JP2017070972A - レーザ肉盛方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バルブシート用の肉盛層の割れの発生を抑制することができるレーザ肉盛方法を提供すること。【解決手段】本発明のレーザ肉盛方法は、シリンダヘッド粗形材10において、ポートの燃焼室側の開口端に円環状のザグリ溝15を形成するステップと、ザグリ溝15の中心軸を鉛直方向に一致させた状態で、ザグリ溝15に金属粉を供給しつつ、レーザビームを照射して、バルブシート用の肉盛層を形成するステップと、を備える。そして、ザグリ溝15を形成するステップにおいて、底面部15aと、側壁部15cと、底面部15aと側壁部15cとの間に設けられた斜面部15bと、を有するようにザグリ溝15を形成し、ザグリ溝15の側壁部15cに凹部15dを形成する。【選択図】図6

Description

本発明は、レーザ肉盛方法に関し、特に、バルブシート用のレーザ肉盛方法に関する。
エンジンのシリンダヘッドには、燃焼室や燃焼室に通じる吸気ポート/排気ポートが設けられている。そして、吸気ポート/排気ポートの燃焼室側の開口端周縁には、バルブの背面が当接するバルブシートが設けられている。バルブシートとバルブとが当接することにより、燃焼室の気密性が保持される。
バルブシートは、高温環境下においてバルブが繰り返し当接するため、耐熱性や耐摩耗性が要求される。そのため、バルブシートは、シリンダヘッド粗形材の吸気ポート/排気ポートの開口端周縁に、機械加工により円環状のザグリ溝を形成し、このザグリ溝に銅系合金などからなる肉盛層を形成することにより得られる。
このようなバルブシート用の肉盛方法としては、ザグリ溝に肉盛層の材料となる金属粉を供給しつつ、レーザビームを照射して肉盛層を形成するレーザ肉盛方法(いわゆるレーザクラッド法)が知られている。このようなレーザ肉盛方法は、例えば、特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示されたレーザ肉盛方法においては、特許文献1の図8に示されるように、バルブシートの中心軸が鉛直方向と一致するようにシリンダヘッドを保持しつつ、レーザ加工ヘッドをバルブシートの中心軸線周りに回転させながら、ザグリ溝に金属粉を供給し、レーザビームを照射して肉盛層を形成する。
特開2005−021908号公報
しかし、特許文献1に開示されたレーザ肉盛方法においては、肉盛層の形成を開始した始端部(形成開始部)では、金属粉の供給量が少ない。これにより、ザグリ溝の側壁では、レーザビームが直接照射される領域が大きくなるため、レーザビームによって溶融するシリンダヘッド粗形材の構成金属の溶融量が多くなってしまう。その結果、肉盛層は、ザグリ溝の側壁から溶融した溶融金属により希釈されることで、合金化が進んで脆くなり、割れが発生してしまうという問題があった。
本発明は、上述のような問題を解決するためになされたものであり、バルブシート用の肉盛層の割れの発生を抑制することができるレーザ肉盛方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、レーザ肉盛方法は、
シリンダヘッド粗形材において、ポートの燃焼室側の開口端に円環状のザグリ溝を形成するステップと、
前記ザグリ溝の中心軸を鉛直方向に一致させた状態で、前記ザグリ溝に金属粉を供給しつつ、レーザビームを照射して、バルブシート用の肉盛層を形成するステップと、を備え、
前記ザグリ溝を形成するステップにおいて、
底面部と、側壁部と、前記底面部と前記側壁部との間に設けられた斜面部と、を有するように前記ザグリ溝を形成し、前記ザグリ溝の前記側壁部に凹部を形成する。
上述した態様によれば、バルブシート用の肉盛層の割れの発生を抑制することができるという効果が得られる。
実施の形態にかかるレーザ肉盛方法の概要を模式的に例示する斜視図である。 実施の形態にかかるレーザ肉盛方法の概要を模式的に例示する断面図である。 実施の形態にかかるレーザ肉盛方法により形成された肉盛層であって燃焼室側から見た肉盛層を例示する図である。 比較例にかかるザグリ溝であって金属粉が供給された後のザグリ溝を例示する拡大断面図である。 比較例にかかるザグリ溝であってレーザビームが照射された後のザグリ溝を例示する拡大断面図である。 実施の形態にかかるザグリ溝を例示する拡大断面図である。 実施の形態にかかるザグリ溝であって金属粉が供給された後のザグリ溝を例示する拡大断面図である。 実施の形態にかかるザグリ溝であってレーザビームが照射された後のザグリ溝を例示する拡大断面図である。 実施の形態の変形例にかかるザグリ溝を例示する拡大断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら説明する。但し、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
最初に、図1及び図2を参照して、本実施の形態にかかるレーザ肉盛方法の概要を説明する。図1及び図2は、本実施の形態にかかるレーザ肉盛方法の概要を模式的に例示する図であり、図1は斜視図、図2は断面図である。なお、図2では、後述の吸気ポート12を示しているが、後述の排気ポート13でもよい。
まず、シリンダヘッド粗形材10の構成について説明する。シリンダヘッド粗形材10は、例えば、アルミニウム合金などからなる鋳物である。図1に示されるように、シリンダヘッド粗形材10は、複数(図1の例では、4つ)の燃焼室11を備えている。各燃焼室11は、吸気ポート12及び排気ポート13を備えている。
図1に示されるシリンダヘッド粗形材10は、4気筒16バルブのエンジン用であって、4つの燃焼室11のそれぞれに吸気ポート12及び排気ポート13を2つずつ備えている。当然のことながら、燃焼室11、吸気ポート12、及び排気ポート13の個数は、図1の例に限定されるものではなく、適宜決定されるものである。
このようなシリンダヘッド粗形材10において、吸気ポート12及び排気ポート13の燃焼室11側の開口14の端には、開口14を囲むように円環状のザグリ溝15を形成する。ザグリ溝15は機械加工によって形成する。図2に示されるように、ザグリ溝15は、底面部15aと、側壁部15cと、底面部15aと側壁部15cとの間に設けられた斜面部15bと、を有するように形成する。底面部15a、斜面部15b及び側壁部15cも円環状である。また、側壁部15cには凹部15dを形成する。なお、凹部15dの詳細な説明は後述する。
図1及び図2に示されるように、レーザ加工ヘッド20からザグリ溝15に銅系合金などからなる金属粉21を供給しつつ、レーザビーム22(光軸A1)を照射する。ザグリ溝15の内部においては、金属粉21がレーザビーム22によって溶融し、溶融した金属粉21から得られる溶融プール(図示せず)が凝固することで、バルブシート用の肉盛層16が形成される。このとき、レーザ加工ヘッド20を、円環状のザグリ溝15の中心軸A2を軸として回転させる。これにより、レーザ加工ヘッド20からは、ザグリ溝15に沿って、金属粉21及びレーザビーム22が円環状に順次供給される。このようにして、ザグリ溝15の全周に肉盛層16を形成する。なお、溶融プールの酸化防止等を目的として、レーザ加工ヘッド20を中心軸A2を軸として回転させながら、レーザ加工ヘッド20からシールガスを溶融プールに吹き付けて肉盛層16を形成しても良い。
ここで、ザグリ溝15の中心軸A2は以下の通りとする。円環状のザグリ溝15が形づける円環の中心を中心Oとする。円環において直交する2つの直径に垂直で、中心Oを通る軸を、中心軸A2とする。中心Oは、開口14の中心と略同一である。肉盛層16を形成する際には、開口14が上方を向くように燃焼室11側を上方にして、中心軸A2が鉛直方向に一致するようにシリンダヘッド粗形材10を保持する。肉盛層16の表面は、製品形状とするために研削される。
続いて、図3を参照して、本実施の形態にかかるレーザ肉盛方法により形成された肉盛層16を説明する。図3は、本実施の形態にかかるレーザ肉盛方法により形成された肉盛層16であって燃焼室側から見た肉盛層16を例示する図である。なお、図3では、吸気ポート12の肉盛層16を示しているが、排気ポート13の肉盛層16でもよい。
燃焼室11側から見た肉盛層16は、吸気ポート12の開口14の周縁に開口14を取り囲むように円環状に形成されている。肉盛層16はザグリ溝15の内部に形成されている。ザグリ溝15の中心軸は、紙面に垂直である。肉盛層16は、高温環境下において、バルブが繰り返し当接するシリンダヘッドのバルブシートとして使用される。
肉盛層16は、オーバーラップ部17及び非オーバーラップ部18を有している。肉盛層16を形成する際の始点となる箇所を0°とする。ここで、中心Oを中心として時計の針の回転方向をクラッド方向と定義する。
まず、オーバーラップ部17を説明する。円環状の肉盛層16において、クラッド方向に0°からx°までの部分が、オーバーラップ部17である。例えば、xは、0<x≦45の範囲とすることができる。オーバーラップ部17は、始端部17a及び終端部17bを備えている。オーバーラップ部17は、始端部17aと終端部17bとが重なっている。図3における斜線17cは、始端部17a及び終端部17bが重なっていることを表すために図示したものであり、実際に斜線17cが形成されている訳ではない。
始端部17aは、肉盛層16の形成において、始めに形成される部分である。そのため、始端部17aは、レーザ加工ヘッド20から供給される金属粉21の供給量が少なくなる。始端部17aは、円環状の肉盛層16において、クラッド方向に0°〜x°までの部分である。終端部17bは、肉盛層16の形成において、最後に形成される部分である。終端部17bは、始端部17aにおける金属粉21の少ない供給量を補うために、始端部17aにオーバーラップするように、始端部17aの上から重ね合わせて形成される。
一方、非オーバーラップ部18は、肉盛層16におけるオーバーラップ部17以外の部分である。非オーバーラップ部18は、円環状の肉盛層16において、クラッド方向にx°から360°までの部分である。
続いて、ザグリ溝15の側壁部15cに形成する凹部15dを説明する。以下では、本実施の形態にかかる、側壁部15cに凹部15dを形成したザグリ溝15について、側壁部15cに凹部15dを形成しないザグリ溝15(比較例。以下、便宜のために「ザグリ溝15’」と称す)と対比して、説明する。
まず、図4及び図5を参照して、比較例にかかる、側壁部15cに凹部15dを形成しないザグリ溝15’を説明する。図4及び図5は、比較例にかかるザグリ溝15’の構成を例示する拡大断面図である。なお、図4は、ザグリ溝15’に金属粉21を供給した後の状態を示し、図5は、ザグリ溝15’にレーザビーム22を照射した後の状態を示している。また、図4において、レーザ照射範囲Rは、レーザ加工ヘッド20からのレーザビーム22が照射される範囲を示している(以下の図7において同じ)。レーザ照射範囲Rは、斜面部15bを中心として、斜面部15bの全領域、底面部15aの斜面部15b側の一部の領域、及び側壁部15cの斜面部15b側の一部の領域にわたっている。
肉盛層16を形成する際には、円環状のザグリ溝15’の中心軸A2を鉛直方向に一致させるため、ザグリ溝15’の態勢は図4に示されるような状態になる。すなわち、側壁部15cは、鉛直方向と略同一方向に沿って立った状態になり、斜面部15bは、円環状のザグリ溝15’の中心軸A2に向かって斜め下方に傾斜した状態になる。そのため、レーザ加工ヘッド20からザグリ溝15’に金属粉21を供給すると、側壁部15c及び斜面部15bに供給された金属粉21は、重力によって下に落ちてしまう。また、肉盛層16を形成する際には、底面部15aは、水平方向と略同一方向となり、金属粉21が堆積しやすい状態になる。そのため、側壁部15c及び斜面部15bから下に落ちた金属粉21は底面部15aに堆積していく。
もし、レーザ加工ヘッド20から供給される金属粉21の供給量が多い場合は、図4の状態から、底面部15aに金属粉21が徐々に堆積していく。したがって、最終的には、堆積した金属粉21が、側壁部15cにおけるレーザ照射範囲Rに相当する領域まで達し、堆積した金属粉21によってレーザ照射範囲Rを覆うことができると考えられる。
その一方、レーザ加工ヘッド20から供給される金属粉21の供給量が少ない場合は、図4の状態のままで、それ以上に金属粉21が供給されないことも考えられる。図4の状態では、金属粉21の供給量が少ないため、側壁部15cにおけるレーザ照射範囲Rに相当する領域は、金属粉21によって覆われておらず、しかも、その領域は非常に大きい。
図4の状態にあるザグリ溝15’に、レーザ加工ヘッド20からレーザビーム22を照射すると、図5に示されるように、側壁部15cにおけるレーザ照射範囲Rに相当する領域は、レーザビーム22が直接照射されることから、その領域からシリンダヘッド粗形材10の構成金属(アルミニウムとする。以下同じ)が溶融する。しかも、側壁部15cにおけるレーザ照射範囲Rに相当する領域は、非常に大きいことから、溶融アルミニウムの溶融量は非常に多くなる。これにより、金属粉21が溶融して得られた溶融プール23は、大量の溶融アルミニウムが流れ込むことによって希釈されて合金化が進んでしまう。その結果、溶融プール23が凝固して得られる肉盛層16は脆くなり、割れが発生してしまう。この現象は、円環状の肉盛層16の中でも、レーザ加工ヘッド20から供給される金属粉21の供給量が少ない始端部17aで特に顕著に発生する。
なお、図4の状態では、斜面部15bにおけるレーザ照射範囲Rに相当する領域の一部も、金属粉21で覆われておらずレーザビーム22が直接照射されることから、その領域からも、シリンダヘッド粗形材10の構成金属であるアルミニウムが溶解する。
しかし、斜面部15bにおけるレーザビーム22が直接照射される領域は、側壁部15cにおけるレーザビーム22が直接照射される領域と比較すると、非常に小さいため、斜面部15bからの溶融アルミニウムの溶融量は、側壁部15cからの溶融アルミニウムの溶融量と比較すると、非常に少ない。そのため、斜面部15bからの溶融アルミニウムのみが、溶融プール23に流れ込んだとしても、肉盛層16に割れが発生してしまう可能性は非常に小さい。
そこで、本実施の形態においては、側壁部15cからの溶融アルミニウムの溶融量を減少させるために、以下で詳細に説明するように、側壁部15cに凹部15dを形成する構成としている。
続いて、図6〜図8を参照して、本実施の形態にかかる、側壁部15cに凹部15dを形成したザグリ溝15を説明する。図6〜図8は、本実施の形態にかかるザグリ溝15の構成を例示する拡大断面図である。なお、図7は、ザグリ溝15に金属粉21を供給した後の状態を示し、図8は、ザグリ溝15にレーザビーム22を照射した後の状態を示している。
図6に示されるように、本実施の形態においては、ザグリ溝15の側壁部15cに、レーザ加工ヘッド20から供給される金属粉21の保持用に凹部15dを形成している。凹部15dも、底面部15a、斜面部15b及び側壁部15cと同様に、円環状である。また、凹部15dは、ザグリ溝15の中心軸から見て、側壁部15cにおけるレーザ照射範囲Rに相当する領域に重なるように形成するのが良い。また、図6に示される凹部15dは、直方体形状になっている。
肉盛層16を形成する際には、円環状のザグリ溝15の中心軸A2を鉛直方向に一致させるため、ザグリ溝15の態勢は図6に示されるような状態になる。ただし、本実施の形態は、上記の比較例とは異なり、ザグリ溝15の側壁部15cに凹部15dが形成されている。そのため、図6の状態にあるザグリ溝15に、レーザ加工ヘッド20から金属粉21を供給しても、図7に示されるように、側壁部15cに供給された金属粉21は、下には落ちず、側壁部15cに形成された凹部15dの内部で保持される。これにより、金属粉21の供給量が少なかったとしても、側壁部15cにおけるレーザ照射範囲Rに相当する領域は、凹部15dの内部に保持された金属粉21によって覆うことができる。したがって、側壁部15cにおけるレーザ照射範囲Rに相当する領域のうち金属粉21によって覆われていない領域は、無くなるか、又は、非常に小さくなる。
そのため、図7の状態にあるザグリ溝15に、レーザ加工ヘッド20からレーザビーム22を照射しても、図8に示されるように、側壁部15cにおけるレーザ照射範囲Rに相当する領域は、凹部15dの内部に保持された金属粉21によって、レーザビーム22が直接照射されることが防止される。したがって、側壁部15cにおけるレーザ照射範囲Rに相当する領域のうちレーザビーム22が直接照射される領域は、無くなるか、又は、非常に小さくなる。また、銅系合金などで構成される金属粉21は、シリンダヘッド粗形材10の構成金属であるアルミニウムと比較して、レーザビーム22の吸収率が高い。そのため、側壁部15cに照射されたレーザビーム22のレーザエネルギーを、金属粉21の温度上昇のために消費することができる。これにより、ザグリ溝15の側壁部15cからの、シリンダヘッド粗形材10の構成金属であるアルミニウムの溶融量を減少させることができる。その結果、金属粉21が溶融して得られた溶融プール23に流れ込む溶融アルミニウムの量を減少させることができるため、溶融プール23が凝固して得られる肉盛層16に割れが発生することを抑制することができる。
なお、ザグリ溝15の凹部15dの内部に保持される金属粉21は、レーザ加工ヘッド20からのレーザビーム22が側壁部15cに直接照射されることを防止する役割を担うものである。そのため、凹部15dの内部に保持される金属粉21は、レーザビーム22によって全てが溶融して溶融プール23となる必要はなく、粉のまま残留する金属粉21があってもよい。粉のまま残留した金属粉21が発生した場合は、任意のタイミングで、任意の回収手段によって回収すればよい。
上述したように本実施の形態によれば、ザグリ溝15を、底面部15aと、側壁部15cと、底面部15aと側壁部15cとの間に設けられた斜面部15bと、を有するように形成し、ザグリ溝15の側壁部15cに凹部15dを形成する。
そのため、肉盛層16を形成する際に、ザグリ溝15の側壁部15cに供給された金属粉21を、凹部15dの内部で保持することができる。したがって、金属粉21の供給量が少なかったとしても、凹部15dの内部に保持された金属粉21によって、レーザビーム22が側壁部15cに直接照射されることを防止することができ、側壁部15cから溶融するシリンダヘッド粗形材10の構成金属の溶融量を減少させることができる。その結果、溶融プール23に流れ込む溶融金属の量を減少させることができるため、肉盛層16に割れが発生することを抑制することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、ザグリ溝15の側壁部15cに形成する凹部15dの形状を、直方体形状としたが、これには限定されない。凹部15dの形状は、例えば、図7に示されるように、半球形状でもよい。すなわち、凹部15dの形状は、凹部15dの内部に金属粉21を保持することが可能な形状であれば任意の形状で良く、半楕円体形状、円柱形状、円錐形状、立方体形状などでもよい。
10 シリンダヘッド粗形材
11 燃焼室
12 吸気ポート
13 排気ポート
14 開口
15 ザグリ溝
15a 底面部
15b 斜面部
15c 側壁部
15d 凹部
16 肉盛層
17 オーバーラップ部
17a 始端部
17b 終端部
17c 斜線
18 非オーバーラップ部
20 レーザ加工ヘッド
21 金属粉
22 レーザビーム
23 溶融プール
A1 レーザビームの光軸
A2 ザグリ溝の中心軸
R レーザ照射範囲

Claims (1)

  1. シリンダヘッド粗形材において、ポートの燃焼室側の開口端に円環状のザグリ溝を形成するステップと、
    前記ザグリ溝の中心軸を鉛直方向に一致させた状態で、前記ザグリ溝に金属粉を供給しつつ、レーザビームを照射して、バルブシート用の肉盛層を形成するステップと、を備え、
    前記ザグリ溝を形成するステップにおいて、
    底面部と、側壁部と、前記底面部と前記側壁部との間に設けられた斜面部と、を有するように前記ザグリ溝を形成し、前記ザグリ溝の前記側壁部に凹部を形成する、
    レーザ肉盛方法。
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