JP2017071029A - 裁断システム、耳カット装置、延反装置、及び裁断装置 - Google Patents

裁断システム、耳カット装置、延反装置、及び裁断装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017071029A
JP2017071029A JP2015200203A JP2015200203A JP2017071029A JP 2017071029 A JP2017071029 A JP 2017071029A JP 2015200203 A JP2015200203 A JP 2015200203A JP 2015200203 A JP2015200203 A JP 2015200203A JP 2017071029 A JP2017071029 A JP 2017071029A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cutting
sheet
ear
cutter
laminated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015200203A
Other languages
English (en)
Inventor
大輔 藤井
Daisuke Fujii
大輔 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hivec Inc
Original Assignee
Hivec Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hivec Inc filed Critical Hivec Inc
Priority to JP2015200203A priority Critical patent/JP2017071029A/ja
Publication of JP2017071029A publication Critical patent/JP2017071029A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Cutting Processes (AREA)
  • Nonmetal Cutting Devices (AREA)
  • Details Of Cutting Devices (AREA)

Abstract

【課題】積層時に耳部に盛り上がりが発生するシート材であったとしても、裁断領域を大きく取れるようにする。
【解決手段】裁断システム1は、原反ロール2から繰り出されたシート材3を切断して延反テーブル40の上に積層する延反装置50と、シート材3が積層された積層シート4の耳部Eの一部層をシート材3が積層された状態のままカットするカッター634と、耳部Eの一部層が切り取られた積層シート4を裁断する裁断装置70と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、裁断システム、耳カット装置、延反装置、及び裁断装置に関する。
ユーザにより設定された裁断データ(例えば、アパレルCADデータ)通りにシート材を自動裁断する裁断装置が知られている。一般的に、裁断装置には積層されたシート材(以下、積層シートという。)がセットされる。裁断装置はシート材を積層状態のまま裁断することで、一度に複数のシート材を裁断可能である。
裁断装置は、シート材の浮き上がりを防止するシート押え(例えば、特許文献1の"押圧皿"、特許文献2の"生地押え")を備える。シート押えは一般的に皿状をしており、その中央には貫通孔が形成されている。裁断刃は貫通孔を通ってシート材に達する。このため、裁断時、裁断刃の周囲には常にシート押えが位置した状態となる。
特開2015−6703号公報 特開2014−18917号公報 特開平6−316370号公報 特開平5−330731号公報
シート材は積層した場合に側辺側の端部("耳部"ともいう。)に盛り上がりが発生することがある。シート材を有効利用するためには、裁断領域は積層シートの端まで設定できることが望ましい。しかしながら、耳部に盛り上がりがあると、盛り上がりによりシート押えの進行が妨害される。そのため、裁断刃は積層シートの側辺からかなり離れた領域までしか到達できない。耳部に盛り上がりが発生する積層シートを裁断する場合、ユーザは裁断刃の到達可能範囲を考慮して、裁断領域を予め小さ目に設定しておかなければならない。
本発明が解決しようとする課題は、積層時に耳部に盛り上がりが発生するシート材であったとしても、裁断領域を大きく取れるようにすることである。
上記課題を達成するために、本発明の第1の観点に係る裁断システムは、
シート材を積層する延反装置と、
前記シート材が積層された積層シートの耳部の一部層を前記シート材が積層された状態のままカットするカッターと、
前記耳部の一部層が切り取られた前記積層シートを裁断する裁断装置と、を備える。
また、本発明の第2の観点に係る耳カット装置は、
シート材が積層された積層シートの耳部の一部層を前記シート材が積層された状態のままカットするカッターを備える。
また、本発明の第3の観点に係る延反装置は、
シート材を積層する延反部と、
シート材が積層された積層シートの耳部の一部層を前記シート材が積層された状態のままカットするカッターと、を備える。
また、本発明の第4の観点に係る裁断装置は、
シート材が積層された積層シートの耳部の一部層を前記シート材が積層された状態のままカットするカッターと、
前記耳部が一定層切り取られた前記積層シートを裁断する裁断部と、を備える。
本発明によれば、積層時に耳部に盛り上がりが発生するシート材であったとしても、裁断領域を大きく取れる。
実施形態の裁断システムの斜視図である。 実施形態の裁断システムのブロック図である。 図1に示す裁断システムの延反装置部分の斜視図である。 延反装置の延反動作を示す図である。 (A)は延反装置の上面図、(B)は図5(A)に示すA−A'線断面図である。 図1に示す裁断システムの耳カット装置部分の斜視図である。 (A)は耳カット装置を後方から見た図、(B)は図7(A)に示すB−B'線から耳カット動作中の耳カット装置を見た図である。 (A)は耳カット動作中の耳カット装置を後方から見た図、(B)は耳カット動作が完了した耳カット装置を後方から見た図である。 図1に示す裁断システムの裁断装置部分の斜視図である。 図9に示す裁断装置が備える裁断ヘッドの拡大図である。 裁断装置の裁断動作を示す図である。 (A)は耳部の盛り上がりが取り除かれた積層シートを裁断装置が裁断している様子を示す図、(B)は耳部に盛り上がりがある積層シートを裁断装置が裁断している様子を示す図である。 延反テーブルの変形例を示す斜視図である。 耳カット装置のカッターに内向きキャンバー角のチルトが設けられた様子を示す図である。 耳カット装置のカッターに内向きトー角のチルトが設けられた様子を示す図である。 ウェイトローラーを備える耳カット装置を示す図である。 ナイフ状カッターを備える耳カット装置を示す図である。 耳カット装置が、延反装置の積層動作と交互に、複数回に分けて耳カット動作を行う様子を示す図である。 耳カット層と耳非カット層が交互に積層された積層シートを示す図である。 耳カット装置の変形例を示す図である。 耳カット装置に切取耳ガイドを配置した様子を示す図である。 (A)は耳カット装置が裁断装置の取込部直前に配置された様子を示す図、(B)は耳カット装置が裁断装置の取込部直後に配置された様子を示す図である。
以下、本実施形態について図面を参照しながら説明する。図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。
本実施形態の裁断システム1は、延反から裁断までを行うシステムである。なお、以下の説明には、X軸、Y軸、及びZ軸から構成される直交座標系を用いる。図1は、裁断システム1の斜視図である。図中、矢印の指し示す方向がプラス方向である。X軸プラス方向が前方向(搬送方向)であり、X軸マイナス方向が後方向である。また、Y軸プラス方向が右方向であり、Y軸マイナス方向が左方向である。また、Z軸プラス方向が上方向であり、Z軸マイナス方向が下方向である。なお、本実施形態で示す斜視図は、いずれも、一例を示したものである。外観等は図示したものに限定されるものではない。
図2は、裁断システム1のブロック図である。裁断システム1は、操作部10と、記憶部20と、制御部30と、延反テーブル40と、延反装置50と、耳カット装置60と、裁断装置70と、を備える。
操作部10は、ユーザが裁断システム1を操作するために使用するユーザインタフェースである。操作部10は、入力インタフェースと、出力インタフェースと、から構成される。入力インタフェースは、例えば、ボタン、スイッチ、或いはタッチパネルである。出力インタフェースは、例えば、スピーカー、或いはディスプレイである。なお、図1では、操作部10は、延反装置50にのみ1つ取り付けられているが、操作部10は、延反装置50、耳カット装置60、及び裁断装置70にそれぞれ取り付けられていてもよい。
操作部10は、裁断データを入力するためのデータ入力インタフェースを備えている。データ入力インタフェースは、例えば、通信インタフェース、或いはリード装置である。通信インタフェースは、例えば、LAN(Local Area Network)インタフェースやUSB(Universal Serial Bus)インタフェースである。リード装置は、例えば、記録メディアからデータをリードするリーダー、或いはバーコードや2次元コードからデータを光学的に読み取るスキャナである。なお、裁断データとは、シート材をどのように裁断するかをユーザ等が設定したデータであり、例えば、アパレルCAD(Computer Aided Design)データのことである。アパレルCADデータは、単にCADデータと呼ばれることもある。操作部10は、ユーザから取得した裁断データを記憶部20に格納する。
記憶部20は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、半導体メモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部20には、制御部30が使用する各種データ(例えば、裁断データ、プログラムデータ、及び各種設定データ)が格納されている。
制御部30は、裁断システム1の各部を制御する制御装置である。制御部30は、プロセッサ等の処理装置から構成される。制御部30は記憶部20に格納されているプログラムに従って動作することで、延反装置50、耳カット装置60、及び裁断装置70の各部を制御する。なお、制御部30は、延反装置50、耳カット装置60、及び裁断装置70にそれぞれ設けられていてもよい。記憶部20も延反装置50、耳カット装置60、及び裁断装置70にそれぞれ設けられていてもよい。この場合、制御部30及び記憶部20は、延反装置50、耳カット装置60、若しくは裁断装置70の一部とみなすことができる。
制御部30は、1つのマイクロプロセッサから構成されていてもよいし、複数のマイクロプロセッサから構成されていてもよい。また、制御部30は、上記装置とは別体の装置(制御装置)であってもよい。例えば、制御部30は延反装置50、耳カット装置60、及び裁断装置70をそれぞれ制御するパーソナルコンピュータであってもよい。この場合には、制御部(制御装置)30は、操作部10及び記憶部20としての機能を併せ持っていてもよい。
延反テーブル40は、延反装置50で延反されたシート材が載置されるテーブルである。延反テーブル40は、図1に示すように、X軸方向に細長の直方体状のテーブルである。延反テーブル40のY軸方向の両端には搬送方向に沿ってガイドレール41R、41Lが配置されている。ガイドレール41R、41Lは、後述の可動部52及び支持体61L、61Rの移動をガイドするためのレールである。ガイドレール41R、41Lは、溝レールであってもよいし、突出レールであってもよい。なお、図1では、ガイドレール41R、41Lは延反テーブル40の上面に配置されているが、ガイドレール41R、41Lは延反テーブル40の側面に配置されていてもよい。
延反装置50は、原反ロール2から繰り出されたシート材3をユーザ指定の長さに切断して積層する自動延反機である。延反装置50には原反ロール2が着脱可能に構成されている。原反ロール2はシート材3が巻き回されたロールである。シート材3は、典型的には織物生地であるが、シート状であるのであれば、シート材3は織物生地に限定されない。例えば、シート材3は、メリヤス生地、不織布、レース、革、紙、フェルト、プラスチックシート、或いは金属シートであってもよい。
図3は、延反装置50の斜視図である。延反装置50は、本体部51と、可動部52と、カット部53と、を備える。なお、以下に説明する延反装置50は一例である。延反装置50は既知のさまざまな構成を採用することができる。
本体部51は、原反ロール2からシート材3を解反する解反装置と、解反されたシート材3を延反テーブル40に向けて繰り出す繰り出し装置等から構成される。本体部51は、延反テーブル40の最後方に固定されている。
本体部51の前方向(X軸プラス方向)には、Y軸方向に細長い可動部52が配置されている。可動部52は、ガイドレール41R及びガイドレール41Lに沿って往復動可能である。
可動部52には、シート材3を掴むためのキャッチャ521が配置されている。また、可動部52には、Y軸方向に伸びるレール522が配置されている。レール522には、カット部53がスライド可能に固定されている。カット部53の下部にはカッターが配置されている。カット部53はレール522に沿って移動することでシート材3をY軸方向に切断する。
図4(A)〜(C)及び図5(A)〜(B)は、延反装置50の延反動作(延反工程)を示す図である。以下、これらの図を参照して、延反装置50が延反テーブル40上にシート材3を積層する様子を説明する。
まず、ユーザは延反テーブル40の上に下敷シート5を載置する。下敷シート5は、例えば、長方形の厚紙である。延反テーブル40に下敷シート5が載置されたら、制御部30は可動部52を位置P1まで移動させる。位置P1は、例えば、可動部52が移動可能な最後方の位置である。可動部52は、位置P1まで移動したら、図4(A)に示すように、キャッチャ521でシート材3の前側端部を掴む。そして、可動部52は、位置P2に達するまで搬送方向(X軸プラス方向)に移動する。位置P2は、ユーザが適宜設定可能である。位置P1から位置P2までの距離が積層シート4の長さとなる。
可動部52が位置P2まで移動したら、制御部30は、図4(B)に示すように、キャッチャ521を押し上げる。これにより、シート材3の前端部はキャッチャ521から解放される。この状態で、制御部30は、図4(C)に示すように、可動部52を位置P1に向けて移動させる。これにより、シート材3は、延反テーブル40上に前端から順次載置されていく。可動部52が位置P1に達したら、制御部30は、図5(A)に示すように、カット部53をY軸方向に移動させる。これにより、シート材3は後方のシート材3から分離され、一枚の独立したシートとなる。延反装置50は、以上の動作をユーザが設定した積層枚数分繰り返す。これにより、延反テーブル40の上には図5(B)に示すように積層シート4が生成される。
シート材3は多くの場合、側辺(Y軸方向両端のX軸に沿った辺)に耳を有する。耳とは、シート材3の両端に設けられる剛性の高い部分である。耳は、機織時、運搬時、延反時、搬送時、裁断時等に必要な部分である。耳がないとこれらの処理の時にシート材3が不安定になる。例えば、耳がないと、シート材3に、変形、歪み、シワ等が生じる。耳はシート材3の他の部分より厚くなっている。そのため、シート材3を積層したときに耳部に盛り上がりが生じる。この盛り上がりは数センチにも達することがある。
図5(B)は、積層シート4の断面図である。図5(B)に示すように、積層シート4の耳部Eには盛り上がりCが形成されている。この盛り上がりCは、例えば、シート材3の耳が針で目止めされている場合、シート材3の端部がほつれている場合、シート材3の耳が折り返されている場合等にも発生する。一見、積層シート4の耳部Eに盛り上がりがないと見える場合であっても、裁断装置70で積層シート4を吸引圧縮したときに盛り上がりが出現することもある。耳部Eの盛り上がりは薄手の生地ほど大きくなる。
耳部Eの盛り上がりCは、シート押え752の進行を妨害する。後で図12(B)を参照しながら述べるが、耳部Eに盛り上がりCがあると、裁断刃753は積層シート4の側辺から、かなり離れた位置までしか到達できない。結果として、裁断装置70は裁断領域を積層シート4上に大きく取れない。
そこで、本実施形態では、裁断システム1に盛り上がりCを除去するための耳カット装置60を設ける。これにより、裁断装置70は積層シート4上に裁断領域を大きく取れるようになる。以下、耳カット装置60について説明する。
耳カット装置60は、積層シート4の耳部Eの一部層をシート材3が積層された状態のままカットする装置である。図6は、耳カット装置60の斜視図である。耳カット装置60は、支持体61L、61Rと、軸62と、カット部63L、63Rと、を備える。
支持体61L、61Rは、カッター634を積層シート4に対して進行させるための移動機構である。支持体61Rは、延反テーブル40の右端に配置されており、支持体61Lは、延反テーブル40の左端に配置されている。支持体61L、61Rの下部にはモーターを動力源として回転する車輪が取り付けられている。車輪はガイドレール41L、41Rに遊嵌している。支持体61L、61Rは、制御部30の制御に従ってX軸プラス方向或いはX軸マイナス方向に進行する。
支持体61L、61Rの間には軸62が懸架されている。軸62は、例えば図7(B)に示すような、断面が歯車状のスプラインシャフトである。この軸62には、図面時計回りに回転力が加えられている。この回転力は、例えば、支持体61L、61Rの内部に配置されたモーター或いはバネ等により生み出されたものであってもよい。
軸62には、図7(A)に示すように、カット部63L、63Rが固定されている。カット部63L、63Rは、耳部Eの一部層をカットするための耳カット機構である。カット部63L、63Rは、基体631と、アーム632と、ローラー633と、カッター634と、を備える。
基体631は、アーム632が固定されるベースである。基体631は、円筒形状をしており、その内面は軸62と嵌合可能な形状となっている。基体631は、空洞部分に軸62を挿通した状態で軸62に遊嵌している。基体631は、軸62に沿って滑動可能である。
基体631の外周面には、細長のプレート状のアーム632が固定されている。アーム632はY軸方向に表面を向けている。アーム632の表面にはローラー633及びカッター634が回動可能に固定されている。カッター634はローラーカッターである。ローラー633及びカッター634は、いずれも、その進行方向と垂直な方向(図7(A)の例ではY軸方向)に回転軸を有している。ローラー633の半径はカッター634の半径より小さくなっており、その差は距離Dである。
図7(B)に示すように、軸62には、図面時計回りに回転力が加わっている。回転力は、基体631及びアーム632を介してカッター634に伝えられる。カッター634は軸62の回転力により、積層シート4の上面から深さDほど積層シート4の内部に食い込む。深さDは一例として20mmである。深さDは、積層シート4の厚さより小さい。
本実施形態の耳カット装置60は、積層シート4の耳部Eを最下層までカットするわけではない。そのため、軸62に加えられる回転力、すなわちカッター634に加えられる下向きの力は必ずしもシート材3を数百枚一度に切断できるほど強いものでなくてもよい。シート材Sの材質と耳部Eの大きさにもよるが、カッター634に加えられる下向きの力は、例えば、積層シート4の上層を1cm〜3cm程度切断できる力で十分である。
次に、図8(A)〜(B)を参照しながら耳カット装置60の耳カット動作(耳カット工程)を説明する。
上述したように、基体631は、軸62に沿って滑動可能である。ユーザは、図8(A)に示すように、カッター634の刃先が耳部Eに位置するようにカット部63L、63Rの位置を調整する。耳カット装置60に自動的にカット部63L、63Rの位置を調整させてもよい。例えば、基体631に、軸62と接する車輪と、その車輪を回転させるモーターと、を取り付ける。そして、制御部30は、モーターを制御して車輪を回転させることにより、カット部63L、63Rの位置を調整する。
調整が完了したら、制御部30は支持体61L、61RをX軸マイナス方向に移動させる。この移動に伴いカッター634は積層シート4の側辺に沿って直線状に移動する。カッター634が移動することにより、積層シート4には、側辺に沿って直線状に深さDの切込みが入れられる。カッター634が積層シート4上を端から端まで移動することにより、耳部Eの一部層(図8(A)の例の場合は上層)が切断される。切断された部分はユーザが、適宜、積層シート4上から取り除く。
図8(B)は、耳部Eの上層が取り除かれた積層シート4を示す図である。図8(B)の例では、耳部Eは、上面から切取厚t1、t2ほど切り取られている。延反装置50が積層可能なシート材3の最大積層厚(最大延反高ともいう。)は予め決められている。一例として、最大積層厚は80mmである。延反装置50の最大積層厚をTとした場合、切取厚t1、t2はT以下、望ましくはT/2以下である。本実施形態の場合、切取厚t1、t2は、ローラー633とカッター634の半径の差Dに等しい。
なお、ユーザは、切取厚t1、t2(距離D)を適宜変更可能である。例えば、ユーザは、ローラー633或いはカッター634を径の異なるものに交換することにより、切取厚t1、t2を異なるものに変更してもよい。このとき、ユーザは、左側の切取厚t1と右側の切取厚t2が異なるものとなるように、カット部63Lとカット部63Rで距離Dを変化させてもよい。
耳カット装置60の耳カット動作が完了したら、次に、裁断システム1は積層シート4を自動裁断する。自動裁断とは、裁断装置(裁断機)が裁断刃等の動きを裁断データ等に基づいて制御することにより、積層シート4或いはシート材3を指定の形状(例えば、衣類のパーツの形状)に自動的に裁断することをいう。本実施形態の場合、自動裁断は裁断装置70により行われる。
裁断装置70は耳部Eの上層が切り取られた積層シート4を裁断データに基づき裁断する自動裁断機である。図9は、裁断装置70の斜視図である。裁断装置70は、裁断テーブル71と、支持体72L、72Rと、走行体73L、73Rと、横梁74と、裁断ヘッド75と、を備える。なお、以下に説明する裁断装置70は一例である。裁断装置70は既知のさまざまな構成を採用することができる。
裁断テーブル71は、積層シート4が載置されるテーブルである。裁断テーブル71は延反テーブル40と同じくX軸方向に長い直方体状のテーブルである。裁断テーブル71の後端部は延反テーブル40の前端部に接続されている。延反テーブル40と裁断テーブル71との接続部分が積層シート4の取込部INとなる。裁断テーブル71はコンベアを備えている。取込部INから積層シート4が挿入されると、裁断テーブル71はコンベアを動作させて積層シート4を所定の位置まで搬送する。裁断テーブル71の内部には吸引器が配置されている。裁断テーブル71の上面は剛毛で覆われており、吸引器は剛毛を介して裁断テーブル71上面から空気を吸引する。
裁断テーブル71の後端部には支持体72L、72Rが固定されている。支持体72L、72Rの間には上敷ロール6が回動可能に固定されている。上敷ロール6は、上敷シート7が巻き回されたロールである。上敷シート7は、積層シート4を裁断テーブル71上に吸引保持するためのシートである。上敷シート7はビニールシートやポリエチレンシート等の気密性の高いシートで構成される。
裁断テーブル71のY軸方向の両端にはガイドレール711L、711Rが配置されている。ガイドレール711L、711Rは、走行体73L、73Rの移動をガイドするためのレールである。走行体73Lは裁断テーブル71の左端部に配置されており、走行体73Rは裁断テーブル71の右端部に配置されている。走行体73L、73Rは、ガイドレール711L、711Rに沿ってX軸方向に移動可能である。
走行体73L、73Rには横梁74が懸架されている。横梁74にはY軸方向に移動可能な裁断ヘッド75が配置されている。裁断ヘッド75は、図10に示すように、裁断ヘッド本体751と、裁断ヘッド本体751の下方に配置されたシート押え752と、裁断ヘッド本体751の下方から突出する棒状の裁断刃753と、を備える。
シート押え752は裁断刃753の周囲のシート材3が積層シート4の表面から浮き上がらないようにするための押圧部材である。本実施形態では、シート押え752は皿状をしている。シート押え752は支持棒754によって支持されている。支持棒754は上下動可能に構成されている。シート押え752は支持棒754の上下動に伴って昇降する。シート押え752の中央には上下に貫通する貫通孔が設けられている。裁断刃753はこの貫通孔を通ってシート押え752の下側に突出している。
なお、シート押え752の形状は皿状に限定されない。シート表面に接する平坦部を有しているのであれば、シート押え752の形状はどのような形状であってもよい。例えば、シート押え752は、スキー板状に端部が湾曲した2枚の細長の板状体であってもよい。この場合、2枚の板状体は裁断刃753の両側に配置されていてもよい。
裁断刃753は例えばナイフ状の刃物である。図10の例では裁断刃753は下部に刃を有する棒状体となっている。なお、裁断刃753は棒状体に限定されない。例えば、裁断刃753はローラーカッターであってもよい。この場合、シート押え752が備える貫通孔はローラーカッターの円弧の一部が突出できるように線状であってもよい。
図11(A)〜(C)は、裁断装置70の裁断動作(裁断工程)を示す図である。以下、これらの図を参照して、裁断装置70の裁断動作を説明する。
まず、制御部30は裁断テーブル71のコンベアを動作させて、積層シート4をテーブル中央まで搬送する。積層シート4は下敷シート5に乗せられたまま搬送される。図11(A)は積層シート4がテーブル中央まで搬送された様子を示している。
積層シート4が取込部INに挿入されたら、ユーザは、積層シート4がテーブル中央まで搬送されるのに合わせて、上敷シート7を上敷ロール6から繰り出していく。これにより裁断テーブル71の上面は、図11(B)に示すように、積層シート4ごと上敷シート7で覆われる。なお、この動作は、ユーザではなく裁断装置70が自ら行ってもよい。例えば、裁断装置70に可動部を配置する。そして、可動部には上敷シート7を掴むためのキャッチャを配置する。可動部及びキャッチャの構成は可動部52及びキャッチャ521と同様の構成であってもよい。そして、裁断装置70は、コンベアが積層シート4をテーブル中央に搬送するのに合わせて、可動部を裁断テーブル71の前端まで移動させる。可動部が裁断テーブル71の前端に到達したら、キャッチャは上敷シート7を開放する。これにより、裁断テーブル71の上面は上敷シート7で覆われる。
裁断テーブル71の上面が上敷シート7で覆われたら、制御部30は吸引器を動作させる。これにより、積層シート4は裁断テーブル71上に吸引保持される。上敷シート7は気密性の高いシートであるので、吸引器の動作に伴い、積層シート4は図11(C)に示すように吸引圧縮される。吸引圧縮とは、空気の吸引による負圧で積層シート4等が押さえつけられて圧縮することをいう。この吸引圧縮によりシート中央部が低くなるので、盛り上がりCが取り除かれていない場合、盛り上がりCはさらに大きくなる。
積層シート4が裁断テーブル71上に吸引保持されたら、制御部30は、裁断データに基づいて走行体73L、73R、及び裁断ヘッド75を動作させる。これにより積層シート4はユーザ所望の形状のパーツに裁断される。
本実施形態によれば、裁断システム1は、積層シート4の耳部Eの一部層(上層)をシート材3が積層された状態のままカットするカッター634を備えている。そのため、裁断装置70が積層シート4を裁断する前に、耳部Eの盛り上がりCが除去されるので、ユーザは積層シート4上に裁断領域を大きく取れる。
例えば、盛り上がりCが除去されないまま積層シート4が裁断装置70に挿入されたとする。この場合、盛り上がりCがシート押え752の進行を妨害するので、裁断刃753は積層シート4の側辺からかなり離れた領域までしか到達できない。図12(B)の例では、裁断刃753は積層シート4の側辺から幅w5ほど離れた領域までしか移動できない。結果として、ユーザは裁断領域を図12(B)に示すW6の範囲でしか設定できない。
しかしながら、裁断前にカッター634が盛り上がりCを除去した場合、シート押え752の進行は耳部Eにより妨害されない。その結果、裁断刃753は積層シート4の側辺に近い領域まで到達できる。図12(A)の例では、裁断刃753は、積層シート4の側辺から、幅W5より小さい幅W3まで移動できる。結果として、ユーザは、上述のW6より大きいW4の範囲で、積層シート4上に裁断領域を確保できる。
なお、積層時に耳部Eに盛り上がりが発生するシート材3であったとしても、シート材3の積層枚数を少なくすれば、耳部Eの盛り上がりは小さくなるので、裁断装置70はシート上に裁断領域を大きく取れる可能性がある。また、積層枚数を少なくすることにより耳部Eが小さくなるので、耳部Eの妨害による裁断不良の発生も小さくなる可能性がある。しかしながら、この場合、シート材3の積層枚数が少なくなるので、裁断装置70は一度に多くのシート材3を裁断できない。結果として、裁断装置70の裁断の生産性は低下する。裁断の生産性の低下は、アパレル製品等、最終製品のコストを増加させる。
しかしながら、本実施形態の裁断システム1は、裁断装置70が自動裁断する前にカッター634で耳部Eを取り除いている。そのため、裁断システム1は、シート材3の耳が積層時に盛り上がりを発生させる状態にあったとしても、裁断装置70に挿入するシート材3の積層枚数を多くすることができる。この結果、裁断装置70は、シート材3の耳の状態によらず、一度に多くのシート材3を裁断することができる。また耳部Eが取り除かれるので、耳部Eの妨害による裁断不良で歩留まりが低下することも少ない。これらの結果として、裁断装置70の裁断の生産性が大きくなるので、裁断システム1は最終製品のコストを低くすることができる。
また、本実施形態では、カッター634は耳部Eを一部層のみ切り取っている。上述したように、耳部Eは、延反時、搬送時、或いは裁断時にシート材3に、変形、歪み、シワ等が生じるのを防ぐ役割を果たしている。耳部Eを一部残すことによって、延反時、搬送時、或いは裁断時にシート材3に、変形、歪み、シワ等が発生するのを少なくできる。耳部Eが残ったとしても、盛り上がりCは除去されるので、裁断領域を大きく取れることに変わりはない。
なお、耳部Eをカットした層(以下、耳カット層という。)に変形や歪みが発生したとしても、他の層(以下、耳非カット層という。)には耳部Eが残されているので、積層シート4全体に変形や歪みは広がらないと考えられる。例え変形や歪みが発生している積層シート4を裁断したとしても、裁断により無駄になるシート材3は耳カット層のみである。耳非カット層まで無駄になることはない。従って、耳部Eの一部層のみ裁断することにより、裁断パーツの歩留まりの低下を最小限に抑えることができる。
また、耳部Eを一度に全層カットする場合、耳カット装置60はカッター634に対して下向きに大きな力を加えなければならない。カット時の力が多くなればなるほど、積層シート4に大きな力が加わるので、積層シート4が型崩れする可能性が大きくなる。例えば、積層シート4に大きな力が加わると、積層シート4が斜めに崩れてしまったり、張力によってシート材3が伸びてしまったりする。しかしながら、耳カット装置60は耳部Eを一部の層しか切り取らないので、カッター634に対して大きな力を加えない。この結果、積層シート4が型崩れする可能性が小さくなる。
また、カッター634は、積層シート4の耳部Eの一部層を、シート材3が積層された状態のまま、切り取っている。延反動作中にシート材3の耳部を一枚一枚切り取った場合、積層時に位置ずれが発生する可能性がある。また、切断部のほつれ等により、積層時に耳部に盛り上がりが出現する可能性がある。しかしながら、カッター634は、シート材3が積層された状態のまま耳部Eの一部層を切り取っている。従って、積層シート4に上述した問題は発生しない。
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
例えば、上述の実施形態では、延反装置50はシート材3を下敷シート5の上に積層するものとしたが、延反装置50は延反テーブル40の上にシート材3を直接積層してもよい。
また、延反テーブル40の上面には、図13に示すように、積層シート4を搬送するための搬送ローラー42が配置されていてもよい。また、耳部Eの一部層切り取り時に積層シート4が型崩れしないようにするため、延反テーブル40の上面には、ガイドローラー64が配置されていてもよい。ガイドローラー64は、積層シート4の側辺に周面が当接するように、回転軸をZ軸方向に向け配置されていてもよい。また、ガイドローラー64にモーターを取り付け、ガイドローラー64を自ら回転するよう構成することにより、ガイドローラー64に積層シート4の搬送を補助する機能を持たせてもよい。
また、上述の実施形態では、支持体61L、61Rがカッター634、634をX軸マイナス方向に進行させることにより、積層シート4の耳部Eの一部層を切断した。しかしながら、カッター634が積層シート4に対して相対的に進行するのであれば、動かすのは必ずしもカッター634でなくてもよい。例えば、支持体61L、61Rを延反テーブル40に固定し、積層シート4の方を搬送方向(X軸プラス方向)に移動させてもよい。また、カッター634と積層シート4の双方を移動させてもよい。この場合、搬送ローラー42若しくはガイドローラー64を、積層シート4を移動させるための移動機構として機能させてもよい。
また、上述の実施形態では、カッター634は、切込方向が積層シート4の積層方向に対して垂直となるよう配置されていた。しかしながら、カッター634の切込方向は必ずしも垂直でなくてもよい。例えば、カッター634には、図14に示すように、積層シート4の積層方向(図14の例ではZ軸方向)に対してキャンバー角R1が形成されるようチルトが設けられていてもよい。
なお、キャンバー角とは、カッター634を、カッター634の進行方向(図14の例ではX軸方向)から見た場合の、積層シート4の積層方向(図14の例ではZ軸方向)に対するカッター634の傾斜角のことである。図14の例で説明すると、キャンバー角とは、積層シート4の積層方向に延びる線L1と、カッター634の上端と下端とを結ぶ線L2と、で形成される角度のことである。なお、「カッター634の進行方向」でいう"進行"には、カッター634の積層シート4に対する相対的な進行も含まれる。
また、切込方向とは、カッター634を積層シート4若しくはカッター634の進行方向(図14の例ではX軸方向)から見た場合の、シート表面からシート内層に向かうカッター634の刃先の方向のことである。図14の例の場合、切込方向は白抜き矢印で示す方向のことである。なお、進行方向の"進行"には、キャンバー角の場合と同様に、カッター634の積層シート4に対する相対的な進行、又は、積層シート4のカッター634に対する相対的な進行も含まれる。
カッター634には、内向きのキャンバー角R1が形成される。一例として、キャンバー角R1は、1°〜10°の範囲の角度である。なお、「内向きのキャンバー角」の"内向き"とは、カッター634の上端が内側(積層シート4の中央側)に位置している状態のことをいう。内向きのキャンバー角が形成されるようカッター634にチルトを設けることにより、カッター634の切込方向は積層方向に対して外側に角度R1ほど傾く。その結果、耳カット層にあるシート材3は下側ほど大きくなるので、積層シート4の積層状態は安定性が高いものとなる。結果として、積層シート4は搬送時や裁断時等に型崩れし難くなる。
また、上述の実施形態では、カッター634は、積層シート4の進行方向と垂直な方向に回転軸を有していた。しかしながら、カッター634の回転軸の方向は必ずしも進行方向と垂直な方向でなくてもよい。例えば、カッター634には、カッター634の進行方向(図15の例ではX軸マイナス方向)に対してトー角が形成されるようチルトが設けられていてもよい。トー角とは、カッター634を真上から見た場合の、カッター634の進行方向に対するカッター634の傾斜角のことである。図15の例で説明すると、トー角とは、積層シート4の進行方向に延びる線L3と、カッター634の前端と後端とを結ぶ線L4と、で形成される角度のことである。なお、「積層シート4の進行方向」の"進行"には、積層シート4のカッター634に対する相対的な進行も含まれる。
カッター634には、内向きのトー角R2が形成される。一例として、トー角R2は、1°〜10°の範囲の角度である。なお、「内向きのトー角」の"内向き"とは、カッター634の前端が内側(積層シート4の中央側)に位置している状態のことをいう。なお、カッター634の前端とは、カッター634を真上から見た場合の、カッター634の進行方向側の端部(図15の例であれば、X軸マイナス方向側の端部)のことである。カッター634の前端は、積層シート4の前端(図15の例であれば、X軸プラス方向側の端部)と反対側となっているので注意する。
内向きのキャンバー角が形成されるようカッター634にチルトを設けることにより、カッター634の切分方向は積層シート4の進行方向に対して内側に角度R2ほど傾く。その結果、カッター634と、シート材3の耳カット層の側辺(図15に示すL3に沿った辺)との隙間はカッター634の後端側(X軸プラス方向側)ほど大きくなる。結果として、カット時のカッター634と積層シート4の摩擦が少なくなるので、積層シート4は搬送時や裁断時等に型崩れし難くなる。なお、カッター634には、内向きのトー角のチルトに加えて、内向きのキャンバー角のチルトが設けられていてもよい。
なお、切分方向とは、カッター634を真上から見た場合の、カッター634の進行方向側(積層シート4の耳部を切り分ける側)の刃先の向いた方向のことである。図15の例であれば、切分方向は、白抜き矢印で示す方向のことである。
また、上述の実施形態では、カッター634は軸62の回転力によって下向きの力が加えられるものとした。しかし、カッター634に下向きの力を加える方法はこの方法に限定されない。例えば、図16(A)に示すように、アーム632にウェイトローラー635を配置し、ウェイトローラー635がアーム632を押し下げる力を利用してカッター634に下向きの力を加えてもよい。上述の実施形態では、軸62はスプラインシャフトであるものとして説明したが、この場合、ウェイトローラー635がアーム632を押し下げるので、軸62は必ずしもスプラインシャフトでなくてもよい。軸62は例えば図16(B)に示すように断面が円形の通常のシャフトであってもよい。
また、上述の実施形態では、カッター634はローラーカッターであるものとしたが、カッター634は必ずしもローラーカッターでなくてもよい。例えば、カッター634はナイフ状のカッターであってもよい。図17(A)は、カッター634をナイフ状とした例である。図17(A)の例では、カッター634は刃先を進行方向に向けた状態で基体631に直接取り付けられている。図17(A)に白抜き矢印で示す方向が切込方向である。カッター634の刃先は、図17(B)に示すように直線刃であってもよいし、図17(C)に示すように曲線刃であってもよい。ナイフ状のカッターには、図14に示すローラーカッターの場合と同様に、切込方向が積層方向に対して斜め外側に傾くようチルトが設けられていてもよい。また、ナイフ状のカッターには、図15に示すローラーカッターの場合と同様に、切分方向が積層シート4の進行方向に対して内側に傾くようチルトが設けられていてもよい。
また、上述の実施形態では、耳カット装置60は積層完了後の積層シート4に対して耳カット動作を行った。しかしながら、耳カット装置60は積層途中の積層シート4に対して耳カット動作を行ってもよい。このとき耳カット装置60は複数回に分けて耳カット動作を行ってもよい。より具体的には、耳カット装置60は、延反装置50の積層動作と交互に耳カット動作を行ってもよい。図18(A)〜(C)は積層途中の積層シート4に対して耳カット動作が行われる様子を示したものである。
まず、延反装置50は、図18(A)に示すように、位置P1から位置P2の間に、一定枚数、シート材3を積層する。その後、耳カット装置60は、位置P1から位置P2の間に置かれている積層シート4に対して耳カット動作を行う。このとき、耳カット装置60は上述の実施形態と同様に耳部Eの一部層のみカットする。その後、延反装置50は、図18(C)に示すように、耳部Eの一部層が切り取られた積層シート4の上に再びシート材3を積層していく。延反装置50と耳カット装置60は以上の動作を所定回数繰り返す。以上の動作により、最終的に延反テーブル40上には、図19に示すような、耳カット層と耳非カット層が交互に積層された積層シート4が生成される。
耳部Eのカットが複数回に分けて行われるので、耳カット装置60は1回1回の切取厚を小さくできる。結果として、カッター634に加える下向きの力は小さくてすむ。カッター634に加わる力が小さくなることにより、積層シート4に型崩れが発生する可能性がさらに小さくなる。
また、上述の実施形態では、耳カット装置60は積層シート4の上面から耳部Eの一部層を切り取った。しかしながら、耳カット装置60は積層シート4の下面から耳部Eの一部層を切り取ってもよい。図20は、積層シート4の下面から耳部Eの一部層をカットする耳カット装置60を示したものである。耳カット装置60は延反テーブルの40の上面から距離Dほど突出する1対のカッター634を備える。カッター634はローラーカッターであり、積層シート4の耳部Eに相当する位置に、回転軸を搬送方向と垂直な方向(図20の例ではY軸方向)に向け配置されている。ローラーカッターには、内向きのトー角のチルトが設けられていてもよい。内向きのキャンバー角のチルトが設けられていてもよい。積層シート4の下面から耳部Eの一部層を切り取ったとしても、耳部Eが切り取った部分に落ち込むので、盛り上がりCの発生は抑制される。なお、カッター634はローラーカッターに限られない。カッター634は、図17(B)〜(C)に示すようなナイフ状のカッターであってもよい。このとき、ナイフ状のカッターには、図15に示すローラーカッターの場合と同様に、切分方向が積層シート4の進行方向に対して内側に傾くようチルトが設けられていてもよい。
また、上述の形態では、耳カット装置60が耳部Eの一部層を切り取った後、切り取り部分はユーザの手により積層シート4上から取り除かれていた。しかしながら、切り取り部分は耳カット装置60によって自動的に取り除かれてもよい。図21は、切り取られた耳部Eを自動的に取り除く耳カット装置60を示したものである。
耳カット装置60は、耳部Eの切り取り部分を積層シート4の外側に向けてガイドする一対の切取耳ガイド80を備える。切取耳ガイド80はそれぞれカット部63L、63Rに取り付けられている。切取耳ガイド80は延反テーブル40のY軸方向外側に向けて湾曲する湾曲面を有しており、耳部Eの切り取り部分はこの湾曲面に沿って延反テーブル40の外に排除される。カッター634が延反テーブル40の上面から突出し、耳部Eの一部層が積層シート4の下面から切り取られる場合、切取耳ガイド80は延反テーブル40の上面に配置されていてもよい。
耳カット装置60が切取耳ガイド80を備えない場合、ユーザは耳部Eの切り取られた部分を裁断前に積層シート4上から取り除かなければならない。しかし、ユーザが切り取り部分を取り除くことを忘れた場合、積層シート4は耳部Eに盛り上がりを有したまま裁断装置70に挿入されることになる。この場合、裁断装置70は耳部Eの盛り上がりにより裁断を失敗することになる。しかしながら、耳カット装置60が切取耳ガイド80を備えることにより、裁断前に切取り部分が確実に取り除かれるので、裁断装置70が裁断を失敗することが少なくなる。
また、上述の実施形態では、耳カット装置60は延反テーブル40上の移動可能であったが、耳カット装置60は延反テーブル40に固定されていてもよい。このとき、耳カット装置60は、図22(A)に示すように裁断装置70の取込部INの直前に配置されていてもよい。積層シート4は、耳部Eの一部層がカットされた後、長距離を搬送されることなく、即座に裁断装置70に挿入されるので、型崩れが発生し難い。
また、耳カット装置60は、裁断装置70の一部であってもよい。このとき、耳カット装置60は"耳カット部" と言い換えることができる。また、耳カット装置60を除いた裁断装置70の各部は"裁断部"と言い換えることができる。耳カット装置60を裁断装置70の一部とする場合、耳カット装置(耳カット部)60は図22(B)に示すように取込部INの直後に設けられていてもよい。積層シート4は、耳カット装置(耳カット部)60で耳部Eの一部層がカットされた後、即座に裁断部で裁断されるので、積層シート4の型崩れによる裁断不良が発生し難い。
また、耳カット装置は、延反装置50の一部であってもよい。このとき、耳カット装置60は"耳カット部"と言い換えることができる。また、耳カット装置60を除いた延反装置50の各部は"延反部"と言い換えることができる。耳カット部と延反部に延反テーブル40を加えたものを延反装置50とみなすことも可能である。
また、上述の実施形態では、耳カット装置60が切り取る耳部Eの切取厚t1、t2は延反装置50の最大積層厚Tより小さいものとした。しかし、切取厚t1、t2は必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、裁断装置70で処理可能な積層厚(以下、延反装置50と同様に最大積層厚という。)をT2とするならば、切取厚t1、t2は最大積層厚T2よりも小さくてもよい。また、切取厚t1、t2は最大積層厚T2の1/2より小さくてもよい。最大積層厚T2は、吸引圧縮前の積層シート4の厚さであってもよいし、吸引圧縮後の積層シート4の厚さであってもよい。
また、上述の実施形態では、延反装置50は、原反ロール2を保持する本体部51が延反テーブル40に固定されるものとしたが、延反装置50の構成はこれに限定されるものではない。延反装置50は、特許文献3や特許文献4に示されるように、本体部51が延反テーブル40上を自ら移動するよう構成されていてもよい。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1...裁断システム
2...原反ロール
3...シート材
4...積層シート
5...下敷シート
6...上敷ロール
7...上敷シート
10...操作部
20...記憶部
30...制御部
40...延反テーブル
41L、41R、711L、711R...ガイドレール
42...搬送ローラー
50...延反装置
51...本体部
52...可動部
521...キャッチャ
522...レール
53、63L、63R...カット部
60...耳カット装置
61L、61R...支持体
62...軸
631...基体
632...アーム
633...ローラー
634...カッター
635...ウェイトローラー
64...ガイドローラー
70...裁断装置
71...裁断テーブル
72L、72R...支持体
73L、73R...走行体
74...横梁
75...裁断ヘッド
751...裁断ヘッド本体
752...シート押え
753...裁断刃
754...支持棒
80...切取耳ガイド

Claims (9)

  1. シート材を積層する延反装置と、
    前記シート材が積層された積層シートの耳部の一部層を前記シート材が積層された状態のままカットするカッターと、
    前記耳部の一部層が切り取られた前記積層シートを裁断する裁断装置と、を備える、
    裁断システム。
  2. 前記カッターが前記積層シートに対して相対的に進行するように、前記カッター及び前記積層シートの少なくとも一方を移動させる移動機構を備え、
    前記カッターは、前記積層シートの上面或いは下面から前記積層シートの側辺に沿って直線状に一定の深さの切込みを入れていくことにより前記耳部の一部層をカットする、
    請求項1に記載の裁断システム。
  3. 前記カッターは、刃先が前記積層シートの上面或いは下面から一定量食い込んだ状態で、前記積層シートの側辺に沿って回転しながら、前記積層シートに対して相対的に進行するローラーカッターであり、
    前記ローラーカッターには、切分方向が前記カッターの進行方向に対して内側に傾くようチルトが設けられている、
    請求項2に記載の裁断システム。
  4. 前記カッターは、刃先が前記積層シートの上面から一定量食い込んだ状態で、前記積層シートの側辺に沿って回転しながら、前記積層シートに対して相対的に進行するローラーカッターであり、
    前記ローラーカッターには、切込方向が前記積層シートの積層方向に対して外側に傾くようチルトが設けられている、
    請求項2又は3に記載の裁断システム。
  5. 前記カッターで切り取られた前記耳部の進行を前記積層シートの外側に向けガイドする切取耳ガイドを備える、
    請求項2乃至4のいずれか1項に記載の裁断システム。
  6. 前記カッターは、前記積層シートの上面から前記耳部の一部層をカットするよう構成されており、前記延反装置の積層動作と交互に複数回に分けて該カットを行う、
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載の裁断システム。
  7. シート材が積層された積層シートの耳部を前記シート材が積層された状態のままカットするカッターを備える、
    耳カット装置。
  8. シート材を積層する延反部と、
    シート材が積層された積層シートの耳部の一部層を前記シート材が積層された状態のままカットするカッターと、を備える、
    延反装置。
  9. シート材が積層された積層シートの耳部の一部層を前記シート材が積層された状態のままカットするカッターと、
    前記耳部の一部層が切り取られた前記積層シートを裁断する裁断部と、を備える、
    裁断装置。
JP2015200203A 2015-10-08 2015-10-08 裁断システム、耳カット装置、延反装置、及び裁断装置 Pending JP2017071029A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015200203A JP2017071029A (ja) 2015-10-08 2015-10-08 裁断システム、耳カット装置、延反装置、及び裁断装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015200203A JP2017071029A (ja) 2015-10-08 2015-10-08 裁断システム、耳カット装置、延反装置、及び裁断装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017071029A true JP2017071029A (ja) 2017-04-13

Family

ID=58539546

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015200203A Pending JP2017071029A (ja) 2015-10-08 2015-10-08 裁断システム、耳カット装置、延反装置、及び裁断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017071029A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108858426A (zh) * 2018-06-27 2018-11-23 东莞唯度电子科技服务有限公司 一种保温板智能切割制造机及使用方法
CN108890728A (zh) * 2018-06-28 2018-11-27 东莞唯度电子科技服务有限公司 一种保温板智能切割制造机及使用方法
KR20180127038A (ko) * 2017-05-19 2018-11-28 유신단열 주식회사 단열재 복합 커팅장치
CN109093739A (zh) * 2018-08-27 2018-12-28 义乌市给力机械设备有限公司 一种3d立体海绵墙贴自动修边切片生产线
JP7323285B2 (ja) 2018-12-20 2023-08-08 株式会社ミマキエンジニアリング 加工装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180127038A (ko) * 2017-05-19 2018-11-28 유신단열 주식회사 단열재 복합 커팅장치
KR102019070B1 (ko) * 2017-05-19 2019-09-06 유신단열 주식회사 단열재 복합 커팅장치
CN108858426A (zh) * 2018-06-27 2018-11-23 东莞唯度电子科技服务有限公司 一种保温板智能切割制造机及使用方法
CN108890728A (zh) * 2018-06-28 2018-11-27 东莞唯度电子科技服务有限公司 一种保温板智能切割制造机及使用方法
CN109093739A (zh) * 2018-08-27 2018-12-28 义乌市给力机械设备有限公司 一种3d立体海绵墙贴自动修边切片生产线
JP7323285B2 (ja) 2018-12-20 2023-08-08 株式会社ミマキエンジニアリング 加工装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2017071029A (ja) 裁断システム、耳カット装置、延反装置、及び裁断装置
JP5916170B2 (ja) レーザーブランキング装置
KR101661294B1 (ko) 주름 및 에어포켓 방지형 연단기 및 그 연단방법
JP5781205B1 (ja) 延反積層装置及び裁断装置
JP6246972B1 (ja) 多層型シート加工装置
CN104955749B (zh) 片材供给装置
JP6101546B2 (ja) 裁断装置
ES2755701T3 (es) Método para producir motivos en cuero y máquina punzonadora de cuero relacionada
JP2006198065A (ja) 生理用タンポンの製造方法及び製造装置
JP5360937B2 (ja) 光学フィルムの搬送方法および搬送装置
JP5406788B2 (ja) 裁断装置及び裁断方法
JP2015221716A (ja) 搬送装置
JP2009202278A (ja) シート材切断装置
JP2016074136A (ja) 段ボール反り防止方法及び装置
JP6798964B2 (ja) 延反機
JP2012030310A (ja) ダンボール包装ブランクの製造装置
JP2016124621A (ja) 折り畳み装置、及び、食品用敷紙の集積体、並びに、集積体の製造方法
CN114178708A (zh) 一种用于服装生产的激光刻花裁剪系统
CN111448441B (zh) 片材间隙检测装置、片材间隙检测方法以及片材熔接方法
JP6238291B2 (ja) スリッタ制御装置
JP2012162045A (ja) 複合シート、及び複合シートの製造方法
CN211077875U (zh) 分切机
JP2019098436A (ja) 印刷機能付きカッティング装置
KR101771820B1 (ko) 지퍼백 제조장치 및 이에 의해 제조된 제조물
CN210394963U (zh) 一种棉布切割装置