以下の好適な実施形態の詳細な説明では、その一部をなす添付の図面を参照する。添付の図面は、本発明を実施することが可能な具体的な実施形態を例として示す。その他の実施形態を利用することも可能であり、本開示の範囲から逸脱することなく構造的又は論理的な変更を行うことが可能である点は理解されるべきである。したがって、以下の詳細な説明は限定的な意味で解釈されるべきものではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されるものである。
図示される実施形態において、本願の様々な要素の構造及び動きを説明するのに使用される方向の表現、すなわち、上、下、左、右、前方、後方などは相対的なものである。これらの表現は、要素が図面に示される位置にあるとき、適切である。しかしながら、要素の位置の記述が変わる場合には、それに応じてこれらの表現を変更すべきであるとみなされる。図面全体を通して、類似の参照番号は類似の部分を示している。
本開示の態様による電気コネクタシステムの例示的な実施形態は、従来のコネクタシステムを上回る多数の利点を有する。利点としては、数例を挙げると、1)縮小された空間内でカバー及びストレインリリーフを組み付けることができるようにするための案内要素、位置決め要素、及び固定要素を含む、相手側電気コネクタ(いくつかの実施形態では、「ソケット」又は「ワイヤ取付け型電気コネクタ」と呼ばれることがある)のコネクタハウジング、2)より低いコネクタ全高を可能にする、増大されたばね梁長さと、低減された局部応力と、所与の接点全高に対する増大されたばね力とを提供する電気接触端子、3)コネクタの最小化された空間を占めている状態で、相手側電気コネクタのコネクタハウジングに組み付けることができるようにするための案内要素、位置決め要素、及び固定要素を含むカバー、4)コネクタの最小化された空間を占めている状態で、相手側電気コネクタのコネクタハウジングに組み付けることができるようにするための案内要素、位置決め要素、及び固定要素を含むストレインリリーフ、5)相手側電気コネクタを目視しないで嵌合できるようにすると共に、接点ピッチに対して大幅に縮小されたコネクタの全体サイズを有する、電気コネクタ(いくつかの実施形態では、「ヘッダ」又は「基板取付け型電気コネクタ」と呼ばれることがある)のコネクタハウジング、並びに6)ストレインリリーフの有無にかかわらず、相手側電気コネクタを電気コネクタのコネクタハウジングにしっかりとラッチ留めすることができると共に、相手側電気コネクタをコネクタハウジングから押し出すことができるラッチであって、接点ピッチに対するコネクタの全体サイズを最小化するなどのために、コネクタハウジングと一体化されたラッチなどがある。更なる利点は、本明細書全体にわたって記載されるであろう。
本明細書に記載の電気コネクタシステムの例示的な実施形態の原理及び要素、並びにそれらの変形によって、電気コネクタシステムをより小さく、その信頼性をより高く、かつより低コストで作ることが可能になる。これらの原理及び要素は、数例を挙げると、任意の好適な電気コネクタシステム、例えば、2.0mm、0.050”(1.27mm)、1.0mm、0.8mm、及び0.5mmピッチのワイヤ・ツー・ボード・ソケット及びヘッダなどに適用することができる。
次に図面を参照すると、図1〜2は、本開示の一態様による電気コネクタシステムの例示的な一実施形態を、嵌合していない構成(図1)及び嵌合した構成(図2)で示している。電気コネクタシステムとしては、電気コネクタ2(いくつかの実施形態では、「ヘッダ」又は「基板取付け型電気コネクタ」と呼ばれることがある)と嵌合するように構成された、相手側電気コネクタ1(いくつかの実施形態では、「ソケット」又は「ワイヤ取付け型電気コネクタ」と呼ばれることがある)が挙げられる。図3は、本開示の一態様による相手側電気コネクタの例示的な一実施形態を示す。図3を参照すると、相手側電気コネクタ1は、絶縁性コネクタハウジング100と、コネクタハウジング100内で支持される複数の電気接触端子200と、コネクタハウジング100に取り付けられるカバー300とを含む。少なくとも一実施形態では、相手側電気コネクタ1は、コネクタハウジング100に取り付けられるストレインリリーフ500を更に含む。
図4a〜4eは、本開示の一態様によるコネクタハウジングの例示的な一実施形態を示す。図4a〜図4eを参照すると、絶縁性コネクタハウジング100は、中で挿入方向Aに延在する複数の接点開口部104を有する長手方向本体部分102を含む。接点開口部104は、例えば電気接触端子200(図5a〜図5c)など、複数の電気接触端子を支持するように構成される。少なくとも一実施形態では、各接点開口部104は、本体部分102を通って延在するコンタクトピン受入れ部分122と、コンタクトピン受入れ部分122に隣接する接触保持部分124とを含む。コンタクトピン受入れ部分122は、例えば電気コネクタ2(図14)の電気コンタクトピン700など、相手側コネクタの電気コンタクトピンを受け入れるように構成される。接触保持部分124は、電気接触端子を保持するように構成される。少なくとも一実施形態では、接触保持部分124は、電気接触端子を保持するように構成された棚部分126を含む。棚部分126は、例えば導電体を電気接触端子に対して終端処理している間など、電気接触端子の下向きの動きを防止するように構成される。接触保持部分124の設計及び位置によって、接触保持に使用される空間が最小限に抑えられ、その結果、最小化されたコネクタ設計が可能になる。
絶縁性コネクタハウジング100は、本体部分102の両端部102a、102bから挿入方向Aで延在する、対向する終端部106、108の第1及び第2の対を更に含む。終端部106、108は、最小化された空間を占めた状態で、カバー(例えば、図3及び図10a〜図10cを参照)及びストレインリリーフ(例えば、図3及び図13を参照)を効果的に案内し、位置決めし、保持することによって、最小化されたコネクタ設計を可能にするように構成される。少なくとも一実施形態では、終端部106、108は、本体部分102の上面128を越えて延在する。上面128を越えて終端部106、108を延在させることによって、カバー及びストレインリリーフの位置合わせが容易になる。それによって更に、相手側コネクタの電気コンタクトピンがコネクタハウジング100に係合する前に、相手側コネクタのコネクタハウジングを位置合わせすることが容易になって、嵌合させる間に電気コンタクトピンに損傷を与えるリスクがほとんどなく、相手側コネクタを目視しないで嵌合させることが可能になる。
少なくとも一実施形態では、終端部106、108はそれぞれ、それらの端部106a、108aにおいてそこから横方向に延在するフランジ130を含む。フランジ130によって、例えば嵌合させる間及び嵌合を解除する間、コネクタハウジング100を簡単に取り扱うことが容易になる。例えば、相手側電気コネクタ1を電気コネクタから簡単に取り外すことができるように、フランジ130を人間の指と親指との間でつかむことができる。少なくとも一実施形態では、フランジ130は、例えば、個別の導電体、又は例えば電気ケーブル400の導電体402(図1)など、電気ケーブルの一部としての導電体など、導電体の係合に適合するように構成された導体挿入案内面132を含む。導体挿入案内面132は、導電体を幅方向で(コネクタハウジング100の長さに沿って)案内するように構成されて、正しい位置からずれた導体の終端処理を低減し、導体の終端処理速度を向上させる。
少なくとも一実施形態では、終端部106、108は、導電体を支持するように構成された対向する導体支持面134を含む。少なくとも一態様では、導体支持面134は、リボンケーブルの外部導体をしっかりと支持して、従来のリボンケーブルコネクタでよく起こる外部導体の高抵抗障害をなくすように構成される。
対向する終端部106、108の各対における少なくとも一方の終端部は、挿入方向Aで延在する隆起110を含む。隆起110は、例えば、カバー300の第1及び第2のカバーラッチ304、306(図9a〜図9e)などのカバーラッチを、隆起110の側面112に沿って、また例えば、ストレインリリーフ500の第1及び第2のストレインリリーフラッチ506(図11a〜図11b)などのストレインリリーフラッチを、隆起110の反対側の側面114に沿って案内するように構成される。図4aに最も良く示されるように、隆起110は、カバーラッチを弾性的に撓めさせる傾斜した上面116と、ストレインリリーフラッチを弾性的に撓めさせる傾斜した側面118とを有する。少なくとも一実施形態では、傾斜した上面116は、開位置でのカバーの位置決めに適合するように構成される。隆起110は、カバーラッチ及びストレインリリーフラッチ上にラッチ留めされる終端部120を更に有する。少なくとも一実施形態では、終端部120は、例えば図10cに示されるような、閉位置でのカバーの保持に適合するように構成される。少なくとも一実施形態では、終端部120は、例えば図13に示されるような、ストレインリリーフの保持に適合するように構成される。
少なくとも一実施形態では、対向する終端部106、108の各対の少なくとも一方の終端部は、弾性的に撓めさせカバーラッチ上へとラッチ留めするための捕捉部分136を含む。少なくとも一実施形態では、捕捉部分136は、例えば図10bに示されるような、開位置でのカバーの保持に適合するように構成される。
少なくとも一実施形態では、本体部分102は、その上面128において挿入方向Aに垂直な横断方向で延在する複数の導体溝142を更に含む。導体溝142は、導電体を受け入れるように構成される。少なくとも一実施形態では、導体溝142は、導電体の断面形状に実質的に対応する断面形状を有する。
少なくとも一実施形態では、本体部分102は、その側面146上に配設された偏り要素144を更に含む。偏り要素144は、例えば、コネクタハウジング600の偏り開口部628(図16a〜図16e)など、相手側コネクタの偏り開口部と係合するように構成される。偏り要素144は、挿入方向Aで延在する背の高い隆起148を含む。背の高い隆起148は、偏り開口部内に配設されるように構成される。偏り要素144及び偏り開口部はその組み合わせによって、相手側電気コネクタ1が間違って、即ち挿入方向Aを中心にして180°回転されて、相手側コネクタに嵌合されることを防ぐ。少なくとも一実施形態では、偏り要素144は、挿入方向Aで延在する背の低い隆起150を更に含む。背の低い隆起150は、例えばコネクタハウジング600の内表面652(図16a〜図16e)など、相手側コネクタの表面を摩擦係合するように構成される。少なくとも一態様では、これにより、相手側電気コネクタ1を相手側コネクタにしっかりと取り付けることが可能になり、別個のラッチ留め/押出し機構がないときに特に有用である。偏り要素144は、本体部分102のどちら側の任意の好適な位置にあってもよい。
少なくとも一実施形態では、電気コネクタ1は、接点開口部104内で支持される複数の電気接触端子を更に含む。図5a〜5cは、本開示の一態様による電気接触端子の例示的な一実施形態を示す。図5a〜図5cを参照すると、電気接触端子200は、ベース部分202と、圧接接続(IDC)部分204と、接触部分210とを含む。ベース部分202は、例えばコネクタハウジング100などの、コネクタハウジング内で電気接触端子200を位置決めし保持するように構成される。IDC部分204は、ベース部分202から上向きに延在し、導電体を受け入れ導電体と電気的に接触するために、間に開口部208を画成する離間したアームの対206を含む。接触部分210は、ベース部分202から下向きに延在し、電気接触端子200をコネクタハウジング内で保持し位置決めしたときに浮動するように構成される。接触部分210の設計及び浮動構造は、より低いコネクタ全高を可能にする、増大されたばね梁長さと、低減された局部応力と、所与の接点全高に対する増大されたばね力とを提供する。例えば、少なくとも一実施形態では、本体部分102は、約3mm未満の高さを有する。
接触部分210は、第1のアーム212と、第2のアーム214と、弓形ベース部分216とを含む。第1のアーム212は、下向きに延在し、ベース部分202に取り付けられた第1の端部(212a)と、反対側の第2の端部212bとを含む。第2のアーム214は、下向きに延在し、ベース部分202により近い自由な第1の端部214aと、ベース部分202からより遠い反対側の第2の端部214bとを含む。第2のアーム214は、例えば電気コネクタ2(図14)の電気コンタクトピン700など、相手側コンタクトピンと電気的に接触するときには撓むように構成される。弓形ベース部分216は、第1のアーム212の第2の端部212bと第2のアーム214の第2の端部214bとを接続する。少なくとも一実施形態では、第2のアーム214が相手側コンタクトピンと電気的に接触するとき、第1のアーム212及び弓形ベース部分216の少なくとも一方が撓むように構成される。第1のアーム212及び弓形ベース部分216の少なくとも一方がこの構造であることにより、接点ばね梁の有効長が増大する。少なくとも一実施形態では、撓みは、第1のアーム212の長手方向軸Lを中心にした回転を含む。少なくとも一実施形態では、第2のアーム214の幅Wは、第2のアーム214の第2の端部214bから第2のアーム214の自由な第1の端部214aまで先細になっている。第2のアーム214のこの先細構成は、接触部分210が降伏せずに所望の垂直力に耐える能力を助ける。少なくとも一実施形態では、接触部分210は、降伏せずに約250グラムの垂直力に耐えることができる。少なくとも一実施形態では、第1のアーム212及び第2のアーム214は同一平面内にはない。少なくとも一実施形態では、相手側コンタクトピンと接触するときに第2のアーム214が撓むと、この撓みによって第1のアーム212まで延在する応力分布が生じる。少なくとも一実施形態では、応力分布は約0psi〜約165Kpsi(0Pa〜約1138MPa)に及ぶ。少なくとも一実施形態では、応力分布は約25Kpsi〜約165Kpsi(172MPa〜約1138MPa)に及ぶ。少なくとも一実施形態では、接触部分210はJ字状である。少なくとも一実施形態では、接触部分210はU字状である。少なくとも一実施形態では、第2のアーム214は、第2のアーム214の自由な第1の端部214aに位置付けられた曲線接触部分236を含む。図示される実施形態では、第2のアーム214の湾曲した端部によって曲線接触部分236が画成される。あるいは、曲線接触部分236は、図示されるものとは別の形状を取ってもよく、例えば、第2のアーム214から延在するヘルツ波状の隆起を含んでもよい。例えば、図5a〜図5cに示す実施形態など、少なくとも一実施形態では、接触部分236はベース部分202から離れる方向に面する。少なくとも一実施形態では、第2のアーム214は、第2のアーム214の剛性を高めるように構成されたリブ240を含む。少なくとも一実施形態では、第2のアーム214は、相手側コンタクトピンと電気的に接触するとき、ベース部分202の主要面Pに向かって撓むように構成される。少なくとも一態様では、電気接触端子200がコネクタハウジング100の接点開口部104に組み付けられるとき、図8aに最も良く示されるように、第2のアーム214は接点開口部104のコンタクトピン受入れ部分122内に配設される。そのため、コンタクトピン受入れ部分122によって受け入れられた相手側コンタクトピンと電気的に接触するときに、第2のアーム214が撓む。
少なくとも一実施形態では、電気接触端子200はそれぞれ、コネクタハウジング100の接点開口部104内で電気接触端子200を保持する、少なくとも1つの保持部分を含む。保持部分は、例えば導電体を電気接触端子に対して終端処理する間、電気接触端子200が挿入方向Aで動くのを防止するように構成されてもよい。例えば、接触部分210の少なくとも一部が接点開口部104の側壁と干渉するのを防止するために、保持部分は、電気接触端子200が挿入方向Aに対して横方向で動くのを防止するように構成されてもよい。
少なくとも一実施形態では、ベース部分202は、電気接触端子200をコネクタハウジング内で保持し位置決めするように構成された第1の保持部分218を含む。少なくとも一実施形態では、第1の保持部分218は、導電体を終端処理する間、電気接触端子200の下向きの動きを防止するように構成される。少なくとも一実施形態では、第1の保持部分218は貝殻状部分222を含む。少なくとも一態様では、電気接触端子200がコネクタハウジング100の接点開口部104に組み付けられるとき、図8bに最も良く示されるように、貝殻状部分222は接点開口部104の棚部分126上に配設される。そのため、貝殻状部分222及び棚部126はその組み合わせによって、例えば導電体を電気接触端子に対して終端処理する間、電気接触端子200が挿入方向Aで動くのを防止する。少なくとも一実施形態では、第1の保持部分218は、電気接触端子200の第1の主要面226から延在し、電気接触端子200をコネクタハウジング内で保持し長手方向で位置決めするように構成される。
少なくとも一実施形態では、ベース部分202は、電気接触端子200をコネクタハウジング内で保持し位置決めするように構成された第2の保持部分220を含む。少なくとも一実施形態では、第2の保持部分220は、ベース部分202の側面228から延在し、電気接触端子200をコネクタハウジング内で保持し横方向で位置決めするように構成される。少なくとも一実施形態では、第2の保持部分220はくさび状部分224を含む。少なくとも一態様では、電気接触端子200がコネクタハウジング100の接点開口部104に組み付けられるとき、くさび状部分224は接点開口部104内に配設され、接点開口部104の接触保持部分124に締まりばめ又は圧入される。そのため、くさび状部分224及び保持部分124はその組み合わせによって、電気接触端子200をコネクタハウジング100内で保持し横方向で位置決めする。
少なくとも一実施形態では、第1のアーム212は、電気接触端子200をコネクタハウジング内で保持し位置決めするように構成された第3の保持部分230を含む。少なくとも一実施形態では、第3の保持部分230は、電気接触端子200の第2の主要面234から延在し、電気接触端子200をコネクタハウジング内で保持し横方向で位置決めするように構成される。少なくとも一実施形態では、第3の保持部分230は湾曲部分232を含む。少なくとも一態様では、電気接触端子200がコネクタハウジング100の接点開口部104に組み付けられるとき、図8bに最も良く示されるように、湾曲部分232は接点開口部104内に配設され、接点開口部104の接触保持部分124に締まりばめ又は圧入される。そのため、湾曲部232及び保持部分124はその組み合わせによって、電気接触端子200をコネクタハウジング100内で保持し横方向で位置決めする。
図6a〜6cは、本開示の一態様による電気接触端子の別の例示的な実施形態を示す。図6a〜図6cを参照すると、電気接触端子200’は電気接触端子200と似ている。図6a〜図6cでは、電気接触端子200の要素と似ている電気接触端子200’の要素は同じ数字を有しているが、それらが電気接触端子200’と関連していることを示すためにダッシュ記号(’)を付してある。電気接触端子200’では、第1のアーム212’及びベース部分202’は同一平面内にない。少なくとも一実施形態では、第2のアーム214’は、第2のアーム214’の自由な第1の端部214a’に位置する曲線接触部分236’を含む。少なくとも一実施形態では、接触部分236’はベース部分202’に面している。少なくとも一態様では、電気コネクタ1及び相手側コネクタが嵌合された構成のとき、相手側コネクタの電気コンタクトピンはベース部分202’と第2のアーム214’との間に位置している。少なくとも一実施形態では、第2のアーム214’は、相手側コンタクトピンと電気的に接触しているとき、ベース部分202の主要平面P’から離れる方向で撓むように構成される。少なくとも一態様では、この電気接触端子構造は、コネクタハウジング100の本体部分102の外壁上において要する空間がより少ない。
図7a〜7cは、本開示の一態様による電気接触端子の別の例示的な実施形態を示す。図7a〜図7cを参照すると、電気接触端子200”は電気接触端子200と似ている。図7a〜図7cでは、電気接触端子200の要素と似ている電気接触端子200”の要素は同じ数字を有しているが、それらが電気接触端子200”と関連していることを示すために二重ダッシュ記号(”)を付してある。電気接触端子は、ベース部分202”と、IDC部分204”と、接触部分210”とを含む。IDC部分204”は、ベース部分202”から上向きに延在し、導電体を受け入れ導電体と電気的に接触するため、間に開口部208”を画成する離間したアームの対206”を含む。接触部分210”は、ベース部分202”から下向きに延在し、電気接触端子200”がコネクタハウジング内で保持され位置決めされると、浮動するように構成される。接触部分210”は、第1のアーム212”と第2のアーム214”とを含む。第1のアーム212”は、ベース部分202”に取り付けられた接触部分210”の第1の端部210a”において前方に延在する。第2のアーム214”は、接触部210”の反対側の第2の端部210b”において前方に延在する。第1及び第2のアーム212”、214”は、相手側コンタクトピンと電気的に接触するとき、撓むように構成される。少なくとも一実施形態では、第1及び第2のアーム212”、214”は、接触部分210”の両側部210c”、210d”において延在する。少なくとも一実施形態では、第1及び第2のアーム212”、214”はそれぞれ、その主要面238”から延在する曲線接触部分236”を含む。図示される実施形態では、曲線接触部分236”は、第1及び第2のアーム212”、214”の湾曲した端部によって画成される。あるいは、曲線接触部分236”は、図示されるものとは別の形状を取ってもよく、例えば、第1及び第2のアーム212”、214”から延在するヘルツ波状の隆起を含んでもよい。少なくとも一実施形態では、接触部分236”は、第1及び第2のアーム212”、214”から互いに向かって延在する。少なくとも一態様では、電気コネクタ1及び相手側コネクタが嵌合された構成のとき、相手側コネクタの電気コンタクトピンは、ベース部分の第1及び第2のアーム212”、214’の間に位置決めされる。少なくとも一態様では、第1及び第2のアーム212”、214”は、短辺側のワイピングするばね梁(short side wiping spring beams)を画成する。
少なくとも一実施形態では、電気コネクタ1は、少なくとも1つの導電体、例えば電気ケーブル400の導電体402(図1)を、コネクタハウジング内で支持された対応する電気接触端子に対して信頼性高く終端させるためのカバーを更に含む。カバーは、コネクタハウジングにしっかりと取り付けたときに終端処理の保護を提供するように構成される。図9a〜9eは、本開示の一態様によるカバーの例示的な一実施形態を示し、図10a〜10cはそれぞれ、本開示の一態様によるカバー及びコネクタハウジングの例示的な一実施形態を、組立てのために位置合わせされた状態で、開位置で、並びに閉位置で示す。
図9a〜図9eを参照すると、電気コネクタ用のカバー300は、第1の方向に沿って延在する長手方向本体部分302と、カバー300の長手方向両端部302a、302bから、第1の方向とは異なる第2の方向で延在する第1及び第2のカバーラッチ304、306とを含む。少なくとも一態様では、カバー300が電気コネクタハウジング100と共に使用されるとき、第2の方向は挿入方向Aと等しい。各カバーラッチ304、306は、少なくとも1つの隆起308と、少なくとも1つの第1の捕捉部分312とを含む。隆起308は、カバーラッチ304、306の側面310に配設され、例えばコネクタハウジング100の隆起110など、コネクタハウジングの隆起に沿ってカバーラッチ304、306を案内するため、第2の方向に延在する。第1の捕捉部分312は、本体部分302から離れたカバーラッチ304、306の端部304a、306bで側面310に配設されて、コネクタハウジングの隆起によって撓められそれに係合することによって、コネクタハウジングに対してカバー300をしっかりと固定する。
少なくとも一実施形態では、コネクタハウジングの隆起は、例えば隆起110の傾斜した上面116など、カバーラッチ304、306を弾性的に撓めさせる傾斜した上面を含む。第1の捕捉部分312が傾斜した上面に係合すると、例えば図10bに示されるように、カバー300は開位置に位置決めされる。カバーラッチ304、306が傾斜した上面によって弾性的に撓められると、カバーラッチ304、306によって発生するばね力によってカバー300が開位置で保たれて、カバー300が意図せずに閉じてしまうのを防止すると共に、十分な力が加わるまで、意図しないカバーの終端処理に抵抗する。開位置では、終端処理のために導電体又はケーブルをカバー300とコネクタハウジングとの間に簡単に挿入できるようにするため、カバー300はコネクタハウジングに対して事前に位置決めされる。少なくとも一態様では、カバー300を事前に位置決めすることによって、導体又はケーブルの簡単な挿入を容易にするために電気コネクタ1と共に使用できる空間が、一般的な導体又はケーブルの直径の約3倍の空間になり、それによって、導電体又はケーブルを電気コネクタ1に対して終端させることができる割合が増大する。少なくとも一態様では、カバー300の事前の位置決めは(長手方向とは対照的に)横方向で行われ、それによってコネクタハウジング及びカバー300の全長が低減される。例えば、少なくとも一実施形態では、本体部分102は、約35mm未満の長さを有し、少なくとも50個の接点開口部を含む。
少なくとも一実施形態では、コネクタハウジングの隆起は、例えば隆起110の終端部120など、カバーラッチ304、306上にラッチ留めされる終端部を含む。第1の捕捉部分312が終端部に係合すると、例えば図10cに示されるように、カバー300は閉位置で保持される。閉位置では、カバー300はコネクタハウジングにしっかりと取り付けられ、終端処理の保護を提供する。
少なくとも一実施形態では、隆起308は、本体部分302から離れたカバーラッチ304、306の端部304a、306aで、その上面316に配設された第2の捕捉部分314を含む。第2の捕捉部分314は、例えばコネクタハウジング100の捕捉部分136など、コネクタハウジングの捕捉部分によって撓められ、それに係合して、カバーラッチ304、306をコネクタハウジングに対してしっかりと固定するように構成される。一実施形態では、第2の捕捉部分314がコネクタハウジングの捕捉部分に係合すると、例えば図10bに示されるように、カバー300は開位置で保持される。一態様では、第2の捕捉部分314がコネクタハウジングの捕捉部分に係合すると、カバー300がコネクタハウジングから意図せずに分離されるのが防止される。
少なくとも一実施形態では、各カバーラッチ304、306は、本体部分302に取り付けられたベース部分318と、ベース部分318から第2の方向で延在する対向するラッチアーム320の対とを更に含む。少なくとも一態様では、カバー300がコネクタハウジングにしっかりと取り付けられると、ラッチアーム320は互いに向かって撓められ、例えば人間の指と親指との間で圧迫されて、カバー300に損傷を与えることなく解放し取り外すことができる。
少なくとも一実施形態では、カバーラッチ304、306は、導電体を支持するように構成された対向する導体支持面322を含む。少なくとも一態様では、導体支持面322は、リボンケーブルの外部導体をしっかりと支持して、従来のリボンケーブルコネクタでよく起こる外部導体の高抵抗障害をなくすように構成される。
少なくとも一実施形態では、本体部分302は、その下面326に、第2の方向に垂直な横断方向で延在する複数の導体溝324を更に含む。導体溝324は、導電体を受け入れるように構成される。少なくとも一実施形態では、導体溝324は、導電体の断面形状に実質的に対応する断面形状を有する。少なくとも一態様では、カバー300の導体溝324及びコネクタハウジング100の導体溝142は、例えば電気接触端子200に対して協働して導電体を位置決めし、導電体を保持する。
少なくとも一実施形態では、本体部分302は、その中を第2の方向で延在する複数の接点開口部328を更に含む。接点開口部328は、例えば電気接触端子200などの電気接触端子の一部を受け入れるように構成される。少なくとも一態様では、各接点開口部328は、対応する電気接触端子のIDC部分のためのゆとり及び横方向支持を提供する。
少なくとも一実施形態では、電気コネクタ1は、例えば個別の導電体など、少なくとも1つの導電体、又は例えば電気ケーブル400の導電体402(図1)など、電気ケーブルの一部としての導電体を更に含む。図1を参照すると、電気ケーブル400は、絶縁材で取り囲まれた複数の平行な離間した導電体402を含む。電気ケーブル400は、従来のフラットリボンケーブル又は他の任意の好適な電気ケーブルであってもよい。電気ケーブル400は、任意の好適なピッチで離間した任意の好適な数の導電体402を有してもよい。電気コネクタ1の例示的な一実施形態では、電気ケーブル400は、0.025”(0.635mm)ピッチで離間し(図1)、0.050”×0.050”(1.27mm×1.27mm)ピッチで離間した2×10個の電気接触端子200に対して終端処理された(図3)、20本の導電体402を含む。導電体402は、例えば28AWGの単線又は30AWGの単線若しくは撚り線など、任意の好適なワイヤ構成を有してよく、撚り線は、例えば最大19本の撚り線を含んでもよい。導電体は、例えば、0.025”(0.635mm)ピッチのケーブルに対して約0.022”(0.559mm)〜約0.028”(0.711mm)の範囲の直径など、任意の好適な直径を有する絶縁材によって取り囲まれてもよい。
少なくとも一実施形態では、電気コネクタ1は、例えば電気ケーブル400などの電気ケーブル用のストレインリリーフを更に含む。ストレインリリーフは、コネクタハウジングにしっかりと取り付けられると、終端処理された電気ケーブルをしっかりと保持して、例えば電気ケーブルを取り扱ったり動かしたりする間、終端処理が損傷するのを防止するように構成される。一態様では、ストレインリリーフの設計は、より小さい電気コネクタの全高を必要とし、丈夫で安定したストレインリリーフを提供する。図11a〜11bは、本開示の一態様によるストレインリリーフの例示的な一実施形態を示し、図13は、本開示の一態様によるストレインリリーフ及びコネクタハウジングを組み付けられた構成で示す。
図11a〜図11bを参照すると、ストレインリリーフ500は、長手方向ベース部分502と、ベース部分502の両側部502c、502dから延在する対向する第1及び第2のストレインリリーフラッチ506とを含む。少なくとも一態様では、ストレインリリーフ500を電気コネクタハウジング100と一緒に使用するとき、第1及び第2のストレインリリーフラッチ506は、両側部502c、502dからほぼ挿入方向Aで延在する。長手方向ベース部分502は、その長手方向側部502a、502bから上向きに延在する湾曲した側面部504を含む。少なくとも一態様では、湾曲した側面部分504はストレインリリーフ500に剛性を付加し、同時にストレインリリーフ500が多くの従来のストレインリリーフよりも薄い断面(薄い厚さ)を依然として有することを可能にしている。図11a〜図11bに示される実施形態では、ベース部分502は、長手方向平面中央部分522を含み、湾曲した側面部分504は、中央部分522の長手方向両側部522a、522bから上向きに延在する。
各ストレインリリーフラッチ506は、ベース部分502の側部502c、502dから延在し、最初に上向きに湾曲し、次に下向きに湾曲し、下向きに延在するアーム部分510で終端する、湾曲した接続部分508を含む。少なくとも一態様では、ストレインリリーフ500を電気コネクタハウジング100と一緒に使用するとき、アーム部分は挿入方向Aで延在する。アーム部分510は外向きに弾性的に撓んで、ストレインリリーフ500を電気コネクタに対してしっかりと取り付けるのに適合するように構成される。少なくとも一態様では、湾曲した接続部分508は、例えばアーム部分510の0.015”(0.38mm)などの適切な撓みに寄与して、それにより、ストレインリリーフラッチ506が降伏することなく、ストレインリリーフ500を電気コネクタに簡単に設置することができる。少なくとも一実施形態では、薄い断面及び丈夫で安定したストレインリリーフを可能にするために、ベース部分502及びストレインリリーフラッチ506は金属薄板から一体的に形成される。使用できる例示的な金属薄板材料はステンレス鋼であるが、意図する用途に合わせて他の好適な材料を選択してもよい。少なくとも一態様では、ストレインリリーフ500がより狭い幅を有することができるように材料特性が選択され、それによって、相手側コネクタ上のラッチ機構に必要な追加の幅が最小限に抑えられる。
少なくとも一実施形態では、アーム部分510は、その両側面514に配設された対向する凹部512を含む。図13に最も良く示されるように、凹部512は、例えばコネクタハウジング100の隆起110の傾斜した側面118など、電気コネクタの隆起の傾斜した側面に適合するように構成される。そのため、凹部512は、アーム部分510が隆起110の終端部120に係合できるようにして、ストレインリリーフ500がコネクタハウジング100にしっかりと取り付けられる。少なくとも一態様では、ストレインリリーフ500をコネクタハウジング100に設置している間、アーム部分510は傾斜した側面118に係合し、その結果、外向きに弾性的に撓む。次に、アーム部分510が終端部120に係合して、設置が完了し、ストレインリリーフ500がコネクタハウジング100にしっかりと取り付けられる。少なくとも一実施形態では、電気コネクタ1に対するストレインリリーフ500の組立てに適応するように、ストレインリリーフラッチ506は、アーム部分510の端部510aに位置付けられた対向する傾斜面526を含む。
少なくとも一実施形態では、接続部分508は、本明細書では第1の閉じた周縁開口部とも呼ばれる開口部516を含む。図2に最も良く示されるように、開口部516は、例えば電気コネクタ2のラッチ900の固定部分908(図17a〜図17c)など、相手側電気コネクタのラッチの一部を受け入れるように構成される。少なくとも一態様では、開口部516は、固定部分908を受け入れて、ストレインリリーフ500を電気コネクタ2のコネクタハウジング600に固定する。
少なくとも一実施形態では、アーム部分510は、本明細書では第2の閉じた周縁開口部とも呼ばれる開口部524を含む。開口部524は、アーム部分510の柔軟性を高めるように構成される。開口部524は、例えばレーストラック形状(例えば、図11aに示す)、曲線形状、又は直線形状などの任意の好適な形状を有してもよい。少なくとも一態様では、開口部524は、ストレインリリーフラッチ506全体に応力をより均等に分布させるのに寄与して、例えばストレインリリーフ500を設置する間、ストレインリリーフラッチ506が降伏することなく適切に撓むのを可能にする。少なくとも一実施形態では、第1の閉じた周縁開口部516は、第2の閉じた周縁開口部524と長手方向ベース部分502との間に配設され、それにより、外向きに撓められるラッチは、第2の閉じた周縁開口部524を含まないことを除いて同じ構造を有するラッチよりも小さい最大応力を経験する。少なくとも一実施形態では、第2の閉じた周縁開口部524に直接隣接した領域は、第2の閉じた周縁開口部524を含まないことを除いて同じ構造を有するラッチよりも大きい最大応力を経験する。
このことは図19a〜19bに明確に示されており、これらの図は、開口部524を有するストレインリリーフラッチ506内の最大応力を図示するグラフ(図19a)、及び開口部524がないこと以外は全く同じストレインリリーフラッチ506内の最大応力を図示するグラフ(図19b)である。これらのグラフは、ストレインリリーフのCAD形状から有限要素解析(FEA)モデルを最初に作ることにより作成された。次に、このモデルを、Simulia(Providence,RI,U.S.A.)から商品名Abaqus FEAで入手可能なFEAモデリングソフトウェアに取り込んだ。変位荷重の制約条件を使用して、ゼロ変位をベース部分502に適用し、それによってストレインリリーフを空間内で固定した。次に、コネクタ上に設置したときのラッチの接触面を表す端部より上の点において、ストレインリリーフラッチ506に0.015”(0.38mm)以下の外向きの変位を加えた。次に、モデリングソフトウェアは、可動域にわたりストレインリリーフを調べ、結果として得られた応力及び変形を表示した。グラフに示されるように、開口部524が存在することによって最大応力が改善されて、材料降伏点からの安全限界が増大する。少なくとも一実施形態では、最大応力は少なくとも1%小さい。少なくとも一実施形態では、最大応力は少なくとも5%小さい(図示されるように、133Kpsiに対して127Kpsi(917MPaに対して876MPa)である)。グラフに示されるように、開口部524が存在することによって、また、開口部524に直接隣接した領域における最大応力の増加によって示されるように、応力を小さい領域に集中させるのではなく、むしろより広い領域にわたって応力が分布される。少なくとも一実施形態では、最大応力は少なくとも1%大きい。少なくとも一実施形態では、最大応力は少なくとも5%大きい。
少なくとも一態様では、ストレインリリーフ500及びコネクタハウジング100は、ストレインリリーフ500の有無にかかわらず、相手側電気コネクタ1が、例えば電気コネクタ2などの同じ電気コネクタと嵌合することができるように設計される。少なくとも一態様では、ストレインリリーフ500及びコネクタハウジング100は、ストレインリリーフ500の有無にかかわらず、例えばラッチ900などの同じラッチをコネクタハウジング100にラッチ留めすることができるように設計される。
図12は、本開示の一態様によるストレインリリーフの別の例示的な実施形態を示す。図12を参照すると、ストレインリリーフ500’は、ストレインリリーフ500と似ている。図12では、ストレインリリーフ500の要素と似ているストレインリリーフ500’の要素は同じ数字を有しているが、それらがストレインリリーフ500’と関連していることを示すためにダッシュ記号(’)を付してある。図12に示す実施形態では、ベース部分502’は、平面のレーストラック状部分520’によって取り囲まれた中空のドーム状部分518’を含み、湾曲した側面部504’は、レーストラック状部分520’の長手方向両側部520a’、520b’から上向きに延在する。少なくとも一態様では、中空のドーム状部分518’はストレインリリーフ500’に剛性を付加し、同時にストレインリリーフ500’が多くの従来のストレインリリーフよりも薄い断面(薄い厚さ)を依然として有することを可能にしている。
図14〜15は、本開示の一態様による電気コネクタの例示的な一実施形態を示す。図14〜図15を参照すると、電気コネクタ2は、絶縁性コネクタハウジング600と、コネクタハウジング600内で支持された複数の電気コンタクトピン700とを含む。少なくとも一実施形態では、電気コネクタ2は、第1及び第2の保持クリップ800、並びに/又は第1及び第2のラッチ900並びにピボットピン1000を更に含む。
図16a〜16eは、本開示の一態様による絶縁性コネクタハウジングの例示的な一実施形態を示す。図16a〜図16eを参照すると、絶縁性コネクタハウジング600は、複数の接点開口部604を有する長手方向底壁602を含む。少なくとも一実施形態では、電気コネクタ2は、接点開口部604を通って挿入方向Aで延在する複数の電気コンタクトピン700を含む。コネクタハウジング600は、底壁602の両側部602a、602bにおいて底壁602から上向きに延在する第1及び第2の側壁606、608と、底壁602の両端部602c、602dにおいて底壁602から上向きに延在する第1及び第2の端壁610、612とを更に含む。少なくとも一実施形態では、側壁606、608及び端壁610、612は、相手側コネクタの係合に適応するように構成された面取り部632を含む。少なくとも一態様では、面取り部632は、嵌合する間、相手側コネクタをコネクタハウジング600内へと案内する助けとなる。
コネクタハウジング600は、底壁602の両端部602c、602dにある、ラッチ開口部の第1及び第2の対614、616を更に含む。各ラッチ開口部は、底壁602及び側壁を通って延在し、例えばラッチ900などのラッチを、開口部内で動かすことによって、例えば相手側電気コネクタ1などの相手側コネクタを押し出すことが可能になるように構成される。少なくとも一実施形態では、ラッチ開口部は、ラッチの旋回運動に適応するように形作られる。少なくとも一態様では、第1及び第2のラッチ900が存在する電気コネクタ2の構成では、ラッチ開口部の第1及び第2の対614、616が存在することによって、電気コネクタ2のピン領域(pin field)、即ち電気コンタクトピンを受け入れるように構成された範囲にラッチ900が係合することが可能になり、それによって、電気コネクタ2のこの構成の全長を低減することが可能になっている。例えば、少なくとも一実施形態では、コネクタハウジングは、約36mm未満の長さを有し、少なくとも50個の接点開口部を含み、ラッチは電気コネクタの長さに約30%未満を追加する。ラッチ900をコネクタハウジング600と一体化することによるこの利点は、図15に最も良く示されている。少なくとも一態様では、ラッチ900は、電気コネクタ2のピン領域に係合して、相手側コネクタを電気コネクタ2から押し出す。これに適応するため、少なくとも一実施形態では、ラッチ開口部は、側壁606、608を越えて底壁602内まで延在する。少なくとも一実施形態では、図16d〜図16eに最も良く示されるように、底壁602の一部がラッチ開口部の第1及び第2の対614、616のうち少なくとも一方の間に位置付けられ、それにより、ラッチ開口部の対の間の範囲を含むようにピン領域を広げることを可能にしている。
少なくとも一実施形態では、底壁602は、コネクタハウジング600の両端部600c、600dにおいて底壁602から下向きに延在する、第1及び第2の端部スタンドオフ618、620を更に含む。少なくとも一実施形態では、底壁602は、コネクタハウジング600の両端部600c、600dの間で底壁602から下向きに延在する、少なくとも1つの中央スタンドオフ622を更に含む。少なくとも一態様では、第1及び第2の端部スタンドオフ618、620並びに中央スタンドオフ622は、プリント基板(図示なし)上でコネクタハウジング600を適切に支持したり、例えば電気コンタクトピンをはんだ付けできるようにするために、コネクタハウジング600の底壁602とプリント基板との間に適切な空間を作ったり、コネクタハウジング600の下にプリント基板部品が存在できるようにしたり、又はラッチ900が存在し旋回するのを可能にしたりするように構成される。第1及び第2の端部スタンドオフ618、620並びに中央スタンドオフは、任意の好適な高さを有してもよい。
少なくとも一実施形態では、底壁602は、底壁602の両端部600c、600dにおいて係合縁部624を更に含む。係合縁部624は、例えば、ラッチ900の第2の部分924(図17a〜図17c)など、ラッチの一部と係合するように形作られる。少なくとも一態様では、例えば図14に示されるように、係合縁部624は、ラッチの動きを開位置に限定する、ラッチ900の停止部を提供する。少なくとも一実施形態では、底壁602は、その側面648内で各ラッチ開口部の後方に摩擦隆起用の凹部646を含む。摩擦隆起用の凹部646は、例えばラッチ900の摩擦隆起916(図17a〜図17c)など、ラッチの摩擦隆起を受け入れるように構成される。少なくとも一態様では、例えば、ラッチをコネクタハウジング600に設置するのを容易にするため、又は、例えば図15に示されるように、ラッチが閉位置又は係止位置にあるとき、摩擦隆起用の凹部646は摩擦隆起のためのゆとりを提供する。
少なくとも一実施形態では、側壁606、608は、コネクタハウジング600の両端部600c、600dの間に導電体用の凹部626を含む。導電体用の凹部626は、例えば電気ケーブル400の導電体402など、導電体の一部を受け入れるように構成される。少なくとも一態様では、図2に最も良く示されるように、導電体用の凹部626は、電気コネクタ2及び相手側電気コネクタ1の嵌合された構成のより薄い断面又はより低い全高に寄与する。
少なくとも一実施形態では、側壁606は、側壁606の中央に偏り開口部628を含む。偏り開口部628は、例えば、相手側電気コネクタ1のコネクタハウジング100の偏り要素144など、相手側コネクタの偏り要素の一部を受け入れるように構成される。偏り開口部628及び偏り要素はその組み合わせによって、相手側電気コネクタが間違って、即ち挿入方向Aを中心にして180°回転させて、電気コネクタ2に嵌合されるのを防止する。少なくとも一実施形態では、側壁606は、偏り開口部628内へと延在する一対の係合要素650を含む。係合要素650は、例えば相手側電気コネクタ1のコネクタハウジング100の偏り要素144など、相手側コネクタの偏り要素と摩擦係合するように構成された内表面652を含む。この例では、内表面652は、偏り要素144のより低い隆起150と摩擦係合するように構成される。少なくとも一態様では、これにより、相手側コネクタを電気コネクタ2にしっかりと取り付けることが可能になり、これは、別個のラッチ留め/押出し機構がないときに特に有用である。少なくとも一実施形態では、側壁608は、側壁608の内表面608aから延在する係合斜面630を含む。係合斜面630は、例えば相手側電気コネクタ1など、相手側コネクタと係合するように構成される。少なくとも一態様では、相手側電気コネクタ1をコネクタハウジング600に挿入する間、側壁608上の係合斜面630は、相手側電気コネクタ1を側壁606の方へ導いて、偏り要素144のより低い隆起150が側壁606上の係合要素650の内表面652と適切に摩擦係合することを確保する。偏り開口部628、係合要素650、及び係合斜面630は、どちらかの側壁上の、任意の好適な位置にあってもよい。
少なくとも一実施形態では、端壁610、612は、コネクタハウジング600の両側部600a、600bの間に位置付けられたスロット634を含む。スロット634は、例えばラッチ900の摩擦ロック930(図17a〜図17c)など、ラッチの摩擦ロックと摩擦係合するように構成される。スロット634及び摩擦ロックはその組み合わせによって、例えば図15に示されるように、ラッチを閉位置又は係止位置で保持し、それにより、相手側コネクタを電気コネクタ2にしっかりと固定された状態で保持して、ラッチに横方向の安定を提供し、例えば、相手側コネクタに取り付けられた電気ケーブルが引っ張られたときなどに、横方向の力及び挿入方向Aの力に抵抗する。少なくとも一実施形態では、スロット624は曲線形状を有し、摩擦ロックはそれに対応する形状を有する。
少なくとも一実施形態では、電気コネクタ2は、コネクタハウジング600の両端部600c、600dに取り付けられた第1及び第2の保持クリップ800を含む。少なくとも一実施形態では、コネクタハウジング600の端壁610、612は、保持クリップ保持具636を含む。少なくとも一実施形態では、保持クリップ保持具636はコネクタハウジング600と一体的に形成される。保持クリップ保持具636は、中を通って挿入方向Aで延在する保持クリップ開口部638を含む。保持クリップ開口部638は、例えば保持クリップ800(図14)など、保持クリップの一部を受け入れるように構成される。保持クリップ800は、電気コネクタ2をプリント基板に保持するように機能する。保持クリップ800は任意選択的な構成要素であり、電気コネクタ2は、他の任意の好適な方法又は構造によってプリント基板に保持されてもよい。例えば、電気コネクタ2は、電気コンタクトピン700のみによって、例えばはんだ付け又は圧入によって、プリント基板に保持されてもよい。したがって、電気コネクタハウジング600の少なくとも一実施形態では、保持クリップ保持具636は省略される。少なくとも一態様では、保持クリップ保持具636を省略することにより、コネクタハウジング600の長さが低減される。これは、第1及び第2のラッチ900が存在せず、それによって電気コネクタ2の全長が低減される、電気コネクタ2の構成において特に有益である。
少なくとも一実施形態では、絶縁性コネクタハウジング600は、コネクタハウジング600の両端部600c、600dにおいて、挿入方向Aに対して垂直な横断方向で底壁602を通って延在する、第1及び第2のピボットピン穴640、642を更に含む。ピボットピン穴640、642は、例えばピボットピン1000(図14)など、ピボットピンの一部を受け入れるように構成される。少なくとも一実施形態では、ピボットピン穴640、642は、ピボットピンを位置決めし保持するように構成された制限部分644を含む。例えば、ピボットピン1000を位置決めし保持するため、ピボットピン穴640、642は、ピボットピン1000の陥凹部分1002に対応する制限部分644を含む。少なくとも一態様では、ピボットピン1000をピボットピン穴640、642に挿入する間、最初に、ピボットピン1000の終端部が制限部分644と摩擦係合し、その後、陥凹部分1002が制限部分644に係合することにより、ピボットピン1000をコネクタハウジング600内で適切に位置決めし枢動可能に保持する。
少なくとも一実施形態では、電気コネクタ2は、コネクタハウジング600の両端部600c、600dに枢動可能に取り付けられた第1及び第2のラッチを更に含む。各ラッチは、例えば相手側電気コネクタ1などの相手側コネクタをコネクタハウジング600に固定し、相手側コネクタをコネクタハウジング600から押し出すように構成される。ラッチ及びコネクタハウジング600の協働的な構成の利点としては、数例を挙げると、1)ラッチの存在の有無にかかわらず、電気コネクタ2の幅が同じであること、2)ラッチの存在による、電気コネクタ2の全長の増加が最小限であること、3)ラッチの存在の有無にかかわらず、コネクタハウジング600の端壁610、612が存在することができ、それによって同じコネクタハウジング600を使用することが可能になり、結果として、両方のコネクタ構成に対して同じ長手方向の位置合わせ及び目視なしの嵌合が可能になること、並びに4)コネクタサイズ及びコストの著しい縮小などがある。
ストレインリリーフが存在する、相手側コネクタの構成では、各ラッチは、ストレインリリーフをコネクタハウジング600に追加的に固定するように構成される。少なくとも一態様では、ストレインリリーフの存在の有無にかかわらず、ラッチが同じように働くことが有利である。
ラッチは任意選択的な構成要素であって、他の任意の好適な方法又は構造により、相手側コネクタをコネクタハウジング600に固定したり、又はコネクタハウジング600から取り外したりしてもよい。例えば、相手側コネクタは、例えば相手側電気コネクタ1のコネクタハウジング100のより低い隆起150とコネクタハウジング600の内表面652との組み合わせなど、摩擦係止機構によってコネクタハウジング600に固定されてもよい。また、相手側コネクタは、例えば、コネクタハウジング100のフランジ130で、相手側電気コネクタ1を人間の指と親指との間に挟み、それを手で引っ張ることなどによって、手の力を使ってコネクタハウジング600から取り外されてもよい。
図17a〜17cは、本開示の一態様によるラッチの例示的な一実施形態を示す。図17a〜図17cを参照すると、少なくとも一態様では、ラッチ900は、例えば相手側電気コネクタ1などの相手側コネクタをコネクタハウジング600に固定し、相手側コネクタをコネクタハウジング600から押し出すように構成される。ラッチ900は、ヒンジ部分902と、ヒンジ部分902の第1の側部902aから第1の方向に沿って延在するアーム部分904と、ヒンジ部分902の反対側の第2の側部902bから第1の方向とは異なる第2の方向に沿って延在する別個の離間したヒンジアーム906の対とを含む。
ヒンジ部分902は、ラッチ900をコネクタハウジング600に枢動可能に取り付けるように構成される。少なくとも一実施形態では、ヒンジ部分902は、中を通って第1の方向に対して垂直な横断方向で延在するピボット穴912を含む。ピボット穴912は、例えばピボットピン1000などのピボットピンを受け入れるように構成される。少なくとも一態様では、ラッチ900のピボット穴912、コネクタハウジング600のピボット穴640、642、及びピボットピン1000はその組み合わせによって、固定され自由に動くラッチ900と、低コストのヒンジ機構とを提供する。
少なくとも一実施形態では、アーム部分904は、アーム部分904の内表面928に凹部926を含む。凹部926は、例えば保持クリップ保持具636など、保持クリップ保持具を受け入れるように構成される。少なくとも一態様では、凹部926は、保持クリップ保持具636に対して十分なゆとりを提供し、それにより、例えば図15に示されるように、保持クリップ保持具636に邪魔されることなしに、ラッチ900を閉位置又は係止位置へと至らせることができる。少なくとも一実施形態では、アーム部分904は、アーム部分904の内表面928から延在する摩擦ロック930を含む。摩擦ロック930は、例えば端壁610、612にあるスロット634など、コネクタハウジング600の端壁にあるスロットと摩擦係合するように構成される。摩擦ロック930及びスロットはその組み合わせによって、ラッチ900を閉位置又は係止位置で保持し、それにより、相手側コネクタを電気コネクタ2にしっかりと係止された状態で保ち、ラッチ900に横方向の安定を提供し、例えば相手側コネクタに取り付けられた電気ケーブルが引っ張られたときに、横方向の力及び挿入方向Aの力に抵抗する。少なくとも一実施形態では、摩擦ロック930は実質的にU字状であり、スロットはそれに対応する形状を有する。
ヒンジアーム906は、コネクタハウジング600の底壁602及び側壁606、608を通って延在する、対応する離間したラッチ開口部614、616の対を通って、相手側コネクタを押し出すように構成される。少なくとも一実施形態では、ヒンジアーム906は、相手側コネクタがコネクタハウジング600内に挿入されると、ラッチ900が係止位置又は閉位置へと旋回するように構成された、作動面914を含む。この旋回運動に適応するため、少なくとも一実施形態では、作動面914は実質的に平面であり、それにより、少なくとも一態様では、ヒンジアーム906を押し下げると、てこの作用が増大する。有利には、第1及び第2のラッチ900が存在することによって、より大きい支承面を提供する合計4ヵ所の作動範囲が提供され、相手側コネクタを押し出すときの、均等な押出し及びより少ない結合(less binding)が可能になる。少なくとも一実施形態では、ヒンジアーム906は、ラッチ900が開位置へと旋回するとき、ヒンジアーム906がコネクタハウジング600の嵌合面を越えて延在するように構成され、それにより、少なくとも一態様では、相手側コネクタの押出しが可能になる。少なくとも一実施形態では、ヒンジアーム906は、ラッチ開口部614、616の深さに実質的に等しい厚さを有する。少なくとも一実施形態では、ヒンジアーム906は、底壁602の厚さに実質的に等しい幅を有する。少なくとも一態様では、ヒンジアーム906のこれらの厚さ及び幅の構成がコネクタサイズの縮小に寄与している。少なくとも一実施形態では、ヒンジアーム906は、ヒンジアーム906の内表面918上に配設された摩擦隆起916を含む。摩擦隆起916は、底壁602の側面648と摩擦係合するように構成される。少なくとも一態様では、ラッチ900が開位置にあるとき、摩擦隆起916と内表面918との間の干渉によってラッチ900が意図せずに閉じるのを防ぐが、摩擦隆起916を内表面648と摩擦係合することによって、ラッチ900を意図的に閉じることができる。少なくとも一実施形態では、ヒンジアーム906は、ラッチ900が閉位置にあるときには下面920の第1の部分922が底壁602と実質的に平行であるように構成され、ラッチ900が開位置にあるときには下面920の第2の部分924が底壁602と実質的に平行であるように構成された、下面920を含む。少なくとも一態様では、電気コネクタ2がプリント基板に取り付けられると、第1の部分922及び第2の部分924はプリント基板と協働して、それぞれ閉位置及び開位置に対応するラッチ900の停止位置を提供して、通常動作中のラッチ留め/押出し機構若しくは電気コネクタのコネクタハウジングの損傷又は破損の防止に役立つとともに、電気コネクタの継続的な小型化を支持している。
少なくとも一実施形態では、ラッチ900は固定部分908を更に含む。固定部分908は、アーム部分904から第1の方向とは異なる第3の方向に沿って延在する。固定部908は、相手側コネクタをコネクタハウジング600に固定するように適合される。少なくとも一態様では、相手側電気コネクタ1をコネクタハウジング600に固定すると、固定部分908が、相手側電気コネクタ1のカバー300に、具体的には第1及び第2のカバーラッチ304、306に係合する。少なくとも一実施形態では、固定部分908は、例えばストレインリリーフ500など、ストレインリリーフをコネクタハウジング600に追加的に固定するように適合される。少なくとも一態様では、図2に最も良く示されるように、ストレインリリーフ500の開口部516は、固定部分908を受け入れて、ストレインリリーフ500を電気コネクタ2のコネクタハウジング600に固定する。少なくとも一実施形態では、第3の方向は第2の方向に平行である。少なくとも一実施形態では、固定部分908は、アーム部分904に対して実質的に垂直なコネクタ係合面932を含む。少なくとも一実施形態では、固定部分908は丸みを帯びた端部934を含む。少なくとも一態様では、固定部分908のこれらの構成は、相手側コネクタ、及びストレインリリーフがある場合にはストレインリリーフの、適切な係合及び固定を確保する。
少なくとも一実施形態では、ラッチ900は、アーム部分904から延在する作動部分910を更に含む。作動部分910は、ラッチ900を作動させるように適合される。少なくとも一態様では、作動部分910により、ラッチ900を手で簡単に操作することが可能になり、例えば、ラッチ900を閉位置又は係止位置から開位置へ、またその逆に動かすことが可能になる。例えば、ラッチ900の簡単な手動操作に適応するため、少なくとも一実施形態では、作動部分910がアーム部分904から延在するにつれて作動部分910の幅が増大し、少なくとも一実施形態では、作動部分910はアーム部分904から第1の方向とは異なる第4の方向に沿って延在する。
少なくとも一実施形態では、アーム部分904の幅、ヒンジ部分902の幅、作動部分910の最大幅、及びコネクタハウジング600の幅は、実質的に同じである。少なくとも一態様では、これは、ラッチ900が存在している電気コネクタ2の構成における全幅の縮小をもたらす。
図18は、相手側電気コネクタ1及び電気コネクタ2を嵌合された構成で示す。具体的には、少なくとも一実施形態において、電気ケーブル400の導電体402がどのようにして、コネクタハウジング100とカバー300との間で保持され、コネクタハウジング100内で支持された電気接触端子200に電気的に接続されるかを示している。また、少なくとも一実施形態において、電気ケーブル400の導電体402がどのようにして、カバー300とストレインリリーフ500との間で追加的に保持されるかを示している。
図20a〜20cは、本開示の一態様によるラッチの例示的な一実施形態を示す。図20a〜20cを参照すると、少なくとも一態様では、ラッチ900は、例えば相手側電気コネクタ1などの相手側コネクタをコネクタハウジング600に固定し、相手側コネクタをコネクタハウジング600から押し出すように構成される。ラッチ900は、ヒンジ部分902と、ヒンジ部分902の第1の側部902aから第1の方向に沿って延在するアーム部分904と、ヒンジ部分の反対側の第2の側部902aから第1の方向とは異なる第2の方向に沿って延在する一対の別個の離間したヒンジアーム906と、アーム部分904から第1の方向とは異なる第3の方向に沿って延在する固定部分908と、アーム部分904から第4の方向に沿って延在する薄い断面の作動部分910aとを含む。図17a〜cに示される作動部分910と比べて、図20a〜cに示される作動部分910aは、ラッチ900の全高を増大させない。少なくともいくつかの実現例では、作動部分910aは固定部分908よりも高くない。
ヒンジ部分902は、ラッチ900をコネクタハウジング600に枢動可能に取り付けるように構成される。少なくとも一実施形態では、ヒンジ部分902は、中を通って第1の方向に垂直な横断方向で延在するピボット穴912を含む。ピボット穴912は、例えばピボットピン1000など、ピボットピンを受け入れるように構成される。少なくとも一態様では、ラッチ900のピボット穴912、コネクタハウジング600のピボット穴640、642、及びピボットピン1000はその組み合わせによって、固定され自由に動くラッチ900と低コストのヒンジ機構とを提供する。
少なくとも一実施形態では、アーム部分904は、アーム部分904の内表面928の凹部926を含む。凹部926は、例えば保持クリップ保持具636など、保持クリップ保持具を受け入れるように構成される。少なくとも一態様では、凹部926は、保持クリップ保持具636に対して十分なすき間を提供し、それにより、例えば図15に示されるように、保持クリップ保持具636に邪魔されることなしに、ラッチ900を閉位置又は係止位置へと至らせることができる。少なくとも一実施形態では、アーム部分904は、アーム部分904の内表面928から延在する摩擦ロック930を含む。摩擦ロック930は、例えば端壁610、612のスロット634など、コネクタハウジング600の端壁内のスロットと摩擦係合するように構成される。摩擦ロック930及びスロットはその組み合わせによって、ラッチ900を閉位置又は係止位置で保持し、それにより、相手側コネクタを電気コネクタ2にしっかりと係止された状態で保ち、ラッチ900に横方向の安定を提供し、例えば相手側コネクタに取り付けられた電気ケーブルが引っ張られたときなど、横方向の力及び挿入方向Aの力に抵抗する。少なくとも一実施形態では、摩擦ロック930は実質的にU字状であり、スロットはそれに対応する形状を有する。
ヒンジアーム906は、コネクタハウジング600の底壁602及び側壁606、608を通って延びる、対応する離間したラッチ開口部614、616の対を通って、相手側コネクタを押し出すように構成される。少なくとも一実施形態では、ヒンジアーム906は、相手側コネクタがコネクタハウジング600に挿入されると、ラッチ900が係止位置又は閉位置へと旋回するように構成された、作動面914を含む。この旋回運動に適応するため、少なくとも一実施形態では、作動面914は実質的に平面であり、それにより、少なくとも一態様では、ヒンジアーム906を押し下げると、てこの作用が増大する。有利には、第1及び第2のラッチ900が存在することによって、より大きい支承面を提供する合計4ヵ所の作動範囲が提供され、相手側コネクタを押し出すときの、均等な押出し及びより少ない結合(less binding)が可能になる。少なくとも一実施形態では、ヒンジアーム906は、ラッチ900が開位置へと旋回するとき、ヒンジアーム906がコネクタハウジング600の嵌合面を越えて延在するように構成され、それにより、少なくとも一態様では、相手側コネクタの押出しが可能になる。少なくとも一実施形態では、ヒンジアーム906は、ラッチ開口部614、616の深さに実質的に等しい厚さを有する。少なくとも一実施形態では、ヒンジアーム906は、底壁602の厚さに実質的に等しい幅を有する。少なくとも一態様では、ヒンジアーム906のこれらの厚さ及び幅の構造がコネクタサイズの縮小に寄与している。少なくとも一実施形態では、ヒンジアーム906は、ヒンジアーム906の内表面918に配設された摩擦隆起916を含む。摩擦隆起916は、底壁602の側面648と摩擦係合するように構成される。少なくとも一態様では、ラッチ900が開位置にあるとき、摩擦隆起916と内表面918との間の干渉によってラッチ900が意図せずに閉じるのを防ぐが、摩擦隆起916を内側面648と摩擦係合することによって、ラッチ900を意図的に閉じることができる。少なくとも一実施形態では、ヒンジアーム906は、ラッチ900が閉位置にあるときには下面920の第1の部分922が底壁602と実質的に平行であるように構成され、ラッチ900が開位置にあるときには下面920の第2の部分924が底壁602と実質的に平行であるように構成された、下面920を含む。少なくとも一態様では、電気コネクタ2がプリント基板に取り付けられると、第1の部分922及び第2の部分924はプリント基板と協働して、それぞれ閉位置及び開位置に対応するラッチ900の停止位置を提供して、通常動作中のラッチ留め/押出し機構若しくは電気コネクタのコネクタハウジングの損傷又は破損の防止に役立つとともに、電気コネクタの継続的な小型化を支持している。
少なくとも一実施形態では、ラッチ900は固定部分908を更に含む。固定部分908は、アーム部分904から第1の方向とは異なる第3の方向に沿って延在する。固定部分908は、相手側コネクタをコネクタハウジング600に固定するように適合される。少なくとも一態様では、相手側電気コネクタ1をコネクタハウジング600に固定すると、固定部分908が、相手側電気コネクタ1のカバー300を、具体的には第1及び第2のカバーラッチ304、306に係合する。少なくとも一実施形態では、固定部分908は、例えば、ストレインリリーフ500などのストレインリリーフをコネクタハウジング600に追加的に固定するように構成される。少なくとも一態様では、図2に最も良く示されるように、ストレインリリーフ500の開口部516は固定部分908を受け入れて、ストレインリリーフ500を電気コネクタ2のコネクタハウジング600に固定する。少なくとも一実施形態では、第3の方向は第2の方向に平行である。少なくとも一実施形態では、固定部分908は、アーム部分904に対して実質的に垂直なコネクタ係合面932を含む。少なくとも一実施形態では、固定部908は、丸みを帯びた端部934を含む。少なくとも一態様では、固定部908のこれらの構成は、相手側コネクタ、及びストレインリリーフがある場合にはストレインリリーフの適切な係合及び固定を確保する。
少なくとも一実施形態では、ラッチ900は、アーム部分から延在する作動部分910aを更に含む。作動部分910aは、ラッチ900を作動させるように適合される。少なくとも一態様では、作動部分910aによって、ラッチ900を簡単に手動で操作し、例えば閉位置又は係止位置から開位置へ、またその逆に動かすことが可能になる。例えば、ラッチ900の簡単な手動操作に適応するため、少なくとも一実施形態では、作動部分910aがアーム部分から延在するにつれて作動部分910の幅が増加し、また少なくとも一実施形態では、作動部分910aは、アーム部分904から第1の方向とは異なる第4の方向に沿って延在する。いくつかの実施形態では、作動部分910aは、ユーザによって押されて、ラッチを作動させるように適合される。いくつかの例では、アーム部分904と作動部分910aとの間の作動角度911は90°以下である。少なくとも一実施形態では、作動角度911は90°に等しい。いくつかの例では、第4の方向は第2の方向に平行である。いくつかの実施形態では、作動部分910aはその外表面に、簡単な操作を可能にする陥凹作動部分911aを含む。例えば、ユーザは、陥凹作動部分911aを押してラッチ900を押し出すことができる。少なくともいくつかの実現例では、作動部分910aを追加することによってラッチ900の全高は増大しない。
少なくとも一実施形態では、アーム部分904の幅、ヒンジ部902の幅、作動部分910aの最大幅、及びコネクタハウジング600の幅は、実質的に同じである。少なくとも一態様では、これは、ラッチ900が存在している電気コネクタ2の構成の全幅の縮小をもたらす。
図21は、本開示の一態様による電気コネクタの別の例示的な実施形態を示す。図21を参照すると、電気コネクタ3は、例えば図15に示される、電気コネクタ2に似ている。電気コネクタ3は絶縁性コネクタハウジング1100を含む。コネクタハウジング1100は、複数の接点1200を受け入れる複数の接点開口部1104を画成する長手方向底壁1102と、底壁1102の両側部1102a、1102(図22a)において底壁1102から上向きに延在する第1及び第2の側壁1106、1108と、底壁1102の両端部1102c、1102dにおいて底壁1102から上向きに延在する第1及び第2の側壁1110、1112と、底壁1102の両端部1102c、1102dにあるラッチ開口部の第1及び第2の対1114、1116とを含む。各ラッチ開口部は、底壁1102及び側壁を通って延在し、例えばラッチ900などのラッチが、開口部内で動くことによって、例えば相手側電気コネクタ1などの相手側コネクタを押し出すことができるように構成される。少なくとも一実施形態では、電気コネクタ3は、接点開口部1104を通って挿入方向Aで延在する複数の接点1200を含む。少なくとも一実施形態では、接点1200は貫通穴タイプの接点であり、そのため、はんだタイプの接点又は圧入タイプの接点のどちらかであることができる。少なくとも一態様では、貫通穴タイプの接点は、例えばプリント基板(図示なし)など、基板の導電性ビアに挿入し取り付けて、電気コネクタ3を基板に対して機械的及び電気的に接続するように構成される。少なくとも一実施形態では、接点1200は表面取付け型の接点である。少なくとも一態様では、表面取付け型の接点は、例えばプリント基板(図示なし)など、基板上の導電性パッドに配置し取り付けて、電気コネクタ3を基板に対して機械的及び電気的に接続するように構成される。
電気コネクタ3は、少なくとも次の側面において電気コネクタ2とは異なる。コネクタハウジング1100は、底壁1102から上向きに延在すると共に、ラッチ開口部の第1及び第2の対1114、1116の間にそれぞれ配設された、第1及び第2の突出部1154、1156を含む。突出部はそれぞれ、例えばカバー300の第1及び第2のラッチ304、306など、相手側コネクタカバーのラッチ、又は電気コネクタに組み付けられた、例えばストレインリリーフ1300の第1及び第2のストレインリリーフラッチ1306(図23)など、ストレインリリーフのラッチにある、対応する開口部に係合するように構成される。
少なくとも一態様では、相手側コネクタカバーのラッチにある対応する開口部に係合することによって、相手側コネクタカバーが電気コネクタに組み付けられるとき、例えば、相手側コネクタに取り付けられたケーブルに対する引っ張り力など、例えば外力を受けたとき、突出部はラッチが離脱するのを防止する。突出部のこの利点の一例が図22a及び22bに示されており、これらの図はそれぞれ、本開示の一態様による電気コネクタシステムの例示的な一実施形態を、嵌合していない構成及び嵌合した構成で示している。嵌合していない構成(図22a)又は突出部1154、1156を有さずに嵌合した構成では、カバー300のカバーラッチ304、306の対向するラッチアーム320は、例えば外力Aが相手側コネクタ1に加えられ、内向きの力Bがもたらされたとき、互いに向かって動くことができる。その結果、カバーラッチ304、306の第1のつめ部分312は、コネクタハウジング100の隆起110の終端部120から離脱してもよく、結果としてカバー300がコネクタハウジング100から離脱してもよい。対照的に、突出部1154、1156を用いて嵌合した構成(図22b)では、突出部1154、1156によって、カバー300のカバーラッチ304、306の対向するラッチアーム320が、例えば外力Aが相手側コネクタ1に加えられ、内向きの力Bがもたらされたとき、互いに向かって動くのが防止される。その結果、カバーラッチ304、306の第1のつめ部分312はコネクタハウジング100の隆起110の終端部120と係合されたままであり、結果としてカバー300はコネクタハウジング100と係合されたままである。少なくとも一態様では、カバー300をコネクタハウジング100から取り外すことができるようになるには、第1のつめ部分312を終端部120から離脱するのではなく、これらの特徴を破壊し剪断させることが必要になるため、突出部1154、1156は、カバー300をコネクタハウジング100から強制的に取り外すのに要する力を増加させる効果を有する。
少なくとも一実施形態では、図21に最も良く示されるように、第1及び第2の突出部1154、1156は面取り端部1154a、1156aを有する。面取り端部1154a、1156aは、組立て中の相手側コネクタカバー又はストレインリリーフの位置合わせを助けるように構成される。少なくとも一態様では、この位置合わせは主に横方向である。少なくとも一実施形態では、第1及び第2の突出部1154、1156は、例えば長方形など、実質的に直線状の形状を有する。少なくとも一実施形態では、第1及び第2の突出部1154、1156は、例えば丸み付き又は湾曲状など、実質的に曲線状の形状を有する。他の実施形態では、第1及び第2の突出部1154、1156は、意図される用途に好適な任意の形状又は長さを有してもよい。
図22aを参照すると、本開示の少なくとも一態様では、カバー300は、例えばコネクタハウジング1100の第1及び第2の突出部1154、1156など、コネクタハウジングの対応する突出部を受け入れるように構成された開口部330を含む。少なくとも一実施形態では、開口部330は、カバー300の第1及び第2のカバーラッチ304、306に配設される。少なくとも一実施形態では、第1及び第2の突出部1154、1156は、対応する開口部の幅WOよりも小さい幅WPを有する。言い換えると、開口部330は、対応する突出部1154、1156の幅WPよりも大きい幅WOを有する。この第1の例では、対向するラッチアーム320は、例えば外力Aが相手側コネクタ1に加えられ、内向きの力Bがもたらされると、互いに向かって動くことができるが、但し、第1及び第2の突出部1154、1156に当接するまでしか動くことができない。少なくとも一実施形態では、第1及び第2の突出部1154、1156は、対応する開口部330の幅WOに実質的に等しい幅WPを有する。言い換えると、開口部330は、対応する突出部1154、1156の幅WPに実質的に等しい幅WOを有する。この第2の例では、対向するラッチアーム320は、例えば外力Aが相手側コネクタに加えられ、内向きの力Bがもたらされたとき、互いに向かって動くことができない。少なくとも一実施形態では、第1及び第2の突出部1154、1156は、対応する開口部330の幅WOよりも大きい幅WPを有する。言い換えると、開口部330は、対応する突出部1154、1156の幅WPよりも小さい幅WOを有する。この第3の例では、対向するラッチアーム320は、例えば外力Aが相手側コネクタ1に加えられ、内向きの力Bがもたらされたとき、互いに向かって動くことができず、対向するラッチアーム320と第1及び第2の突出部1154、1156との間には干渉が存在する。3つ全ての例において、カバーラッチ304、306の第1のつめ部分312は、コネクタハウジング100の隆起110の終端部120と係合されたままであり、その結果、カバー300はコネクタハウジング100と係合されたままである。
少なくとも一実施形態では、第1及び第2の突出部1154、1156はそれぞれ、第1及び第2の端壁1110、1112に接続される。少なくとも一実施形態では、第1及び第2の突出部1154、1156の少なくとも1つはそれぞれ、第1及び第2の端壁1110、1112から離間している。少なくとも一態様では、少なくとも1つの突出部を対応する端壁から離間することによって、コネクタハウジング1100を形成する射出成形プロセスが容易になる。少なくとも一態様では、溶融したポリマー材料を金型キャビティに注入するのに使用される射出ゲートから離して、突出部を対応する端壁から離間することによって、射出成形プロセスの間、溶融したポリマー材料が流れて金型キャビティを充填する方向が変化する。このように溶融材料が流れる方向が変化することによって、射出ゲートから離れた端部における底壁1102の望ましくないニットラインが防止されて、この範囲の底壁1102がより丈夫になる。図21に示されるように、第1の突出部1154は第1の端壁1110に接続され、第2の突出部1156は第2の端壁1112から離間される。この例では、底壁1102の端部1102dは射出ゲートから離れた端部である。
少なくとも一実施形態では、底壁1102はその一端に、絶縁性コネクタハウジング1100の形成に適応するように構成された凹部1160を含む。少なくとも一態様では、凹部1160によって、コネクタハウジング1100を形成する射出成形プロセスが容易になる。少なくとも一態様では、射出ゲートから離れた凹部1160によって、射出成形プロセスの間、溶融したポリマー材料が流れて金型キャビティを充填する方向が変化する。このように溶融材料が流れる方向が変化することによって、射出ゲートから離れた端部における底壁1102の望ましくないニットラインが防止されて、この範囲の底壁1102がより丈夫になる。図21に示されるように、凹部1160は傾斜面を含み、底壁1102の端部1102dに位置付けられる。この例では、底壁1102の端部1102dは射出ゲートから離れた端部である。凹部1160は任意の好適な形状及びサイズを有してもよい。
図23は、本開示の一態様によるストレインリリーフの別の例示的な実施形態を示す。図23を参照すると、ストレインリリーフ1300は、例えば図11a〜11bに示されるようなストレインリリーフ500に似ている。ストレインリリーフ1300は、長手方向ベース部分1302と、ベース部分1302の両側面1302c、1302dから延在する第1及び第2の対向するストレインリリーフラッチ1306とを含む。各ストレインリリーフラッチ1306は、ベース部分1302の側部1302c、1302dから延在し、最初に上向きに湾曲し、次に下向きに湾曲し、下向きに延在するアーム部分1310で終端する、湾曲した接続部分1308を含む。アーム部分1310は、外向きに弾性的に撓んで、電気コネクタに対するストレインリリーフ1300のしっかりした取付けに適応するように構成される。少なくとも一実施形態では、ストレインリリーフ500と同様に、長手方向ベース部分1302は、その長手方向両側部1302a、1302bから上向きに延在する、湾曲した側面部分1304を含む。
ストレインリリーフ1300は、少なくとも以下の側面で、ストレインリリーフ500とは異なる。アーム部分1310は、例えば、電気コネクタのコネクタハウジング1100の第1及び第2の突出部1154、1156など、絶縁性コネクタハウジングの対応する突出部を受け入れるように構成される。少なくとも一態様では、開口部1358は、ストレインリリーフ1300のアーム部分1310と、コネクタハウジング1100の第1及び第2の突出部1154、1156との間の干渉を防止する。この開口部1358が存在することの利点は、図24に示されており、この図は、本開示の一態様によるストレインリリーフ及び電気コネクタの例示的な一実施形態を組み付けられた構成で示している。図24に示されるように、コネクタハウジング100に組み付けられたストレインリリーフ1300は、コネクタハウジング1100及び複数の接点1200を含む電気コネクタ3に組み付けられる。少なくとも一実施形態では、図24に示されるように、開口部1358は対応する突出部1154、1156よりも大きい。少なくとも一実施形態では、図24に示されるように、開口部1358は、対応する突出部1154、1156の形状に実質的に対応する形状を有する。この相対的なサイズ及び形状の両方によって、開口部とそれに対応する突出部との間にゆとりがもたらされる。少なくとも一態様では、構成要素の製造及び組立ての許容差を考慮して、この相対的なサイズ及び形状が決定される。
圧接(IDC)コネクタは、一般的に、複数の実質的に同一の絶縁導体又はワイヤを受け入れるように設計される。これらのワイヤは実質的に同一であるため、ワイヤを終端させるためのIDC接点、及びワイヤを位置決めするためのコネクタ内の任意の手段も、したがって同様に実質的に同一であり得る。しかしながら、例えば機械的性能、電気的性能、及びケーブル密度の分野において、改善された特性を有するケーブルに対して継続している需要は、異なるワイヤゲージ(例えば、AWGで規定される)を有するワイヤを含むケーブル設計に必然的に結び付く。ワイヤゲージの大きな差は、一般に、これらのゲージに適応する異なるIDC端子設計を要するが、IDC端子は一般に、例えば連続する2〜6のゲージ範囲など、連続するワイヤゲージの所定の範囲でワイヤを終端させるように設計される。したがって、複数の実質的に同一のIDC端子を備えたコネクタは、連続するワイヤゲージの所定の範囲内にある、異なるワイヤゲージを有する複数のワイヤを適切に終端させることができるはずである。しかしながら、これらのワイヤが終端に適するように位置決めされていない場合、これが当てはまらないことがある。異なるゲージを有するワイヤの配置、特に例えばドレインワイヤなど、絶縁ワイヤ及び非絶縁ワイヤの配置の適切な位置決めは、従来のIDCコネクタを使用した場合には困難なことがある。例えば、絶縁ワイヤ及び非絶縁ワイヤの配置では、非絶縁ワイヤは絶縁を有さず、したがって、絶縁ワイヤよりも外径がはるかに小さい。結果として、絶縁ワイヤが適切に終端していても、非絶縁ワイヤが、信頼性の高い接続を作るのに十分にIDC端子の中まで圧入されていないことがある。それに加えて、外径の違いによって、コネクタによる非絶縁ワイヤの不適当な支持が生じることがあり、そのことによって、例えば使用中の、ワイヤの動きからの保護が不適切になることがある。ワイヤの動きは、IDC端子内におけるワイヤの動きまたは応力へと転換されることがあり、その結果、ワイヤとIDC端子との間の電気的接続に不具合がもたらされることがある。これは、異なるゲージを有するワイヤの配置で起こることもある。
少なくとも一態様では、本開示は、少なくとも1つが少なくとも1つの他のものに対して垂直方向でオフセットされたワイヤ位置決め機構又はワイヤ位置決め開口部を含む、IDCコネクタを提供する。少なくとも一態様では、これらの機構又は開口部は、絶縁ワイヤ及び非絶縁ワイヤを、又は異なるゲージを有するワイヤを、実質的に同じ水平面上に位置決めする。このことにより、IDC端子が実質的に同一で、コネクタの実質的に同じ垂直高さに位置決めされたままであることが可能になり、それによってコネクタのコストを縮小することができる。それに加えて、これにより、全てのワイヤが適切に支持され、その結果、IDC端子内におけるワイヤの動き又は応力から適切に保護される。
図25〜28bは、本開示の一態様による電気コネクタの一実施形態を示す。電気コネクタ4は、複数の接点開口部1402を画成する絶縁性長手方向ベース1400を含む。接点開口部1402は、別個の離間した接点開口部であってもよく、ベース1400内で垂直方向に延在する。接点開口部1402は、複数の圧接(IDC)端子1500を支持するように構成される。ベース1400は、その上面1406上に配設された複数の第1のワイヤ位置決め機構1404を含む。第1のワイヤ位置決め機構1404は接点開口部1402付近に位置決めされる。電気コネクタ4はまた、ベース1400上に配設された絶縁性長手方向カバー1600を含む。カバー1600は、その下面1606上に配設された複数の第2のワイヤ位置決め機構1604を含む。複数の第1のワイヤ位置決め機構1404及び複数の第2のワイヤ位置決め機構1604は、垂直方向に沿ったワイヤ位置決め機構の対を規定する。ワイヤ位置決め機構の各対は、例えばケーブルの絶縁ワイヤ1802又は非絶縁ワイヤ1804など、ワイヤを受け入れ位置決めするように適合される。ワイヤ位置決め機構の各対は、第1のワイヤ位置決め機構1404及びそれに対応する第2のワイヤ位置決め機構1604を含む。少なくとも一実施形態では、ワイヤ位置決め機構の各対は、水平方向でワイヤを受け入れ位置決めするように適合されたワイヤ位置決め機構を含む。例えば、ワイヤをワイヤ溝1608、1610に入れると、ワイヤ溝の側部が、対応するIDC端子に対する終端に適切な間隔(ピッチ)でワイヤを位置決めするように、ワイヤを水平方向で受け入れ位置決めする。上面1406及び下面1606の一方に配設された少なくとも1つのワイヤ位置決め機構は、同じ面に配設された少なくとも1つの他のワイヤ位置決め機構に対して垂直方向でオフセットされる。図26に最も良く示されるように、少なくとも一実施形態では、第1のワイヤ位置決め機構1404はそれぞれ、対応する第2のワイヤ位置決め機構1604と整列される。
少なくとも一実施形態では、電気コネクタ4は複数のIDC端子1500を含む。各IDC端子1500は、ベース1400の対応する接点開口部1402内に配設される。各IDC端子1500は、接点開口部に対応する一対のワイヤ位置決め機構に受け入れられその中に位置決めされた、例えばケーブル1800の絶縁ワイヤ1802又は非絶縁ワイヤ1804など、ワイヤの導電性コアと接触するように適合される。IDC端子1500はそれぞれ、ワイヤの導電性コアと接触するように適合された接触部分1502を有する。少なくとも一態様では、この接触は機械的及び電気的の両方である。ワイヤを受け入れ固定するのを容易にするため、接触部分1502は、例えば図27に示されるような、引込1508を備えたスロット1506を有してもよい。スロット1506は、所定の範囲内のワイヤゲージを有するワイヤを受け入れ固定するのに適した任意の形状及びサイズを有してもよい。引込1508は、これらのワイヤを受け入れ案内するのに適した任意の形状及びサイズを有してもよい。IDC端子はそれぞれ、例えばプリント基板など、基板1700に対する終端に適した末端部分1504を有する。末端部分1504はIDC端子のタイプを規定するように構成される。少なくとも一実施形態では、IDC端子1500は貫通穴タイプの端子であり、そのため、はんだタイプの端子又は圧入タイプの端子のどちらかであることができる。少なくとも一態様では、貫通穴タイプの端子は、例えば基板1700のビア1702など、基板の導電性ビアに挿入し取り付けて、電気コネクタ4を基板に対して機械的及び電気的に接続するように構成される。少なくとも一実施形態では、IDC端子1500は表面取付け型の端子である。少なくとも一態様では、表面取付け型の端子は、基板(図示なし)上の導電性パッドに配置し取り付けて、電気コネクタ4を基板に対して機械的及び電気的に接続するように構成される。
少なくとも一実施形態では、ワイヤ位置決め機構の対1404、1604は、ワイヤ位置決め機構の対の単一の直線列を形成する。この一例が図25〜28bに示される。この例では、このワイヤ位置決め機構の対の単一の直線列は、電気コネクタ4の長さに沿って延在すると共に、電気コネクタ4の長さに沿って各列が延在する、IDC端子1500の複数の直線列に対応する。これを容易にするため、複数の接点開口部1402は、ワイヤ位置決め機構の対1404、1604の列に平行な、接点開口部の複数の直線列を形成する。少なくとも一実施形態では、このワイヤ位置決め機構の対の単一の直線列は、IDC端子1500の単一の直線列に対応する。これを容易にするため、複数の接点開口部1402は、ワイヤ位置決め機構の対1404、1604の列に平行な、接点開口部の単一の直線列を形成する。少なくとも一実施形態では、ワイヤ位置決め機構の対1404、1604は、ワイヤ位置決め機構の対の複数の直線列を形成する。これらのワイヤ位置決め機構の対の複数の直線列は、電気コネクタ4の長さに沿って延在すると共に、電気コネクタ4の長さに沿ってやはり延在する、IDC端子1500の複数の直線列に対応する。これを容易にするため、複数の接点開口部1402は、ワイヤ位置決め機構の対1404、1604の列に平行な、接点開口部の複数の直線列を形成する。少なくとも一実施形態では、これらのワイヤ位置決め機構の対の複数の直線列は、IDC端子1500の単一の直線列に対応する。これを容易にするため、複数の接点開口部1402は、ワイヤ位置決め機構の対1404、1604の列に平行な、接点開口部の単一の直線列を形成する。
少なくとも一実施形態では、第1のワイヤ位置決め機構1404はそれぞれ、ベース1400の上面1406に配設された平坦部分を含み、第2のワイヤ位置決め機構1604はそれぞれ、カバー1600の下面1606に配設されたワイヤ溝を含む。かかる実施形態の一例が図25〜28bに示される。他の実施形態では、第1及び第2のワイヤ位置決め機構は、例えば所定のワイヤ又はケーブル構成に合致させるため、意図される用途に適切な、平坦部分又はワイヤ溝を含んでもよい。例えば、少なくとも一実施形態では、第1のワイヤ位置決め機構1404はそれぞれ、ベース1400の上面1406に配設されたワイヤ溝を含み、第2のワイヤ位置決め機構1604はそれぞれ、カバー1600の下面1606に配設された平坦部分を含む。少なくとも一態様では、これは事実上、図示される第1のワイヤ位置決め機構1404をカバー1600に含むこと、及び図示される第2のワイヤ位置決め機構1604をベース1400に含むことを含む。少なくとも一実施形態では、第1のワイヤ位置決め機構1404はそれぞれ、ベース1400の上面1406に配設された平坦部分を含み、第2のワイヤ位置決め機構1604はそれぞれ、カバー1600の下面1606に配設された平坦部分を含む。少なくとも一態様では、これは事実上、図示される第1のワイヤ位置決め機構1404をベース1400及びカバー1600の両方に含むことを含む。少なくとも一実施形態では、第1のワイヤ位置決め機構1404はそれぞれ、ベース1400の上面1406に配設されたワイヤ溝を含み、第2のワイヤ位置決め機構1604はそれぞれ、カバー1600の下面1606に配設されたワイヤ溝を含む。少なくとも一態様では、これは事実上、図示される第2のワイヤ位置決め機構1604をベース1400及びカバー1600の両方に含むことを含む。
図27に最も良く示されるように、少なくとも一実施形態では、複数の第1のワイヤ位置決め機構1404は、ベース1400の長手方向両端部1400a、1400bに第1の平坦面1406aと、第1の平坦面1406aの間に第2の平坦面1406bとを含む。第1の平坦面1406aは第2の平坦面1406bに対して高くなっている。少なくとも一態様では、第1の平坦面1406aがこのように高くなっていることにより、非絶縁ワイヤ1804を第1の平坦面1406aによって適切に支持することが可能になり、絶縁ワイヤ1802を第2の平坦面1406bによって適切に支持することができる。図示される実施形態では、第1の平坦面1406aはそれぞれ、2本の非絶縁ワイヤ1804を支持するように構成され(但し、図25〜26では、1つの非絶縁ワイヤのみが示されている)、第2の平坦面1406bはそれぞれ、18本の絶縁ワイヤ1802を支持するように構成される(但し、図25〜26では、13本の絶縁ワイヤのみが示されている)。
図28aに最も良く示されるように、少なくとも一実施形態では、複数の第2のワイヤ位置決め機構1604は、カバー1600の長手方向両端部1600a、1600bに第1の平坦面1606aと、第1の平坦面1604aの間に第2の平坦面1606bとを含む。第1の平坦面1606aは第2の平坦面1606bに対して高くなっている。少なくとも一態様では、第1の平坦面1606aがこのように高くなっていることにより、非絶縁ワイヤ1804を第1の平坦面1606aによって適切に支持することが可能になり、絶縁ワイヤ1802を第2の平坦面1606bによって適切に支持することができる。図示される実施形態では、第1の平坦面1606aはそれぞれ、2本の非絶縁ワイヤ1804を支持するように構成され、第2の平坦面1606bはそれぞれ、18本の絶縁ワイヤ1802を支持するように構成される。少なくとも一実施形態では、また例えば図28aに示されるように、複数の第2のワイヤ位置決め機構1604は、第1の平坦面1606aに配設された複数の第1のワイヤ溝1608と、第2の平坦面1606bに配設された複数の第2のワイヤ溝1610とを含む。この実施形態では、例えば、より小さい外径の(非絶縁)ワイヤを受け入れるため、第1のワイヤ溝1608は第2のワイヤ溝1610よりも小さい。
複数の第1又は第2のワイヤ位置決め機構が複数のワイヤ溝を含む、本開示の態様による電気コネクタの例示的な実施形態では、複数のワイヤ溝は、複数の第1のワイヤ溝及び複数の第2のワイヤ溝を含んでもよく、第1のワイヤ溝の谷部分は第1の面内にあり、第2のワイヤ溝の谷部分は、第1の面から垂直方向にオフセットされた第2の面内にある。例えば、図28aを参照すると、第1のワイヤ溝1608の谷部分は第1の平坦面1606aに平行な第1の面内にあり、第2のワイヤ溝1610の谷部分は第2の平坦面1606aに平行な第2の面内にある。図26に最も良く示されるように、第2の面は第1の面から垂直方向にオフセットされる。少なくとも一態様では、この垂直方向のオフセットにより、非絶縁ワイヤ1804又はより小さい外径若しくはワイヤゲージを有するワイヤを、第1のワイヤ溝1608によって適切に支持することが可能になり、絶縁ワイヤ1802又はより大きい径若しくはワイヤゲージを有するワイヤは、第2のワイヤ溝1610によって適切に支持することができる。
複数の第1又は第2のワイヤ位置決め機構が複数の平坦部分を含む、本開示の態様による電気コネクタの例示的な実施形態では、複数の平坦部分は、複数の第1の平坦部分及び複数の第2の平坦部分を含んでもよく、第1の平坦部分は第1の面内にあり、第2の平坦部分は、第1の面から垂直方向にオフセットされた第2の面内にある。例えば、図27を参照すると、第1の平坦部分1408は第1の平坦面1406aに平行な第1の面内にあり、第2の平坦部分1410は第2の平坦面1406aに平行な第2の面内にある。図26に最も良く示されるように、第2の面は第1の面から垂直方向にオフセットされる。少なくとも一態様では、この垂直方向のオフセットにより、非絶縁ワイヤ1804又はより小さい外径若しくはワイヤゲージを有するワイヤを、第1の平坦部分1408によって適切に支持することが可能になり、絶縁ワイヤ1802又はより大きい径若しくはワイヤゲージを有するワイヤは、第2の平坦部分1410によって適切に支持することができる。
少なくとも一態様では、電気コネクタ4は、例えば絶縁ワイヤ1802及び非絶縁ワイヤ1804など、複数のワイヤを受け入れ固定する、水平方向で中を延在する複数の別個の離間したワイヤ位置決め機構4aを画成する。それに加えて、電気コネクタ4は、複数の圧接(IDC)端子1500を受け入れる、垂直方向で中を延在する複数の別個の離間した接点開口部1402を画成する。各ワイヤ位置決め開口部4aは、それに対応する別々の接点化郁夫部1402に対応し、整列される。接点開口部1402に受け入れられるIDC端子1500は、接点開口部1402に対応するワイヤ位置決め開口部4aに受け入れられ固定されたワイヤの導電性コアと接触するように適合される。少なくとも1つのワイヤ位置決め開口部4aは、少なくとも1つの他のワイヤ位置決め開口部4aに対して垂直方向でオフセットされる。
少なくとも一実施形態では、複数の別個の離間したワイヤ位置決め開口部4aは、開口部の単一の第1の直線列を形成し、複数の別個の離間した接点開口部1402は、開口部の第1の列に平行な開口部の単一の第2の直線列を形成する。ワイヤ位置決め機構の対1404、1604と同様に、ワイヤ位置決め開口部4aは、開口部の単一又は複数の第1の直線列を形成してもよく、接点開口部1402は、開口部の単一又は複数の第1の直線列に平行な、開口部の単一又は複数の第2の直線列を形成してもよい。
少なくとも一実施形態では、カバー1600の下面1606はベース1400の上面1406に面し、各ワイヤ位置決め開口部4aに関して、ワイヤ位置決め開口部の一部はベース1400の上面1406に画成され、ワイヤ位置決め開口部の別の一部はカバー1600の下面1606に画成される。
本明細書のいずれかの場所に記載するワイヤ位置決め機構と同様に、複数のワイヤ位置決め開口部4aは複数のワイヤ溝を含んでもよく、複数のワイヤ溝は、複数の第1のワイヤ溝及び複数の第2のワイヤ溝を含んでもよく、第1のワイヤ溝の谷部分は第1の面内にあり、第2のワイヤ溝の谷部分は、第1の面から垂直方向にオフセットされた第2の面内にある。やはり本明細書のいずれかの場所に記載するワイヤ位置決め機構と同様に、各ワイヤ位置決め開口部4aは、水平方向でワイヤを受け入れ位置決めするように適合されてもよい。
次に図28a〜28bを参照すると、少なくとも一実施形態では、電気コネクタ4は、第1及び第2のカバーラッチ1612と第1及び第2のベースラッチ1412とを含む。カバーラッチ1612は、カバー1600の長手方向両端部1600a、1600bから垂直方向で延在する。ベースラッチ1412は、ベース1400の長手方向両端部1400a、1400bから垂直方向で延在する。第1及び第2のカバーラッチ1612はそれぞれ、第1及び第2のベースラッチ14124に係合して、カバー1600をベース1400に対して固定するように構成される。少なくとも一実施形態では、第1及び第2のカバーラッチ1612はそれぞれ、その側面に配設された第1及び第2のつめ部分1614、1616を含む。第1のつめ部分1614が第1及び第2のベースラッチ1412に係合すると、カバー1600は(例えば、図28aに示されるような)開位置で保持され、第2のつめ部分1616が第1及び第2のベースラッチ1412に係合すると、カバー1600は(例えば、図28bに示されるような)閉位置で保持される。少なくとも一態様では、コネクタ4は、エンドユーザに対して開位置で保持されたカバー1600を備えてもよく、エンドユーザは次に、別個のワイヤ又はケーブルをコネクタに挿入して終端させてもよい。別個のワイヤ又はケーブルをコネクタに挿入した後、エンドユーザは次に、例えば手で、又はプレス器具を使用することにより、カバー1600及びベース1400を共に押し下げることによってコネクタを「閉じて」、別個のワイヤ又はケーブルをIDC端子1500に対して終端させ、第2のつめ部分1616と第1及び第2のベースラッチ1412とに係合してもよい。この組み付けられた構成では、カバー1600及びベース1400は、ワイヤの終端部をIDC端子に固定すると共に、例えば使用の際にワイヤ若しくはケーブルが動いた結果としての、損傷又は故障から終端部を保護する。
第1及び第2のつめ部分1614、1616は、意図される用途に適した任意の構成を有してもよい。例えば、第1及び第2のつめ部分1614、1616は、例えば図示されるような第1のつめ部分1614など、単一のつめ部分を含んでもよく、又は、例えば図示されるような第2のつめ部分1616など、複数の別個のつめ部分を含んでもよい。第1及び第2のつめ部分1614、1616は、第1及び第2のベースラッチ1412との係合を可能にする、図示されるような傾斜機構を有してもよい。例えば傾斜の角度及びつめ部分の高さなど、設計的な側面は、カバー1600をベース1400に組み付けるのに要する適切な力、及びカバー1600をベース1400から離脱するのに要する適切な力を提供するように選択されてもよい。
第1及び第2のベースラッチ1412は、意図される用途に適した任意の構成を有してもよい。例えば、少なくとも一実施形態では、第1及び第2のベースラッチ1412はそれぞれ、ベース1400から延在する一対の対向するラッチアーム1414と、ベース1400から離れた端部で対向するラッチアーム1414を接続するブリッジ部分1416とを含む。少なくとも一態様では、対向するラッチアーム1414は、ベースラッチに対して弾性を提供すると共に、例えばカバーラッチと係合するとき、ベースラッチが外向きに弾性的に動くことを可能にするように機能する。例えば、ラッチアームの長さ、断面、及び材料など、設計的な側面は、ベースラッチを外向きに弾性的に動かすのに要する適切な力を提供するように選択されてもよく、これは、カバー1600をベース1400に組み付けるのに要する力、及びカバー1600をベース1400から離脱するのに要する力に影響する。少なくとも一態様では、ブリッジ部分1416は、第1及び第2のつめ部分1614、1616と係合するように構成される。少なくとも一態様では、カバー1600に対する第1及び第2のつめ部分1614、1616の位置、及びベース1400に対するブリッジ部分1416の位置は、開位置及び閉位置におけるカバー1600とベース1400との間の好適な間隔を提供するように選択されてもよい。
少なくとも一実施形態では、第1及び第2のカバーラッチ1612はそれぞれ、第1及び第2のベースラッチ1412に係合して、カバー1600をベース1400に対して横方向で位置決めするように構成される。例えば図28a〜28bに示されるように、例えば、第1及び第2のベースラッチの対向するラッチアーム1414は、第1及び第2のカバーラッチ1612が、カバー1600をベース1400に組み付ける間、カバー1600を横方向で位置決めし案内するための、ガイドとして機能してもよい。少なくとも一態様では、第1及び第2のカバーラッチ1612並びに第1及び第2のベースラッチ1412は、閉位置におけるカバー1600とベース1400との間の間隔を制御する停止部を提供すると共に、IDC端子に対するワイヤの過剰終端(over-terminating)を防止するように設計されてもよい。
図25〜26を参照すると、本開示の一態様で使用されるタイプのケーブル1800は、単一のワイヤケーブル(例えば、単一の同軸若しくは単一の二芯同軸)、複数の単一のワイヤケーブル、又は複数のワイヤケーブル(例えば、複数の同軸、複数の二芯同軸、若しくは単一の二芯同軸)であることができる。ケーブル1800は複数の別個のワイヤから成ってもよい。複数のワイヤは、絶縁ワイヤ及び非絶縁ワイヤを含んでもよく、例えば、コア材料、コア構成(例えば、撚り線、単線)、コアの直径/サイズ/形状、絶縁材料、絶縁構成(例えば、多孔質、中空、中実)、並びに絶縁材の直径/サイズ/形状など、異なる設計的な側面を有するワイヤを含んでもよい。
図25〜26に示されるケーブル1800の実施形態は、ほぼ単一平面に配置された複数の離間された導体の組を含む。導体の各組は、複数の実質的に平行な長手方向の絶縁ワイヤ1802を含む。絶縁ワイヤ1802は、絶縁信号ワイヤ、絶縁電源ワイヤ、又は絶縁接地ワイヤを含んでもよい。2つのほぼ平行な遮蔽膜(図示なし)が導体の組の周りに配設されてもよい。順応性接着層(図示なし)が遮蔽膜の間に配設されて、導体の各組の両側で遮蔽膜を互いに結合させてもよい。一実施形態では、導体の組は実質的に曲線状の断面形状を有し、遮蔽膜は、その断面形状に実質的に適応すると共にそれを維持するように、導体の組の周りに配設される。断面形状を維持することによって、導体の組の電気的特性が、導体の組の設計において意図されるように維持される。このことは、導体の組の周りに導電性遮蔽体を配設することによって導体の組の断面形状が変化する、一部の従来の遮蔽付き電気ケーブルを上回る利点である。
図25〜26に示される実施形態では、ケーブル1800は、2本の絶縁ワイヤ1802を含む四組の導体と5本の絶縁ワイヤ1802を含む一組の導体とを含むが、他の実施形態では、ケーブル1800は任意の好適な数の導体の組を含んでもよく、導体の各組は1本以上の絶縁ワイヤ1802を含んでもよい。導体の組及び絶縁ワイヤ1802の配置におけるこの柔軟性によって、ケーブル1800を意図される用途に好適なように構成することが可能になる。例えば、導体の組及び絶縁ワイヤ1802は、複数の二芯同軸ケーブル、即ち2本の絶縁ワイヤ1802を含む複数の導体の組、複数の同軸ケーブル、即ち1本の絶縁ワイヤ1802をそれぞれ含む複数の導体の組、又はそれらの組み合わせを形成するように構成されてもよい。他の実施形態では、導体の組は、1つ以上の絶縁ワイヤ1802の周りに配設される導電性遮蔽体(図示なし)と、導電性遮蔽体の周りに配設される絶縁性ジャケット(図示なし)とを更に含んでもよい。
図25〜26に示される実施形態では、ケーブル1800は、長手方向の非絶縁ワイヤ1804を更に含む。非絶縁ワイヤ1804は、接地ワイヤ又はドレインワイヤを含んでもよい。非絶縁ワイヤ1804は、絶縁ワイヤ1802から離間すると共に、それと実質的陰同じ方向で延在する。導体の組及び非絶縁ワイヤ1804は、ほぼ単一面内に配置される。遮蔽膜(図示なし)が非絶縁ワイヤ1804の周りに配設されてもよく、順応性接着層(図示なし)が、非絶縁ワイヤ1804の両側で遮蔽膜を互いに結合させてもよい。非絶縁ワイヤ1804は遮蔽膜の少なくとも1つに電気的に接触してもよい。図25〜26に示される実施形態では、ケーブル1800は、ケーブルの横方向端部に位置する2本の非絶縁ワイヤ1804を含むが、他の実施形態では、ケーブル1800は、任意の好適な数の非絶縁ワイヤ1804を含んでもよく、非絶縁ワイヤ1804は、例えばケーブルの横方向端部、又は導体の組の間など、ケーブルの任意の好適な場所に位置決めされてもよい。
本開示の態様による電気コネクタと共に使用することができるケーブルの例が、米国特許出願公開第2012/0090866 A1号、第2012/0090872 A1号、第2012/0097421 A1号、及び第2012/0090873 A1号に図示され記載されており、それらの全体をそれぞれ参照により本明細書に援用する。
少なくとも一実施形態では、ケーブル1800は、1つ以上の実質的に平行な長手方向の絶縁導体を含む導体の組と、導体の組の周りに配設された2つのほぼ平行な遮蔽膜と、遮蔽膜の間に配設され、導体の組の両側で遮蔽膜を互いに結合する順応性接着層とを含み、遮蔽膜の間の結合が、絶縁導体と遮蔽膜との間の結合よりも強い、遮蔽された電気ケーブルを含む。
少なくとも一実施形態では、ケーブル1800は、1つ以上の実質的に平行な長手方向の絶縁導体を各組が含む、複数の離間した導体の組と、絶縁導体と実質的に同じ方向で延在する少なくとも1つの長手方向の接地導体と、導体の組及び少なくとも1つの長手方向の接地導体の周りに配設された2つのほぼ平行な遮蔽膜と、遮蔽膜の間に配設され、導体の各組の両側で遮蔽膜を互いに結合する順応性接着層と、導体の組の間に配設されそれらを分離する複数の長手方向のスプリットとを含む、遮蔽された電気ケーブルを含む。
少なくとも一実施形態では、ケーブル1800は、1つ以上の実質的に平行な長手方向の絶縁導体を含む導体の組と、導体の組の周りに配設されると共に、第1の断面積を有する導体の少なくとも1つと実質的に同心である同心部分、及び遮蔽膜が実質的に平行である平行部分を含む、2つのほぼ平行な遮蔽膜と、遮蔽膜及び導体の組によって画成されると共に、遮蔽膜の同心部分と平行部分との間に緩やかな移行を提供する、移行部分とを含み、移行部分が、2つの遮蔽膜が導体の少なくとも1つと実質的に同心である状態から偏移する第1の移行地点と、2つの遮蔽膜が実質的に平行である状態から偏移する第2の移行地点との間の面積として規定される、第2の断面積を含み、第2の断面積が第1の断面積以下である、遮蔽された電気ケーブルを含む。
少なくとも一実施形態では、ケーブル1800は、ほぼ単一面内に配置され、1つ以上の実質的に平行な長手方向の絶縁導体を各組が含む、複数の離間した導体の組と、導体の組の周りに配設されると共に、第1の断面積を有する導体の少なくとも1つと実質的に同心である複数の同心部分、及び遮蔽膜が実質的に平行である複数の平行部分を含む、2つのほぼ平行な遮蔽膜と、遮蔽膜及び導体の組によって画成されると共に、遮蔽膜の同心部分と平行部分との間に緩やかな移行を提供する、複数の移行部分とを含み、移行部分が、2つの遮蔽膜が導体の少なくとも1つと実質的に同心である状態から偏移する第1の移行地点と、2つの遮蔽膜が実質的に平行である状態から偏移する第2の移行地点との間の面積として規定される、第2の断面積を含み、第2の断面積が第1の断面積以下である、遮蔽された電気ケーブルを含む。
少なくとも一実施形態では、ケーブル1800は、1つ以上の実質的に平行な長手方向の絶縁導体を含む導体の組と、導体の組の周りに配設されると共に、遮蔽膜が実質的に平行である平行部分を含む、2つのほぼ平行な遮蔽膜とを含み、平行部分が導体の組を電気的に隔離するように構成される、遮蔽された電気ケーブルを含む。
少なくとも一実施形態では、ケーブル1800は、1つ以上の実質的に平行な長手方向の絶縁導体を各組が含む、ほぼ単一面内に配置された少なくとも2つの離間した導体の組と、導体の組の周りに配設されると共に、遮蔽膜が実質的に平行である平行部分を含む、2つのほぼ平行な遮蔽膜とを含み、平行部分が隣接した導体の組を互いから電気的に隔離するように構成される、遮蔽された電気ケーブルを含む。
少なくとも一実施形態では、ケーブル1800は、少なくとも1つの長手方向の接地導体と、接地導体と実質的に同じ方向で延在する電気物品と、接地導体及び電気物品の周りに配設された2つのほぼ平行な遮蔽膜とを含む、遮蔽された電気ケーブルを含む。
少なくとも一実施形態では、ケーブル1800は、2つの離間した実質的に平行な長手方向の接地導体と、接地導体の間に位置決めされると共に、接地導体と実質的に同じ方向で延在する電気物品と、接地導体及び電気物品の周りに配設された2つのほぼ平行な遮蔽膜とを含む、遮蔽された電気ケーブルを含む。
少なくとも一実施形態では、ケーブル1800は、1つ以上の実質的に平行な長手方向の絶縁導体を含む導体の組と、導体の組を部分的に被覆するカバー部分、及び導体の組の両側から延在する平行部分を含む、遮蔽膜と、導体の組を部分的に露出させたまま、遮蔽膜のカバー部分とは反対側で導体の組を部分的に被覆する、非導電性支持体とを含む、遮蔽された電気ケーブルを含む。
少なくとも一実施形態では、ケーブル1800は、1つ以上の実質的に平行な長手方向の絶縁導体を各組が含む、ほぼ単一面内に配置された複数の離間した導体の組と、導体の組を部分的に被覆する複数のカバー部分、及び隣接した導体の組の間に配設されると共に隣接した導体の組を互いから電気的に隔離するように構成された平行部分を含む、遮蔽膜とを含み、平行部分が絶縁導体の直径の約3分の1よりも深い位置に位置決めされる、遮蔽された電気ケーブルを含む。
少なくとも一態様では、電気コネクタ4は、意図される用途に適するように、その終端部又はその中央部分でケーブル1800に組み付けられてもよい。少なくとも一態様では、複数の電気コネクタ4が単一のケーブル1800に対して、また好適な配向で組み付けられてもよく、即ち、各コネクタに対するケーブル1800の上面及びその反対側の下面を規定する際、カバー1600は、ケーブル1800の上面(ベース1400が下面に位置決めされる場合)又はケーブル1800の下面(ベース1400が上面に位置決めされる場合)に位置決めされてもよい。
本開示の態様によるワイヤ位置決め機構及びワイヤ位置決め開口部は、遮蔽膜の間に配設されたワイヤ(絶縁若しくは非絶縁)(「遮蔽されたワイヤ」)、及び遮蔽膜の間に配設されないワイヤ(「遮蔽されていないワイヤ」)を受け入れるようにサイズ決めされてもよい。遮蔽されたワイヤは、IDC端子に対して終端されて、遮蔽膜、遮蔽されたワイヤ(例えば、絶縁接地ワイヤ、非絶縁接地ワイヤ、若しくは非絶縁ドレインワイヤ)、及びIDC端子の間に、電気接続(例えば、接地接続)を作成してもよい。このように、遮蔽膜はIDC端子を介して電気的に接地させることができる。少なくとも一態様では、遮蔽膜の一部は、ワイヤの終端部又はワイヤの中央部分のどちらかで、例えばストリッピングによって、ワイヤのIDC終端範囲において除去されてもよい。これによって事実上、この範囲に遮蔽されていないワイヤがもたらされる。このワイヤ(例えば、絶縁信号ワイヤ、絶縁電源ワイヤ、若しくは絶縁接地ワイヤ)は、次に、遮蔽膜に対する電気的接続又は短絡を作り出すことなく、IDC端子に対して終端されてもよい。
下記は、本開示の態様による電気コネクタの例示的な実施形態である。
実施形態1は、電気コネクタであって、電気コネクタ内で垂直方向に延在し、複数の圧接(IDC)端子を支持する複数の接点開口部を画成する絶縁性の長手方向ベースであって、上面に配設されると共に接点開口部付近に位置決めされた複数の第1のワイヤ位置決め機構を含む、ベースと、ベース上に配設され、下面に配設された複数の第2のワイヤ位置決め機構を含む絶縁性の長手方向カバーと備え、複数の第1のワイヤ位置決め機構及び複数の第2のワイヤ位置決め機構が垂直方向に沿ったワイヤ位置決め機構の対を規定し、ワイヤ位置決め機構の各対が、ワイヤを受け入れ位置決めするように適合されると共に、第1のワイヤ位置決め機構及び対応する第2のワイヤ位置決め機構を備え、上面及び下面の一方に配設された少なくとも1つのワイヤ位置決め機構が、同じ面に配設された少なくとも1つの他のワイヤ位置決め機構に対して垂直方向でオフセットされる、電気コネクタである。
実施形態2は、第1のワイヤ位置決め機構がそれぞれ、対応する第2のワイヤ位置決め機構と整列される、実施形態1の電気コネクタである。
実施形態3は、複数のIDC端子を更に備え、各IDC端子が、対応する接点開口部内に配設されると共に、接点開口部に対応するワイヤ位置決め機構の対に受け入れられその中に位置決めされたワイヤの導電性コアと接触するように適合された、実施形態1の電気コネクタである。
実施形態4は、ワイヤ位置決め機構の対が、ワイヤ位置決め機構の対の単一の直線列を形成し、複数の接点開口部が、ワイヤ位置決め機構の対の列に平行な接点開口部の単一の直線列を形成する、実施形態1の電気コネクタである。
実施形態5は、第1のワイヤ位置決め機構がそれぞれ、ベースの上面に配設された平坦部分を含み、第2のワイヤ位置決め機構がそれぞれ、カバーの下面に配設されたワイヤ溝を含む、実施形態1の電気コネクタである。
実施形態6は、第1のワイヤ位置決め機構がそれぞれ、ベースの上面に配設されたワイヤ溝を含み、第2のワイヤ位置決め機構がそれぞれ、カバーの下面に配設された平坦部分を含む、実施形態1の電気コネクタである。
実施形態7は、第1のワイヤ位置決め機構がそれぞれ、ベースの上面に配設された平坦部分を含み、第2のワイヤ位置決め機構がそれぞれ、カバーの下面に配設された平坦部分を含む、実施形態1の電気コネクタである。
実施形態8は、第1のワイヤ位置決め機構がそれぞれ、ベースの上面に配設されたワイヤ溝を含み、第2のワイヤ位置決め機構がそれぞれ、カバーの下面に配設されたワイヤ溝を含む、実施形態1の電気コネクタである。
実施形態9は、複数の第1のワイヤ位置決め機構が、ベースの長手方向両端部にある第1の平坦面と、第1の平坦面の間の第2の平坦面とを含み、第1の平坦面が第2の平坦面に対して高くなっている、請求項1の電気コネクタである。
実施形態10は、複数の第2のワイヤ位置決め機構が、カバーの長手方向両端部にある第1の平坦面と、第1の平坦面の間の第2の平坦面とを含み、第1の平坦面が第2の平坦面に対して高くなっている、請求項1の電気コネクタである。
実施形態11は、複数の第2のワイヤ位置決め機構が、第1の平坦面に配設された複数の第1のワイヤ溝と、第2の平坦面に配設された複数の第2のワイヤ溝とを含み、第1のワイヤ溝が第2のワイヤ溝よりも小さい、実施形態10の電気コネクタである。
実施形態12は、複数の第1又は第2のワイヤ位置決め機構が複数のワイヤ溝を含む、実施形態1の電気コネクタである。
実施形態13は、複数のワイヤ溝が複数の第1のワイヤ溝及び複数の第2のワイヤ溝を含み、第1のワイヤ溝の谷部分が第1の面内にあり、第2のワイヤ溝の谷部分が、第1の面から垂直方向でオフセットされた第2の面内にある、実施形態12の電気コネクタである。
実施形態14は、複数の第1又は第2のワイヤ位置決め機構が複数の平坦部分を含む、実施形態1の電気コネクタである。
実施形態15は、複数の平坦部分が複数の第1の平坦部分及び複数の第2の平坦部分を含み、第1の平坦部分が第1の面内にあり、第2の平坦部分が、第1の面から垂直方向でオフセットされた第2の面内にある、実施形態14の電気コネクタである。
実施形態16は、ワイヤ位置決め機構の各対が、ワイヤを水平方向で受け入れ位置決めするように適合されたワイヤ位置決め機構を含む、実施形態1の電気コネクタである。
実施形態17は、電気コネクタであって、電気コネクタ内で水平方向に延在し、複数のワイヤを受け入れ固定する複数の別個の離間したワイヤ位置決め開口部と、電気コネクタ内で垂直方向に延在し、複数の圧接(IDC)端子を受け入れる複数の別個の離間した接点開口部であり、各ワイヤ位置決め開口部が、別の対応する接点開口部に対応すると共にそれと整列され、接点開口部に受け入れられたIDC端子が、接点開口部に対応するワイヤ位置決め開口部に受け入れられ固定されたワイヤの導電性コアと接触するように適合され、少なくとも1つのワイヤ位置決め開口部が少なくとも1つの他のワイヤ位置決め開口部に対して垂直方向でオフセットされる、複数の別個の離間した接点開口部と、を画成する、電気コネクタである。
実施形態18は、複数の別個の離間したワイヤ位置決め開口部が、開口部の単一の第1の直線列を形成し、複数の別個の離間した接点開口部が、開口部の第1の列に平行な開口部の単一の第2の直線列を形成する、実施形態17の電気コネクタである。
実施形態19は、ベース及びベース上に配設されたカバーを備え、カバーの下面がベースの上面に面し、ベースが、ベース内で垂直方向に延在する複数の別個の離間した接点開口部を画成し、各ワイヤ位置決め開口部に関して、ワイヤ位置決め開口部の一部がベースの上面に画成され、ワイヤ位置決め開口部の別の一部がカバーの下面に画成される、実施形態17の電気コネクタである。
実施形態20は、複数のワイヤ位置決め開口部が複数のワイヤ溝を含む、実施形態17の電気コネクタである。
実施形態21は、複数のワイヤ溝が複数の第1のワイヤ溝及び複数の第2のワイヤ溝を含み、第1のワイヤ溝の谷部分が第1の面内にあり、第2のワイヤ溝の谷部分が、第1の面から垂直方向でオフセットされた第2の面内にある、実施形態20の電気コネクタである。
実施形態22は、各ワイヤ位置決め開口部が、ワイヤを水平方向で受け入れ位置決めするように適合された、実施形態17の電気コネクタである。
実施形態23は、カバーの長手方向両端部から垂直方向に延在する第1のカバーラッチ及び第2のカバーラッチと、ベースの長手方向両端部から垂直方向に延在する第1のベースラッチ及び第2のベースラッチとを更に含み、第1のカバーラッチ及び第2のカバーラッチがそれぞれ、第1のベースラッチ及び第2のベースラッチに係合して、カバーをベースに対して固定するように構成された、実施形態1又は実施形態17の電気コネクタである。
実施形態24は、第1及び第2のカバーラッチが、それぞれその側面に配設された第1のつめ部分及び第2のつめ部分を含み、第1のつめ部分が第1のベースラッチ及び第2のベースラッチに係合すると、カバーが開位置で保持され、第2のつめ部分が第1のベースラッチ及び第2のベースラッチに係合すると、カバーが閉位置で保持される、実施形態23の電気コネクタである。
実施形態25は、第1のベースラッチ及び第2のベースラッチがそれぞれ、ベースから延在する一対の対向するラッチアームと、対向するラッチアームをベースから離れた端部で接続するブリッジ部分とを含む、実施形態23の電気コネクタである。
実施形態26は、第1のカバーラッチ及び第2のカバーラッチがそれぞれ、第1のベースラッチ及び第2のベースラッチに係合して、カバーをベースに対して横方向で位置決めするように構成された、実施形態23の電気コネクタである。
本明細書に記載する実施形態及び実現例それぞれにおいて、電気コネクタの様々な構成要素及びそれらの要素は任意の好適な材料で形成される。材料は、意図される用途に応じて選択され、金属及び非金属の両方(例えば、ポリマー、ガラス、及びセラミックスを含むがそれらに限定されない、非導電性材料のいずれか1つ又はそれらの組み合わせ)を含んでもよい。少なくとも一実施形態では、例えばラッチ900などの、一部の構成要素、並びに例えばコネクタハウジング100、カバー300、コネクタハウジング600、コネクタハウジング1100、ベース1400、及びカバー1600など、電気的に絶縁性の構成要素は、射出成形、押出し、鋳造、機械加工などの方法によって、ポリマー材料で形成され、例えばストレインリリーフ500及び500’、保持クリップ800、ピボットピン100、ストレインリリーフ1300などの、他の構成要素、並びに例えば電気背点端子200、200’、及び200”、導電体402、電気コンタクトピン700、接点1200、及びIDC端子1500など、導電性の構成要素は、成形、鋳造、スタンピング、機械加工などの方法によって、金属で形成される。材料の選択は、数例を挙げると、化学物質への曝露条件、温度及び湿度条件を含む環境への曝露条件、難燃性要件、材料強度、並びに剛性を含むがそれらに限定されない要因によって決まる。
別途記載のない限り、本明細書及び特許請求の範囲において使用される量、特性の測定値などを表す全ての数は、「約」という用語によって修飾されているものとして理解されるべきである。したがって、それに反する示唆がない限り、本明細書及び特許請求の範囲に記載される数値的パラメータは、本出願の教示を利用する当業者が得ようとする所望の特性に応じて異なり得る近似的な値である。特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限しようとするものではないが、各数値的パラメータは、少なくとも記載される有効桁数を考慮し、更に一般的な四捨五入法を適用することによって解釈されるべきである。本発明の広義の範囲を示す数値的範囲及びパラメータは近似的な値ではあるが、任意の数値が本明細書に論じられる具体例に記載される限りにおいて、これらは妥当な程度に可能な範囲で精確に記載されるものである。しかしながら、いかなる数値も試験又は測定限界にともなう誤差を含み得るものである。
好ましい実施形態を説明する目的で、具体的な実施形態について本明細書で例証し記載してきたが、同じ目的を達成することが予測される多種多様な代替及び/又は等価の実現例が、本開示の範囲から逸脱することなく、図示され記載される特定の実施形態と置き換えられてもよいことが、当業者には理解されるであろう。機械、電気機械、及び電気分野の当業者であれば、本開示が非常に広範な実施形態で実現されてもよいことを容易に理解するであろう。本出願は、本明細書で検討した好ましい実施形態のあらゆる適合例又は変形例を網羅することを目的としたものである。したがって、本発明は特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定されるものである点を明記しておく。