JP2017065101A - 熱転写シート - Google Patents

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Abstract

【課題】高濃度部の画像の濃度を維持しつつも、ハイライト部の濃度を抑えることができる熱転写シートを提供すること。【解決手段】基材1の一方の面にプライマー層2、色材層3がこの順で設けられ、基材の他方の面に背面層4が設けられた熱転写シートにおいて、プライマー層2に、酸価を有するアクリル系樹脂を含有せしめることで上記課題を解決している。【選択図】図1

Description

本発明は、熱転写シートに関する。
簡便な印刷方法として、種々の熱転写記録方法が広く使用されている。各熱転写記録方法では、連続した基材上に、例えば、イエロー、マゼンダ及びシアン(必要に応じてブラック)の色材層を面順次に繰り返し多数設けた熱転写シートが主に使用されている。熱転写記録方法は、加熱によって色材層が溶融軟化し、熱転写受像シート上に移行して画像を形成する熱溶融型記録方法と、加熱によって色材層中の色材を被転写体上に移行して画像を形成する昇華型記録方法に大別される。中でも、昇華型記録方法は、昇華性染料を色材としているため中間調の再現性や階調性に優れており、原稿通りのフルカラー画像を熱転写受像シート上に鮮明に表現することができるので、デジタルカメラ、ビデオ、コンピューター等のカラー画像形成に応用されている。その画像は、銀塩写真に匹敵する高品質なものである。
このような熱転写シートには、低階調領域から高階調領域に至る階調再現性が良好であることが求められている。つまりは、低濃度部(ハイライト部)、及び高濃度部において、設定通りの濃度の画像を得ることができることが求められている。また、現状、より濃度の高い画像を得ることができる熱転写シートに対する要求も高まりつつある。このような状況下、高濃度の画像を得るための熱転写シートについては、各種の検討がなされており、例えば、特許文献1には、色材層において、色材に対するバインダー樹脂の比率(所謂D/B比)を大きくした熱転写シートが提案されている。また、特許文献2には、特定の熱転写色素(特許文献2における一般式(I)の色素)を含む色材層を有する熱転写シートが提案されている。また、特許文献3には、特定の色素(特許文献3における一般式(I)の色素)を含む色材層を有する熱転写シートと、特定の化合物(特許文献3における一般式(II)の化合物)と金属イオンを含有する色素受容層を有する熱転写受像シートとの組合せが提案されている。これらの特許文献に提案がされている熱転写シートや、熱転写シートと熱転写受像シートとの組合せによれば、濃度の高い画像の形成が可能となるとされている。また、これ以外にも、転写感度を高めるべく、各層の厚みを薄くした熱転写シート等も知られている。
特開平8−295083号公報 特開平11−1067号公報 特開2006−315390号公報
ところで、濃度の高い画像の形成を可能とすべく、上記特許文献に提案がされているような対策を行った場合には、高濃度部の画像濃度を高めていくことにともない、低濃度部の画像の濃度、換言すれば、ハイライト部の濃度が設定よりも高くなってしまう問題が生ずることとなる。ハイライト部の濃度を抑制するための対策としては、濃度が出にくい色材や、D/B比を低くしていく等の対策が挙げられるが、これらの対策を行った場合には、今度は、高濃度部の画像の濃度が低くなってしまうといった問題が新たに生ずることとなる。つまり、高濃度部の画像の濃度を高くすることと、ハイライト部の濃度を抑制することはトレードオフの関係にあるといえる。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、高濃度部の画像の濃度を維持しつつも、ハイライト部の濃度を抑えることができる熱転写シートを提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、基材の一方の面にプライマー層、色材層がこの順で設けられ、基材の他方の面に背面層が設けられた熱転写シートであって、前記プライマー層が、酸価を有するアクリル系樹脂を含有していることを特徴とする。
また、前記アクリル系樹脂の酸価が、100mgKOH/g以上であってもよい。また、前記プライマー層が、前記酸価を有するアクリル系樹脂と硬化剤との硬化物である硬化アクリル系樹脂を含有しており、前記硬化剤が、オキサゾリン系硬化剤、又はカルボジイミド系硬化剤であってもよい。
また、前記色材層が、離型剤を含有していてもよい。また、前記色材層が、バインダー樹脂と硬化剤との硬化物である硬化バインダー樹脂を含有していてもよい。
本発明の熱転写シートによれば、高濃度部の濃度を維持しつつも、ハイライト部の濃度を抑えた画像を形成することができる。
本発明の熱転写シート一例を示す概略断面図である。
以下に、本発明の一実施形態の熱転写シート(以下、一実施形態の熱転写シートと言う)について詳細に説明する。図1は、一実施形態の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。
図1に示すように、一実施形態の熱転写シート10は、基材1の一方の面にプライマー層2、色材層3がこの順で設けられ、基材1の他方の面に背面層4が設けられた構成をとる。そして、本発明の熱転写シート10は、プライマー層2が、酸価を有するアクリル系樹脂を含有している点を特徴としている。以下、一実施形態の熱転写シート10の各構成について具体的に説明する。
(基材)
本発明の熱転写シート10に用いられる基材1としては、耐熱性と取り扱い上支障のない機械的特性を有するものであれば従来公知の基材を適宜選択して用いることができる。このような基材として、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等の各種プラスチックフィルムまたはシートを挙げることができる。これらの材料はそれぞれ単独でも使用できるが、他の材料と組合せた積層体として使用してもよい。基材1の厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜設定することができ、0.5μm以上50μm以下の範囲が好ましく、1μm以上20μm以下の範囲がより好ましく、1μm以上10μm以下の範囲が特に好ましい。
また、基材1は、プライマー層2が形成される面に接着処理が施されていても良い。接着処理を施すことで、基材1とプライマー層2との密着性を向上させることができる。
接着処理としては、例えば、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、低温プラズマ処理、プライマー処理、グラフト化処理等公知の樹脂表面改質技術をそのまま適用することができる。また、それらの処理を二種以上併用することもできる。
(プライマー層)
基材1上にはプライマー層2が設けられている。プライマー層2は、本発明の熱転写シート10における必須の構成である。
一実施形態の熱転写シート10は、プライマー層2が、酸価を有するアクリル系樹脂を含有していることを特徴としている。この特徴を有する一実施形態の熱転写シート10によれば、当該熱転写シート10を用いて、高濃度部の濃度を維持しつつも、ハイライト部の濃度を抑えた画像を形成することができる。換言すれば、高濃度部の濃度を下げることなく、ハイライト部の濃度を抑えた画像を形成することができる。以下、酸価を有するアクリル系樹脂のことを「特定のアクリル系樹脂」と言う場合がある。
なお、「特定のアクリル系樹脂」にかえて、酸価を有しないアクリル系樹脂や、酸価を有するアクリル系樹脂以外の他の樹脂を含有するプライマー層を、基材と色材層との間に設けた場合には、高濃度部の濃度を維持しつつも、ハイライト部の濃度を十分に抑制することができない。換言すれば、高濃度部の濃度の上昇にともない、ハイライト部の濃度が高くなってしまう。また、プライマー層2を設けない場合には、基材1と色材層3との密着性が不十分となる。酸価を有するアクリル系樹脂を含有するプライマー層2を備える一実施形態の熱転写シートの優位性については、後述する実施例、及び比較例の結果からも明らかとなっている。
本願明細書で言う酸価とは、中和前の理論酸価(AV)であり、AV(mgKOH/g)=樹脂1g中に含まれる酸性基(例えば、カルボキシル基)の中和に必要なKOH量(mg)を意味する。また、本願明細書で言う低濃度部(ハイライト部)の画像濃度とは、ライン周期あたりのパルス数を1ステップでは0個、2ステップでは17個、3ステップでは34個と、0から255個まで17個毎に順次増加させ、これを1ステップから16ステップとしたときに、低階調(1ステップ〜6ステップ程度)の形成条件で形成された画像の濃度を意味し、高濃度部の画像濃度とは、最高階調(16ステップ)の形成条件で形成された画像の濃度を意味する。
(酸価を有するアクリル系樹脂)
酸価を有するアクリル系樹脂としては、例えば、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂を挙げることができる。また、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステルなどの重合物や、これらに酢酸ビニル、スチレン、ブタジエンなどを共重合させたもの等を挙げることができる。酸価を有するアクリル系樹脂の具体的な例としては、ポリアクリル酸、スチレン・アクリル酸共重合樹脂、スチレン・α−メチルスチレン・アクリル酸共重合樹脂、メタクリル酸エステル・アクリル酸共重合樹脂、酢酸ビニル・アクリル酸エステル共重合体樹脂、アクリル酸・アクリル酸エステル共重合体樹脂等を挙げることができる。
プライマー層2は、「特定のアクリル系樹脂」の1種を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。また、プライマー層2は、「特定のアクリル系樹脂」と、「特定のアクリル系樹脂」以外の他のアクリル樹脂を含有していてもよい。つまり、プライマー層2は、「特定のアクリル系樹脂」を含有しているとの条件を満たせば、酸価を有しないアクリル系樹脂、アクリル系樹脂以外の他の樹脂、添加剤を含有していてもよい。
「特定のアクリル系樹脂」の酸価について特に限定はないが、「特定のアクリル系樹脂」の酸価は、100mgKOH/g以上であることが好ましく、150mgKOH/g以上であることがより好ましい。基材1と色材層3との間に、酸価が100mgKOH/g以上、特には、150mgKOH/g以上の「特定のアクリル系樹脂」を含有するプライマー層2を設けることで、基材1と色材層3との密着性の更なる向上を図ることができる。
「特定のアクリル系樹脂」のガラス転移温度(Tg)について特に限定はないが、「特定のアクリル系樹脂」のガラス転移温度(Tg)は、30℃以上であることが好ましく、50℃以上であることがより好ましい。ガラス転移温度(Tg)が30℃以上、特には50℃以上の「特定のアクリル系樹脂」を含有するプライマー層2によれば、高濃度部の画像濃度の更なる向上を図ることができる。なお、本願明細書で言うガラス転移温度(Tg)とは、DSC(示差走査熱量測定)による熱量変化の測定(DSC法)に基づき求められる温度である。
「特定のアクリル系樹脂」の分子量について特に限定はないが、「特定のアクリル系樹脂」の分子量は、重量平均分子量(Mw)で5000以上であることが好ましく、10000以上であることがより好ましい。重量平均分子量(Mw)が5000以上、特には10000以上の「特定のアクリル系樹脂」を含有するプライマー層2によれば、高濃度部の画像濃度の更なる向上を図ることができる。なお、本願明細書で言う重量平均分子量(Mw)とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算値である。
好ましい形態のプライマー層は、酸価が100mgKOH/g以上であって、且つガラス転移温度(Tg)が30℃以上の「特定のアクリル系樹脂」を含有している。
また、プライマー層2は、「特定のアクリル系樹脂」にかえて、或いはこれとともに、「特定のアクリル系樹脂」を硬化剤によって硬化せしめたアクリル系樹脂を含有していていることが好ましい。換言すれば、「特定のアクリル系樹脂」と硬化剤との硬化物を含有していることが好ましい。プライマー層2に、「特定のアクリル系樹脂」を硬化剤によって硬化せしめたアクリル系樹脂を含有せしめることで、ハイライト部の濃度をより抑えつつも、高濃度部の濃度を上げることができる。以下、酸価を有するアクリル系樹脂を硬化剤によって硬化せしめたアクリル系樹脂、換言すれば、酸価を有するアクリル系樹脂と硬化剤との硬化物のことを、「特定の硬化アクリル系樹脂」と言う場合がある。
「特定の硬化アクリル系樹脂」を得るための硬化剤について特に限定はなく、例えば、オキサゾリン系硬化剤、カルボジイミド系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、エポキシ硬化剤等を使用することができる。中でも、より高濃度部の画像濃度の向上を見込むことができる点で、オキサゾリン系硬化剤、カルボジイミド系硬化剤を好適に用いることができる。
「特定の硬化アクリル系樹脂」をなす、「特定のアクリル系樹脂」と硬化剤との配合比率について特に限定はないが、「特定のアクリル系樹脂」100質量部に対する硬化剤の配合量は3質量部以上20質量部以下の範囲であることが好ましい。このような配合比率により得られる「特定の硬化アクリル系樹脂」を含有するプライマー層2とすることで、ハイライト部の濃度を抑えつつも、高濃度部の濃度を更に上げることができる。
プライマー層2は、「特定のアクリル系樹脂」、及び/又は「特定の硬化アクリル系樹脂」とともに、これ以外の樹脂や、各種の添加剤を含有していてもよい。例えば、添加剤としては、帯電防止剤等を挙げることができる。帯電防止剤としては、例えば、酸化スズ等の金属酸化物の微粉末や、スルホン化ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等のπ電子共役系構造を有する導電性材料を挙げることができる。
「特定のアクリル系樹脂」の含有量について特に限定はなく、その含有量にかかわらず「特定のアクリル系樹脂」を含有している分だけ、ハイライト部の画像の濃度を抑制することができる。好ましい形態のプライマー層2は、プライマー層2の固形分総質量に対し、「特定のアクリル系樹脂」を50質量%以上しており、より好ましくは80質量%以上含有している。上限値について特に限定はなく、100質量%である。「特定の硬化アクリル系樹脂」についても同様である。
プライマー層2の形成方法について特に限定はなく、酸価を有するアクリル系樹脂、その他必要に応じて、硬化剤、接着助剤、帯電防止剤等の添加剤を、適当な溶媒に分散、或いは溶解したプライマー層用塗工液を調製し、これを、基材1上に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。
プライマー層2の厚みについて特に限定はないが、0.05μm以上2μm以下であることが好ましく、0.05μm以上1μm以下の範囲であることがより好ましい。プライマー層2の厚みをこの範囲とすることで、色材層への熱伝導性や、耐熱性をより良好なものとすることができる。また、密着性や、高濃度部の濃度の更なる向上を図ることができる。
(色材層)
図1に示すように基材1の一方の面の少なくとも一部には、昇華性染料とバインダー樹脂を含む色材層3が設けられている。なお、図1に示す形態では、基材1上に単一の色材層3が設けられた構成をとっているが、異なる昇華性染料を含む複数の色材層を同一基材の同一面に面順次に繰り返し設けてもよい。
<昇華性染料>
色材層3が含有している昇華性染料としては従来公知のものを適宜選択して用いることができる。昇華性染料としては、例えば、ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メロシアニン、ピラゾロンメチン等のメチン系、インドアニリン、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチンに代表されるアゾメチン系、キサンテン系、オキサジン系、ジシアノスチレン、トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジズアゾ等のアゾ系、スピロピラン系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキノン系、アントラキノン系、キノフタロン系等のものが挙げられる。
色材層3は、当該色材層3が含有しているバインダー樹脂100質量部に対し、昇華性染料を、50質量部以上350質量部の範囲で含有していることが好ましく、80質量部以上300質量部の範囲で含有していることがより好ましい。昇華性染料の含有量をこの範囲とすることで、高濃度部の画像濃度の更なる向上を図ることができ、また、保存性を向上させることができる。
<バインダー樹脂>
色材層3が含有しているバインダー樹脂について特に限定はなく、従来公知のバインダー樹脂を適宜選択して用いることができる。好ましいバインダー樹脂としては、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、染料の移行性等の観点から、ポリビニルアセタール樹脂や、ポリビニルブチラール樹脂を特に好適に使用することができる。
好ましい形態の色材層3は、バインダー樹脂を硬化剤によって硬化せしめた硬化バインダー樹脂、換言すれば、バインダー樹脂と硬化剤との硬化物である硬化バインダー樹脂を含有している。硬化バインダー樹脂を含有している色材層3を備える熱転写シートによれば、ハイライト部の濃度の上昇を抑制する効果をより高めることができる。さらには、熱転写シートと、熱転写受像シートとを組合せて用い、熱転写受像シートの受容層に色材層3の昇華性染料を移行させて画像形成を行う際の剥離強度を下げることができ、受容層と色材層3とが貼りつきを起こしてしまうことを効果的に抑制することができる。換言すれば、色材層3の離型性を向上させることができる。なお、基材の同一面上に複数の色材層3を面順次に設ける場合には、複数の色材層3のうちの少なくとも1つの色材層3が、硬化バインダー樹脂を含有していることが好ましく、全ての色材層3が硬化バインダー樹脂を含有していることが特に好ましい。
硬化バインダー樹脂を得るための硬化剤は、バインダー樹脂の種別に応じて適宜選択することができ特に限定はない。例えば、イソシアネート系硬化剤、エポキシ硬化剤、カルボジイミド系硬化剤等を用いることができる。
硬化バインダー樹脂をなす、バインダー樹脂と硬化剤との配合比率について特に限定はないが、バインダー樹脂100質量部に対する硬化剤の配合量は3質量部以上20質量部以下の範囲であることが好ましい。このような配合比率により得られる硬化バインダー樹脂を含有する色材層3によれば、色材層3の剥離強度を最適化させることができ、色材層3の離型性をより良好なものとすることができる。
好ましい形態の色材層3は、昇華性染料、バインダー樹脂(硬化バインダー樹脂も含む)とともに、離型剤を含有している。離型剤を含有する色材層3によれば、上記硬化バインダー樹脂を含有する色材層3と同様に、色材層3の離型性を良好なものとすることができる。
離型剤としては、例えば、シリコーンオイル、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)、弗素系やリン酸エステル系の界面活性剤等を挙げることができる。
これらの離型剤の中でも、シリコーンオイルは、当該シリコーンオイルを含有する色材層3と熱転写受像シートとの間で、優れた離型性を発現させることができる点で好ましい。シリコーンオイルとしては、各種の変性シリコーンを用いることもできる。変性シリコーンオイルは、反応性シリコーンオイルと非反応性シリコーンオイルとに分けられ、反応性シリコーンオイルとしては、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノール変性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノール変性、片末端反応性、異種官能基変性等が挙げられる。非反応性シリコーンオイルとしては、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、親水性特殊変性、高級アルコキシ変性、高級脂肪酸変性、フッ素変性等が挙げられる。これら各種の変性シリコーンは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併せて用いることもできる。また、シリコーンオイルと、他の離型剤とを併せて用いることもできる。
離型剤の含有量について特に限定はなく、その含有量にかかわらず、離型剤を含有している分だけ、色材層3に離型性を発現させることができる。好ましい形態の色材層3は、色材層3の固形分総質量に対し、0.1質量%以上6質量%以下の範囲で離型剤を含有している。
また、色材層3は、カーボンブラック、アルミニウム、二硫化モリブデン等の無機微粒子等を含有していてもよい。
色材層3の形成方法について特に限定はなく、バインダー樹脂、昇華性染料、更に必要に応じて添加剤、例えば、硬化剤、離型剤等を、適当な溶媒に分散、或いは溶解した色材層用塗工液を調製し、これを、プライマー層2上に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。
色材層3の厚みについて特に限定はないが、好ましくは、0.2μm以上6μm以下、特には0.3μm以上3μm以下の範囲である。
(背面層)
図1に示すように、基材1の他方の面には、耐熱性、及び印画時におけるサーマルヘッドの走行性等を向上させるための背面層4が設けられている。
背面層4は、従来公知の熱可塑性樹脂等を適宜選択して形成することができる。このような、熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂、これらのシリコーン変性物等が挙げられる。
また、上記した樹脂に架橋剤を添加してもよい。架橋剤として機能するポリイソシアネート樹脂としては、特に制限なく従来公知のものを使用できるが、それらのなかでも、芳香族系イソシアネートのアダクト体を使用することが望ましい。芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、trans−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェートがあげられ、特に2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物が好ましい。このようなポリイソシアネート樹脂は、上記した水酸基含有熱可塑性樹脂をその水酸基を利用して架橋させ、耐熱滑性層の塗膜強度や耐熱性を向上させる。
また、背面層4には、上記熱可塑性樹脂に加え、スリップ性を向上させる目的で、ワックス、高級脂肪酸アミド、リン酸エステル化合物、金属石鹸、シリコーンオイル、界面活性剤等の離型剤、フッ素樹脂等の有機粉末、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム等の無機粒子等の各種添加剤が含有されていることが好ましく、リン酸エステル又は金属石鹸の少なくとも1種が含有されていることが特に好ましい。
背面層4は、例えば、上記熱可塑性樹脂、必要に応じて添加される各種添加剤を適当な溶媒に分散又は溶解させた背面層用塗工液を、基材1の他方の面上に、塗布し、乾燥することにより形成することができる。背面層4の厚みは、耐熱性等の向上等の点から、0.1μm以上5μm以下の範囲であることがより好ましい。
以上、本発明の熱転写シート10について説明を行ったが、本発明は上記各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、上記で説明した層以外にも、必要に応じて任意の他の層を適宜設けることもできる。また、プライマー層2の同一面上に、色材層3と保護層(図示しない)を面順次に設け、保護層一体型の熱転写シートとしてもよい。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部または%は質量基準である。
(実施例1)
基材として厚さ4.5μmの易接着処理がされたポリエチレンテレフタレートフィルム(ダイヤホイルK203E 三菱化学ポリエステルフィルム(株)製)を用い、該基材の易接着処理された面上に、下記組成の背面層用塗工液を乾燥塗布量0.8g/m2となるようにバーコーター法で塗工し、100℃で1分間乾燥して背面層を形成した。また、基材の背面層を形成した面とは異なる面上に、下記組成のプライマー層用塗工液1を、乾燥塗布量0.15g/m2となるように塗工し、110℃で1分間乾燥してプライマー層を形成した。次いで、プライマー層上に、下記組成の色材層用塗工液1を、乾燥塗布量0.8g/m2となるように塗工し、80℃で1分間乾燥して色材層を形成し、実施例1の熱転写シートを得た。
<プライマー層用塗工液1>
・アクリル系樹脂(酸価:238mgKOH/g、Tg:134℃) 18.5部
(ジョンクリルJDX−6180 BASFジャパン社製)
・水 34部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
<色材層用塗工液1>
・C.I.ソルベントブルー63 6部
・ポリビニルアセタール樹脂 4部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株))
・トルエン 45部
・メチルエチルケトン 45部
<背面層用塗工液>
・ポリビニルブチラール樹脂 10部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート硬化剤 2部
(タケネートD218 武田薬品工業(株))
・リン酸エステル 2部
(プライサーフA208S 第一工業製薬(株))
・メチルエチルケトン 43部
・トルエン 43部
(実施例2)
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液2を用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例2の熱転写シートを得た。
<プライマー層用塗工液2>
・アクリル系樹脂(酸価:240mgKOH/g、Tg:102℃) 14.7部
(ジョンクリルHPD−96J BASFジャパン社製)
・水 37.8部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
(実施例3)
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液3を用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例3の熱転写シートを得た。
<プライマー層用塗工液3>
・アクリル系樹脂(酸価:240mgKOH/g、Tg:102℃) 16.7部
(ジョンクリル70J BASFジャパン社製)
・水 35.8部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
(実施例4)
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液4を用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例4の熱転写シートを得た。
<プライマー層用塗工液4>
・アクリル系樹脂(酸価:200mgKOH/g、Tg:85℃) 13.9部
(ジョンクリルHPD−196 BASFジャパン社製)
・水 38.6部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
(実施例5)
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液5を用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例5の熱転写シートを得た。
<プライマー層用塗工液5>
・アクリル系樹脂(酸価:85mgKOH/g、Tg:65℃) 16.9部
(ジョンクリルJDX−6500 BASFジャパン社製)
・水 35.6部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
(実施例6)
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液6を用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例6の熱転写シートを得た。
<プライマー層用塗工液6>
・アクリル系樹脂(酸価:238mgKOH/g、Tg:56℃) 8.3部
(ジョンクリル52J BASFジャパン社製)
・水 44.2部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
(実施例7)
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液7を用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例7の熱転写シートを得た。
<プライマー層用塗工液7>
・アクリル系樹脂(酸価:238mgKOH/g、Tg:134℃) 16.7部
(ジョンクリルJDX−6180 BASFジャパン社製)
・カルボジイミド系硬化剤 1.3部
(V−02 日清紡ケミカル(株))
・水 34.5部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
(実施例8)
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液8を用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例8の熱転写シートを得た。
<プライマー層用塗工液8>
・アクリル系樹脂(酸価:240mgKOH/g、Tg:102℃) 13.2部
(ジョンクリルHPD−96J BASFジャパン社製)
・カルボジイミド系硬化剤 1.3部
(V−02 日清紡ケミカル(株))
・水 38部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
(実施例9)
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液9を用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例9の熱転写シートを得た。
<プライマー層用塗工液9>
・アクリル系樹脂(酸価:238mgKOH/g、Tg:134℃) 16.7部
(ジョンクリルJDX−6180 BASFジャパン社製)
・カルボジイミド系硬化剤 1.3部
(SV−02 日清紡ケミカル(株))
・水 34.5部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
(実施例10)
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液10を用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例10の熱転写シートを得た。
<プライマー層用塗工液10>
・アクリル系樹脂(酸価:240mgKOH/g、Tg:102℃) 13.2部
(ジョンクリルHPD−96J BASFジャパン社製)
・カルボジイミド系硬化剤 1.3部
(SV−02 日清紡ケミカル(株))
・水 38部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
(実施例11)
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液11を用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例11の熱転写シートを得た。
<プライマー層用塗工液11>
・アクリル系樹脂(酸価:238mgKOH/g、Tg:134℃) 16.7部
(ジョンクリルJDX−6180 BASFジャパン社製)
・オキサゾリン系硬化剤 1.3部
(WS−500 日本触媒(株))
・水 34.5部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
(実施例12)
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液12を用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例12の熱転写シートを得た。
<プライマー層用塗工液12>
・アクリル系樹脂(酸価:240mgKOH/g、Tg:102℃) 13.2部
(ジョンクリルHPD−96J BASFジャパン社製)
・オキサゾリン系硬化剤 1.3部
(WS−500 日本触媒(株))
・水 38部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
(実施例13)
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液13を用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例13の熱転写シートを得た。
<プライマー層用塗工液13>
・アクリル系樹脂(酸価:238mgKOH/g、Tg:134℃) 16.7部
(ジョンクリルJDX−6180 BASFジャパン社製)
・オキサゾリン系硬化剤 1.3部
(WS−700 日本触媒(株))
・水 34.5部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
(実施例14)
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液14を用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例14の熱転写シートを得た。
<プライマー層用塗工液14>
・アクリル系樹脂(酸価:240mgKOH/g、Tg:102℃) 13.2部
(ジョンクリルHPD−96J BASFジャパン社製)
・オキサゾリン系硬化剤 1.3部
(WS−700 日本触媒(株))
・水 38部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
(実施例15)
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液15を用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例15の熱転写シートを得た。
<プライマー層用塗工液15>
・アクリル系樹脂(酸価:238mgKOH/g、Tg:134℃) 16.7部
(ジョンクリルJDX−6180 BASFジャパン社製)
・キレート硬化剤 0.5部
(オルガチックスTC−300 マツモトファインケミカル(株))
・水 38.8部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
(実施例16)
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液16を用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例16の熱転写シートを得た。
<プライマー層用塗工液16>
・アクリル系樹脂(酸価:238mgKOH/g、Tg:134℃) 16.7部
(ジョンクリルJDX−6180 BASFジャパン社製)
・エポキシ系硬化剤 0.5部
(ウォーターゾールWSA−950 DIC社製)
・水 38.8部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
(実施例17)
プライマー層用塗工液1にかえて、上記組成のプライマー層用塗工液2を用いてプライマー層を形成し、色材層用塗工液1にかえて、下記組成の色材層用塗工液2を用いて色材層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例17の熱転写シートを得た。
<色材層用塗工液2>
・C.I.ソルベントブルー63 6部
・ポリビニルアセタール樹脂 2部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート硬化剤 2部
(タケネートD218 武田薬品工業(株))
・トルエン 45部
・メチルエチルケトン 45部
(実施例18)
プライマー層用塗工液1にかえて、上記組成のプライマー層用塗工液2を用いてプライマー層を形成し、色材層用塗工液1にかえて、下記組成の色材層用塗工液3を用いて色材層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例18の熱転写シートを得た。
<色材層用塗工液3>
・C.I.ソルベントブルー63 6部
・ポリビニルアセタール樹脂 4部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株))
・シリコーンオイル 1部
(KF−412 信越シリコーン(株))
・トルエン 44.5部
・メチルエチルケトン 44.5部
(実施例19)
プライマー層用塗工液1にかえて、上記組成のプライマー層用塗工液2を用いてプライマー層を形成し、色材層用塗工液1にかえて、下記組成の色材層用塗工液4を用いて色材層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例19の熱転写シートを得た。
<色材層用塗工液4>
・C.I.ソルベントブルー63 6部
・ポリビニルアセタール樹脂 4部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株))
・リン酸エステル 1部
(プライサーフA208S 第一工業製薬(株))
・トルエン 44.5部
・メチルエチルケトン 44.5部
(実施例20)
プライマー層用塗工液1にかえて、上記組成のプライマー層用塗工液2を用いてプライマー層を形成し、色材層用塗工液1にかえて、下記組成の色材層用塗工液5を用いて色材層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例20の熱転写シートを得た。
<色材層用塗工液5>
・C.I.ソルベントブルー63 6部
・ポリビニルアセタール樹脂 2部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート硬化剤 2部
(タケネートD218 武田薬品工業(株))
・シリコーンオイル 1部
(KF−412 信越シリコーン(株))
・トルエン 44.5部
・メチルエチルケトン 44.5部
(比較例1)
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液Aを用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例1の熱転写シートを得た。
<プライマー層用塗工液A>
・アクリル系樹脂(酸価:0mgKOH/g、Tg:32℃) 13.9部
(AC13 新中村化学工業(株))
・水 38.6部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
(比較例2)
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液Bを用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例2の熱転写シートを得た。
<プライマー層用塗工液B>
・アクリル系樹脂(酸価:0mgKOH/g、Tg:13℃) 15.2部
(AC−117N 新中村化学工業(株))
・水 37.3部
・イソプロピルアルコール(IPA) 47.5部
(比較例3)
プライマー層を形成しなかった以外は、全て実施例1と同様にして比較例3の熱転写シートを得た。
(比較例4)
プライマー層用塗工液1にかえて、上記組成のプライマー層用塗工液Aを用いてプライマー層を形成し、色材層用塗工液1にかえて、下記組成の色材層用塗工液6を用いて色材層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例4の熱転写シートを得た。
<色材層用塗工液6>
・C.I.ソルベントブルー63 5部
・ポリビニルアセタール樹脂 5部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株))
・トルエン 45部
・メチルエチルケトン 45部
(比較例5)
プライマー層用塗工液1にかえて、上記組成のプライマー層用塗工液Bを用いてプライマー層を形成し、色材層用塗工液1にかえて、上記組成の色材層用塗工液6を用いて色材層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例5の熱転写シートを得た。
(比較例6)
プライマー層用塗工液1にかえて、下記組成のプライマー層用塗工液Cを用いてプライマー層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例6の熱転写シートを得た。
<プライマー層用塗工液C>
・ポリエステルウレタン樹脂(酸価:26mgKOH/g、Tg:92℃)16.7部
(AC13 東洋紡(株))
・メチルエチルケトン(MEK) 66.7部
・トルエン 16.6部
(濃度評価)
テストプリンターを用いて、各実施例、及び比較例の各熱転写シートと、下記条件で作製した熱転写受像シートを組み合わせて、下記印画条件で、255階調を17階調ごとに分けたステップパターンを印画し、比較例6の熱転写シートを用いて得られた印画物の濃度を基準とし、以下の評価基準に基づいて各実施例、及び比較例の熱転写シートを用いて形成された印画物のハイライト濃度、及びMAX濃度の評価を行った。なお、ハイライト濃度は、51〜85階調部の濃度であり、MAX濃度は、255階調部の濃度である。濃度の測定は、分光測定器(X−rite社製 i1 Pro2)により行った。評価結果を表1に示す。
(熱転写受像シートの作成)
多孔質ポリエチレンフィルム(トヨパール−SS P4255 東洋紡績(株)、厚さ35μm)からなる多孔質ポリエチレンフィルム層上に、下記組成の中間層用塗工液、受容層用塗工液をグラビアリバースコート方式で、順次塗布、乾燥して、中間層、受容層を形成した。その中間層、受容層の設けられた面と反対面の多孔質ポリエチレンフィルムに、下記組成の接着層用塗工液を用いて、グラビアリバースロールコート方式で塗布、乾燥して、接着層を形成し、RC原紙(155g/m2、厚さ151μm)(三菱製紙(株))と貼り合わせ熱転写受像シートを作製した。上記の各々の塗工量は、全て固形分で、中間層は1.5g/m2、受容層は5.0g/m2、接着層は5.0g/m2とした。
<中間層用塗工液>
・ポリエステル樹脂 50部
(ポリエスターWR−905 日本合成化学工業(株))
・酸化チタン 20部
(TCA888 (株)トーケムプロダクツ)
・蛍光増白剤 1.2部
(ユビテックスBAC チバ・スペシャリティーケミカルズ(株))
・水/イソプロピルアルコール=1/1 28.8部
<受容層用塗工液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 60部
(ソルバインC 日信化学工業(株))
・エポキシ変性シリコーン 1.2部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・メチルスチル変性シリコーン 0.6部
(X−24−510 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 5部
<接着層用塗工液>
・ウレタン樹脂 30部
(タケラックA−969V 三井武田ケミカル(株))
・イソシアネート 10部
(タケネートA−5 三井武田ケミカル(株))
・酢酸エチル 100部
(印画条件)
・サーマルヘッド:F3598(東芝ホクト電子株式会社製)
・発熱体平均抵抗値:5176(Ω)
・主走査方向印字密度:300dpi
・副走査方向印字密度:300dpi
・印画電力:0.12(W/dot)
・1ライン周期:2(msec.)
・パルスDuty:85%
・印画開始温度:35.5(℃)
「評価基準(ハイライト濃度)」
◎:基準濃度の90%未満である。
○:基準濃度に対し90%以上100%未満である。
×:基準濃度の100%以上である。
「評価基準(MAX濃度)」
◎:基準濃度の105%以上である。
○:基準濃度に対し100%以上105%未満である。
△:基準濃度に対し97%以上100%未満である。
×:基準濃度の97%未満である。
(密着性評価)
各実施例の熱転写シートの色材層上に、セロハンテープを親指で1往復擦って貼り付けた後に、直ちに180度剥離を行い、以下の評価基準に基づいて密着性評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。
「評価基準」
◎:セロハンテープに色材層が転移していない。
○:セロハンテープと貼り付けた色材層の面積を100%としたときに、セロハンテープに2%未満の色材層が転移している。
△:セロハンテープと貼り付けた色材層の面積を100%としたときに、セロハンテープに2%以上5%未満の範囲で色材層が転移している。
×:セロハンテープと貼り付けた色材層の面積を100%としたときに、セロハンテープに5%以上色材層が転移している。
(剥離強度(熱時剥離強度)評価)
各実施例、及び比較例の熱転写シートと、上記で作成した熱転写受像シートとを組み合わせ、上記MAX濃度の評価を行ったときと同じ条件で、各実施例、及び比較例の印画物を得た。この印画物を得るにあたり、印画終了後、熱転写受像シートの受容層から、各実施例、及び比較例の熱転写シートの色材層を剥離するときの熱転写シートの引張強度を、プリンタ内において、熱転写シートの巻取ロールと、剥離板との間に設けられたテンションメーター(大倉インダストリー社製)により測定した。そして、比較例6の熱転写シートを用いて印画物を形成したときの引張強度を基準とし、以下の評価基準に基づいて各実施例、及び比較例の熱転写シートの剥離強度の評価を行った。評価結果を表1に示す。なお、この方法では、剥離時における熱転写シートの引張強度を測定しており、引張強度は、剥離強度を示している。また、巻取ロールによる巻取り速度が一定となるように制御した状態で、引張強度の測定を行うことで、剥離時に熱転写シートに起因する引張強度の測定が可能となっている。また、剥離強度が基準に対して小さいほど、受容層からの色材層の剥離性(離型性)が良好であり、熱融着等の発生を抑制することができることを意味する。
「評価基準」
◎:基準の90%未満である。
○:基準に対し90%以上100%未満である。
△:基準に対し100%以上105%未満である。
×:基準の105%以上である。
Figure 2017065101
(プライマー層用塗工液の安定性評価)
各実施例の熱転写シートを形成するにあたり使用した各プライマー層用塗工液を、室温25±2℃、湿度50±10%の環境中で撹拌し、その後のプライマー層用塗工液の経時変化を目視で確認し、以下の評価基準に基づいて塗工液の安定性の評価を行った評価結果を表2に示す。なお、この評価は、実施例の熱転写シートを形成する際に用いたプライマー層用塗工液についてのみ行った。
「評価基準」
◎:撹拌を終了した167時間後に、沈降物や、浮遊物の発生がない。
○:撹拌を終了した96時間後に、沈降物や、浮遊物の発生がない。
△:撹拌を終了した48時間以内に、沈降物や、浮遊物が発生。
×:撹拌を終了した24時間以内に、プライマー層用塗工液がゲル化。
Figure 2017065101
10・・・熱転写シート
1・・・基材
2・・・プライマー層
3・・・色材層
4・・・背面層

Claims (5)

  1. 基材の一方の面にプライマー層、色材層がこの順で設けられ、基材の他方の面に背面層が設けられた熱転写シートであって、
    前記プライマー層が、酸価を有するアクリル系樹脂を含有していることを特徴とする熱転写シート。
  2. 前記アクリル系樹脂の酸価が、100mgKOH/g以上であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
  3. 前記プライマー層が、前記酸価を有するアクリル系樹脂と硬化剤との硬化物である硬化アクリル系樹脂を含有しており、
    前記硬化剤が、オキサゾリン系硬化剤、又はカルボジイミド系硬化剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写シート。
  4. 前記色材層が、離型剤を含有していることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の熱転写シート。
  5. 前記色材層が、バインダー樹脂と硬化剤との硬化物である硬化バインダー樹脂を含有していることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の熱転写シート。
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