JP2017064190A - 歯科補綴物加工用演算装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加工工具の長い期間の使用に対しても、加工精度を高く維持することができ、その結果ランニングコストを抑制することを可能とする演算を行う歯科補綴物加工用演算装置を提供する。【解決手段】歯科補綴物の切削加工又は研削加工の加工条件を演算する歯科補綴物加工用演算装置であって、加工工具の加工履歴と加工工具の摩耗量との関係が記録された記憶手段と、記憶手段に記録された関係から演算した摩耗量に基づいて、歯科補綴物の加工プログラムを演算する演算子と、を備える。【選択図】図3
Description
本発明は、切削加工又は研削加工する加工工具を用いることにより歯科補綴物を作製する際に用いられる加工のための演算装置に関する。
近年のCAD/CAMの発展により、歯科補綴物の作製も当該歯科補綴物の形状をデータで取り扱い、該データを所定の形式に変換して加工装置に送信することにより、当該データに基づいて加工装置は自動に切削や研削等の機械加工を行って歯科補綴物を作製する。これにより迅速に歯科補綴物を提供することができる(例えば特許文献1、2)。
歯科用CAD/CAM装置を用いて歯科補綴物を作製する際、切削工具は摩耗により半径が細くなってくる。一方、歯科用CAD/CAM装置の加工プログラムでは、予め記録されている切削工具の半径の値に基づいて計算を行う。従って、摩耗により実際の切削工具の半径が細くなってくると、その切削工具の半径の値が演算装置に記録された切削工具の半径の値よりも小さくなってしまう。その結果、切削加工されるべき範囲が切削加工されずに残ってしまうことになる。
切削加工されるべき範囲が切削加工されずに残ってしまうと、作製された歯科補綴物は内面において支台歯との適合においてきつくなる大きさになってしまい、また、歯科補綴物の外面において大きくなり、手作業などにより追加で加工調整を行う必要があった。
これに対しては従来は、ある程度の使用期間が経過した切削工具はその状態にかかわらず廃棄する対策を取っていた。そのため、切削工具は若干切削能力が落ちるがまだ使えるという状態でも廃棄することになり、ランニングコストが高い原因となっていた。
これに対しては従来は、ある程度の使用期間が経過した切削工具はその状態にかかわらず廃棄する対策を取っていた。そのため、切削工具は若干切削能力が落ちるがまだ使えるという状態でも廃棄することになり、ランニングコストが高い原因となっていた。
そこで本発明は上記問題点に鑑み、加工工具の長い期間の使用に対しても、加工精度を高く維持することができ、その結果ランニングコストを抑制することを可能とする演算を行う歯科補綴物加工用演算装置を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。
請求項1に記載の発明は、歯科補綴物の切削加工又は研削加工の加工条件を演算する歯科補綴物加工用演算装置であって、加工工具の加工履歴と加工工具の摩耗量との関係が記録された記憶手段と、記憶手段に記録された関係から演算した摩耗量に基づいて、歯科補綴物の加工プログラムを演算する演算子と、を備える、歯科補綴物加工用演算装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の歯科補綴物加工用演算装置において、加工プログラムの演算は、摩耗量に基づいて、加工工具の半径を修正して演算を行う、又は、加工工具が加工すべき被加工材側の表面をオフセットして演算を行う。
本発明によれば、加工工具の半径の減少を把握しながら、これを考慮した加工を行うので、高い精度を保ちつつも加工工具を無駄なく長い期間使用することができる。
図1、図2には1つの例である歯科補綴物10を示した。図1は歯科補綴物10の外観斜視図である。図2には図1にII−IIで示した線に沿って矢印方向に切断したときの断面図を表した。図1、図2からわかるように、この例の歯科補綴物10は歯冠であり、口腔内側面10a、及び側面10bは天然歯が模擬された形状とされている。一方、歯科補綴物10のうち口腔内側面10aとは反対側は支台側面10cとされ凹状である。当該凹状とされた内側に支台を挿入して口腔内に歯科補綴物10を保持する。
歯科補綴物10は外側においては咬合面をできるだけ生体歯の通りに詳細に再現し、支台側においては、支台に対して適切に嵌まらなければならない。従ってその精度は非常に高い者が要求され、切削工具の摩耗も問題となる。
図3は、1つの形態にかかる歯科補綴物加工用演算装置30(以下、「演算装置30」と記載することがある。)は、入力手段31、演算手段32、及び表示手段38を有している。そして演算手段32は、演算子33、RAM34、記憶手段35、受信手段36、及び出力手段37を備えている。
演算子33は、いわゆるCPU(中央演算子)により構成されており、上記した各構成部材に接続され、これらを制御することができる手段である。また、演算子33は、記憶媒体として機能する記憶手段35等に記憶された各種プログラム35aを実行し、これに基づいて各種のデータの生成や、後で説明するように加工工具の加工軌跡を演算する。
RAM34は、演算子33の作業領域や一時的なデータの記憶手段として機能する構成部材である。RAM34は、SRAM、DRAM、フラッシュメモリ等で構成することができ、公知のRAMと同様である。
記憶手段35は、各種演算の根拠となるプログラムやデータが保存される記憶媒体として機能する部材である。また記憶手段35には、プログラムの実行により得られた中間、最終の各種結果を保存することができてもよい。より具体的には記憶手段35には、プログラム35a、加工工具摩耗データベース35b、その他情報が記憶(保存)されている。
プログラム35aは設計装置30を作動させるために必要なプログラムであり、特に限定されることはない。そしてこれには後で説明するように加工工具の加工軌跡を演算するプログラムも含まれる。
加工工具摩耗データベース35bは、加工工具ごとに、その使用時間、切り込み量、作製した歯科補綴物の個数、送りの移動距離等のこれまでの加工履歴と、加工工具の摩耗量と関連付けたデータを蓄積したデータである。このデータベースを用いて加工工具の使用した履歴から摩耗量を予測することができるようになる。
受信手段36は、外部からの情報を演算手段32に適切に取り入れるための機能を有する構成部材であり、入力手段31が接続される。いわゆる入力ポート、入力コネクタ等もこれに含まれる。CADからの形状データも受信手段から演算手段32に取り込まれる。
出力手段37は、得られた結果のうち外部に出力すべき情報を適切に外部に出力する機能を有する構成部材であり、モニター等の表示手段38や各種装置がここに接続される。いわゆる出力ポート、出力コネクタ等もこれに含まれる。従って、演算手段32で演算した結果も出力手段37から加工機に送信される。
入力装置31には、例えばキーボード31a、マウス31b、外部記憶装置31c等が含まれる。キーボード31a、マウス31bは公知のものを用いることができ、説明は省略する。
外部記憶装置31cは、公知の外部接続可能な記憶手段であり、記憶媒体としても機能する。ここには特に限定されることなく、必要とされる各種プログラム、データを記憶させておくことができる。例えば上記した記憶手段35と同様のプログラム、データがここに記憶されていても良い。
外部記憶装置31cとしては、公知の装置を用いることができる。これには例えばCD−ROM及びCD−ROMドライブ、DVD及びDVDドライブ、ハードディスク、各種メモリ等を挙げることができる。
外部記憶装置31cは、公知の外部接続可能な記憶手段であり、記憶媒体としても機能する。ここには特に限定されることなく、必要とされる各種プログラム、データを記憶させておくことができる。例えば上記した記憶手段35と同様のプログラム、データがここに記憶されていても良い。
外部記憶装置31cとしては、公知の装置を用いることができる。これには例えばCD−ROM及びCD−ROMドライブ、DVD及びDVDドライブ、ハードディスク、各種メモリ等を挙げることができる。
演算装置30は、CADと組み合わせて、歯科用CAD/CAM装置として機能し、加工機に対する加工の指令を提供するものであってもよい。従って、演算装置30とCADとは別体であってもよく、一体であってもよい。またさらには加工機と一体となっていてもよい。
次に、演算装置30等を用いて、歯科補綴物10を製造する方法S1(「製造方法S1」と記載することがある。)について説明する。ここではわかりやすさのため演算装置30を用いた例を説明するが、当該製造する方法はこれに限定されるものではなく、以下の趣旨を含む方法を可能とするものであれば他の装置で行うこともできる。
図4に製造方法S1の流れを示した。ここからわかるように製造方法S1は、形状作成の工程S10、加工工程の演算の工程S20、及び歯科補綴物の加工の工程S30を含む。以下それぞれの工程について説明する。
形状作成の工程S10は、得られた印象等から形状データや咬合関係のCADデータを得て、最終的に作製すべき歯科補綴部の形状データをCAD上で作成する工程である。印象の取得や、CAD上での形状の作成については公知の方法で行うことができる。
加工工程の演算の工程S20は、形状作成の工程S10で得た歯科補綴物のCADによる形状データに基づき、これを実際に加工機にて加工するための加工工具の選定、加工手順の決定、加工条件の決定等を行う工程である。いわゆるCAMとしての機能を有する工程である。ここで、本形態における加工工程の演算の工程S20で行われる各演算は演算装置30により行われる。すなわち、演算装置30に備えられる記憶手段35に保存されたプログラム35aに沿って演算子33が演算をすることにより進められる。
図5に加工工程の演算の工程S20の流れを示した。ここからわかるように、加工工程の演算の工程S20は、形状データの取得の工程S21、加工工具の摩耗情報取得の工程S22、加工プログラムの演算の工程S23、及び演算結果の出力の工程S24を含む。
形状データの取得工程S21は、形状作成の工程S10でデータ化した歯科補綴物の形状データを取得し、演算装置30内に取り込む工程である。当該取り込みは演算装置30の受信手段36を介して記憶手段35に記憶される。
加工工具の摩耗情報取得の工程S22は、加工工具摩耗データベース35bから情報を呼び出し、演算装置30上で各工具における摩耗状態を演算し、摩耗量を得る工程である。上記したように、加工工具摩耗データベース35bは加工工具ごとに、その使用時間、切り込み量、作製した歯科補綴物の個数、送りの移動距離等のこれまでの加工履歴と、加工工具の摩耗量と関連付けたデータを蓄積したデータである。従って、加工工具の摩耗情報取得の工程S22では、このデータベースを用いて加工工具の使用した履歴から摩耗量を予測する。
例えばダイヤモンド砥粒を電着した加工工具による研削工具では、ダイヤモンド砥粒の摩耗や脱落により加工工具の半径が小さくなっていく。また、刃先のある加工工具においても刃の摩耗による加工工具の半径が小さなっていく。
加工工程の使用時間・作製された歯科補綴物の個数、スピンドル回転中の軸の移動量等の情報に対する加工工具の摩耗量の換算表を作成するには、予め実験的に求めておくことができる。その際、加工工具の摩耗量は使用される加工工具の場所によって変わる。その場合、摩耗する加工工具の各場所の摩耗量の平均を加工工具全体の摩耗量としてもよい。
また、加工に使用される加工工具の場所を複数の領域に分け、それぞれの摩耗量を別々に管理してもよい。例えばボールエンドミルにおいては、加工に使用される球面を角度によって区分けし、各角度に対する接触点座標から求まる角度と比較することで、接触点が複数ある摩耗量領域のどの領域に該当するかが判別できることから摩耗量に応じた補正が可能となる。
さらに、加工工具の場所における摩耗量が例えば楕円などの計算式によって表現できる傾向がある場合は、楕円の計算式から補正量を計算し、接触点との比較からその摩耗量を判定することができる。
さらに、加工工具の場所における摩耗量が例えば楕円などの計算式によって表現できる傾向がある場合は、楕円の計算式から補正量を計算し、接触点との比較からその摩耗量を判定することができる。
加工プログラムの演算の工程S23は、加工工具の摩耗情報取得の工程S22で得た加工工具の半径を用いて、歯科補綴物10を加工するための手順、加工工具等を決め、加工プログラムの演算を行う工程である。この工程では例えば次のような手法を用いることができる。
上記した摩耗量を考慮した演算には、得られた摩耗量に基づいて、演算に使用する加工工具の半径を修正する方法が挙げられる。その一つの例を次に示す。
ボールエンドミルでの加工軌跡を計算する例として、形状データによるモデルの表面を、使用する加工工具の半径分だけ法線方向に拡大させ、拡大させた面にボールエンドミルの球の中心が通るような軌跡を計算することで求めることができる。その時、得られた摩耗量を加工工具の半径から差し引いた値を使って演算を行うことで,加工工具の摩耗を考慮した演算が可能となる。
一方、フラットエンドミルの場合は形状データによるモデル表面を、使用する加工工具の半径分だけ加工工具の軸線方向に対して垂直方向に拡大させ、拡大させた面にフラットエンドミル先端の中央が通るような軌跡を計算することで求めることができる。その際には得られた摩耗量を加工工具の半径から差し引いた値を使って演算を行うことで,加工工具の摩耗を考慮した演算が可能となる。
ボールエンドミルでの加工軌跡を計算する例として、形状データによるモデルの表面を、使用する加工工具の半径分だけ法線方向に拡大させ、拡大させた面にボールエンドミルの球の中心が通るような軌跡を計算することで求めることができる。その時、得られた摩耗量を加工工具の半径から差し引いた値を使って演算を行うことで,加工工具の摩耗を考慮した演算が可能となる。
一方、フラットエンドミルの場合は形状データによるモデル表面を、使用する加工工具の半径分だけ加工工具の軸線方向に対して垂直方向に拡大させ、拡大させた面にフラットエンドミル先端の中央が通るような軌跡を計算することで求めることができる。その際には得られた摩耗量を加工工具の半径から差し引いた値を使って演算を行うことで,加工工具の摩耗を考慮した演算が可能となる。
また、摩耗量を考慮した演算には、得られた摩耗量に基づいて加工工具が加工する被加工材側の表面をオフセットさせる方法も考えられる。その例を次に示す。
この場合には、ボールエンドミル・フラットエンドミルでの摩耗量を、加工工具の半径ではなく、形状データによるモデル表面を拡大する量に対して計算する。この方法でも加工工具の摩耗量を補正することが可能となる。
この場合には、ボールエンドミル・フラットエンドミルでの摩耗量を、加工工具の半径ではなく、形状データによるモデル表面を拡大する量に対して計算する。この方法でも加工工具の摩耗量を補正することが可能となる。
さらに、演算の際に、形状データによるモデルに対する加工工具表面の接触点を算出し、座標ごとに記録しておく方法も考えられる。接触点として記録するものの例として、ボールエンドミルでは球の中心を基準とした接触点の座標値、フラットエンドミルでは先端中心点から形状データによるモデル接触点までの座標値等が考えられる。
もし、加工工具が摩耗により小さくなった場合、形状データによるモデルと切削工具との接触点までの距離を、加工工具が摩耗した分だけ近づけるように加工工具が移動する軌跡を修正した上で再計算することで、加工工具の摩耗量を補正した演算をすることができる。これによれば、演算後に摩耗量に対応した補正をかけることが可能となる。
もし、加工工具が摩耗により小さくなった場合、形状データによるモデルと切削工具との接触点までの距離を、加工工具が摩耗した分だけ近づけるように加工工具が移動する軌跡を修正した上で再計算することで、加工工具の摩耗量を補正した演算をすることができる。これによれば、演算後に摩耗量に対応した補正をかけることが可能となる。
例えば、ボールエンドミルの半径が細くなった場合の例を考える。一般的な加工機では加工工具を持ち替えても加工工具の先端の位置が同じになるようにセンサ等を用いて補正する。よって、ボールエンドミルの半径が摩耗によって細くなったとしてもボールエンドミルの先端の座標は同じになる。
演算において指定している座標値がボールエンドミルの先端の軌跡を示している場合、演算において加工工具が移動する軌跡の座標値・加工工具先端から球の中心までの座標・球の中心から形状データによるモデル接触点までの座標値・加工工具摩耗量から、加工工具の摩耗量分を補正した演算内で加工工具が移動する軌跡の座標値を算出することができる。
加工工具がフラットエンドの場合においても同様の考え方により演算における座標値を加工工具摩耗量分の補正量を算出することができる。
演算において指定している座標値がボールエンドミルの先端の軌跡を示している場合、演算において加工工具が移動する軌跡の座標値・加工工具先端から球の中心までの座標・球の中心から形状データによるモデル接触点までの座標値・加工工具摩耗量から、加工工具の摩耗量分を補正した演算内で加工工具が移動する軌跡の座標値を算出することができる。
加工工具がフラットエンドの場合においても同様の考え方により演算における座標値を加工工具摩耗量分の補正量を算出することができる。
このとき、CADのデータにおけるモデルに対する加工工具の表面の接触点を算出する方法としては、座標計算から求めることが可能である。例えば次の通りである。
ボールエンドミルの場合は、CADのデータにおけるモデル表面に対して加工工具の半径分を法線方向に拡大させ、拡大させた面に球の中心が通るような加工軌跡を計算する。その際、CADのデータにおけるモデルに書き出す加工工具が移動する軌跡の座標点ごとにボールエンドミルの中心座標を基準とした擬似的な球体を計算し、球体とCADのデータにおけるモデル表面が接触した点が接触点となる。
フラットエンドの場合は、CADのデータにおけるモデル表面に対して加工工具の半径分を加工工具の軸方向に対して垂直方向に拡大させ、拡大させた面にフラットエンドミル先端の中央が通るような加工軌跡を計算する。その際、CADのデータにおけるモデルに書き出す加工工具が移動する軌跡の座標点ごとに、フラットエンド先端の中央座標を基準とした加工工具の軸方向と垂直方向に疑似的な円を計算し、円とCADのデータにおけるモデル表面が接触した点が接触点となる。
ボールエンドミルの場合は、CADのデータにおけるモデル表面に対して加工工具の半径分を法線方向に拡大させ、拡大させた面に球の中心が通るような加工軌跡を計算する。その際、CADのデータにおけるモデルに書き出す加工工具が移動する軌跡の座標点ごとにボールエンドミルの中心座標を基準とした擬似的な球体を計算し、球体とCADのデータにおけるモデル表面が接触した点が接触点となる。
フラットエンドの場合は、CADのデータにおけるモデル表面に対して加工工具の半径分を加工工具の軸方向に対して垂直方向に拡大させ、拡大させた面にフラットエンドミル先端の中央が通るような加工軌跡を計算する。その際、CADのデータにおけるモデルに書き出す加工工具が移動する軌跡の座標点ごとに、フラットエンド先端の中央座標を基準とした加工工具の軸方向と垂直方向に疑似的な円を計算し、円とCADのデータにおけるモデル表面が接触した点が接触点となる。
また、CADのデータにおけるモデルに対する加工工具表面の接触点を算出するとき、接触点が複数個存在する場合が考えられる。その場合は、複数個の候補の中から代表的な1つの点を選択する。選択方法は、接触点計算で一番最初に算出された点、複数点の平均値を計算して求められる点等が考えられる。
また、CADのデータにおけるモデルに対する加工工具表面の接触点を算出するとき、計算誤差等によって接触点が無い場合も考えられる。その場合は,接触点の基準となる加工工具の球の中心の座標から一番近いCADのデータにおけるモデル表面を計算することで求めることができる。計算方法は、基準となる加工工具の球中心の座標を中心点として、そこから擬似的な球体を計算し、球体の半径を変更することによってCADのデータにおけるモデル表面と球体が接触した点を接触点として指定する方法が考えられる。
また、固い材料など、加工工具の摩耗が著しい材料を使った複数個の補綴物を連続加工する場合、加工開始のときに比べて、最後の加工での加工工具の径が摩耗により細くなっている場合がある。その場合にも、上記した例により、想定される加工工具の使用時間・作製される補綴物の個数・スピンドル回転中の軸の移動量などの情報から連続加工のそれぞれの加工における加工工具の摩耗量を事前に予測した上で摩耗量をさらに補正した演算を行うことができる。そして、予測した摩耗順番に従って連続加工を行うことにより、連続加工内における可変的な加工工具の摩耗具合にも対応することができる。
また、加工途中に加工工具が折れる、又は、加工工具に設定してある寿命がなくなる等によって新品の加工工具に交換して加工を続行する場合にも、上記の手順に従って、再度演算を行ったり、補正値を演算したりすることができる。
また、上記において、加工工具の摩耗量補正については、歯科補綴物を作製する上で必要な加工工具の種類及び加工方法の全てに適応させる必要はない。例えば、加工手順として大まかな形状を加工する「粗加工工程」と詳細な形状に加工する「仕上げ加工工程」があるような場合、仕上げ加工工程のみに適応させることも可能である。また、歯科補綴物の外面を加工する工程は適応させないが、支台と適合させる面を加工する工程やマージン部分を加工する加工は適応させることも可能である。
このように、選択的に適応させることで、摩耗量計算にかかる計算時間を短縮することが可能となる。
このように、選択的に適応させることで、摩耗量計算にかかる計算時間を短縮することが可能となる。
演算結果の出力の工程S24では、加工プログラムの演算の工程S23で得られた加工プログラムを出力する工程である。出力先は上記したように表示手段38や加工機等を挙げることができる。このような出力は演算装置30の出力手段37から行うことができる。
図4に戻って歯科補綴物の加工の工程S30について説明する。歯科補綴物の加工の工程S30は、加工工程の演算の工程S20で演算され、出力された加工プログラムを受け取り、これに従って歯科補綴物を加工する。加工は加工機によって行われる。
以上のような製造方法S1によれば、加工工具が摩耗しつつ長い期間の使用に対しても、加工精度を高く維持することができ、その結果ランニングコストを抑制することを可能とする。
10 歯科補綴物
30 歯科補綴物加工用演算装置
30 歯科補綴物加工用演算装置
Claims (2)
- 歯科補綴物の切削加工又は研削加工の加工条件を演算する歯科補綴物加工用演算装置であって、
加工工具の加工履歴と前記加工工具の摩耗量との関係が記録された記憶手段と、
前記記憶手段に記録された前記関係から演算した前記摩耗量に基づいて、前記歯科補綴物の加工プログラムを演算する演算子と、
を備える、歯科補綴物加工用演算装置。 - 前記加工プログラムの演算は、前記摩耗量に基づいて、前記加工工具の半径を修正して演算を行う、又は、前記加工工具が加工すべき被加工材側の表面をオフセットして演算を行う請求項1に記載の歯科補綴物加工用演算装置。
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- 2015-09-30 JP JP2015195143A patent/JP2017064190A/ja active Pending
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