JP2017069722A - 画像処理装置、および、コンピュータプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】無彩色領域と有彩色領域との境界付近において、色材の滲みを低減し、そして、色が不自然に見えることを低減する。【解決手段】第1の補正処理と第2の補正処理とを含む補正処理を実行する。第1の補正処理は、無彩色表現領域のうち有彩色表現領域に隣接する第1部分領域に対応する画素の画素値を、第1部分領域内の無彩色色材の量がゼロに減少し、かつ、3種類以上の有彩色色材のうち少なくとも1種類の量が増加し、かつ、無彩色が表現されるように補正する処理である。第2の補正処理は、無彩色表現領域のうち有彩色表現領域から離間し第1部分領域に隣接する第2部分領域に対応する画素の画素値を、第2部分領域内の無彩色色材の量がゼロよりも大きい値に減少し、かつ、3種類以上の有彩色色材のうち少なくとも1種類の量が増加し、かつ、無彩色が表現されるように補正する処理である。【選択図】 図5

Description

本開示は、画像を印刷する技術に関する。
インクを用紙上に吐出して画像を印刷する際に、インクが滲むことを低減する技術が提案されている。図1は、このような参考例の技術の概略図である。図中には、黒色の領域AR1と、黒以外のカラーの領域AR2と、の境界部分が示されている。図中の矩形PXは、画素を示している。各画素内には、印刷処理のために割り当てられたインクの種類が、ブラックK、シアンC、マゼンタM、イエロYの符号を用いて、示されている。例えば、「K」は、ブラックインクを示し、「CY」は、シアンインクとイエロインクとを示している。図中の2個の画素PXa、PXbは、黒色の領域AR1内の画素であり、黒インクが割り当てられた黒を表現する画素である。ここで、左側の画素PXaの周囲には、黒以外のカラーを表現する画素が存在している(すなわち、画素PXaには、黒以外のカラーを表現する画素が隣接している)。この画素PXaに対応する印刷処理では、CMYのインクが用いられる。右側の画素PXbの周囲では、黒が表現されている(すなわち、画素PXbには、黒以外のカラーを表現する画素が隣接しない)。この画素PXbに対応する印刷処理では、黒インクが用いられる。このように、黒色の領域AR1内の複数の画素のうち周囲に黒以外のカラーを表現する画素が存在している画素PXaでは、KがCMYに置換される。従って、黒以外のカラーを表現する画素に対応して吐出されるCMYのインクと、黒色を表現する画素に対応して吐出されるKのインクとが、接することが抑制される。この結果、黒色を表現する画素の領域のKのインクが、黒以外のカラーを表現する画素の領域(CMYのインクが吐出される領域)に流入すること、すなわち、滲みが発生することを低減できる。このような技術は、例えば、特許文献1に記載されている。
特開平6−113155号公報 特開平10−86503号公報 特開2003−220717号公報 特開平6−206370号公報 特開2010−176461号公報
ところが、図1に記載される技術では、図1の画素PXa、PXbは、いずれも黒を表現する画素であるが、左の画素PXaの色は、CMYで表現され、この画素PXaの斜め隣の画素PXbの色は、Kで表現される。CMYで表現される画素PXaの色は、Kで表現される画素PXbの色と比べて、薄く認識される場合がある。この場合、隣り合う画素PXa、PXbの間の濃さの違いが目立ってしまい、色が不自然に見える場合があった。このような課題は、黒とカラーの境界に限らず、無彩色色材で表現される無彩色領域と、互いに色が異なる3個以上の有彩色色材で表現される有彩色領域と、の境界において共通に発生し得る課題であった。
本開示は、無彩色領域と有彩色領域との境界付近において、色材の滲みを低減し、そして、色が不自然に見えることを低減できる技術を開示する。
本開示は、例えば、以下の適用例を開示する。
[適用例1]画像処理装置であって、対象画像データを取得する取得部と、前記対象画像データを用いて印刷データを生成する印刷データ生成部と、無彩色色材と、互いに色が異なる3種類以上の有彩色色材と、を含む複数種類の色材を吐出する複数のノズルを備える印刷実行部に画像を印刷させるために、前記印刷実行部に前記印刷データを供給する供給部と、を備え、前記対象画像データによって表される対象画像は、有彩色が表現されるべき有彩色表現領域と、前記有彩色表現領域に隣接し無彩色が表現されるべき無彩色表現領域と、を含み、前記印刷データ生成部は、前記無彩色表現領域に対応する前記対象画像データに含まれる複数の画素のそれぞれの画素値を補正する補正処理を実行することによって、前記印刷データを生成し、前記補正処理は、前記無彩色表現領域のうち前記有彩色表現領域に隣接する第1部分領域に対応する前記対象画像データ内の第1の注目画素の画素値を、前記第1の注目画素に対応する前記第1部分領域内の印刷単位領域に吐出されるべき前記無彩色色材の量がゼロに減少し、かつ、前記3種類以上の有彩色色材のうち少なくとも1種類の量が増加し、かつ、無彩色が表現されるように補正する第1の補正処理と、前記無彩色表現領域のうち前記有彩色表現領域から離間し前記第1部分領域に隣接する第2部分領域に対応する前記対象画像データ内の第2の注目画素の画素値を、前記第2の注目画素に対応する前記第2部分領域内の印刷単位領域に吐出されるべき前記無彩色色材の量がゼロよりも大きい値に減少し、かつ、前記3種類以上の有彩色色材のうち少なくとも1種類の量が増加し、かつ、無彩色が表現されるように補正する第2の補正処理と、を含む、画像処理装置。
この構成によれば、有彩色表現領域に隣接する第1部分領域内では、無彩色色材の量がゼロとなるように減少し、有彩色色材の少なくとも1種類の量が増加するので、有彩色表現領域と第1部分領域との間で無彩色色材が滲むことを低減できる。また、無彩色表現領域のうちの第2部分領域内では、無彩色色材の量は減少するものの、ゼロより大きくなるように減少される。さらに、有彩色色材の少なくとも1種類の量が増加する。従って、第2部分領域の無彩色色材が、第1部分領域や有彩色表現領域に滲むことを低減できる。また、第2部分領域内では、有彩色色材の少なくとも1種類の量に加えて無彩色色材の量がゼロよりも大きいので、無彩色色材の量がゼロである場合と比べて、濃い無彩色が表現される。このように、無彩色表現領域と有彩色表現領域との境界において、色材の滲みを低減し、そして、無彩色の濃淡が目立つことに起因して色が不自然に見えることを低減できる。
[適用例2]適用例1に記載の画像処理装置であって、印刷データ生成部は、前記無彩色表現領域のうち、前記有彩色表現領域と前記第1部分領域との両方から離間するとともに前記第2部分領域に隣接する第3部分領域に対応する前記対象画像データ内の第3の注目画素の画素値を、補正せずに維持する、画像処理装置。
この構成によれば、無彩色表現領域の全体を補正する場合と比べて、無彩色表現領域において色が薄くなることを低減できる。
[適用例3]適用例1または2に記載の画像処理装置であって、前記印刷データ生成部は、前記無彩色表現領域の前記第1部分領域と前記第2部分領域との複数の画素のうち、前記無彩色色材の量が閾値以上であることを示す画素値を有する画素に対して、前記補正処理を実行する、画像処理装置。
この構成によれば、補正処理が、無彩色色材の量が閾値以上である画素に対して実行されるので、過剰な補正を低減でき、この結果、色が不自然に見えることを低減できる。
[適用例4]適用例1から3のいずれかに記載の画像処理装置であって、前記補正処理は、前記有彩色表現領域のうちの前記無彩色表現領域に隣接する第4部分領域に対応する前記対象画像データ内の第4の注目画素の画素値を、前記第4の注目画素に対応する前記第4部分領域内の印刷単位領域に吐出されるべき前記3種類以上の有彩色色材のうち少なくとも1種類の量が減少し、かつ、有彩色が表現されるように補正する処理を含む、画像処理装置。
この構成によれば、互いに隣接する第1部分領域と第4部分領域との間で、有彩色色材の量の差が大きくなることが低減される。従って、これらの領域の間で色材が滲むことを低減できる。
[適用例5]適用例1から4のいずれかに記載の画像処理装置であって、前記第2部分領域に対応する注目画素の画素値を補正する処理は、前記有彩色表現領域内の前記注目画素の位置を基準とする特定の位置の特定の画素の画素値によって示される前記3種類以上の有彩色色材のうちの少なくとも1種類の量が多いほど、前記注目画素の補正済の画素値によって示される前記無彩色色材の量が少なくなるように前記画素の画素値を補正する処理である、画像処理装置。
この構成によれば、有彩色表現領域の画素の有彩色色材の量が多い場合には、第2部分領域の画素の無彩色色材の量が小さくなるので、有彩色表現領域の有彩色色材と第2部分領域の無彩色色材とによる滲みを低減できる。
[適用例6]適用例5に記載の画像処理装置であって、前記3種類以上の有彩色色材は、第1色の有彩色色材と、第2色の有彩色色材と、を含み、前記特定の画素の画素値によって示される前記第1色の有彩色色材の量に対する前記注目画素の前記無彩色色材の量の減少量の比率は、前記特定の画素の画素値によって示される前記第2色の有彩色色材の量に対する前記注目画素の前記無彩色色材の量の減少量の比率よりも、大きい、画像処理装置。
この構成によれば、第1色の有彩色色材に起因する滲みが、第2色の有彩色色材に起因する滲みよりも目立ちやすい場合に、適切に、互いに隣接する有彩色表現領域と無彩色表現領域との境界における色材の滲みを低減できる。
[適用例7]適用例1から6のいずれかに記載の画像処理装置であって、前記印刷データ生成部は、前記印刷制御部が前記印刷実行部に所定の印刷解像度より高い印刷解像度での印刷を実行させる場合に、前記補正処理を実行せずに、前記印刷制御部が前記印刷実行部に前記所定の印刷解像度以下の印刷解像度での印刷を実行させる場合に、前記補正処理を実行する、画像処理装置。
この構成によれば、印刷解像度が高い場合に、過剰な補正を低減でき、この結果、色が不自然に見えることを低減できる。また、印刷解像度が低い場合に、色材の滲みを低減できる。
[適用例8]適用例1から7のいずれかに記載の画像処理装置であって、前記印刷データ生成部は、前記印刷実行部によって、第1種記録媒体が用いられる場合に、前記補正処理を実行せずに、前記印刷実行部によって、前記第1種記録媒体と比べて色材が滲み易い第2種記録媒体が用いられる場合に、前記補正処理を実行する、画像処理装置。
この構成によれば、第1種記録媒体を用いる場合に、過剰な補正を低減でき、この結果、無彩色の濃淡が目立つことに起因して色が不自然に見えることを低減できる。また、第1種記録媒体と比べて色材が滲み易い第2種記録媒体を用いる場合に、色材の滲みを低減できる。
[適用例9]適用例1から8のいずれかに記載の画像処理装置であって、前記印刷データ生成部は、前記第1部分領域の特定方向の幅と、前記第2部分領域の前記特定方向の幅と、の少なくとも一方を、特定の条件に従って変更する、画像処理装置。
この構成によれば、条件に応じて適切に色材の滲みを低減できる。
[適用例10]適用例9に記載の画像処理装置であって、前記印刷データ生成部は、前記印刷実行部によって、第1種記録媒体が用いられる場合に、前記補正処理を実行せずに、前記印刷実行部によって、前記第1種記録媒体と比べて色材が滲み易い第2種記録媒体が用いられる場合に、前記補正処理を実行し、前記第2種記録媒体は、第1記録媒体と、前記第1記録媒体と比べて色材が滲み易い第2記録媒体と、を含み、前記印刷データ生成部は、前記印刷実行部によって前記第2記録媒体が用いられる場合には、前記印刷実行部によって前記第1記録媒体が用いられる場合と比べて、前記第1部分領域の前記特定方向の幅と、前記第2部分領域の前記特定方向の幅と、の少なくとも一方を広くする、画像処理装置。
この構成によれば、第1記録媒体と比べて色材が滲み易い第2記録媒体が用いられる場合には、第1部分領域の特定方向の幅と第2部分領域の特定方向の幅との少なくとも一方を広くすることによって、色材の滲みを低減できる。
なお、本明細書に開示の技術は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、画像処理方法および画像処理装置、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体(例えば、一時的ではない記録媒体)、等の形態で実現することができる。
参考例の技術の概略図である。 実施例の画像処理システム1000を示す説明図である。 印刷処理の手順の例を示すフローチャートである。 インクの滲みの説明図である。 滲み低減処理の概略図である。 滲み低減処理の例を示すフローチャートである。 黒画素補正処理のフローチャートである。 注目画素CTを基準とする画素の位置の説明図である。 3色補正処理の説明図である。 4色補正処理の説明図である。 カラー画素補正処理のフローチャートである。
A.第1実施例:
A1.システム構成:
図2は、実施例の画像処理システム1000を示す説明図である。画像処理システム1000は、画像処理装置100と、画像処理装置100に接続された複合機200と、を含んでいる。後述するように、複合機200は、画像を印刷する印刷実行部290を有している。
画像処理装置100は、パーソナルコンピュータである(例えば、デスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータ)。画像処理装置100は、プロセッサ110と、揮発性記憶装置120と、不揮発性記憶装置130と、画像を表示する表示部140と、ユーザによる操作を受け入れる操作部150と、通信インタフェース170と、を有している。これらの要素は、バスを介して互いに接続されている。
プロセッサ110は、データ処理を行う装置であり、例えば、CPUである。揮発性記憶装置120は、例えば、DRAMであり、不揮発性記憶装置130は、例えば、フラッシュメモリである。
不揮発性記憶装置130は、プログラム132を格納している。プロセッサ110は、プログラム132を実行することによって、種々の機能を実現する。プログラム132によって実現される機能の詳細については、後述する。プロセッサ110は、プログラム132の実行に利用される種々の中間データを、記憶装置(例えば、揮発性記憶装置120、不揮発性記憶装置130のいずれか)に、一時的に格納する。本実施例では、プログラム132は、複合機200の製造者によって提供されたデバイスドライバに含まれている。
表示部140は、画像を表示する装置であり、例えば、液晶ディスプレイである。操作部150は、ユーザによる操作を受け取る装置であり、例えば、表示部140上に重ねて配置されたタッチパネルである。ユーザは、操作部150を操作することによって、種々の指示を画像処理装置100に入力可能である。
通信インタフェース170は、他の装置と通信するためのインタフェースである(例えば、USBインタフェース、有線LANインタフェース、IEEE802.11の無線インタフェース)。通信インタフェース170には、複合機200が接続されている。
画像処理装置100は、ユーザの指示に従って複合機200を駆動し、複合機200に画像を印刷させる。
複合機200は、プロセッサ210と、揮発性記憶装置220と、不揮発性記憶装置230と、画像を表示する表示部240と、ユーザによる操作を受け入れる操作部250と、通信インタフェース270と、スキャナ部280と、印刷実行部290と、を有している。これらの要素は、バスを介して互いに接続されている。
プロセッサ210は、データ処理を行う装置であり、例えば、CPUである。揮発性記憶装置220は、例えば、DRAMであり、不揮発性記憶装置230は、例えば、フラッシュメモリである。
不揮発性記憶装置230は、プログラム232を格納している。プロセッサ210は、プログラム232を実行することによって、種々の機能を実現する(詳細は、後述)。プロセッサ210は、プログラム232の実行に利用される種々の中間データを、記憶装置(例えば、揮発性記憶装置220、不揮発性記憶装置230のいずれか)に、一時的に格納する。本実施例では、プログラム232は、複合機200の製造者によって、ファームウェアとして、不揮発性記憶装置230に予め格納されている。
表示部240は、画像を表示する装置であり、例えば、液晶ディスプレイである。操作部250は、ユーザによる操作を受け取る装置であり、例えば、表示部240上に重ねて配置されたタッチパネルである。ユーザは、操作部250を操作することによって、種々の指示を複合機200に入力可能である。
通信インタフェース270は、他の装置と通信するためのインタフェースである。本実施例では、通信インタフェース270は、画像処理装置100の通信インタフェース170に接続されている。
スキャナ部280は、CCDやCMOSなどの光電変換素子を用いて光学的に原稿等の対象物を読み取ることによって、読み取った画像(「スキャン画像」と呼ぶ)を表すスキャンデータを生成する。スキャンデータは、例えば、カラーのスキャン画像を表すRGBのビットマップデータである。
印刷実行部290は、用紙(記録媒体の一例)上に画像を印刷する装置である。本実施例では、印刷実行部290は、印刷ヘッド292と、ヘッド移動部294と、搬送部296と、これらの要素292、294、296を制御する制御部298と、を有している。ヘッド移動部294は、主走査方向に平行に印刷ヘッド292を往復移動させる装置である。搬送部296は、印刷ヘッド292に対して用紙を副走査方向に搬送する装置である。
図2には、印刷ヘッド292の下面におけるノズル配列の例が示されている。図示するように、本実施例では、印刷ヘッド292の下面には、シアンCのインクを吐出するためのノズル群NgCと、マゼンタMのインクを吐出するためのノズル群NgMと、イエロYのインクを吐出するためのノズル群NgYと、ブラックKのインクを吐出するためのノズル群NgKと、が形成されている。1つのノズル群の複数のノズルNzの副走査方向DSの位置は、互いに異なっている。印刷実行部290は、印刷ヘッド292を主走査方向DMに移動させながら複数のノズル群NgC、NgM、NgY、NgKの複数のノズルNzから用紙に向かってインク滴を吐出することによって、用紙上の主走査方向DMに延びるバンド状の領域上に画像を印刷する。そして、印刷実行部290は、バンド状の領域上にインクを吐出する処理と、用紙を副走査方向DSに搬送する処理と、を交互に繰り返すことによって、用紙上に画像を印刷する。なお、本実施例では、等量のCMYの混色によって無彩色が表現されることとする。
複合機200は、他の装置(例えば、画像処理装置100)によって供給された印刷データを用いて、印刷実行部290に画像を印刷させることができる。また、複合機200は、ユーザの指示に従ってスキャナ部280を駆動し、対象物を光学的に読み取ることによって、対象物を表すスキャンデータを生成する。そして、複合機200は、スキャンデータによって表される画像を印刷実行部290に印刷させることができる。
A2.印刷処理:
図3は、印刷処理の手順の例を示すフローチャートである。本実施例では、画像処理装置100のプロセッサ110が、プログラム132に従って、図3の処理を進行する。プロセッサ110は、操作部150に入力されたユーザの印刷開始指示に従って、図3の処理を開始する。
本実施例では、ユーザは、印刷用の設定として、記録媒体の種類と、印刷品質と、を設定可能である。記録媒体の種類は、例えば、「普通紙」と「光沢紙」と「マット紙」とから選択可能である。「普通紙」としては、「乾きやすい普通紙」と「乾きにくい普通紙」とから選択可能である。印刷品質は、例えば、「きれい」と「高速」とから選択可能である。印刷品質が「きれい」に設定された場合、印刷処理用の画素密度が、所定の細かい画素密度に設定される(以下、「高画素密度」とも呼ぶ)。印刷品質が「高速」に設定された場合、印刷処理用の画素密度が、所定の粗い画素密度に設定される(以下、「低画素密度」とも呼ぶ)。画素密度は、例えば、主走査方向の画素密度と副走査方向の画素密度との積で表される。高画素密度は、例えば、1200×600dpi(dots per inch)である。低画素密度は、例えば、600×300dpiである。
S200では、プロセッサ110は、印刷対象の入力画像を表す画像データを取得する(「入力画像データ」とも呼ぶ)。例えば、プロセッサ110は、ユーザ、または、アプリケーションプログラムからの印刷開始指示で指定された画像データを、入力画像データとして取得する。本実施例では、入力画像データが、ビットマップデータであり、入力画像データの各画素の画素値が、0〜255の256階調のR(赤)G(緑)B(青)の階調値で表されていることとする。指定された画像データの形式がビットマップ形式とは異なる形式である場合(例えば、EMF(Enhanced Meta File)形式)、プロセッサ110は、データ形式を変換(例えば、ラスタライズ)することによって生成されるビットマップデータを、入力画像データとして用いる。また、画像データの画素密度が、印刷処理用の画素密度と異なる場合、プロセッサ110は、画像データの画素密度を印刷処理用の画素密度に変換する処理を実行する。印刷処理用の画素密度の各画素を、印刷画素とも呼ぶ。
S220では、プロセッサ110は、入力画像データの各印刷画素の画素値を、RGBの階調値から、印刷用の色材の色成分に対応するCMYKの階調値に変換する。本実施例では、CMYKの階調値は、0〜255の256階調で表されていることとする。RGBとCMYKとの間の対応関係は、不揮発性記憶装置130に予め格納されたルックアップテーブル(図示省略)によって予め規定されている。プロセッサ110は、このルックアップテーブルを参照して、色変換を実行する。
S225では、プロセッサ110は、滲み低減処理を実行する。滲み低減処理では、有彩色が表現される領域と無彩色が表現される領域との境界部分の複数の印刷画素のCMYKの階調値が補正される。この補正は、インクの滲みを低減し、無彩色の濃淡が目立つことを低減するように、行われる。滲み低減処理の詳細については、後述する。
S230では、プロセッサ110は、S225による処理済の画像データを用いて、ハーフトーン処理を行う。ハーフトーン処理としては、いわゆる誤差拡散法に従った処理が行われる。この代わりに、ディザマトリクスを用いる方法を採用してもよい。ハーフトーン処理によって、各印刷画素に対応付けられた1個以上の吐出領域のそれぞれ(すなわち、全ての吐出領域)のドット形成状態が決定される。なお、ドット形成状態を表すデータも、画素値の一種ということができる。
S240では、プロセッサ110は、ハーフトーン処理の結果を用いて印刷データを生成する。印刷データは、複合機200の印刷実行部290の制御部298によって解釈可能な形式のデータである。印刷データは、ハーフトーン処理の結果(インクドットのパターン)を表す情報を含んでおり、入力画像を表している。
S250では、プロセッサ110は、生成した印刷データを、複合機200に供給する。複合機200のプロセッサ210は、受信した印刷データを、印刷実行部290に供給する。S255では、印刷実行部290の制御部298は、印刷データに従って、印刷ヘッド292とヘッド移動部294と搬送部296とを制御することによって、画像を印刷する。印刷が完了したことに応じて、図3の印刷処理が終了する。
A3.インクの滲み:
図4は、想定され得るインクの滲みが発生する原理の説明図である。図中には、用紙PMの断面図と、用紙PM上に吐出されたインク滴Ia、Iax、Ibと、インク滴Ia、Iax、Ibが用紙PMに浸透して形成されたインクドットIad、Iaxd、Ibdと、が示されている。図4(A)〜図4(D)のそれぞれは、インク滴の溶媒(例えば、水)が用紙PMに浸透してインクドットが形成される様子を示している。各図において、上段、中段、下段の順に、状態が変化する。図中には、用紙PMのうち、2個の印刷画素に対応する2個の画素領域PP1、PP2に対応する部分が示されている。2個の画素領域PP1、PP2は、互いに隣接している。1個の印刷画素には、CMYKの階調値の1個の組み合わせが対応付けられる。ここで、1個のドットが形成され得る単位領域を「吐出領域」とよぶ。利用可能な複数種類のインクのそれぞれのドット形成状態(ドットの有無、ドットサイズを含む)は、吐出領域毎に決定される。1個の吐出領域には、複数種類のドット(例えば、CMYKの4種類のドット)が形成され得る。図4の例では、説明を簡単にするために、1個の印刷画素に対応する1個の画素領域が、1個の吐出領域に対応している。後述するように、本実施例では、1個の印刷画素に対応する1個の画素領域には、複数の吐出領域が対応付けられている。この場合、1個の印刷画素のCMYKの階調値に応じて、その1個の印刷画素に対応付けられた複数の吐出領域のそれぞれのドット形成状態(すなわち、複数の吐出領域のドットパターン)が決定される。本実施例では、印刷される画像は、格子状に並ぶ複数の印刷画素(ひいては、格子状に並ぶ複数の吐出領域)によって、表される。
図4(A)は、第1種インクの第1種インク滴Iaが第1画素領域PP1に吐出された場合を示している。第1種インク滴Iaの溶媒が徐々に用紙PMに浸透して、インクドットIadが形成される。以下、インク滴の溶媒が用紙PMに浸透することを、単に、インク滴が用紙PMに浸透する、ともいう。なお、一般的には、染料インクは、顔料インクと比べて、用紙PMに浸透しやすい。また、顔料インクの着色剤は、染料インクの着色剤と比べて、用紙PMの表面に定着しやすい。
図4(B)は、第1種インクの第1種インク滴Iaと、第2種インクの第2種インク滴Ibとが、同じ第1画素領域PP1に吐出された場合を示している。ここで、第2種インク滴Ibは、第1種インク滴Iaと比べて、浸透速度が遅いこととする。このような浸透速度の違いは、インクの違い(例えば、色の違い)によって、生じ得る。
第1種インク滴Iaは、先に浸透してインクドットIadを形成する。第2種インク滴Ibは、遅れて浸透する。ここで、同じ画素領域PP1に吐出された2個のインク滴Ia、Ibは、互いに接触している。従って、遅れて浸透する第2種インク滴Ibは、先に浸透した第1種インク滴Iaに引っ張られて、第1種インク滴Iaに重なるように流れ得る。
図4(C)は、第1種インク滴Iaが第2画素領域PP2に吐出され、第2種インク滴Ibが第1画素領域PP1に吐出された場合を示している。2個の画素領域PP1、PP2は、互いに隣接しているので、2個のインク滴Ia、Ibは、互いに接触し得る。2個のインク滴Ia、Ibが互いに接触する場合、遅れて浸透する第2種インク滴Ibは、先に浸透した第1種インク滴Iaに引っ張られて、第1種インク滴Iaに重なるように流れ得る。このように、第2種インク滴Ibは、意図された第1画素領域PP1から隣の第2画素領域PP2に流れ得る。このように、意図された画素領域の外にインク滴が流れることによって、滲みが生じ得る。
図4(D)は、第1画素領域PP1に第1種インク滴Iaxと第2種インク滴Ibとが吐出され、第2画素領域PP2に第1種インク滴Iaが吐出された場合を示している。図4(C)との差異は、第1画素領域PP1に、第1種インクの第1種インク滴Iaxが追加されている点だけである。同じ画素領域PP1に吐出された2個のインク滴Iax、Ibは、広い面積で互いに接触する。互いに異なる画素領域PP1、PP2に吐出された2個のインク滴Ib、Iaは、互いに接触し得るものの、接触面積は、同じ画素領域内PP1内のインク滴Iax、Ibの接触面積に比べて小さい。従って、第2種インク滴Ibは、接触面積の小さい隣の画素領域PP2のインク滴Iaよりも、接触面積の大きい同じ画素領域PP1のインク滴Iaxに強く引っ張られる。従って、第2種インク滴Ibが隣の画素領域PP2へ流れることが低減される。
このように、図4(C)のようにインク滴Ibが隣の画素領域PP2に流れ易い場合には、図4(D)のようにインク滴Ibの画素領域PP1に別のインク滴Iaxを吐出することによって、インク滴Ibが隣の画素領域PP2に流れることを低減できる。例えば、第1種インク滴Iaが、有彩色(CMYのいずれか)のインクであり、第2種インク滴Ibが、Kのインクである場合、Kのインクが吐出される領域に有彩色のインクを吐出することによって、Kのインクが意図しない領域の有彩色のインクに引っ張られて意図しない領域に流れること(すなわち、Kのインクの滲み)を低減できる。
以上、第1種インクと第2種インクとの間で浸透速度に差がある場合について説明したが、浸透速度に差が無い場合も、同様である。例えば、図4(C)の例と同様に、第2種インク滴Ibは、隣の画素領域PP2の第1種インク滴Iaに接触し得る。互いに接触する2個のインク滴Ia、Ibは、接触部分で互いに混合し得る。これにより、第2種インク滴Ibは、隣の画素領域PP2に、流れ得る。
ここで、図4(D)の例のように、第1画素領域PP1に、第1種インク滴Iaxが追加されたと仮定する。この場合、第2種インク滴Ibは、小さい接触面積で接触する隣の画素領域PP2の第1種インク滴Iaよりも、大きい接触面積で接触する同じ画素領域PP1の第1種インク滴Iaxと、混合しやすい。従って、第2種インク滴Ibが隣の画素領域PP2に流れることが低減される。
なお、第1種インクと第2種インクとの間で浸透速度に差が有るか否かに関わらず、図4(D)の例のように第1画素領域PP1に追加されるインク滴は、隣の画素領域PP2のインク滴Iaとは異なる種類のインク滴であってもよい。この場合も、インク滴Ibが同じ画素領域PP1に追加されたインク滴に接触することによって、インク滴Ibが隣の画素領域PP2に流れることを低減できる。
本実施例では、図3のS225の滲み低減処理は、このような現象を考慮して、構成されている。
A4.滲み低減処理:
図5は、滲み低減処理の概略図である。図5(A)は、図3のS225の滲み低減処理を行う前の画像の一部(「未処理画像IM1」と呼ぶ)を示している。図5(B)は、未処理画像IM1に滲み低減処理を行って得られる部分画像(「処理済画像IM2」と呼ぶ)を示している。図示を省略するが、画像IM1、IM2を表す複数の印刷画素は、互いに垂直な第1方向DR1と第2方向DR2とに沿って格子状に配置されている。
未処理画像IM1は、無彩色表現領域Aaと、無彩色表現領域Aaの左側(第1方向DR1に反対の方向側)に隣接する第1有彩色表現領域Ac1と、無彩色表現領域Aaの右側(第1方向DR1側)に隣接する第2有彩色表現領域Ac2と、で構成されている。無彩色表現領域Aaは、無彩色を表現するベタ領域である。有彩色表現領域Ac1、Ac2は、有彩色を表現するベタ領域である。第2方向DR2に平行な第1境界線B1は、無彩色表現領域Aaと第1有彩色表現領域Ac1との境界を示し、第2方向DR2に平行な第2境界線B2は、無彩色表現領域Aaと第2有彩色表現領域Ac2との境界を示している。
図5(A)中の各領域の下部には、シアンC、マゼンタM、イエロY、ブラックKのうちの階調値がゼロよりも大きいインクの組み合わせを示す符号が付されている。無彩色表現領域Aaは、少なくともKを用いて(すなわち、Kのみを用いて、または、CMYKの4色全てを用いて)表現されている。無彩色表現領域Aaでは、CMYKの階調値は、例えば、C4、M4、Y4、K5である(CMYの階調値C4、M4、Y4は、互いに同じ)。有彩色表現領域Ac1、Ac2は、CMYのうちの少なくとも1色を用いて表現されている。有彩色表現領域Ac1、Ac2では、CMYの階調値は、例えば、C1、M2、Y3である(階調値C1、M2、Y3は、互いに異なり得る。また、Kの階調値はゼロである)。なお、各印刷画素に対応付けられた1個以上の吐出領域に吐出されるインクの種類は、図3のS230のハーフトーン処理で決定される。図5(C)は、印刷画素PPx、印刷単位領域UA、及び、吐出領域EAの関係を説明した図である。図示するように、1つの印刷画素PPx(すなわち、一組のC,M,Y,Kが設定される画像データ内の1単位)にしたがってインクが吐出される印刷単位領域UAは、複数の吐出領域EAで構成され得る。例えば、無彩色表現領域Aa内では、CMYKのそれぞれのドットは、複数の吐出領域に分散され得る。すなわち、1個の印刷画素に対応する複数の吐出領域の中には、CMYKのうちの一部のインクのみが吐出される(例えば、ブラックKのみ)吐出領域が存在し得る。同様に、有彩色表現領域Ac1、Ac2内では、CMYのそれぞれのドットは、複数の吐出領域に分散され得る。すなわち、1個の印刷画素に対応する複数の吐出領域の中には、CMYのうちの一部のインクのみが吐出される(例えば、シアンCのみ)吐出領域が存在し得る。いずれの場合も、CMYKの各色成分の階調値が大きいほど、対応するインクのドットの密度が高くなるので、階調値はインクの単位面積当たりの量を表している、といえる。なお、1個の印刷画素PPxに対応付けられた吐出領域EAの総数は、図5(C)のように36個に代えて、1個でもよく、複数でもよく、一般的には、1以上の任意の数であってよい。
無彩色表現領域Aa内の有彩色表現領域Ac1、Ac2に隣接する印刷画素の印刷単位領域UAにブラックKのインクが吐出される場合、図4(C)で説明したように、ブラックKのインクが、境界線B1、B2を超えて、有彩色表現領域Ac1、Ac2へ流れる場合がある。ブラックKのインクは、他のインクと比べて濃い色として認識されるため、ブラックKのインクの意図しない流れは、滲みとして認識され易い。
図5(B)の処理済画像IM2には、以下に説明する6つの部分領域A1〜A6が示されている。
1)第1部分領域A1は、無彩色表現領域Aaのうち有彩色表現領域(ここでは、有彩色表現領域Ac1、Ac2のいずれか)に隣接する部分領域である。
2)第2部分領域A2は、無彩色表現領域Aaのうち有彩色表現領域Ac1、Ac2から離間し第1部分領域A1に隣接する部分領域である。第2部分領域A2は、第1部分領域A1の内周側の部分領域である。
3)第3部分領域A3は、無彩色表現領域Aaのうち、有彩色表現領域Ac1、Ac2と第1部分領域A1との両方から離間するとともに第2部分領域A2に隣接する部分領域である。第3部分領域A3は、第2部分領域A2の内周側の部分領域である。
4)第4部分領域A4は、有彩色表現領域Ac1、Ac2のうち無彩色表現領域Aaに隣接する部分領域である。
5)第5部分領域A5は、有彩色表現領域Ac1、Ac2のうち無彩色表現領域Aaから離間し第4部分領域A4に隣接する部分領域である。第5部分領域A5は、第4部分領域A4の内周側の部分領域である。
6)第6部分領域A6は、有彩色表現領域Ac1、Ac2のうち無彩色表現領域Aaと第4部分領域A4とから離間し第5部分領域A5に隣接する部分領域である。第6部分領域A6は、第5部分領域A5の内周側の部分領域である。
図5(B)中の各領域の下部には、シアンC、マゼンタM、イエロY、ブラックKの階調値の変化が示されている。具体的には、各インクの符号の右側には、滲み低減処理による階調値の変化を示す矢印が示されている。上向きの矢印は、階調値が増大することを示し、下向きの矢印は、階調値が減少することを示している。矢印の無いインクの階調値は、滲み低減処理によって変化しない。
図6は、滲み低減処理の例を示すフローチャートである。S300では、プロセッサ110は、滲み低減処理の対象の画像データ(「対象画像データ」とも呼ぶ)を、取得する。本実施例では、プロセッサ110は、図3の前の段階のS220の処理済の画像データを、記憶装置(例えば、揮発性記憶装置120、不揮発性記憶装置130のいずれか)に、一時的に格納する。S300では、このような対象画像データを、記憶装置から、取得する。S305では、プロセッサ110は、印刷用の記録媒体が「普通紙」であるか否かを判断する。記録媒体が「普通紙」ではない場合(例えば、記録媒体が「光沢紙」または「マット紙」である場合)、記録媒体が「普通紙」である場合と比べて、インクは滲みにくい。そこで、本実施例では、記録媒体が「普通紙」ではない場合(S305:No)、プロセッサ110は、滲み低減処理を行わずに、図6の処理を終了する。
記録媒体が「普通紙」である場合(S305:Yes)、S310で、プロセッサ110は、印刷用の画素密度(「印刷解像度」とも呼ぶ)が、所定の閾値以下であるか否かを判断する。本実施例では、閾値は、「高速」の印刷品質に対応付けられた低画素密度と同じである。印刷用の画素密度が「きれい」の印刷品質に対応付けられた高画素密度である場合、S310の判断結果が「No」である。印刷用の画素密度が「高速」の印刷品質に対応付けられた低画素密度である場合、S310の判断結果が「Yes」である。画素密度が高い場合、画素密度が低い場合と比べて、1個のインク滴のサイズが小さいので、インクの滲みは目立ちにくい。そこで、本実施例では、画素密度が高画素密度である場合(S310:No)、プロセッサ110は、滲み低減処理を行わずに、図6の処理を終了する。
印刷用の画素密度が低画素密度である場合(S310:Yes)、S320では、プロセッサ110は、複数の印刷画素の中から、未処理の1個の画素を、注目画素として選択する。S330では、プロセッサ110は、注目画素が所定の黒画素条件を満たすか否かを判断する。黒画素条件は、画素値によって表される無彩色インク(ここでは、ブラックKのインク)の量が多いことを示す条件である。本実施例では、黒画素条件は、無彩色インクの階調値(ここでは、ブラックKの階調値)が、所定の黒閾値Kth(例えば、64)以上であることである。図5(A)の無彩色表現領域Aa内の画素は、この黒画素条件を満たすこととする。注目画素が黒画素条件を満たす場合(S330:Yes)、S335で、プロセッサ110は、ブラックKの階調値が大きい注目画素に対する黒画素補正処理を実行し、S350へ移行する(黒画素補正処理の詳細については、後述)。
注目画素が黒画素条件を満たさない場合(S330:No)、S340で、プロセッサ110は、注目画素がカラー画素条件を満たすか否かを判断する。カラー画素条件は、注目画素が有彩色を表していることを示す条件である。本実施例では、カラー画素条件は、複数の有彩色インクの合計階調値(ここでは、CMYのそれぞれの階調値の和)が、ゼロよりも大きな所定の合計閾値(例えば、128)より大きいことである。S330の判断結果がNoであり(すなわち、ブラックKの階調値が小さい)、かつ、複数の有彩色インクの合計階調値が大きい場合には、注目画素は、有彩色を表している場合が多い。図5(A)の有彩色表現領域Ac1、Ac2内の画素は、このカラー画素条件を満たすこととする。注目画素がカラー画素条件を満たす場合(S340:Yes)、S345で、プロセッサ110は、有彩色を表す注目画素に対するカラー画素補正処理を実行し、S350へ移行する(カラー画素補正処理の詳細については、後述)。
S350では、プロセッサ110は、全ての印刷画素の処理が終了したか否かを判断する。未処理の画素が残っている場合(S350:No)、プロセッサ110は、S320へ移行する。全ての画素の処理が終了した場合(S350:Yes)、プロセッサ110は、図6の滲み低減処理を終了する。
A4−1.黒画素補正処理:記録媒体が「乾きやすい普通紙」である場合:
図7(A)は、黒画素補正処理のフローチャートである。S400では、プロセッサ110は、記録媒体が「乾きにくい普通紙」であるか否かを判断する。記録媒体が「乾きやすい普通紙」である場合(S400:No)、S420で、プロセッサ110は、黒画素狭域補正処理を実行し、そして、図7(A)の処理を終了する。記録媒体が「乾きにくい普通紙」である場合(S400:Yes)、S410で、プロセッサ110は、黒画素広域補正処理を実行し、そして、図7(A)の処理を終了する。以下、まず、記録媒体が「乾きやすい普通紙」である場合(S400:No)について説明する。
図7(B)は、図7(A)のS420の黒画素狭域補正処理のフローチャートである。S500では、プロセッサ110は、注目画素の位置を基準とする所定の第1近位置に、第1補正条件を満たす画素が存在するか否かを判断する。第1近位置は、第1補正条件を満たす画素の検索範囲を示している。
図8は、注目画素CTを基準とする画素の位置の説明図である。図中の矩形PPは、印刷画素を示している。画素R1〜R4は、注目画素CTの右側(第1方向DR1側)に並ぶ画素である。画素L1〜L4は、注目画素CTの左側(第1方向DR1の反対側)に並ぶ画素である。画素D1〜D4は、注目画素CTの下側(第2方向DR2側)に並ぶ画素である。画素U1〜U4は、注目画素CTの上側(第2方向DR2の反対側)に並ぶ画素である。符号の末尾の数値は、注目画素CTからその符号の画素までの距離(単位は、画素数)を示している。
図7(B)のS500の第1近位置の画素は、図8の4個の画素L1、R1、U1、D1である。このように、第1補正条件を満たす画素の検索範囲は、注目画素CTからの距離が1画素である範囲である。また、第1近位置から選択された候補画素が第1補正条件を満たすか否かを判断する場合、第1補正条件は、「候補画素のCMYの階調値の合計が、ゼロよりも大きな所定の合計閾値より大きい」かつ「候補画素のブラックKの階調値と注目画素CTのブラックKの階調値との差の絶対値が、ゼロよりも大きな所定の差閾値(例えば、128)より大きい」ことである。合計閾値は、図6のS340で説明した合計閾値と同じである。このような第1補正条件を満たす画素は、例えば、黒色を表す注目画素CTに隣接し、かつ、有彩色を表す画素である。
記録媒体に関する条件と印刷解像度に関する条件とを除くと、「図6のS330:Yes」かつ「図7(B)のS500:Yes」という条件が満たされる場合に、プロセッサ110は、図7(B)のS510で3色補正処理を実行する。例えば、注目画素CTが、図5(A)の無彩色表現領域Aa内の第1有彩色表現領域Ac1または第2有彩色表現領域Ac2に隣接する画素である場合に、注目画素CTは、図6のS330の条件を満たし、そして、有彩色表現領域(有彩色表現領域Ac1、Ac2のいずれか)内の注目画素CTに隣接する画素が、図7(B)のS500の条件を満たす。
図9は、3色補正処理の説明図である。図中の左部に示された階調値Ci、Mi、Yi、Kiは、注目画素CTのCMYKのそれぞれの補正前の階調値である。図中の右部に示された階調値Cc、Mc、Yc、Kcは、注目画素CTのCMYKのそれぞれの補正後の階調値である。第1値Di1は、補正前のブラックKの階調値Kiと同じである。第2値Di2は、階調値の取り得る範囲の最大値(ここでは、255)から、有彩色インクの補正前の階調値(ここでは、CMYの階調値Ci、Mi、Yi)のうちの最大値を引いた残りである。
図9(A)は、Di1≦Di2の場合を示している。プロセッサ110は、ブラックKの階調値を、ゼロに減少させ(Kc=ゼロ)、そして、有彩色インクの階調値(ここでは、Cc、Mc、Yc)のそれぞれを、補正前の値に第1値Di1を加算した値に決定する。
図9(B)は、Di1>Di2の場合を示している。この場合も、プロセッサ110は、ブラックKの階調値を、ゼロに減少させる(Kc=ゼロ)。また、有彩色インクの階調値(ここでは、Cc、Mc、Yc)に関しては、単純に補正前の値に第1値Di1を加算すると、最大値の255を超えてしまう。そこで、本実施例では、プロセッサ110は、有彩色インクの階調値(ここでは、Cc、Mc、Yc)のそれぞれを、補正前の値に第2値Di2を加算した値に決定する。
このように、注目画素CTの全ての色成分の補正後の階調値(ここでは、Cc、Mc、Yc、Kc)を決定したことに応じて、プロセッサ110は、図7(B)のS510、ひいては、図7(B)の処理を終了する。
図5(B)において、第1部分領域A1の第1方向DR1の幅が1画素であると仮定すると(すなわち、第1部分領域A1が、第1有彩色表現領域Ac1または第2有彩色表現領域Ac2に隣接する画素で構成されている)、第1部分領域A1内の印刷画素の階調値は、図7(B)のS510の3色補正処理で補正される。この結果、図9で説明したように、第1部分領域A1内では、ブラックKの量がゼロに減少し、CMYの量が増大する。また、上述したように、本実施例では、等量のCMYの混色によって無彩色が表現される。また、図9の3色補正処理では、CMYの間で増大量は同じである。従って、補正前に無彩色であった第1部分領域A1の色は、補正後も、無彩色に維持される。
図7(B)のS500の判断結果がNoである場合、S520で、プロセッサ110は、注目画素の位置を基準とする所定の第1遠位置に、第1補正条件を満たす画素が存在するか否かを判断する。第1遠位置の画素は、図8の4個の画素L2、R2、U2、D2である。これら4個の画素L2、R2、U2、D2は、注目画素CTからの距離が2画素である画素、すなわち、注目画素CTから1画素だけ離間した画素である。このように、注目画素CTから見て、第1遠位置は、第1近位置の外周側に隣接する画素位置である。第1補正条件は、S500の第1補正条件と同じである。
記録媒体に関する条件と印刷解像度に関する条件とを除くと、「図6のS330:Yes」かつ「図7(B)のS500:No」かつ「図7(B)のS520:Yes」という条件が満たされる場合に、プロセッサ110は、図7(B)のS530で4色補正処理を実行する。例えば、図5(B)の第1部分領域A1の第1方向DR1の幅が1画素であり、第2部分領域A2の第1方向DR1の幅が1画素であると仮定する(すなわち、第2部分領域A2が、第1部分領域A1に隣接する画素で構成されている)。この場合、注目画素CTが、第2部分領域A2内の画素である場合に、注目画素CTは、図6のS330の条件を満たし、そして、注目画素CTから1画素だけ離間した有彩色表現領域(有彩色表現領域Ac1、Ac2のいずれか)内の画素が、図7(B)のS520の条件を満たす。
図10は、4色補正処理の説明図である。図10(A)は、補正前のブラックKの階調値Kiと、補正後の階調値の基準値Kxと、の対応関係の例を示すグラフである。図中の黒閾値Kthは、図6のS330で用いられた黒閾値Kthと同じである。本実施例では、基準値Kxは、階調値Kiに正比例している。階調値Kiが黒閾値Kthである場合に、基準値Kxも黒閾値Kthである。そして、比例定数は、ゼロより大きく1未満である。すなわち、階調値Kiが黒閾値Kth以上である場合に、ゼロ<基準値Kx<階調値Kiである。第1値Di1xは、基準値Kxから階調値Kiを引いた残りである。
図10(B)、図10(C)は、左部に注目画素CTのCMYKのそれぞれの補正前の階調値Ci、Mi、Yi、Kiを示し、右部に補正後の階調値Cc、Mc、Yc、Kcを示している。第2値Di2は、図9で説明した第2値Di2と同じである。重みWnは、図7(B)のS520で第1補正条件を満たすと判断された画素のCMYの階調値Cn、Mn、Ynを用いて定義されている。本実施例では、Wn=(Mn+Yn/2+Cn/4)/255である。ここで、(Mn+Yn/2+Cn/4)/255が1を超える場合には、重みWnは1に決定される。重み付き第1値Di1wは、第1値Di1xに重みWnを乗じたものである。重み付き第2値Di2wは、第2値Di2に重みWnを乗じたものである。
図10(B)は、Di1x≦Di2の場合を示している。プロセッサ110は、ブラックKの階調値を、補正前の階調値Kiから重み付き第1値Di1wを減算した値に決定する。上述したように、重みWnは1以下であるので、重み付き第1値Di1wの最大値は第1値Di1xである。そして、図10(A)に示すように、補正前の階調値Kiから第1値Di1xを引いた残りである基準値Kxは、ゼロよりも大きい。従って、補正後の階調値Kcは、ゼロよりも大きい。また、プロセッサ110は、有彩色インクの階調値(ここでは、Cc、Mc、Yc)のそれぞれを、補正前の値に重み付き第2値Di2wを加算した値に決定する。
図10(C)は、Di1x>Di2の場合を示している。この場合も、プロセッサ110は、ブラックKの階調値を、補正前の階調値Kiから重み付き第1値Di1wを減算した値に決定する。また、有彩色インクの階調値(ここでは、Cc、Mc、Yc)に関しては、単純に補正前の値に重み付き第1値Di1wを加算すると、最大値の255を超える可能性がある。そこで、本実施例では、プロセッサ110は、有彩色インクの階調値(ここでは、Cc、Mc、Yc)のそれぞれを、補正前の値に重み付き第2値Di2wを加算した値に決定する。
このように、注目画素CTの全ての色成分の補正後の階調値(ここでは、Cc、Mc、Yc、Kc)を決定したことに応じて、プロセッサ110は、図7(B)のS530、ひいては、図7(B)の処理を終了する。
図5(B)において、第1部分領域A1の第1方向DR1の幅が1画素であり、第2部分領域A2の第1方向DR1の幅が1画素であると仮定する。この場合、第2部分領域A2内の印刷画素の階調値は、図7(B)のS530の4色補正処理で補正される。この結果、図10で説明したように、第2部分領域A2内においては、ブラックKの量が減少し、CMYの量が増大する。また、図10の4色補正処理では、CMYの間で増大量は同じである。従って、補正前に無彩色であった第2部分領域A2の色は、補正後も、無彩色に維持される。そして、補正後のブラックKの階調値Kcは、ゼロよりも大きい。
図7(B)のS520の判断結果がNoである場合、プロセッサ110は、注目画素CTの補正処理を行わずに、図7(B)の処理、ひいては、図7(A)の処理を終了する。例えば、注目画素CTが、図5(B)の第3部分領域A3内の印刷画素である場合、図7(B)のS500、S520の判断結果は、いずれも、Noである。この結果、プロセッサ110は、第3部分領域A3内の印刷画素の階調値を、補正せずに維持する。
A4−2.黒画素補正処理:記録媒体が「乾きにくい普通紙」である場合:
図7(C)は、図7(A)のS410の黒画素広域補正処理のフローチャートである。S500aは、図7(B)のS500の第1近位置を、第2近位置に置換して得られる処理である。第2近位置の画素は、図8の8個の画素L1、L2、R1、R2、U1、U2、D1、D2である。図7(B)のS500と比べて、第1補正条件を満たす画素の検索範囲は、注目画素CTからの距離が1画素または2画素である範囲に拡張されている。
記録媒体に関する条件と印刷解像度に関する条件とを除くと、「図6のS330:Yes」かつ「図7(C)のS500a:Yes」という条件が満たされる場合に、プロセッサ110は、図7(C)のS510で3色補正処理を実行する。この3色補正処理は、図7(B)のS510、図9で説明した処理と同じである。例えば、図5(B)において、第1部分領域A1の第1方向DR1の幅が2画素であると仮定する(すなわち、第1部分領域A1が、第1有彩色表現領域Ac1または第2有彩色表現領域Ac2からの距離が2画素以内である画素で構成されている)。この場合、第1部分領域A1内の印刷画素の階調値は、図7(C)のS510の3色補正処理で補正される。この結果、図9で説明したように、第1部分領域A1内では、ブラックKの量がゼロに減少し、CMYの量が増大する。また、補正前に無彩色であった第1部分領域A1の色は、補正後も、無彩色に維持される。
図7(C)のS500aの判断結果がNoである場合、プロセッサ110は、S520aに移行する。S520aは、図7(B)のS520の第1遠位置を、第2遠位置に置換して得られる処理である。第2遠位置の画素は、図8の8個の画素L3、L4、R3、R4、U3、U4、D3、D4である。このように、第2遠位置は、注目画素CTからの距離が3画素または4画素である画素位置である。注目画素CTから見て、第2遠位置は、第2近位置の外周側に隣接する画素位置である。
記録媒体に関する条件と印刷解像度に関する条件とを除くと、「図6のS330:Yes」かつ「図7(C)のS500a:No」かつ「図7(C)のS520a:Yes」という条件が満たされる場合に、プロセッサ110は、図7(C)のS530で4色補正処理を実行する。この4色補正処理は、図7(B)のS530、図10で説明した処理と同じである。例えば、図5(B)の第1部分領域A1の第1方向DR1の幅が2画素であり、第2部分領域A2の第1方向DR1の幅が2画素であると仮定する。この場合、第2部分領域A2内の印刷画素の階調値は、図7(C)のS530の4色補正処理で補正される。この結果、図10で説明したように、第2部分領域A2内においては、ブラックKの量が減少し、CMYの量が増大する。また、補正前に無彩色であった第2部分領域A2の色は、補正後も、無彩色に維持される。そして、補正後のブラックKの階調値Kcは、ゼロよりも大きい。
図7(C)のS520aの判断結果がNoである場合、プロセッサ110は、注目画素CTの補正処理を行わずに、図7(C)の処理、ひいては、図7(A)の処理を終了する。例えば、注目画素CTが、図5(B)の第3部分領域A3内の印刷画素である場合、図7(C)のS500a、S520aの判断結果は、いずれも、Noである。この結果、プロセッサ110は、第3部分領域A3内の印刷画素の階調値を、補正せずに維持する。
A4−3.カラー画素補正処理:
図11は、図6のS345のカラー画素補正処理のフローチャートである。S600では、プロセッサ110は、注目画素の位置を基準とする所定の第1近位置に、第2補正条件を満たす画素が存在するか否かを判断する。第1近位置は、図7(B)の第1近位置と同じである。また、第1近位置から選択された候補画素が第2補正条件を満たすか否かを判断する場合、第2補正条件は、「候補画素が黒画素条件を満たす」かつ「候補画素のブラックKの階調値と注目画素CTのブラックKの階調値との差の絶対値が、ゼロよりも大きな所定の差閾値より大きい」ことである。黒画素条件は、図6のS330で説明した黒画素条件と同じである。差閾値は、図7(B)、図7(C)で説明した第1補正条件の差閾値と同じである。このような第2補正条件を満たす画素は、例えば、有彩色を表す注目画素CTに隣接し、かつ、黒色を表す画素である。S600の判断結果がYesである場合、プロセッサ110は、S610で、隣接補正処理を実行する。
記録媒体に関する条件と印刷解像度に関する条件とを除くと、「図6のS330:No」かつ「図6のS340:Yes」かつ「図11のS600:Yes」という条件が満たされる場合に、プロセッサ110は、S610の隣接補正処理を実行する。例えば、図5(B)の第4部分領域A4の第1方向DR1の幅が1画素であると仮定する(すなわち、第4部分領域A4が、無彩色表現領域Aaに隣接する画素で構成されている)。注目画素CTが、第4部分領域A4内の画素である場合に、注目画素CTは、図6のS330の条件を満たさずに、図6のS340の条件を満たし、そして、無彩色表現領域Aa内の注目画素CTに隣接する画素が、図11のS600の条件を満たす。
本実施例では、S610の隣接補正処理では、プロセッサ110は、注目画素CTのCMYの補正前の階調値Ci、Mi、Yiに、第1係数H1を乗じることによって、補正後の階調値Cc、Mc、Ycを算出する。第1係数H1は、0より大きく1未満の値であり、予め決められている(例えば、0.8)。図示を省略するが、ブラックKの補正後の階調値Kcは、補正前の階調値Kiと同じ値に決定される。注目画素CTの全ての色成分の補正後の階調値(ここでは、Cc、Mc、Yc、Kc)を決定したことに応じて、プロセッサ110は、図11のS610、ひいては、図11の処理を終了する。
上述したように、図5(B)の第4部分領域A4内の印刷画素の階調値は、図11のS610の隣接補正処理で補正される。この結果、第4部分領域A4内においては、CMYの量が減少する。また、本実施例の隣接補正処理では、CMYの間で、補正用の第1係数H1が共通である。従って、補正前に有彩色であった第4部分領域A4の色は、補正後も、有彩色に維持される。
図11のS600の判断結果がNoである場合、S620で、プロセッサ110は、注目画素の位置を基準とする第1遠位置に、第2補正条件を満たす画素が存在するか否かを判断する。第1遠位置は、図7(B)の第1遠位置と同じである。第2補正条件は、S610の第2補正条件と同じである。S620の判断結果がYesである場合、プロセッサ110は、S630で、離間補正処理を実行する。
記録媒体に関する条件と印刷解像度に関する条件とを除くと、「図6のS330:No」かつ「図6のS340:Yes」かつ「図11のS600:No」かつ「図11のS620:Yes」という条件が満たされる場合に、プロセッサ110は、S630の離間補正処理を実行する。例えば、図5(B)の第4部分領域A4の第1方向DR1の幅が1画素であり、第5部分領域A5の第1方向DR1の幅が1画素であると仮定する(すなわち、第5部分領域A5が、第4部分領域A4に隣接する画素で構成されている)。注目画素CTが、第5部分領域A5内の画素である場合に、注目画素CTは、図6のS330の条件を満たさずに、図6のS340の条件を満たし、そして、無彩色表現領域Aa内の注目画素CTから1画素だけ離間した画素が、図11のS620の条件を満たす。
本実施例では、S630の離間補正処理では、プロセッサ110は、注目画素CTのCMYの補正前の階調値Ci、Mi、Yiに、第2係数H2を乗じることによって、補正後の階調値Cc、Mc、Ycを算出する。第2係数H2は、第1係数H1より大きく1未満の値であり、予め決められている(例えば、0.9)。図示を省略するが、ブラックKの補正後の階調値Kcは、補正前の階調値Kiと同じ値に決定される。注目画素CTの全ての色成分の補正後の階調値(ここでは、Cc、Mc、Yc、Kc)を決定したことに応じて、プロセッサ110は、図11のS620、ひいては、図11の処理を終了する。
上述したように、図5(B)の第5部分領域A5内の印刷画素の階調値は、図11のS630の離間補正処理で補正される。この結果、第5部分領域A5内においては、CMYの量が減少する。また、本実施例の離間補正処理では、CMYの間で、補正用の第2係数H2が共通である。従って、補正前に有彩色であった第5部分領域A5の色は、補正後も、有彩色に維持される。また、第2係数H2は、第1係数H1よりも大きい。従って、第5部分領域A5内では、第4部分領域A4内と比べて、インクの量の減少量が小さい。
S620の判断結果がNoである場合、プロセッサ110は、注目画素CTの補正処理を行わずに、図11の処理を終了する。例えば、注目画素CTが、図5(B)の第6部分領域A6内の印刷画素である場合、図11のS600、S620の判断結果は、いずれも、Noである。この結果、プロセッサ110は、第6部分領域A6内の印刷画素の階調値を、補正せずに維持する。
以上のように、本実施例では、図5(B)、図7、図9で説明したように、プロセッサ110は、無彩色表現領域Aaのうち有彩色表現領域Ac1、Ac2に隣接する第1部分領域A1内の画素の画素値を、その画素に対応する印刷単位領域UAに吐出されるべきブラックKのインクの量がゼロに減少し、かつ、CMYのインクの少なくとも1種類の量が増加し、かつ、無彩色が表現されるように補正する3色補正処理を実行する(S510)。そして、プロセッサ110は、無彩色表現領域Aaのうち、有彩色表現領域Ac1、Ac2から離間し第1部分領域A1に隣接する第2部分領域A2内の画素の画素値を、その画素に対応する印刷単位領域UAに吐出されるべきブラックKのインクの量がゼロよりも大きい値に減少し、かつ、CMYのインクの少なくとも1種類の量が増加し、かつ、無彩色が表現されるように補正する4色補正処理を実行する(S530)。
このように、第1部分領域A1内では、ブラックKのインクの量がゼロであるので、有彩色表現領域Ac1、Ac2と第1部分領域A1との間でブラックKのインクが滲むことを低減できる。また、第1部分領域A1内では、CMYのインクの少なくとも1種の量が増加するので、第1部分領域A1内の補正に起因する色の変化を低減できる。また、第2部分領域A2内では、ブラックKのインクの量がゼロよりも大きいので、ブラックKのインクの量がゼロである場合と比べて、濃い無彩色が表現される。このような第2部分領域A2が、第1部分領域A1と第3部分領域A3との間に配置されているので、第2部分領域A2が省略されて第1部分領域A1と第3部分領域A3とが隣接する場合と比べて、無彩色の濃淡が目立つことを低減できる。また、第2部分領域A2内では、ブラックKのインクの量がゼロよりも大きい値に減少し、さらに、CMYのインクの少なくとも1種の量が増加する。従って、第2部分領域A2内のブラックKのインクが、同じ第2部分領域A2内の有彩色インクに接触しやすくなる。すなわち、第2部分領域内A2内のブラックKのインクが単独で吐出される吐出領域EA(図5(C))が減少する、換言すれば、1つの印刷画素PPxに対応する印刷単位領域UA内で、ブラックKのインクとCMYのインクとが接触する吐出領域EAが増加する可能性を高めることができる。これにより、図4(D)で説明したように、第2部分領域A2のブラックKのインクが、第1部分領域A1や有彩色表現領域Ac1、Ac2に滲むことを低減できる。
なお、第1部分領域A1内の複数の印刷画素(すなわち、複数の印刷単位領域UA)のうちの少なくとも一部において、「ブラックKのインクの量がゼロに減少し、かつ、CMYのインクの少なくとも1種類の量が増加し、かつ、無彩色が表現される」という条件が満たされるように補正されたと仮定する。この場合、プロセッサ110は、第1部分領域A1内の画素の画素値を、その画素に対応する印刷単位領域UAに吐出されるべきブラックKのインクの量がゼロに減少し、かつ、CMYのインクの少なくとも1種類の量が増加し、かつ、無彩色が表現されるように補正している、といえる。他の部分領域の補正処理についても、同様に、部分領域内の複数の印刷画素のうちの少なくとも一部において特定の条件が満たされるように画素値が補正される場合、プロセッサ110は、その部分領域内の画素の画素値を、特定の条件が満たされるように補正している、といえる。
また、図7(B)、図7(C)で説明したように、無彩色表現領域Aaのうち、有彩色表現領域Ac1、Ac2と第1部分領域A1との両方から離間するとともに第2部分領域A2に隣接する第3部分領域A3内の画素の画素値は、補正されずに、維持される。従って、無彩色表現領域Aaの全体が補正される場合と比べて、無彩色表現領域Aaにおいて色が薄くなることを低減できる。
また、図6のS330で説明したように、無彩色インクであるブラックKのインクの階調値(すなわち、インクの量)が黒閾値Kth以上である場合に、S335の黒画素補正処理が実行される。このように、第1部分領域A1と第2部分領域A2との複数の画素のうち、ブラックKのインクの量が閾値以上であることを示す階調値を有する画素に対して、黒画素補正処理が実行される。従って、ブラックKのインクの量が少ない画素に対する過剰な補正を低減できるので、印刷された色が不自然に見えることを低減できる。
また、図11で説明したように、有彩色表現領域Ac1、Ac2(図5(B))のうち無彩色表現領域Aaに隣接する第4部分領域A4内の画素の画素値は、その画素に対応する印刷単位領域UAに吐出されるべき複数の有彩色インク(ここでは、CMY)のうち少なくとも1種類の量が減少し、かつ、有彩色が表現されるように補正される。従って、互いに隣接する第1部分領域A1と第4部分領域A4との間で、有彩色インクの量の差が大きくなることが低減される。従って、第1部分領域A1と第4部分領域A4との間でインクが滲むことを低減できる。
また、第4部分領域A4と第6部分領域A6との間には、第4部分領域A4と比べてCMYの階調値の減少量が少ない第5部分領域A5が配置されている。従って、第5部分領域A5が省略されて第4部分領域A4と第6部分領域A6とが隣接する場合と比べて、有彩色の濃淡が目立つことを低減できる。
また、図7(B)、図7(C)のS530、図10で説明したように、第2部分領域A2内の注目画素のブラックKの階調値は、重みWnが大きいほどブラックKのインクの量が少なくなるように、補正される。重みWnは、図7(B)、図7(C)のS530、図10で説明したように、注目画素CTの位置を基準とする第1遠位置または第2遠位置の複数の画素のうちの第1補正条件を満たす画素である特定の画素の階調値を用いて算出される。通常は、特定の画素は、有彩色表現領域Ac1、Ac2内の画素である。また、重みWnは、特定の画素の複数の有彩色インクCMYの階調値Cn、Mn、Ynの少なくとも1つが大きいほど、大きい。このように、無彩色表現領域Aa内の注目画素CTの階調値は、有彩色表現領域Ac1、Ac2内の特定の画素の複数の有彩色インク(ここでは、CMY)のうちの少なくとも1種類の量が多いほど、注目画素CTの無彩色インク(ここでは、K)の量が少なくなるように補正される。
ここで、有彩色表現領域Ac1、Ac2内の特定の画素の有彩色インクの量が多い場合には、その有彩色インクが、無彩色表現領域Aa内の注目画素CTに近づくように流れ得る(例えば、有彩色インクが有彩色表現領域Ac1、Ac2から第1部分領域A1に流れ得る)。これにより、第2部分領域A2の注目画素の無彩色インクは、第1部分領域A1に流れたインクに引っ張られて、無彩色表現領域Aaと有彩色表現領域Ac1、Ac2との境界を超えて滲み得る。本実施例では、有彩色表現領域Ac1、Ac2の特定の画素の有彩色インクの量が多い場合には、第2部分領域A2の注目画素のブラックKのインク量が小さくなる。この結果、第2部分領域A2の無彩色インクが滲むことを低減できる。
また、図10に示すように、重みWnの算出式では、CMYの階調値Cn、Mn、Ynに付与された相対的な係数は、1/4、1/1、1/2であり、均等ではない。この理由は、複数の有彩色インクCMYの間で、有彩色インクに起因するブラックKのインクの滲みの目立ちやすさが異なるからである。本実施例では、マゼンタMのインクに起因するブラックKのインクの滲みが、イエロYのインクに起因するブラックKのインクの滲みよりも、目立ちやすく、また、イエロYのインクに起因するブラックKのインクの滲みが、シアンCのインクに起因するブラックKのインクの滲みよりも、目立ちやすいこととする。この場合、第1補正条件を満たす特定の画素にマゼンタMのインクが吐出される場合には、特定の画素にイエロYのインクが吐出される場合と比べて、注目画素のブラックKのインクの滲みが目立ちやすい。また、特定の画素にイエロYのインクが吐出される場合には、特定の画素にシアンCのインクが吐出される場合と比べて、注目画素のブラックKのインクの滲みが目立ちやすい。
そこで、本実施例では、相対的な係数が大きい順番は、Mn、Yn、Cnの順番である。従って、特定の画素のマゼンタMの階調値Mnに対する注目画素のブラックKの階調値の減少量の比率は、特定の画素のイエロYの階調値Ynに対する注目画素のブラックKの階調値の減少量の比率よりも、大きい。また、特定の画素のイエロYの階調値Ynに対する注目画素のブラックKの階調値の減少量の比率は、特定の画素のシアンCの階調値Cnに対する注目画素のブラックKの階調値の減少量の比率よりも、大きい。このように、複数の有彩色インク(ここでは、CMY)の間で、無彩色インク(ここでは、K)のインクの滲みの目立ちやすさが異なる場合に、有彩色表現領域Ac1、Ac2の複数の有彩色インクのそれぞれの量に応じて適切に無彩色表現領域Aaの無彩色インクの量が低減される。この結果、適切にインクの滲みを低減できる。
また、図6のS310で説明したように、印刷解像度が所定の閾値より高い場合には、階調値の補正処理が実行されず、印刷解像度が所定の閾値以下である場合、階調値の補正処理が行われる。従って、印刷解像度が高い場合に、過剰な補正を低減でき、この結果、印刷された色が不自然に見えることを低減できる。また、印刷解像度が低い場合には、階調値の補正処理が行われるので、インクの滲みを低減できる。
また、図6のS305で説明したように、記録媒体が「普通紙」とは異なる場合(例えば、記録媒体が「光沢紙」または「マット紙」である場合)、階調値の補正処理が実行されない。また、記録媒体が「普通紙」である場合、階調値の補正処理が実行される。ここで、「普通紙」は、他の種類の記録媒体と比べて、インクが滲み易い記録媒体である。このように、記録媒体が「普通紙」と比べてインクが滲みにくい記録媒体である場合、階調値の補正処理が実行されないので、過剰な補正を低減でき、この結果、無彩色の濃淡が目立つことに起因して印刷済の色が不自然に見えることを低減できる。また、インクが滲み易い普通紙が用いられる場合に、階調値の補正処理が実行されるので、インクの滲みを低減できる。
また、図7(A)のS420で階調値が補正される場合には、第1部分領域A1(図5(B))の第1方向DR1の幅は1画素であり、第2部分領域A2の第1方向DR1の幅が1画素である。また、図7(A)のS410で階調値が補正される場合には、第1部分領域A1の第1方向DR1の幅は2画素であり、第2部分領域A2の第1方向DR1の幅は2画素である。このように、条件に応じて部分領域A1、A2の幅が変化するので、条件に応じて適切にインクの滲みを抑制できる。
特に、図7のS400で説明したように、部分領域A1、A2の幅が広くなるのは、記録媒体が「乾きにくい普通紙(すなわち、インクが滲み易い普通紙)」である場合である。また、部分領域A1、A2の幅が狭くなるのは、記録媒体が「乾きやすい普通紙(すなわち、インクが滲みにくい普通紙)」である場合である。このように、インクが滲み易い普通紙が用いられる場合には、インクが滲みにくい普通紙が用いられる場合と比べて、部分領域A1、A2の幅が広くなるので、インクの滲みを低減できる。
なお、図5(A)、図5(B)では、無彩色表現領域Aaと有彩色表現領域Ac1、Ac2とが第1方向DR1に沿って並ぶ場合について説明した。図8で説明したように、第1近位置(L1、R1、U1、D1)と、第1遠位置(L2、R2、U2、D2)と、第2近位置(L1、L2、R1、R2、U1、U2、D1、D2)と、第2遠位置(L3、L4、R3、R4、U3、U4、D3、D4)とは、注目画素CTから見て、第1方向DR1に平行な方向と第2方向DR2に平行な方向との両方に分布している。従って、無彩色表現領域Aaと有彩色表現領域Ac1、Ac2とが第2方向DR2に沿って並ぶ場合にも、滲み低減処理は、同様に行われる。例えば、図7(A)のS410では、部分領域A1、A2の第2方向DR2の幅が2画素であり、S420では、部分領域A1、A2の第2方向DR2の幅が2画素である。また、無彩色表現領域Aaと有彩色表現領域Ac1、Ac2とが第1方向DR1に対して斜めに傾斜する方向に沿って並ぶ場合にも、滲み低減処理は、同様に行われる。
B.変形例:
(1)図7(B)、図7(C)のS510の処理(すなわち、第1部分領域A1(図5(B)における補正処理)としては、図9で説明した処理に代えて、他の種々の処理を採用可能である。例えば、CMYの階調値に加算される値は、第1値Di1と異なっていてもよい。例えば、第1値Di1に所定の係数を乗じて得られる値が、CMYの階調値に加算されてもよい。また、CMYの階調値に加算される値は、CMYの間で互いに異なっていてもよい。いずれの場合も、CMYの階調値にそれぞれ加算される値は、加算されたCMYの混色が減算されたKと同じ色を表現するように、決定されることが好ましい。すなわち、印刷される色が階調値の補正に起因して変化しないことが好ましい。一般的には、無彩色表現領域Aa内の第1部分領域A1の画素の階調値を、その画素に対応する印刷単位領域UAに吐出されるべき無彩色色材(ここでは、ブラックKのインク)の量がゼロに減少し、かつ、3種類以上の有彩色色材(ここでは、CMYのインク)のうち少なくとも1種類の量が増加し、かつ、無彩色が表現されるように補正する任意の処理を採用可能である。
また、図7(B)、図7(C)のS530の処理(すなわち、第2部分領域A2(図5(B)における補正処理)としては、図10で説明した処理に代えて、他の種々の処理を採用可能である。例えば、図10(A)の基準値Kxが、階調値Kiの変化に対して曲線を描くように変化してもよい。また、CMYの階調値に加算される値が、Kの階調値から減算される値と異なっていてもよい。また、CMYの階調値に加算される値は、CMYの間で互いに異なっていてもよい。また、重みWnの算出式における係数が、CMYの間で共通であってもよい。また、重みWnは、CMYのうちの一部の色成分の階調値を用いて算出されてもよい。また、図10の処理において、重みWnと重み付き第1値Di1wと重み付き第2値Di2wとを用いずに、ブラックKの補正後の階調値Kcは、補正前の階調値Kiから第1値Di1xが減算された値であってもよく、また、CMYの補正後の階調値Cc、Mc、Ycは、補正前の階調値Ci、Mi、Yiに、第1値Di1xを加算した値であってもよい(Di1x≦Di2の場合)。いずれの場合も、CMYの階調値にそれぞれ加算される値は、加算されたCMYの混色が、減算されたKと同じ色を表現するように、決定されることが好ましい。すなわち、印刷される色が階調値の補正に起因して変化しないことが好ましい。一般的には、無彩色表現領域Aa内の第2部分領域A2内の画素の階調値を、その画素に対応する印刷単位領域UAに吐出されるべき無彩色色材(ここでは、ブラックKのインク)の量がゼロよりも大きい値に減少し、かつ、3種類以上の有彩色色材(ここでは、CMYのインク)のうち少なくとも1種類の量が増加し、かつ、無彩色が表現されるように補正する任意の処理を採用可能である。
いずれの場合も、第1部分領域A1の幅は、3画素以上であってもよい。同様に、第2部分領域A2の幅は、3画素以上であってもよい。また、第1部分領域A1の幅が予め固定されており、第2部分領域A2の幅が記録媒体の種類に応じて変更されてもよい。例えば、図7(C)のS500aにおいて、第2近位置の代わりに、図7(B)のS500と同じ第1近位置が用いられ、そして、図7(C)のS520aでは、第1近位置の外周側に位置する2画素分の幅の範囲内の位置(例えば、L2、L3、R2、R3、U2、U3、D2、D3)が用いられてもよい。これに代えて、第2部分領域A2の幅が予め固定されており、第1部分領域A1の幅が記録媒体の種類に応じて変更されてもよい。また、記録媒体の種類に拘わらずに、第1部分領域A1の幅と第2部分領域A2の幅とが予め固定されていてもよい。
また、部分領域A1、A2の少なくとも一方の幅を変更するための条件としては、記録媒体の種類に代えて、他の条件を採用してもよい。例えば、印刷実行部290が複数種類のインクセットを利用可能な場合に、インクセットの種類に応じて、部分領域A1、A2の少なくとも一方の幅を変更してもよい。例えば、滲みやすいインクセットを用いる場合には、滲みにくいインクセットを用いる場合と比べて、部分領域A1、A2の少なくとも一方の幅が広くてもよい。
なお、図7(B)、図7(C)、図8の実施例では、部分領域A1、A2の幅は、S500、S500a、S520、S520aの近位置と遠位置とに応じて決定される。具体的には、近位置の注目画素CTからの距離の幅が、第1部分領域A1の幅に相当する。例えば、S500の第1近位置に関しては、注目画素CTからの距離が1画素のみであるので、距離の幅が1画素である。S500aの第2近位置に関しては、注目画素CTからの距離が1画素と2画素であるので、距離の幅が2画素である。このように、近位置の距離の幅を調整することによって、第1部分領域A1の幅を調整できる。また、遠位置の距離の幅を調整することによって、第2部分領域A2の幅を調整できる。なお、近位置と遠位置とのそれぞれとしては、注目画素CTから見て第1方向DR1に対して斜めの方向の位置が用いられてもよい。また、幅の方向としては、第1方向DR1と第2方向DR2とに限らず、無彩色表現領域と有彩色表現領域との境界線(例えば、図5(B)の境界線B1、B2)に垂直な方向を用いればよい。
(2)図7(A)〜図7(C)の補正処理において、第3部分領域A3(図5(B))が省略されて、無彩色表現領域Aaのうちの第1部分領域A1以外の領域の全体が、第2部分領域A2として処理されてもよい。例えば、S520、S520aが省略され、S500、S500aの判断結果がNoである場合に、常に、S530が実行されることとしてもよい。
(3)図11の補正処理において、第5部分領域A5(図5(B))が省略されて、有彩色表現領域Ac1、Ac2のうち第4部分領域A4以外の領域の全体が、第6部分領域A6として処理されてもよい。例えば、S620、S630が省略され、S600の判断結果がNoである場合に、注目画素CTの補正処理が省略されてもよい。
(4)図6の滲み低減処理において、S330の黒画素条件が満たされない場合であっても、無彩色を表現する領域の画素に対して、S335の補正処理が実行されてもよい。例えば、S330では、注目画素CTの階調値によって表される色が無彩色である場合に、判断結果がYesであってもよい。また、S330の判断の条件は、注目画素CTの階調値によって表される色が無彩色であり、かつ、無彩色インク(ここでは、ブラックK)の階調値が、所定の黒閾値Kth以上であること、であってもよい。なお、図6の実施例では、注目画素CTの色が無彩色であることは、S330の条件に含まれていない。従って、無彩色表現領域のブラックKのインクの滲みに加えて、有彩色表現領域のブラックKのインクの滲みも、S335の処理によって低減できる。
また、図6の滲み低減処理において、S340、S345を省略してもよい。この場合、S330の判断結果がNoである場合には、プロセッサ110は、注目画素の補正処理を行わずに、S350に移行する。そして、図5(B)の有彩色表現領域Ac1、Ac2内では、階調値は補正されない。
また、図6に示す滲み低減処理において、印刷解像度に拘わらずに、補正処理が実行されてもよい。例えば、S310が省略されてもよい。また、記録媒体の種類に拘わらずに、補正処理が実行されてもよい。例えば、S305が省略されてもよい。
(5)滲み低減処理は、図3のS220とS230との間に限らず、印刷処理の他の段階で実行可能である。例えば、S220の色変換処理が、色変換前の階調値を、補正済の階調値に変換するように、構成されていてもよい。例えば、部分領域A1〜A6の間でルックアップテーブルが異なっていてもよい。この場合、色変換前の階調値を表すRGBの画像データが、滲み低減処理の対象画像データに対応する。また、S230のハーフトーン処理が、補正済の階調値に対応するドット形成状態を決定するように、構成されていてもよい。例えば、部分領域A1〜A6の間でディザマトリクスが異なっていてもよい。この場合、ハーフトーン処理の対象のCMYKの階調値を表すCMYKの画像データが、滲み低減処理の対象画像データに対応する。また、S230のハーフトーン処理によって決定されたドット形成状態が、補正処理によって変更されてもよい。例えば、第1部分領域A1内では、全てのブラックKのドットのそれぞれが、CMYの3個のドットの組み合わせに置換されてもよい。また、第2部分領域A2内では、全てのブラックKのドットのうちの所定割合(例えば、50%)のドットのそれぞれが、CMYの3個のドットの組み合わせに置換されてもよい。この場合、ドット形成状態を表す画像データ(例えば、CMYKの2値の画像データ)が、滲み低減処理の対象画像データに対応する。いずれの場合も、プロセッサ110は、画素値を補正しているということができる。また、プロセッサ110は、滲み低減処理を行う場合に、画像処理装置100の内部の記憶装置(例えば、揮発性記憶装置120、不揮発性記憶装置130のいずれか)、または、画像処理装置100に接続された外部の記憶装置(例えば、図示しないサーバ装置)から、対象画像データを取得すればよい。
(6)印刷実行部290の構成としては、上記の構成に代えて、他の種々の構成を採用可能である。例えば、印刷に利用可能な有彩色インクとしては、CMYに加えて、シアンCのインクよりも濃度の薄い淡シアンのインクが利用可能であってもよい。また、マゼンタMのインクよりも濃度の薄い淡マゼンタのインクが利用可能であってもよい。また、イエロYのインクよりも濃度の濃い濃イエロのインクが利用可能であってもよい。一般的には、有彩色インクとしては、混色によって無彩色を表現可能な3種類以上の有彩色インクを利用することが好ましい。
(7)画像処理装置100の代わりに、複合機200のプロセッサ210が、プログラム232に従って、図3の印刷処理を実行してもよい。この場合、複合機200のプロセッサ210が、画像処理装置として動作する。また、印刷実行部290の制御部298が、図3の処理の一部(例えば、S230、S240)を実行してもよい。また、印刷実行部290の制御部298が省略されてもよい。この場合、画像処理装置は、直接的に、印刷実行部290を制御すればよい。いずれの場合も、印刷データとしては、入力画像を表すとともに印刷実行部290を制御するための種々の形式のデータを採用可能である。
(8)図2の画像処理装置100は、パーソナルコンピュータとは異なる種類の装置(例えば、デジタルカメラ、スキャナ)であってもよい。また、印刷実行部を含む装置は、複合機200とは異なる種類の装置(例えば、単機能のプリンタ)であってもよい。また、画像処理装置が、印刷実行部を含む装置に組み込まれていてもよい。また、ネットワークを介して互いに通信可能な複数の装置(例えば、コンピュータ)が、画像処理装置による画像処理の機能を一部ずつ分担して、全体として、画像処理の機能を提供してもよい(これらの装置を備えるシステムが画像処理装置に対応する)。
上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、図3のS220、S225、S230、S240の機能を、専用のハードウェア回路によって実現してもよい。
また、本発明の機能の一部または全部がコンピュータプログラムで実現される場合には、そのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(例えば、一時的ではない記録媒体)に格納された形で提供することができる。プログラムは、提供時と同一または異なる記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に格納された状態で、使用され得る。「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、メモリーカードやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種ROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスクドライブ等のコンピュータに接続されている外部記憶装置も含み得る。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
100...画像処理装置、110...プロセッサ、120...揮発性記憶装置、130...不揮発性記憶装置、132...プログラム、140...表示部、150...操作部、170...通信インタフェース、200...複合機、210...プロセッサ、220...揮発性記憶装置、230...不揮発性記憶装置、232...プログラム、240...表示部、250...操作部、270...通信インタフェース、280...スキャナ部、290...印刷実行部、292...要素、292...印刷ヘッド、Nz...ノズル、NgC...ノズル群、NgK...ノズル群、NgM...ノズル群、NgY...ノズル群、294...ヘッド移動部、296...搬送部、298...制御部、1000...画像処理システム、A1...第1部分領域、A2...第2部分領域、A3...第3部分領域、A4...第4部分領域、A5...第5部分領域、A6...第6部分領域、PM...用紙、PP...印刷画素、DR1...第1方向、DR2...第2方向、DS...副走査方向、CT...注目画素、Aa...無彩色表現領域、Ac1...第1有彩色表現領域、Ac2...第2有彩色表現領域、IM1...未処理画像、IM2...処理済画像

Claims (11)

  1. 画像処理装置であって、
    対象画像データを取得する取得部と、
    前記対象画像データを用いて印刷データを生成する印刷データ生成部と、
    無彩色色材と、互いに色が異なる3種類以上の有彩色色材と、を含む複数種類の色材を吐出する複数のノズルを備える印刷実行部に画像を印刷させるために、前記印刷実行部に前記印刷データを供給する供給部と、
    を備え、
    前記対象画像データによって表される対象画像は、有彩色が表現されるべき有彩色表現領域と、前記有彩色表現領域に隣接し無彩色が表現されるべき無彩色表現領域と、を含み、
    前記印刷データ生成部は、前記無彩色表現領域に対応する前記対象画像データに含まれる複数の画素のそれぞれの画素値を補正する補正処理を実行することによって、前記印刷データを生成し、
    前記補正処理は、
    前記無彩色表現領域のうち前記有彩色表現領域に隣接する第1部分領域に対応する前記対象画像データ内の第1の注目画素の画素値を、前記第1の注目画素に対応する前記第1部分領域内の印刷単位領域に吐出されるべき前記無彩色色材の量がゼロに減少し、かつ、前記3種類以上の有彩色色材のうち少なくとも1種類の量が増加し、かつ、無彩色が表現されるように補正する第1の補正処理と、
    前記無彩色表現領域のうち前記有彩色表現領域から離間し前記第1部分領域に隣接する第2部分領域に対応する前記対象画像データ内の第2の注目画素の画素値を、前記第2の注目画素に対応する前記第2部分領域内の印刷単位領域に吐出されるべき前記無彩色色材の量がゼロよりも大きい値に減少し、かつ、前記3種類以上の有彩色色材のうち少なくとも1種類の量が増加し、かつ、無彩色が表現されるように補正する第2の補正処理と、
    を含む、画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置であって、
    印刷データ生成部は、前記無彩色表現領域のうち、前記有彩色表現領域と前記第1部分領域との両方から離間するとともに前記第2部分領域に隣接する第3部分領域に対応する前記対象画像データ内の第3の注目画素の画素値を、補正せずに維持する、
    画像処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の画像処理装置であって、
    前記印刷データ生成部は、前記無彩色表現領域の前記第1部分領域と前記第2部分領域との複数の画素のうち、前記無彩色色材の量が閾値以上であることを示す画素値を有する画素に対して、前記補正処理を実行する、
    画像処理装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の画像処理装置であって、
    前記補正処理は、前記有彩色表現領域のうちの前記無彩色表現領域に隣接する第4部分領域に対応する前記対象画像データ内の第4の注目画素の画素値を、前記第4の注目画素に対応する前記第4部分領域内の印刷単位領域に吐出されるべき前記3種類以上の有彩色色材のうち少なくとも1種類の量が減少し、かつ、有彩色が表現されるように補正する処理を含む、
    画像処理装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の画像処理装置であって、
    前記第2部分領域に対応する注目画素の画素値を補正する処理は、前記有彩色表現領域内の前記注目画素の位置を基準とする特定の位置の特定の画素の画素値によって示される前記3種類以上の有彩色色材のうちの少なくとも1種類の量が多いほど、前記注目画素の補正済の画素値によって示される前記無彩色色材の量が少なくなるように前記画素の画素値を補正する処理である、
    画像処理装置。
  6. 請求項5に記載の画像処理装置であって、
    前記3種類以上の有彩色色材は、第1色の有彩色色材と、第2色の有彩色色材と、を含み、
    前記特定の画素の画素値によって示される前記第1色の有彩色色材の量に対する前記注目画素の前記無彩色色材の量の減少量の比率は、前記特定の画素の画素値によって示される前記第2色の有彩色色材の量に対する前記注目画素の前記無彩色色材の量の減少量の比率よりも、大きい、
    画像処理装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の画像処理装置であって、
    前記印刷データ生成部は、
    前記印刷制御部が前記印刷実行部に所定の印刷解像度より高い印刷解像度での印刷を実行させる場合に、前記補正処理を実行せずに、
    前記印刷制御部が前記印刷実行部に前記所定の印刷解像度以下の印刷解像度での印刷を実行させる場合に、前記補正処理を実行する、
    画像処理装置。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の画像処理装置であって、
    前記印刷データ生成部は、
    前記印刷実行部によって、第1種記録媒体が用いられる場合に、前記補正処理を実行せずに、
    前記印刷実行部によって、前記第1種記録媒体と比べて色材が滲み易い第2種記録媒体が用いられる場合に、前記補正処理を実行する、
    画像処理装置。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の画像処理装置であって、
    前記印刷データ生成部は、前記第1部分領域の特定方向の幅と、前記第2部分領域の前記特定方向の幅と、の少なくとも一方を、特定の条件に従って変更する、
    画像処理装置。
  10. 請求項9に記載の画像処理装置であって、
    前記印刷データ生成部は、
    前記印刷実行部によって、第1種記録媒体が用いられる場合に、前記補正処理を実行せずに、
    前記印刷実行部によって、前記第1種記録媒体と比べて色材が滲み易い第2種記録媒体が用いられる場合に、前記補正処理を実行し、
    前記第2種記録媒体は、第1記録媒体と、前記第1記録媒体と比べて色材が滲み易い第2記録媒体と、を含み、
    前記印刷データ生成部は、前記印刷実行部によって前記第2記録媒体が用いられる場合には、前記印刷実行部によって前記第1記録媒体が用いられる場合と比べて、前記第1部分領域の前記特定方向の幅と、前記第2部分領域の前記特定方向の幅と、の少なくとも一方を広くする、
    画像処理装置。
  11. 画像処理のためのコンピュータプログラムであって、
    対象画像データを取得する取得機能と、
    前記対象画像データを用いて印刷データを生成する印刷データ生成機能と、
    無彩色色材と、互いに色が異なる3種類以上の有彩色色材と、を含む複数種類の色材を吐出する複数のノズルを備える印刷実行部に画像を印刷させるために、前記印刷実行部に前記印刷データを供給する供給機能と、
    を備え、
    前記対象画像データによって表される対象画像は、有彩色が表現されるべき有彩色表現領域と、前記有彩色表現領域に隣接し無彩色が表現されるべき無彩色表現領域と、を含み、
    前記印刷データ生成機能は、前記無彩色表現領域に対応する前記対象画像データに含まれる複数の画素のそれぞれの画素値を補正する補正処理を実行することによって、前記印刷データを生成し、
    前記補正処理は、
    前記無彩色表現領域のうち前記有彩色表現領域に隣接する第1部分領域に対応する前記対象画像データ内の第1の注目画素の画素値を、前記第1の注目画素に対応する前記第1部分領域内の印刷単位領域に吐出されるべき前記無彩色色材の量がゼロに減少し、かつ、前記3種類以上の有彩色色材のうち少なくとも1種類の量が増加し、かつ、無彩色が表現されるように補正する第1の補正処理と、
    前記無彩色表現領域のうち前記有彩色表現領域から離間し前記第1部分領域に隣接する第2部分領域に対応する前記対象画像データ内の第2の注目画素の画素値を、前記第2の注目画素に対応する前記第2部分領域内の印刷単位領域に吐出されるべき前記無彩色色材の量がゼロよりも大きい値に減少し、かつ、前記3種類以上の有彩色色材のうち少なくとも1種類の量が増加し、かつ、無彩色が表現されるように補正する第2の補正処理と、
    を含む、コンピュータプログラム。
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