JP2017065936A - セメントミルク及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のセメントミルクは、硫酸スズ、硫酸鉄又はそれらの混合物を流動性向上剤として0.5質量%〜2質量%含有することを特徴とする。また、本発明のセメントミルクの製造方法は、40℃以上の環境下において、セメントに流動性向上剤を配合して混合した後、水をさらに配合して混合するか、又は40℃以上の環境下において、流動性向上剤の水溶液とセメントとを混合することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
すなわち、本発明は、以下の第(1)項〜第(5)項である。
(1)硫酸スズ、硫酸鉄又はそれらの混合物を流動性向上剤として0.5質量%〜2質量%含有することを特徴とするセメントミルク。
(2)前記流動性向上剤が、硫酸スズであることを特徴とする第(1)項に記載のセメントミルク。
(3)前記セメントミルクに含有されるセメントが、エコセメントであることを特徴とする第(1)項又は第(2)項に記載のセメントミルク。
40℃以上の環境下において、セメントに前記流動性向上剤を配合して混合した後、水をさらに配合して混合することを特徴とするセメントミルクの製造方法。
(5)第(1)項〜第(3)項のいずれか一項に記載のセメントミルクの製造方法であって、
40℃以上の環境下において、前記流動性向上剤の水溶液とセメントとを混合することを特徴とするセメントミルクの製造方法。
セメントミルクとしては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。
セメントミルクは、一般に、セメント及び水を含有する。また、セメントミルクは、混和剤などの公知の添加剤を含有していてもよい。
硫酸鉄としては、硫酸第一鉄を用いることができる。硫酸第一鉄は、一水塩のもであっても、七水塩のものであってもよい。これらの硫酸スズ及び硫酸鉄は、市販の工業製品を用いることができる。
第1の方法は、40℃以上の環境下において、セメントに流動性向上剤を配合して混合した後、水をさらに配合して混合する。
第2の方法は、40℃以上の環境下において、流動性向上剤の水溶液とセメントとを混合する。
流動性向上剤は、セメントと混合する前に、水に予め配合して水溶液とすることにより、周囲温度の上昇によるセメントミルクの流動性の低下を抑制する効果が大きくなる傾向にある。
したがって、周囲温度の上昇による流動性の低下を抑制する効果がより大きいセメントミルクを得る観点からは、第2の方法を用いてセメントミルクを製造することが好ましい。
なお、セメントミルクの製造におけるその他の条件については、特に限定されず、公知のセメントミルクの製造方法に準じて設定すればよい。
(実施例1)
50℃の環境下において、エコセメント(太平洋セメント株式会社製)に硫酸第一スズ(SnSO4)を配合して混合した後、水をさらに配合して混合することによってセメントミルクを得た。ここで、混合は、18Lペール缶内でハンドミキサを用いて練り混ぜた。また、水を配合した後の混合時間は60秒とした。また、セメントミルクの水セメント比は60%、セメントミルク中の硫酸第一スズの含有量は0.5質量%とした。
(実施例2)
硫酸第一スズの代わりに硫酸第一鉄(FeSO4・7H2O)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてセメントミルクを得た。
エコセメントの代わりに普通ポルトランドセメント(太平洋セメント株式会社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてセメントミルクを得た。
(実施例4)
セメントミルク中の硫酸第一スズの含有量を1.0質量%としたこと以外は、実施例3と同様にしてセメントミルクを得た。
硫酸第一スズを配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてセメントミルクを得た。
(比較例2)
硫酸第一スズの代わりにチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてセメントミルクを得た。
(比較例3)
硫酸第一スズの代わりに硫酸ナトリウム(Na2SO4)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてセメントミルクを得た。
エコセメントの代わりに普通ポルトランドセメントを用い、且つ硫酸第一スズを配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてセメントミルクを得た。
(比較例5)
エコセメントの代わりに普通ポルトランドセメントを用い、且つ硫酸第一スズの代わりに硫酸カルシウム(CaSO4)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてセメントミルクを得た。
(比較例6)
セメントミルク中の硫酸カルシウムの含有量を1.0質量%としたこと以外は、比較例5と同様にしてセメントミルクを得た。
これに対して、硫酸第一スズ又は硫酸第一鉄を配合したセメントミルク(実施例1〜4)では、50℃の高温条件になってもJAロート流下時間が比較的短く、流動性の低下を抑制し得ることが確認された。
また、硫酸スズ及び硫酸鉄以外の硫酸塩又はチオ硫酸塩を配合したセメントミルク(比較例2、3、5及び6)では、流動性の低下を抑制する効果が得られないか、又はその効果が十分でなかった。
50℃の環境下において、水に硫酸第一スズを配合して混合することによって硫酸第一スズの水溶液を得た後、エコセメントをさらに配合して混合することによってセメントミルクを得た。ここで、水を配合した後の混合時間は60秒とし、その他の条件は実施例1と同様にした。
(実施例6)
セメントミルク中の硫酸第一スズの含有量を2質量%に変えたこと以外は実施例1と同様にしてセメントミルクを得た。
(実施例7)
環境温度を40℃に変えたこと、及びセメントミルク中の硫酸第一スズの含有量を1質量%に変えたこと以外は実施例1と同様にしてセメントミルクを得た。
セメントミルク中の硫酸第一スズの含有量を0.2質量%に変えたこと以外は実施例1と同様にしてセメントミルクを得た。
(比較例8)
セメントミルク中の硫酸第一スズの含有量を3質量%に変えたこと以外は実施例1と同様にしてセメントミルクを得た。
(比較例9)
環境温度を40℃に変えたこと以外は比較例1と同様にしてセメントミルクを得た。
また、硫酸第一スズをセメントに加えた場合(実施例1)に比べて、硫酸第一スズを練水に加えた場合(実施例5)の方が、JAロート流下時間が短くなり、流動性の低下を抑制する効果が向上することが確認された。
環境温度を40℃に変えたこと以外は実施例4と同様にしてセメントミルクを得た。
40℃の環境下において、水に硫酸第一スズを配合して混合することによって硫酸第一スズの水溶液を得た後、普通ポルトランドセメントをさらに配合して混合することによってセメントミルクを得た。ここで、セメントを配合した後の混合時間は60秒とし、その他の条件は実施例8と同様にした。
(比較例10)
硫酸第一スズを配合しなかったこと以外は実施例8と同様にしてセメントミルクを得た。
Claims (5)
- 硫酸スズ、硫酸鉄又はそれらの混合物を流動性向上剤として0.5質量%〜2質量%含有することを特徴とするセメントミルク。
- 前記流動性向上剤が、硫酸スズであることを特徴とする請求項1に記載のセメントミルク。
- 前記セメントミルクに含有されるセメントが、エコセメントであることを特徴とする請求項1又は2に記載のセメントミルク。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のセメントミルクの製造方法であって、
40℃以上の環境下において、セメントに前記流動性向上剤を配合して混合した後、水をさらに配合して混合することを特徴とするセメントミルクの製造方法。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のセメントミルクの製造方法であって、
40℃以上の環境下において、前記流動性向上剤の水溶液とセメントとを混合することを特徴とするセメントミルクの製造方法。
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- 2015-09-28 JP JP2015189749A patent/JP2017065936A/ja active Pending
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