JP2017067949A - 回転部材及び加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】情報300を表示するための凹部を表面層201Bに形成しても、画像範囲まで裂け302が達しにくい構成を実現する。【解決手段】定着ベルト201の表面層201Bの表面で、画像形成可能な領域に対応する画像範囲から外れた非画像範囲内に、情報300を表示するための凹部が形成されている。また、表面層201Bの表面の非画像範囲内で、定着ベルト201の表面に沿った方向で、且つ、回転方向に直交する長手方向に関して少なくとも情報300の凹部の画像範囲側に、画像側凹部303を形成する。画像側凹部303は、回転方向に対する角度が、±10°以下で傾斜した直線部、又は、この直線部を複数組み合わせた情報300の凹部とは異なる凹部である。【選択図】図10

Description

本発明は、表面に記録材が接して回転する、例えば定着部材のような回転部材、及び、このような回転部材を備えた加熱装置に関する。
一般に、複写機やレーザープリンタ等の電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着装置(加熱装置)では、ローラとローラ、ベルトとローラ、ベルトとベルト、といった1対の回転部材により定着ニップ部を形成する。そして、未定着状態のトナーによって形成されるトナー像を保持した記録材(紙など)が、この定着ニップ部に導入され、加熱されることで、該トナーが溶融され、記録材にトナー像が定着される。このような回転部材としては、表面にフッ素樹脂等のトナーの離型性の良い離型層(表面層)を形成しているものが広く用いられている。
このような回転部材には、レーザマーキング処理などにより情報(製造ロット番号、加工向き等)を表示させる場合がある。レーザマーキング処理は、対象表面へレーザビームを照射し、対象表面を溶融することにより行う(例えば、特許文献1参照)。また、離型層の内側の層である弾性層にレーザマーキング処理を行った後、弾性層の表面に離型層を形成する構成が提案されている(特許文献2参照)。
特開平6−64119号公報 特開2005−338350号公報
しかしながら、回転部材に情報を表示させるべく、特許文献1に記載のレーザマーキング処理によって、回転部材の離型層(表面層)に情報を刻印した場合、刻印された部分(凹部)の離型層が他の部分に対して薄くなってしまう。即ち、レーザの熱により離型層に使用されているフッ素樹脂などを溶かして表面に凹凸を付けて情報を表示させるため、凹部の厚みが薄くなる。そして、厚みが薄い部分から樹脂層に亀裂(裂け)が入ってしまう場合がある。
このような情報は、通常、回転部材の表面のうち、その画像形成装置により画像形成可能な領域に対応する画像範囲から外れた非画像範囲内に形成されるが、上述のような裂けが生じると、その裂けが画像範囲まで達する可能性がある。そして、画像範囲まで裂けが達すると、その部分で十分な定着ができずに画像不良が発生する可能性がある。
一方、特許文献2に記載の構成では、弾性層に情報を表示させ、その上に離型層を形成するため、離型層が透明であることが条件となる。例えば、記録材やトナーが電気的に回転部材に吸着しないように、離型層をアースに落とすべく、離型層にカーボンなどの導電性部材を添加し場合などは、離型層が非透明になってしまう。したがって、このような構成の場合、特許文献2の構成を適用することは難しい。
本発明は、このような事情に鑑み、情報を表示するための凹部を表面層に形成しても、画像範囲まで裂けが達しにくい構成を実現すべく発明したものである。
本発明は、表面に記録材が接して回転する回転部材であって、基部と、前記基部の表面に設けられた表面層と、を備え、前記表面層の表面で、画像形成可能な領域に対応する画像範囲から外れた非画像範囲内に、情報を表示するための凹部が形成されている。
そして、前記表面層の表面の前記非画像範囲内で、前記回転部材の表面に沿った方向で、且つ、回転方向に直交する直交方向に関して少なくとも前記情報の凹部の前記画像範囲側に、前記回転方向に対する角度が、±10°以下で傾斜した直線部、又は、前記直線部を複数組み合わせた前記情報の凹部とは異なる画像側凹部が形成されていることを特徴とする。
また、前記表面層の表面の前記非画像範囲内で、前記回転部材の表面に沿った方向で、且つ、回転方向に直交する直交方向に関して少なくとも前記情報の凹部の前記画像範囲側に、前記直交方向に対する角度が、±10°よりも小さい直線部を持たないような前記情報の凹部とは異なる画像側凹部が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、情報を表示するための凹部を表面層に形成しても、画像範囲まで裂けが達しにくい。
第1の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。 第1の実施形態に係る定着装置の概略構成図。 第1の実施形態に係る定着ベルトの、(a)概略構成断面図、(b)端部を拡大して示す側面図。 定着ベルトの非画像範囲を説明するための模式図。 リングコート法の塗工装置を示す模式図。 定着ベルトの形成工程を示す模式図。 押し出し方式で成形したフッ素樹脂チューブの配向方向を示す模式図。 (a)フッ素樹脂チューブの模式図、(b)一部を周方向に引き裂く模式図、(c)一部を長手方向に引き裂く模式図。 フッ素樹脂チューブを周方向及び長手方向に引き裂いた場合の、移動端の受ける力と移動量との関係を示す図。 (a)第1の実施形態の対象となる定着ベルトの模式図、(b)比較例の刻印を示す模式図、(c)第1の実施形態の刻印を示す模式図。 第1の実施形態の画像側凹部の(a)第1例を、(b)第2例を、(c)第3例を、(d)第4例を、(e)第5例を、それぞれ示す模式図、(f)(e)のA部を拡大して示す模式図。 (a)第2の実施形態の対象となる定着ベルトの模式図、(b)第2の実施形態の定着ベルトの寄り制御を説明する模式図。
<第1の実施形態>
第1の実施形態について、図1ないし図11を用いて説明する。まず、本実施形態の画像形成装置の概略構成について、図1を用いて説明する。
[画像形成装置]
画像形成装置100は、像担持体としての感光ドラム(感光体)101を有し、感光ドラム101は、矢印の方向に所定のプロセス速度(周速度)で回転駆動される。感光ドラム101は、その回転過程で帯電装置としての帯電ローラ102により所定極性に表面が帯電処理される。次いで、その帯電処理された表面に、レーザ光学系により構成される露光装置110から出力されるレーザ光103により、入力された画像情報に基づき露光処理される。露光装置110は、不図示の画像読み取り装置やパーソナルコンピュータなどの外部端末からからの画像情報の各色に対応した画素信号に対応して変調(オン/オフ)したレーザ光103を出力する。そして、感光ドラム101の表面を走査露光する。その結果、この走査露光により感光ドラム101面には画像情報に対応した静電潜像が形成される。なお、露光装置110から出力されるレーザ光103は、偏向ミラー109により感光ドラム101の露光位置に偏向される。
そして、感光ドラム101上に形成された静電潜像は、現像装置104Yによりイエローのトナーにて、イエローのトナー像として可視像化される。このイエローのトナー像は、感光ドラム101と中間転写ドラム105との接触部である1次転写部T1において中間転写ドラム105面に転写される。なお、感光ドラム101面上に残留するトナーはクリーナ107によりクリーニングされる。
上記のような帯電・露光・現像・一次転写・清掃のプロセスサイクルが、マゼンタのトナー像、シアンのトナー像、ブラックのトナー像を形成する際にも、同様に繰り返される。即ち、マゼンタのトナー像を形成する場合には、現像装置104Mによりマゼンタのトナーにて、感光ドラム101上にマゼンタに対応して形成された静電潜像をマゼンタのトナー像として可視像化する。同様に、シアンのトナー像は、現像装置104Cにて、ブラックのトナー像は、現像装置104Kにて、それぞれ可視像化される。
このようにして中間転写ドラム105上に順次重ねて形成された各色のトナー像は、転写ローラ106との接触部である二次転写部T2において、記録材(用紙、OHPシートなどのシート材など)P上に一括して二次転写される。中間転写ドラム105上に残留するトナーはトナークリーナ108によりクリーニングされる。なお、このトナークリーナ108は、中間転写ドラム105に対し接離可能とされており、中間転写ドラム105をクリーニングする時に限り中間転写ドラム105に接触した状態となるように構成されている。また、転写ローラ106も、中間転写ドラム105に対し接離可能とされており、二次転写時に限り中間転写ドラム105に接触した状態となるように構成されている。二次転写部T2を通過した記録材Pは、加熱装置としての定着装置200に導入され、その上に担持した未定着トナー像の定着処理(画像加熱処理)を受ける。そして、定着処理を受けた記録材Pは、機外に排出されて、一連の画像形成動作が終了する。
[定着装置]
次に、定着装置200の概略構成について、図2を用いて説明する。定着装置200は、加熱部材としての定着ベルト201、ニップ形成部材としての加圧ローラ206などを有する。そして、定着ベルト201と加圧ローラ206との間で、上述のように定着装置200に導入される記録材Pを挟持搬送する定着ニップ部Nを形成する。定着ベルト201は、詳しくは後述するように、シリコーンゴム弾性層などを備えた無端状のベルトであり、表面(外面)に記録材が接触して回転する回転部材である。
定着ベルト201の内側には、定着ヒータ202、ヒータホルダ204、定着ベルトステイ205などが配置されている。定着ヒータ202は、定着ベルト201を加圧ローラ206に向けて押圧すると共に定着ベルト201を加熱する加熱源であり、例えばセラミックヒータにより構成されている。例えば、定着ヒータ202は、アルミナの基板と、この上に、銀・パラジウム合金を含んだ導電ペーストをスクリーン印刷法によって均一な10μm程度の厚さの膜状に塗布された抵抗発熱体とを有している。更にこの上に、耐圧ガラスによるガラスコートを施した、セラミックヒータとしている。そして、定着ヒータ202は、通電されることで発熱する。
このような定着ヒータ202は、定着ベルト201の長手方向(定着ベルト201の表面に沿った方向で、且つ、回転方向に直交する直交方向)に沿って配置され、定着ベルト201の内面とその加熱面が摺動可能な構成とされている。なお、定着ベルト201の内面には、後述する半固形状潤滑剤が塗布され、定着ヒータ202及びヒータホルダ204との摺動性を確保している。
ヒータホルダ204は、耐熱性の高い、例えば液晶ポリマー樹脂で、定着ベルト201の長手方向に長く形成されており、定着ヒータ202を保持すると共に定着ベルト201を記録材Pと分離させるための形状にする役割を果たしている。即ち、ヒータホルダ204の加圧ローラ206側の面に定着ヒータ202を固定している。また、ヒータホルダ204の長手方向両端部には、それぞれ円筒状の支持部が一体に設けられており、定着ベルト201の長手方向両端部を、それぞれ支持部に若干の自由度を持って外嵌している。これにより、定着ベルト201を回転自在に支持すると共に、定着ベルト201を略円筒状として、その曲率により記録材Pを分離し易くしている。
定着ベルトステイ205は、ヒータホルダ204の定着ヒータ202と反対側に定着ベルト201の長手方向に沿って配置され、その両端部が不図示の加圧機構により加圧ローラ206に向けて付勢されている。例えば、その一端側が156.8N(16kgf)、総圧313.6N(32kgf)の力で加圧ローラ206に向けて付勢されている。そして、ヒータホルダ204を介して定着ヒータ202の加熱面を、定着ベルト201を介して、次述する加圧ローラ206に所定の押圧力をもって圧接させている。これにより、加圧ローラ206が弾性変形して、定着ベルト201と加圧ローラ206との間に、定着に必要な所定幅の定着ニップ部Nが形成される。
加圧ローラ206は、金属製の芯金上に、例えば厚み約3mmのシリコーンゴム弾性層、更に、例えば厚み約40μmのPFA樹脂チューブが順に積層された多層構造の弾性ローラである。なお、PFAは、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体である。加圧ローラ206は、その回転軸線方向(長手方向)が、定着ベルト201の長手方向と略平行となるように配置され、芯金の長手方向両端部が定着装置200のフレーム13の不図示の奥側と手前側の側板間に回転可能に軸受保持されている。そして、加圧ローラ206は、不図示の駆動源であるモータにより、矢印の方向に所定の周速度で回転駆動される。これと圧接された関係にある定着ベルト201は、加圧ローラ206によって従動し所定の速度で回転する。このとき、定着ベルト201は、内面が定着ヒータ202の加熱面に密着して摺動しながら、ヒータホルダ204に案内されることで、矢印の方向に従動回転する。
また、定着ヒータ202の裏面(加熱面とは反対側の面)には、サーミスタ203が設置され、定着ヒータ202の温度を検知している。サーミスタ203は、定着ヒータ2の裏面に接触するように配置され、A/Dコンバータ209を介して制御手段としての制御回路部(CPU)210に接続されている。
この制御回路部210は、サーミスタ203からの出力を所定の周期でサンプリングしており、このように得られた温度情報を、定着ヒータ202の温度制御に反映させるようにしている。つまり、制御回路部210は、サーミスタ203の出力をもとに、定着ヒータ202の温調制御内容を決定する。そして、ヒータ駆動回路部211によって、定着ヒータ202の温度が目標温度(設定温度)となるように定着ヒータ202への通電を制御している。また、制御回路部210は、加圧ローラ206を駆動するモータとA/Dコンバータ9を介して接続されており、加圧ローラ206の駆動も制御している。
このように構成される定着装置200は、上述のように、定着ベルト201と加圧ローラ206との間で定着ニップ部Nを形成している。図2に示すように、トナー像tが載った記録材Pが矢印方向に搬送されると、搬送ガイド207によって記録材Pが定着ニップ部Nに案内される。そして、記録材Pが定着ニップ部Nで挟持搬送される際に、記録材Pのトナー像tが載った面が定着ベルト201に接触し、加熱・加圧されることで、トナー像tが記録材Pに定着される。その後、記録材Pは、排出ローラ208により定着装置200の外に搬送される。
[定着ベルトの構成]
次に、定着ベルト201の構成について、図3を用いて詳しく説明する。定着ベルト201は、図3(a)に示すように、基部201Aと、基部201Aの表面(外周面)に設けられた表面層201Bとを備える。基部201Aは、無端状に形成された基体201aと、摺動層201bと、プライマー層201cと、弾性層201dと、接着剤層201eとで構成される。摺動層201bは、基体201aの内周面に形成される。ここで、摺動層201bは、押圧部材としての定着ヒータ202との摺動性を向上させるために設けており、摺動性を特に向上させる必要がない場合には、省略しても良い。弾性層201dは、プライマー層201cを介して基体201aの外周面を被覆したシリコーンゴム製の弾性層である。
表面層201Bは、フッ素樹脂製の離型層(フッ素樹脂層)であり、弾性層201dの外周面に接着剤層201eを介して設けられている。本実施形態の場合、図3(b)に示すように、定着ベルト201の端部の非画像範囲に対応する表面層201Bの表面には、レーザマーキング処理により情報300が形成されている。情報300は、レーザの熱により表面層201Bの一部を溶かすことで表面層201Bの表面に凹凸を付けることで表示される。このため、図3(a)に誇張して示すように、表面層201Bの表面の情報300の部分には、この情報300に対応した凹部301が形成される。図示の例では、数字の情報を示しているが、数字以外にも、アルファベットなどの文字や図形などの他の情報を、単独あるいは組み合わせて記載する場合もある。このような情報としては、例えば、製造日、製造ロット番号や加工の向きなどが挙げられる。
ここで、定着ベルト201の非画像範囲について、図4を用いて説明する。まず、その画像形成装置で画像形成可能な最大幅の記録材Pの余白を最小とした場合にトナー像を形成可能な領域を最大領域TLとする。なお、記録材の幅は、定着ベルト201の長手方向の幅である。そして、この最大領域(画像形成可能な領域)に対応した定着ベルト201の範囲を画像範囲Biとした場合に、この画像範囲Biから外れた範囲を非画像範囲Boとする。言い換えれば、非画像範囲Boとは、最大幅の記録材Pの最大領域TL全体にトナー像を形成して定着装置200に導入したとしても、定着ベルト201の表面のうちのトナー像が接触しない範囲である。即ち、非画像範囲は、表面層201Bの表面のうち、定着ベルト201の回転方向に直交する直交方向(長手方向)に関して、表面に接触し得る最大サイズの記録材の最大領域に形成された画像から端部側に外れた範囲である。本実施形態では、定着ベルト201の長手方向両端部にそれぞれ非画像範囲Boが存在する。そして、表面層201Bの表面で、この非画像範囲Boの範囲内に、上述した情報300を表示するための凹部301が形成されている。
次に、上述のような定着ベルト201の、基体201a、摺動層201b、弾性層201d、接着剤層201e、表面層201Bについて、より詳しく説明する。
[基体]
基体201aは、定着ベルト201に耐熱性が要求されるため、耐熱、耐屈曲性に配慮されたもので、金属基体や耐熱性樹脂基体などを用いるのが好ましい。例えば、金属基体としては、特開2002−258648号公報、国際公開第05/054960号、特開2005―121825号公報などに記載されているように、ニッケル電鋳などを用いることができる。耐熱性樹脂基体としては、特開2005―300915号公報、特開2010−134094号公報などに記載されているように、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂などを用いることができる。本実施形態では、国際公開第05/054960号で開示されているような、ニッケル−鉄合金からなる内径φ30mm、厚み40μm、長さ400mmの無端状の基体を用いた。
[摺動層]
摺動層201bは、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂のような高耐久性、高耐熱性を持つ樹脂が適している。特に、制作の容易さ、耐熱性、弾性率、強度等の面から、ポリイミド樹脂が好ましい。ポリイミド樹脂により摺動層201bを形成する場合、例えば、次のように行う。芳香族テトラカルボン酸二無水物或いはその誘導体と、芳香族ジアミンとの略等モルを有機極性溶媒中で反応させて得られるポリイミド前駆体溶液を、上述の基体201aの内面に塗工、乾燥、加熱し、脱水閉環反応させる。これにより、基体201aの内面にポリイミド樹脂製の摺動層201bを形成することができる。
具体的に説明する。塗工方法は、例えば、リングコート法等の方法を使用可能であり、塗工後は、内面塗工された基体201aを、例えば60℃の熱風循環炉に30min放置乾燥する。その後、基体201aの疲労強度を下げない温度範囲である200℃〜240℃の熱風循環炉内に10〜60min放置焼成することにより、脱水閉環反応によりポリイミド樹脂製の摺動層201bを形成することができる。
[弾性層]
弾性層201dは、定着ニップ部Nでトナー像を記録材に定着する時に、トナーを必要以上に押しつぶさず、記録材が紙である場合に紙の繊維の凹凸に追従する柔軟性を有する弾性を定着ベルト201に持たせる層として機能する。また、定着ベルト201の機能としては、定着ニップ部Nにおいて短時間で、記録材に対しトナーを溶融するだけの十分な熱量を供給することも求められている。定着ベルト201の熱供給能力は、特開2014−142611号公報に記載されているように、弾性層の熱浸透率(b=(λ・Cp・ρ)0.5)、即ち熱伝導率と体積熱容量を高く設計することで向上させることができる。このような柔軟性と熱供給能力を発現させる弾性層としては、特開2014−142611号公報に記載されているように、付加硬化型シリコーンゴムのベース材に、炭素繊維と無機フィラーを配合させ硬化させたシリコーンゴム弾性層が知られている。
ベース材である付加硬化型シリコーンゴムは、一般に不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンと、ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサン、および架橋触媒として白金化合物が含まれている。ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサンは白金化合物の触媒作用により、不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサン成分のアルケニル基との反応によって架橋構造を形成させる。
炭素繊維と無機フィラーは、熱伝導率、熱容量、柔軟性、などのバランスを取って配合される。一般に無機フィラーを配合するほど、熱伝導率、熱容量は向上するものの、柔軟性が低下する傾向がある。このため、柔軟性を失わないために炭素繊維で無機フィラーの間に伝熱パスを形成する。これにより、炭素繊維と無機フィラーの総量に対するベース剤の比率を多くすることができるため、柔軟性とのバランスをとることができる。炭素繊維の具体例としては、カーボンファイバー、カーボンナノチューブなどが挙げられる。
無機フィラーの具体例としては、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si3N4)、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)、アルミナ(Al)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化マグネシウム(MgO)、シリカ(SiO)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)などが挙げられる。
無機フィラーは、単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。無機フィラーの平均粒径は取り扱い上、および分散性の観点から1μm以上50μm以下が好ましい。また、形状は球状、粉砕状、板状、ウィスカー状などが用いられるが、分散性の観点から球状のものが好ましい。
定着ベルトの表面硬度への寄与、及び定着時の未定着トナーへの熱伝導の効率から、弾性層201dの厚みの好ましい範囲は100μm以上500μm以下、特には200μm以上400μm以下が好ましい。
弾性層201dの加工方法としては、金型成型法や、ブレードコート法、ノズルコート法、リングコート法等の加工方法が、特開2001−62380号公報や特開2002−213432号公報等において広く知られている。
図5は、基体201a上にシリコーンゴムの弾性層201dを形成する工程の一例であり、所謂リングコート法を用いる方法を説明するための塗工装置400の模式図である。付加硬化型シリコーンゴムとフィラーとが配合された付加硬化型シリコーンゴム組成物を、シリンダーポンプ401に充填し、圧送することで塗工ヘッド402の内側に配置する塗工液供給ノズル(不図示)から基体201aの周面に塗工する。ここで基体201aは、内部に挿入された円筒状の芯金と一体化している。塗工と同時に基体201aを図面右方向に一定速度で移動させることで、付加硬化型シリコーンゴム組成物の塗膜を基体201aの周面に形成する。
塗膜の厚みは、塗工液供給ノズルと基体201aとのクリアランス、シリコーンゴム組成物の供給速度、基体201aの移動速度などによって制御することができる。本実施形態では、塗工液供給ノズルと基体201aとのクリアランスを400μm、シリコーンゴム組成物の供給速度を2.8mm/s、基体201aの移動速度を30mm/sとし、300μmのシリコーンゴム組成物層403を得た。基体201a上に形成された付加硬化型のシリコーンゴム組成物層403は、電気炉などの加熱装置によって一定時間加熱して、架橋反応を進行させることにより、シリコーンゴムの弾性層201dとすることができる。
また、基体201aと弾性層201dの接着性向上のため、基体201aには、予めプライマー処理されていることが望ましく、本実施形態では、基体201aの表面にプライマー層201cを形成している。プライマー層201cとしては、シリコーンゴムの弾性層201dに比べて基体201aとの濡れ性が良いことが求められる。このようなプライマーとしては、例えば、ヒドロシリル系(SiH系)シリコーンプライマー、ビニル系シリコーンプライマー、アルコキシ系シリコーンプライマーなどが挙げられる。また、プライマー層201cの厚みとしては、ムラを少なくしつつ、接着性能を発揮する程度の量が良く、0.5〜5.0μm程度が望ましい。
[接着剤層]
接着剤層201eは、弾性層201dである硬化シリコーンゴム弾性層上にフッ素チューブを固定するものである。このような接着剤層201eは、弾性層201dの表面に1〜10μmの厚みで均一に塗布した付加硬化型シリコーンゴム接着剤の硬化物からなっている。そして、付加硬化型シリコーンゴム接着剤は、自己接着成分が配合された付加硬化型シリコーンゴムを含む。
具体的には、付加硬化型シリコーンゴム接着剤は、ビニル基に代表される不飽和炭化水素基を有するオルガノポリシロキサンと、ハイドロジェンオルガノポリシロキサンおよび架橋触媒としての白金化合物を含有する。そして、付加反応により硬化する。このような接着剤としては、既知のものを使用することができる。例えば、付加硬化型シリコーンゴム接着剤『DOW CORNING(R) SE 1819 CV A/B(東レ・ダウコーニング株式会社製)』などが挙げられる。
[表面層]
表面層201Bの形成には、例えば、以下に例示列挙する樹脂をチューブ状に成形したものが用いられる。テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などである。
また、表面層201Bは、カーボン(例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブなど)などの導電性部材を付与している。単位質量あたりおけるカーボンの付与率が5wt%以上10wt%以下であることが望ましい。本実施形態の表面層201Bはカーボンの付与率が8wt%である。これは、記録材やトナーが電気的に定着ベルト201に吸着しないように、表面層201Bをアースに落とすためである。このため、表面層201Bは非透明(光の透過率が50%以下、より正確には10%以下)である。本実施形態の場合、表面層201Bは、表面抵抗率が1012Ω/□以下となるようにしている。
表面層201Bを形成する樹脂として、上記例示列挙した材料中、成形性やトナー離型性の観点からPFAが好ましい。本実施形態では表面層201Bとして厚み40μmのPFAチューブを用いた。表面層201Bの厚みは、10μm以上50μm以下とすることが好ましい。積層した際に下層のシリコーンゴムの弾性層201dの弾性を維持し、定着ベルト201としての表面硬度が高くなりすぎることを抑制できるからである。フッ素樹脂チューブの内面は、予め、ナトリウム処理やエキシマレーザ処理、アンモニア処理等を施すことで、接着性を向上させることができる。本実施形態のフッ素樹脂チューブは、溶融したPFAのペレットを円筒状の型から押出して、円周方向に合わせ目の無いシームレスなチューブとして押し出すことで成形した。
そして、前述した弾性層201d上の表面に、上述した付加硬化型シリコーンゴム接着剤を塗布して接着剤層201eとし、この表面に、フッ素樹脂チューブを被覆し、積層させる。被覆方法は特に限定されないが、付加型シリコーンゴム接着剤を潤滑材として被覆する方法や、フッ素樹脂チューブを外側から拡張し、被覆する方法(拡張被覆法)などを用いることができる。本実施形態では、フッ素樹脂チューブを外側から拡張し、被覆する方法(拡張被覆法)を用いた。
図6は、拡張被覆法で、表面層201Bとなるフッ素樹脂チューブを弾性層201dが積層された基体201aに被覆する時の工程から定着ベルト201とする工程までの概略図で、この工程を(1)から(9)まで順に示したものである。拡張被覆法では、中子(不図示)に弾性層201dの積層された基体201aをセットし、チューブ拡張型500の内面に配置したフッ素樹脂チューブ501を被覆する。以下、本実施形態の定着ベルト201の製造方法について、具体的に説明する。
図6の左端部の(1)の工程で示すように、弾性層201dの積層された基体201aの外径より大きな内径を有する金属製のチューブ拡張型500にフッ素樹脂チューブ501を配置する。そして、フッ素樹脂チューブ501の両端を保持部材502、503で保持する。
次に、(2)の工程で示すように、フッ素樹脂チューブ501の外面とチューブ拡張型500の内面の隙間部分を真空状態(大気圧に対して負圧)にする。真空(5kPa)になったことでフッ素樹脂チューブ501が拡張(拡径)し、フッ素樹脂チューブ501の外面とチューブ拡張型500の内面とが密着する。
次に、(3)の工程で示すように、拡張したフッ素樹脂チューブ501内に弾性層201dが積層された基体201aを挿入する。図6の上段に示すように、弾性層201dの表面には予め、接着剤層201eとなる付加硬化型シリコーンゴム接着剤が均一に塗布されている。なお、チューブ拡張型500の内径は、このような基体201aのフッ素樹脂チューブ501内への挿入がスムーズに行われる範囲であれば特に限定するものではない。
次に、(4)の工程で示すように、基体201aを拡張したフッ素樹脂チューブ501内に配置後、フッ素樹脂チューブ501の外面とチューブ拡張型500の内面の隙間部分の真空状態を破壊(大気圧に対して負圧を解除)する。真空が破壊されることで、フッ素樹脂チューブ501は、弾性層201dが積層された基体201aの外径と同じ大きさまで拡径が解かれ、フッ素樹脂チューブ501の内面と弾性層501dの外面とが密着された状態になる。
次に、(5)の工程で示すように、フッ素樹脂チューブ501の両端から保持部材502、503を外し、フッ素樹脂チューブ501を長手方向に所定の伸張率まで伸張させる。フッ素樹脂チューブ501が伸張される際、フッ素樹脂チューブ501と弾性層501dの間にある付加硬化型シリコーンゴム接着剤が潤滑剤の役目を果たし、スムーズに伸張することができる。
本実施形態では、フッ素樹脂チューブ501の長手方向の伸張率は、上述の(4)の工程で示した弾性層501dに被せた状態のフッ素樹脂チューブ501の全長を基準として、8%とした。フッ素樹脂チューブ501を長手方向に伸張することで、フッ素樹脂チューブ501に皺が発生しにくくなり、耐久性に優れた定着ベルトを得られる。
次に、(6)の工程で示すように、チューブ拡張型500を外し、フッ素樹脂チューブ501の伸張を維持するため、フッ素樹脂チューブ501の両端部寄りの外側からヒータを内蔵した金属塊504で押圧加熱することで仮固定する。即ち、フッ素樹脂チューブ501は長手方向に8%伸張して弾性層201dの積層された基体201aを被覆しているため、フッ素樹脂チューブ501には元の長さに戻ろうとする力が働いている。そこで、フッ素樹脂チューブ501を金属塊504などで押圧加熱して、伸張した状態で仮固定している。押圧加熱時の金属塊504の温度は200℃、押圧加熱時間は20秒とした。
次に、(7)の工程で示すように、扱き部材505によりフッ素樹脂チューブ501を扱き、弾性層201dとフッ素樹脂チューブ501との間から、余剰の付加硬化型シリコーンゴム接着剤を扱き出すことで除去する。
次に、(8)の工程で示すように、上述のようにフッ素樹脂チューブ501を被覆した基体201aを電気炉506にて所定の時間加熱する。これにより、付加硬化型シリコーンゴム接着剤を硬化させて接着剤層201eとし、基体201aに弾性層201dや表面層201Bが積層される。即ち、基体201aと、摺動層201bと、プライマー層201cと、弾性層201dと、接着剤層201eとで構成される基部201Aの表面に、フッ素樹脂チューブ501を接着して表面層201Bとする。
そして、(9)の工程で示すように、弾性層201dや表面層201Bが積層された基体201aの両端部を所望の長さに切断し、更に、上述した非画像範囲にレーザマーキング処理を施して情報300を表示させることで、定着ベルト201を得る。即ち、表面層201Bの表面の非画像範囲に、以下に説明するような、情報300を表示するための凹部301を形成する。
[レーザマーキング処理]
次に、上述のような定着ベルト201に情報300を表示させるレーザマーキング処理について説明する。前述したように、製造ロット番号や加工向きなどの情報300を付与(刻印)するために、定着ベルト201の表面層201Bの表面にレーザマーキング処理を行う。レーザマーキング処理は、刃物などにより刻印する場合と比べて、摩耗・劣化といった消耗部品の交換が不要であるため、生産性に優れている。また接触せず加工するため加工時に加工材が応力・圧力により変形しにくいため、表面層201Bであるシリコーンゴムに対しても加工精度がよい。
マーキングに使用するレーザとしては、YAGレーザ、YAVOレーザ、COレーザなどの既知のものを利用することができる。本実施形態ではレーザマーカーとして、ML−G9300(キーエンス社製)を用いた。表面層201Bにレーザ照射により形成する凹部301の深さは、視認性を考慮すると20μm以上が望ましく、強度の観点ではなるべく浅くする方が良い。本実施形態では、波長10.6μm、出力4W、発信周波数25kHzのCOレーザを表面層201Bに連続的に照射することで、凹部301(図3(a))を形成した。凹部301には、文字や図形などによって情報300が表示される。
本実施形態では、情報300の表示に用いるフォントとしてキーエンスオリジナル(標準)を用いた。詳細は後述するが他のフォントを用いてもよい。フォントの幅及び高さは1mm以上10mm以下であること好ましい。本実施形態では、フォントサイズを3×3mmとした。
凹部301の深さは、視認性を考慮すると深いことが望ましいが、表面層201Bの強度の観点ではなるべく浅くする方が良い。そのため、表面層201Bの強度を考慮すると、凹部301の深さは表面層201Bの厚みに対して50%以下であることが望ましい。あるいは、凹部301における表面層の厚さが少なくとも10μm以上残るように構成するとよい。視認性を考慮すると、凹部301の深さは表面層201Bの厚みに対して10%以上であることが望ましい。あるいは、凹部301の深さが少なくとも5μm以上であることが望ましい。より望ましくは8μm以上15μm以下である。本実施形態では凹部301の深さを10μmとした。また、本実施形態の凹部301の線幅は100μmである。視認性を考慮すると、線幅は10μm以上200μm以下であることが望ましい。
[フッ素樹脂チューブの配向性]
ここで、上述のように情報300が形成される表面層201Bとなるフッ素樹脂チューブの配向性について説明する。前述したように、フッ素樹脂チューブは、溶融したPFAのペレットを円筒状の型から押出して、円周方向に合わせ目の無いシームレスなチューブとして押し出すことで成形する。このような方法でフッ素樹脂チューブ501を成形すると、図7に示すように、PFA樹脂の主鎖mは押出方向に配向する傾向がある。この押し出し方向は、定着ベルト201の長手方向となる。押出方向の配向度が50以上100以下であると表面層201Bは長手方向に裂けやすい。このため、このように形成される表面層201Bは、押出方向、即ち、長手方向に裂け易くなる。なお、本実施例のフッ素樹脂チューブは不透明であるため配向度を直接確認すること困難である。しかしながら、押し出し成型時の押出し速度などから配向度を推測することができる。
これを確認するために行った実験について、図8及び図9を用いて説明する。まず、図8(a)に示すように、PFAを押出成型することで、厚み40μmのフッ素樹脂チューブ501を形成し、フッ素樹脂チューブ501の一部を周方向と長手方向でそれぞれ略長方形に切り取りサンプリングする。周方向に長いサンプリングをα、長手方向に長いサンプリングをβとし、サンプリングαを図8(b)に、サンプリングβを図8(c)に示す。そして、図8(b)に示すように、サンプリングαの周方向の一部に切れ目を入れて、切れ目を挟んで片側の端部を固定し、他側の端部を周方向に移動させた。同様に、図8(c)に示すように、サンプリングβの長手方向の一部に切れ目を入れて、切れ目を挟んで片側の端部を固定し、他側の端部を長手方向に移動させた。この結果を図9に示す。
図9は、サンプリングα、βをそれぞれ引き裂いた場合の固定端側で測定した加重の推移で、図9の横軸は移動端の移動量を示している。横軸の領域Aでサンプリングα、βのたるみが解消され、領域Bでサンプリングα、βは裂けない状態で伸びが発生し、領域Cではサンプリングα、βが連続して避け続ける状態となっている。領域Cの一定の力で裂けが進行していく状態をPFAの裂け強度と定義すると、配向したPFAの配向方向(長手方向)の裂け強度は、周方向の裂け強度に比べて約3分の1しかないことがわかる。以上より、フッ素樹脂チューブ501に裂けが生じる力は、配向方向(長手方向)に切れ目を入れた場合に弱い性質を有する。即ち、表面層201Bとなるフッ素樹脂チューブ501は、長手方向に裂け易い。このため、表面層201Bに長手方向と平行にレーザにより凹部を形成した場合、この凹部に沿って表面層201Bが裂け易くなる。このように、PFAの配向方向(長手方向)の裂け強度が周方向の裂け強度に比べて低い場合、すなわち、PFAの配向方向(長手方向)の裂け強度に対する周方向の裂け強度の比が1未満である場合は、本実施例のようにレーザマーキングをすることが望ましい。特に、PFAの配向方向(長手方向)の裂け強度に対する周方向の裂け強度に比が0.5以下である場合は、本実施例のようにレーザマーキングをすることが望ましい。
[画像側凹部]
そこで、本実施形態の場合、図10(a)に示すように、表面層201Bの表面の非画像範囲内で、情報300の凹部301(図3(a))の画像範囲側に定着ベルト201の回転方向に沿った画像側凹部303を形成している。より具体的に説明する。図10(a)に示すように、表面層201Bの表面の非画像範囲内である定着ベルト201の端部に、情報300を表示するための凹部301を、レーザマーキング処理により形成している。なお、以下では、説明の便宜上、情報300を「1234567890AMW」としているが、情報300は、勿論、これに限るものではない。また、本実施形態では、情報300は、所定方向に並べられた複数の文字又は図形(図示の例では文字のみ)の情報である。
ここで、図10(b)に示すように、情報300を構成する文字「1」、「4」、「M」には、長手方向に沿った凹部301が形成され得る。即ち、文字「1」、「4」、「M」には、長手方向と平行となる方向において1mm以上連続する直線部が含まれる。あるいは、長手方向と平行となる方向においてフォント高さの3分の1以上の長さで連続する直線部が含まれる。このため、長手方向と平行な直線部の凹部301に沿って、裂け302が生じ易くなる。そこで、本実施形態では、情報300と画像範囲との間に、周方向(定着ベルト201の回転方向)に沿った画像側凹部303を、レーザマーキング処理により形成している。
画像側凹部303は、定着ベルト201の回転方向に対する角度が、±10°以下で傾斜した直線部、又は、直線部を複数組み合わせた情報300の凹部301とは異なる凹部である。特に本実施形態では、図10(c)に示すように、画像側凹部303を定着ベルト201の回転方向と平行に形成し、少なくとも回転方向の長さが、凹部301の回転方向の長さ以上としている。図示の例では、情報300が形成される範囲の回転方向長さと、画像側凹部303の回転方向の長さとをほぼ一致させている。また、画像側凹部303は、定着ベルト201の回転方向に関して1周するように形成しても良い。この際、画像側凹部303の回転方向に対する角度は、1周しても画像範囲に到達しない角度とする。
なお、図10(c)の上側は、図10(a)に示す定着ベルト201の長手方向一端側(上側)に情報300が形成された場合を示す。また、図10(c)の下側は、図10(a)に示す定着ベルト201の長手方向他端側(下側)に情報300が形成された場合を示す。ここで、何れの場合も、情報300は、図10(b)に示したように形成されている。このため、文字「1」、「4」、「M」で、長手方向と平行となる方向の直線部の凹部が生じる。
即ち、本実施形態では、情報300を表示するための凹部301は、長手方向に対する角度が、±10°よりも小さい直線部を有する。このため、画像側凹部303は、以下の条件を満たすように形成することが好ましい。即ち、表面層201Bの表面の非画像範囲内で、この直線部の画像範囲側の端部から長手方向に画像範囲側に延出した仮想線と交差するように、情報300の凹部301とは異なる画像側凹部303を形成することが好ましい。
画像側凹部303は、このような条件を満たせば、定着ベルト201の回転方向と平行であっても、回転方向に対して傾斜していても良い。また、直線状に形成しても良いし、湾曲させたり、波状としたりしても良い。但し、画像側凹部303に、長手方向に対する角度が、±10°よりも小さい直線部が含まれないようにすることが好ましい。即ち、画像側凹部303は、長手方向に対する角度が、±10°よりも小さい直線部を持たないように形成されていることが好ましい。
このように、情報300と画像範囲との間に画像側凹部303を形成することで、情報300に長手方向に対する角度が、±10°よりも小さい直線部の凹部が含まれていても、裂けが画像範囲まで達することを抑制できる。即ち、この凹部に沿って裂けが生じても、この裂けが画像側凹部303で止まるため、この裂けが画像範囲まで達することを抑制できる。この結果、裂けによる画像不良の発生を抑制して、高品位な画像を長期に亙って形成可能となる。
このような画像側凹部303は、情報300の周方向全体と画像範囲との間に形成しても良いが、情報300の一部と画像範囲との間に形成しても良い。上述したように、情報300には、長手方向と平行となる方向の直線部の凹部を含む文字「1」、「4」、「M」が形成されている。上述の裂けは、この直線部の凹部に沿って発生し易いので、少なくともこの直線部の延長線上に画像側凹部303が形成されていれば、裂けが画像範囲まで達することを抑制できる。このため、画像側凹部303は、少なくとも回転方向の長さが、この直線部の回転方向の長さよりも長くなるように形成する。例えば、「1」、「4」、「M」と画像範囲との間にのみ、それぞれ画像側凹部303を形成する。
また、画像側凹部303は、定着ベルト201の回転方向に対する角度が、±10°以下で傾斜した直線部を複数組み合わせたものであっても良い。具体的には、図11(a)に示すように、回転方向に対する角度が、±10°以下で傾斜し、且つ、互いに傾斜角度が異なる直線部の凹部303aを複数繋ぎ合わせても良い。また、図11(b)に示すように、多数の直線部の凹部303aを繋ぎ合わせて、略曲線としても良い。
また、図11(c)に示すように、画像側凹部303の画像範囲と反対側に、別の凹部303bを設けても良い。また、図11(d)に示すように、画像側凹部303の一部が途切れていても良い。但し、この場合、前述の図10(b)に示したような、文字「1」、「4」、「M」に含まれる長手方向と平行となる方向の直線部の凹部の延長上には、画像側凹部303が存在するようにする。
更に、図11(e)に示すように、画像側凹部303に、長手方向に対する角度が±10°よりも小さいが、長手方向に裂けが生じにくい微小凹部303cが含まれていても良い。例えば、レーザにより表面層201Bの表面に形成された凹部は、長手方向への幅と回転方向への幅が等しい正方形もしくは円に近い形だと、長手方向には裂けにくい。ここで、図11(f)に示すように、画像側凹部303の定着ベルト201の長手方向の幅を凹幅L1とし、微小凹部303cの長手方向の長さをL2とする。この場合に、微小凹部303cは、長さL2が画像側凹部303の凹幅L1の2倍に満たないような(L2<2×L1)僅かな凹部であれば、画像側凹部303に含まれていても良い。なお、このような微小凹部303cは、長手方向の長さL2が短いため、特許請求の範囲に記載の、「直交方向(長手方向)に対する角度が±10°よりも小さい直線部」に含まれるものではない。
このような本実施形態の構成によれば、情報300を表示するための凹部301を表面層201Bに形成しても、画像範囲まで裂けが達しにくい。即ち、情報300と画像範囲との間に画像側凹部303を形成しているため、情報300に長手方向に対する角度が、±10°よりも小さい直線部の凹部が含まれていても、裂けが画像範囲まで達することを抑制できる。この結果、裂けによる画像不良の発生を抑制して、高品位な画像を長期に亙って形成可能となる。
ここで、前述した特許文献2に記載された構成のように、弾性層表面へのロット番号等のマーキング(情報を凹部により形成)を行った後、表面層を形成した場合、表面層が透明体であることが条件となる。但し、本実施形態のように、表面層にカーボン等を添加し導電性を付与した構成では、表面層が非透明になってしまい弾性層のマーキングを表面層を透過して視認することは難しい。これに対して本実施形態では、表面層201Bにマーキングを行っているため、表面層201Bが非透明であっても、マーキングを視認することができ、しかも、上述のように、マーキングに裂けが生じにくい。
また、本実施形態のように、表面層201Bに導電性を付与するためのカーボン等の導電性部材を添加した場合、表面層201Bの強度が低下する場合がある。但し、本実施形態のように、凹部301を形成すれば、表面層201Bの強度が低下しても、裂けが生じにくくできる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態について、図12を用いて説明する。上述の第1の実施形態では、情報300の画像範囲側に画像側凹部303を形成した。但し、定着ベルトを複数の張架ローラに掛け渡して回転駆動する構成も従来から知られている。このような構成の場合、張架ローラのアライメントなどの影響により、定着ベルトが回転方向と直交する幅方向(長手方向、直交方向)に移動する「寄り」が発生する。このため、従来から、定着ベルトの幅方向端部の位置をセンサで検知し、定着ベルトの寄りを制御する構成が知られている。
具体的には、本実施形態の場合、回転部材及び加熱部材である定着ベルト220は、図12(a)に示すように形成され、表面に、上述の第1の実施形態と同様に、表面層201Bを有する。そして、このような定着ベルト220を定着装置に組み込む場合、図12(b)に示すように、張架ローラ221、222により定着ベルト220を張架する。ここで、張架ローラ221、222の何れか一方が、傾斜することで定着ベルト220の寄りを制御するステアリングローラである。また、定着ベルト220の幅方向両端部と対向する位置には、それぞれ接触式のセンサ223、224を配置している。
定着ベルト220の寄りを制御する場合には、センサ223、224のうち、幅方向一方のセンサが定着ベルト220の幅方向端部に接触した場合に、定着ベルト220を幅方向他方に移動させるように、ステアリングローラを傾動させる。これを繰り返すことで、定着ベルト220が寄り制御される。
ここで、このように定着ベルト220の幅方向端部にセンサ223、224が接触する構成の場合、定着ベルト220の幅方向端部に負荷がかかる。このため、定着ベルト220の幅方向端部に上述のような情報300が形成され、しかも、情報300に幅方向と平行な直線部の凹部が含まれる場合、この直線部の凹部に裂けが生じて、幅方向端部までこの裂けが達する可能性がある。定着ベルト220の幅方向端部に裂けが生じると、センサ223、224による検知を正確に行えない。
そこで、本実施形態では、図12(a)に示すように、非画像範囲内の情報300よりも定着ベルト220の幅方向端部側に、定着ベルト220の回転方向に沿った端部側凹部304を、レーザマーキング処理により形成している。端部側凹部304は、定着ベルト220の回転方向に対する角度が、±10°以下で傾斜した直線部、又は、直線部を複数組み合わせた情報300の凹部とは異なる凹部である。また、端部側凹部304は、幅方向に対する角度が、±10°よりも小さい直線部を持たないようにすることが好ましい。更に、端部側凹部304は、定着ベルト220の回転方向に関して1周するように形成しても良い。この際、端部側凹部304の回転方向に対する角度は、1周しても画像範囲に到達しない角度とする。このような端部側凹部304は、上述の第1の実施形態で説明した画像側凹部303と同様に、例えば、図10(a)〜(e)に列挙したように形成できる。
また、情報300に幅方向と平行な直線部の凹部を含む場合、端部側凹部304は、上述の画像側凹部303と同様に、長手方向に関して少なくともこの直線部のベルトの端部側に形成されていれば良い。例えば、前述の図10(b)に示したように、文字「1」、「4」、「M」で、長手方向と平行となる方向の直線部の凹部がある場合、「1」、「4」、「M」とベルトの端部との間にのみ、端部側凹部304を形成しても良い。
このような本実施形態の場合、情報300の画像範囲側に画像側凹部303を、ベルトの端部側には端部側凹部304をそれぞれ形成している。このため、仮に情報300の凹部に裂けが生じても、この裂けが端部側凹部304で止まり、定着ベルト220の端部に達することを抑制できる。また、この裂けが画像側範囲に生じても、この裂けが画像側凹部303で止まり、画像範囲まで達することを抑制できる。
[実施例]
上述の各実施形態のうち、第1の実施形態に対応する実施例1と、比較例とを用いて、第1の実施形態の効果を調べるために行った実験について説明する。なお、実施例1は第1の実施形態の図10(c)のように、比較例は図10(b)のように、それぞれ情報300を表面層の表面に形成した。
まず、本実験で使用する定着ベルト201について説明する。定着ベルト201を作成するために、ポリイミド前駆体溶液として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンからなるポリイミド前駆体のN−メチル−2−ピロリドン溶液を用意した。この前駆体溶液は上述のニッケル−鉄合金からなる内径φ30mm、厚み40μm、長さ400mmの基体201aの内面に塗工し、200℃で20分間焼成することで、イミド化させ、厚み20μmの摺動層201bを形成した。
基体201aの外面には、ヒドロシリル系のシリコーンプライマー(信越化学工業株式会社製、DY39−051 A/B)を塗工し、200℃にて5分間焼成した。そして、その外層に、300μm厚の付加硬化型シリコーンゴムを塗工し、200℃にて30分間焼成して、弾性層201dを形成した。この時、塗工した付加硬化型シリコーンゴムは、シリコーンゴム混和物を使用した。シリコーンゴム混和物は、次のように得られる。まず、市販の付加硬化型シリコーンゴム原液に対し、無機充填剤として高純度真球状アルミナを、硬化シリコーンゴム層を基準として体積比率で25%になるように配合する。その後さらに、気相成長法炭素繊維を体積比率で2.0%となるように加えて混練することで得られる。ここで、市販の付加硬化型シリコーンゴム原液は、「商品名:「SE1886」、東レ・ダウコーニング株式会社製の「A液」及び「B液」の等量混合液」を使用した。高純度真球状アルミナとしては、「商品名:「アルナビーズCB−A25BC」、昭和タイタニウム株式会社製」を使用した。気相成長法炭素繊維としては、「商品名:「VGCF−S」、昭和電工株式会社製」を使用した。
更に弾性層201dの外面に、付加硬化型シリコーンゴム接着剤(商品名:「SE1819CV」、東レ・ダウコーニング社製の「A液」及び「B液」を等量混合)を厚さがおよそ10μm程度になるように略均一に塗布した(接着剤層201e)。次いで、フッ素樹脂製の表面層201Bとして、長さ400mm、内径29mm、厚み40μm、のフッ素樹脂チューブを積層した。ここで用いたフッ素樹脂チューブは、原料にフッ素樹脂ペレット(商品名:「ネオフロンPFA AP230−AS」、ダイキン工業株式会社製)を用いて、押出成型法によって成形したものである。
その後、フッ素樹脂チューブの上からベルト表面を均一に扱くことにより、過剰の接着剤を弾性層201dとフッ素樹脂チューブの間から十分に薄くなるように扱き出した。そして、200℃に設定した電気炉にて1時間加熱することで接着剤を硬化させて当該フッ素樹脂チューブを弾性層201d上に接着固定し、表面層201Bを形成した。
このように得られた部材(エンドレスベルト)の両端部を切断し長さをそろえて定着ベルト201とした。その後、表面層201Bの非画像領範囲に情報300のロット刻印をするために、KEYENCE製のML−G9300を用いてレーザを照射し、深さ20μmの凹部を形成した。刻印した文字は、「0123456789AMW」とし、文字高さは3mmとし、各実施例1〜3及び比較例のように印字した。
次に、このように形成した実施例1及び比較例の定着ベルト201を、図2に示したような定着装置200に組み込み、以下の条件で動作させた。まず、定着ベルト201の温度を170℃とした。また、定着ベルト201を、加圧ローラ206に30kgfで加圧しながら、定回転速度250mm/secで回転させ続けた。回転に伴い、情報300が形成された刻印部は繰り返し伸び縮みするため一定以上回転すると端部から定着ベルト201の長手方向に裂けが進行してしまう。
このとき、刻印が5mm以上裂けて定着ベルト201の画像範囲まで進行したときを定着ベルト201の裂け寿命と定義する。画像形成装置の定着ベルト201の寿命としては、A4換算で300,000枚の通紙を想定している。即ち、記録材の搬送方向の長さが210mmのA4サイズの紙を使った場合に対応する通紙枚数300,000枚相当の時間、定着ベルト201を回転させた。なお、例えば記録材の搬送方向の長さが420mmのA3用紙のみを通紙した場合、半分の150,000枚でA4換算300,000枚の通紙に相当する。
そして、実施例1及び比較例で、A4換算300,000枚相当の回転時間だけ回した時の裂けの有無を評価した。結果を表1に示す。表1では、5枚印刷を繰り返した場合に、合計300,000枚以上で裂けによる画像不良が発生しなかった場合を「○」、5枚印刷を繰り返した場合に、合計300,000枚未満で裂けによる画像不良が発生した場合を「×」とした。
表1から明らかなように、比較例では、裂けによる画像不良が発生したが、実施例1の場合、裂けによる画像不良は発生しなかった。
<他の実施形態>
上述の各実施形態では、回転部材として定着ベルトを対象としたが、加圧ローラに情報をレーザなどにより形成する場合には、同様に、上述の各実施形態の構成を適用可能である。即ち、定着ベルトと加圧ローラとの少なくとも一方に、上述の各実施形態を適用可能である。また、回転部材は、定着ベルトや加圧ローラに限らず、従来から知られている定着ローラ、加圧ベルトなど、製造ロット番号などの情報が付与される回転部材であれば、適宜適用可能である。また、情報を形成する方法は、レーザマーキング処理に限らず、刃物などにより刻印する方法でも良い。
200・・・定着装置(加熱装置)/201・・・定着ベルト(回転部材、加熱部材)/201A・・・基部/201B・・・表面層/206・・・加圧ローラ(回転部材、ニップ形成部材)/220・・・定着ベルト(回転部材、加熱部材)/300・・・情報/301・・・凹部/303・・・画像側凹部/304・・・端部側凹部/Bi・・・画像範囲/Bo・・・非画像範囲

Claims (12)

  1. 表面に記録材が接して回転する回転部材であって、
    基部と、前記基部の表面に設けられた表面層と、を備え、
    前記表面層の表面で、画像形成可能な領域に対応する画像範囲から外れた非画像範囲内に、情報を表示するための凹部が形成されており、
    前記表面層の表面の前記非画像範囲内で、前記回転部材の表面に沿った方向で、且つ、回転方向に直交する直交方向に関して少なくとも前記情報の凹部の前記画像範囲側に、前記回転方向に対する角度が、±10°以下で傾斜した直線部、又は、前記直線部を複数組み合わせた前記情報の凹部とは異なる画像側凹部が形成されている、
    ことを特徴とする回転部材。
  2. 表面に記録材が接して回転する回転部材であって、
    基部と、前記基部の表面に設けられた表面層と、を備え、
    前記表面層の表面で、画像形成可能な領域に対応する画像範囲から外れた非画像範囲内に、情報を表示するための凹部が形成されており、
    前記表面層の表面の前記非画像範囲内で、前記回転部材の表面に沿った方向で、且つ、回転方向に直交する直交方向に関して少なくとも前記情報の凹部の前記画像範囲側に、前記直交方向に対する角度が、±10°よりも小さい直線部を持たないような前記情報の凹部とは異なる画像側凹部が形成されている、
    ことを特徴とする回転部材。
  3. 前記凹部は、前記直交方向に対する角度が、±10°よりも小さい直線部を有し、
    前記画像側凹部は、前記表面層の表面の前記非画像範囲内で、前記直線部の前記画像範囲側の端部から前記直交方向に前記画像範囲側に延出した仮想線と交差するように形成されている、
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の回転部材。
  4. 前記画像側凹部は、少なくとも前記回転方向の長さが、前記直線部の前記回転方向の長さよりも長い、
    ことを特徴とする、請求項3に記載の回転部材。
  5. 前記画像側凹部は、少なくとも前記回転方向の長さが、前記凹部の前記回転方向の長さ以上である、
    ことを特徴とする、請求項1ないし4のうちの何れか1項に記載の回転部材。
  6. 前記回転部材は、無端状のベルトである、
    ことを特徴とする、請求項1ないし5のうちの何れか1項に記載の回転部材。
  7. 前記表面層の表面の前記非画像範囲内で、前記直交方向に関して少なくとも前記情報の凹部の前記ベルトの端部側に、前記回転方向に対する角度が、±10°以下で傾斜した直線部、又は、前記直線部を複数組み合わせた前記情報の凹部とは異なる端部側凹部が形成されている、
    ことを特徴とする、請求項6に記載の回転部材。
  8. 前記回転部材は、トナー像が形成された記録材を加熱する加熱部材である、
    ことを特徴とする、請求項1ないし7のうちの何れか1項に記載の回転部材。
  9. 前記表面層は、フッ素樹脂層である、
    ことを特徴とする、請求項1ないし8のうちの何れか1項に記載の回転部材。
  10. 前記表面層は、前記基部に接着されたチューブである、
    ことを特徴とする、請求項1ないし9のうちの何れか1項に記載の回転部材。
  11. 前記表面層は、表面抵抗率が1012Ω/□以下である、
    ことを特徴とする、請求項1ないし10のうちの何れか1項に記載の回転部材。
  12. トナー像が形成された記録材を加熱する加熱部材と、
    前記加熱部材との間で記録材を挟持搬送するニップ部を形成するニップ形成部材と、とを備えた加熱装置であって、
    前記加熱部材と前記ニップ形成部材との少なくとも一方が、請求項1ないし11のうちの何れか1項に記載の回転部材である、
    ことを特徴とする加熱装置。
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