JP2017066285A - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】機械的特性に優れ、かつ、耐疲労特性にも優れたポリアセタール樹脂を提供する。【解決手段】本発明のポリアセタール樹脂組成物は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部と、(B)ポリウレタン化合物で表面処理されたガラス繊維1質量部以上100質量部以下と、(C)ホウ酸化合物0.001質量部以上1.0質量部以下とを含有する。(B)成分の単繊維直径は、8μm以上14μm以下であることが好ましい。また、(C)成分は、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸及び三酸化二ホウ素の中から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。【選択図】なし
Description
本発明は、ポリアセタール樹脂組成物に関する。
ポリアセタール樹脂は機械的特性、熱的特性、電気的特性、摺動性、成形性、成形品の寸法安定性等において優れた特性を持っており、構造材料や機構部品として電気機器、自動車部品、精密機械部品等に広く使用されている。そして、ポリアセタール樹脂の機械的特性、例えば強度や剛性を向上させるために、ガラス系無機充填材等の強化材を配合することが知られている。
しかしながら、ポリアセタール樹脂は活性に乏しく、またガラス系無機充填材も活性に乏しいため、単にポリアセタール樹脂にガラス系無機充填材を配合し溶融混練しただけでは両者の密着性は不十分なものとなり、期待するほどの機械的特性の向上が得られない場合が多い。そこで、ポリアセタール樹脂とガラス系無機充填材との密着性を向上させて機械的特性を改良するための各種の方法が提案されている。
例えば、ポリアセタール樹脂にガラス系無機充填材とホウ酸化合物とを添加すること、さらに該ガラス系無機充填材を特定のシラン化合物で表面処理すること(特許文献1参照)、ポリアセタール樹脂にポリウレタン系樹脂で表面処理されたガラス繊維を添加すること、さらに亜リン酸を用いてPhを調整すること(特許文献2参照)等が知られている。
しかしながら、これらの手法は、いずれも、ガラス系無機充填材の化学的活性を高め、引張強さ、引張伸び、曲げ強さ等の機械的特性を得るものである。近年、これらの機械的特性に加え、耐久性、とりわけ耐疲労特性を発揮するポリアセタール樹脂の提供が求められており、従来のポリアセタール樹脂では、耐久性の向上の点において、さらなる改良の余地がある。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、機械的特性に優れ、かつ、耐疲労特性にも優れたポリアセタール樹脂を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた、その結果、ポリアセタール樹脂に対して、特定のガラス繊維と少量のホウ酸化合物とを用いることで、高い機械的特性を維持しつつ、耐疲労特性を向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
(1)本発明は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部と、(B)ポリウレタン化合物で表面処理されたガラス繊維1質量部以上100質量部以下と、(C)ホウ酸化合物0.001質量部以上1.0質量部以下とを含有するポリアセタール樹脂組成物である。
(2)また、本発明は、前記(B)ガラス繊維のJIS R 3420に準じて測定される単繊維直径が8μm以上14μm以下である、(1)に記載のポリアセタール樹脂組成物である。
(3)また、本発明は、前記(C)ホウ酸化合物がオルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸及び三酸化二ホウ素の中から選ばれる少なくとも1種である、(1)及び(2)に記載のポリアセタール樹脂組成物である。
本発明によれば、機械的特性に優れ、かつ、耐疲労特性にも優れたポリアセタール樹脂を提供できる。
以下、本発明の具体的な実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<ポリアセタール樹脂組成物>
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して、(B)ポリウレタン化合物で表面処理されたガラス繊維1質量部以上100質量部以下と、(C)ホウ酸化合物0.001質量部以上1.0質量部以下とを含有する。以下、各々の成分について説明する。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して、(B)ポリウレタン化合物で表面処理されたガラス繊維1質量部以上100質量部以下と、(C)ホウ酸化合物0.001質量部以上1.0質量部以下とを含有する。以下、各々の成分について説明する。
[(A)ポリアセタール樹脂]
(A)ポリアセタール樹脂は、オキシメチレン基(−CH2O−)を主たる構成単位とする高分子化合物で、ポリオキシメチレンホモポリマー、又はオキシメチレン基を主たる繰り返し単位とし、これ以外に他の構成単位、例えばエチレンオキサイド、1,3−ジオキソラン、1,4−ブタンジオール等のコモノマー単位を少量含有するコポリマー、ターポリマー、ブロックポリマーのいずれにてもよい。また、ポリアセタール樹脂は、分子が線状のみならず分岐、架橋構造を有するものであってもよく、他の有機基を導入した公知の変性ポリオキシメチレンであってもよい。また、ポリアセタール樹脂は、その重合度に関しても特に制限はなく、溶融成形加工性を有するもの(例えば、190℃、2160g荷重下でのメルトフロー値(MFR)が1.0g/10分以上100g/10分以下)であればよい。
(A)ポリアセタール樹脂は、オキシメチレン基(−CH2O−)を主たる構成単位とする高分子化合物で、ポリオキシメチレンホモポリマー、又はオキシメチレン基を主たる繰り返し単位とし、これ以外に他の構成単位、例えばエチレンオキサイド、1,3−ジオキソラン、1,4−ブタンジオール等のコモノマー単位を少量含有するコポリマー、ターポリマー、ブロックポリマーのいずれにてもよい。また、ポリアセタール樹脂は、分子が線状のみならず分岐、架橋構造を有するものであってもよく、他の有機基を導入した公知の変性ポリオキシメチレンであってもよい。また、ポリアセタール樹脂は、その重合度に関しても特に制限はなく、溶融成形加工性を有するもの(例えば、190℃、2160g荷重下でのメルトフロー値(MFR)が1.0g/10分以上100g/10分以下)であればよい。
[(B)ポリウレタン化合物で表面処理されたガラス繊維]
(B)ガラス繊維は、ポリウレタン化合物で表面処理されたものであることを要する。ポリアセタール樹脂組成物の構成成分として表面処理されたガラス繊維を用いたとしても、表面処理剤がポリウレタン化合物でないと、表面処理剤がポリウレタン化合物である場合に比べ、引張強さ等の機械的特性が劣るだけでなく、耐疲労特性も劣るため、好ましくない。
(B)ガラス繊維は、ポリウレタン化合物で表面処理されたものであることを要する。ポリアセタール樹脂組成物の構成成分として表面処理されたガラス繊維を用いたとしても、表面処理剤がポリウレタン化合物でないと、表面処理剤がポリウレタン化合物である場合に比べ、引張強さ等の機械的特性が劣るだけでなく、耐疲労特性も劣るため、好ましくない。
ポリウレタン化合物としては、集束性等の点から、特にキシリレンジイソシアネートを主とするポリイソシアネート成分とポリエステルポリオールを主とするポリオール成分から得られたものが好適である。ここで、キシリレンジイソシアネートとしては、o−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート及びこれらの混合物が挙げられるが、これらの中でm−キシリレンジイソシアネートが好ましい。
一方、ポリエステルポリオールとしては、例えば多価アルコールと多価カルボン酸との脱水縮合により得られた縮合系ポリエステルポリオール、多価アルコールをベースとしてラクトンの開環重合により得られたラクトン系ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールの末端をラクトンでエステル変性したエステル変性ポリオール及びこれらの共重合ポリエステルポリオール等が挙げられる。
上記縮合系ポリエステルポリオールにおいて用いられる多価アルコールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等が挙げられ、多価カルボン酸の例としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、トリメリット酸等が挙げられる。
また、ラクトン系ポリエステルポリオールとしては、例えばポリ(ε−カプロラクトン)ポリオール等がある。これらのポリエステルポリオールは、重量平均分子量が500〜4000の範囲にあるものが好適である。
ポリウレタン化合物を製造するには、例えば、キシリレンジイソシアネートとポリエステルポリオールとを、30〜130℃程度で無溶媒下又は少量の有機溶媒存在下に加熱することにより行うことができる。なお、加熱反応を行う際には、前記ポリエステルポリオールの説明で例示した多価アルコールを、鎖延長剤として適宜共存させてもよい。また、有機溶媒を使用する場合には、この有機溶媒としては、イソシアネートと反応せず、かつ水と混和性のあるものであればよく、特に制限はないが、例えばアセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等を用いることができる。
また、ガラス繊維に表面処理を行う際には、後述するようにポリウレタン化合物を水中に分散又は溶解させて水性エマルジョンにすることが好ましい。水性エマルジョンを製造する方法としては、以下に示す自己乳化法、乳化剤を使用する方法があるが、これらを適当に組み合わせてもよい。
(1)ポリウレタン化合物の側鎖又は末端にイオン性基(スルホン酸基、アミノ基、カルボキシル基等)又は非イオン性親水性基(ポリエチレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール等)を導入することにより親水性を付与した後、自己乳化により水中に分散又は溶解する方法。
(2)ポリウレタン化合物を製造する際、モノマーとして、ポリエステルポリオール成分及びキシリレンジイソシアネート成分以外に、ポリエチレングリコール又はモノアルコキシポリエチレングリコールのような水溶性ポリオールを共存させて行い、水に比較的親和性のあるポリウレタン系樹脂として水中に分散又は溶解させて自己乳化する方法。
(3)ポリウレタン化合物に存在するイソシアネート基をブロック剤(アルコール、オキシム等)でブロックしたポリマーを乳化剤と機械的剪断力を用いて強制的に分散する方法。
(4)ポリウレタン化合物を特にブロック剤を使用せずに乳化剤と機械的剪断力により強制的に水中で分散させる方法。
また、乳化させる際或いは乳化させた後、イソシアネート基を有するポリウレタン系樹脂に鎖延長剤を加えることにより、さらに分子量の高いポリウレタン系樹脂エマルジョンを製造することもできる。その際の鎖延長剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ヒドラジン、N,N−ジメチルヒドラジン等の公知のものを使用することができる。
本発明に用いられるガラス繊維として、その単繊維直径は、特に限定されるものではないが、8μm以上14μm以下であることが好ましい。ガラス繊維の単繊維直径が8μm未満であると、成形品の機械的特性や耐疲労特性には問題ないが、成形品の生産性(原料フィード性)が悪化しやすく、その単繊維直径が14μmを超えると添加量に対して強度の向上が劣る。なお、本明細書において、ガラス繊維の単繊維直径は、JIS R 3420に準じて測定される25個のフィラメント断面の直径の平均値をいうものとする。
(B)ガラス繊維の配合量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して1質量部以上100質量部以下であり、好ましくは10質量部以上55質量部以下である。ガラス繊維の含有量が1質量部未満であると、成形品の機械的特性及び耐疲労特性の改善が不十分であり、その含有量が100質量部を超えると成形加工が困難になる。
[(C)ホウ酸化合物]
(C)ホウ酸化合物の種類は特に限定されるものでなく、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、三酸化二ホウ素等のいずれであってもよい。(C)ホウ酸化合物の配合量は、0.001質量部以上1.0質量部以下であり、好ましくは0.01質量部以上0.5質量部以下である。0.001質量部未満では、機械的特性及び耐疲労特性に劣り所望の効果が得られず、1.0質量部を越えると、同じく機械的特性及び耐疲労特性に劣り所望の効果が得られない。
(C)ホウ酸化合物の種類は特に限定されるものでなく、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、三酸化二ホウ素等のいずれであってもよい。(C)ホウ酸化合物の配合量は、0.001質量部以上1.0質量部以下であり、好ましくは0.01質量部以上0.5質量部以下である。0.001質量部未満では、機械的特性及び耐疲労特性に劣り所望の効果が得られず、1.0質量部を越えると、同じく機械的特性及び耐疲労特性に劣り所望の効果が得られない。
[その他]
本発明のポリアセタール樹脂組成物中のガラス繊維には、さらに公知のカップリング剤を使用してもよい。カップリング剤は、ガラス繊維を、ポリアセタール樹脂との濡れ性や接着性等を良好なものとするために用いられるものであって、例えばシラン系、チタネート系、アルミニウム系、クロム系、ジルコニウム系、ボラン系カップリング剤等があるが、これらの中で、特にシラン系カップリング剤が好適である。
本発明のポリアセタール樹脂組成物中のガラス繊維には、さらに公知のカップリング剤を使用してもよい。カップリング剤は、ガラス繊維を、ポリアセタール樹脂との濡れ性や接着性等を良好なものとするために用いられるものであって、例えばシラン系、チタネート系、アルミニウム系、クロム系、ジルコニウム系、ボラン系カップリング剤等があるが、これらの中で、特にシラン系カップリング剤が好適である。
シラン系カップリング剤としては、例えばビニルアルコキシシラン、エポキシアルコキシシラン、アミノアルコキシシラン、メルカプトアルコキシシラン、アリルアルコキシシラン等が挙げられる。ビニルアルコキシシランとしては、例えばビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等が挙げられる。エポキシアルコキシシランとしては、例えばγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。アミノアルコキシシランとしては、例えばγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。メルカプトアルコキシシランとしては、例えばγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。アリルアルコキシシランとしては、例えばγ−ジアリルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アリルチオプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。いずれの表面処理剤を用いても、ある程度の効果を得ることができるが、本発明の目的のためには、アミノアルコキシシランが特に好ましい表面処理剤である。チタネート系表面処理剤としては、例えばチタニウム−i−プロポキシオクチレングリコレート、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン等が挙げられる。これらカップリング剤は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のポリアセタール樹脂組成物には、さらに公知の各種安定剤・添加剤を配合し得る。安定剤としては、ヒンダードフェノール系化合物、含窒素塩基性化合物、アルカリ或いはアルカリ土類金属の水酸化物、無機塩、カルボン酸塩等のいずれか1種又は2種以上を挙げることができる。添加剤としては、熱可塑性樹脂に対する一般的な添加剤、例えば染料、顔料等の着色剤、滑剤、核剤、離型剤、帯電防止剤、界面活性剤のいずれか1種又は2種以上を挙げることができる。
また、本発明の目的とする成形品の性能を大幅に低下させないような範囲であるならば、ガラス繊維以外の公知の無機、有機、及び金属等の繊維状、板状、粉粒状等の充填剤を1種又は2種以上複合させて配合することも可能である。このような充填剤の例としては、タルク、マイカ、ウォラストナイト、炭素繊維、ガラスビーズ等が挙げられるが、何らこれらに限定されるものではない。
本発明のポリアセタール樹脂組成物の調製は、従来の樹脂組成物調製法として一般に用いられる公知の方法により容易に調製される。例えば各成分を混合した後、1軸又は2軸の押出機により練込み押出しして、ペレットを調製し、しかる後、成形する方法、一旦組成の異なるペレット(マスターバッチ)を調製し、そのペレットを所定量混合(稀釈)して成形に供し、成形後に目的組成の成形品を得る方法等、いずれも使用できる。また、アセタール組成物の調製において、基体であるポリアセタール樹脂の一部又は全部を粉砕し、これとその他の成分を混合した後、押出等を行うことは添加物の分散性を良くする上で好ましい方法である。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1において、各種材料は次のとおりである。
〔(A)ポリアセタール樹脂〕
トリオキサン96.7質量%と1,3−ジオキソラン3.3質量%とを共重合させてなるポリアセタール共重合体(メルトインデックス(190℃,荷重2160gで測定):27g/10min)
〔(B)ポリウレタン化合物で表面処理されたガラス繊維〕
(B1)単繊維直径:10μm(オーウェンスコーニング社製)
(B2)単繊維直径:13μm(オーウェンスコーニング社製)
(B3)単繊維直径:6μm(オーウェンスコーニング社製)
〔(B’)他の表面処理剤で表面処理されたガラス繊維〕
ポリ酢酸ビニルで表面処理されたガラス繊維(単繊維直径:10μm、オーウェンスコーニング社製)
〔(C)ホウ酸化合物〕
オルトホウ酸
〔(A)ポリアセタール樹脂〕
トリオキサン96.7質量%と1,3−ジオキソラン3.3質量%とを共重合させてなるポリアセタール共重合体(メルトインデックス(190℃,荷重2160gで測定):27g/10min)
〔(B)ポリウレタン化合物で表面処理されたガラス繊維〕
(B1)単繊維直径:10μm(オーウェンスコーニング社製)
(B2)単繊維直径:13μm(オーウェンスコーニング社製)
(B3)単繊維直径:6μm(オーウェンスコーニング社製)
〔(B’)他の表面処理剤で表面処理されたガラス繊維〕
ポリ酢酸ビニルで表面処理されたガラス繊維(単繊維直径:10μm、オーウェンスコーニング社製)
〔(C)ホウ酸化合物〕
オルトホウ酸
表1に記載のポリアセタール樹脂100質量部に、表1に記載のガラス繊維及びホウ酸化合物を表1に示す量で配合し、シリンダー温度200℃の押出機で溶融混練し、実施例及び比較例に係るペレット状のポリアセタール樹脂組成物を調製した。
<評価>
実施例及び比較例に係るペレット状の組成物から射出成形機を用い、ISO527−1,2に準拠して試験片を成形した。そして、以下に示す特性を測定した。
実施例及び比較例に係るペレット状の組成物から射出成形機を用い、ISO527−1,2に準拠して試験片を成形した。そして、以下に示す特性を測定した。
〔引張強さ・引張伸び〕
上記実施例1〜7及び比較例1〜4の熱水処理前の試験片に対し、ISO527−1,2に準拠し、引張強さ・引張伸びを測定した。また、同様に、95℃7日間の条件で熱水処理した後の試験片の引張強さ・引張伸びを測定し、引張強さ保持率を算出した。結果を表2に示す。
上記実施例1〜7及び比較例1〜4の熱水処理前の試験片に対し、ISO527−1,2に準拠し、引張強さ・引張伸びを測定した。また、同様に、95℃7日間の条件で熱水処理した後の試験片の引張強さ・引張伸びを測定し、引張強さ保持率を算出した。結果を表2に示す。
〔疲労試験〕
上記実施例1〜3、5〜7及び比較例1、3〜4の試験片に対し、株式会社鷺宮製作所製油圧サーボ疲労試験機EHF−50−10−3を用い、80℃の空気雰囲気下、周波数10Hzの正弦波にて引張り荷重50MPaを負荷し、破壊に至る回数を測定した。ガラス繊維の配合量が10質量%となる実施例4及び比較例2の試験片については、引張荷重30MPaを付加し、破壊に至る回数を測定した。破壊するまでの回数が10万回以上のものを「◎」とし、1万回以上10万回未満のものを「○」とし、1万回未満のものを「×」とした。結果を表2に示す。
上記実施例1〜3、5〜7及び比較例1、3〜4の試験片に対し、株式会社鷺宮製作所製油圧サーボ疲労試験機EHF−50−10−3を用い、80℃の空気雰囲気下、周波数10Hzの正弦波にて引張り荷重50MPaを負荷し、破壊に至る回数を測定した。ガラス繊維の配合量が10質量%となる実施例4及び比較例2の試験片については、引張荷重30MPaを付加し、破壊に至る回数を測定した。破壊するまでの回数が10万回以上のものを「◎」とし、1万回以上10万回未満のものを「○」とし、1万回未満のものを「×」とした。結果を表2に示す。
表2の結果から、(A)ポリアセタール樹脂100質量部と、(B)ポリウレタン化合物で表面処理されたガラス繊維1質量部以上100質量部以下と、(C)ホウ酸化合物0.001質量部以上1.0質量部以下とが配合されたポリアセタール樹脂組成物の成形品は、いずれも引張強さ及び引張伸びの機械的特性に優れ、耐久性、とりわけ耐疲労特性に優れていることが確認された(実施例1〜7)。実施例1〜6と実施例7との比較から、試験片を成形する際の原料フィード性を考慮すると、(B)成分の単繊維直径は、10μm以上であることが好ましいことが確認された。
これに対し、ポリ酢酸ビニルで表面処理されたガラス繊維が配合されたポリアセタール樹脂組成物の成形品は、いずれも、所望の機械的特性が得られず、熱水処理によってガラス繊維とポリアセタール樹脂組成物の界面が分解し、ポリアセタール樹脂組成物そのものの機械的特性しか得られず、所望の耐疲労特性が得られなかった(比較例1、2)。
ホウ酸化合物が配合されていない比較例3では、初期の機械的特性に優れるものの、熱水処理によって機械的特性の低下が大きく、所望の耐疲労特性が得られなかった。また、ホウ酸化合物が過大に配合された比較例4では、所望の機械的特性及び耐久性が得られなかった。
Claims (3)
- (A)ポリアセタール樹脂100質量部と、
(B)ポリウレタン化合物で表面処理されたガラス繊維1質量部以上100質量部以下と、
(C)ホウ酸化合物0.001質量部以上1.0質量部以下とを含有するポリアセタール樹脂組成物。 - 前記(B)ガラス繊維のJIS R 3420に準じて測定される単繊維直径が8μm以上14μm以下である、請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
- 前記(C)ホウ酸化合物がオルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸及び三酸化二ホウ素の中から選ばれる少なくとも1種である、請求項1及び2に記載のポリアセタール樹脂組成物。
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