JP2017063039A - 高分子電解質膜及び燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】PEFCの電解質膜として最適な複合膜を形成できる材料としての、高いアニオン伝導性を有するナノファイバーを利用してなる高分子電解質膜及び燃料電池の提供。【解決手段】ナノファイバーからなる不織布を具備する複合膜を含む高分子電解質膜であって、上記ナノファイバーが、下記式で表される芳香族ポリマーを含んでなるナノファイバーである高分子電解質膜。(Xは塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、炭酸イオン又は炭酸水素イオンの対イオン;nは0又は1)【選択図】なし

Description

本発明は、高いアニオン伝導性を有するナノファイバーを用いてなる高分子電解質膜及び燃料電池に関するものである。
アニオン交換型電解質膜は膜に固定された陽イオン基のため正に帯電しており、陽イオンは静電反発により透過せず陰イオン(アニオン)だけを通過させることができる陰イオン交換樹脂として純水製造、海水淡水化、化学工業における物質精製などに広く用いられている。また近年では、低環境負荷な高効率の次世代エネルギー源として注目されている固体高分子形燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell:PEFC)の電解質膜としても応用が期待されている。
現在、PEFCの電解質膜としては、パーフルオロスルホン酸イオノマーの「ナフィオン(Nafion)」(登録商標)などフッ素樹脂系プロトン交換膜の使用が有力視されている。しかし、ナフィオンは、高いプロトン伝導性や低温下・低湿度下におけるプロトン伝導性の低下の抑制、高い機械的・化学的安定性など種々の利点を有する反面、100℃以上でのプロトン伝導性の低下、高いメタノール透過性、高コストなどの問題点を有しており、これが実用化への妨げとなっている。そこで、パーフルオロスルホン酸イオノマーの代替材料の研究が広く行われているが、中でもポリスルホン(PS)やポリエーテルスルホン(PES)、ポリアリレンエーテルスルホン(PAES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリ(オルガノ)フォスファゼン(POP)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアリレート(PAR)、ポリアリレンエーテルエーテルケトン(PEEK)などの炭化水素系高分子材料のスルホン化高分子電解質は、低価格、高温での高い機械的強度、スルホン酸基の導入の容易さなどの点から盛んに研究が行われている。特にスルホン化ポリイミドは、高い熱的安定性や機械的強度、化学耐性を有することから、さまざまな構造の電解質膜が提案され、その特性が報告されている。
しかし、上記のフッ素系および炭化水素系高分子電解質膜はいずれもプロトン交換型高分子電解質膜(PEM)であり、アニオンを輸送・伝達する特性は有していない。一方、プロトンではなく代表的なアニオンである水酸化物イオンをイオン伝導体とし、アルカリ電解液を電極間のセパレーターに含侵させてセルを構成した燃料電池としてアルカリ燃料電池(Alkaline Fuel Cell:AFC)がある。AFCは40年以上前から知られており、宇宙用途などで実用化されている。しかしながら、液体電解液を用いた場合、液漏れによる危険性や出力特性の低下、燃料や酸化剤中に混在した炭化水素や二酸化炭素によりアルカリ性電解液が炭酸塩を生じて劣化するといった問題点が指摘されている。そこで近年、アルカリ電解液に代わる固体電解質としてアニオン交換型高分子電解質膜(AEM)の開発が盛んに行われている。
AEMを用いたAFCでは、従来のPEMを用いたPEFCと比較し、下記に挙げる優れた特長を有している。
第一に、従来型PEFCにおいて電池特性の律速となっているカソード反応(空気極における酸素、プロトン、電子からの水の生成反応)と比較して、AFCにおけるカソード反応(酸素、水、電子からの水酸化物イオンの生成反応)は電気化学的に容易であり、低過電圧となるため電池特性全体において有利である。
第二に、AFCにおいてはカソード反応が容易であるため、従来型PEFCの製造コストの過半を占めている白金等の貴金属触媒を必要とせず、鉄やニッケルなど安価な卑金属触媒の適用が可能となり、電池価格の大幅なコストダウンが期待される。
第三に、カソード反応が有利なため、透過燃料による特性低下もほとんどなく、水素の他、アルコールや炭化水素燃料など多彩な燃料の選択が可能となる。
しかし一方で、AEMにおいては従来型PEMと比較して低いイオン輸送性が大きな問題となっている。水酸化物イオンの移動度自体がプロトンと比較して低いことに加え、イオンの乖離性が水の存在に大きく影響を受け、電解質膜の加湿が必要不可欠である。また、PEMと比べAEMにおいては高分子構造とアニオン伝導特性の相関もあまり明らかになってきていない。最近ではイオンチャネルの連続的な形成を目指したブロック構造を導入したAEMも報告されてきているが(特許文献1及び2参照)、AFCの実用化にはさらに優れたアニオン伝導度を有するAEMの開発が不可欠である。すなわち、高いアニオン伝導特性を有する新しい材料の開発が求められている。
特開2009−173898号公開
特開2010−225471号公開
上述したように、いまだ要求されている性能を十分に満足するような高いアニオン伝導特性を有する材料は提供されておらず、更なる材料の開発が求められているのが現状である。
したがって、本発明の目的は、PEFCの電解質膜として最適な複合膜を形成できる材料としての、高いアニオン伝導性を有するナノファイバーを利用してなる高分子電解質膜及び燃料電池を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解消すべく鋭意検討した結果、特定の芳香族ポリマーに陰イオン交換基を導入してなる高分子化合物からなるナノファイバーにより上記目的を達成しうることを知見し、さらに鋭意検討した本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、以下の各発明を提供するものである。
1.ナノファイバーからなる不織布を具備する複合膜を含む高分子電解質膜であって、
上記ナノファイバーが、下記式で表される芳香族ポリマーを含んでなるナノファイバーであることを特徴とする高分子電解質膜。
式中、Xは、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、炭酸イオン又は炭酸水素イオンの対イオンを示す。nは0〜1の数を示す。
2.上記芳香族ポリマーが、下記化合物であることを特徴とする1記載の高分子電解質膜
式中、nは0.5〜1.0の数を示す
3.さらに、上記不織布を構成する上記ナノファイバー表面に下記一般式で表される芳香族ポリマーが導入されている1又は2記載の高分子電解質膜。
式中、Xは、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、炭酸イオン又は炭酸水素イオンの対イオンを示す。nは0〜1の数を示す。
4.上記芳香族ポリマーが、下記化合物であることを特徴とする3記載の高分子電解質膜。
式中、nは0.5〜1.0の数を示す

5.1〜4のいずれかに記載の高分子電解質膜を含むことを特徴とする、燃料電池
本発明に用いられるナノファイバーは、高いアニオン伝導性を有し、PEFCの電解質膜として最適な複合膜を形成できる材料である。
また、本発明に用いられる複合膜は、高いアニオン伝導性を有するナノファイバーにより形成されているのでアニオン伝導性を要求される種々用途に適したものである。
本発明の高分子電解質膜及び燃料電池は、それぞれ、本発明のナノファイバーを用いているので従来型PEMの有していた問題が解消されており、さらに優れたイオン輸送性も具備するものである。
図1は、TMA−PAESの1H−NMR測定結果を示すチャートである。 図2は、ポリマー繰り返し単位当たりのCM基導入個数v.s.反応時間を示すチャートである。 図3は、実施例1で作製した配列ナノファイバーのSEM画像を示す図面代用写真である。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
〔ナノファイバー〕
本発明に用いられるナノファイバーは、芳香族ポリマーを含むナノファイバーである。
(形状、大きさ)
本発明に用いられるナノファイバーの形状は、ほぼ直線状であるのが好ましいが、特に制限されるものではない。
本発明に用いられるナノファイバーは、平均ファイバー径が30〜1000nmであることが好ましく、30〜300nmであるのが特に好ましい。平均ファイバー径が30nm未満であると、製造が困難になることがあり、1000nmを超えると、イオン伝導性及び高温での安定性を向上させる効果が小さくなることがあるので上記範囲内とするのが好ましい。
また、本発明に用いられるナノファイバーの長さは、所望の長さに調整可能であり、用途に応じて種々の長さとすることが可能であり特に制限されるものではない。
(構成成分)
そして本発明に用いられるナノファイバーは、その構成成分として、前記芳香族ポリマーを有し、該芳香族ポリマーが、陰イオン交換基を有することを特徴とする。
前記芳香族ポリマーは、下記A)、B)の構造を有するのが好ましい。
A)主鎖及び/又は側鎖に芳香族基を含む繰り返し単位を有する。
B)前記繰り返し単位における前記芳香族基に前記陰イオン交換基が導入されている。
すなわち、前記芳香族ポリマーは、陰イオン交換基が導入された芳香族基を有する繰り返し単位を具備するポリマーであるのが好ましい。
前記陰イオン交換基は、下記式で表される4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、3級スルホニウム塩、4級ボロニウム塩からなる群より選択される陰イオン交換基であるのが好ましい。

(R、R、R及びRはそれぞれHあるいは炭化水素基、もしくは水酸基等を有する炭化水素基を示す。また、Xは対イオンを示す。)
また、陰イオン交換基としては、以下のイミダゾリウム基、グアニジウム基なども好ましく用いることができる。
(R〜RはそれぞれHあるいは炭化水素基、もしくは水酸基等を有する炭化水素基を示す。また、Xは対イオンを示す。)
前記炭化水素基としては、メチル基、エチル基、メチレン基、エチレン基等を挙げることができる。
前記水酸基を有する炭化水素基としては、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基等を挙げることができる。
また、Xで表される前記対イオンとしては、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン等を挙げることができる。
また、前記陰イオン交換基は、陰イオンを伝導可能な基であり、この際電導可能な陰イオンとしては、水酸化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオンを挙げることができる。
また、これらの陰イオン交換基は、芳香族ポリマーのどの部位に導入されていてもよいが、芳香族基に直接又はアルキル基を介して導入されているのが好ましい。
前記芳香族ポリマーは、主鎖骨格がポリアリーレンエーテル骨格、ポリイミド骨格及びポリスチレン骨格からなる群より選択される構造を有するのが好ましい。
前記ポリアリーレンエーテル骨格を有する前記芳香族ポリマーが下記式で表される繰り返し単位を有するホモポリマー又はコポリマーにイオン交換基が導入されたものであるのが好ましい。
(式中、nは0〜1の数を示し、A及びC、B及びDは、それぞれ同じ基でも異なる基でもよいが−AOBO−と−CODO−とは異なる。)なお、本明細書においてポリマーの構造式中のnはポリマーにおける各繰り返し単位の含有率を示す。
前記ポリイミド骨格を有する前記芳香族ポリマーが下記式で表される繰り返し単位を有するホモポリマー又はコポリマーにイオン交換基が導入されたものであるのが好ましい。
(式中、nは0〜1の数を示し、A及びC、B及びDは、それぞれ同じ基でも異なる基でもよいがA及びCとB及びDとが同時に同じにはならない。)
前記ポリスチレン骨格を有する前記芳香族ポリマーが下記式で表される繰り返し単位を有するホモポリマー又はコポリマーにイオン交換基が導入されたものであるのが好ましい。
(式中、Rは炭素数1〜18の直鎖状あるいは分岐状の炭化水素基、もしくは水酸基等を有する炭化水素基を示す。nは0〜1の数を示す。)
上記Rで表される炭化水素基としては、メチル基、エチル基、メチレン基、エチレン基等を挙げることができる。
前記水酸基を有する炭化水素基としては、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基等を挙げることができる。
上記芳香族ポリマーとしては以下の化合物等を挙げることができる。
さらに具体的には以下の化合物を挙げることができる。
上記式中、TMA-PAES(Cl)においてnは好ましくは、0.5〜1.0、TMA-PSt(Cl)においてnは好ましくは、0.05〜0.25の数を示す。
また、上記各芳香族ポリマーはそれぞれ公知のポリマーであり、それぞれ従来知られている手法により製造することができる。
本発明における上記芳香族ポリマーの重量平均分子量が50000〜500000であることが好ましく、100000〜300000であるのが更に好ましい。
また、多分散度Mw/Mnが、1.0〜2.5であるのが好ましい。
本発明のナノファイバーは、上述の芳香族ポリマーのみで構成されていてもよいが、必要に応じて、本発明の所望の効果を損なわない範囲で他の成分を配合してもよい。
この際、配合できる他の成分としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン等を挙げることができる。
(製造方法)
本発明のナノファイバーを製造する方法としては、特に限定されないが、ファイバー径の制御を考慮すると、エレクトロスピニング法が好ましい。エレクトロスピニング法については、特開2009−270210号公報の0027〜0045に記載の方法を採用することができる。用いる装置や条件は同公報に記載の方法をそのまま採用することができる。また、エレクトロスピニング法においては、用いるポリマー(本発明においては上記芳香族ポリマー)の分子量や粘度により、調整する溶液の濃度、溶液の吐出量、シリンジと基板との距離、及び電極に印加される電圧は、適宜選択されるものであり、特に制限されない。
また、本発明においては、上記公報に記載の方法と異なる点として、紡糸する際に調整する溶液に塩を添加する必要がない。
用いることができる溶媒及び特に好ましい溶媒については上記公報記載の溶媒と同様である。
(用途)
本発明に用いられるナノファイバーは、アニオン伝導性であり、様々な分野への応用が期待される。例えば、アルカリ燃料電池(AFC)用のアニオン交換型高分子電解質膜(AEM)や同電池の電極触媒層用アイオノマーへの応用、空気電池を含めた各種電池材料への応用、さらには食塩電解や海水淡水化等に用いる高分子電解質膜などへの応用が挙げられる。
AEMにおけるアニオン伝導度の向上はAFCの実用化に向けた最優先課題の一つである。本発明のナノファイバーは、非常に高いアニオン伝導性を有するので、そのAEMへの適用は、アニオン伝導度の向上に直接寄与することができ、本発明のナノファイバーの最も有効な応用分野である。また、現状ではほとんど研究されていないAFCの電極触媒層用アイオノマーとしても応用が期待される。電極触媒層の場合、アイオノマーには高いアニオン伝導度の他に、燃料や酸化剤、水分子の触媒サイトへの供給を阻害しない特性も求められている。ナノファイバーはその特徴の一つであるナノサイズ効果(スリップフロー効果)により流体の流速がほとんど遅くならない、すなわち拡散抵抗とならないことが知られており(特開2008−274487号公報参照)、ナノファイバーにアニオン伝導性を付与してなる本発明のナノファイバーは電極触媒層用アイオノマーとしても有効なものであると言える。
食塩電解や海水淡水化等においてアニオン交換型電解質膜は広く用いられている。それらの用途において重要となるのは、効率および耐久性である。現状の食塩電解や海水淡水化等に使用されるイオン交換膜は、主に脂肪族主鎖骨格を有する汎用ポリオレフィンやその架橋構造によって形成されている(一例として特開2009−173828号公報参照)。本発明のナノファイバーを適用したアニオン交換型電解質膜は、主にエンジニアリングプラスチックであるポリスルホン等の芳香族ポリマーにより構成されており、化学的・熱的耐久性に優れている。また、ナノファイバーの高アニオン伝導度に由来する高いアニオン伝導性により、より短時間に高効率にイオン交換が可能である。さらに、ナノファイバー複合化による化学的・熱的・機械的強度の向上が予想され、現状のイオン交換膜よりも薄膜化が可能であり、イオン交換のさらなる効率化も期待される。以上の理由により、本発明のナノファイバーは、食塩電解や海水淡水化等の分野への応用も期待される。
〔複合膜〕
本発明に用いられる複合膜は、上述の本発明のナノファイバーを含むことを特徴とする。
(形態)
本発明に用いられる複合膜は、本発明のナノファイバーを有していれば特にその形態などが制限されるものではないが、不織布形態であるのが好ましく、厚さは、10〜200μmであるのが好ましい。また坪量は5〜100g/mであることが好ましい。
不織布形態である場合、ナノファイバーのみからなる不織布、又は他のファイバーをマトリックスとして本発明のナノファイバーを分散させてなる不織布とすることができる。
また、本発明のナノファイバーを集積してなる集積体を他の高分子電解質を媒体としてコーティングし、媒体中にナノファイバー集積体が固定させてなる膜形態としてもよい。
上記不織布としては、ナノファイバーを1軸又は2軸以上の多軸に配向したナノファイバー集積体からなる不織布等が挙げられる。ナノファイバーの配向形態は膜としての性能を向上させるために様々な形態が挙げられる。例えば、その優れた伝導度を利用するためには膜厚方向に配向させた形態は、ナノファイバーのイオン伝導性の高い方向が膜厚方向に配向することから効果的である。また、膜の面方向の機械強度を向上させるためには膜面方向に配向させるのが効果的である。他にも公知の技術を用いた様々な構成を用いることができる。なお、ナノファイバー集積体の作製方法は、例えば、第56回高分子学会討論会予稿集,3Q12,2007に開示されている。
(成分)
本発明に用いられる複合膜は、上記の本発明のナノファイバーを有していればよく、特に他の成分を含有する必要はないが、用途に応じて、本発明のナノファイバーの効果を損なわない範囲で適宜他の成分を配合してもよい。また、用いられる本発明のナノファイバーは、1種類のみでも複数種類を適宜混合して用いてもよい。
媒体中にナノファイバー集積体が固定されてなる不織布において用いられる媒体は、特に限定されないが、燃料電池用の高分子電解質として用いられるものを用いるのが好ましく、好ましくはポリイミド等の高分子電解質が挙げられ、二種以上併用してもよい。なお、媒体と本発明のナノファイバーとは、同一の構造を有していてもよいし、異なっていてもよい。
本発明に用いられる複合膜については、その他公知の技術を適応してもよい。例えば、ナノファイバー以外の無機、有機材料を併用すること、膜としての性能を向上するための表面処理、スルホン酸基の一部を多価金属にて置換する、電解質樹脂間に架橋処理を施す、などである。
(製法)
本発明に用いられる複合膜は、通常公知の不織布製造方法を特に制限なく用いて製造することができる。
(用途)
本発明に用いられる複合膜は、後述する高分子電解膜の他、各種イオン交換樹脂膜として有用である。
〔高分子電解膜〕
本発明の高分子電解質膜は、上述の本発明のナノファイバー又は上述の本発明の複合膜を含むことを特徴とするが、特に好ましくは上述の本発明の複合膜をそのまま又は該複合膜に電解質膜として用いる際に通常不織布に対して施される加工を施してなるものである。以下、上記複合膜と異なる点を特に詳述する。特に詳述しない点については上述の複合膜における説明が適宜適用される。
(成分)
本発明の電解質膜に用いられる本発明のナノファイバーは、1種単独でもよいが、二種以上のナノファイバーを含んでもよい。二種以上含む場合には、これにより、イオン伝導性及び高温での安定性に優れる電解質膜が得られる。
本発明の電解質膜については、その他公知の技術を適応してもよい。例えば、ナノファイバー以外の無機、有機材料を併用すること、膜としての性能を向上するための表面処理、スルホン酸基の一部を多価金属にて置換する、電解質樹脂間に架橋処理を施す、などである。
(形態)
本発明の電解質膜の厚さは、10〜200μmであるのが好ましい。また坪量は10〜200g/mであることが好ましい。
〔燃料電離用触媒層〕
本発明の燃料電池用触媒層は、本発明のナノファイバー又は本発明の複合膜を含むことを特徴とするが、特に好ましくは本発明のナノファイバーにアノード及びカソードの触媒を分散させてなる不織布か、別に作成した該触媒を分散させてなる不織布と上記の本発明の複合膜とを積層してなる積層不織布であるのが好ましい。
上記触媒としては、それぞれ燃料の酸化反応及び酸化剤の還元反応を促進することが可能であれば、特に限定されないが、白金、ルテニウム等の金属又はそれらの合金が挙げられる。また、導電性材料を混合してもよく、具体的には特に限定されないが、炭素材料等の微粒子が挙げられる。さらに、電解質膜等と接着する際に用いられる接着剤としては、特に限定されないが、撥水性を有する含フッ素樹脂等が挙げられる。
これらの材料を有する点を除いて製造方法やその他の構成は上述した本発明の複合膜と同様に構成することができ、また通常の触媒層と同様に構成できる点についても説明を省略する。
〔燃料電池〕
本発明の燃料電池は、本発明の高分子電解質膜及び/又は本発明の燃料電池用触媒層を含むことを特徴とする。すなわち、本発明の燃料電池は、燃料電池におけるガス拡散層/カソード触媒層/高分子電解質膜/アノード触媒層/ガス拡散層という構成のうち、高分子電解質膜を本発明の高分子電解質膜で、また、触媒層を本発明の触媒層で構成することができる。
本発明の燃料電池は、さらに気体又は液体の燃料及び酸化剤を供給するための流路が形成されたセパレーターをさらに有することが好ましい。セパレーターとしては、例えば、グラファイト製等のガスセパレーターを用いることができ、上記セパレーターとガス拡散層とが接触する構成とすることが好ましい。ガス拡散層は、一般にはカーボンペーパーやカーボンクロス、フェルトなどの多孔質導電性材料が用いられる。燃料としては、水素、メタノール等を用いることができ、酸化剤としては、酸素、空気等を用いることができる。
また、本発明の燃料電池は、複数積層して、スタックとして使用してもよく、これらを組み込んだ燃料電池システムとして使用してもよい。
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
(合成例1)
[ポリ(アリーレンエーテルスルホン)(PAES)の合成]
窒素雰囲気下、重合溶媒としてN,N-ジメチルアセトアミド(30ml)と共沸剤としてトルエン(20ml)を用いてなる混合溶媒に、4,4‘−ビスフルオロフェニルスルホン(FPS)5.085g(20mmol)、4,4’−ビフェノール(BP)3.7242g(20mmol)及び炭酸カリウム6.9106g(50mmol)を投入した後、120℃で3時間攪拌し、その後150℃で40分攪拌し、ポリ(アリーレンエーテルスルホン)(PAES)を合成した。なお、合成したPAESは、純水を用いて沈澱させた後、純水で数回洗浄して回収した。さらに、回収したPAESは、80℃で120時間真空乾燥を行い、溶媒を完全に除去した。
次に、FT/NMR装置Burker−500(Burker社製)を用いて、PAESのH NMRスペクトルを測定した。7.9、7.89、7.59、7.58ppmに4本のダブレットピークが観測され、副反応なく重縮合が進行したことがわかった。
次に、GPC(JASCO製HPLCポンプ商品名「PU−2080PLUS」)を用いて、PAESの分子量を測定した。なお、GPC溶媒としては、THF(テトラヒドロフラン)を用い、GPC溶媒を用いて調製した1mg/mLのPAES溶液を注入して、ポリスチレン換算の分子量を測定した。その結果、Mwが2.5×10であり、Mw/Mnが2.7であった。
[クロロメチル化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)(CM−PAES)の合成]
窒素雰囲気下、溶媒として1,1,2,2−テトラクロロエタン(20ml)を用い、得られたポリ(アリーレンエーテルスルホン)(PAES)1.0011g(2.5mmol)をこの溶媒中に投入した後、室温で1時間撹拌し、溶解させた。その後、クロロメチルメチルエーテル(CMME)20.85g(125mmol)及び1M塩化亜鉛ジエチルエーテル溶液2.5ml(2.5mmol)を加え、35℃で72時間攪拌し、クロロメチル化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)(CM−PAES)を合成した。なお、合成したCM−PAESは、メタノール用いて沈澱させた後、メタノールで数回洗浄して回収した。さらに、回収したCM−PAESは、60℃で120時間真空乾燥を行い、溶媒を完全に除去した。
次に、FT/NMR装置商品名「Burker−500」(Burker社製)を用いて、CM−PAESのH NMRスペクトルを測定した。4.64ppmにクロロメチル基のCHに由来するピークが観測され、クロロメチル基の導入反応が進行したことがわかった。クロロメチル化反応に影響されない7.9ppmのピーク積分比と4.64ppmにクロロメチル基のCHに由来するピークの積分比より、クロロメチル基は繰り返し単位当たり0.75個導入されたことがわかった。
[テトラメチルアンモニオ化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)(TMA−PAES)の合成]
得られたCM−PAES1.0011g(2.5mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)19.71mlに溶解し、直径13cmのシャーレ上に注いだのち、60℃で12時間徐々に真空乾燥し、製膜した。得られたキャスト膜は以下のように処理した。まず、キャスト膜をエタノールに4時間浸漬させて残留溶媒や不純物を除去した後、イオン交換に4時間浸漬させ、エタノールを除去した。その後60℃で12時間真空乾燥して膜を得た。得られた膜は淡黄色透明で膜厚は42μm程度であった。続いて、30重量(wt)%のトリメチルアミン水溶液100mlにCM−PAES膜を浸漬させ、室温で48時間4級アンモニオ化反応させることで、テトラメチルアンモニオ化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)(TMA−PAES)を合成した。得られたTMA−PAES膜は、イオン交換で数回洗浄後、イオン交換水に24時間浸漬させ、残留溶媒や不純物を除去した。その後60℃で18時間真空乾燥した。
次に、FT/NMR装置商品名「Burker−500」(Burker社製)を用いて、TMA−PAESのH NMRスペクトルを測定した。その結果を図1に示す。4.63ppmと3.15ppmにテトラメチルアンモニウム基のCHとCHに由来するピークが観測され、4級アンモニオ化反応が進行したことがわかった。4級アンモニオ化反応に影響されない8.0ppmのピーク積分比と4.63ppmと3.15ppmのテトラメチルアンモニウム基のCHとCHに由来するピークの積分比より、4級アンモニオ基は繰り返し単位当たり0.75個導入されていることがわかった。
[塩化物イオンの定量]
さらに、硝酸銀水溶液およびクロム酸カリウムを用いてテトラメチルアンモニオ化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)(TMA−PAES)中の塩化物イオンの定量を行った。テトラメチルアンモニオ化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)(TMA−PAES) 0.02g(0.05mmol)を水酸化ナトリウム水溶液20ml(0.015mmol)に48時間浸漬した後、1wt%クロム酸カリウム溶液を数滴加え0.01Mの硝酸銀水溶液を用いて滴定を行った。滴定の結果、塩化物イオンは膜中に0.049mol/g存在することがわかった。すなわち、TMA−PAESのイオン交換容量(IEC)は1.58meq/gであった。
(合成例2)
[クロロメチル基導入量の異なるクロロメチル化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)(CM−PAES)の合成]
合成例1における中間物質として得られたポリ(アリーレンエーテルスルホン)(PAES)について反応時間を48時間とし、クロロメチル基導入量を異ならせた以外は合成例1と同様にしてクロロメチル化反応を行い、CM−PAESを得た。合成例1と同様の精製を行い、H NMR測定より、クロロメチル基導入量を繰り返し単位当たり0.55個と算出した。得られたCM−PAESは合成例1と同様に製膜、4級アンモニオ化反応を行い、イオン交換容量(IEC)1.22meq/gのTMA−PAESを得た。
(合成例3)
[クロロメチル基導入量の異なるクロロメチル化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)(CM−PAES)の合成]
合成例1における中間物質として得られたポリ(アリーレンエーテルスルホン)(PAES)について反応時間を164時間とし、クロロメチル基導入量の異ならせた以外は合成例1と同様にしてクロロメチル化反応を行い、CM−PAESを得た。合成例1と同様の精製を行い、H NMR測定より、クロロメチル基導入量を繰り返し単位当たり0.82個と算出した。得られたCM−PAESは合成例1と同様に製膜、4級アンモニオ化反応を行い、のイオン交換容量(IEC)1.72meq/gのTMA−PAESを得た。PAESへの繰り返し単位当たりのクロロメチル基導入個数とクロロメチル化反応時間の関係を図2に示す。
(合成例4)
[カウンターイオン種として水酸化物イオンを有するテトラメチルアンモニオ化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)(TMA(OH)−PAES)の合成]
合成例1で中間物質として得られたテトラメチルアンモニオ化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)(TMA−PAES)膜を1Mの水酸化ナトリウム水溶液に48時間浸漬し、カウンターイオン種の交換を行い、水酸化物イオンをカウンターイオンとして有するテトラメチルアンモニオ化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)(TMA(OH)−PAES)を得た。合成例1と同様の塩化物イオンの定量の結果、塩化物イオンの存在は確認されず、ほぼ定量的に水酸化物イオンへとカウンターイオン種が交換されていることがわかった。
(合成例5)
[カウンターイオン種として臭化物イオンを有するテトラメチルアンモニオ化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)(TMA(Br)−PAES)の合成]
合成例4で得たテトラメチルアンモニオ化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)(TMA(OH)−PAES)膜を1Mの臭化リチウム水溶液に48時間浸漬し、カウンターイオン種の交換を行い、臭化物イオンをカウンターイオンとして有するテトラメチルアンモニオ化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)(TMA(Br)−PAES)を得た。
(合成例6)
[クロロメチル化ポリスチレン (CM−PSt)の合成]
窒素雰囲気下、溶媒として1,1,2,2−テトラクロロエタン(20ml)を用い、これにAldrich社製の分子量2.8×10のポリスチレン(PAES)1.0215g(10mmol)を投入し、室温で1時間撹拌し、溶解させた。その後、クロロメチルメチルエーテル(CMME)20g(250mmol)及び1M塩化亜鉛ジエチルエーテル溶液10ml(10mmol)を加え、35℃で4時間攪拌し、クロロメチル化ポリスチレン(CM−PSt)を合成した。なお、合成したCM−PStは、メタノール用いて沈澱させた後、メタノールで数回洗浄して回収した。さらに、回収したCM−PStは、60℃で4時間真空乾燥を行い、溶媒を完全に除去した。
次に、FT/NMR装置商品名「Burker−500」(Burker社製)を用いて、CM−PStのH NMRスペクトルを測定した。4.5ppmにクロロメチル基のCHに由来するピークが観測され、クロロメチル基の導入反応が進行したことがわかった。クロロメチル化反応に影響されない1.41、1.80ppmのピーク積分比と4.5ppmにクロロメチル基のCHに由来するピークの積分比より、クロロメチル基は繰り返し単位当たり0.11個導入されたことがわかった。
[テトラメチルアンモニオ化ポリスチレン(TMA−PSt)の合成]
得られたCM−PSt1.0215g(10mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)20mlに溶解し、直径13cmのシャーレ上に注いだのち、60℃で12時間徐々に真空乾燥し、製膜した。得られたキャスト膜は以下のように処理した。まず、キャスト膜をエタノールに4時間浸漬させて残留溶媒や不純物を除去した後、イオン交換に4時間浸漬させ、エタノールを除去した。その後60℃で12時間真空乾燥した。得られた膜は淡黄色透明で膜厚は80μm程度であった。続いて、30wt%のトリメチルアミン水溶液50mlにCM−PSt膜を浸漬させ、室温で48時間4級アンモニオ化反応させることで、テトラメチルアンモニオ化ポリスチレン(TMA−PSt)を合成した。得られたTMA−PSt膜は、イオン交換で数回洗浄後、イオン交換水に24時間浸漬させ、残留溶媒や不純物を除去した。その後60℃で18時間真空乾燥した。
(実施例1)
N,N−ジメチルホルムアミド(脱水)に合成例1で得られたテトラメチルアンモニオ化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)(TMA−PAES)を濃度が14重量%になるように加えて、一晩攪拌溶解させ、TMA−PAES溶液を調製した。
[エレクトロスピニング法によるナノファイバーの作製]
次に、エレクトロスピニング装置、商品名「ES1000」(Fuence社製)に、TMA−PAES溶液が充填されたシリンジをセットして、溶液の放出量を0.0010mL/secとして、エレクトロスピニングを行った。なお、コレクターは、両端に金製の電極が設置されたガラス基板を設置した。また、シリンジと基板の距離を10cmとし、シリンジ及びコレクターの両端に設置された電極の一方にそれぞれ20kV及び3kVの電圧を印加した。これにより、1軸配向ナノファイバー集積体をガラス上に作製した。尚、以下特に記載のないものは、ガラス上にナノファイバー集積体を作製、使用したものとする。
TMA−PAES溶液の放出時間が10秒のときに、ガラス基板を剥がしとり、60℃で12時間真空乾燥した後、金でコーティングし、SEM(JEOL製商品名「JSM−6100」)によるナノファイバー集積体の観察を行った。観察したSEM像から作製されたナノファイバーのファイバー径を算出した。その結果を表1に示す(ファイバー径137nm)。また、図3に、得られたナノファイバーのSEM像を示す。
(実施例2)
合成例2のTMA−PAES溶液(10wt%)を用い、実施例1と同様にエレクトロスピニングを行い、1軸配向ナノファイバー集積体をガラス上に作製した。ファイバー径を実施例1と同様にして測定した。その結果を表1に示す(ファイバー径は110nm)。
(実施例3)
合成例3のTMA−PAES溶液(21wt%)を用い、実施例1と同様にエレクトロスピニングを行い、1軸配向ナノファイバー集積体をガラス上に作製した。ファイバー径を実施例1と同様にして測定した。その結果を表1に示す(ファイバー径は131nm)。
(実施例4)
合成例4のTMA(OH)−PAES溶液(12wt%)を用い、実施例1と同様にエレクトロスピニングを行い、1軸配向ナノファイバー集積体をガラス上に作製した。ファイバー径を実施例1と同様にして測定した。その結果を表1に示す(ファイバー径は137nm)。
(実施例5)
合成例5のTMA(Br)−PAES溶液(13wt%)を用い、二次電圧を24kVに変更した以外は、実施例1と同様にエレクトロスピニングを行い、1軸配向ナノファイバー集積体をガラス上に作製した。ファイバー径を実施例1と同様にして測定した。その結果を表1に示す(ファイバー径は119nm)。
(実施例6)
合成例1のTMA−PAES溶液(12wt%)を用い、コレクターの両端に設置された電極の一方に1kVの電圧を印加した以外は、実施例1と同様にエレクトロスピニングを行い、1軸配向ナノファイバー集積体をガラス上に作製した。ファイバー径を実施例1と同様にして測定した。その結果を表1に示す(ファイバー径は122nm)。
(実施例7)
合成例6のTMA−PSt溶液(18wt%)を用いた以外は、実施例1と同様にエレクトロスピニングを行い、1軸配向ナノファイバー集積体をガラス上に作製した。ファイバー径を実施例1と同様にして測定した。その結果を表1に示す(ファイバー径は250nm)。
表1および図3に示されるとおり、実施例1〜7で作成したナノファイバーはいずれも直径100nm程度(実施例7は250nm程度)のファイバー径分布の狭い均一なナノファイバーであった。
(試験例)
[交流インピーダンス法によるナノファイバーの抵抗値測定]
次に、インピーダンスアナライザー商品名「3532−50」(日置社製)を用いて、50kHz〜5MHzまでの周波数応答性測定より、実施例1、3〜7のナノファイバー集積体の抵抗値(電極間距離0.5cm)を測定した。なお、抵抗測定時の温度及び湿度は、恒温恒湿器商品名「SH−221」(ESPEC社製)を用いて、それぞれ90℃及び98%RHあるいは30℃及び98%RHに保持した。
[交流インピーダンス法によるナノファイバーのアニオン伝導度測定]
得られた抵抗値を用いて、下記式によりナノファイバーのアニオン伝導度A[S/cm]を算出した。
式:電極間距離[cm]/(ナノファイバー1本の断面積[cm]×電極幅当たりに存在するナノファイバーの本数[−]×抵抗[Ω])
なお、ナノファイバー1本当たりの断面積は、SEM観察および画像解析ソフト商品名「Image J」を用いて求めたナノファイバー平均直径から算出した。また、電極幅あたりに存在するナノファイバーの本数は、電極間の様々な位置(20箇所)をSEM観察し、単位幅当たりに存在するナノファイバーの平均存在本数をカウントすることで算出した。実施例1、3〜7におけるアニオン伝度測定の結果を表2に示す。
表2に示す結果から明らかなように、いずれのナノファイバーも10―3S/cm(90℃及び98%RH)を超える非常に高いアニオン伝導度を有することがわかる。実施例1、3〜6より、カウンターイオン種やイオン交換容量(IEC)、エレクトロスピニング時の電極間の印加電圧により伝導度が変化することがわかった。カウンターイオン種による伝導度の差異は、イオン種ごとの移動度、寸法、水和力、アンモニウム基との静電相互作用の大小によるものと思われる。また、エレクトロスピニング時の印加電圧により、ナノファイバーの内部構造(たとえば高分子鎖の配向性)が変化し、伝導度に影響を与えることが明らかとなった。さらに、実施例7より、ナノファイバーにおける高いアニオン伝導性は高分子主鎖骨格に依らず、アニオン伝導性高分子のナノファイバー化に広く共通する要素であることがわかった。また、本発明のファイバーがアニオン伝導性を有することは明らかである。
(比較例1)
[TMA−PAES膜のアニオン伝導度測定]
合成例1の中間物質として得られたテトラメチルアンモニオ化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)(TMA−PAES)膜(膜厚42μm程度)を1cm×3cmに切り取り、これをそのまま用いて、上記試験例と同様にしてインピーダンスアナライザー商品名「3532−50」(日置社製)を用いて、50kHz〜5MHzまでの周波数応答性測定より、TMA−PAES膜の抵抗値(電極間距離1cm)を測定した。なお、抵抗測定時の温度及び湿度は、恒温恒湿器商品名「SH−221」(ESPEC社製)を用いて、それぞれ90℃及び98%RHあるいは30℃及び98%RHに保持した。さらに、膜のアニオン伝導度A[S/cm]は、式
電極間距離[cm]/(膜厚[cm]×膜幅[cm]×抵抗[Ω])
から算出した。アニオン伝導度の測定結果を表3に示す。
(比較例2)
[TMA−Pst膜のアニオン伝導度測定]
合成例6の中間物質として得られたテトラメチルアンモニオ化ポリスチレン(TMA−PSt)膜(膜厚80μm程度)を1cm×3cmに切り取り、比較例1と同様に測定を行い、アニオン伝導度A[S/cm]を算出した。アニオン伝導度の測定結果を表3に示す。
(実施例9)
さらに、ナノファイバーを媒体中に含む電解質膜として、ナノファイバー複合膜を作製
し、本発明のナノファイバーの評価を行った。
合成例1、2と同様の方法で得たCM−PAES(クロロメチル化反応時間48時間、クロロメチル基導入個数:0.60個/繰り返し単位)を4級アンモニオ化し、IEC=1.32meq/gのTMA−PAESを合成した。このTMA−PAESを用い、エレクトロスピニング装置のコレクターの中央部にアルミ箔を設置した以外は、実施例1と同様にしてエレクトロスピニングを行った。これにより、TMA−PAESナノファイバー不織布1.0mgをアルミ箔上に作製した。得られたナノファイバー不織布を以下のように処理した。まず、ナノファイバー集積体をエタノールに2時間浸漬させて残留溶媒や不純物を除去した後、イオン交換水に2時間浸漬させ、エタノールを除去し、一晩自然乾燥させた。
一方、1,1,2,2―テトラクロロメタン5mLにCM−PAES(クロロメチル基導入個数:0.60個/繰り返し単位)0.2gを加えて、一晩室温で攪拌し、完全に溶解させ、CM−PAES溶液を調製した。
ナノファイバー不織布を堆積させたアルミ箔上にリング状ガラス(直径約3cm)を設置し、得られたCM−PAES溶液をリング内に流し込み、80℃、減圧下で溶媒を徐々に蒸発させ、TMA−PAESナノファイバーを含むナノファイバー複合膜を作製した。この時、CM−PAESとナノファイバーとの重量比は90:10であった。
さらに、ナノファイバー複合膜を以下のように処理した。まず、ナノファイバー複合膜をエタノールに4時間浸漬させて残留溶媒や不純物を除去した後、イオン交換水に4時間浸漬させ、エタノールを除去した。次に、30wt%のトリメチルアミン水溶液100mlにナノファイバー複合膜を浸漬させ、室温で48時間4級アンモニオ化反応させることで、TMA−PAES複合膜を作製した。得られたTMA−PAES複合膜は、イオン交換水で数回洗浄後、イオン交換水に24時間浸漬させ、残留溶媒や不純物を除去した。その後60℃で18時間真空乾燥した。
次に、比較例1と同様にインピーダンスアナライザー商品名「3532−50」(日置社製)を用いて、50kHz〜5MHzまでの周波数応答性を測定して、処理後のナノファイバー複合膜の抵抗からイオン伝導度を算出した。なお、抵抗測定時の温度及び湿度は、恒温恒湿器商品名「SH−221」(ESPEC社製)を用いて、それぞれ90℃及び98%RHあるいは30℃及び98%RHに保持した。アニオン伝導度の測定結果を表4に示す。
(比較例3)
[TMA−PAES膜(IEC=1.32meq/g)の作製]
実施例9で用いたCM−PAES(クロロメチル基導入個数:0.60個/繰り返し単位)1.0011g(2.5mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)19.71mlに溶解し、直径13cmのシャーレ上に注いだのち、60℃で12時間徐々に真空乾燥し、製膜した。得られたキャスト膜は以下のように処理した。まず、キャスト膜をエタノールに4時間浸漬させて残留溶媒や不純物を除去した後、イオン交換に4時間浸漬させ、エタノールを除去した。その後60℃で12時間真空乾燥した。得られた膜は淡黄色透明で膜厚は42μm程度であった。続いて、30wt%のトリメチルアミン水溶液100mlにCM−PAES膜を浸漬させ、室温で48時間4級アンモニオ化反応させることで、TMA−PAESを合成した。得られたTMA−PAES膜は、イオン交換水で数回洗浄後、イオン交換水に24時間浸漬させ、残留溶媒や不純物を除去した。その後60℃で18時間真空乾燥した。滴定の結果、IEC値は1.32meq/gであった。
[TMA−PAES膜(IEC=1.32meq/g)のアニオン伝導度測定]
続いて、TMA−PAES膜(IEC=1.32meq/g、膜厚80μm程度))を1cm×3cmに切り取り、比較例1と同様に、アニオン伝導度A[S/cm]を算出した。アニオン伝導度の測定結果を表4に示す。
表4に示される通り、本発明のナノファイバーを媒体である高分子電解質に含むようにして複合化した電解質膜(実施例9)は、ナノファイバーを複合化していない比較例3の場合より、高いアニオン伝導度を示していることがわかる。このことから、電解質膜中に本発明のナノファイバーを含むことにより、イオン伝導性が優れること、すなわち、本発明のナノファイバーが優れたイオン伝導性を有することが分かる。また、本発明のナノファイバー複合膜は優れたアニオン導電性を持つことから、アルカリ燃料電池用電解質として優れることが分かる。さらに、本発明のナノファイバーおよび所定の媒体は、ポリ(アリーレンエーテルスルホン)を主鎖骨格として持つことから、高温での安定性が優れることは明らかである。このように、本発明により優れたアニオン伝導性と高温での安定性を両立することが可能である。

Claims (5)

  1. ナノファイバーからなる不織布を具備する複合膜を含む高分子電解質膜であって、
    上記ナノファイバーが、下記式で表される芳香族ポリマーを含んでなるナノファイバーであることを特徴とする高分子電解質膜。

    式中、Xは、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、炭酸イオン又は炭酸水素イオンの対イオンを示す。nは0〜1の数を示す。
  2. 上記芳香族ポリマーが、下記化合物であることを特徴とする請求項1記載の高分子電解質膜

    式中、nは0.5〜1.0の数を示す
  3. さらに、上記不織布を構成する上記ナノファイバー表面に下記一般式で表される芳香族ポリマーが導入されている請求項1又は2記載の高分子電解質膜。

    式中、Xは、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、炭酸イオン又は炭酸水素イオンの対イオンを示す。nは0〜1の数を示す。
  4. 上記芳香族ポリマーが、下記化合物であることを特徴とする請求項3記載の高分子電解質膜。

    式中、nは0.5〜1.0の数を示す
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の高分子電解質膜を含むことを特徴とする、燃料電池。
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