JP2017062961A - 蓄電装置用負極および蓄電装置 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1ではリチウム塩としてリチウムビスフルオロスルホニルイミドが用いられ、特許文献2ではリチウム塩としてLiPF6および/またはLiBF4が用いられている。
そこで、製造時におけるフッ化水素の発生を抑制しつつ蓄電装置の性能の更なる向上を図り得る技術が望まれている。
下記一般式(1)で表される金属塩を含む負極活物質層を有する、負極である。
(R1SO2)(R2SO2)NLi………一般式(1)
(R1およびR2はそれぞれ独立してフルオロアルキル基またはアルキル基である。
また、R1およびR2は、互いに結合して環を形成しても良い。)
下記一般式(1)で表される金属塩を含む負極活物質層を有する、負極である。
(R1SO2)(R2SO2)NLi………一般式(1)
(R1およびR2はそれぞれ独立してフルオロアルキル基またはアルキル基である。
また、R1およびR2は、互いに結合して環を形成しても良い。)
本発明の蓄電装置用負極および蓄電装置においては、電解液とは別に、電極活物質層たる負極活物質層にリチウム元素を有する金属塩を含む。以下、必要に応じて、負極活物質層に配合される金属塩を「電極用金属塩」と呼び、電解液に含まれる金属塩つまり支持塩と区別する。
本発明の蓄電装置用負極および蓄電装置においては、既述の従来技術と同様に、電極用金属塩を負極活物質層に予め配合することに由来する種々の効果を期待できる。
このため本発明の蓄電装置用負極は、製造時におけるフッ化水素の発生を抑制しつつ、蓄電装置に優れた電池特性を付与できる。また、本発明の蓄電装置は、製造時におけるフッ化水素の発生が抑制されかつ電池特性に優れたものである。以下、本発明の蓄電装置用負極および蓄電装置を総称して、本発明の蓄電装置と呼ぶ場合がある。
つまり、電極用金属塩は、負極活物質層の全体に分布しても良いし、負極活物質層の表面に分布しても良い。但し、何れの場合にも、電極用金属塩は、負極活物質層が少なくとも電解液に接触する前の段階においては、電極活物質層の表面に存在するのが好ましい。こうすることで、電極用金属塩が電解液に接触し易くなり、電解液に溶出し易くなる。このため、負極活物質層に電極用金属塩を配合した効果、例えば、上記したように電解液と負極活物質との界面におけるLi伝導体としての効果や、SEI被膜の一部としての効果が発揮され易くなると考えられる。なお、電極用金属塩は当該表面において負極活物質の表面付近に分布していることがより好ましい。負極活物質の表面には上述したSEI被膜が形成されるため、電極用金属塩がこのように分布することで電極用金属塩およびその分解物がSEI被膜に供給され易くなる。また、上記したLi伝導体としての効果についても同様に、少なくとも電解液に接触する前の段階において電極用金属塩が負極活物質の表面付近に分布している方が、効果が発揮され易いと考えられる。
本発明の蓄電装置用負極は、負極活物質層を有する。負極活物質層は、負極活物質を含み、集電体上に設けられる。
例えば電荷担体がリチウムイオンであれば、負極活物質としてLiや、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、錫などの14族元素、アルミニウム、インジウムなどの13族元素、亜鉛、カドミウムなどの12族元素、アンチモン、ビスマスなどの15族元素、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、銀、金などの11族元素をそれぞれ単体で採用すればよい。ケイ素などを負極活物質に採用すると、ケイ素1原子が複数のリチウムと反応するため、高容量の活物質となるが、リチウムの吸蔵及び放出に伴う体積の膨張及び収縮が顕著となるとの問題が生じる恐れがあるため、当該恐れの軽減のために、ケイ素などの単体に遷移金属などの他の元素を組み合わせた合金又は化合物を負極活物質として採用するのも好適である。合金又は化合物の具体例としては、Ag−Sn合金、Cu−Sn合金、Co−Sn合金等の錫系材料、各種黒鉛などの炭素系材料、ケイ素単体と二酸化ケイ素に不均化するSiOx(0.3≦x≦1.6)などのケイ素系材料、ケイ素単体若しくはケイ素系材料と炭素系材料を組み合わせた複合体が挙げられる。また、負極活物質として、Nb2O5、TiO2、Li4Ti5O12、WO2、MoO2、Fe2O3等の酸化物、又は、Li3−xMxN(M=Co、Ni、Cu)で表される窒化物を採用しても良い。負極活物質として、これらのものの一種以上を使用することができる。このうちケイ素系材料および/または炭素系材料は、特に好ましく使用される。
なお、上記したSiOxにおいては、リチウムイオン二次電池の充放電時にリチウムとSi相のケイ素とによる合金化反応が生じると考えられている。そして、この合金化反応がリチウムイオン二次電池の充放電に寄与すると考えられている。
集電体は、リチウムイオン二次電池等の蓄電装置が放電又は充電する間、電極に電流を流し続けるための化学的に不活性な電子高伝導体をいう。集電体としては、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、鉄、白金、錫、インジウム、チタン、ルテニウム、タンタル、クロム、モリブデンから選ばれる少なくとも一種、並びにステンレス鋼などの金属材料を例示することができる。集電体は公知の保護層で被覆されていても良い。集電体の表面を公知の方法で処理したものを集電体として用いても良い。
(正極)
正極は、正極活物質層を有する。正極活物質層は、正極活物質を含み、集電体上に形成される。正極活物質は、電荷担体を吸蔵および放出できれば良い。例えば本発明の蓄電装置における電荷担体がリチウムイオンであれば、正極活物質は、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能であれば良い。
正極活物質層は正極活物質、並びに必要に応じて結着剤及び/又は導電助剤を含む。
なお、特に正極を高電位で用いる場合、例えば、正極の電位をリチウム基準で4V以上とする場合には、集電体としてアルミニウムを採用するのが好ましい。
電解液としては、有機溶媒と、当該有機溶媒に溶解した金属塩とを含むものを使用すれば良い。電解液における金属塩は、支持塩あるいは支持電解質とも呼ばれるものであり、既述したように、電極用金属塩と同じものであっても良いし異なっていても良い。
電解液としては、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネートなどの非水溶媒に、LiClO4、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3などのリチウム塩を0.5mol/Lから1.7mol/L程度の濃度で溶解させた溶液を例示できる。
特開2013−149477号公報、特開2013−134922号公報、特開2013−145724号公報、特開2013−137873号公報等に記載されているように、従来、リチウムイオン二次電池に用いられる電解液においては、エチレンカーボネートやプロピレンカーボネート等の比誘電率及び双極子モーメントの高い有機溶媒を約30体積%以上で含有する混合有機溶媒を用い、かつ、リチウム塩を概ね1mol/Lの濃度で含むことが技術常識となっていた。そして、これらの文献に記載のとおり、電解液の改善検討においては、リチウム塩とは別個の添加剤に着目して行われるのが一般的であった。
本発明の蓄電装置においては、電解液として、特定の電解質からなる金属塩と、専ら比誘電率および/または双極子モーメントの低い有機溶媒を含むヘテロ元素含有有機溶媒とを組み合わせて使用することができる。また、有機溶媒と金属塩とのモル比に着目し、当該モル比を特定の範囲とすることができる。このような電解液は従来ない新規な電解液であり、本発明の蓄電装置にこのような新規の電解液を併用する場合には、蓄電装置の更なる性能向上を望み得る。以下、必要に応じて、上記の「特定の電解質からなる金属塩と、専ら比誘電率および/または双極子モーメントの低い有機溶媒を含むヘテロ元素含有有機溶媒とを組み合わせ」た新規の電解液を「選択電解液」と称して一般的な電解液と区別する。
比誘電率が10以下及び/若しくは双極子モーメントが5D以下の特定有機溶媒、又は前記特定有機溶媒を含むヘテロ元素含有有機溶媒と、
アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアルミニウムをカチオンとし、下記一般式(2)で表される化学構造をアニオンとする金属塩と、を含有するものを選択できる。
(R3X1)(R4SO2)N………一般式(2)
(R3は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
R4は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
また、R3とR4は、互いに結合して環を形成しても良い。
X1は、SO2、C=O、C=S、RaP=O、RbP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Ra、Rbは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Ra、Rbは、R3又はR4と結合して環を形成しても良い。)
(R31、R41は、それぞれ独立に、CnHaFbClcBrdIe(CN)f(SCN)g(OCN)hである。
n、a、b、c、d、e、f、g、hはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。
また、R31とR41は、互いに結合して環を形成しても良く、その場合は、2n=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。
X2は、SO2、C=O、C=S、RcP=O、RdP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Rc、Rdは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Rc、Rdは、R31又はR41と結合して環を形成しても良い。)
(R32、R42は、それぞれ独立に、CnHaFbClcBrdIeである。
n、a、b、c、d、eはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+eを満たす。
また、R32とR42は、互いに結合して環を形成しても良く、その場合は、2n=a+b+c+d+eを満たす。)
(R5、R6は、それぞれ独立に、鎖状アルキルであるCnHaFbClcBrdIe、又は、環状アルキルを化学構造に含むCmHfFgClhBriIjのいずれかから選択される。nは1以上の整数、mは3以上の整数、a、b、c、d、e、f、g、h、i、jはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+e、2m=f+g+h+i+jを満たす。)
(R51、R61は、それぞれ独立に、鎖状アルキルであるCnHaFb、又は、環状アルキルを化学構造に含むCmHfFgのいずれかから選択される。nは1以上の整数、mは3以上の整数、a、b、f、gはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b、2m=f+gを満たす。)
なお、本明細書においては、「選択電解液は、ヘテロ元素含有有機溶媒と前記金属塩とをモル比1〜8で含む」などと表現することもある。本明細書でいう上記モル比とは、前者を後者で除した値、すなわち、(選択電解液に含まれるヘテロ元素含有有機溶媒のモル数)/(選択電解液に含まれる金属塩のモル数)の値を意味する。選択電解液を用いた二次電池は、電極/電解液界面で形成されるSEI皮膜が従来の有機溶媒由来成分主体ではなく低抵抗なS=O構造を有する金属塩由来成分を多く含んでおり、かつ被膜中のLiイオン濃度が高い等の理由によって、反応抵抗が比較的小さい。上記モル比1〜8の範囲の意義は、二次電池の反応抵抗が比較的小さい範囲であって、かつ、電解液のイオン伝導度が好適な範囲である。モル比3〜6であれば、二次電池の反応抵抗、電解液のイオン伝導度、それらの温度特性のバランスを考慮してより好適な範囲であるといえる。本発明の電解液における、ヘテロ元素含有有機溶媒と前記金属塩とのモル比は、上記したように1〜8の範囲内であるのが好ましく、2〜6の範囲内であるのがより好ましく、3〜5.5の範囲内であるのがさらに好ましい。さらには、3.2〜5.2の範囲内がより好ましく、3.5〜5の範囲内であるのが最も好ましい。なお、従来の電解液は、ヘテロ元素含有有機溶媒と、電解質若しくは金属塩とのモル比が概ね10程度である。
さらに、当該カチオンは負極活物質の内部にも移動可能であると考えられ、負極活物質に移動した当該カチオンは充放電によって負極活物質に移動した支持塩のカチオンと同様に充放電反応に寄与できると推測される。例えば蓄電装置がリチウムイオン二次電池であれば電池容量の増加等が期待できる。また、リチウムイオンキャパシタであれば、負極活物質に移動した当該カチオンにより負極活物質にプレドープしたかの如き効果が生じると推測され、その結果、負極活物質の電位低下を期待し得る。つまり、電極用金属塩を負極活物質層に配合したことで、本発明の蓄電装置にはこれら各種の優れた電池特性が付与されると推測される。
実施例1のリチウムイオン二次電池を以下のとおり製造した。
負極集電体として厚み10μmの銅箔を準備した。ドクターブレードを用いて、この銅箔の表面に上記二次スラリーを膜状になるように塗布した。二次スラリーが塗布された銅箔を、80℃で20分間乾燥することでN−メチル−2−ピロリドンを揮発により除去し、その後プレスして、接合物を得た。得られた接合物を真空乾燥機で120℃、6時間加熱乾燥して、負極活物質層が形成された銅箔を得た。これを実施例1の負極とした。実施例1の負極における負極活物質層は、負極活物質、結着剤および電極用金属塩の質量の和を100質量%としたときに、電極用金属塩である(CF3SO2)2NLiを5質量%含む。
上記の正極と負極とでセパレータを挟持し、極板群とした。この極板群を二枚一組のラミネートフィルムで覆い、三辺をシールした後、袋状となったラミネートフィルムに上記の電解液を注入した。その後、残りの一辺をシールすることで、四辺が気密にシールされ、極板群および電解液が密閉されたリチウムイオン二次電池を得た。この電池を実施例1のリチウムイオン二次電池とした。
実施例2のリチウムイオン二次電池は、負極活物質層が電極用金属塩である(CF3SO2)2NLiを1質量%含むこと以外は、実施例1のリチウムイオン二次電池と同じものである。
実施例3のリチウムイオン二次電池は、電解液以外は実施例1のリチウムイオン二次電池と同じである。実施例3のリチウムイオン二次電池で用いた電解液は、以下のように製造した。
エチレンカーボネートと、ジエチルカーボネートと、メチルエチルカーボネートを3:3:4の体積比で加えた有機溶媒に、支持塩としてのLiPF6を溶解させて、LiPF6の濃度が1.0mol/Lである電解液を製造した。この電解液は有機溶媒10モルに対して支持塩約1モルを含む。なお、実施例3で用いたジエチルカーボネートおよびメチルエチルカーボネートは特定有機溶媒であり、エチレンカーボネートは他のヘテロ有機溶媒である。また、実施例3で用いた電解液は選択電解液ではない。
比較例1のリチウムイオン二次電池は、負極活物質層に電極用金属塩を含まないこと以外は、実施例1のリチウムイオン二次電池と同じものである。
比較例2のリチウムイオン二次電池は、負極活物質層に電極用金属塩を含まないこと以外は実施例3のリチウムイオン二次電池と同じものである。
LiFSA:(FSO2)2NLi
LiTFSA:(CF3SO2)2NLi
DMC:ジメチルカーボネート
DEC:ジエチルカーボネート
EMC:エチルメチルカーボネート
上記した実施例1〜3および比較例1、2のリチウムイオン二次電池について、先ず、25℃、0.1Cレートの定電流で、4.1Vまで充電した後に3.0Vまで放電した。
初回充放電後、25℃、1Cレートの定電流で、3.0V〜4.1Vの範囲で充放電を50回繰り返した。
実施例1および比較例1のリチウムイオン二次電池について、初回充放電時の充電曲線を比較した。その結果、実施例1のリチウムイオン二次電池では、比較例1のリチウムイオン二次電池に比べて、低い電圧で電流が流れ始めた。この結果は、実施例1のリチウムイオン二次電池では比較例1のリチウムイオン二次電池よりも高い負極電位で電流が流れ始めたことによると考えられ、負極活物質層に配合された電極用金属塩が還元分解されたことを示唆する。つまり、実施例1のリチウムイオン二次電池と比較例1のリチウムイオン二次電池とでは、上記したSEI被膜を含めた電極近傍の状態が異なると考えられる。
上記した電池の活性化後、各リチウムイオン二次電池を25℃でSOC(state of charge)60%となるように充電した。なお、リチウムイオン二次電池を3Vから4.1Vまで充電する間の電流容量をSOC100%とした。
その後、各リチウムイオン二次電池に対し、−10℃で交流インピーダンスを測定した。得られた複素インピーダンス平面プロットを基に、電解液の溶液抵抗および負極の反応抵抗を各々解析した。複素インピーダンス平面プロットには、二つの円弧がみられた。複素インピーダンスの実部が小さい側の円弧を第1円弧と呼び、複素インピーダンスの実部が大きい側の円弧を第2円弧と呼ぶ。第1円弧と実数軸との二つの交点のうち複素インピーダンスの実部が小さい側の交点を第1交点と呼ぶ。
ここでは原点から第1交点までの距離を電解液の溶液抵抗として解析した。また、第1円弧の大きさを負極の反応抵抗として解析した。表4に実施例1、3、および比較例1、2の各抵抗を示す。
上記した電池の活性化後、実施例1および比較例1の各リチウムイオン二次電池を25℃、1Cレートの定電流で3.0Vから4.5Vまで充電した。そして、電圧がそのまま4.5Vに維持されるように定電圧充電した。充電時間は、3.0V〜4.5Vまでの定電流充電と、4.5Vの定電圧充電との累積で合計3時間であった。
充電後の各リチウムイオン二次電池をグローブボックス内で解体し、得られた負極をジメチルカーボネートで洗浄し、その後乾燥した。
乾燥後の負極から負極活物質層を削り取って、粉末状の負極活物質層を得た。この粉末状の負極活物質層を、実施例1で用いたものと同じ電解液とともにステンレス製のサンプルパンに入れ、当該パンを密閉した。サンプルパンに入れた負極活物質層の量は約3mgであり、電解液の量は2μlであった。なお、ここで用いた電解液は未使用のものである。
空の密閉パンを対照として、窒素雰囲気下、以下の温度プログラムで示差走査熱量分析を行った。示差走査熱量測定装置としてはRigaku DSC8230を使用した。
温度プログラム…室温から35℃まで1℃/分で昇温し10分間保持 →450℃まで5℃/分で昇温
上記の温度プログラムにおける50℃〜450℃までの範囲のDSC曲線を観察した。図1に実施例1および比較例1のDSC曲線の重ね書きを示す。
Claims (10)
- 下記一般式(1)で表される金属塩を含む負極活物質層を有する、蓄電装置用負極。
(R1SO2)(R2SO2)NLi………一般式(1)
(R1およびR2はそれぞれ独立してフルオロアルキル基またはアルキル基である。
また、R1およびR2は、互いに結合して環を形成しても良い。) - 前記金属塩は、(CF3SO2)2NLi、(C2F5SO2)2NLi、(SO2CF2CF2SO2)NLi、および、(SO2CF2CF2CF2SO2)NLiから選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の蓄電装置用負極。
- 請求項1または請求項2に記載の蓄電装置用負極と、正極と、電解液とを有する、蓄電装置。
- 前記電解液は、比誘電率が10以下および/または双極子モーメントが5D以下の特定有機溶媒を含むヘテロ元素含有有機溶媒を含有する、請求項3に記載の蓄電装置。
- 前記電解液は、
前記特定有機溶媒または前記ヘテロ元素含有有機溶媒と、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアルミニウムをカチオンとし下記一般式(2)で表される化学構造をアニオンとする金属塩と、を含有する、請求項4に記載の蓄電装置。
(R3X1)(R4SO2)N………一般式(2)
(R3は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
R4は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
また、R3とR4は、互いに結合して環を形成しても良い。
X1は、SO2、C=O、C=S、RaP=O、RbP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Ra、Rbは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Ra、Rbは、R3またはR4と結合して環を形成しても良い。) - 前記電解液は、前記特定有機溶媒または前記ヘテロ元素含有有機溶媒が、前記金属塩に対し、モル比3〜6で含まれる、請求項5に記載の蓄電装置。
- 前記ヘテロ元素含有有機溶媒は、前記特定有機溶媒を80体積%以上または80モル%以上で含む、請求項4〜請求項6の何れか一項に記載の蓄電装置。
- 前記特定有機溶媒は、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、またはジエチルカーボネートから選ばれる少なくとも1種である請求項4〜請求項7の何れか一項に記載の蓄電装置。
- 前記負極活物層は、平均電位1V以下の負極活物質を含む、請求項3〜請求項8の何れか一項に記載の蓄電装置。
- 前記負極活物質は、炭素系負極活物質である請求項9に記載の蓄電装置。
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---|---|---|---|
JP2015187924A JP6661935B2 (ja) | 2015-09-25 | 2015-09-25 | 蓄電装置用負極および蓄電装置 |
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