸バリウム微粒子が分散された分散体を提供することを目的とする。
本発明者らは、これまでに、ナノメートルオーダーで微細であって、均質かつ粒子間の付着力や凝集力が抑制されたチタン酸バリウム微粒子について提案している(特許文献5参照)。このチタン酸バリウム微粒子は、還流法によりチタン酸バリウムをポリビニルピロリドン(PVP)で被覆することで、微粒子の凝集を抑えつつ、均質かつ等方的にチタン酸バリウム微粒子を作製するようにしたものである。しかしながら、このチタン酸バリウム微粒子は、平均粒子径が100nm以下であるとc/aが1.001程度と小さくなってしまうという問題があった。また、PVP被膜で覆われることで粒子作製時の分散性は良好なものの、一旦粉末としたあとや保存後の粒子の分散性(以下、再分散性という。)については低いという改善点があった。
これらの点を満足すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明者らは、チタン酸バリウム微粒子の表面を、PVP等の有機化合物の被膜で完全に被覆するのではなく、その一部を分解した不完全な状態でチタン酸バリウム微粒子の表面に付着させることで、再分散性の良好なチタン酸バリウム微粒子を実現し得ることを見出した。また、かかるPVP等の有機化合物被膜の分解に併せて、c/aを高め得ることも見出し、本願発明を完成するに至った。
すなわち、ここに開示されるチタン酸バリウム微粒子は、電子顕微鏡観察に基づく平均粒子径が10nm以上200nm以下で、実質的にチタン酸バリウムからなるコア粒子の表面の少なくとも一部に有機物を備えている。そして上記コア粒子におけるチタン酸バリウム結晶子のa軸とc軸との格子定数比c/aが1.003以上であって、FTIR分析により得られるスペクトルにおいて、波数1450cm-1近傍と1650cm-1近傍とにそれぞれ吸収ピークが観測され、上記1450cm-1近傍の吸収ピークの強度I1450が、上記1650cm-1近傍の吸収ピークの強度I1650よりも高いことを特徴としている。
このような構成によると、平均粒子径が微細ながらも結晶性の良好なチタン酸バリウム微粒子が提供される。またこの微粒子は、表面に備える有機物が、FTIRスペクトルにおいてPVPのC=O結合に由来するピークと、かかるC=O結合が分解されたときに増大するCH基に由来するピークとを有し、後者の方が大きい。つまり、PV分解物に相当する構造の有機物がチタン酸バリウム微粒子の表面に存在する。これにより、分散媒への再分散性が良好なチタン酸バリウム微粒子が実現される。
ここに開示されるチタン酸バリウム微粒子の好ましい一態様において、上記FTIR分析により得られるスペクトルにおいて、波数1550cm-1近傍に吸収ピークが観測されることを特徴としている。この1550cm-1近傍の吸収ピークは、PVPが分解されて形成されるNH基に由来するピークであり得る。かかる吸収ピークの存在によっても、チタン酸バリウム微粒子の表面の有機物が完全なるPVPではなくその分解物に相当する構造を有することを確認することができる。
ここに開示されるチタン酸バリウム微粒子の好ましい一態様において、上記1450cm-1近傍の吸収ピークの強度I1450と、上記1550cm-1近傍の吸収ピークの強度I1550と、
上記1650cm-1近傍の吸収ピークの強度I1650とが、次式:1.1≦I1450/I1650;および、次式:2.6≦I1450/I1550≦8;を満たすことを特徴としている。このような構成によると、例えば、PVPとその分解物とのバランスの良好なチタン酸バリウム微粒子が提供される。
ここに開示されるチタン酸バリウム微粒子の好ましい一態様において、動的光散乱法に基づく粒度分布の変動係数が50%以下であることを特徴としている。これにより、スラリー等の分散体を調製した場合における分散性が良好なチタン酸バリウム微粒子が提供される。
ここに開示されるチタン酸バリウム微粒子の好ましい一態様において、上記有機物がPVP由来の分解生成物であることを特徴としている。チタン酸バリウム微粒子の表面に備えられる有機物がPVP由来の分解生成物であることで、より均質で分散性に優れたチタン酸バリウム微粒子が得られるために好ましい。
ここに開示されるチタン酸バリウム微粒子の好ましい一態様において、上記有機物が、上記チタン酸バリウム微粒子全体の1質量%以上10質量%以下の割合で含まれることを特徴としている。ここに開示されるチタン酸バリウム微粒子は、表面の有機物の付着量を柔軟に制御することができる。したがって有機物が複数のチタン酸バリウム微粒子同士を架橋するように過剰に付着することなく、分散性の良好な微粒子が提供されるために好ましい。
以上のとおり、ここに開示されるチタン酸バリウム微粒子は、結晶性の良好なナノメートルオーダーの粉末状態でありながら、分散媒への再分散性が良好なものとして実現されている。そこで他の側面において、ここに開示される技術は、このチタン酸バリウム微粒子の特長を活かして、上記のチタン酸バリウム微粒子が分散媒に分散されている分散体をも提供する。この分散媒は、水、エタノール、テルピネオールおよびエチレングリコールからなる群から選択される少なくとも1種を含むものとすることができる。これにより、例えば、積層セラミックコンデンサ(MLCC)等の誘電体デバイスや、温度センサ、発熱体等の半導体素子等の作製に好適な、分散体が提供される。
一実施形態に係るチタン酸バリウム微粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)像である。 例1のチタン酸バリウム微粒子のDLS法による粒度分布である。 例1〜6のチタン酸バリウム微粒子のXRDパターンである。 例1,7〜12のチタン酸バリウム微粒子のXRDパターンである。 例1,13〜16のチタン酸バリウム微粒子のXRDパターンである。 各例のチタン酸バリウム微粒子のTG曲線である。 各例のチタン酸バリウム微粒子のFTIR−ATRスペクトルである。 他の例のチタン酸バリウム微粒子のFTIR−ATRスペクトルである。 一実施形態に係るチタン酸バリウム微粒子を用いて形成される積層セラミックコンデンサの構成を説明する断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば、チタン酸バリウム微粒子および分散媒の形態等)以外の事項であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、原料等の入手・調製方法、チタン酸バリウム微粒子および分散媒からの誘電体素子の製造に関する一般的事項等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。なお、本明細書において範囲を示す「A〜B」との表記は、A以上B以下を意味する。また、本明細書において、分散体とは、分散質たるチタン酸バリウム微粒子が任意の分散媒に分散された状態のものであって、ペースト,スラリー,インク,サスペンション等とよばれるものを包含する。
ここで開示されるチタン酸バリウム微粒子は、実質的にチタン酸バリウムからなるコア粒子の表面の少なくとも一部に有機物を備えている。
コア粒子、すなわち、チタン酸バリウム微粒子の主体部分は、実質的にチタン酸バリウムからなる。ここで、「実質的に」とは、不可避的な不純物や微量の他の成分(例えば被覆部に含まれる成分)等の混入を許容することを意味し、チタン酸バリウムの含有量がおおむねチタン酸バリウムからなると判断できれば特に限定されない。典型的には、コア粒子の95質量%以上(好ましくは98質量%以上、例えば99質量%以上)がチタン酸バリウムであることをいう。
また、チタン酸バリウムは、一般式:BaTiO;で示される組成を有するペロブスカイト型構造の金属複合酸化物である。このチタン酸バリウムは、本発明の目的を損ねない限りにおいて、バリウム(Ba)とチタン(Ti)との元素比Ba/Tiが0.9〜1.1(好ましくは0.95〜1.05)程度に変化されていても良い。しかしながら、安定な結晶構造を維持するとの観点において、Ba/Tiは「1」もしくは「1」に近いことが好ましい。また、バリウムおよびチタンの各1原子あたりと結合する酸素の数は「3」からずれていても良い。さらに、前記一般式中のBaサイトおよびTiサイトが他の元素で置換されていても良い。かかる置換元素は、チタン酸バリウム微粒子の用途等に応じて適宜決定することができ、例えば、カルシウム(Ca),ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属元素や、ランタン(La),ネオジウム(Nd),サマリウム(Sm),ユーロピウム(Er),ジスプロシウム(Dy)等のランタノイド元素、イットリア(Y),バナジウム(V),クロム(Cr),マンガン(Mn),鉄(Fe),コバルト(Co),ニッケル(Ni),ハフニウム(Hf),タンタル(Ta),タングステン(W),ジルコニウム(Zr),ニオブ(Nb),モリブデン(Mo)等の遷移金属元素、ルテニウム(Ru),ロジウム(Rh),パラジウム(Pd),オスミウム(Os),イリジウム(Ir),プラチナ(Pt)等の貴金属元素、スズ(Sn),鉛(Pb),ビスマス(Bi)等の典型金属元素、セレン(Se),ゲルマニウム(Ge),テルル(Te),アンチモン(Sb)等の元素であってよい。これらの置換元素は、典型的には、ドーパントとして機能し得る。置換元素の割合は、例えば、0.002〜0.05原子%程度とすることができる。
コア粒子の平均粒子径は、チタン酸バリウム微粒子の平均粒子径に概ね一致する。かかる平均粒子径は、厳密には制限されないものの、典型的には10nm〜200nmであり、好ましくは30nm〜150nm程度であり、例えば40nm〜120nmである。ただし、チタン酸バリウム微粒子の平均粒子径は後述のチタン酸バリウム微粒子の好適な製造方法により調整し得ることから、例えば目的の用途等に応じて所望の大きさとすることができる。なお、平均粒子径は、例えば、PVPの添加量、溶媒の組成、原料混合液の温度やpH等を制御することで調整することができる。
また、ここでいうチタン酸バリウム微粒子の「平均粒子径」とは、電子顕微鏡等の観察手段により観察される複数(例えば2以上)の観察視野あるいは観察像内で選定された100個以上の粒子の円相当径の算術平均値として定義される。本明細書においては、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)による観察により特定される平均粒子径を採用している。そしてかかる平均粒子径は、後述の分散体におけるチタン酸バリウム微粒子のDLS法による平均粒子径とは明確に区別される。なお、このことからもわかるように、チタン酸バリウム微粒子は、典型的には、複数の粒子の集合体として粉末の形態で提供される。
また、チタン酸バリウムが正方晶を維持し、高い比誘電率を備え得るとの観点から、コア粒子におけるチタン酸バリウム結晶子のa軸とc軸との格子定数比c/aは1.003以上であり、好ましくは1.004以上、より好ましくは1.005以上である。この格子定数は、例えば、粉末X線回折による回折パターンをリートベルト解析することで算出された値を採用することができる。
以上のコア粒子は、略球形の表面の少なくとも一部に有機物を備えている。有機物は、後述の特性を有するものが、コア粒子の一部に付着していてもよいし、全体を被覆していてもよい。かかる有機物は、ポリビニルピロリドン(Polyvinylpyrrolidone:PVP)の分解生成物に相当する化学構造を含んでいることにより特徴づけられる。例えば、PVPおよびその分解生成物であり得る。
発明者らの検討によると、コア粒子が完全にPVPに覆われている場合もしくは完全なPVPに一部が覆われている場合は、チタン酸バリウム微粒子同士がPVPにより架橋されて凝集塊を形成してしまう事態が起こり得た。特に還流法により製造されるチタン酸バリウム微粒子では、PVP被覆量の制御を精密に行い難く、一見均質なチタン酸バリウム微粒子であっても複数の粒子の結合が見られた。このような場合、粉末状のチタン酸バリウム微粒子を分散媒に再分散させようとしても、チタン酸バリウム微粒子は単分散状態で分散媒中に均一に分散し難い。これに対し、理由は定かではないが、チタン酸バリウム微粒子の表面のPVPの少なくとも一部が分解された状態であると、チタン酸バリウム微粒子同士の架橋が顕著に抑制されて、分散媒への再分散性が著しく高められ得る。ここに開示されるチタン酸バリウム微粒子は、かかる知見に基づき完成されたものである。
このようなPVPの分解生成物は、有機物の化学構造中にPVPの分解生成物に相当する構造が含まれているかどうかを調べることで確認することができる。かかる有機物の化学構造の特定方法は様々であるが、本明細書においては、比較的高精度な分析が可能で汎用されている手法として、フーリエ変換赤外分光分析(Fourier Transform Infrared Spectroscopy:FTIR)による定性分析を採用している。また、測定対象たる有機物はコア粒子の表面にのみ存在していることから、かかる分析は、試料表面で全反射する光を測定することにより試料表面の吸収スペクトルを得る、全反射(Attenuated Total Reflection:ATR)測定法により実施することが好ましい。
PVPは、一般式:(CNO);で示される組成を有し、次式に示されるように、5員環ラクタム構造およびビニル基を有するN−ビニル−2−ピロリドン(CHCHNCCO)が重合した構造の高分子化合物である。
PVPの分解生成物は、例えば、PVPの5員環ラクタム構造が開環したり、C=O結合やC−C骨格が分解されたりすることに起因して、CH基を備え得る。また、PVPの分解生成物は、窒素(N)と炭素(C)との結合が決裂されたことに起因して、NH基を備え得る。したがって、FTIR分析により得られるスペクトルにおいて、これらCH基やNH基に起因するスペクトルが確認されることで、PVPの分解生成物に相当する化学構造があると確認することができる。また、併せて、PVPに起因するC=O結合やC−N結合に起因するスペクトルが確認されることで、PVPの一部が分解されて分解生成物が形成されていると判断することができる。
かかる観点から、ここに開示されるチタン酸バリウム微粒子は、ATR法によるFTIRスペクトル(以下、FTIR−ATRスペクトルという。)において、波数1450cm-1近傍にCH基に由来する吸収ピークを有し、波数1550cm-1近傍にNH基に由来する吸収ピークを有し、かつ、1650cm-1近傍にC=O結合に由来する吸収ピークを有している。
そして、PVPが十分に分解されていることが好ましいことから、1450cm-1近傍の吸収ピークの強度I1450が、1650cm-1近傍の吸収ピークの強度I1650よりも高い(I1450>I1650)ことを好ましい要件としている。これらのピーク強度は、その比(I1450/I1650)が、1よりも大きければ特に制限されないが、かかる比は1.1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましく、2.5以上であることがさらに好ましく、3以上であることが特に好ましい。PVPの分解が進むにつれてCH基は大きく増大することから、これらのピーク強度比(I1450/I1650)の上限は特に制限されないが、チタン酸バリウム微粒子の合成時の分散性が確保され得るとの観点から、PVPがある程度存在していることも好ましい態様であり得る。したがって、ピーク強度比(I1450/I1650)は、例えば20以下とすることができ、19以下とすることができる。
また同様に、1450cm-1近傍の吸収ピークの強度I1450と、1550cm-1近傍の吸収ピークの強度I1550との比(I1450/I1550)は厳密には制限されないが、PVPは一部を残して十分に分解されていることが好ましいことから、CH基とNH基との割合は所定の範囲であることが好ましい。すなわち、比(I1450/I1550)は、2.6以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましく、3.2以上であることが特に好ましい。また、ピーク強度比(I1450/I1550)は、例えば8以下とすることができ、7.5以下であることが好ましく、7以下であることがより好ましい。
なお、ここに開示されるチタン酸バリウム微粒子において、上記の有機化合物は、例えばSEM等の電子顕微鏡観察によっては明瞭に確認できないことが殆どである。この点において、本発明者らの先行技術(特許文献5)に開示されるチタン酸バリウムナノ微粒子とは確実に区別され得る。そしてこの有機物は、例えば、熱重量分析によりその付着量を確認することができる。すなわち、チタン酸バリウム微粒子に付着している有機物の含有量は、極少量でも備えられていることで再分散性の向上が期待できるが、良好な再分散性を確保するためには1質量%以上であることが好ましく、1.5質量%以上であることがより好ましく、2質量%以上であることが特に好ましい。また、有機物の過剰な付着は、たとえその化学構造が分解されているとしてもチタン酸バリウム微粒子の架橋を招きやすいために好ましくない。したがって、有機物の含有量は、10質量%以下(例えば10質量%未満)とすることができ、9質量%以下であることがより好ましく、8質量%以下であることが特に好ましい。
このようなチタン酸バリウム微粒子は、上記のとおり、PVPの分解生成物に相当する化学構造を有している。これにより、粉末の状態から、分散媒に分散させたときの分散性が著しく高められている。このような分散性は、例えば、分散媒中のチタン酸バリウム微粒子の凝集状態を評価する指標として、動的光散乱(Dynamic light scattering:DLS)法に基づく平均粒子径や、その単分散性を示す変動係数(Coefficient of Variation:CV)を用いることにより評価することができる。DLS法では、液体中に分散した大きさが主にサブミクロンからナノメートル領域にある粒子の平均径を推定したり、粒子径分布の広がりを測定したりすることができる。したがって、チタン酸バリウム微粒子を分散媒に分散させた分散体におけるチタン酸バリウム微粒子のDLS法に基づく平均粒子径が、上記の粉末状態における電子顕微鏡観察に基づく平均粒子径と同じかより近い程、チタン酸バリウム微粒子の凝集が抑制されているとして、分散性がよいと判断することができる。また、DLS法に基づく粒子径分布のCV値が小さい程、当該粒子が単分散であると評価することができる。一般的にナノメートルオーダーで凝集が生じ易い粉体のCV値は30%を超過し得る。これに対し、ここに開示されるチタン酸バリウム微粒子のDLS法に基づく粒度分布のCV値は、50%以下となり得る。かかるCV値は、45%以下であることがより好ましく、40%以下であることが特に好ましい。
DLS法に基づく平均粒子径は、JIS Z 8828:2013に準じて測定することができる。また、変動係数は、次式:変動係数[%]=標準偏差÷平均粒子径×100;により算出することができる。
以下に、ここに開示されるチタン酸バリウム微粒子の好適な製造方法を示すことで、かかるチタン酸バリウム微粒子の特徴についてさらに詳しく説明する。しかしながら、ここに開示されるチタン酸バリウム微粒子の製造方法は下記の態様に限定されるものではない。
ここに開示されるチタン酸バリウム微粒子の製造方法は、本質的に水熱合成法を利用している。かかる方法では、チタン酸バリウムの原料混合液(反応溶液)中に、アルコールと、有機物源であるPVPと、を含有させた状態で、150℃以上240℃以下の温度範囲かつ1気圧を超える圧力条件で、水熱合成を行うことを特徴としている。かかるチタン酸バリウムの合成は、例えば、オートクレーブ等の高温高圧環境を形成し得る装置等を利用して実施しても良い。
チタン酸バリウムの原料としては、チタン(Ti)源とバリウム(Ba)源とPVPとを考慮することができる。チタン酸バリウムがTiとBa以外の金属元素(置換元素)を含む場合は、それらの金属塩も用意するようにする。以下、置換元素を含まない場合を例に説明を行うが、置換元素を含む場合はTiまたはBaの一部を当該置換元素に置き換えることで同様にチタン酸バリウム微粒子を製造することができる。
チタン源およびバリウム源としては、チタンおよびバリウムのそれぞれ金属の塩(すなわちTi塩やBa塩)を好ましく使用することができる。このような金属塩としては、塩化物、臭化物、ヨウ化物などのハロゲン化物や、水酸化物、硫化物、硫酸塩、硝酸塩、さらには、カリウム複合酸化物、アンモニウム複合酸化物、ナトリウム複合酸化物などの複合酸化物等であり得る。チタンおよびバリウムの塩におけるアニオンは、同一であってもよいし互いに異なっていてもよい。そしてこれらのチタン源およびバリウム源を溶媒に溶解して、原料混合液を調製する。原料混合溶液における金属元素(例えばTiおよびBa)の量比は、化学量論組成とすることができる。原料混合液における金属元素の濃度は、例えば、金属元素の合計の濃度が0.1mol/L〜2mol/L程度となるように調整するのが好ましい。
原料混合液に用いる溶媒としては、少なくともアルコールを含むようにする。例えば、溶媒は、アルコール100%であってもよいし、上記チタン源およびバリウム源の調製および混合等が簡便となるようにアルコールと水との混合溶媒としてもよい。しかしながら、アルコールを含まない水のみからなる溶媒では、ここに開示される溶媒分散性が良好なチタン酸バリウム微粒子を合成できないことが確認されている。
アルコールとしては、炭素数が1〜4の低級アルコールを好ましく用いることができる。具体的には、例えば、メタノール,エタノール,1−プロパノール,2−プロパノール,1−ブタノール,2−メチル−1−プロパノール,2−ブタノール,2−メチル−2−プロパノール等が挙げられる。水としては、イオン交換水,純水,蒸留水等を使用することができる。
水とアルコールとの混合溶媒を用いる場合、両者の混合割合は特に制限されない。アルコールは微量であってもよいが、少量過ぎる場合は再分散時にチタン酸バリウム微粒子が凝集する傾向が見られる。したがって、混合溶媒におけるアルコールの割合は、例えば3質量%以上とするのが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることが特に好ましい。またアルコールの割合の上限は特に制限されないが、例えば、95質量%以下とすることができ、80質量%以下とすることができ、60質量%以下とすることができる。
PVPについてはその分子量等に特に制限はなく、例えば、上記の原料混合液との混合状態に応じて適宜分子量を調整することができる。例えば、重量平均分子量が2500〜5万5千程度のものを使用することで、原料混合液中にPVPを均一に混合できるために好ましい。
なお、PVPの混合割合については特に制限はなく、PVPの割合が多いほど合成されるチタン酸バリウム微粒子(コア粒子であり得る)の平均粒子径が小さくなる傾向が見られるために好ましい。ここで、PVPは原料混合液中に均一に添加できる程度であれば添加量の上限は制限されない。原料混合液におけるチタン源およびバリウム源の濃度等にもよるために一概には言えないが、具体的には、例えば、PVPの含有量は5g/L〜300g/L程度とすることが好ましく、10g/L〜200g/L程度とすることがより好ましく、20g/L〜100g/L程度とするのが特に好ましい。
なお、原料混合液を調製する際は、チタン源とバリウム源とを別々の溶液(典型的には水溶液)として用意しておき、これらを混合するとよい。各原料を所定の溶媒中で均一に混合することで原料混合液を調製することができる。なお、原料混合液は初期pHが7以上(好ましくはpH10〜14、典型的にはpH11〜14前後)のアルカリ性であることが好ましい。このため、必要に応じて、原料混合液にアルカリ性溶液(例えば、アンモニア水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液など)を添加してpHを調製することもできる。本明細書中において、pHの値は、液温25℃を基準とするpH値をいう。
このように用意した原料混合液を150℃以上240℃以下の温度範囲でかつ1気圧を超える加圧条件において反応させる。PVPは、チタン酸バリウム結晶の核形成および核成長過程において、キレート化剤として作用するものと考えられる。すなわち、PVPが析出したチタン酸バリウムの結晶核の表面に配位して結晶の過剰な成長を抑制する。これにより、ナノメートルサイズの微小なコア粒子を好適に形成することができる。また、形成されるコア粒子は、PVPの作用により粒径や粒子形状が揃った均質なものとなり得る。加えて、得られたチタン酸バリウムからなるコア粒子は、表面がPVP(およびその分解生成物)で薄く被覆されることから、粒子間での付着や凝集が抑制され得る。なお、この反応過程において、コア粒子の表面を覆うPVPは、チタン酸バリウム微粒子の再分散性を高めるために、少なくとも一部が分解されている必要がある。また、合成されるチタン酸バリウムにおけるc/aは、1.003とすることが求められる。かかる観点から、水熱合成における反応温度は上記のとおり150℃以上240℃以下に規定される。
反応温度が150℃よりも低すぎると、合成されるチタン酸バリウムにおけるc/aが1.003に満たなくなる虞があるために好ましくない。またPVPが好適に分解されないために好ましくない。c/aを1.003以上より高くし、かつ、PVPの分解を誘起するためには、反応温度を高くすることがより好ましい。例えば、反応温度は180℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましい。PVPの融点(ガラス転移点)は、一般的に150℃〜180℃であることが知られており、分解温度は220℃であることが知られている。このようなPVP物性に対して、PVPの少なくとも一部を分解させるという上記の反応温度は、これまでのチタン酸バリウム微粒子の製造において予想し得ないものであると言える。一方で、反応温度が240℃を超過しすぎると(例えば250℃)、PVPの分解が進みすぎてPVPが消失されるために好ましくない。反応時間については特に制限されず、原料混合液の量、PVPの添加量や分解の程等によって、適宜調整することができる。例えば、チタン酸バリウム微粒子に占める有機物の割合が10質量%以下程度となるよう調整することができる。反応時間のおおよその目安としては、0.5時間〜72時間程度とすることができ、好ましくは12時間〜36時間程度、より好ましくは18時間〜30時間程度である。
また、反応時の圧力は、大気圧よりも高い圧力条件(典型的には1気圧超過、好ましくは2気圧以上)とすることが肝要である。このような反応環境は、例えば、上記原料混合液を密閉容器に入れるなどし、圧力調整が可能な環境で加熱することで実現することができる。反応時の圧力の上限は厳密には規定されないが、例えば、45気圧以下程度、好ましくは35気圧以下程度、例えば4〜30気圧程度とすることができる。例えば、原料混合液を密閉容器に容積の1/3程度収容して加熱することを、おおよその目安とすることができる。
合成されたチタン酸バリウム微粒子は、原料混合液の溶媒を除去することで回収することができる。かかる方法は特に限定されないが、例えば遠心分離機でナノ微粒子を沈殿させて上澄み液(溶媒)を除去したり、ろ過によって溶媒から分離したりしたのち、洗浄して乾燥させるとよい。このとき洗浄は、使用した溶媒と同種の溶媒を用いるとよい。乾燥手法としては、例えば、熱風乾燥装置、低湿風乾燥装置、真空乾燥装置、各種赤外線乾燥装置、電磁誘導乾燥装置、マイクロ波乾燥装置、ドライエアー等や、送風、減圧、加熱等の乾燥促進手段を単独または組み合わせて用いることができる。乾燥の条件(例えば乾燥手法や所要時間)は、溶媒の種類や溶媒量によって適宜決定することができる。これによって、未反応の原料や副反応生成物等を好適に除去し、純度の高いチタン酸バリウム微粒子を得ることができる。
このようにして得られるチタン酸バリウム微粒子の粉体(微粒子群)は、チタン酸バリウムコア粒子の表面に、少なくともPVPの分解生成物に由来する有機物を備えている。このため、例えば粉末状態で保管した場合であっても、凝集が生じ難い。また、詳細は定かではないが、PVPの少なくとも一部が分解されていることから、この粉末を再度分散媒に分散させた場合に、分散媒中でチタン酸バリウム微粒子が極めて分散性良く分散するという格別の効果を奏する。このことは、これまでに知られていない新しい知見であり得る。
以上のことから解るように、ここに開示されるチタン酸バリウム微粒子は、一旦粉末状態とした後でも、分散媒に対する分散性に優れたものとして提供される。したがって、ここに開示する技術は、このチタン酸バリウム微粒子を分散媒に分散させてなる分散体をも提供する。かかる分散体における分散媒は特に制限されない。例えば、イオン交換水、蒸留水、純水等の水、エタノール,テルピネオール,エチレングリコール,ジエチレングリコール,トルエン,キシレン,ミネラルスピリット,ブチルセロソルブアセテート,ブチルカルビトールアセテート,ブチルカルビトール等の有機溶媒等であってよい。
なお、上記分散体には、必要に応じてバインダや各種添加剤(例えば、界面活性剤、消泡剤、可塑剤、増粘剤、酸化防止剤、分散剤、重合禁止材等)を適宜添加することができる。バインダとしては、目的の誘電体デバイスの製造時の脱バインダ処理(典型的には酸化雰囲気中での20℃〜500℃の加熱処理)によって蒸発除去(脱脂)することができるものを好ましく用いることができる。具体的には、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブラチール等を用いることができる。
上記ペースト状組成物全体におけるナノ微粒子の割合は特に制限されないが、例えば30質量%〜70質量%(好適には40質量%〜60質量%)とすることができる。
この分散体は、上述のように、例えば、分散質であるチタン酸バリウム微粒子のDLC法に基づく粒度分布のCV値が50%以下のものとして提供され得る。そのため、ナノメートルオーダーの微細なチタン酸バリウム微粒子が高度に分散した分散体であり得る。したがって、このような分散体を用いることで、例えば、チタン酸バリウムからなるより薄くより均質な誘電体層を安定して形成することが可能とされる。したがって、この分散体は、例えば、図7に示すような積層セラミックコンデンサの製造に好適に使用することができる。
図7は、積層セラミックコンデンサ1を模式的に示した断面図である。積層セラミックコンデンサ1は、上記チタン酸バリウム微粒子を用いて形成された誘電体層(セラミック層)12と、この誘電体層12上に形成された内部電極層22とが交互に積層されなる電子部品本体10と、該電子部品本体10の外側に設けられた外部電極20とを備えている。この積層セラミックコンデンサ1は、典型的には、以下の手順で製造することができる。すなわち、まず、チタン酸バリウム微粒子を含む分散体をキャリアシート状に供給(塗布、成形等であり得る。)し、誘電体材料からなるグリーンシートを形成する。そしてこのグリーンシート上に内部電極形成用の電極ペーストを所定の電極パターンで供給(印刷、転写を含む)する。このような電極パターン付きグリーンシートを複数枚(例えば100枚以上)作製し、これらを積層、圧着することによって未焼成の積層チップを作製する。次いで、かかる積層チップを乾燥させ、所定の加熱条件(最高焼成温度が概ね1000℃〜1400℃)で所定時間(最高焼成温度を維持する時間としては、例えば、10分〜2時間程度)焼成する。これによって、グリーンシートが焼成されて誘電体層12が形成され、電極ペーストが焼成されて内部電極層22が形成される。そして、複数の誘電体層12の間に内部電極層22が挟まれた形態の積層セラミックコンデンサ1の電子部品本体10が作製される。その後、この電子部品本体10の所望の箇所に、外部電極形成用のペースト状組成物を塗布し、焼成することによって、外部電極20を形成する。このようにして、積層セラミックコンデンサ1を製造することができる。なお、上述した積層セラミックコンデンサ1の構築プロセスは、特に本発明を特徴付けるものではないため、詳細な説明を省略している。
ここで誘電体層12の形成に用いたチタン酸バリウム微粒子(およびコア粒子)はナノメートルオーダーで微細であり、かつ、チタン酸バリウムの格子定数比c/aが1.003以上と高誘電体材料として好ましい性状を有している。また、チタン酸バリウム微粒子を分散媒に分散させた分散体(スラリーであり得る。)におけるチタン酸バリウム微粒子の分散性は良好であり得る。したがって、誘電体材料からなるグリーンシートおよびその焼成物である誘電体層12は、薄く緻密で均質なものとして作製することができる。これにより、誘電体層12の薄層化、延いては積層セラミックコンデンサ1の小型化と高品質化とを実現することができる。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明を以下の実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
(例1〜13)
まず、Ti源としての塩化チタン(TiCl)と、Ba源としての塩化バリウム(BaCl)とを、Ti:Ba=1:1.5のモル比となるように秤量した。ただし、例8のサンプルについては、Tiの一部(1%)をZr源としてのオキシ塩化ジルコニウム(ZrOCl)に置換した。また、エタノールとイオン交換水とを下記の表1に示す割合で混合することで溶媒を用意し、表1に示す高分子を50g/L、また、KOHを2.3mol/Lとなるよう添加して、反応溶液を調製した。この反応溶液をオートクレーブ用反応容器に入れ、オートクレーブにて表1に示す合成条件で水熱反応させることで、チタン酸バリウム微粒子を合成した。得られたチタン酸バリウム微粒子は、ろ過して回収したのち、イオン交換水で洗浄し、90℃で真空乾燥することで粉末状とし、例1〜13のサンプルとした。なお、チタン酸バリウム微粒子の合成は、各例で5回(5バッチ)ずつ行った。
表1の合成条件の欄において「加圧」とあるのはオートクレーブにおいて容器内の圧力が1気圧を超過していることを意味する(実際の圧力は温度により異なり得る)。また、例1〜11では高分子としてポリビニルピロリドン(PVP),オレイン酸(CH3(CH27CH=CH(CH27COOH),BYK111(ビックケミー・ジャパン(株)製、湿潤分散剤、DESPERBYK−111)のいずれかを用い、例12については高分子を使用しなかった。
(例14)
市販のチタン酸バリウム微粒子(シグマアルドリッチ社製、チタン(IV)酸バリウム、粒径;<100nm(BET)、467634)を用意し、例14のサンプルとした。
(例15)
上記のチタン酸バリウム微粒子の製造において、溶媒としてイオン交換水を用いて反応溶液を用意し、オートクレーブを用いずに、大気圧下、80℃での水熱合成によりチタン酸バリウム微粒子を調製した。合成したチタン酸バリウム微粒子は、ろ過して回収したのち、イオン交換水で洗浄し、90℃で真空乾燥することで例15のサンプルとした。
(例16)
特許文献5の開示に従って、ジエチレングリコール(DEG)とイオン交換水とを5:15の割合で混合した溶液を溶媒として用い、還流温度を230℃とした還流法によりPVPで被覆したチタン酸バリウム微粒子を調製した。合成したチタン酸バリウム微粒子は、ろ過して回収したのち、イオン交換水で洗浄し、90℃で真空乾燥することで例16のサンプルとした。
[SEMによる平均粒子径およびCV値]
上記で得られた粉末状のチタン酸バリウム微粒子について、走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製、JSM−6490LA)にて観察し、100個以上の粒子について測定した円相当径の算術平均から、平均粒子径を算出した。その結果を表1の「平均粒子径(SEM)」の欄に示した。なお、参考のため、例1のチタン酸バリウム微粒子のSEM像を図1に示した。
また、各チタン酸バリウム微粒子のSEM観察に基づく粒度分布を作成し、微粒子の単分散性を示す変動係数を下式に基づき算出した。その結果を表1の「CV値(SEM)」の欄に示した。
変動係数[%]=標準偏差÷平均値×100
[DLSによる平均粒子径およびCV値]
得られたチタン酸バリウム微粒子の平均粒子径を動的光散乱法(DLS法)により測定した。すなわち、チタン酸バリウム微粒子の粉末を分散媒に分散させた分散体の状態で、チタン酸バリウム微粒子の平均粒子径を求めた。粒度分布はダイナミック光散乱光度計(大塚電子(株)製、DLS7000)を用いて測定し、キュムラント解析法により平均粒子径を算出した。測定に際しては、分散体の23℃における粘度をレオメータにより測定し、この値を溶媒の粘度として用いた。測定は各サンプルについて、5バッチのそれぞれで行い(5回)、その平均値を表1の「平均粒子径(DLS)」の欄に示した。なお、例1のチタン酸バリウム微粒子については、分散媒を、水,エタノール(EtOH),テルピネオール(TE),エチレングリコール(EG)の4種類として測定を行った。各分散媒の粘度および屈折率としては、次の値:水(粘度:0.8902/屈折率:1.3313,以下、記載順は同じ。),EtOH(1.1316/1.3614),TE(44.6/1.484),EG(19.9/1.46);を用いた。その他の例については、分散媒を水として測定を行った。参考のため、例1のチタン酸バリウム微粒子(分散媒は水)のDLS法による粒度分布測定の結果を図2に示した。
また、DLS法による粒度分布をもとに、微粒子の単分散性を示す変動係数を下式に基づき算出した。変動係数についても、5バッチのそれぞれで算出したCV値(N=5)の平均を表1の「CV値」の欄に示した。例1のチタン酸バリウム微粒子については、分散媒を「水」としたときのCV値を算出した。その結果を表1の「CV値(DLS)」の欄に示した。
変動係数[%]=標準偏差÷平均値×100
[結晶性の評価]
得られたチタン酸バリウム微粒子の結晶性をX線回折(XRD)法により評価した。XRD測定は、X線回折分析装置((株)リガク製,RINT−TTRIII)を用い、測定条件は以下のとおりとした。
X線:CuKα線(電子線加速電圧40kV,電子線電流50mA)
測定範囲:44°≦2θ≦46°
スキャンスピード:1°/min
ステップ幅:0.01°
測定温度:室温(25℃)
例1〜16(ただし例8を除く)のサンプルについて得られたX線回折スペクトルを図3A〜3Cにそれぞれ示した。なお、比較を容易にするため、例1のスペクトルは各図に示した。また、各回折線スペクトルをリートベルト解析することで結晶子のa軸およびc軸を算出し、c/aを求めた。その結果を、表1の「c/a」の欄に示した。
[有機物量の測定]
得られたチタン酸バリウム微粒子の熱重量分析を行うことで、チタン酸バリウム微粒子の表面に付着している有機物量を測定した。測定には、示差熱天秤((株)リガク製,TG―DTA)を用いて、室温(25℃)から800℃までの範囲で計測を行った。得られた重量減少率を、表1の「重量減少」の欄に示した。また、参考のために、例1,2,4,5,12,13,15についてのTG曲線を図4に示した。なお、同欄の「−」は分析を行っていないことを示す。
[FTIR測定]
得られたチタン酸バリウム微粒子について、FTIR測定を行うことにより、表面に付着した有機物の構造推定(定性分析)を行った。測定には、フーリエ変換近赤外分光分析装置(PerkinElmer社製,Frontier IR)を用い、ATR法にて波数1800〜1100cm-1の範囲にて実施した。FTIR測定における測定分解能は4cm−1、スキャンスピードは0.2cm−1/S、積算回数は4回とした。図5および図6に、例1〜16のサンプルとPVP(単体)についての測定スペクトルを示した。なお、比較を容易にするため、例1とPVPについてのスペクトルは両図に示した。FTIRスペクトルにおける1450cm-1近傍のスペクトルは−CH基に由来し、1550cm-1近傍のスペクトルは−NH基に由来し、1650cm-1近傍のスペクトルはC=O結合に由来する。各スペクトルにおける1450cm-1近傍の吸収ピークの強度I1450と、1650cm-1近傍の吸収ピークの強度I1650とのピーク強度比(I1450/I1650)を算出し、表1の「FTIRピーク比 I1450/I1650」の欄に示した。また、各スペクトルにおける1450cm-1近傍の吸収ピークの強度I1450と、1550cm-1近傍の吸収ピークの強度I1550とのピーク強度比(I1450/I155)を算出し、表1の「FTIRピーク比 I1450/I1550」の欄に示した。なお、ピーク強度比の算出において、両波数のピーク強度は、1800cm-1と1100cm-1の測定ポイントを繋いだベースラインからの高さとした。
[評価]
例1〜8は、高分子としてPVPを用い、溶媒にアルコールを加えて反応溶液を調製し、オートクレーブにて高温で水熱合成することでチタン酸バリウム微粒子を合成した系である。このようにして得られたチタン酸バリウム微粒子は、図1に示すように、各々の粒子が互いに独立し、得られた粉末の全体に亘って粒径が揃っていることが確認された。合成時の溶媒に含まれる有機溶媒の種類や割合により、合成される粒子の粒径が異なってくることも確認された。また、c/aはいずれも1.003以上であり、例えば113nm以下の微粒子であるにもかかわらず強誘電体特性を維持し得ることがわかった。
そしてこれらのチタン酸バリウム微粒子は、一旦粉末状としたものについてDLS法による平均粒子径の測定を行ったところ、SEM観察による平均粒子径の約1.4倍(例8)〜5.7倍(例5)であった。すなわち、分散媒に再分散させたときの粒子の凝集が比較的低く抑えられており、分散性が良好であることが確認できた。
これに対し、例9および10は、高分子として、PVPに換えて汎用されている分散剤を用いて反応溶液を調製した系である。例2との比較から解るように、高分子をオレイン酸やBYK111分散剤とすると、わずかにチタン酸バリウムが合成されたものの、チタン酸バリウム以外の不純物の割合が多くなり、強誘電体材料として使用し得るチタン酸バリウムの合成自体が困難となることが確認された。ただし、一部に得られたチタン酸バリウムについては高いc/a値を示していた。
また、例11は、水熱合成時の温度を120℃と低く設定した系である。例1との比較から解るように、ここに開示された手法で水熱合成時の温度を低くすると、チタン酸バリウムが得られないことが確認された。
例12は、ここに開示された手法で水熱合成時の溶媒にアルコールを加えずに反応溶液を調製した系である。また例13は、水熱合成時の溶媒にPVPを加えずに反応溶液を調製した系である。例12と例4との比較から判るように、反応溶液にPVPを加えた場合であって、溶媒にアルコールを加えない場合は、得られたチタン酸バリウム微粒子のc/a値は1.003であったものの、DLS法による平均粒子径は急激に増大することがわかった。また、例13と例2との比較から、オートクレーブでの水熱合成に際し、反応溶液にPVPを加えないと、得られるチタン酸バリウム微粒子のc/a値は高く結晶性が良好となるものの、DLS法による平均粒子径が急激に増大することがわかった。つまり、例12および例13で得られたチタン酸バリウム微粒子は、スラリーを調整しようとすると粒子が凝集してしまい、分散性が悪いことが確認された。そして、ここに開示されたオートクレーブを用いた水熱合成では、溶媒にアルコールおよびPVPのいずれが欠けても、溶媒分散性が良好で強誘電特性を示すチタン酸バリウム微粒子を合成できないことがわかった。
なお、例14の市販のチタン酸バリウム微粒子については、c/a値が高いものの、例13よりも分散性が悪く、分散体を全く調整できなかった。
例15は、通常の水熱合成によるPVP被覆されたチタン酸バリウム微粒子であり、分散性は良好であるものの、平均粒子径が100nm程度と小さくなるとc/aが1に近くなり、誘電特性が低下してしまうことがわかった。
また例16は還流法によるPVP被覆されたチタン酸バリウム微粒子であり、平均粒子径が比較的小さく粒径の揃ったチタン酸バリウム微粒子が得られた。しかしながら、c/aが1に近くなり誘電体特性が低下することがわかった。また、PVP被覆量が10質量%と多く、SEM観察においてチタン酸バリウム微粒子がPVPにより被覆されていることが確認できた。さらに、複数のチタン酸バリウム微粒子がPVPにより架橋されて二次粒子を形成しているのが確認された。すなわち、チタン酸バリウム微粒子においてコア粒子がPVPにより完全に被覆されることでは、良好な再分散性は得られ難いことがわかった。このように、還流法は大気圧下での合成法のため、得られるチタン酸バリウム微粒子はc/aが低く、例えばMLCC等の誘電体デバイス用材料としては適さないと言える。
そこで、各例のチタン酸バリウム微粒子に係るFTIR−ATRスペクトルを確認した。図5は、ここに開示される例1〜8のチタン酸バリウム微粒子と、PVP(単体)のFTIR−ATRスペクトルである。また、図6は、例9〜16のチタン酸バリウム微粒子と、PVP(単体)のFTIR−ATRスペクトルである。なお、参考のため、図6にも例1のチタン酸バリウム微粒子のFTIR−ATRスペクトルを示した。
例15,16およびPVPのスペクトルの比較から、これらには1650cm-1近傍にPVPに特徴的なC=O結合に由来するピークがみられており、例15,16のチタン酸バリウム微粒子の表面にはPVPが分解されずに残存している様子が確認された。これに対し、例1〜8のスペクトルについては、この1650cm-1近傍のピークがほぼ消失するか小さくなっており、代わりにCH基に由来する1450cm-1近傍のピークおよびNH基に由来する1550cm-1近傍のピークが強くなることがわかった。これは、PVPが分解されたことを示している。以上のことから、ここに開示されるチタン酸バリウム微粒子は、チタン酸バリウムからなるコア粒子の表面に、PVPが分解されてなる分解生成物が存在していることにより、良好な再分散性を示し得ると考えられる。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。
1 積層セラミックコンデンサ
12 誘電体層
20 外部電極
22 内部電極層

Claims (8)

  1. チタン酸バリウムを主体とする微粒子であって、
    電子顕微鏡観察に基づく平均粒子径が10nm以上200nm以下で、
    実質的にチタン酸バリウムからなるコア粒子の表面の少なくとも一部に有機物を備え、
    前記コア粒子におけるチタン酸バリウム結晶子のa軸とc軸との格子定数比c/aが1.003以上であって、
    FTIR分析により得られるスペクトルにおいて、波数1450cm-1近傍と1650cm-1近傍とにそれぞれ吸収ピークが観測され、前記1450cm-1近傍の吸収ピークの強度I1450が、前記1650cm-1近傍の吸収ピークの強度I1650よりも高い、チタン酸バリウム微粒子。
  2. 前記FTIR分析により得られるスペクトルにおいて、波数1550cm-1近傍に吸収ピークが観測される、請求項1に記載のチタン酸バリウム微粒子。
  3. 前記1450cm-1近傍の吸収ピークの強度I1450と、
    前記1550cm-1近傍の吸収ピークの強度I1550と、
    前記1650cm-1近傍の吸収ピークの強度I1650と、が、
    次式:1.1≦I1450/I1650;および、
    次式:2.6≦I1450/I1550 ≦8;
    を満たす、請求項2に記載のチタン酸バリウム微粒子。
  4. 動的光散乱法に基づく粒度分布の変動係数が50%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のチタン酸バリウム微粒子。
  5. 前記有機物がポリビニルピロリドン由来の分解生成物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のチタン酸バリウム微粒子。
  6. 前記有機物が、前記チタン酸バリウム微粒子全体の1質量%以上10質量%以下の割合で含まれる、請求項1〜5のいずれか1項に記載のチタン酸バリウム微粒子。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のチタン酸バリウム微粒子が、分散媒に分散されている、チタン酸バリウム微粒子分散体。
  8. 前記分散媒が、水、エタノール、テルピネオールおよびエチレングリコールからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項7に記載のチタン酸バリウム微粒子分散体。
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