JP2017063528A - 車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロック状態からの脱出にあたり、運転者の意図に従った走行状態を維持可能とすることとモータ駆動回路の熱破壊防止との両立が効率的に図られるようにする。【解決手段】第1モータ及び第2モータと、リングギアに第1モータ又は第2モータの一方が、サンギアに第1モータ又は第2モータの他方が、キャリアに駆動輪を回転させるための駆動軸が接続される遊星歯車機構と、第1モータ及び第2モータについての制御を行う制御部と、を備え、制御部は、第1モータの回転を停止状態として第2モータの駆動力により走行中である場合において、第2モータがロック状態であるか否かを判定し、ロック状態であると判定したことに応じ、第1モータを第2モータの反力トルクを受け持つ回転方向に回転させると共に、第2モータをロック状態と判定された時点での回転方向とは逆方向に回生回転させる。【選択図】図3

Description

本発明は、第1モータと第2モータの動力を遊星歯車機構を介して駆動輪に伝達可能に構成された車両についての技術分野に関する。
特開2005−45863号公報 特開2008−247271号公報
モータを動力源として、モータと駆動輪とが遊星歯車機構を介して接続される電動車両が知られている(例えば上記特許文献1、2を参照)。この際、モータとしては、例えば3相交流式のモータ等、励磁相を複数有するモータが用いられている。
上記のような電動車両においては、例えば段差の乗り越え時や急坂の登坂等において、モータの駆動力と車両の走行抵抗とが釣り合い、モータの回転数が「0」(つまり車速=0)となる事態が生じ得る(いわゆるロック状態)。この際、モータは駆動中であるため、上記のように回転数が「0」の状態では複数の励磁相のうち1相のみに駆動電流が流れ続けてしまい、モータの駆動回路が過熱状態となる虞がある。過熱状態を回避するためには駆動電流をOFFすることが考えられるが、その場合には駆動輪に対する駆動力が維持されず、運転者の意図(アクセル操作)に従った走行状態を維持できなくなってしまう。
このようにロック状態に陥った際には、該ロック状態からの脱出が運転者の意図に従った走行状態を維持可能に図られることが要請される。換言すれば、運転者の意図に従った走行状態を維持可能とすることとモータ駆動回路の熱破壊防止との両立を図ることが要請される。
上記特許文献1、2には、ハイブリッド車両において、ロック状態からの脱出を駆動輪に対する駆動力を維持しながら実現する手法が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1、2に記載の手法は、ロック状態からの脱出を図る上で、エンジンを運転状態とすることが必要とされている。
本発明は上記の事情に鑑み為されたものであり、駆動輪に対する駆動力を維持しつつロック状態からの脱出を図ることをエンジンによる動力を不要としながら実現することで、運転者の意図に従った走行状態を維持可能とすることとモータ駆動回路の熱破壊防止との両立が効率的に図られるようにすることを目的とする。
本発明に係る車両は、第1モータ及び第2モータと、リングギアに前記第1モータ又は前記第2モータの一方が、サンギアに前記第1モータ又は前記第2モータの他方が、キャリアに駆動輪を回転させるための駆動軸が接続される遊星歯車機構と、前記第1モータ及び前記第2モータについての制御を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1モータの回転を停止状態として前記第2モータの駆動力により走行中である場合において、前記第2モータがロック状態であるか否かを判定し、ロック状態であると判定したことに応じ、前記第1モータを前記第2モータの反力トルクを受け持つ回転方向に回転させると共に、前記第2モータをロック状態と判定された時点での回転方向とは逆方向に回生回転させるものである。
上記のロック状態、すなわち第2モータを動力源とした駆動輪に対する駆動力と車両走行抵抗とが釣り合って車速が「0」となっている状態では、上記接続形態による遊星歯車機構においては、駆動輪に接続されるキャリアが固定された状態と等価な状態となる。このようにキャリアが固定の状態において上記のように第1モータを駆動することで、第2モータを回転数=0から逆回転方向に回転させることが可能な状態となる。そしてこの際、第2モータは、上記のように逆回転方向に回生回転させることで、駆動輪に対する駆動力が維持される。
第2モータは回転数=「0」の状態から逆回転回生状態に移行されるので、一つの励磁相のみに駆動電流が流され続けてしまう事態が解消される。つまりこれにより、第2モータのロック状態からの脱出が、駆動輪に対する駆動力を維持しながら実現される。
そして、上記構成によれば、このようなロック状態からの脱出を実現するにあたって、エンジンによる動力は不要となる。
上記した本発明に係る車両制御装置においては、前記制御部は、車速の回復判定を行い、車速が回復したと判定したことに応じて、前記第1モータの回転を停止状態とし、前記第2モータの駆動力により走行が行われるように制御することが望ましい。
これにより、車速が回復した場合、すなわちロック状態が生じる虞がなくなった場合に対応して、第1モータの回転が停止される。
上記した本発明に係る車両制御装置は、前記第1モータと前記リングギア又は前記サンギアとの間に減速ギアが挿入されることが望ましい。
これにより、第1モータから遊星歯車機構への入力トルクが増幅される。
上記した本発明に係る車両制御装置は、出力軸が前記第1モータを介して前記リングギア又は前記サンギアに接続されるエンジンを備えることが望ましい。
本発明のロック脱出手法によれば、ロック状態からの脱出にあたりエンジンを駆動すること(運転状態とすること)は不要である。すなわち、エンジンが備えられたハイブリッド車両において、ロック状態からの脱出のためにエンジンによる燃料消費を行わずに済む。
本発明によれば、ロック状態からの脱出にあたり、運転者の意図に従った走行状態を維持可能とすることとモータ駆動回路の熱破壊防止との両立が効率的に図られるようにすることができる。
実施の形態としての車両の構成概要を示した図である。 実施の形態の車両が備える遊星歯車機構の概略構成を示した図である。 実施の形態のロック脱出手法についての説明図である。 第2モータがロック状態であるか否かを判定し、ロック状態と判定したことに応じてロック脱出モードに移行するための処理を示したフローチャートである。 ロック脱出モード対応処理のフローチャートである。 ロック脱出モード中における第2モータについての回転モード制御処理のフローチャートである。 第一変形例としての車両の構成概要を示した図である。 第二変形例としての車両の構成概要を示した図である。 第二変形例としての車両におけるEV走行を開始してからロック状態に陥り該ロック状態を脱出するまでの各過程における遊星歯車機構の各回転要素の回転数とトルクとの力学的な関係を共線図により表した図である。 第三変形例としての車両の構成概要を示した図である。
<1.車両の概要構成>
図1は、本発明に係る実施の形態としての車両1の構成概要を示した図である。なお、図1では、車両1の構成のうち主に本発明に係る要部の構成のみを抽出して示している。
本実施の形態では、前輪駆動方式のハイブリッド車両に本発明を適用した場合について説明する。
図1において、車両1は、例えば前輪である駆動輪7a、駆動輪7bに駆動力を与えるための駆動系として、エンジン2と、エンジン2の出力軸としてのクランクシャフト2aに連動回転制御機構3を介してロータ(回転子)が接続された第1モータMG1と、リングギア軸4eがクランクシャフト2aと同軸上に配されるように第1モータMG1のロータに接続された遊星歯車機構4と、ロータが遊星歯車機構4のキャリア4dに接続された第2モータMG2とを備えている。また、キャリア4dによる動力をドライブシャフト6を介して駆動輪7a、駆動輪7bに伝達するための前輪用のデファレンシャルギヤ5を備えている。
連動回転制御機構3は、クランクシャフト2a(エンジン2)と第1モータMG1とについて、双方が連動して回転する連動回転状態と、双方の回転に対する制動力を与える回転制動状態との切り替えを行うことができるように構成されている。本例における連動回転制御機構3は、クランクシャフト2aと第1モータMG1との間を連結する回転伝達軸の回転に対する制動力を与える制動機構として構成されている。
このような連動回転制御機構3は、エンジン2と第1モータMG1の回転に対するブレーキ要素として機能する。
遊星歯車機構4は、図2にも示されるように、外歯歯車のサンギヤ4aと、サンギヤ4aと同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ4bと、サンギヤ4aに噛合すると共にリングギヤ4bに噛合する複数のピニオンギヤ(プラネタリギア)4cと、複数のピニオンギヤ4cを自転且つ公転自在に保持するキャリア4dとを備え、サンギヤ4aとリングギヤ4bとキャリア4dとを回転要素とし差動作用を行う歯車機構として構成されている。
本例の遊星歯車機構4では、上記のようにサンギア4aには第2モータMG2のロータが接続され、リングギア4bには上記したリングギア軸4eを介して第1モータMG1のロータが接続され、キャリア4dにはデファレンシャルギア5が接続されている。
また、車両1には、上記した駆動系をコントロールするための各種のECU(Electronic Control Unit)として、エンジンECU8、第1モータECU9、第2モータECU10、及びハイブリッドECU11が備えられている。これらのECUは、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータで構成され、CAN(Controller Area Network)等の所定の車載ネットワーク通信規格に対応したバス12を介して相互にデータ通信可能に接続されている。
さらに、車両1には、センサ・操作子類13が備えられている。
センサ・操作子類13は、車両1に設けられた各種のセンサや操作子を包括的に表したものである。センサ・操作子類13が有するセンサとしては、車両1の走行速度(以下「車速」と表記する)を検出する速度センサ13a、エンジン2の回転数を検出するエンジン回転数センサ13b、アクセルペダルの踏込み量からアクセル開度を検出するアクセル開度センサ13c、及び車両1に作用する加速度を検出するGセンサ13dがある。また、図示は省略したが、センサ・操作子類13は、他のセンサとして、例えばエンジン2への吸入空気量を検出する吸入空気量センサ、吸気通路に介装されてエンジン2の各気筒に供給する吸入空気量を調整するスロットル弁の開度を検出するスロットル開度センサ、エンジン温度を示す冷却水温を検出する水温センサ、車外の気温を検出する外気温センサ等も有する。
また、操作子としては、イグニッションスイッチ13eや、EV(Electric Vehicle)モードのON/OFF指示を行うためのEVスイッチ13f等の各種操作子がある。
センサ・操作子類13における各センサの検出信号、操作子の操作に基づく操作入力信号は上記した各ECUのうち必要な各部に対して供給される。
エンジンECU8は、エンジン2についての燃料噴射制御、点火制御、吸入空気量調節制御などの各種運転制御を行う。エンジンECU8は、ハイブリッドECU11と通信を行っており、ハイブリッドECU11からの制御信号に基づいてエンジン2を運転制御すると共に必要に応じてエンジン2の運転状態に関するデータをハイブリッドECU11に出力する。
第1モータMG1、第2モータMG2は、何れも発電機として駆動できると共に電動機としても駆動できる周知の同期発電電動機により構成されている。これら第1モータMG1及び第2モータMG2は励磁相を複数有するモータとされ、具体的に本例では3相交流式モータが採用されている。
これら第1モータMG1、第2モータMG2については、エンジン2の回転に伴い回転される第1モータMG1で発電を行いながら、該発電された電力により第2モータMG2を駆動して該第2モータMG2の動力を駆動輪7a、7bに伝達することが可能とされている。
第1モータMG1は第1モータECU9により駆動制御され、第2モータMG2は第2モータECU10により駆動制御される。
第1モータECU9、第2モータECU10は、それぞれハイブリッドECU11からの指示に基づき第1モータMG1、第2モータMG2の駆動制御を行う。
なお、図示は省略したが、車両1には、第1モータMG1(及び第2モータMG2)により発電された電力を蓄電し、蓄電した電力を第2モータMG2(及び第1モータMG1)の駆動電力として出力可能なバッテリーが設けられている。
ハイブリッドECU11は、センサ・操作子類13における所定のセンサ、操作子による検出信号、操作入力信号に基づき、エンジンECU8、第1モータECU9、第2モータECU10に対する指示や連動回転制御機構3の動作制御を行って、上記した駆動系の動作を運転者の操作や車両1の状態に応じてコントロールする。
例えば、ハイブリッドECU11は、前述したイグニッションスイッチ13eの操作等に基づき、エンジンの始動制御を行う。具体的には、燃料噴射及び点火を行うようにエンジンECU8に指示を行うと共に、セルモータとして第1モータMG1を回すため第1モータECU9にも指示を行う。なお、ハイブリッド車としての車両1においては、エンジン2の始動/停止制御は車両1の走行状態等、イグニッションスイッチ13eの操作以外の条件に基づいても行われる。
また、ハイブリッドECU11は、アクセル開度センサ13cによる検出信号に基づき求まるアクセル開度値に基づき、運転者によるアクセル操作量に応じた要求トルクT(駆動輪7a、7bに出力すべきトルク)を計算し、要求トルクTに対応する要求駆動力により車両1を走行させるためのエンジン2、第1モータMG1、第2モータMG2の運転制御をエンジンECU8、第1モータECU9、第2モータECU10に実行させる。
例えば、車両1の発進時や低速走行時等であって仮にエンジン2を駆動した際にその運転効率が低いと判定された場合には、第2モータMG2のみによる走行(「EV走行」)が行われるように制御を行う。また、前述したEVスイッチ13fにより運転者がEVモードを選択した場合にもEV走行が行われるように制御を行う。
EV走行時においては、ハイブリッドECU11は前述した連動回転制御機構3による制動力をONとし、遊星歯車機構4におけるリングギア4bを固定状態とする。
ハイブリッドECU11は、EV走行時においては、アクセル操作量に基づき計算した要求トルクTに基づき第2モータMG2に要求されるトルク(以下「要求トルクTb」と表記)を計算し、該要求トルクTbを第2モータECU10に指示して第2モータMG2を駆動させる。
また、ハイブリッドECU11は、エンジン2と第2モータMG2の双方の出力を利用した走行(「ハイブリッド走行」)が行われるように制御を行う。具体的には、連動回転制御機構3による制動力をOFFとし、エンジン2及び第2モータMG2が要求トルクTに基づき駆動されるようにエンジンECU8、第2モータECU10に指示を行う。このとき、第1モータMG1はエンジン2の回転に伴い発電回転(回生回転)可能とされる。ハイブリッド走行時においてハイブリッドECU11は、必要に応じ、このようにエンジン2の回転に伴い回転される第1モータMG1で得られる発電電力により第2モータMG2が駆動されるように制御を行う。
ハイブリッド走行時においてハイブリッドECU11は、要求トルクTに基づきエンジン2に要求されるトルク(以下「要求トルクTe」と表記)と第2モータMG2の要求トルクTbとを計算し、要求トルクTeをエンジンECU8に、要求トルクTbを第2モータECU10にそれぞれ指示してエンジン2、第2モータMG2を駆動させる。
また、本実施の形態のハイブリッドECU11は、第2モータMG2がロック状態にあるか否かの判定(「ロック判定」)を行う。ロック状態とは、例えば段差の乗り越え時や急坂の登坂等においてモータの駆動力と車両1の走行抵抗とが釣り合い、駆動中のモータの回転数が「0」(つまり車速が「0」)となる状態を意味する。
ハイブリッドECU11は、第2モータMG2がロック状態であると判定した場合には、以下で説明する手法によりロック状態からの脱出を図るための処理を実行する。
<2.実施の形態のロック脱出手法>
図3は、実施の形態としてのロック脱出手法について説明するための図であり、図3A〜図3Fは、車両1がEV走行(EVモードでの走行)を開始してからロック状態に陥り該ロック状態を脱出するまでの各過程における遊星歯車機構4の各回転要素の回転数とトルクとの力学的な関係を共線図により表している。なお、図中「S」軸はサンギア4a(第2モータMG2)の回転数、「C」軸はキャリア4d(駆動輪7a、7b)の回転数、「R」軸はリングギア4b(リングギア軸4e、第1モータMG1、エンジン2)の回転数にそれぞれ対応する。
図3Aは、EV走行を開始した直後における様子を示している。
先ず、駆動輪7a、7bが接続されるキャリア4dには、図中の出力トルクとして、車両1の走行抵抗に応じたトルクが作用している。先の説明から理解されるように、EV走行時には、連動回転制御機構3による制動力がONされるため、図中のブレーキ要素トルクが作用してリングギア4dの回転数が「0」とされている。この状態で第2モータMG2が力行回転(例えば正回転力行)されて図中のMG2トルクがサンギア4aに作用することで、該サンギア4aが回転駆動され、これに伴いキャリア4dが回転して駆動輪7a、7bが回転駆動される。
図3Bは、EV走行中において車両1が段差に差し掛かる等して、第2モータMG2がロック状態に陥った際の様子を示している。
このようにロック状態では、第2モータMG2の駆動力と車両1の走行抵抗とが釣り合い、第2モータMG2の回転数が「0」となる。
本実施の形態では、図3Bに示すようなロック状態に陥った際には、第1モータMG1を回転させ第2モータMG2をそれまでの回転方向とは逆方向に回生回転させることで、駆動輪7a、7bに対する駆動力を維持したまま、第2モータMG2の一つの励磁相に駆動電流が流され続けてしまうことの防止を図る。
具体的には、先ず、連動回転制御機構3による制動力をOFFとして、第1モータMG1が力行回転(例えば正回転力行)されるように駆動制御する。この際、第1モータMG1のトルクは、第2モータMG2の反力トルクを受け持つことのできるトルク(以下「トルクTa1」と表記)に設定する。
図3Cは、このように連動回転制御機構3によるブレーキ要素をOFF(開放)とし第1モータMG1を駆動状態とさせた際の様子を示している。この状態では、第2モータMG2の反力トルクが第1モータMG1により受け持たれただけであるので、第1モータMG1の回転数(つまりはリングギア4bの回転数)は「0」であり、また第2モータMG2の回転数(つまりはサンギア4aの回転数)としても「0」のままである。また、キャリア4dの回転数も「0」のままである。
上記のように第1モータMG1を駆動状態とした上で、さらに第1モータMG1のトルクをエンジン2のフリクショントルクよりも大きなトルク(以下「トルクTa2」と表記)分だけ上昇させ(つまり「Ta1+Ta2」)、これと共に、第2モータMG2をそれまでの回転方向とは逆方向に回生回転させる。このとき、第2モータMG2のトルクは、それまでと同じトルク(ロック状態に陥った際のトルク)で維持させる。
図3Dは、この際の様子を示している。
上記のように第1モータMG1のトルクを「Ta1+Ta2」まで上昇させることで、該第1モータMG1と連動回転制御機構3を介して接続されたエンジン2(クランクシャフト2b)が回転され(空回し状態)、これに伴いリングギア4eが回転される。またこれと共に、上記のように第2モータMG2を逆方向に回生回転させることで、サンギア4aが逆方向(ロック状態前の回転方向とは逆方向)に回転される。この際、キャリア4dに作用するトルクはロック状態に陥った時点から変化していないため、キャリア4dの回転数は「0」のままである。
このように本実施の形態では、EV走行中において第2モータMG2がロック状態に陥ったことに応じて、第1モータMG1を第2モータMG2の反力トルクを受け持つ回転方向に回転させると共に、第2モータMG2をロック状態と判定された時点での回転方向とは逆方向に回生回転させるものとしている。
第2モータMG2は回転数=「0」の状態から逆回転回生状態に移行されるので、一つの励磁相のみに駆動電流が流され続けてしまう事態が解消され、ロック状態からの脱出が実現される。また、上記のように第1モータMG1及び第2モータMG2がそれぞれ回転される状態においては、遊星歯車機構4においてキャリア4dに対するトルクが作用し続けるため、駆動輪7a、7bに対する駆動力が維持される。
これらの点から理解されるように、本実施の形態によれば、第2モータMG2のロック状態からの脱出が駆動輪7a、7bに対する駆動力を維持しながら実現される。
ここで、上記した図3Dの状態では、車速が「0」のままで未回復である。段差や急坂等に差し掛かり車速が「0」となった場合、運転者の対処としては、車両1を進行させるためアクセルペダルを踏み増すことが考えられる。
EVモードにおいてアクセルペダルが踏み増されると第2モータMG2に対する要求トルクTbが増大し、該要求トルクTbに基づき第2モータMG2が駆動されることで図3Dに示した車両走行抵抗との釣り合い状態が解消される。すなわち、図3Eに示すようにキャリア4dが回転され、「車速>0」の状態となる。
このとき、遊星歯車機構4の機構上、車速>0となりキャリア4dが回転を開始したことに応じては、第2モータMG2の回転方向は上記の逆回転方向から転じさせることを要する。このため、図3Dの状態から車速>0の状態となったことに応じては、第2モータMG2の駆動状態をそれまでの逆回転回生状態から正回転力行状態に切り替える(図3E参照)。
また、本実施の形態では、「車速>0」の状態に移行して車速が回復したと判定されたことに応じて、車両1の走行モードを、上記のように第1モータMG1を回転させて第2モータMG2を逆回転回生状態とするモード(「ロック脱出モード」)から通常のEVモード(EV走行状態)に移行させる。
この際、運転者のアクセル操作の態様によっては、車速>0に変化した直後に再び車速=0の状態に戻ることも考えられる。特に、段差の乗り越え時においては、乗り越え後の衝撃を和らげる等の意図から比較的慎重にアクセル操作が行われる可能性が高く、その場合には「車速>0」の状態と「車速=0」の状態とが比較的短い周期で交互に切り替わることが想定される。
このため、仮に「車速>0」となったことに応じて通常のEVモードに切り替えを行ってしまうと、走行モードの切り替えが頻発する事態(いわゆるチャタリング)が懸念される。
そこで、本実施の形態では、「車速>0」に応じて即座にモード切り替えは行わず、車速が十分に回復した状態であるか否か(再びロック状態に陥る虞がなくなったか否か)を判別するための回復判定を行い、該回復判定の結果に基づきモード切り替えを行う。具体的に本例では、回復判定として車速>Vx(少なくともVx>0)であるか否かを判定する。例えば、Vx=5km/hとする。
図3Fは、通常のEVモードへの切り替えを行った際の様子を示している。
通常のEVモードへの切り替えは、第1モータMG1を停止させ、連動回転制御機構3による制動力をONとすることで実現する。この際、第2モータMG2は、アクセル開度に基づいて計算される要求トルクTbにより駆動させる。
これにより、車両走行に第2モータMG2のみが用いられる通常のEV走行状態に遷移する。
<3.処理手順>
続いて、上記した実施の形態のロック脱出手法を実現するための具体的な処理の手順を図4〜図6のフローチャートを参照して説明する。
図4は、第2モータMG2がロック状態であるか否かを判定し、ロック状態と判定したことに応じてロック脱出モードに移行するための処理を示している。なお、図4及び図5に示す処理は、図1に示したハイブリッドECU11のCPUが例えば該ハイブリッドECU11の備えるROM等の所定の記憶装置に格納されたプログラムに従って実行するものであり、ハイブリッドECU11(CPU)は、これら図4及び図5に示す処理をEV走行中において所定の周期で繰り返し実行する。
図示による説明は省略するが、EV走行中においてハイブリッドECU11は、これら図4及び図5に示す処理とは別途に、アクセル操作に基づく要求トルクTbを計算し、計算した要求トルクTbを第2モータECU10に指示する処理を実行している。
図4において、ハイブリッドECU11はステップS101で、ロック脱出モードフラグ=0であるか否かを判別する。ロック脱出モードフラグは、ロック脱出モードに移行中であるか否かを表すフラグであり、例えば「1」がロック脱出モードに移行中、「0」が移行中でないことをそれぞれ表す。なお、ロック脱出モードフラグの初期値は「0」である。
ステップS101において、ロック脱出モードフラグ=「0」でなければ、ハイブリッドECU11はこの図に示す処理を終える。ロック脱出モードに移行中であれば、ロック状態か否かの判定は不要なためである。
一方、ロック脱出モードフラグ=「0」であれば、ハイブリッドECU11はステップS102に進み、第2モータMG2がロック状態か否かを判定するための処理を実行する。具体的には、先ずステップS102において車速=0であるか否かを判別する。車速=0でなければ、ハイブリッドECU11はこの図に示す処理を終える。
車速=0であれば、ハイブリッドECU11はステップS103に進み、第2モータMG2の要求トルクTb≧Txであるか否かを判別する。ここで、少なくともTx>0であり、従ってステップS103によっては、先のステップS102の判別処理と併せて、車速=0且つ第2モータMG2が駆動中の状態であるか否か、換言すれば駆動輪7a、7bに対する駆動力と車両走行抵抗とが釣り合って車速が「0」となっている状態であるか否かを判別していることに相当する。
ステップS103において、要求トルクTb≧Txでなければ、ハイブリッドECU11はこの図に示す処理を終える。
一方、要求トルクTb≧Txであれば、ハイブリッドECU11はステップS104に進み、要求トルクTb≧Txの継続時間Tms≧Tmxであるか否かを判別する。具体的には、所定周期で実行されるステップS103の判別処理の結果として、要求トルクTb≧Txであるとの判別結果が所定回数連続して得られたか否かを判別する。
なお、このように走行抵抗との釣り合いにより車速が「0」となっている状態が所定時間継続したか否かを判定条件としているのは、ロック脱出モードへの移行についてのハンチング防止のためである。
ステップS104において、要求トルクTb≧Txの継続時間Tms≧Tmxでなかった場合、ハイブリッドECU11はこの図に示す処理を終え、要求トルクTb≧Txの継続時間Tms≧Tmxであった場合にはステップS105に進んでロック脱出モードフラグを「1」にセットする。
ステップS105でロック脱出モードフラグを「1」にセットすると、ハイブリッドECU11はステップS106で、第1モータMG1のトルクを前述したTa1(第2モータMG2の反力トルクを受け持つことのできるトルク)まで上昇させる。なお、第1モータMG1についてのトルク指示は、第1モータECU9に対して行う。
さらに、続くステップS107でハイブリッドECU11は、ブレーキ要素を開放させる。すなわち、連動回転制御機構3による制動力をOFFとする。
次のステップS108でハイブリッドECU11は、第1モータMG1のトルクをTa1+Ta2(エンジン2のフリクショントルクよりも大きなトルク)に上昇させ、ステップS109で第2モータMG2の回転制御モードを逆回転モードに移行する指示を第2モータECU10に対して行う。逆回転モードは、第2モータMG2を要求トルクTbに基づき逆回転方向(ロック状態と判定される前の回転方向に対して逆回転方向)に回生回転させる回転制御モードである。すなわち、第2モータECU10は逆回転モードへの移行中は、要求トルクTbに応じた出力トルクが得られるように第2モータMG2を逆回転方向に回生回転させる駆動制御を行う。
ハイブリッドECU11は、ステップS109のモード移行指示処理を実行したことに応じてこの図に示す処理を終える。
図5は、ロック脱出モードへの移行中に実行させるべき処理を含んだロック脱出モード対応処理のフローチャートである。
先ず、ステップS201でハイブリッドECU11は、ロック脱出モードフラグ=1であるか否かを判別し、ロック脱出モードフラグ=1でなければこの図に示す処理を終え、ロック脱出モードフラグ=1であればステップS202に処理を進める。
ステップS202でハイブリッドECU11は、図6に示す第2モータMG2の回転モード制御処理を実行する。該回転モード制御処理は、第2モータECU10における第2モータMG2についての回転制御モードを、車速(換言すればキャリア4dの回転状態)に応じて前述した逆回転モードと正回転モードとの間で切り替えるための制御処理である。
図6に示すステップS301において、ハイブリッドECU11は、第2モータMG2についての回転制御モードが逆回転モードであるか否かを判別し、逆回転モードであれば、ステップS302で車速>0の変化点であるか、すなわち今回(n回目)のサンプリングタイミングにおいて車速>0で、且つ前回(n−1回目)のサンプリングタイミングにおいて車速≦0であるか否かを判別する。
車速>0の変化点であれば、ハイブリッドECU11はステップS303に進み、第2モータMG2についての回転制御モードを正回転モードに移行させる指示を第2モータECU10に対して行う。正回転モードは、第2モータMG2を要求トルクTbに基づき正回転方向(逆回転モード時とは逆方向)に力行回転させる回転制御モードであり、第2モータECU10は、正回転モードへの移行中においては、要求トルクTbに応じた出力トルクが得られるように第2モータMG2を正回転方向に力行回転させる駆動制御を行う。
ハイブリッドECU11は、ステップS303のモード移行指示処理を実行したことに応じてステップS202の回転モード制御処理を終える。
一方、ステップS302で車速>0の変化点でないと判別した場合(つまり車速≦0の状態が維持されている場合)、ハイブリッドECU11はステップS303のモード移行指示処理をパスしてステップS202の回転モード制御処理を終える。すなわち、ロック脱出モードへの移行後、車速≦0が維持されている間は第2モータMG2についての回転制御モードが逆回転モードで維持される。
また、先のステップS301において、第2モータMG2についての回転制御モードが逆回転モードでなかった場合、ハイブリッドECU11はステップS304に進んで車速≦0であるか否かを判別する。
車速≦0であれば、ハイブリッドECU11はステップS305に進んで第2モータMG2についての回転制御モードを逆回転モードに移行させる指示を第2モータECU10に対して行う。すなわち、ロック脱出モードの移行に応じて逆回転モードに移行(S109)し、さらにその後、車速>0の変化点に応じて正回転モードに移行した後においては、車速≦0となったことに応じて逆回転モードに移行が行われる。
一方、車速≦0でなければ、ハイブリッドECU11はステップS305のモード移行指示処理をパスして、ステップS202の回転モード制御処理を終える。すなわち、この場合は正回転モードが維持される。
説明を図5に戻す。
ハイブリッドECU11は、ステップS202の回転モード制御処理を実行したことに応じ、ステップS203で車速>Vxであるか否かを判別する。換言すれば、ロック脱出モードから通常のEVモードへの移行条件が成立したか否かを判別する。
車速>Vxでなければ、ハイブリッドECU11は図5に示す処理を終える。すなわち、ロック脱出モードが維持される。
一方、車速>Vxであれば、ハイブリッドECU11はステップS204〜S206の処理を実行して、通常のEVモードへの移行を実現する。
具体的に、ステップS204でハイブリッドECU11は、第1モータECU9に対する指示により第1モータMG1の回転数=0に制御し、続くステップS205でブレーキ要素を作動(連動回転制御機構3による制動力をON)させ、さらに続くステップS206でロック脱出モードフラグを「0」にリセットして、図5に示す処理を終える。
<4.実施の形態の変形例>
なお、上記では、ロック脱出モードへの移行を操作入力に基づかずに自動的に行う例を挙げたが、運転者等による操作入力に基づきロック脱出モードへの移行が行われてもよい。例えば、ロック脱出モードへの移行を指示するための操作子を設けておき、該操作子に対応する操作入力の検知に応じて、図4に示す処理が開始されるようにする。これにより、ハイブリッドECU11の処理負担を軽減できる。
また、上記では、走行抵抗との釣り合い状態からアクセルが踏み増されることを前提として、車速の回復判定(車速>Vxか否か)結果に応じてロック脱出モードから通常のEVモードへ移行する例を挙げたが、例えば、運転者が段差の乗り越えや登坂を諦めた場合等には、走行抵抗との釣り合い状態からアクセルがOFF(アクセル開度=0)される場合もある。このようなアクセルOFFに応じて、通常のEVモードに移行してもよい。具体的には、例えばアクセル開度=0又は要求トルクTb=0に応じて、ステップS204〜S206のモード移行のための処理を実行する。
また、上記では、車速の回復判定として車速>Vxか否かを判定する場合を例示したが、これに代えて、少なくとも車速>0である状態が所定時間以上継続したか否かを判定するものとしてもよい。車速の回復判定としては、ノイズ要素等による車速の瞬時的な変化にモード切り替えが追従しないことが担保されるようにして、車速が0よりも大きな速度に回復したか否かを判定すればよい。
また、上記では、ロック状態であることを判定するにあたり、車速=0の他に、要求トルクTb≧Txであることを1条件とする例を挙げたが、これに代えて、アクセル開度>0であることを1条件としてもよい。或いは、モータの駆動電流値(絶対値)>0であることを1条件としてもよい。何れにしても、ロック状態であるか否かの判定は、第2モータMG2が駆動中で且つ駆動輪7a、7bに対する駆動力と車両1の走行抵抗とが釣り合っている状態であるか否かの判別結果に基づき行われればよい。
また、実施の形態の車両としては、図7に示す第一変形例としての車両1Aのように、第1モータMG1と遊星歯車機構4におけるリングギア4bとの間に減速ギア14が挿入されてもよい。これにより、第1モータMG1から遊星歯車機構4への入力トルクの増幅が図られる。
さらに、実施の形態の車両としては、図8に示す第二変形例としての車両1’のように、遊星歯車機構4のリングギア4b、サンギア4aに対する第1モータMG1、第2モータMG2の接続を入れ替えた構成とすることもできる。
図8では、図1に示した車両1において、リングギア4b、サンギア4aに対する第1モータMG1、第2モータMG2の接続を入れ替えた場合を例示している。この場合、エンジン2のクランクシャフト2は、連動回転制御機構3及び第1モータMG1を介してサンギア4aに接続されることになる。
このようにサンギア4aに対して第1モータMG1を、リングギア4b(リングギア軸4e)に対して第2モータMG2を接続した構成とした場合も、ハイブリッドECU111が先の図4〜図6に示した処理と同様の処理を行うことで、車両1の場合と同様の効果を得ることができる。
図9は、第二変形例としての車両1’におけるEV走行(EVモードでの走行)を開始してからロック状態に陥り該ロック状態を脱出するまでの各過程における遊星歯車機構4の各回転要素の回転数とトルクとの力学的な関係を共線図により表している。
図9を参照して分かるように、車両1’における各過程における共線図は、図3に示した車両1における同共線図に対して、リングギア4bとサンギア4aとの間の力学的関係が反転した仕様となるのみである。この点より、車両1’の構成によっても、車両1の場合と同様のロック脱出手法が実現されることが理解できる。
なお、上記のようにサンギア4aに対し第1モータMG1を、リングギア4bに対し第2モータMG2を接続した車両1’についても、先の第一変形例と同様に第1モータMG1から遊星歯車機構4への入力トルクの増幅のための変速ギア14を設けることができる。
具体的には、図10に示す第三変形例としての車両1A’のように、第1モータMG1とサンギア4aとの間に減速ギア14を挿入するものである。
<5.実施の形態のまとめ>
上記のように実施の形態の車両(同1)は、第1モータ(同MG1)及び第2モータ(同MG2)と、リングギア(同4b)に第1モータ又は第2モータの一方が、サンギア(同4a)に第1モータ又は第2モータの他方が、キャリア(4d)に駆動輪(同7a、7b)を回転させるための駆動軸(ドライブシャフト6)が接続される遊星歯車機構(同4)と、第1モータ及び第2モータについての制御を行う制御部(第1モータECU9、第2モータECU10、及びハイブリッドECU11)と、を備えている。
そして、制御部は、第1モータの回転を停止状態として第2モータの駆動力により走行中(つまり通常のEV走行中)である場合において、第2モータがロック状態であるか否かを判定し、ロック状態であると判定したことに応じ、第1モータを第2モータの反力トルクを受け持つ回転方向に回転させると共に、第2モータをロック状態と判定された時点での回転方向とは逆方向に回生回転させている。
上記のロック状態、すなわち第2モータを動力源とした駆動輪に対する駆動力と車両走行抵抗とが釣り合って車速が「0」となっている状態では、上記接続形態による遊星歯車機構においては、駆動輪に接続されるキャリアが固定された状態と等価な状態となる。このようにキャリアが固定の状態において上記のように第1モータを駆動することで、第2モータを回転数=0から逆回転方向に回転させることが可能な状態となる。そしてこの際、第2モータは、上記のように逆回転方向に回生回転させることで、駆動輪に対する駆動力が維持される。
第2モータは回転数=「0」の状態から逆回転回生状態に移行されるので、一つの励磁相のみに駆動電流が流され続けてしまう事態が解消される。つまりこれにより、第2モータのロック状態からの脱出が、駆動輪に対する駆動力を維持しながら実現される。
そして、上記構成によれば、このようなロック状態からの脱出を実現するにあたって、エンジンによる動力は不要となる。
従って、本実施の形態の車両によれば、ロック状態からの脱出にあたり、運転者の意図に従った走行状態を維持可能とすることとモータ駆動回路の熱破壊防止との両立が効率的に図られるようにすることができる。
また、実施の形態の車両においては、制御部は、車速の回復判定を行い、車速が回復したと判定したことに応じて、第1モータの回転を停止状態とし、第2モータの駆動力により走行が行われるように制御している。
これにより、車速が回復した場合、すなわちロック状態が生じる虞がなくなった場合に対応して、第1モータの回転が停止される。
従って、電力がむやみに消費されてしまうことを防止できる。
さらに、実施の形態の車両は、第1モータとリングギア又はサンギアとの間に減速ギア(同14)が挿入されている。
これにより、第1モータから遊星歯車機構への入力トルクが増幅される。
従って、第1モータとして小出力なモータを用いることが可能となり、第1モータを小型化できる。第1モータを小型化することにより、限られた車両スペースの有効活用が図られる。
さらにまた、実施の形態の車両は、出力軸(クランクシャフト2a)が第1モータを介してリングギア又はサンギアに接続されるエンジン(同2)を備えている。
実施の形態のロック脱出手法によれば、ロック状態からの脱出にあたりエンジンを駆動すること(運転状態とすること)は不要である。すなわち、エンジンが備えられたハイブリッド車両において、ロック状態からの脱出のためにエンジンによる燃料消費を行わずに済む。
従って、ロック状態からの脱出機能を備えたハイブリッド車両として、燃費向上により車両の走行距離を伸ばすことができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記で説明した具体例に限定されず、多様な変形例が考えられる。
例えば、上記では、本発明が前輪駆動方式の車両に適用される場合を例示したが、本発明は後輪駆動方式や四輪駆動方式等、他の駆動方式による車両にも好適に適用できる。
また、本発明はハイブリッド車両に限定されず、エンジンを備えない電動車両にも好適に適用できる。
1,1A、1’、1A’…車両、2…エンジン、2a…クランクシャフト、3…連動回転制御機構、4…遊星歯車機構、4a…サンギア、4b…リングギア、4c…ピニオンギア、4d…キャリア、4e…リングギア軸、5…デファレンシャルギア、6…ドライブシャフト、7a,7b…駆動輪、MG1…第1モータ、MG2…第2モータ、9…第1モータECU、10…第2モータECU、11…ハイブリッドECU、14…減速ギア

Claims (4)

  1. 第1モータ及び第2モータと、
    リングギアに前記第1モータ又は前記第2モータの一方が、サンギアに前記第1モータ又は前記第2モータの他方が、キャリアに駆動輪を回転させるための駆動軸が接続される遊星歯車機構と、
    前記第1モータ及び前記第2モータについての制御を行う制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記第1モータの回転を停止状態として前記第2モータの駆動力により走行中である場合において、前記第2モータがロック状態であるか否かを判定し、ロック状態であると判定したことに応じ、前記第1モータを前記第2モータの反力トルクを受け持つ回転方向に回転させると共に、前記第2モータをロック状態と判定された時点での回転方向とは逆方向に回生回転させる
    車両。
  2. 前記制御部は、
    車速の回復判定を行い、車速が回復したと判定したことに応じて、前記第1モータの回転を停止状態とし、前記第2モータの駆動力により走行が行われるように制御する
    請求項1に記載の車両。
  3. 前記第1モータと前記リングギア又は前記サンギアとの間に減速ギアが挿入された
    請求項1又は請求項2に記載の車両。
  4. 出力軸が前記第1モータを介して前記リングギア又は前記サンギアに接続されるエンジンを備えた
    請求項1乃至請求項3の何れかに記載の車両。
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