JP2017070542A - 伸縮性製品の製造方法 - Google Patents

伸縮性製品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017070542A
JP2017070542A JP2015199892A JP2015199892A JP2017070542A JP 2017070542 A JP2017070542 A JP 2017070542A JP 2015199892 A JP2015199892 A JP 2015199892A JP 2015199892 A JP2015199892 A JP 2015199892A JP 2017070542 A JP2017070542 A JP 2017070542A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
original fabric
stretchable
sheet
trimming
heat generating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015199892A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6629032B2 (ja
Inventor
和俊 大塚
Kazutoshi Otsuka
和俊 大塚
小林 英男
Hideo Kobayashi
英男 小林
隆広 飛田
Takahiro Hida
隆広 飛田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2015199892A priority Critical patent/JP6629032B2/ja
Publication of JP2017070542A publication Critical patent/JP2017070542A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6629032B2 publication Critical patent/JP6629032B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Thermotherapy And Cooling Therapy Devices (AREA)

Abstract

【課題】伸縮性シートと非伸縮性シートとが剥離可能に重ね合わされている物品を首尾よく製造し得る方法を提供すること。【解決手段】一方向に連続搬送される伸縮性シートの原反44a,44bと、該原反と同方向に連続搬送される非伸縮性シートの原反44cとを剥離可能なように重ね合わせて、両原反の重ね合わせ体を形成する重ね合わせ工程と;重ね合わせ体を、搬送方向に距離を置いて所定間隔で部分接合する接合工程と;部分接合後の重ね合わせ体を、搬送方向に距離を置いて所定間隔でトリミングして、目的とする製品と廃棄部位とに分離するトリミング工程と;を含む。接合工程における部分接合された部分を、トリミング工程において生じる廃棄部位に対応する位置に形成する。【選択図】図5

Description

本発明は伸縮性製品、例えば身体に装着して、身体の加温に用いられる温熱具の製造方法に関する。
伸縮性フィルムや伸縮性不織布などの伸縮性シートは様々な分野で用いられている。伸縮性シートを含む物品を二次加工する場合、該シートが伸縮性を有することに起因して加工が困難になる場合がある。例えば伸縮性シートを含む長尺物を連続搬送する場合、搬送中に該長尺物が伸長してしまい十分なテンションが発生しなかったり、該長尺物の寸法が変化してしまったりすることがある。そのような不都合が生じることを防止することを目的として、特許文献1においては、長手方向に連続する非伸長性帯部を両耳部に有する伸縮性基材が提案されている。この伸縮性基材は、高テンションでの巻き取りが可能となるので、基材の製造速度を高めて生産性の向上を図ることができると、同文献には記載されている。
特許文献2には、伸縮性のある材料Aと、材料Aに比較して伸縮性が低いか又は伸縮性が無い材料Bとを連続的に貼り合わせて積層材料を製造する方法が記載されている。この方法においては、材料A又は材料Bに熱圧着性材料を用い、材料Aをバキューム機構を備えたコンベアベルトの表面にバキューム力によって吸引固定しながら進行させ、これに対して材料Bを進行中の材料Aの進行速度と同期させて前記コンベアベルト上に供給して材料Aと材料Bとを連続的に合体させ、熱圧着性材料を合体前に加熱するか又は/及び合体後に加熱工程を設けて加熱している。この方法によれば、材料Aの内部ひずみが極力ない状態で貼り合わせが行われるので、貼り合わせ後にしわ等が発生せず状態が安定すると、同文献には記載されている。
特開平5−247823号公報 特開平10−16172号公報
特許文献1に記載の技術は、一枚の伸縮性シートを主たる対象としており、伸縮性シートを他の伸縮性シートや非伸縮性シートと重ね合わせることは想定していない。特許文献2に記載の技術では、伸縮性シートを他の伸縮性シートや非伸縮性シートと重ね合わせているが、両シートは貼り合わされた状態になっているので、その後に両シートを分離することはできない。
ところで、伸縮性シートを含む物品においては、該伸縮性シートが他の伸縮性シートや非伸縮性シートと剥離可能に重ね合わされているものがある。そのような物品を製造する場合には、上述した特許文献1や特許文献2に記載の技術を用いることはできない。
したがって本発明の課題は伸縮性を有する物品の製造方法の改良にあり、更に詳細には、伸縮性シートと非伸縮性シートとが剥離可能に重ね合わされている物品を首尾よく製造し得る方法を提供することにある。
本発明は、伸縮性シートと非伸縮性シートとの重ね合わせ部位を含む伸縮性製品の製造方法であって、
一方向に連続搬送される伸縮性シートの原反と、該伸縮性シートの原反と同方向に連続搬送される非伸縮性シートの原反とを剥離可能なように重ね合わせて、両原反の重ね合わせ体を形成する重ね合わせ工程と、
前記重ね合わせ体を、搬送方向に距離を置いて所定間隔で部分接合する接合工程と、
前記部分接合後の前記重ね合わせ体を、搬送方向に距離を置いて所定間隔でトリミングして、目的とする製品と廃棄部位とに分離するトリミング工程と、を含み、
前記接合工程における部分接合された部分を、前記トリミング工程において生じる廃棄部位に対応する位置に形成する、伸縮性製品の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、物品の製造工程において伸縮性シートの原反に張力が加わっても該伸縮性シートの原反が伸長しづらいので、該伸縮性シートの原反の伸長に起因して従来生じていた種々の課題が生じにくい。例えば伸縮性シートと非伸縮性シートとの重ね合わせ位置のずれや、伸縮性シートの寸法変化が起こりにくくなる。その結果、得られる製品の外観低下や寸法のばらつきが起こりにくくなる。
図1は、本発明の方法で好適に製造される温熱具の一実施形態を示す平面図である。 図2は、図1に示す温熱具を装着した状態を示す斜視図である。 図3は、図1におけるIII−III線断面図である。 図4は、図1に示す温熱具の製造工程のうち、発熱体の製造工程を示す模式図である。 図5は、図1に示す温熱具の製造工程のうち、図4に示す製造工程に引き続く工程を示す模式図である。 図6は、本発明の方法で好適に製造される温熱具の別の実施形態を示す平面図(図1相当図)である。 図7は、図6に示す温熱具を装着した状態を示す斜視図(図2相当図)である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。まず、本発明の方法によって好適に製造される物品の一例である温熱具の構造について説明する。図1には、温熱具の一実施形態が示されている。同図に示す温熱具1は、マスクタイプの蒸気温熱具であり、図2に示すとおり、使用者の口の周囲、頬、及び鼻翼を覆う形状をしており、これらの部位に、所定温度に加熱された水蒸気を付与するとともに、保湿剤組成物を皮膚に移行し浸透させるために用いられるものである。この目的のために、本実施形態の温熱具1における本体部2には、第1開口部10a及び第2開口部10bが形成されている。第1及び第2開口部10a,10bは、温熱具1における幅方向Yに沿う中心線CL上に位置し、且つ幅方向Yに沿って配置されている。第1及び第2開口部10a,10bは、幅方向Yに沿う長さよりも、長手方向Xに沿う長さの方が長くなっている。図2に示すとおり、第1及び第2開口部10a,10bのうち、第1開口部10aは、温熱具1の着用状態において使用者の鼻尖、鼻柱及び鼻孔を露出させるためのものである。一方、第2開口部10bは、温熱具1の着用状態において使用者の口全体を露出させるためのものである。
本体部2における第2開口部10b寄りの下端縁2bは、該下端縁2bにおける中心線CL上に位置する部位及びその近傍の部位が、上端縁2a側に向けて逆V字状に切れ込んでいる。この切れ込みによって、温熱具1の装着状態において、使用者の顎に対応する部位での該温熱具1のフィット性が向上する。
図1及び図3に示すとおり、温熱具1は扁平な形状をしており、第1面1aと、これに対向する第2面1bとを有している。また温熱具1は、長手方向Xと、これに直交する幅方向Yとを有し、長手方向Xに沿って長い形状をしている。温熱具1は、その長手方向Xの中央域に本体部2を有している。本体部2も扁平な形状をしており、長手方向Xに沿って長い形状になっている。温熱具1は、長手方向Xの各側部に耳掛け部3,3を有している。耳掛け部3は、本体部2における長手方向Xの端部の位置から、長手方向Xの外方に向けて延びている。各耳掛け部3には、幅方向Yに沿って延びる2本のスリット3a,3bが、長手方向Xに距離を隔てて形成されている。各スリット3a,3bは、長手方向Xの外方に向けて凸の曲線を描くように形成されている。各スリット3a,3bは、温熱具1の着用時に、耳掛け部3を長手方向Xの外方に向けて伸長させたときに開口し、その開口に使用者の耳を通すために用いられる。スリット3a,3bを2つ設けた理由は、使用者の顔のサイズへの適応性を高めるためである。
本体部2は、第1のシート部材4a及び第2のシート部材4bを有している。これらのシート部材は、本体部2の最外面をなす部材であり、第1シート部材4aが、上述した第1面1aを含み、第2シート部材4bが、第2面1bを含んでいる。第1のシート部材4aと第2のシート部材4bとは、幅方向Yに関しては同様の形状を有している。一方、長手方向Yに関しては、第1のシート部材4aの各端縁4a’,4a’を越えて、第2のシート部材4bが長手方向Xの外方へ向けて延出している。そして、その延出部位が、上述した耳掛け部3となっている。第1のシート部材4aと第2のシート部材4bとは、少なくとも、第1のシート部材4aの周縁域が、第2のシート部材4bと接合している。第1のシート部材4aの周縁域よりも内側の領域においては、第1のシート部材4aと第2のシート部材4bとは非接合状態になっていることが、本体部2の伸縮性が損なわれにくい点から好ましい。なお、耳掛け部3は、第2のシート部材4bに対して第1のシート部材4aを延出させて形成してもよいし、第1のシート部材4a及び第2のシート部材4bとは別部材で取り付けてもよい。
第1及び第2のシート部材4a,4bはいずれも伸縮性を有していることが好ましい。例えば第1及び第2のシート部材4a,4bは、通気性を有する伸縮性不織布から構成されている。したがって、本体部2は伸縮性を有している。同様に耳掛け部3も伸縮性を有している。これらのシート部材4a,4bは、少なくとも長手方向Xに沿って伸縮性を有し、好ましくは幅方向Yに沿っても伸縮性を有している。更に好ましくは、長手方向X及び幅方向Yを含むX−Y平面のあらゆる方向において伸縮性を有している。
伸縮性を有するシート部材4a,4bとしては、例えば伸縮性を有する不織布を用いることが、伸縮の容易さや、良好な肌触りの点から好ましい。伸縮性を有する不織布としては、構成繊維として少なくとも弾性繊維を含む不織布、例えばエアスルー不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布及びスパンレース不織布などを用いることができる。
第1のシート部材4aと第2のシート部材4bとの間には、発熱体5が配置されている。発熱体5は扁平な形状を有するものであり、平面視して長方形をしている。発熱体5は、第1の包材5aと第2の包材5bとを有している。第1の包材5aは、第1のシート部材4a側に位置しており、第2の包材5bは、第2のシート部材4b側に位置している。第1の包材5aと第2の包材5bとは同形をしている。第1の包材5a及び第2の包材5bはそのいずれもが通気性を有する部位を備えるものであってもよく、あるいはいずれか一方のみが通気性を有する部位を備え、他方が難通気性又は非通気性であってもよい。後者の場合、第1面1a側に位置する包材である第1の包材5aが、通気性を有する部位を備えたものであることが好ましい。
第1の包材5aと第2の包材5bとの間には発熱部6が配置されている。発熱部6も平面視して長方形をしている。第1の包材5a及び第2の包材5bは、発熱部6の縁部から外方に延出した延出部位を有し、各包材5a,5bの延出部位どうしが接合されることで、発熱体5が形成されている。また、この接合によって発熱部6の外部への漏れ出しが防止されている。
発熱部6は被酸化性金属を含むものであって、該被酸化性金属の酸化反応によって生じた熱を熱源として利用している。発熱部6は、被酸化性金属及び水を含有する発熱組成物で構成されることが好ましい。被酸化性金属としては、酸化反応熱を生じる金属を用いることが好ましい。そのような金属の例としては、鉄、アルミニウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム、及びカルシウムから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。これらの金属は、例えば粉末や繊維の形態で用いられる。これらの金属のうち、取り扱い性、安全性、製造コスト、保存性及び安定性の点から鉄を用いることが好ましく、特に鉄を粉末の形態で、つまり鉄粉の形態で用いることが好ましい。
本体部2は、発熱体5を2個備えている。2個の発熱体5は、長手方向Xに沿って配置されている。本体部2が長手方向Xに沿って伸縮性を有することは先に述べたとおりなので、2個の発熱体5は、本体部2の伸縮方向に沿って配置されていると言える。各発熱体5は、温熱具1を図2に示す態様で使用者の顔に装着したときに、使用者の頬上に位置するように配置されていることが好ましい。また各発熱体5は、温熱具1における幅方向Yに沿う中心線CLに対して対称の位置に配置されている。また各発熱体5は、第1及び第2開口部10a,10bを挟んで対称の位置に配置されている。
各発熱体5は、これを構成する第2の包材5bが、該第2の包材5bと対向する部材である第2のシート部材4bと接合して接合部9が形成されていることで、本体部2に固定されている。発熱体5の固定は、該発熱体5を構成する発熱部6における長手方向Xの最内方の位置で行われる。換言すると、温熱具1における幅方向Yに沿う中心線CLから見て、長手方向Xの最も近い位置に接合部9が設けられている。そして、発熱体5と第1及び第2のシート部材4a,4bとは、接合部9以外の位置では非固定の状態となっている。つまり、発熱体5と第1及び第2のシート部材4a,4bとは、接合部9の位置のみで、すなわち1箇所で固定されている。接合部9は、第2のシート部材4bと発熱体5とを固定するために、発熱体5毎に、周辺部又は中央部の少なくとも1箇所に設けることが好ましい。
本体部2を構成する第1のシート部材4aの外表面、すなわち第1面1aには、機能性材料組成物である保湿剤組成物7が施されている。保湿剤組成物7は、発熱部6と第1面1aとの重なり領域において不連続に施されている。すなわち、重なり領域は、保湿剤存在部8a及び保湿剤非存在部8bを含んで構成されている。本実施形態においては、保湿剤存在部8aは幅方向Yに沿って延びるストライプ状になっている。保湿剤存在部8aの延びる方向は、本体部2の伸縮方向と交差する方向であることが好ましい。本実施形態においては、保湿剤存在部8aの延びる方向は、本体部2の伸縮方向と直交する方向になっている。各保湿剤存在部8aは、幅及び長さを有する細長い長方形状をしており、それらの幅はほぼ等しくなっている。隣り合う保湿剤存在部8aの間の領域、すなわち保湿剤非存在部8bの幅は、保湿剤存在部8aの幅と同じであるか、あるいは異なっている。また各保湿剤非存在部8bの幅は、ほぼ等しくなっている。なお、本実施形態では機能性材料として保湿剤を採用しているが、使用者に対して効果・効能を付与するものであれば機能性材料として用いることができる。更に、保湿剤以外に薬効成分を有する材料や、メントール等の清涼成分等を採用することもできる。なお、以下の記載において「保湿剤」及び「保湿剤存在部」は「機能性材料」及び「機能性材料存在部」と読み替えることができる。
保湿剤存在部8aは、その幅、すなわち長手方向Xに沿う長さが2mm以上であることが好ましく、2.5mm以上であることが更に好ましく、3mm以上であることが一層好ましい。また7.5mm以下であることが好ましく、6.5mm以下であることが更に好ましく、5.5mm以下であることが一層好ましい。例えば保湿剤存在部8aの幅は、2mm以上7.5mm以下であることが好ましく、2.5mm以上6.5mm以下であることが更に好ましく、3mm以上5.5mm以下であることが一層好ましい。この幅で保湿剤存在部8aを設けることで、十分な量の保湿剤組成物7を首尾よく使用者の皮膚に移行させることができる。
同様の観点から、隣り合う保湿剤存在部8a間に位置する保湿剤非存在部8bの幅、すなわち長手方向Xに沿う長さは2.5mm以上であることが好ましく、3.5mm以上であることが更に好ましく、4.5mm以上であることが一層好ましい。また10mm以下であることが好ましく、9mm以下であることが更に好ましく、8mm以下であることが一層好ましい。例えば保湿剤非存在部8bの幅は、2.5mm以上10mm以下であることが好ましく、3.5mm以上9mm以下であることが更に好ましく、4.5mm以上8mm以下であることが一層好ましい。
図3に示すとおり、保湿剤組成物7は、第1面1a上に厚みをもって施されている。このように保湿剤組成物7を施すことで、温熱具1の使用状態において、保湿剤組成物7が使用者の皮膚に首尾よく移行する。保湿剤組成物7を、厚みをもって施すためには、該保湿剤組成物7を、微細構造を形成して構造粘性を調整したり、水溶性高分子により水相の調度により粘度を調整したりした乳化物とすればよい。なお、保湿剤組成物7が厚みをもって施されていることは、該保湿剤組成物7が、第1面1aを構成する第1のシート部材4a内に非浸透状態になっていることを意味するものではない。保湿剤7は、その一部が第1のシート部材4a内に浸透していてもよい。
保湿剤組成物7は、保湿成分及び水を構成成分として少なくとも含むものである。保湿成分は、使用者の皮膚に施されたときに、皮膚の水分量を増加させるか、又は少なくとも水分量を維持する作用を有する剤のことである。保湿成分としては、例えば化粧品や医薬品の分野でこれまで用いられてきたものと同様のものを用いることができる。例えば、親水性の成分として水溶性有機酸、水溶性有機酸塩、多価アルコール等が挙げられる。一方、親油性の成分としてセラミド類、コラーゲン類、高級アルコール、高級脂肪酸、エステル油、炭化水素類、シリコーン類などが挙げられる。これらの保湿成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお図には示していないが、使用前の状態の温熱具1においては、保湿剤組成物7の保護を目的として、該保湿剤組成物7を覆うように保護フィルム(図示せず)が第1面1a上に配置されている。保護フィルムは一般に非伸縮性シートから構成されている。非伸縮性シートから構成される保護フィルムの例としては、樹脂製フィルム、不織布、紙及びこれらから選ばれる2種以上を重ね合わせたラミネート構造体が挙げられる。樹脂製フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の素材を使用することができる。本発明において用いられる非伸縮性シートは、製造加工条件において伸長しない材料が好ましいが、上述した伸縮性を有するシート材料の伸長を抑制する程度に伸長するものを排除するものではない。例えば、伸長性を有するシート材料と比較して、目的とする伸縮性製品の製造工程で加えられる伸長力に対して伸長しにくい材料であってもよい。しかしながら、製造加工条件において伸長しない材料であることが、伸縮性製品の加工条件を広く選択可能となる点から好ましい。これらの材料の中でも、後述する部分接合62を形成し易い点から、熱融着性を有する材料が好ましく、特に、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリエチレンテレフタレートが好ましい。温熱具1においては、伸縮性シート4aと非伸縮性シートである保護フィルムが重ね合わせ部位を有するよう構成されている。
温熱具1を着用するときには、左右一対の耳掛け部3をそれぞれ手で把持し、長手方向Xの外方に向けて伸長させる。耳掛け部3は、伸縮性を有する素材である第2のシート部材4bから構成されているので、伸長は容易に行うことができる。この伸長によって、耳掛け部3に設けられている各スリット3a,3bが開口して、耳掛け用開口部3a’,3b’が形成される。
また、前記の伸長によって、温熱具1の本体部2も長手方向Xに沿って伸長する。本体部2は、その外面を構成する第1及び第2のシート部材4a,4bがいずれも伸縮性を有する素材から構成されているので、伸長は容易に行うことができる。本体部2が長手方向Xに沿って伸長することで、本体部2の第1面1aに形成されている保湿剤存在部8a間に位置する保湿剤非存在部8bが、長手方向Xに沿って伸長するとともに、隣り合う保湿剤非存在部8bどうしが互いに離れる方向に移動する。この状態下に、耳掛け部3の開口部3a’,3b’を各耳に掛けつつ、本体部2における第1面を顔面に当接させて、図2に示す装着状態とする。
以上の装着手順によれば、本体部2を長手方向Xに沿って伸長することで、保湿剤非存在部8bの面積が伸長前に比べて増大する。その結果、本体部2の第1面1aに多量の保湿剤組成物を保持させておいても、外部から発熱部6への空気の供給が円滑に行われ、発熱部6が十分に発熱し、使用者に十分な温感を付与することができる。また発熱部6が十分に発熱することで、該発熱部6から十分な量の水蒸気が発生し、且つ発生した水蒸気が保湿剤非存在部8bを通じて使用者の皮膚に円滑に供給され、使用者の皮膚の角層が軟化しやすくなる。更に、本体部2の第1面には十分な量の保湿剤組成物が保持されており、この保湿剤組成物が使用者の皮膚に十分に、且つ皮膚の角層が水蒸気によって軟化している状態下に、皮膚に移行するので、保湿剤組成物が皮膚の深部にまで到達しやすくなり、保湿剤組成物による保湿効果が十分に発現する。
本体部2の長手方向Xに沿う伸長においては、発熱部6と第1面1aとの重なり領域に形成された保湿剤存在部8aが、伸長後に接合部9よりも長手方向Xの内方に移動することはない。この理由は、先に図3に関して述べたとおり、発熱部6を含む各発熱体5が、温熱具1における幅方向Yに沿う中心線CLから見て、長手方向Xの最も近い位置において接合部9によって接合されているからである。したがって、温熱具1を長手方向Xに沿って伸長させて、伸長状態の該温熱具1を使用者の口及び頬並びにそれらの周囲に当接させたときに、使用者の口角若しくは頬又はそれらの近傍の位置に、保湿剤存在部8aが位置しやすくなる。その結果、温熱具1は、口角や頬の保湿に効果的であり、頬の毛穴やほうれい線が目立ちにくくなるという利点がある。
以上の構成を有する温熱具1の好適な製造方法を、図4及び図5を参照しながら説明する。本製造方法は、(イ)発熱体5の製造工程と、(ロ)温熱具1の製造工程とに大別される。まず、図4を参照しながら発熱体5の製造工程を説明する。
先に述べたとおり、発熱体5は、第1の包材5aと第2の包材5bとを有しており、両包材5a,5b間に発熱部6が位置している。この構造を有する発熱体5を製造ために、まず、第2の包材5bの原反である第2原反55bをロール(図示せず)から繰り出して、方向D1に沿って連続搬送させる。方向D1に沿って連続搬送される第2原反55bには、その一面に発熱部6が形成される。発熱部6の形成には、例えば発熱部6を構成する発熱組成物の塗布等の手段を用いることができる。図4には、搬送方向D1に距離を置いて所定間隔で複数の発熱部6が列状に形成されている状態が示されている。更に発熱部6は、搬送方向D1と直交する方向D2に沿って距離を置いて形成されている。したがって第2原反55bには、搬送方向D1に距離を置いて所定間隔で複数の発熱部6が配置されている発熱部列が、方向D2に距離を置いて2列形成されている。
第2原反55bの一面に発熱部6が形成されたら、該発熱部6を覆うように第1の包材5aの原反である第1原反55aを配置する。第1原反55aはロール(図示せず)から繰り出されたものであり、第2原反55bの搬送方向D1と同方向に連続搬送されている。繰り出された第1原反55aは、一対のニップロール50,50の間を通過するときに、同じく同ロール50,50の間を通過する第2原反55bと合流する。なお図4では、第1原反55aの幅が、第2原反55bの幅と同じ状態が示されているが、両原反55a,55bの幅は異なっていてもよい。
第1原反55aと第2原反55bとが重ね合わさり両原反55a,55b間に発熱部6が配置されたら、次に、両原反55a,55bの接合工程を行う。接合工程においては、第1原反55aと第2原反55bとを、発熱部6の周囲の部位において接合して第1接合部51a及び第2接合部51bを形成する。第1接合部51aは搬送方向D1に沿って直線状に延びている。また、第1接合部51aは、方向D2に沿って距離を置いて多条に形成されている。一方、第2接合部51bは方向D2に沿って直線状に延びている。また、第2接合部51bは、搬送方向D1に沿って距離を置いて多条に形成されている。これらの結果、第1原反55aと第2原反55bとは、格子状に形成された接合部によって接合される。1つの格子の内部には1つの発熱部6が位置している。
第1接合部51a及び第2接合部51bは、種々の方法で形成することができる。例えば第1原反55a及び第2原反55bが熱融着可能な材料から構成されている場合には、熱融着によってこれらの接合部51a,51bを形成することができる。また、第1原反55a及び第2原反55bの材質に依らず、両原反55a、55bを接着剤によって接合することができる。
第1接合部51a及び第2接合部51bの形成によって第1原反55aと第2原反55bとが一体化して複合体52が形成される。次に、この複合体52に対して第1切断工程を行う。第1切断工程においては、先に形成された各第1接合部51aの位置において、搬送方向D1に沿って複合体52を切断する。詳細には、各第1接合部51aにおける方向D2に沿う中央部に切断刃(図示せず)を配置して、複合体52を搬送方向D1に沿って切断する。第1切断工程によって複合体52が切断されて、搬送方向D1沿って距離を置いて複数配置された発熱部6の列からなる短冊状複合体53が複数本(図4では2本)形成される。
次に短冊状複合体53に対して第2切断工程を行う。第2切断工程においては、各第2接合部51bの位置において、方向D2に沿って短冊状複合体53を切断する。詳細には、各第2接合部51bにおける搬送方向D1に沿う中央部に切断刃(図示せず)を配置して、短冊状複合体53を方向D2に沿って切断する。第2切断工程によって短冊状複合体53が切断されて、個々の発熱体5が形成される。
1回の第2切断工程によって一対の発熱体5,5が形成される。これら一対の発熱体5,5は次に、方向D2に沿う距離を離間させる離間工程に付され、両者間の距離Wが広がり、次に行われる温熱具1の製造工程(図5参照)へと供給される。
以上が(イ)発熱体5の製造工程である。次に(ロ)温熱具1の製造工程が行われる。この工程を図5を参照しながら説明する。
温熱具1の製造工程においては、第2のシート部材4bの原反である第2原反44bをロール(図示せず)から繰り出して、方向d1に沿って連続搬送させる。第2原反44bは伸縮性を有するものである。第2原反44bの伸縮性は、少なくとも搬送方向d1及びそれと直交する方向d2において発現している。
方向d1に沿って連続搬送される第2原反44bには、その一面に接着剤91を塗布する接着剤塗布工程が行われる。接着剤91の塗布は、第2原反44bの幅方向、すなわち搬送方向d1と直交する方向である方向d2の左右両側部に側部非塗布領域92,92が形成されるように行う。方向d2に沿う接着剤の塗布幅は、第1のシート部材4aの原反である第1原反44aの幅と同じにするか、又はそれよりも若干狭くする。また接着剤91は、側部非塗布領域92,92間において全面塗工されるのではなく、矩形の非塗布領域93が形成されるように塗工される。非塗布領域93は、搬送方向d1及びこれと直交する方向d2と平行な辺を有する矩形の領域である。非塗布領域93の各辺は、先に述べた発熱体5の各辺よりも長くなっている。図5には、搬送方向d1に距離を置いて所定間隔で複数の非塗布領域93が列状に形成されている状態が示されている。更に非塗布領域93は、搬送方向d1と直交する方向d2に沿って距離を置いて形成されている。したがって第2原反44bには、搬送方向d1に距離を置いて所定間隔で複数の非塗布領域93が形成されている非塗布領域列が、方向d2に距離を置いて2列形成されている。接着剤91の塗布には、公知の塗布装置を用いることができる。
接着剤塗布工程の完了後、発熱部配置工程を行う。発熱部配置工程は、後述する重ね合わせ工程よりも前に行われる。発熱部配置工程では、発熱部6を有する部材である発熱体5を第2原反44bに配置する。発熱体5の配置は、第2原反44bのうち、接着剤91を塗布した面に行う。また発熱体5の配置は、該発熱体5における一部のみが接着剤91と当接するように行う。詳細には、図5に示すとおり、発熱体5を非塗布領域93の位置に配置する。その結果、搬送方向d1に距離を置いて所定間隔で複数の発熱体5が配置されている発熱体列が、方向d2に沿って2列形成されることになる。このとき、発熱体5のうち、方向d2に沿う内側の部位のみが接着剤91と当接するように該発熱体5の配置を行う。その結果、各発熱体5が接着剤91を介して第2原反44bに1箇所のみで固定される。
発熱部配置工程の完了後、重ね合わせ工程が行われる。重ね合わせ工程においては、上述した第2原反44bと、第1のシート部材4aの原反である第1原反44aと、保護フィルムの原反である第3原反44cとが重ね合わされる。第1原反44aは伸縮性を有するものである。第1原反44aの伸縮性は、少なくとも搬送方向d1及びそれと直交する方向d2において発現している。一方、第3原反44cは非伸縮性のものである。第1原反44aはロール(図示せず)から繰り出されたものであり、第2原反44bの搬送方向d1と同方向に連続搬送されている。第3原反44cについても同様であり、(図示せず)から繰り出され、第2原反44bの搬送方向d1と同方向に連続搬送されている。繰り出された第1原反44a及び第3原反44cは、一対のニップロール60,60の間を通過するときに、同じく同ロール60,60の間を通過する第2原反44bと合流し、これら三者が重ね合わされる。このとき、第1原反44aは、第2原反44bにおける接着剤91の塗布面に重ね合わされる。また第3原反44cは、第1原反44aの2つの面のうち、第2原反44bと対向していない側の面上に重ね合わされる。この重ね合わせ工程によって、第1原反44aと第2原反44bと第3原反44cとが重ね合わされた重ね合わせ体61が形成される。
第1原反44aは第2原反44bよりも幅が狭くなっている。そして第1原反44aは、第2原反44bに塗布されている接着剤91を跨ぐように第2原反44bと重ね合わされている。したがって第1原反44aと第2原反44bとは接着剤91を介して接合固定されている。
第3原反44cは、第1原反44aよりも幅が狭くなっている。これまで説明してきた第1原反44a及び第2原反44bは一条のみ用いられていたが、第3原反44cは二条用いられている。各第3原反44cは、方向d2に距離を置いて配置されるように搬送される。各第3原反44cは、それと対向する原反である第1原反44aと剥離可能なように重ね合わされている。具体的には、両原反44a,44cは、機能性材料としての、粘稠性を有する流体である保湿剤組成物7が有する粘性によって剥離可能なように接合されている。
粘稠性の流体である保湿剤組成物7は、第3原反44cが、第1原反44a及び第2原反44bと重ね合わされる重ね合わせ工程の前に、非伸縮性シートである第3原反44cに塗布される。つまり、本製造方法においては、重ね合わせ工程よりも前に機能性材料塗布工程が行われる。粘稠性の流体である保湿剤組成物7の塗布は、第3原反44cの2つの面のうち、第1原反44aとの対向面に対して行われる。また保湿剤組成物7は搬送方向d1に沿って多条に塗布される。第3原反44cから得られる保護フィルムは、目的とする温熱具1が使用されるまで保湿剤組成物7を保護するために用いられ、使用に先立ち保湿剤組成物7から剥離されるものであるから、第3原反44cにおける保湿剤組成物7の塗布面は、該保湿剤組成物7に対して易剥離性を有することが好ましい。なお図5においては、保湿剤組成物7が第1原反44aに塗布されているように見えるかも知れないが、これは第3原反44cを一部切り欠いて描いていることに起因するものであり、実際には保湿剤組成物7は第3原反44cに塗布される。そして、保湿剤組成物7が塗布された第3原反44cが第1原反44aと重ね合わされることで、保湿剤組成物7が第1原反44aへ転写される。
また、図5においては、第1原反44aと第3原反44cとが予め重ね合わされ、次いでこれらが第2原反44bと重ね合わされる状態が示されているが、これら三者の重ね合わせの順序に特に制限はなく、第1原反44aと第2原反44bと第3原反44cとを同時に重ね合わせてもよく、あるいは第1原反44aと第2原反44bとを予め重ね合わせ、次いでこれらと第3原反44cと重ね合わせてもよい。どのような重ね合わせの順序を採用した場合であっても、最終的には、第1原反44aと第3原反44cとが保湿剤組成物7を介して剥離可能に重ね合わされた部位を有する重ね合わせ体61が得られる。
重ね合わせ工程によって形成された重ね合わせ体61は接合工程に付される。接合工程においては、搬送方向d1に距離を置いて所定間隔で重ね合わせ体61を構成する部材間が接合される。この接合は、少なくとも、非伸縮性シートである第3原反44cと伸縮性シートである第1原反44aとの間で行われる。これらの原反44a,44cだけでなく、これらの原反に加えて第2原反44bも接合されても差し支えない。尤も、本実施形態においては第2原反44bは接着剤91によって第1原反44aと既に接合されているので、本工程での両原反44a,44bの接合は必須ではない。
第1原反44aと第3原反44cとの接合は部分接合であることが好ましい。部分接合とは、両原反44a,44cの対向域の全域を接合するのではなく、両原反44a,44cの対向域のうちの一部のみを接合することをいう。図5には、ポイント接合部62が形成されるように両原反44a,44cが接合される状態が示されている。ポイント接合部62の形成は、例えば第1原反44a及び第3原反44cが熱融着可能な材料から構成されている場合には、熱融着によって行われる。両原反44a,44cを接合することで、接合工程よりも下流の工程において何らかの加工が施されるときに第1原反44aに過度の張力が加わった場合であっても、第1原反44aの伸長が、非伸縮性シートである第3原反44cによって規制される。その結果、接合工程よりも下流の工程において何らかの加工が施されるときに、両原反44a,44cの位置関係や、伸縮性シートである第1原反44aの寸法が変化しづらくなる。この観点から、両原反44a,44cの接合は、接合工程よりも下流の工程において何らかの加工が施されるときに、両原反44a,44cの位置関係や、伸縮性シートである第1原反44aの寸法が変化しない程度の強度で行われることが好ましい。なお、ポイント接合部62の形成位置に関しては後述する。
接合工程の完了後、重ね合わせ体61は周縁接合工程に付される。周縁接合工程では、接合工程で部分接合された重ね合わせ体61を、搬送方向d1と直交する方向d2に二つ折りして二つ折り体63を形成する。重ね合わせ体61を二つ折りする位置は、折られる前の状態における重ね合わせ体61の幅方向中央部であり、この位置は、目的とする温熱具1における中心線CLの位置と一致する。
周縁接合工程においては、二つ折りの操作に引き続き周縁接合部62の形成を行う。周縁接合部62の形成は、二つ折り体63のうち、後述するトリミング工程でのトリミング予定部位に沿う部位の少なくとも一部である。図5に示す実施形態においては、重ね合わせ体61の二つ折りの位置Fを始点として、搬送方向d1に対して前方に向けて傾斜するように直線状の周縁接合部62が形成されている状態が示されている。
周縁接合部62は、第1原反44aと第2原反44bとを接合することで行われる。第3原反44cは周縁接合部の形成には関与しない。周縁接合部62の形成は、例えば第1原反44a及び第2原反44bが熱融着可能な材料から構成されている場合には、熱融着によって行われる。
このようにして周縁接合部62が形成されたら、次にトリミング工程を行う。トリミング固定においては、部分接合後の重ね合わせ体61、つまり二つ折り体63を、搬送方向d1に距離を置いて所定間隔でトリミングする。トリミングは、目的とする温熱具1の外形が得られるように行う。このトリミングによって、二つ折り体63を、目的とする製品である温熱具1と、トリミングによって生じる廃棄部位64a,64b,64cとに分離する。更にトリミング工程においては、スリット加工も施し、目的とする製品である温熱具1にスリット3a,3bも形成する。
以上のとおり、本製造方法では、外力に対して変形し易い材料である伸縮性シート(例えば第1原反44a)に種々の加工を施して、目的とする温熱具1を製造しているところ、加工時の伸縮性シートの変形を、該伸縮性シートを非伸縮性シート(すなわち第3原反44c)と接合部62において接合することで規制している。そして、その接合状態下に種々の加工を施している。その結果、伸縮性シートの伸長に起因して従来生じていた種々の課題が生じにくい。例えば伸縮性シートと非伸縮性シートとの重ね合わせ位置のずれや、伸縮性シートの寸法変化が起こりにくくなる。その結果、得られる温熱具1の外観低下や寸法のばらつきが起こりにくくなる。また、第1原反44aと第3原反44cとの間にストライプ状に配されている保湿剤組成物7のストライプ状のパターンの崩れも起こりにくい。
このように、本製造方法では、接合部62の形成によって、伸縮性シートからなる第1原反44a等に搬送状態での加工を施しても、伸縮性に起因する不都合が生じにくくなる。しかし、目的とする温熱具1には必要とされてない接合部62が製造過程において不可避的に形成されてしまう。そこで本製造方法では、接合工程における部分接合による接合部62の形成を、トリミング工程において生じる廃棄部位に対応する位置において行う。図5に示す実施形態では、長尺状の廃棄部位64aに接合部62が形成されるように接合工程を行っている。廃棄部位64aに接合部62を形成することで、目的とする温熱具1には、接合部62を形成した痕跡が全く残らない。
以上の工程によって、図1に示す状態の温熱具1が二つ折りされた状態で得られる。この状態の温熱具1は、例えば酸素遮断性の包材中に密閉されて最終製品となる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態は、使用者の口、頬、及び鼻翼を覆う形状をしており、これらの部位に、所定温度に加熱された水蒸気を目及びその周囲に付与する温熱具1を、製造の目的物とした例であったが、これに代えて、図6及び図7に示すとおり、いわゆるアイマスクタイプの温熱具1を製造の目的物としてもよい。アイマスクタイプの温熱具1は、図7に示すとおり、ヒトの目及びその周囲に当接させて、所定温度に加熱された水蒸気を目及びその周囲に付与するために用いられる。なお、図6及び図7において、図1ないし図5と同じ部材には同じ符号を付してそれらの説明を省略してある。
また、本発明の製造方法の対象物は温熱具に限られず、伸縮性シートと非伸縮性シートとの重ね合わせ部位を含む伸縮性製品の製造一般に本発明を適用することができる。
1 温熱具
1a 第1面
1b 第2面
2 本体部
3 耳掛け部
3a,3b スリット
4a 第1のシート部材
4b 第2のシート部材
5 発熱体
5a 第1の包材
5b 第2の包材
6 発熱部
7 保湿剤
8a 保湿剤存在部
8b 保湿剤非存在部
9 接合部
44a 第1原反(伸縮性シート)
44b 第2原反(伸縮性シート)
44c 第3原反(非伸縮性シート)
62 接合部
64a,64b,64c 廃棄部位

Claims (4)

  1. 伸縮性シートと非伸縮性シートとの重ね合わせ部位を含む伸縮性製品の製造方法であって、
    一方向に連続搬送される伸縮性シートの原反と、該伸縮性シートの原反と同方向に連続搬送される非伸縮性シートの原反とを剥離可能なように重ね合わせて、両原反の重ね合わせ体を形成する重ね合わせ工程と、
    前記重ね合わせ体を、搬送方向に距離を置いて所定間隔で部分接合する接合工程と、
    前記部分接合後の前記重ね合わせ体を、搬送方向に距離を置いて所定間隔でトリミングして、目的とする製品と廃棄部位とに分離するトリミング工程と、を含み、
    前記接合工程における部分接合された部分を、前記トリミング工程において生じる廃棄部位に対応する位置に形成する、伸縮性製品の製造方法。
  2. 前記接合工程と前記トリミング工程との間に周縁接合工程を更に含み、
    該周縁接合工程では、前記接合工程で部分接合された前記重ね合わせ体を、搬送方向と直交する方向に二つ折りして二つ折り体を形成し、引き続き、該二つ折り体のうち、前記トリミング工程でのトリミング予定部位に沿う部位の少なくとも一部を接合して周縁接合部を形成する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記重ね合わせ工程よりも前に被酸化性金属を含む発熱部を配置する発熱部配置工程を更に含み、
    該発熱部配置工程では、前記伸縮性シートの原反に、前記発熱部を、搬送方向に距離を置いて所定間隔で配置する、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記重ね合わせ工程よりも前に機能性材料塗布工程を更に含み、
    該機能性材料塗布工程では、前記非伸縮性シートの原反の面のうち、前記伸縮性シートの原反との対向面に機能性材料を塗布する、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の製造方法。
JP2015199892A 2015-10-08 2015-10-08 伸縮性製品の製造方法 Active JP6629032B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015199892A JP6629032B2 (ja) 2015-10-08 2015-10-08 伸縮性製品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015199892A JP6629032B2 (ja) 2015-10-08 2015-10-08 伸縮性製品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017070542A true JP2017070542A (ja) 2017-04-13
JP6629032B2 JP6629032B2 (ja) 2020-01-15

Family

ID=58538432

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015199892A Active JP6629032B2 (ja) 2015-10-08 2015-10-08 伸縮性製品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6629032B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020191973A (ja) * 2019-05-24 2020-12-03 花王株式会社 シート状マスクの製造方法
JP2022029548A (ja) * 2020-08-05 2022-02-18 花王株式会社 シート状マスクの製造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102217097B1 (ko) * 2020-09-22 2021-02-17 이현승 복합필름 성형용 원료중첩장치

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020191973A (ja) * 2019-05-24 2020-12-03 花王株式会社 シート状マスクの製造方法
JP2022029548A (ja) * 2020-08-05 2022-02-18 花王株式会社 シート状マスクの製造方法
JP7227947B2 (ja) 2020-08-05 2023-02-22 花王株式会社 シート状マスクの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6629032B2 (ja) 2020-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6161029B2 (ja) パンツ型着用物品及びその製造方法
JP5995870B2 (ja) 使い捨て着用物品およびその製造方法
KR20140034170A (ko) 마스크
JPWO2018070150A1 (ja) 伸縮シート、それを用いた着用物品および伸縮シートの製造装置
JP6629032B2 (ja) 伸縮性製品の製造方法
JP5986855B2 (ja) シートの接合装置及び接合装置を用いた使い捨ておむつの製造方法
JP5849016B2 (ja) マスク製造方法およびマスク製造装置
US10130522B2 (en) Manufacturing method for disposable worn article
WO2014208637A1 (ja) パンツ型着用物品及びその製造方法
JP2013236798A5 (ja)
WO2000028845A1 (fr) Caleçons-slips du type jetable et leur procede de production
JP7104547B2 (ja) シート状マスクの製造方法
JP5978654B2 (ja) 使い捨ておむつ及び使い捨ておむつの製造方法
JP2006311939A (ja) 吸収性物品及びその製造方法
WO2014208651A1 (ja) パンツ型使い捨ておむつ
JP2018204146A (ja) シート状マスクの製造方法
JP2006192261A (ja) 吸収性物品の包装構造
WO2014208642A1 (ja) パンツ型着用物品及びその製造方法
JP5885863B2 (ja) 立体フェイスマスクの製造方法
JP5076158B2 (ja) 使い捨てマスクおよびその製造方法
EP3162331B1 (en) Method for producing disposable wearable article
JP5830570B2 (ja) 吸収性物品に係る複合シートの製造方法、及び製造装置
JP7288804B2 (ja) シート状マスクの製造方法
JP4420864B2 (ja) 吸収性物品の個装体の製造方法
JP7281484B2 (ja) 温熱具

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20160219

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20180131

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180906

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190718

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190723

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190918

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191112

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191204

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6629032

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250