JP2017066341A - 衣料用液体洗浄剤 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、非イオン性界面活性剤と、3級アミン化合物と、アルキレンテレフタレート単位及び/又はアルキレンイソフタレート単位とオキシアルキレン単位及び/又はポリオキシアルキレン単位とを有する水溶性ポリマーと、アニオン界面活性剤を含有する衣料用液体洗浄剤組成物が開示されている。
特許文献2には、非石鹸界面活性剤と、エトキシル化ポリエチレンアミンと、ポリエステルソイルリリースポリマーと、プロテアーゼ等の酵素とを、特定の配合比で含有する洗浄液を織物に接触させる工程を含む、カチオン柔軟基材を織物に沈着させる方法が開示されている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、SR効果により優れる衣料用液体洗浄剤を目的とする。
さらに、前記(C)成分及び前記(D)成分と、エチレンオキシドの平均付加モル数が10以上であるノニオン界面活性剤((A)成分)及びアニオン界面活性剤((B)成分)を併用することで、SR効果がさらに高められることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、前記(C)成分及び前記(D)成分と、前記(A)成分及び前記(B)成分を併用することで、再汚染防止効果及び洗浄力がさらに高められ、かつ液体洗浄剤を低温環境下で保管した際にも、液体洗浄剤が固化したり、沈殿物が生じたりしない液安定性に優れる(即ち、低温安定性に優れる)液体洗浄剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の衣料用液体洗浄剤(以下、単に「液体洗浄剤」ともいう。)は、(A)〜(D)成分を含有する組成物である。
(A)成分は、エチレンオキシドの平均付加モル数が10以上のノニオン界面活性剤である。本発明の液体洗浄剤は、(A)成分を含有することで、SR効果がより高められる。さらに、再汚染防止効果、洗浄力、低温安定性がより高められる。
(A)成分は、被洗物に残留し難く、共存する(C)成分及び(D)成分が被洗物に残留しやすくなる。これにより、SR効果が高められる。
(A)成分としては、 下記一般式(A1)で表されるポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤(以下、「化合物(a1)」ともいう。)、下記一般式(A2)で表されるポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤(以下、「化合物(a2)」ともいう。)が好ましい。
R11−COO−[(EO)h/(PO)j]−R12 ・・・(A1)
(式(A1)中、R11は炭素数7〜21の炭化水素基であり、R12は炭素数1〜6の炭化水素基である。hは10以上の数であり、jは0〜6の数である。EOはエチレンオキシ基を表し、POはプロピレンオキシ基を表し、hはEOの平均繰り返し数を表し、jはPOの平均繰り返し数を表す。)
R12は、直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又は直鎖もしくは分岐鎖のアルケニル基が好ましい。またR12の炭素数は、1〜4が好ましく、1〜3がより好ましく、1〜2がさらに好ましい。
hは、EOの平均繰り返し数(即ち、エチレンオキシドの平均付加モル数)であり、10以上の数である。hは、10〜30の数が好ましく、10〜20の数がより好ましく、10〜18の数がさらに好ましく、11〜18の数が特に好ましく、14〜18の数が最も好ましい。hが10未満の数であると、SR効果が充分に得られなくなる。また、親水性が低くなり、洗浄力が低下するおそれがある。hが上記上限値超であると、親水性が高くなりすぎて、洗浄力が低下するおそれがある。
jは、POの平均繰り返し数(即ち、プロピレンオキシドの平均付加モル数)であり、0〜6の数である。jは、0〜3の数が好ましい。tが、前記上限値以下であると、低温安定性が高められやすくなる。
jが、0超の場合、[(EO)h/(PO)j]におけるEOとPOの付加形態は、ブロック状でもよいし、ランダム状でもよい。また、EOとPOは、EOがR11−COO−に結合してもよいし、POがR11−COO−に結合してもよい。
(式(A2)中、R13は炭素数8〜22の炭化水素基であり、vは10以上の数であり、wは0〜6の数である。EOはエチレンオキシ基を表し、POはプロピレンオキシ基を表す。vはEOの平均繰り返し数を表し、wはPOの平均繰り返し数を表す。)
vは、EOの平均繰り返し数(即ち、エチレンオキシドの平均付加モル数)であり、10以上の数である。vは、10〜30の数が好ましく、10〜20の数がより好ましく、10〜18の数がさらに好ましく、11〜18の数が特に好ましく、14〜18の数が最も好ましい。vが10未満の数であると、SR効果が充分に得られなくなる。また、親水性が低くなり、洗浄力が低下するおそれがある。vが上記上限値超であると、親水性が高くなりすぎて、洗浄力が低下するおそれがある。
wは、POの平均繰り返し数(即ち、プロピレンオキシドの平均付加モル数)であり、0〜6の数である。wは、0〜3の数が好ましい。wが、前記上限値以下であると、低温安定性が高められやすくなる。
wが、0超の場合、[(EO)v/(PO)w]におけるEOとPOの付加形態は、ブロック状でもよいし、ランダム状でもよい。また、EOとPOは、EOがR13−O−に結合してもよいし、POがR13−O−に結合してもよい。
ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステル、特にMEEは、水溶液系中で分子同士の配向性が弱く、ミセルが不安定なノニオン界面活性剤であるため、高濃度でゲル化等が生じず、1種単独で多量に液体洗浄剤中に配合することができると推測される。また水への溶解性が向上すると推測される。さらに、高濃度での良好な流動性に寄与していると考えられる。したがって、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルが洗濯機槽内の水中へ投入された場合、洗濯液中のポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルの濃度は早く均一となり、洗浄初期から所定の濃度で被洗物と接することができるため、高い洗浄力が得られると考えられる。
当該ナロー率が高いほど、良好な洗浄力が得られやすくなる。また、当該ナロー率が20質量%以上、特に30質量%以上であると、化合物(a1)由来の原料臭気の少ない洗浄剤が得られやすくなる。これは、ナロー率が高い化合物(a1)には、その原料である脂肪酸アルキルエステルと、sが1または2のエチレンオキシド付加体とが少ないためである。原料臭気の少ない洗浄剤を得る点からは、前記脂肪酸アルキルエステルと、sが1または2のエチレンオキシド付加体との合計の含有量が、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルの全量に対して、0.5質量%以下が好ましく、0.2質量%以下がより好ましい。
なお、前記ナロー率は、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルの製造方法等によって制御することができる。かかる製造方法としては、特に限定されないが、例えば表面改質された複合金属酸化物触媒を用いて、脂肪酸アルキルエステルにエチレンオキシドを付加重合させる方法(特開2000−144179号公報参照)が挙げられる。
(A)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、5〜80質量%が好ましく、15〜60質量%がより好ましく、20〜40質量%がさらに好ましく、25〜35質量%が特に好ましい。上記下限値以上であれば、液体洗浄剤の洗浄力がより高められやすくなる。上記上限値以下であれば、(A)成分の被洗物に対する残留が抑制されやすくなり、共存する(C)成分及び(D)成分が被洗物に残留しやすくなる。これにより、SR効果がより高められやすくなる。さらに、上記上限値以下であれば液体洗浄剤の低温安定性がより高められやすくなる。
(B)成分は、アニオン界面活性剤である。本発明の液体洗浄剤は、(A)成分、(C)成分及び(D)成分とともに、(B)成分が用いられることで、SR効果及び再汚染防止効果がさらに高められる。また、低温安定性がより高められる。
(B)成分としては、衣料等の洗浄剤に用いられる公知のアニオン界面活性剤が挙げられる。
(B)成分としては、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩;α−オレフィンスルホン酸塩;直鎖または分岐鎖のアルキル硫酸エステル塩;アルキルエーテル硫酸エステル塩またはアルケニルエーテル硫酸エステル塩;アルカンスルホン酸塩;α−スルホ脂肪酸エステル塩;脂肪酸、アルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸、アルキル(又はアルケニル)アミドエーテルカルボン酸、アシルアミノカルボン酸又はこれらの塩等のカルボン酸型のアニオン界面活性剤;アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル塩等のリン酸エステル型のアニオン界面活性剤等が挙げられる。
これらの塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩などのアルカノールアミン塩等が挙げられる。
α−オレフィンスルホン酸塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
アルキル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
アルキルエーテル硫酸エステル塩またはアルケニルエーテル硫酸エステル塩としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩又はポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩が好ましく、炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均1〜5モルのアルキレンオキシド(エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド)を付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩又はポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩がより好ましい。
アルカンスルホン酸塩としては、炭素数10〜20、好ましくは14〜17のアルキル基を有する2級アルカンスルホン酸塩が好ましい。
α−スルホ脂肪酸エステル塩としては、脂肪酸残基の炭素数が10〜20であるα−スルホ脂肪酸エステル塩が好ましい。
脂肪酸又はその塩としては、炭素数10〜20の脂肪酸又はその塩が好ましい。
これらのなかでも、再汚染防止性により優れる点から、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩またはアルケニルエーテル硫酸エステル塩、アルカンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩から選ばれる1種以上が好ましく、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩またはアルケニルエーテル硫酸エステル塩から選ばれる1種以上がより好ましく、アルキルエーテル硫酸エステル塩がさらに好ましい。
[式(B2)中、R21は、炭素数8〜18の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又は炭素数8〜18の直鎖もしくは分岐鎖のアルケニル基であり、Zは、対イオンである。POは、プロピレンオキシ基、EOは、エチレンオキシ基を表し、pは、(PO)の平均繰り返し数であり、0≦p<1の数であり、qは、(EO)の平均繰り返し数であり、0≦q≦4の数である。p及びqが0超の場合、[(PO)p(EO)q]におけるPOとEOは、ブロック状に配列しても、ランダム状に配列してもよい。また、POとEOは、POが「R21−O−」に結合してもよいし、EOが「R21−O−」に結合してもよい。
式(B2)中、Zは、対イオンである。Zは、R21−O−[(PO)p(EO)q]−SO3 −とともに水溶性の塩を形成し得るものであればよい。前記対イオンとしては、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(1/2原子)、アルカノールアンモニウム、アンモニウム等が挙げられる。前記対イオンとなり得るアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。前記対イオンになり得るアルカリ土類金属としては、マグネシウム等が挙げられる。前記対イオンになり得るアルカノールアンモニウムとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
Zとしては、アルカリ金属イオンが好ましく、ナトリウムイオンが特に好ましい。
(B)成分は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
この場合、(b1)成分/(b2)成分で表される質量比[(b2)成分の含有量に対する(b1)成分の含有量の質量比、以下「b1/b2比」ともいう]は、0.3〜3.0が好ましく、0.5〜2.0がより好ましい。b1/b2比が、前記の好ましい範囲であると、洗浄力、特に皮脂に対する洗浄力がより高められやすくなる。また、低温安定性が高められやすくなる。
(C)成分は、ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体(c1)及びポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体(c2)から選ばれる少なくとも1種である。
本発明の液体洗浄剤は、(C)成分と(D)成分が併用されることで、SR効果がより高められる。特に綿繊維を含む被洗物に対して充分なSR効果が得られる。
ポリアルキレンイミンは、下記一般式(C1)で表される。
NH2−R31−(NA−R31)n−NH2 ・・・(C1)
式(C1)中、R31は、それぞれ独立して炭素数2〜6のアルキレン基であり、Aは、水素原子又は分岐による別のポリアミン鎖を示し、nは、1以上の数である。ただし、前記Aがすべて水素原子であることはない。
ポリアルキレンイミンは、炭素数2〜6のアルキレンイミンの1種又は2種以上を常法により重合して得られる。炭素数2〜6のアルキレンイミンとしては、エチレンイミン、プロピレンイミン、1,2−ブチレンイミン、2,3−ブチレンイミン、1,1−ジメチルエチレンイミン等が挙げられる。
ポリアルキレンイミンとしては、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリプロピレンイミンが好ましく、PEIがより好ましい。PEIは、エチレンイミンを重合することによって得られ、その構造中に、1級、2級及び3級アミン窒素原子を含む分岐鎖構造を有している。
なお、(C)成分の重量平均分子量は、ポリエチレングリコールを標準物質とし、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めた値を意味する。
アルキレンオキシドとしては、炭素数2〜4のアルキレンオキシドが挙げられる。前記アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドが挙げられ、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドが好ましく、エチレンオキシドがより好ましい。
ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体としては、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド付加体、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド−プロピレンオキシド付加体が好ましく、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド付加体がより好ましい。
ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体としては、例えば、式(C1−1)で示される化合物が挙げられる。
R32は、炭素数2又は3のアルキレン基が好ましく、炭素数2のアルキレン基がより好ましい。
mは、(R32O)の平均繰り返し数であり、5〜40が好ましく、10〜30がより好ましい。
ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体としては、合成品が用いられてもよいし、市販品が用いられてもよい。
市販品としては、例えばBASF社製の商品名「Sokalan HP20」等が挙げられる。
ポリアルキレンアミンは、下記一般式(C2)で表される。
NH2(R33NH)lH ・・・(C2)
式(C2)中、R33は、炭素数2〜6のアルキレン基であり、lは、1以上の数である。
ポリアルキレンアミンとしては、ポリエチレンアミンが好ましい。ポリエチレンアミンとしては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等が挙げられる。なお、これらのポリエチレンアミンは、公知の製造方法、例えばアンモニア及びエチレンジクロリドを反応させることで得られる。
ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体としては、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド付加体、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド−プロピレンオキシド付加体が好ましく、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド付加体がより好ましい。
(C)成分は、いずれか1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(C)成分の含有量が前記上限値以下であると、液体洗浄剤への配合安定性が高められやすくなり、低温安定性が高められやすくなる。
(D)成分は、アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位からなる群より選択される少なくとも一種の繰り返し単位(d1)並びにオキシアルキレン単位(d2)を有するポリマーである。
本発明の液体洗浄剤は、(C)成分及び(D)成分が併用されることでSR効果がより高められる。
なお、本明細書において「繰り返し単位」とは、重合体を構成するモノマー単位をいう。
特定の繰り返し単位(d1)のうち、アルキレンテレフタレート単位(以下、この繰り返し単位を「繰り返し単位(d11)」ともいう)としては、下記一般式(D1−1)で表される繰り返し単位が挙げられる。
繰り返し単位(d11)として具体的には、エチレンテレフタレート単位、n−プロピレンテレフタレート単位、イソプロピレンテレフタレート単位、n−ブチレンテレフタレート単位、イソブチレンテレフタレート単位、sec−ブチレンテレフタレート単位、tert−ブチレンテレフタレート単位等が挙げられる。中でも、イソプロピレンテレフタレート単位が好ましい。
繰り返し単位(d11)は、1種が単独で用いられてもよく、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
繰り返し単位(d12)として具体的には、エチレンイソフタレート単位、n−プロピレンイソフタレート単位、イソプロピレンイソフタレート単位、n−ブチレンイソフタレート単位、sec−ブチレンイソフタレート単位、tert−ブチレンイソフタレート単位等が挙げられる。中でも、イソプロピレンイソフタレート単位が好ましい。
繰り返し単位(d12)は、1種が単独で用いられてもよく、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
また、繰り返し単位(d11)を2種以上、及び/又は、繰り返し単位(d12)を2種以上有していてもよい。
繰り返し単位(d1)は、1分子中に、1単位で導入されてもよいし、2単位以上(即ちブロック状)で導入されてもよい。
繰り返し単位(d1)の数が、前記の好ましい範囲であると、洗浄効果が高められやすくなる。
オキシアルキレン単位(以下、この繰り返し単位を「繰り返し単位(d2)」ともいう)としては、下記一般式(D2−1)で表される繰り返し単位が挙げられる。
繰り返し単位(d2)としては、オキシエチレン単位、オキシプロピレン単位、オキシブチレン単位等が挙げられる。なかでも、オキシエチレン単位、オキシプロピレン単位が好ましい。
また、(D)成分は、その1分子中に、繰り返し単位(d2)として、オキシアルキレン基(繰り返し単位(d2)の繰り返し数が1のもの)を有していてもよく、ポリオキシアルキレン基(繰り返し単位(d2)の繰り返し数が2以上のもの)を有していてもよく、オキシアルキレン基とポリオキシアルキレン基との両方を有していてもよい。
繰り返し単位(d2)の繰り返し数が、前記の好ましい範囲であると、油性汚れに対する洗浄効果が高められやすくなる。
(D)成分中にその他の繰り返し単位を有する場合、繰り返し単位(d1)と繰り返し単位(d2)との合計は、(D)成分を構成する全部の繰り返し単位の合計に対して、80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましく、100モル%であってもよい。繰り返し単位(d1)と繰り返し単位(d2)との合計が、前記の好ましい下限値以上であると、洗浄力がより高められやすくなる。
ここでいう「水溶性ポリマー」とは、1リットルビーカー内で、ポリマー10gを、40℃の条件で、水1000gに添加し、スターラー(太さ8mm、長さ50mm)により12時間撹拌(200rpm)した後に溶解しているものをいう。
なお、(D)成分の重量平均分子量は、溶媒としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いてGPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)により測定した値を、PEG(ポリエチレングリコール)における較正曲線に基づいて換算した値を示す。
R44及びR47は、それぞれメチル基又は水素原子であり、それぞれメチル基であることが好ましい。
R45、R46、R48及びR49は、それぞれ独立して、炭素数2〜4のアルキレン基である。
s1及びs2は、それぞれ0〜10であり、好ましくは0.5〜5であり、より好ましくは0.5〜2.5である。t1、t2、u1及びu2は、それぞれ独立して1〜100であり、好ましくは1〜80であり、より好ましくは1〜50であり、さらに好ましくは10〜50であり、特に好ましくは、20〜30である。s1、s2、t1、t2、u1及びu2が前記の好ましい範囲であると、(D)成分の配合効果が充分に発揮されやすくなる。また、水に対する溶解性がより向上し、液体洗浄剤に配合した際に透明感に優れる液体洗浄剤が得られやすくなる。
(D2)中のs2と(t2+u2)の比[s2:(t2+u2)]は、上記[s1:(t1+u1)]の比と同様の範囲が好ましい。
また、(D)成分としては、合成品が用いられてもよく、市販品が用いられてもよい。
(D)成分の市販品としては、商品名TexCare SRN−100(クラリアント社製、重量平均分子量2000〜3000)、商品名TexCare SRN−300(クラリアント社製、重量平均分子量7000)、商品名Repel−O−Tex Crystal(ローディア社製)、商品名Repel−O−Tex QC(ローディア社製)等が挙げられる。
これらのなかでは、水への溶解性が高く、保存安定性にも優れる点から、TexCare SRN−100が好ましい。また、取り扱い性に優れる点から、前記TexCare SRN−100の70%水溶液として市販されている商品名TexCare SRN−170(クラリアント社製)が用いられることが好ましい。
本発明の液体洗浄剤は、製造時のハンドリングのし易さ、使用する際の水への溶解性等の点から、水を含有することが好ましい。
液体洗浄剤中の水の含有量は、特に限定されないが、液体洗浄剤中10〜90質量%が好ましく、20〜70質量%がより好ましく、30〜50質量%がさらに好ましい。
本発明の液体洗浄剤は、上記(A)〜(D)成分以外に、洗浄剤に通常用いられるその他の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、例えば、(A)成分及び(B)成分以外の界面活性剤、水混和性有機溶剤、アルカリ剤、酵素、酵素安定化剤、減粘剤及び可溶化剤、酸化防止剤、風合い向上剤、保存安定性向上剤、蛍光剤、移染防止剤、再汚染防止剤(但し(C)成分及び(D)成分は含まれない)、キレート剤、パール剤、ソイルリリース剤(但し(C)成分及び(D)成分は含まれない)、着香剤、着色剤、乳濁化剤、天然物等のエキス、防腐剤、pH調整剤、消泡剤等が挙げられる。
(A)成分以外のノニオン界面活性剤としては、エチレンオキシドの平均付加モル数が0超10未満であるノニオン界面活性剤、脂肪酸アルカノールアミン、脂肪酸アルカノールアミド、多価アルコール脂肪酸エステル、糖脂肪酸エステル、N−アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルキルグリコシド等が挙げられる。
(式(E1)中、R51は、式(A1)中のR11と同じである。R52は、式(A1)中のR12と同じである。EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基を表し、h’は、(EO)の平均繰り返し数であり、0<h’<10の数であり、j’は、(PO)の平均繰り返し数を表し、0≦j’≦6の数である。j’が0超の場合、[(EO)h’/(PO)j’]におけるEOとPOは、ブロック状に配列しても、ランダム状に配列してもよい。また、EOとPOは、EOが「R51−COO−」に結合してもよいし、POが「R51−COO−」に結合してもよい。
(式(E2)中、R53は、式(A2)中のR13と同じである。EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基を表し、v’は、(EO)の平均繰り返し数であり、0<v’<10の数であり、w’は、(PO)の平均繰り返し数を表し、0≦w’≦6の数である。w’が0超の場合、[(EO)v’/(PO)w’]におけるEOとPOは、ブロック状に配列しても、ランダム状に配列してもよい。また、EOとPOは、EOが「R53−O−」に結合してもよいし、POが「R53−O−」に結合してもよい。
より良好なSR効果が得られやすくなる点からは、本発明の液体洗浄剤には、上記化合物(e1)及び上記化合物(e2)が含まれないことが好ましい。
水混和性有機溶剤としては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等のアルコール類、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、重量平均分子量約200〜1000のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のポリグリコール類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のアルキルエーテル類等が挙げられる。
これらの中でも、臭気の少なさ、入手のしやすさ、液体洗浄剤の流動性の点等から、エタノール、プロピレングリコール、重量平均分子量約200〜1000のポリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)が好ましい。
水混和性有機溶剤は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
本発明の液体洗浄剤が水混和性有機溶剤を含有する場合、水混和性有機溶剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.1〜15質量%が好ましい。
なお、本発明において、水混和性有機溶剤とは、25℃のイオン交換水1Lに50g以上溶解する有機溶剤をいう。
本発明の液体洗浄剤がアルカリ剤を含有する場合、アルカリ剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.1〜5質量%が好ましい。
プロテアーゼとしては、プロテアーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Savinase16L、Savinase Ultra 16L、Savinase Ultra 16XL,Everlase 16L TypeEX、Everlase Ultra 16L、Esperase 8L、Alcalase 2.5L、Alcalase Ultra 2.5L、Liquanase 2.5L、Liquanase Ultra 2.5L、Liquanase Ultra 2.5XL、Coronase 48L、ジェネンコア社から入手できる商品名Purafect L、Purafect OX,Properase L等が挙げられる。
アミラーゼとしては、アミラーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Termamyl 300L、Termamyl Ultra 300L、Duramyl 300L、Stainzyme 12L、Stainzyme Plus 12L、ジェネンコア社から入手できる商品名Maxamyl、天野製薬社から入手できる商品名プルラナーゼアマノ、生化学工業社から入手できる商品名DB−250等が挙げられる。
リパーゼとしては、リパーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Lipex 100L、Lipolase 100L等が挙げられる。
セルラーゼとして、セルラーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Endolase 5000L、Celluzyme 0.4L、Carzyme 4500L等が挙げられる。
マンナナーゼとして、マンナナーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Mannaway 4L等が挙げられる。
酵素は、いずれか1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
なお、本明細書において、液体洗浄剤中の酵素の配合量は、製剤としての配合量である。前記配合量は、一般的な方法により、例えば原料の使用量、又は、液体洗浄剤中の酵素たんぱく量から逆算して求められる。
風合い向上を目的としてジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等のシリコーンを0〜5質量%含有してもよい。
白色衣類の白度向上を目的としてジスチリルビフェニル型等の蛍光増白剤を0〜1質量%含有してもよい。
移染防止剤、再汚染防止を目的としてポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース等の再汚染防止剤を0〜2質量%含有してもよい。
着香剤としては、代表的な例として、特開2002−146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A、B、C、Dなどが使用できる。着香剤の含有量は、例えば液体洗浄剤の総質量に対して、0.1〜1質量%が好ましい。
着色剤としては、アシッドレッド138、Polar Red RLS、アシッドイエロー203、アシッドブルー9、青色1号、青色205号、緑色3号、ターコイズP−GR(いずれも商品名)等の汎用の色素や顔料が挙げられる。着色剤の含有量は、例えば液体洗浄剤の総質量に対して、0.00005〜0.005質量%程度が好ましい。
乳濁化剤としては、ポリスチレンエマルション、ポリ酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられ、通常、固形分30〜50質量%のエマルションが好適に用いられる。具体例としては、ポリスチレンエマルション(サイデン化学社製:商品名サイビノールRPX−196 PE−3、固形分40質量%)等が挙げられる。乳濁化剤の含有量は、例えば液体洗浄剤の総質量に対して、0.01〜0.5質量%が好ましい。
天然物等のエキスの配合量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0〜0.5質量%程度が好ましい。
防腐剤は、いずれか1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
防腐剤の配合量は、液体洗浄剤の総重量に対して、0〜0.5質量%程度が好ましい。
pH調整剤は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
なお、本発明における液体洗浄剤の25℃におけるpHは、試料を25℃に調整し、pHメーター(例えば、東亜ディーケーケー株式会社製の製品名「HM−30G」を使用)等により測定される値を示す。
なお、本発明における液体洗浄剤の25℃での粘度は、試料を25℃に調整し、B型粘度計(TOKIMEC社製)を用いて測定される値を示す(測定条件の一例:ロータNo.2、回転数60rpm、回転開始から1分後の粘度を測定する)。
本発明の液体洗浄剤の使用方法は、例えば、液体洗浄剤を洗濯時に被洗物と一緒に水に投入する方法、予め水に溶解しこれに被洗物を浸漬する方法、液体洗浄剤を被洗物に塗布して一定時間放置し、その後、通常の洗濯を行う方法等が挙げられる。
液体洗浄剤の使用量としては、例えば水30Lに、液体洗浄剤が3〜25g希釈されて用いられるのが好ましく、5〜20g希釈されて用いられるのがより好ましく、8〜18g希釈されて用いられるのがさらに好ましい。
[1](A)成分:エチレンオキシドの平均付加モル数が10以上であるノニオン界面活性剤と、(B)成分:アニオン界面活性剤と、(C)成分:ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体及びポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体から選ばれる少なくとも1種と、(D)成分:アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位からなる群より選択される少なくとも一種の繰り返し単位(d1)並びにオキシアルキレン単位(d2)を有するポリマーと、を含有することを特徴とする衣料用液体洗浄剤。
[2]前記(C)成分/前記(D)成分で表される質量比(C/D比)が、0.5〜4である[1]に記載の衣料用液体洗浄剤。
[3]前記(C)成分と前記(D)成分との合計含有量が、0.1〜3.5質量%である[1]又は[2]に記載の衣料用液体洗浄剤。
[4]前記(A)成分/(前記(C)成分+前記(D)成分)で表される質量比(A/(C+D)比)が、10〜30である[1]〜[3]のいずれかに記載の衣料用液体洗浄剤。
[5]前記(A)成分/前記(B)成分で表される質量比(A/B比)が、1.5〜8である[1]〜[4]のいずれかに記載の衣料用液体洗浄剤。
[6]前記(C)成分が前記一般式(C1−1)で表される化合物であり、前記(D)成分が前記一般式(D1)で表される高分子化合物、前記一般式(D2)で表される高分子化合物又はこれらの混合物である[1]〜[5]のいずれかに記載の衣料用液体洗浄剤。
本実施例において使用した原料は下記の通りである。
A−1:脂肪酸メチルエステルエトキシレート(脂肪酸の炭素数12〜14、EOの平均付加モル数15)、一般式(A1)中、R11=炭素数11のアルキル基及び炭素数13のアルキル基、R12=メチル基、h=15、j=0。下記合成方法により合成されたもの。
特開2000−144179号公報に記載の合成方法に準じて合成した。
組成が2.5MgO・Al2O3・zH2Oである水酸化アルミナ・マグネシウム(キョーワード300(商品名)、協和化学工業株式会社製)を600℃で1時間、窒素雰囲気下で焼成して、焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒を得た。焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒2.2gと、0.5N水酸化カリウムエタノール溶液2.9mLと、ラウリン酸メチルエステル280gと、ミリスチン酸メチルエステル70gとを4Lオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内で触媒の改質を行った。次いで、オートクレーブ内を窒素で置換した後、温度を180℃、圧力を0.3MPaに維持しつつ、エチレンオキシド1052gを導入し、撹拌しながら反応させた。
得られた反応液を80℃に冷却し、水159gと、濾過助剤として活性白土及び珪藻土をそれぞれ5gとを添加し混合した後、触媒を濾別してA−1を得た。A−1のナロー率は30質量%であった。
プロクター・アンド・ギャンブル社製のCO−1214(商品名)224.4gと、30質量%NaOH水溶液2.0gとを耐圧型反応容器内に仕込み、該反応容器内を窒素置換した。次に、温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水した後、温度を160℃まで昇温した。次いで、反応液を撹拌しながら、エチレンオキシド(ガス状)760.6gを反応液中に徐々に加えた。この時、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調節しながら、エチレンオキシドを吹き込み管で加えた。
エチレンオキシドの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間、未反応のエチレンオキシドを留去した。
次に、温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、70質量%p−トルエンスルホン酸を加えて中和し、A−2を得た。
A’−1:脂肪酸メチルエステルエトキシレート(脂肪酸の炭素数12〜14、EOの平均付加モル数5)、一般式(E1)中、R51=炭素数11のアルキル基及び炭素数13のアルキル基、R52=メチル基、h’=5、j’=0。エチレンオキシドの導入量を350.7gとしたこと以外は上記≪A−2の合成例≫と同様にしてA’−1を合成した。
A’−2:天然アルコールエトキシレート(天然アルコールの炭素数12〜14、EOの平均付加モル数5。一般式(E2)中、R53=炭素数12のアルキル基及び炭素数14のアルキル基、v’=5、w=0。エチレンオキシドの導入量を253.5gとしたこと以外は上記≪A−2の合成例≫と同様にしてA’−2を合成した。
B−1:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)、ライオン株式会社製、商品名「ライポンLH−200」
B−2:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(AES)。一般式(B2)中、R21=炭素数12〜14の直鎖アルキル基、p=1.0、q=0、Z=ナトリウム。下記合成方法により合成されたもの。
容量4Lのオートクレーブ中に、原料アルコールとしてP&G社製の商品名CO1270アルコール(炭素数12のアルコールと炭素数14のアルコールとの質量比75/25の混合物)400gと、反応用触媒として水酸化カリウム0.8gとを仕込み、該オートクレーブ内を窒素で置換した後、攪拌しながら昇温した。続いて、温度を180℃、圧力を0.3MPa以下に維持しながらエチレンオキシド91gを導入し、反応させることによりアルコールエトキシレートを得た。
ガスクロマトグラフ質量分析計:Hewlett−Packard社製のGC−5890と、検出器:水素炎イオン化型検出器(FID)と、カラム:Ultra−1(HP社製、L25m×φ0.2mm×T0.11μm)とを用いて分析した結果、得られたアルコールエトキシレートは、エチレンオキシドの平均付加モル数が1.0であった。また、エチレンオキシドが付加していない化合物は、得られたアルコールエトキシレートの総質量に対して43質量%であった。
次に、上記で得たアルコールエトキシレート237gを、撹拌装置付の500mLフラスコに採り、窒素で置換した後、液体無水硫酸(サルファン)96gを、反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間攪拌を続け(硫酸化反応)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を得た。次いで、これを水酸化ナトリウム水溶液で中和することによりB−2を得た。
C−1:ポリエチレンイミンのエチレンオキシド付加体、BASF社製、商品名「Sokalan HP20」。上記式(C1−1)において、R32がエチレン基、mが20である化合物。
D−1:特定の繰り返し単位(d1)とオキシアルキレン単位(d2)とを有するポリマー。クラリアント社製、商品名「TexCare SRN−170」、重量平均分子量2000〜3000、上記一般式(D1)で表される高分子化合物を含む。なお、D−1は、上述した「水溶性ポリマー」の条件(すなわち、1リットルビーカー内で、ポリマー10gを、40℃の条件で、水1000gに添加し、スターラー(太さ8mm、長さ50mm)により12時間撹拌(200rpm)した後に溶解していること)を満たす。
酵素A:Alcalase 2.5L、ノボザイムズ社製。
MEA:モノエタノールアミン(アルカリ剤)、商品名「モノエタノールアミン」、株式会社日本触媒製。
乳酸ナトリウム:酵素安定化剤、商品名「乳酸ナトリウム」、関東化学社製。
塩化カルシウム:酵素安定化剤、関東化学株式会社製、商品名「塩化カルシウム(特級)」。
エタノール:水混和性有機溶剤、商品名「特定アルコール95度合成」、日本アルコール販売株式会社製。
香料:着香剤、特開2002−146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A。
防腐剤A:ケーソンCG−ICP(約77質量%のCMITと約23質量%のMITとの混合物の1.5質量%水溶液)、ダウケミカル社製。
防腐剤B:アクチサイドMBS(BITとMITをほぼ同じ質量%濃度で含む混合物の5質量%水溶液)、ソージャパン社製。
[衣料用液体洗浄剤の製造]
表1に示す組成に従い、(A)〜(D)成分と、任意成分とを水に加え混合して実施例1〜6の液体洗浄剤を得た。
また、(C)〜(D)成分のいずれか又は両方を水に加えなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例1,2,4の液体洗浄剤を得た。(A)成分に代えて(A’)成分を用いたこと以外は、実施例1と同様にして比較例3の液体洗浄剤を得た。
表1に、得られた各例の液体洗浄剤の組成(配合成分、含有量(質量%))を示す。
表中、空欄の配合成分がある場合、その配合成分は配合されていない。
表中、配合成分の含有量は純分換算量を示す。ただし、酵素は、酵素製剤としての含有量を示す。
精製水の含有量を示す「バランス」は、液体洗浄剤に含まれる全配合成分の合計の配合量(質量%)が100質量%となるように加えられる残部を意味する。
全自動電気洗濯機(AW−80VC、株式会社東芝製)に、評価用テト綿布(綿/ポリエステル=40/60)と綿メリヤスを投入し、浴比20倍に合わせた。そこに、各例の液体洗浄剤12gを添加し、標準コースにて洗浄、すすぎ、脱水を順次行う洗濯操作を行った。洗浄時間、すすぎ、脱水、水量(36Lに設定)に関しては、一切調整せず、洗濯機の標準設定を使用した。用いた水道水の温度は、15℃であった。この洗濯操作を5回繰り返した。5回の洗濯操作を終えた後、評価用テト綿布を平干しにて一晩乾燥させ、乾燥後の評価用テト綿布を5×5cmにカットしたものを評価用布とした。この評価用布に汚れとなる脂(オレイン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、トリオレイン、トリパルミチン、パルミチン酸ヘキサデシル、スクアレン、カーボンブラックの混合物)50μLを塗布して24時間乾燥させ、汚垢布を作製した。
この汚垢布について下記のように洗浄試験を行った。
洗浄試験器として、Terg−O−tometer(UNITED STATES TESTING社製)を用いた。洗浄液としては、水900mLに比較例4の液体洗浄剤300μLを加え30秒間撹拌して調製したものを用いた。前記洗浄試験器に、前記洗浄液900mLと、前記汚垢布5枚と、洗浄メリヤス布とを投入し、浴比20倍に合わせて、120rpm、15℃で20分間洗浄した。次に、二槽式洗濯機(三菱電機社製:製品名CW−C30A1−H1)に移し、1分間脱水後、水道水(15℃、4゜DH)30L中で3分間濯ぎ、風乾した。未汚垢布(評価用布)、洗浄前の汚垢布、及び洗浄後の汚垢布について、それぞれ反射率を色差計(日本電色株式会社製:製品名SE200型)で測定し、下式により洗浄率(%)を求めた。
洗浄率(%)=(洗浄前の汚垢布のK/S−洗浄後の汚垢布のK/S)/(洗浄前の汚垢布のK/S−未汚垢布のK/S)×100
ただし、K/Sは、(1−R/100)2/(2R/100)である(Rは、洗浄前の汚垢布の反射率、洗浄後の汚垢布の反射率又は未汚垢布の反射率(%)を示す)。汚垢布5枚の洗浄率の平均値を求め、この平均値を指標とした下記の評価基準に従い、各例の液体洗浄剤のSR効果を評価した。◎、○を合格とした。
◎:洗浄率が10%以上。
○:洗浄率が7%以上、10%未満。
△:洗浄率が4%以上、7%未満。
×:洗浄率が4%未満。
各例の液体洗浄剤を用いて、以下に示す洗浄工程、すすぎ工程、乾燥工程をこの順序で3回繰り返す洗濯処理を行った。
被洗物として、下記の再汚染判定布、湿式人工汚染布及び肌シャツを用いた。
再汚染判定布:テト綿布(綿/ポリエステル=40/60)5cm×5cmを5枚。
湿式人工汚染布:財団法人洗濯科学協会製の汚染布(オレイン酸28.3%、トリオレイン15.6%、コレステロールオレート12.2%、流動パラフィン2.5%、スクアレン2.5%、コレステロール1.6%、ゼラチン7.0%、泥29.8%、カーボンブラック0.5%(質量比)の組成の汚れが付着した布)を20枚。
肌シャツ:肌シャツ(LLサイズ、DVD社製)を細かく(3cm×3cm程度)裁断したもの。
Terg−O−tometer(UNITED STATES TESTING社製)内に、25℃の3°DH硬水900mLを入れ、ここに各例の液体洗浄剤0.6gを加え、次いで、前記被洗物を入れた。その後、3°DH硬水を加えて浴比を20倍に調整し、120rpm、25℃で10分間洗浄した。
洗浄後の被洗物を、1分間脱水した後、25℃の3°DH硬水900mLを入れ、120rpm、25℃で3分間すすいだ。この操作(脱水、すすぎ)を2回繰り返した。2回目には、25℃の3°DH硬水900mLに、所定量の柔軟剤を添加してすすぎを行った。柔軟剤には、部屋干しソフラン(ライオン株式会社製)を用いた。
すすいだ被洗物を1分間脱水した後、再汚染判定布(テト綿布)のみを取り出し、濾紙に挟み、アイロンで乾燥した。
ΔZ=(洗濯処理前のZ値)−(洗濯処理後のZ値)
再汚染判定布のΔZについて、5枚の平均値を求めた。そして、この平均値を指標とした下記判定基準に従い、液体洗浄剤による再汚染防止効果を評価した。下記判定基準において、◎及び○を合格とした。
◎:△Zが8未満。
○:△Zが8以上10未満。
△:△Zが10以上12未満。
×:△Zが12以上。
汚垢布として、湿式人工汚染布(財団法人洗濯科学協会製、オレイン酸28.3%、トリオレイン15.6%、コレステロールオレート12.2%、流動パラフィン2.5%、スクアレン2.5%、コレステロール1.6%、ゼラチン7.0%、泥29.8%、カーボンブラック0.5%)を5cm×5cm角に裁断したものを用いた。洗浄試験器として、Terg−O−tometer(UNITED STATES TESTING社製)を用いた。洗浄液として、水900mLに対して、各例の液体洗浄剤300μLを加え、30秒間撹拌して調製したものを用いた。前記洗浄試験器に、前記洗浄液900mLと、前記汚垢布10枚と、洗浄メリヤス布とを投入し、浴比20倍に合わせて、120rpm、15℃で20分間洗浄した。その後、二槽式洗濯機(三菱電機社製:製品名CW−C30A1−H1)に移し、1分間脱水後、水道水(15℃、4゜DH)30L中で3分間濯ぎ、風乾した。洗浄前の汚垢布、洗浄後の汚垢布、及び未汚垢布(ここで未汚垢布とは、汚れを付けていない元の白布(原布)をいう)について、それぞれ反射率を色差計(日本電色株式会社製:製品名SE200型)で測定し、下式により洗浄率(%)を求めた。
洗浄率(%)=(洗浄前の汚垢布のK/S−洗浄後の汚垢布のK/S)/(洗浄前の汚垢布のK/S−未汚垢布のK/S)×100
ただし、K/Sは、(1−R/100)2/(2R/100)である(Rは、洗浄前の汚垢布、洗浄後の汚垢布又は未汚垢布の反射率(%)を示す)。汚垢布10枚の洗浄率の平均値を求め、この平均値を指標とした下記の評価基準に従い、各例の液体洗浄剤の洗浄力を評価した。◎、○を合格とした。
◎:洗浄率が65%以上。
○:洗浄率が60%以上、65%未満。
△:洗浄率が55%以上、60%未満。
×:洗浄率が55%未満。
無色透明のガラス瓶(広口規格びん、PS−No.11)に、各例の液体洗浄剤100mLを加え、蓋を閉めて密封した。この状態で−5℃の恒温槽中に静置し30日間保管した。その後、液の外観を目視で観察し、下記判定基準に基づいて液体洗浄剤の低温安定性を評価した。○、△を合格とした。
<低温安定性の判定基準>
○:ガラス瓶の底部に沈殿物が観察されない。
△:ガラス瓶の底部に沈殿物が観察されるが、ガラス瓶を軽く振ることで沈殿物が消失(溶解)する。
×:ガラス瓶の底部に沈殿物が観察され、ガラス瓶を軽く振っても沈殿物が消失しない。または、液体洗浄剤の製造直後にゲル化、白濁する。
一方、(C)成分又は(D)成分を含まない液体洗浄剤(比較例1,2)は、SR効果が充分でなかった。(A)成分に代えて(A’)成分が用いられた液体洗浄剤(比較例3)は、SR効果が充分でなかった。さらに、充分な洗浄力が得られなかった。(C)成分及び(D)成分を含まない液体洗浄剤(比較例4)は、SR効果が充分でなかった。さらに、再汚染防止効果及び洗浄力が充分でなかった。
以上の結果から、本発明を適用した液体洗浄剤は、SR効果に優れることが確認できた。さらに、再汚染防止効果、洗浄力に優れ、かつ低温安定性に優れることが確認できた。
Claims (1)
- (A)成分:エチレンオキシドの平均付加モル数が10以上であるノニオン界面活性剤と、
(B)成分:アニオン界面活性剤と、
(C)成分:ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体及びポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体から選ばれる少なくとも1種と、
(D)成分:アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位からなる群より選択される少なくとも一種の繰り返し単位(d1)並びにオキシアルキレン単位(d2)を有するポリマーと、を含有することを特徴とする衣料用液体洗浄剤。
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