JP2017070964A - デスケーリング方法およびデスケーリング装置 - Google Patents

デスケーリング方法およびデスケーリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】デスケーリングノズルから噴射する高圧水に沿って高圧水を覆う気体を噴射する気流噴射装置を備えるデスケーリング装置において、スケール除去対象材の厚みが変化した場合であっても、スケール除去能力を一定に保ちつつも必要以上の気体の噴射を抑制して省エネルギー化を図る。【解決手段】この気流噴射装置3は、スケール除去対象材Wの厚み情報に基づいて、デスケーリング能力を一定に保つように気体の噴射量を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、鋼片または鋼帯に生じた表面スケールを、デスケーリングノズルから噴射する高圧水により除去するデスケーリング方法およびデスケーリング装置に関する。
鋼片または鋼帯をスケール除去対象材とし、これに生じたスケールを除去するデスケーリング方法においては、一般的に、スケール除去対象材が異なる厚みをもつ場合であっても、同一の条件設定がなされた装置を用いてデスケーリングを行っている。そのため、デスケーリングノズル先端からスケール除去対象材表面までの距離(以下、「デスケーリング距離」ともいう)が、スケール除去対象材の厚みによって変化することから、デスケーリング能力に大きな差が生じる。一般的には、デスケーリングノズルの位置自体は変えずに、デスケーリング距離が最も離れた最大距離となる場合においてもスケールを除去できるようにスケール除去能力が設定されている。
これに対し、例えば特許文献1には、デスケーリング能力の指標の一つとしてデスケーリング距離を考慮に入れた技術が開示されている。また、特許文献2、3には、デスケーリングノズルが固定されているヘッダを移動させて、常に一定のデスケーリング距離とし得るデスケーリング技術が提案されている。
特開平7−275921号公報 特開平5−228526号公報 特開平6−190432号公報 特開2012−183497号公報
しかしながら、デスケーリング距離が最大距離となる場合においてスケール除去能力を担保させる技術によれば、逆にデスケーリング距離が近い場合においては、スケール除去能力がさらに向上することから不必要な高圧水を供給することになるため、必要以上のエネルギーを使用することになる。
また、デスケーリングノズルが固定されているヘッダをスケール除去対象材の厚みに応じて移動させる技術によれば、ヘッダを移動させる必要が生じるため、ヘッダの位置調整機構、およびスケール除去対象材の厚みに応じた調整を行うシステムを必要とする。そのため、設備が大掛かりとなるため、初期導入コストが増大するという問題がある。
これに対し、特許文献4に開示されるように、デスケーリングノズルに気流噴射装置を付設し、デスケーリングノズルから噴射する高圧水に沿って高圧水を覆う気流をつくるように気体を噴射することで、デスケーリングノズル単体のものよりもデスケーリング能力を向上させる技術も開発されている。
このような構成であれば、比較的に簡単な構造の気流噴射装置を付加するだけでスケール除去能力を向上させることができる。しかし、同文献記載の技術においては、スケール除去対象材の厚みが変化した場合に、噴射する気体の使用量を変える点については特段の考慮がなされていない。そのため、スケール除去能力を一定に保ちつつ、更なる省エネルギー化を図る上では未だ改善の余地が残されている。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、デスケーリングノズルから噴射する高圧水に沿って高圧水を覆う気流をつくるように気体を噴射する気流噴射装置を備えるデスケーリング装置に好適に用い得て、スケール除去対象材の厚みが変化した場合であっても、スケール除去能力を一定に保ちつつも、必要以上の気体の噴射を抑制して省エネルギー化を図ることができるデスケーリング方法およびデスケーリング装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るデスケーリング方法は、異なる厚みをもつ鋼片または鋼帯をスケール除去対象材とする圧延機に用いられ、前記スケール除去対象材に生じた表面スケールをデスケーリングノズルから噴射する高圧水により除去するデスケーリング方法であって、前記噴射する高圧水に沿って高圧水を覆う気流をつくるように気体を噴射するとともに、前記スケール除去対象材の厚み情報に基づいて、デスケーリング能力を一定に保つように前記気体の噴射量を制御することを特徴とする。
ここで、本発明の一態様に係るデスケーリング方法において、前記デスケーリングノズルの設置位置よりもスケール除去対象材の搬送方向上流側に設けた距離計を用い、該距離計によってスケール除去対象材の厚み情報を取得し、その取得した厚み情報に基づいて前記デスケーリングノズル先端からスケール除去対象材表面までの距離を算出し、その算出した距離に基づいて前記気体の噴射量を制御することは好ましい。
また、本発明の一態様に係るデスケーリング方法において、前記デスケーリングノズルの設置位置におけるスケール除去対象材の厚み情報を圧延スケジュールを管理するコンピュータから取得し、その取得した厚み情報に基づいて前記デスケーリングノズル先端からスケール除去対象材表面までの距離を算出し、その算出した距離に基づいて前記気体の噴射量を制御することは好ましい。
また、本発明の一態様に係るデスケーリング方法において、前記圧延機は、前記スケール除去対象材に逆送圧延を行うものであり、前記厚み情報として前記逆送圧延後のスケール除去対象材の推定厚み情報を圧延機から取得し、その取得した推定厚み情報に基づいて前記デスケーリングノズル先端からスケール除去対象材表面までの距離を算出し、その算出した距離に基づいて前記気体の噴射量を制御することは好ましい。
また、本発明の一態様に係るデスケーリング方法において、前記気体の噴射口が前記デスケーリングノズルの高圧水の噴射口よりも5〜100mm噴射方向の上流に設けられるとともに、前記デスケーリングノズルの中心軸に対して5°〜35°の角度で高圧水側に向けて前記気体を噴射する気流噴射ノズルを用い、該気流噴射ノズルから前記高圧水の水量に比べて体積比で10倍以上の前記気体を噴射するとともに、その噴射する気体の流速が前記高圧水の速度の0.1〜0.7倍であることは好ましい。
本発明の一態様に係るデスケーリング方法によれば、噴射する高圧水に沿った気流をつくるように気体を噴射するとともに、スケール除去対象材の厚み情報に基づいて、デスケーリング能力を一定に保つように気体の噴射量を制御するので、デスケーリング距離が変化した場合であっても、デスケーリング能力を一定に保つことができ、安定した表面品質を得ることができる。そして、デスケーリング対象材の厚みが変ってデスケーリング距離が変化した場合に、デスケーリング能力を一定に保つように気体の噴射量を制御するので、必要以上の気体の噴射を抑制することができる。そのため、デスケーリング能力を一定に保ちつつも省エネルギー化を図ることができる。
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るデスケーリング装置は、異なる厚みをもつ鋼片または鋼帯をスケール除去対象材とする圧延機に用いられて、前記スケール除去対象材に生じた表面スケールをデスケーリングノズルから噴射する高圧水により除去するデスケーリング装置であって、前記噴射する高圧水に沿って高圧水を覆う気流をつくるように気体を噴射する気流噴射装置を備え、前記気流噴射装置は、前記スケール除去対象材の厚み情報に基づいて、デスケーリング能力を一定に保つように前記気体の噴射量を制御することを特徴とする。
ここで、本発明の一態様に係るデスケーリング装置において、前記気流噴射装置は、前記デスケーリングノズルの設置位置よりもスケール除去対象材の搬送方向上流側に設けた距離計を有し、該距離計によってスケール除去対象材の厚み情報を取得し、その取得した厚み情報に基づいて前記デスケーリングノズル先端からスケール除去対象材表面までの距離を算出し、その算出した距離に基づいて前記気体の噴射量を制御することは好ましい。
また、本発明の一態様に係るデスケーリング装置において、前記気流噴射装置は、前記デスケーリングノズルの設置位置におけるスケール除去対象材の厚み情報を圧延スケジュールを管理するコンピュータから取得し、その取得した厚み情報に基づいて前記デスケーリングノズル先端からスケール除去対象材表面までの距離を算出し、その算出した距離に基づいて前記気体の噴射量を制御することは好ましい。
また、本発明の一態様に係るデスケーリング装置において、前記圧延機は、前記スケール除去対象材に逆送圧延を行うものであり、前記気流噴射装置は、前記厚み情報として前記逆送圧延後のスケール除去対象材の推定厚み情報を圧延機から取得し、その取得した推定厚み情報に基づいて前記デスケーリングノズル先端からスケール除去対象材表面までの距離を算出し、その算出した距離に基づいて前記気体の噴射量を制御することは好ましい。
また、本発明の一態様に係るデスケーリング装置において、前記気流噴射装置は、前記気流噴射装置は、前記気体の噴射口が前記デスケーリングノズルの高圧水の噴射口よりも5〜100mm噴射方向の上流に設けられるとともに、前記デスケーリングノズルの中心軸に対して5°〜35°の角度で高圧水側に向けて前記気体を噴射する気流噴射ノズルを有し、該気流噴射ノズルから前記高圧水の水量に比べて10倍以上の前記気体を噴射するとともに、その噴射する気体の流速が前記高圧水の速度の0.1〜0.7倍であることは好ましい。
本発明の一態様に係るデスケーリング装置によれば、噴射する高圧水に沿った気流をつくるように気体を噴射する気流噴射装置を備えており、この気流噴射装置は、スケール除去対象材の厚み情報に基づいて、デスケーリング能力を一定に保つように気体の噴射量を制御するので、デスケーリング距離が変化した場合であっても、デスケーリング能力を一定に保つことができ、安定した表面品質を得ることができる。そして、この気流噴射装置は、デスケーリング対象材の厚みが変ってデスケーリング距離が変化した場合に、デスケーリング能力を一定に保つように気体の噴射量を制御するので、必要以上の気体の噴射を抑制することができる。そのため、デスケーリング能力を一定に保ちつつも省エネルギー化を図ることができる。
ここで、上記「デスケーリング能力」は、指標として以下の(式1)で得られるスケール評価点Dに基づくものとすることが好ましい。また、「デスケーリング能力を一定に保つ」とは、(式1)で得られるスケール評価点Dが基準値=1.0を維持するものとすることが好ましい。
D=∫(W*V^5*d^2)dt (式1)
但し、上記(式1)中のWは、水量密度(L/min・m)を示し、デスケーリングノズル1本あたりの水量を水の広がり面積で除した値とする。なお、望ましくは噴射する高圧水の厚み方向および幅方向両方の水量密度の分布をとり、それをスケール除去対象材Wの搬送速度で積分をとる。しかし、簡便的には水の広がり面積で除した値としてもよい。
また、(式1)中のVは、噴射する高圧水が、スケール除去対象材Wの存する距離において得られる速度を示し、レーザードップラー方式の液滴速度測定の結果得られた算術平均速度とする。
また、(式1)中のdは、液滴径であって、位相ドップラー方式の液滴径測定装置によるザウター平均粒子径を用いる。ザウター平均粒子径とはドップラー方式の液滴径測定装置においてその測定された粒子径をd32=(Σd^3)/(Σd^2)で求められる平均粒子径である。
上述のように、本発明によれば、デスケーリングノズルから噴射する高圧水に沿って高圧水を覆う気流をつくるように気体を噴射する気流噴射装置を備えるデスケーリング装置において、スケール除去対象材の厚みが変化した場合であっても、スケール除去能力を一定に保ちつつも必要以上の気体の噴射を抑制して省エネルギー化を図ることができる。
本発明の一態様に係るデスケーリング方法を実施する本発明の一態様に係るデスケーリング装置を備える圧延機の一実施形態を説明する模式図である。 気体量制御装置で実行される気体噴射量制御処理のフローチャートである。 デスケーリング距離とデスケーリング能力との関係を示すグラフである。 デスケーリング後のスケール評価点とデスケーリング距離との関係を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1に示すように、この圧延機30は、上下一対の圧延ロール31を有する。圧延ロール31の入側と出側それぞれには、複数の搬送ロール32が配置されている。複数の搬送ロール32は、搬送方向(正転圧延方向)Fに沿って搬送ロール32の上に載置されたスケール除去対象材Wを搬送可能とされている。なお、本実施形態の圧延機30は、正転圧延の他、逆転圧延方向Rにスケール除去対象材Wを搬送して、スケール除去対象材Wに逆送圧延をも行い、往復で使用されることでスケール除去対象材Wの板厚を所要の厚みまで段階的に圧延することができるものである。
同図の例では、圧延機30は、圧延ロール31の入側上方に、デスケーリング装置10が設けられている。デスケーリング装置10は、スケール除去対象材Wの幅方向(同図の紙面方向)に沿って配置された不図示のヘッダを有し、このヘッダに複数のデスケーリングノズル1が固定されている。各デスケーリングノズル1は、高圧水を噴射する略楕円形状の噴射口1fを有する。複数のデスケーリングノズル1は、ヘッダの長手方向(スケール除去対象材Wの幅方向)に所定距離だけ相互に離隔して配置されるとともに、スケール除去対象材Wの表面に対し、所定のデスケーリング距離および角度となるように装着されている。各デスケーリングノズル1の基端部は高圧水供給路2にそれぞれ接続されており、この高圧水供給路2から供給された高圧水を、上記噴射口1fからスケール除去対象材Wの表面に向けて噴射するようになっている。
ここで、このデスケーリング装置10は、各デスケーリングノズル1から噴射する高圧水に沿って高圧水を覆う気流をつくるように気体を噴射する気流噴射装置3を備えている。なお、本実施形態の例では、噴射する気体として空気を用いた例であるが、その他の気体として例えば不活性ガスを使用することもできる。
この気流噴射装置3は、各デスケーリングノズル1に装着された気流噴射ノズル4と、気流噴射ノズル4の基端部に接続された圧縮気体供給路5とを備えている。本実施形態の例では、気流噴射ノズル4は、噴射口1fの上下に一対をなす気体の噴射口4fを有し、一対の噴射口4fは、略楕円形状の噴射口1fの長軸軸線を上下から挟むように配置されている。
そして、本実施形態の例では、気流噴射ノズル4は、気体の噴射口4fがデスケーリングノズル1の高圧水の噴射口1fよりも5〜100mmだけ噴射方向の上流側の位置に設けられるとともに、デスケーリングノズル1の中心軸に対して5°〜35°の角度で高圧水側に向けて気体を噴射するように設けられている。さらに、この気流噴射ノズル4は、噴射口2fから上記高圧水の水量に比べて10倍以上の量の気体を噴射するとともに、その噴射する気体の流速が高圧水の速度の0.1〜0.7倍となるように設定されている。
また、上記圧縮気体供給路5の途中部分には、気体量制御電磁弁6が介装されている。気体量制御電磁弁6は、マイクロコンピュータを含む気体量制御装置7に信号線を介して接続されており、気体量制御装置7からの指令によって圧縮気体供給路5の流路を適宜開閉可能になっている。
さらに、本実施形態の気流噴射装置3は、デスケーリングノズル1の設置位置よりもスケール除去対象材Wの搬送方向上流側に設けられたレーザー距離計20を有する。レーザー距離計20は、スケール除去対象材Wの上方の位置に、スケール除去対象材Wの表面と対向して配置されており、スケール除去対象材Wとの対向距離を測定することができる。そして、レーザー距離計20で測定された対向距離の情報は、信号線を介して上記気体量制御装置7に入力される。なお、本実施形態では、距離計としてレーザー距離計20を有する例を示したが、これに限らず、スケール除去対象材Wとの対向距離を測定可能であれば、種々の距離計(例えば超音波式の距離計等)を用いることができる。
そして、上記気体量制御装置7は、気体噴射量制御処理のプログラムを実行し、随時に取得されたスケール除去対象材Wの厚み情報に基づいて、デスケーリング能力を一定に保つように空気の噴射量を制御するようになっている。
詳しくは、気体量制御装置7において、図2に示す気体噴射量制御処理が実行されると、まず、ステップS1に移行して、レーザー距離計20からスケール除去対象材Wの対向距離の情報を取得する。続くステップS2では、予め設定されている基準距離との差異に基づき、レーザー距離計20の対向位置に存在するスケール除去対象材Wの厚さをスケール除去対象材Wの厚み情報として算出する。なお、基準距離は、圧延機30に対するレーザー距離計20の設置位置が既知であることから設定される。続くステップS3では、ステップS2での厚み情報に基づいて、デスケーリングノズル1先端からスケール除去対象材W表面までのデスケーリング距離を算出する。
続くステップS4では、ステップS3で算出されたデスケーリング距離に基づいて、このデスケーリング距離のときにおけるスケール除去能力が所定となるように、噴射する気体の噴射量を制御してステップS5に移行し、ステップS5では、気体噴射量制御処理を終えるか否かの情報を、例えば圧延スケジュールを管理するコンピュータから取得して、デスケーリング終了と判断すれば(Yes)処理を終え、そうでなければステップS1に処理を戻す。
ここで、上記ステップS4でスケール除去能力が一定となるような気体噴射量に制御するために、予め行ったデスケーリング実験の結果であって、デスケーリングノズル1の先端とスケール除去対象材Wの表面とのデスケーリング距離に対するデスケーリング能力の関係を図3に示す。なお、図3に実線で示した実験結果は、気流噴射ノズル4を使用しておらず、高圧水に沿って気体を全く噴射していない状態を示している。また、同図に破線および一点鎖線で示した実験結果は、気流噴射ノズル4を使用しており、高圧水に沿って噴射する気体量が、それぞれ25Nm/Hおよび50Nm/Hの状態を示している。
また、表1に、図3に示す結果に対応した、上記(式1)に基づいて得られたスケール評価点Dを示す。なお、表1に示す数値はスケール評価点Dであって、デスケーリング能力が必要十分に得られているときを基準(1.0)としている。
また、本実験結果は、ノズル水量を100L/minとし、噴射角度を25°としたデスケーリングノズル1を使用した例である。また、高圧水に沿って気体を噴射する気流噴射ノズル4は、デスケーリングノズル1の中心軸に対して高圧水側に5°傾けた方向に気体を噴射したときの結果を示している。
Figure 2017070964
この実験結果によれば、デスケーリング距離を100mm(距離A)から300mm(距離C)に変化させた場合、高圧水に沿って気体を全く噴射しないときには(図3の実線のグラフ参照)、表1に示すように、デスケーリング能力は、スケール評価点Dが1.0から0.1まで大きく変化していることがわかる。つまり、デスケーリング距離が遠ざかる場合、デスケーリング能力は低下する。
したがって、高圧水に沿って気体噴射を行わないときは、デスケーリング距離が最も離れた最大距離となる場合を想定し、その場合でもスケールを除去できるようにスケール除去能力を設定しなければならない。つまり、デスケーリング距離が最大距離となる場合に必要な水量、水圧に調整してデスケーリング能力を担保する必要があるため、デスケーリング距離が近い場合は、デスケーリング能力が高くなりすぎて不必要な動力を使用することになる。
一方、図3に破線および一点鎖線で示すように、高圧水に沿って気体を噴射する場合には、デスケーリング距離が離れたときであっても、気体噴射を行わないときに比べてデスケーリング能力が向上していることがわかる。
そこで、本実施形態では、上記実験結果に鑑み、上記(式1)で得られるスケール評価点Dを指標とし、デスケーリング能力を一定に保つ(つまり、スケール評価点Dが基準値=1.0を維持する)ように、気流噴射ノズル4から噴射する気体の噴射量を制御する条件を設定している。
具体的には、上記実験結果に示す3つの条件においては、
1)デスケーリング距離が100mmのときには、気体噴射が不要であり、
2)デスケーリング距離が200mmのときには、気体噴射量を25Nm/Hとし、
3)デスケーリング距離が300mmのときには、気体噴射量を50Nm/Hとすればデスケーリング能力を一定に保つことができる。
すなわち、上記気体量制御装置7で実行される気体噴射量制御処理においては、上記ステップS1〜S3で随時のデスケーリング距離を取得し、ステップS4では、そのときのデスケーリング距離において、デスケーリング能力の指標となる上記(式1)から得られるスケール評価点Dが、基準値=1.0を維持する気体噴射量とすべく、気体量制御電磁弁6に指令を送って弁の開度を適切な開度に開閉させている。なお、或るデスケーリング距離に対し、スケール評価点Dが基準値=1.0を維持する弁開度のデータは、上記実験結果等に基づいた所定の関係式による演算や、予め記憶された所定のテーブルデータを参照することにより設定することができる。
次に、上記デスケーリング装置10の作用効果について、図4を参照しつつ説明する。図4は、デスケーリング後のスケール評価点とデスケーリング距離との関係を示すグラフである。なお、同図において、圧延機30に装備したデスケーリング装置が、気流噴射装置を有しないものを比較例とし、本発明例と併せて示している。
上記圧延機30でスケール除去対象材Wが圧延されると、正転圧延の他、逆転圧延方向Rに逆送圧延をも行い、スケール除去対象材Wの板厚が所要の厚みとなるまで往復で圧延する。圧延時には、スケール除去対象材Wに表面スケールが生じる。そのため、スケール除去対象材Wに生じたスケールをデスケーリング装置10により除去(デスケーリング)する。上記圧延機30では、正転圧延および逆送圧延を順に行うことで、スケール除去対象材Wの板厚は段階的に薄くなる。そのため、それに伴いデスケーリング距離は段階的に遠ざかっていくことになる。
したがって、図4の比較例に示すように、上述した気流噴射装置を有しないデスケーリング装置(または気流噴射装置を有していても気体噴射量制御処理を行わない場合)であれば、デスケーリング距離が近ければ、スケール除去能力を担保する必要上、不必要に高圧水を供給することになるため、必要以上のエネルギーを使用することになる。また、デスケーリング距離が遠くなれば、所期のスケール除去能力が発揮されないことになる。
これに対し、本実施形態のデスケーリング装置10によれば、各デスケーリングノズル1に、噴射する高圧水に沿って高圧水を覆う気流をつくるように気体を噴射する気流噴射装置3を備え、この気流噴射装置3は、上述したように、スケール除去対象材Wの厚み情報に基づいて、デスケーリング能力を一定に保つように噴射する気体の噴射量を制御するので、スケール除去に必要なデスケーリング能力を一定に保つことができる。
つまり、図4に示す本発明例からもわかるように、スケール除去対象材の厚みが変化した場合であっても、デスケーリングノズル1とスケール除去対象材Wとのデスケーリング距離に関わらず、安定したスケール除去能力を発揮できる。よって、安定した表面品質を得ることができる。そして、本実施形態のデスケーリング装置10によれば、デスケーリング能力を一定に保ちつつも、気体噴射量を必要最低限に調整することで、必要以上の気体の噴射を抑制して省エネルギー化を図ることができる。
なお、本発明に係るデスケーリング装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能であることは勿論である。
例えば、上記実施形態では、気流噴射装置3は、距離計としてレーザー距離計20を有し、このレーザー距離計20を用いてスケール除去対象材Wとのデスケーリング距離を算出し、その算出した距離に基づいて噴射する気体の噴射量を制御する例で説明したが、これに限定されるものではない。
例えば、気流噴射装置3は、距離計を有しない構成とすることもできる。この場合に、気流噴射装置3は、デスケーリングノズル1の設置位置におけるスケール除去対象材Wの厚み情報(トラッキング情報と管理目標値)を圧延スケジュールを管理するコンピュータから取得し、その取得した厚み情報に基づいてデスケーリングノズル1とスケール除去対象材Wとの距離を算出し、その算出した距離に基づき噴射する気体の噴射量を制御してもよい。なお、距離計を有する構成とし、且つ、圧延スケジュールを管理するコンピュータからの情報をも取得するように構成してもよい。
また、例えば、圧延機30が、上記実施形態のように、スケール除去対象材Wに逆送圧延をも行うものであれば、気流噴射装置3は、スケール除去対象材Wの厚み情報として、逆送圧延後のスケール除去対象材Wの推定厚み情報を圧延機30から取得し、その取得した推定厚み情報に基づいてデスケーリングノズル1とスケール除去対象材Wとの距離を算出し、その算出した距離に基づいて噴射する気体の噴射量を制御してもよい。
1 デスケーリングノズル
2 高圧水供給路
3 気流噴射装置
4 気流噴射ノズル
5 圧縮気体供給路
6 気体量制御電磁弁
7 気体量制御装置
10 デスケーリング装置
20 レーザー距離計(距離計)
30 圧延機
31 圧延ロール
32 搬送ロール
A 噴射気体
W スケール除去対象材
F 正転圧延方向、搬送方向
R 逆転圧延方向
P 高圧水

Claims (8)

  1. 異なる厚みをもつ鋼片または鋼帯をスケール除去対象材とする圧延機に用いられ、前記スケール除去対象材に生じた表面スケールをデスケーリングノズルから噴射する高圧水により除去するデスケーリング方法であって、
    前記噴射する高圧水に沿って高圧水を覆う気流をつくるように気体を噴射するとともに、
    前記スケール除去対象材の厚み情報に基づいて、デスケーリング能力を一定に保つように前記気体の噴射量を制御することを特徴とするデスケーリング方法。
  2. 前記デスケーリングノズルの設置位置よりもスケール除去対象材の搬送方向上流側に設けた距離計を用い、該距離計によってスケール除去対象材の厚み情報を取得し、その取得した厚み情報に基づいて前記デスケーリングノズル先端からスケール除去対象材表面までの距離を算出し、その算出した距離に基づいて前記気体の噴射量を制御することを特徴とする請求項1に記載のデスケーリング方法。
  3. 前記デスケーリングノズルの設置位置におけるスケール除去対象材の厚み情報を圧延スケジュールを管理するコンピュータから取得し、その取得した厚み情報に基づいて前記デスケーリングノズル先端からスケール除去対象材表面までの距離を算出し、その算出した距離に基づいて前記気体の噴射量を制御することを特徴とする請求項1に記載のデスケーリング方法。
  4. 前記圧延機は、前記スケール除去対象材に逆送圧延を行うものであり、
    前記厚み情報として前記逆送圧延後のスケール除去対象材の推定厚み情報を圧延機から取得し、その取得した推定厚み情報に基づいて前記デスケーリングノズル先端からスケール除去対象材表面までの距離を算出し、その算出した距離に基づいて前記気体の噴射量を制御することを特徴とする請求項1に記載のデスケーリング方法。
  5. 異なる厚みをもつ鋼片または鋼帯をスケール除去対象材とする圧延機に用いられて、前記スケール除去対象材に生じた表面スケールをデスケーリングノズルから噴射する高圧水により除去するデスケーリング装置であって、
    前記噴射する高圧水に沿って高圧水を覆う気流をつくるように気体を噴射する気流噴射装置を備え、
    前記気流噴射装置は、前記スケール除去対象材の厚み情報に基づいて、デスケーリング能力を一定に保つように前記気体の噴射量を制御することを特徴とするデスケーリング装置。
  6. 前記気流噴射装置は、前記デスケーリングノズルの設置位置よりもスケール除去対象材の搬送方向上流側に設けた距離計を有し、該距離計によってスケール除去対象材の厚み情報を取得し、その取得した厚み情報に基づいて前記デスケーリングノズル先端からスケール除去対象材表面までの距離を算出し、その算出した距離に基づいて前記気体の噴射量を制御することを特徴とする請求項5に記載のデスケーリング装置。
  7. 前記気流噴射装置は、前記デスケーリングノズルの設置位置におけるスケール除去対象材の厚み情報を圧延スケジュールを管理するコンピュータから取得し、その取得した厚み情報に基づいて前記デスケーリングノズル先端からスケール除去対象材表面までの距離を算出し、その算出した距離に基づいて前記気体の噴射量を制御することを特徴とする請求項5に記載のデスケーリング装置。
  8. 前記圧延機は、前記スケール除去対象材に逆送圧延を行うものであり、
    前記気流噴射装置は、前記厚み情報として前記逆送圧延後のスケール除去対象材の推定厚み情報を圧延機から取得し、その取得した推定厚み情報に基づいて前記デスケーリングノズル先端からスケール除去対象材表面までの距離を算出し、その算出した距離に基づいて前記気体の噴射量を制御することを特徴とする請求項5に記載のデスケーリング装置。
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