JP2017065101A - 熱転写シート - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の熱転写シート10に用いられる基材1としては、耐熱性と取り扱い上支障のない機械的特性を有するものであれば従来公知の基材を適宜選択して用いることができる。このような基材として、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等の各種プラスチックフィルムまたはシートを挙げることができる。これらの材料はそれぞれ単独でも使用できるが、他の材料と組合せた積層体として使用してもよい。基材1の厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜設定することができ、0.5μm以上50μm以下の範囲が好ましく、1μm以上20μm以下の範囲がより好ましく、1μm以上10μm以下の範囲が特に好ましい。
基材1上にはプライマー層2が設けられている。プライマー層2は、本発明の熱転写シート10における必須の構成である。
酸価を有するアクリル系樹脂としては、例えば、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂を挙げることができる。また、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステルなどの重合物や、これらに酢酸ビニル、スチレン、ブタジエンなどを共重合させたもの等を挙げることができる。酸価を有するアクリル系樹脂の具体的な例としては、ポリアクリル酸、スチレン・アクリル酸共重合樹脂、スチレン・α−メチルスチレン・アクリル酸共重合樹脂、メタクリル酸エステル・アクリル酸共重合樹脂、酢酸ビニル・アクリル酸エステル共重合体樹脂、アクリル酸・アクリル酸エステル共重合体樹脂等を挙げることができる。
図1に示すように基材1の一方の面の少なくとも一部には、昇華性染料とバインダー樹脂を含む色材層3が設けられている。なお、図1に示す形態では、基材1上に単一の色材層3が設けられた構成をとっているが、異なる昇華性染料を含む複数の色材層を同一基材の同一面に面順次に繰り返し設けてもよい。
色材層3が含有している昇華性染料としては従来公知のものを適宜選択して用いることができる。昇華性染料としては、例えば、ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メロシアニン、ピラゾロンメチン等のメチン系、インドアニリン、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチンに代表されるアゾメチン系、キサンテン系、オキサジン系、ジシアノスチレン、トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジズアゾ等のアゾ系、スピロピラン系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキノン系、アントラキノン系、キノフタロン系等のものが挙げられる。
色材層3が含有しているバインダー樹脂について特に限定はなく、従来公知のバインダー樹脂を適宜選択して用いることができる。好ましいバインダー樹脂としては、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、染料の移行性等の観点から、ポリビニルアセタール樹脂や、ポリビニルブチラール樹脂を特に好適に使用することができる。
図1に示すように、基材1の他方の面には、耐熱性、及び印画時におけるサーマルヘッドの走行性等を向上させるための背面層4が設けられている。
基材として厚さ4.5μmの易接着処理がされたポリエチレンテレフタレートフィルム(ダイヤホイルK203E 三菱化学ポリエステルフィルム(株)製)を用い、該基材の易接着処理された面上に、下記組成の背面層用塗工液を乾燥塗布量0.8g/m2となるようにバーコーター法で塗工し、100℃で1分間乾燥して背面層を形成した。また、基材の背面層を形成した面とは異なる面上に、下記組成のプライマー層用塗工液1を、乾燥塗布量0.15g/m2となるように塗工し、110℃で1分間乾燥してプライマー層を形成した。次いで、プライマー層上に、下記組成の色材層用塗工液1を、乾燥塗布量0.8g/m2となるように塗工し、80℃で1分間乾燥して色材層を形成し、実施例1の熱転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(酸価:238mgKOH/g、Tg:134℃) 18.5部
(ジョンクリルJDX−6180 BASFジャパン社製)
・水 34部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
・C.I.ソルベントブルー63 6部
・ポリビニルアセタール樹脂 4部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株))
・トルエン 45部
・メチルエチルケトン 45部
・ポリビニルブチラール樹脂 10部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート硬化剤 2部
(タケネートD218 武田薬品工業(株))
・リン酸エステル 2部
(プライサーフA208S 第一工業製薬(株))
・メチルエチルケトン 43部
・トルエン 43部
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液2を用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例2の熱転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(酸価:240mgKOH/g、Tg:102℃) 14.7部
(ジョンクリルHPD−96J BASFジャパン社製)
・水 37.8部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液3を用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例3の熱転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(酸価:240mgKOH/g、Tg:102℃) 16.7部
(ジョンクリル70J BASFジャパン社製)
・水 35.8部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液4を用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例4の熱転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(酸価:200mgKOH/g、Tg:85℃) 13.9部
(ジョンクリルHPD−196 BASFジャパン社製)
・水 38.6部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液5を用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例5の熱転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(酸価:85mgKOH/g、Tg:65℃) 16.9部
(ジョンクリルJDX−6500 BASFジャパン社製)
・水 35.6部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液6を用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例6の熱転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(酸価:238mgKOH/g、Tg:56℃) 8.3部
(ジョンクリル52J BASFジャパン社製)
・水 44.2部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液7を用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例7の熱転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(酸価:238mgKOH/g、Tg:134℃) 16.7部
(ジョンクリルJDX−6180 BASFジャパン社製)
・カルボジイミド系硬化剤 1.3部
(V−02 日清紡ケミカル(株))
・水 34.5部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液8を用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例8の熱転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(酸価:240mgKOH/g、Tg:102℃) 13.2部
(ジョンクリルHPD−96J BASFジャパン社製)
・カルボジイミド系硬化剤 1.3部
(V−02 日清紡ケミカル(株))
・水 38部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液9を用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例9の熱転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(酸価:238mgKOH/g、Tg:134℃) 16.7部
(ジョンクリルJDX−6180 BASFジャパン社製)
・カルボジイミド系硬化剤 1.3部
(SV−02 日清紡ケミカル(株))
・水 34.5部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液10を用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例10の熱転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(酸価:240mgKOH/g、Tg:102℃) 13.2部
(ジョンクリルHPD−96J BASFジャパン社製)
・カルボジイミド系硬化剤 1.3部
(SV−02 日清紡ケミカル(株))
・水 38部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液11を用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例11の熱転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(酸価:238mgKOH/g、Tg:134℃) 16.7部
(ジョンクリルJDX−6180 BASFジャパン社製)
・オキサゾリン系硬化剤 1.3部
(WS−500 日本触媒(株))
・水 34.5部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液12を用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例12の熱転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(酸価:240mgKOH/g、Tg:102℃) 13.2部
(ジョンクリルHPD−96J BASFジャパン社製)
・オキサゾリン系硬化剤 1.3部
(WS−500 日本触媒(株))
・水 38部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液13を用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例13の熱転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(酸価:238mgKOH/g、Tg:134℃) 16.7部
(ジョンクリルJDX−6180 BASFジャパン社製)
・オキサゾリン系硬化剤 1.3部
(WS−700 日本触媒(株))
・水 34.5部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液14を用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例14の熱転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(酸価:240mgKOH/g、Tg:102℃) 13.2部
(ジョンクリルHPD−96J BASFジャパン社製)
・オキサゾリン系硬化剤 1.3部
(WS−700 日本触媒(株))
・水 38部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液15を用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例15の熱転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(酸価:238mgKOH/g、Tg:134℃) 16.7部
(ジョンクリルJDX−6180 BASFジャパン社製)
・キレート硬化剤 0.5部
(オルガチックスTC−300 マツモトファインケミカル(株))
・水 38.8部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液16を用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例16の熱転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(酸価:238mgKOH/g、Tg:134℃) 16.7部
(ジョンクリルJDX−6180 BASFジャパン社製)
・エポキシ系硬化剤 0.5部
(ウォーターゾールWSA−950 DIC社製)
・水 38.8部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
プライマー層用塗工液1にかえて、上記組成のプライマー層用塗工液2を用いてプライマー層を形成し、色材層用塗工液1にかえて、下記組成の色材層用塗工液2を用いて色材層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例17の熱転写シートを得た。
・C.I.ソルベントブルー63 6部
・ポリビニルアセタール樹脂 2部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート硬化剤 2部
(タケネートD218 武田薬品工業(株))
・トルエン 45部
・メチルエチルケトン 45部
プライマー層用塗工液1にかえて、上記組成のプライマー層用塗工液2を用いてプライマー層を形成し、色材層用塗工液1にかえて、下記組成の色材層用塗工液3を用いて色材層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例18の熱転写シートを得た。
・C.I.ソルベントブルー63 6部
・ポリビニルアセタール樹脂 4部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株))
・シリコーンオイル 1部
(KF−412 信越シリコーン(株))
・トルエン 44.5部
・メチルエチルケトン 44.5部
プライマー層用塗工液1にかえて、上記組成のプライマー層用塗工液2を用いてプライマー層を形成し、色材層用塗工液1にかえて、下記組成の色材層用塗工液4を用いて色材層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例19の熱転写シートを得た。
・C.I.ソルベントブルー63 6部
・ポリビニルアセタール樹脂 4部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株))
・リン酸エステル 1部
(プライサーフA208S 第一工業製薬(株))
・トルエン 44.5部
・メチルエチルケトン 44.5部
プライマー層用塗工液1にかえて、上記組成のプライマー層用塗工液2を用いてプライマー層を形成し、色材層用塗工液1にかえて、下記組成の色材層用塗工液5を用いて色材層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例20の熱転写シートを得た。
・C.I.ソルベントブルー63 6部
・ポリビニルアセタール樹脂 2部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート硬化剤 2部
(タケネートD218 武田薬品工業(株))
・シリコーンオイル 1部
(KF−412 信越シリコーン(株))
・トルエン 44.5部
・メチルエチルケトン 44.5部
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液Aを用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例1の熱転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(酸価:0mgKOH/g、Tg:32℃) 13.9部
(AC13 新中村化学工業(株))
・水 38.6部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液Bを用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例2の熱転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(酸価:0mgKOH/g、Tg:13℃) 15.2部
(AC−117N 新中村化学工業(株))
・水 37.3部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
プライマー層を形成しなかった以外は、全て実施例1と同様にして比較例3の熱転写シートを得た。
プライマー層用塗工液1にかえて、上記組成のプライマー層用塗工液Aを用いてプライマー層を形成し、色材層用塗工液1にかえて、下記組成の色材層用塗工液6を用いて色材層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例4の熱転写シートを得た。
・C.I.ソルベントブルー63 5部
・ポリビニルアセタール樹脂 5部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株))
・トルエン 45部
・メチルエチルケトン 45部
プライマー層用塗工液1にかえて、上記組成のプライマー層用塗工液Bを用いてプライマー層を形成し、色材層用塗工液1にかえて、上記組成の色材層用塗工液6を用いて色材層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例5の熱転写シートを得た。
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液Cを用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例6の熱転写シートを得た。
・ポリエステルウレタン樹脂(酸価:26mgKOH/g、Tg:92℃)16.7部
(AC13 東洋紡(株))
・メチルエチルケトン(MEK) 66.7部
・トルエン 16.6部
テストプリンターを用いて、各実施例、及び比較例の各熱転写シートと、下記条件で作製した熱転写受像シートを組み合わせて、下記印画条件で、255階調を17階調ごとに分けたステップパターンを印画し、比較例6の熱転写シートを用いて得られた印画物の濃度を基準とし、以下の評価基準に基づいて各実施例、及び比較例の熱転写シートを用いて形成された印画物のハイライト濃度、及びMAX濃度の評価を行った。なお、ハイライト濃度は、51〜85階調部の濃度であり、MAX濃度は、255階調部の濃度である。濃度の測定は、分光測定器(X−rite社製 i1 Pro2)により行った。評価結果を表1に示す。
多孔質ポリエチレンフィルム(トヨパール−SS P4255 東洋紡績(株)、厚さ35μm)からなる多孔質ポリエチレンフィルム層上に、下記組成の中間層用塗工液、受容層用塗工液をグラビアリバースコート方式で、順次塗布、乾燥して、中間層、受容層を形成した。その中間層、受容層の設けられた面と反対面の多孔質ポリエチレンフィルムに、下記組成の接着層用塗工液を用いて、グラビアリバースロールコート方式で塗布、乾燥して、接着層を形成し、RC原紙(155g/m2、厚さ151μm)(三菱製紙(株))と貼り合わせ熱転写受像シートを作製した。上記の各々の塗工量は、全て固形分で、中間層は1.5g/m2、受容層は5.0g/m2、接着層は5.0g/m2とした。
・ポリエステル樹脂 50部
(ポリエスターWR−905 日本合成化学工業(株))
・酸化チタン 20部
(TCA888 (株)トーケムプロダクツ)
・蛍光増白剤 1.2部
(ユビテックスBAC チバ・スペシャリティーケミカルズ(株))
・水/イソプロピルアルコール=1/1 28.8部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 60部
(ソルバインC 日信化学工業(株))
・エポキシ変性シリコーン 1.2部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・メチルスチル変性シリコーン 0.6部
(X−24−510 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 5部
・ウレタン樹脂 30部
(タケラックA−969V 三井武田ケミカル(株))
・イソシアネート 10部
(タケネートA−5 三井武田ケミカル(株))
・酢酸エチル 100部
・サーマルヘッド:F3598(東芝ホクト電子株式会社製)
・発熱体平均抵抗値:5176(Ω)
・主走査方向印字密度:300dpi
・副走査方向印字密度:300dpi
・印画電力:0.12(W/dot)
・1ライン周期:2(msec.)
・パルスDuty:85%
・印画開始温度:35.5(℃)
◎:基準濃度の90%未満である。
○:基準濃度に対し90%以上100%未満である。
×:基準濃度の100%以上である。
◎:基準濃度の105%以上である。
○:基準濃度に対し100%以上105%未満である。
△:基準濃度に対し97%以上100%未満である。
×:基準濃度の97%未満である。
各実施例の熱転写シートの色材層上に、セロハンテープを親指で1往復擦って貼り付けた後に、直ちに180度剥離を行い、以下の評価基準に基づいて密着性評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。
◎:セロハンテープに色材層が転移していない。
○:セロハンテープと貼り付けた色材層の面積を100%としたときに、セロハンテープに2%未満の色材層が転移している。
△:セロハンテープと貼り付けた色材層の面積を100%としたときに、セロハンテープに2%以上5%未満の範囲で色材層が転移している。
×:セロハンテープと貼り付けた色材層の面積を100%としたときに、セロハンテープに5%以上色材層が転移している。
各実施例、及び比較例の熱転写シートと、上記で作成した熱転写受像シートとを組み合わせ、上記MAX濃度の評価を行ったときと同じ条件で、各実施例、及び比較例の印画物を得た。この印画物を得るにあたり、印画終了後、熱転写受像シートの受容層から、各実施例、及び比較例の熱転写シートの色材層を剥離するときの熱転写シートの引張強度を、プリンタ内において、熱転写シートの巻取ロールと、剥離板との間に設けられたテンションメーター(大倉インダストリー社製)により測定した。そして、比較例6の熱転写シートを用いて印画物を形成したときの引張強度を基準とし、以下の評価基準に基づいて各実施例、及び比較例の熱転写シートの剥離強度の評価を行った。評価結果を表1に示す。なお、この方法では、剥離時における熱転写シートの引張強度を測定しており、引張強度は、剥離強度を示している。また、巻取ロールによる巻取り速度が一定となるように制御した状態で、引張強度の測定を行うことで、剥離時に熱転写シートに起因する引張強度の測定が可能となっている。また、剥離強度が基準に対して小さいほど、受容層からの色材層の剥離性(離型性)が良好であり、熱融着等の発生を抑制することができることを意味する。
◎:基準の90%未満である。
○:基準に対し90%以上100%未満である。
△:基準に対し100%以上105%未満である。
×:基準の105%以上である。
各実施例の熱転写シートを形成するにあたり使用した各プライマー層用塗工液を、室温25±2℃、湿度50±10%の環境中で撹拌し、その後のプライマー層用塗工液の経時変化を目視で確認し、以下の評価基準に基づいて塗工液の安定性の評価を行った評価結果を表2に示す。なお、この評価は、実施例の熱転写シートを形成する際に用いたプライマー層用塗工液についてのみ行った。
◎:撹拌を終了した167時間後に、沈降物や、浮遊物の発生がない。
○:撹拌を終了した96時間後に、沈降物や、浮遊物の発生がない。
△:撹拌を終了した48時間以内に、沈降物や、浮遊物が発生。
×:撹拌を終了した24時間以内に、プライマー層用塗工液がゲル化。
1・・・基材
2・・・プライマー層
3・・・色材層
4・・・背面層
Claims (5)
- 基材の一方の面にプライマー層、色材層がこの順で設けられ、基材の他方の面に背面層が設けられた熱転写シートであって、
前記プライマー層が、酸価を有するアクリル系樹脂を含有していることを特徴とする熱転写シート。 - 前記アクリル系樹脂の酸価が、100mgKOH/g以上であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
- 前記プライマー層が、前記酸価を有するアクリル系樹脂と硬化剤との硬化物である硬化アクリル系樹脂を含有しており、
前記硬化剤が、オキサゾリン系硬化剤、又はカルボジイミド系硬化剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写シート。 - 前記色材層が、離型剤を含有していることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の熱転写シート。
- 前記色材層が、バインダー樹脂と硬化剤との硬化物である硬化バインダー樹脂を含有していることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の熱転写シート。
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JP6707828B2 JP6707828B2 (ja) | 2020-06-10 |
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