JP2017068929A - 全固体電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】全固体電池の充放電効率の低下を抑制することが可能な複合活物質を負極活物質層に用いた全固体電池の製造方法を提供する。【解決手段】正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質の表面に硫化物系固体電解質を被覆した複合活物質を含有する負極活物質層と、当該正極活物質層及び当該負極活物質層の間に配置された固体電解質層と、を有する全固体電池の製造方法であって、前記負極活物質は非晶質炭素材料を含み、前記負極活物質と前記硫化物系固体電解質とを乾式で機械的に混合することにより前記複合活物質を準備する工程を含むことを特徴とする。【選択図】図8

Description

本発明は、全固体電池の製造方法に関する。
液体の電解質に代えて固体電解質を使用する固体電池の分野において、従来から、電極活物質および固体電解質材料に着目し、固体電池の性能向上を図る試みがある(例えば、特許文献1)。
特許文献1には、固体電池の充放電サイクルによる容量低下を低減させるために、炭素材料からなる負極活物質の表面に機械的手法(ボールミル)を用いて、固体電解質材料を被覆させる技術が開示されている。
特開2003−059492号公報
黒鉛のような層状の結晶構造を有する負極活物質の表面に乾式で摩擦・せん断エネルギーを加えるような機械的手法で固体電解質材料を被覆する場合、機械的エネルギーによって黒鉛の結晶性が崩れてしまうという問題がある。そして、得られた複合活物質を負極活物質層に用いた全固体電池の充放電効率が低下してしまうという問題がある。
本発明は上記実情を鑑みて成し遂げられたものであり、本発明の目的は、全固体電池の充放電効率の低下を抑制することが可能な複合活物質を負極活物質層に用いた全固体電池の製造方法を提供することである。
本発明の全固体電池の製造方法は、正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質の表面に硫化物系固体電解質を被覆した複合活物質を含有する負極活物質層と、当該正極活物質層及び当該負極活物質層の間に配置された硫化物系固体電解質層と、を有する全固体電池の製造方法であって、
前記負極活物質は非晶質炭素材料を含み、
前記負極活物質と前記硫化物系固体電解質とを乾式で機械的に混合することにより前記複合活物質を準備する工程を含むことを特徴とする。
本発明によれば、全固体電池の充放電効率の低下を抑制することができる。
本発明の製造方法で得られる全固体電池の一例を示す図である。 実施例1及び比較例2で用いたハードカーボンのXRD評価結果を示す図である。 比較例1で用いた天然黒鉛のXRD評価結果を示す図である。 実施例1で用いた複合活物質のSEM画像を示す図である。 比較例1で用いた複合活物質のSEM画像を示す図である。 比較例2で用いた混合材料のSEM画像を示す図である。 充放電効率評価結果を示す図である。 急速充電評価結果を示す図である。
本発明の全固体電池の製造方法は、正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質の表面に硫化物系固体電解質を被覆した複合活物質を含有する負極活物質層と、当該正極活物質層及び当該負極活物質層の間に配置された硫化物系固体電解質層と、を有する全固体電池の製造方法であって、
前記負極活物質は非晶質炭素材料を含み、
前記負極活物質と前記硫化物系固体電解質とを機械的に混合することにより前記複合活物質を準備する工程を含むことを特徴とする。
全固体電池の負極活物質として使用される天然黒鉛の表面に硫化物系固体電解質を被覆させるために、天然黒鉛に乾式での摩擦・せん断エネルギーを加えると、天然黒鉛の結晶性が崩れ、全固体電池の充放電効率が著しく低下するという問題がある。これは、被覆に必要な機械的エネルギーが高く、また、天然黒鉛の結晶性が機械的エネルギーに弱いためであると考えられる。
本発明者らは、鋭意検討した結果、結晶性の高いカーボン材料から、非晶質であるカーボン材料に変更することにより、全固体電池の充放電効率の低下を抑制することができることを見出した。これは、非晶質であるカーボン材料を活物質に用いることにより、活物質の破壊を抑制することができるためであると考えられる。
本発明の全固体電池の製造方法は、非晶質炭素材料を含む負極活物質と硫化物系固体電解質とを乾式で機械的に混合することにより複合活物質を準備する工程を含むものであれば、特に限定されない。
本発明において「乾式で機械的に混合する」とは、材料に機械的エネルギーを付与可能な混合手段を用いて乾式混合することを意味する。特に、回転するロータ(ブレード)と壁面との間において、乾式で材料に摩擦・せん断エネルギーを与える機械的混合手段を用いて乾式混合することが好ましい。この場合のブレード−壁間隔、ロータ回転数や処理時間については特に限定されるものではなく、機械的混合手段の規模に応じて適宜決定すればよい。混合手段の具体例としては、乾式混練装置(NOB−MINI(ホソカワミクロン社製))等が挙げられる。
また、本発明においては、ボールミル等を用いて乾式混合を行っても良い。
全固体電池は、例えば、正極活物質層と、上記混合工程で得られた複合活物質を含む負極活物質層と、硫化物系固体電解質層とを準備し、硫化物系固体電解質層である硫化物系固体電解質の圧粉体の一方の面に正極活物質層を、他方の面に負極活物質層をそれぞれ配置し、その後平面プレスし、積層体を作製し、当該積層体を、積層方向に圧力をかけて拘束することにより製造することができる。
図1は、本発明の製造方法により得られる全固体電池の一例を示す断面模式図である。なお、本発明の製造方法により得られる電池は、必ずしもこの例のみに限定されるものではない。
全固体電池100は、正極活物質層11と、負極活物質層12と、正極活物質層11と負極活物質層12の間に配置されている硫化物系固体電解質層13と、正極活物質層11の集電を行う正極集電体14と、負極活物質層12の集電を行う負極集電体15を有している。
(1)正極活物質層
正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含有する層である。
正極活物質は、Li1.15Ni0.331Co0.332Mn0.3320.050、LiCoO、LiNiO、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3、LiVO、LiCrO等の層状活物質、LiMn、Li(Ni0.25Mn0.75、LiCoMnO、LiNiMn等のスピネル型活物質、LiCoPO、LiMnPO、LiFePO等のオリビン型活物質、Li12等のNASICON型活物質等が挙げられ、コバルト元素、ニッケル元素、及びマンガン元素のうち少なくともいずれか1つを含み且つリチウム元素及び酸素元素をさらに含む、Li1.15Ni0.331Co0.332Mn0.3320.050、LiCoO、LiNiO、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3、LiMn、Li(Ni0.25Mn0.75、LiCoMnO、LiNiMn、LiCoPO、LiMnPOが好ましい。また、正極活物質は、粒子であってもよい。
正極活物質層における正極活物質の含有量は、特に限定されないが、電池容量の観点からは、より多いことが好ましい。例えば、正極活物質層の総質量を100質量%としたとき、10質量%以上であることが好ましく、20質量%〜90質量%の範囲内であることがより好ましい。
正極活物質層は、必要に応じて、導電材、結着剤、及び、後述する硫化物系固体電解質の少なくとも一つを含有していても良い。
正極活物質層における硫化物系固体電解質の含有割合は、硫化物系固体電解質の種類によって異なるものであるが、正極活物質層の総質量を100質量%としたとき、通常、1〜30質量%であることが好ましい。
本発明において、粒子の平均粒径の算出方法は、特に限定されず、常法により算出することができる。粒子の平均粒径の算出方法の例は以下の通りである。まず、適切な倍率(例えば、5万〜100万倍)の透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope;以下、TEMと称する。)画像又は走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope;以下、SEMと称する。)画像において、ある1つの粒子について、当該粒子を球状と見なした際の粒径を算出する。このようなTEM観察又はSEM観察による粒径の算出を、同じ種類の200〜300個の粒子について行い、これらの粒子の平均を平均粒径とする。
導電材としては、正極活物質層の導電性を向上させることができれば特に限定されるものではないが、例えば、導電性炭素材料が挙げられる。
導電性炭素材料としては特に限定されないが、反応場の面積や空間の観点から、高比表面積を有する炭素材料が好ましい。具体的には、導電性炭素材料は10m/g以上、特に100m/g以上、さらに600m/g以上の比表面積を有することが好ましい。
高比表面積を有する導電性炭素材料の具体例として、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等)、活性炭、カーボン炭素繊維(例えば、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー、気相法炭素繊維等)等を挙げることができる。
ここで、導電材の比表面積は、たとえばBET法によって測定することができる。
また、正極活物質層における導電材の含有割合は、導電材の種類によって異なるものであるが、正極活物質層の総質量を100質量%としたとき、通常、1〜30質量%であることが好ましい。
結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を挙げることができる。また、正極活物質層における結着剤の含有割合は、正極活物質等を固定化できる程度であれば良く、より少ないことが好ましい。結着剤の含有割合は、正極活物質層の総質量を100質量%としたとき、通常、0〜10質量%であることが好ましい。
正極活物質層の厚さは、目的とする電池の用途等により異なるものであるが、例えば、下限としては2nm以上、特に100nm以上であることが好ましく、上限としては1000μm以下、特に500μm以下であることが好ましい。
正極活物質層の作製方法としては、例えば、正極活物質、さらに必要に応じて、結着剤等のその他の成分を混合した混合物を圧延する方法や、上記混合物と溶媒とを含むスラリーを塗布する方法が挙げられる。スラリーの調製に用いられる溶媒としては、例えば、アセトン、エタノール、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等が挙げられる。スラリーの塗布方法としては、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、ダイコート法、ドクターブレード法、インクジェット法、メタルマスク印刷法、静電塗布法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法等が挙げられる。具体的には、スラリーを後述する正極集電体又はキャリアフィルムに塗布した後、乾燥させ、必要に応じて、圧延、切断することで、正極活物質層を成形することができる。
本発明の製造方法により得られる全固体電池は、必要に応じ、正極活物質層の集電を行う正極集電体を有する。正極集電体としては、所望の導電性を有していれば、多孔質構造を有するものであっても、或いは緻密構造を有するものであってもよいが、メッシュ状等の多孔質構造を有するものが好ましい。正極集電体の形状としては、例えば箔状、板状、メッシュ(グリッド)状等を挙げることができる。
正極集電体の材料としては、例えば、ステンレス、ニッケル、アルミニウム、鉄、チタン、銅、金、銀、パラジウム等の金属材料、カーボンファイバー、カーボンペーパー等のカーボン材料、窒化チタン等の高電子伝導性セラミックス材料等が挙げられる。
正極集電体の厚さは、特に限定されないが、例えば、10〜1000μm、特に20〜400μmであることが好ましい。また、後述する外装体が正極集電体としての機能を兼ね備えていてもよい。
正極集電体は、外部との接続部となる端子を有していてもよい。
(2)硫化物系固体電解質層
硫化物系固体電解質層は、正極活物質層と負極活物質層の間に配置される層である。硫化物系固体電解質層は、少なくとも硫化物系固体電解質を含有する。
硫化物系固体電解質としては、硫黄元素(S)を含有し、イオン伝導性を有するものであれば、特に限定されない。
本発明の製造方法により得られる全固体電池が硫化物全固体リチウム電池の場合、上記硫化物系固体電解質として、例えば、LiS−P、LiS−P−LiI、LiS−P−LiO、LiS−P−LiO−LiI、LiS−SiS、LiS−SiS−LiI、LiS−SiS−LiBr、LiS−SiS−LiCl、LiS−SiS−B−LiI、LiS−SiS−P−LiI、LiS−B、LiS−P−Z(ただし、m、nは正の数。Zは、Ge、Zn、Gaのいずれか。)、LiS−GeS、LiS−SiS−LiPO、LiS−SiS−LiMO(ただし、x、yは正の数。Mは、P、Si、Ge、B、Al、Ga、Inのいずれか。)等を挙げることができる。なお、上記「LiS−P」の記載は、LiSおよびPを含む原料組成物を用いてなる硫化物系固体電解質材料を意味し、他の記載についても同様である。
また、硫化物系固体電解質は、粒子であってもよく、硫化物ガラスであってもよく、その硫化物ガラスを熱処理して得られる結晶化硫化物ガラスであってもよい。
硫化物系固体電解質層における硫化物系固体電解質の含有量は、例えば60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。硫化物系固体電解質層は、結着剤を含有していても良く、硫化物系固体電解質のみから構成されていても良い。なお、硫化物系固体電解質層に用いられる結着剤については、上述した正極活物質層における場合と同様である。硫化物系固体電解質層の厚さは、例えば0.1μm〜1000μmの範囲内、中でも0.1μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。
硫化物系固体電解質層の作製方法としては、特に限定されず、硫化物系固体電解質の圧粉体を準備し、当該圧粉体を正極活物質層や負極活物質層上に配置した状態で加圧することで、正極活物質層や負極活物質層と積層した硫化物系固体電解質層を作製することができる。
(3)負極活物質層
負極活物質層は、少なくとも負極活物質の表面に硫化物系固体電解質を被覆した複合活物質を含有する層であり、必要に応じて、導電材および結着剤の少なくとも一つを含有していてもよい。
負極活物質層に用いられる硫化物系固体電解質は、負極活物質の表面を被覆できる程度に、活物質表面に対して化学的親和性があるものであればよく、上述した硫化物系固体電解質層に用いられる硫化物系固体電解質と同様の材料を用いることができる。
複合活物質は、負極活物質の表面に硫化物系固体電解質を被覆してなるものである。
複合活物質における硫化物系固体電解質は、負極活物質の表面の少なくとも一部を被覆していればよく、負極活物質の表面全体を被覆することが好ましい。
複合活物質における、負極活物質表面を被覆する硫化物系固体電解質の被覆率は、40%以上、特に70%以上、さらに90%以上であることが好ましい。
なお、負極活物質表面を被覆する硫化物系固体電解質の被覆率は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)、X線光電子分光法(XPS)等を用いて定性的に確認することができる。
負極活物質及び/又は硫化物系固体電解質が粒子である場合、負極活物質粒子及び硫化物系固体電解質粒子の粒径は、特に限定されないが、下限としては、1nm以上、特に10nm以上、さらに100nm以上であることが好ましく、上限としては、100mm以下、特に10mm以下、さらに1mm以下であることが好ましい。
負極活物質表面を被覆する硫化物系固体電解質の厚さは特に限定されないが、下限としては、1nm以上、特に10nm以上、さらに100nm以上であることが好ましく、上限としては、10μm以下、特に1μm以下であることが好ましい。負極活物質表面を被覆する硫化物系固体電解質の厚さが大きすぎると、全固体電池の抵抗が増加する可能性がある。一方、負極活物質表面を被覆する硫化物系固体電解質の厚さが小さすぎると、全固体電池の充放電サイクルによる容量低下を十分に低減できない可能性がある。なお、上記厚さは、走査型電子顕微鏡(SEM)または透過型電子顕微鏡(TEM)による画像解析から求めることができる。
負極活物質としては、非晶質炭素材料であれば特に限定されないが、例えば、カーボンブラック、活性炭、カーボンファイバー、メソポーラスカーボン、ソフトカーボン、ハードカーボン等を挙げることができる。
なお、本発明において「非晶質」とは、X線回折(XRD)測定により得られる002面のピークの半値幅が14.85°以上であるものをいう。また、002面のピーク位置は、材料組成等によって結晶格子が若干変化し、±0.50°(中でも±0.30°の範囲、特に±0.10°の範囲)で前後する場合がある。
負極活物質層における複合活物質の含有量は、例えば10質量%以上であることが好ましく、20質量%〜90質量%の範囲内であることがより好ましい。
なお、負極活物質層に用いられる導電材および結着剤については、上述した正極活物質層における場合と同様である。負極活物質層の厚さは、例えば0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。
負極活物質層を作製する方法は、特に限定されない。例えば、複合活物質、さらに必要に応じて、結着剤等のその他の成分を混合した混合物を、分散媒に分散させてスラリーを調製し、該スラリーを負極集電体上に塗布、乾燥、圧延する方法等が挙げられる。
分散媒及び塗布方法は、上述した正極活物質層の作製方法と同様である。
本発明の製造方法により得られる全固体電池は、必要に応じ、負極活物質層の集電を行う負極集電体を有する。負極集電体の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ステンレス、ニッケル、銅、カーボン等を挙げることができる。負極集電体の形状としては、例えば箔状、板状、メッシュ状等を挙げることができる。負極集電体の厚さは、特に限定されないが、例えば、10〜1000μm、特に20〜400μmであることが好ましい。また、後述する外装体が負極集電体としての機能を兼ね備えていてもよい。
負極集電体は、外部との接続部となる端子を有していてもよい。
(4)その他の構成
本発明の製造方法により得られる全固体電池は、通常、上記正極活物質層、負極活物質層、及び硫化物系固体電解質層等を収納する外装体を備える。外装体の形状としては、具体的にはコイン型、平板型、円筒型、ラミネート型等を挙げることができる。
外装体の材質は、電解質に安定なものであれば特に限定されないが、SUS等の金属体、ポリプロピレン、ポリエチレン、及び、アクリル樹脂等の樹脂が挙げられる。外装体が金属体の場合は、外装体の表面のみが金属体で構成されるものであっても、外装体全体が金属体で構成されるものであってもよい。
本発明の製造方法により得られる全固体電池としては、リチウム電池、ナトリウム電池、マグネシウム電池及びカルシウム電池等を挙げることができ、中でも、リチウム電池が好ましい。さらに、本発明の全固体電池は、一次電池であってもよく、二次電池であってもよいが、中でも二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば車載用電池として有用だからである。
(実施例1)
[複合活物質]
負極活物質として、ハードカーボン(平均粒径10μm)を10g、硫化物系固体電解質として60LiS−20P−20LiI(結晶質、平均粒径0.8μm)を6.73gそれぞれ秤量した。秤量した粉末を乾式混練装置(NOB−MINI(ホソカワミクロン社製))へ投入した。混合処理(乾式混合)は以下の条件で行った。
・ブレード−壁間隔:1mm
・回転数 6000rpm
・処理時間 30分
上記混合処理により、負極活物質表面に硫化物系固体電解質を被覆した複合活物質を得た。
[正極合材]
正極活物質としてLi1.15Ni0.331Co0.332Mn0.3320.050を83質量%、硫化物系固体電解質として20LiI−80(75LiS−25P)を17質量%含有する正極合材を準備した。
[全固体電池の作製]
まず、硫化物系固体電解質層として硫化物系固体電解質(20LiI−80(75LiS−25P))の圧粉体を形成した。次に、当該圧粉体の一方の面に正極合材を、他方の面に複合活物質を、それぞれ配置し、プレス圧6ton/cm(≒588MPa)、プレス時間1分間で平面プレスし、積層体を得た。このとき得られた積層体において、正極活物質層の厚さは50μmであり、負極活物質層の厚さは50μmであり、硫化物系固体電解質層の厚さは500μmであった。当該積層体を、積層方向に6Nの圧力で拘束することにより、全固体電池を製造した。
(比較例1)
上記[複合活物質]において、ハードカーボンの代わりに天然黒鉛(平均粒径10μm)を使用したこと以外は実施例1と同様の方法で全固体電池を作製した。
(比較例2)
上記[複合活物質]を準備せず、負極活物質として、ハードカーボン(平均粒径10μm)を10g、硫化物系固体電解質として60LiS−20P−20LiI(結晶質、平均粒径0.8μm)を6.73g準備し、当該ハードカーボン及び60LiS−20P−20LiIを、超音波ホモジナイザーを用いて混合し、均質な混合材料を準備し、当該混合材料を全固体電池の負極活物質層として用いたこと以外は実施例1と同様の方法で全固体電池を作製した。
[X線回折測定]
実施例1及び比較例2で用いたハードカーボン、比較例1で用いた天然黒鉛について、X線回折(XRD)測定を行った。XRD測定は、不活性雰囲気下で行った。実施例1、及び比較例2で用いたハードカーボンの結果を図2に、比較例1で用いた天然黒鉛の結果を図3に示す。
XRD測定条件は、以下の通りである。
・装置:株式会社リガク製 Smart Lab
・X線源:CuKα線
・管電圧−管電流:40kV−30mA
・ステップ幅:0.02deg
・測定速度:0.24秒/step
図2に示すXRDパターンから、ハードカーボンの結晶性を評価した。その結果、ハードカーボンの002面のピークの半値幅は14.85°であり、ハードカーボンの結晶性は非常に低いことがわかった。
また、図3に示すXRDパターンから、天然黒鉛の結晶性を評価した。その結果、天然黒鉛の002面のピークの半値幅は0.124°であり、天然黒鉛の結晶性は高いことがわかった。
なお、図2及び図3に示す002面のピーク位置は、材料組成等によって結晶格子が若干変化し、±0.50°(中でも±0.30°の範囲、特に±0.10°の範囲)で前後する場合がある。
[形態観察]
実施例1、比較例1で用いた複合活物質の表面、比較例2で用いた混合材料の表面について、SEM観察を行った。結果を、図4(実施例1)、図5(比較例1)、図6(比較例2)に示す。
図4〜6に示すSEM画像(反射電子像)でコントラスト差から被覆状態を評価した。また、図4〜6に示すSEM画像から、画像処理ソフトにより、活物質粒子全体の投影面積と、硫化物系固体電解質の塑性変形により被覆されている部分の面積の割合から被覆率を評価した。被覆率は、実施例1が78%、比較例1が99%、比較例2が0%であった。
実施例1、比較例1では、摩擦・せん断エネルギーにより硫化物系固体電解質が塑性変形を起こすことで、ハードカーボン表面が被覆されたことがわかる。
一方、比較例2では、摩擦・せん断エネルギーが加わっていないため、硫化物系固体電解質は粒子状のままハードカーボン表面に分散しているだけであることがわかる。
[充放電効率評価]
実施例1、比較例1〜2で製造した全固体電池を用いて、1/3CCCV充放電を行った。充電は4.59V(vs.RHE)まで行い、放電は2.5V(vs.RHE)まで行った。充放電効率の算出結果を図7に示す。
図7に示すように、充放電効率は、実施例1が85.8%、比較例1が51.2%、比較例2が86.2%であった。
なお、充放電効率は、下記式(1)より求めた。
・ 充放電効率[%]=CCCV放電容量[mAh/g]/CCCV充電容量[mAh/g]×100・・・式(1)
比較例1の充放電効率が、実施例1及び比較例2よりも低いのは、比較例1で用いた天然黒鉛の結晶構造が摩擦・せん断エネルギーにより破壊され、不可逆なLiイオンサイトが増加したためであると考えられる。
一方、実施例1及び比較例2の充放電効率が比較例1よりも高いのは、実施例1及び比較例2で用いたハードカーボンが、非晶質であるため、摩擦・せん断エネルギーの影響を受けず、結晶性が破壊されること無く硫化物系固体電解質の被覆が可能であるためであると考えられる。
[急速充電評価]
実施例1、比較例2で作製した全固体電池を用いて、4.5C充電を行った。充電は3.49V(vs.RHE)から、4.59V(vs.RHE)まで行った。充電容量の結果を図8に示す。
充電容量は、実施例1では98mAh/g、比較例2では89mAh/gであった。
図8に示すように、実施例1は比較例2と比較して、充電容量が1.1倍高いことがわかる。
実施例1において、急速充電容量が増加したのは、負極活物質表面に硫化物系固体電解質を被覆することにより、活物質/硫化物系固体電解質界面が増加したためと、負極活物質層内の負極活物質と硫化物系固体電解質の分散状態が、より均一になったためであると考えられる。
11 正極活物質層
12 負極活物質層
13 硫化物系固体電解質層
14 正極集電体
15 負極集電体
100 全固体電池

Claims (1)

  1. 正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質の表面に硫化物系固体電解質を被覆した複合活物質を含有する負極活物質層と、当該正極活物質層及び当該負極活物質層の間に配置された硫化物系固体電解質層と、を有する全固体電池の製造方法であって、
    前記負極活物質は非晶質炭素材料を含み、
    前記負極活物質と前記硫化物系固体電解質とを乾式で機械的に混合することにより前記複合活物質を準備する工程を含むことを特徴とする全固体電池の製造方法。
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