JP2017062407A - 光輝性トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents

光輝性トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高速出力で低温定着したときに生じる光輝性のばらつきが抑制された画像が得られる光輝性トナーを提供すること。【解決手段】扁平状の光輝性顔料と、結晶性樹脂と、非晶性樹脂と、離型剤とを含み、ASTMD3418−8に準拠した示差熱分析の吸熱・発熱曲線における2回目の昇温過程において、60℃以上100℃以下の範囲に2つ以上の吸熱ピークを有し、前記2つ以上の吸熱ピークの温度の差が15℃以内にあるか、又は、60℃以上100℃以下の範囲に1つの吸熱ピークを有し、かつトナー粒子の酢酸エチル不溶分に、結晶性樹脂と離型剤とに該当する化合物を含むトナー粒子を有する光輝性トナー。【選択図】なし

Description

本発明は、光輝性トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法に関する。
電子写真法により得られる画像に光輝感を付与する為に、アルミ顔料等の金属顔料を用いた光輝性トナーが用いられている。
例えば、特許文献1には、「結着樹脂、着色剤及び低融点化合物を少なくとも含有する静電荷像現像用トナーであって、該低融点化合物がトナー内に最大長が0.1〜1μmのドメインを有し、該静電荷像現像用トナーの1回目の昇温時の示差走査熱量計(DSC)により測定される吸熱曲線における該低融点化合物に由来する60℃〜100℃の吸熱ピーク面積をA、2回目の昇温時のDSC吸熱曲線における該低融点化合物に由来する60℃〜100℃の吸熱ピーク面積をBとしたとき、B/Aが特定の関係にあることを特徴とする静電荷像現像用トナー」が開示されている。
また、特許文献2には、「少なくとも、酸由来構成成分及びアルコール由来構成成分を含有する結晶性ポリエステル樹脂を主成分とする結着樹脂と、着色剤と、離型剤とを含有する静電荷像現像用トナーであって、ASTMD3418−8に準拠した示差熱分析の吸熱・発熱曲線において、55〜80℃の範囲にピーク温度を有する主吸熱極大ピークm1が存在し、該主吸熱極大ピークm1の半値幅が20℃以下であって、かつ該主体吸熱極大ピークm1のピーク温度±25℃の範囲に、低温度側のショルダーs2もしくは他の吸熱ピークm2と、高温度側のショルダーs3もしくは他の吸熱ピークm3とが、さらに存在することを特徴とする静電荷像現像用トナー」が開示されている。
特開2006−267142号公報 特開2005−338339号公報
本発明の課題は、扁平状の光輝性顔料と、結晶性樹脂と、非晶性樹脂と、離型剤とを含み、ASTMD3418−8に準拠した示差熱分析の吸熱・発熱曲線における2回目の昇温過程において、60℃以上100℃以下の範囲に2つの吸熱ピークを有し、前記2つの吸熱ピークの温度の差が15℃を超えるトナー粒子を有する場合に比べ、高速出力で低温定着したときに生じる光輝性のばらつきが抑制された画像が得られる光輝性トナーを提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
扁平状の光輝性顔料と、結晶性樹脂と、非晶性樹脂と、離型剤とを含み、ASTMD3418−8に準拠した示差熱分析の吸熱・発熱曲線における2回目の昇温過程において、60℃以上100℃以下の範囲に2つ以上の吸熱ピークを有し、前記2つ以上の吸熱ピークの温度の差が15℃以内にあるか、又は、60℃以上100℃以下の範囲に1つの吸熱ピークを有し、かつトナー粒子の酢酸エチル不溶分に、結晶性樹脂と離型剤とに該当する化合物を含むトナー粒子を有する光輝性トナーである。
請求項2に係る発明は、
前記トナー粒子が、前記非晶性樹脂として、ウレア変性の非晶性ポリエステル樹脂を含む請求項1に記載の光輝性トナーである。
請求項3に係る発明は、
請求項1又は請求項2に記載の光輝性トナーを含む静電荷像現像剤である。
請求項4に係る発明は、
請求項1又は請求項2に記載の光輝性トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。
請求項5に係る発明は、
請求項3に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
請求項6に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項3に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置である。
請求項7に係る発明は、
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項3に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法である。
請求項1に係る発明によれば、扁平状の光輝性顔料と、結晶性樹脂と、非晶性樹脂と、離型剤とを含み、ASTMD3418−8に準拠した示差熱分析の吸熱・発熱曲線における2回目の昇温過程において、60℃以上100℃以下の範囲に2つの吸熱ピークを有し、前記2つの吸熱ピークの温度の差が15℃を超えるトナー粒子を有する場合に比べ、高速出力で低温定着したときに生じる光輝性のばらつきが抑制された画像が得られる光輝性トナーが提供される。
請求項2に係る発明によれば、トナー粒子の非晶性樹脂として、未変性の非晶性ポリエステル樹脂を含む場合に比べ、高速出力で低温定着したときに生じる光輝性のばらつきが抑制された画像が得られ、且つ定着時の急激なトナー粘度低下に伴うホットオフセット(定着部材にトナーの一部が付着する現象)も回避することができる光輝性トナーが提供される。
請求項3に係る発明によれば、扁平状の光輝性顔料と、結晶性樹脂と、非晶性樹脂と、離型剤とを含み、ASTMD3418−8に準拠した示差熱分析の吸熱・発熱曲線における2回目の昇温過程において、60℃以上100℃以下の範囲に2つの吸熱ピークを有し、前記2つの吸熱ピークの温度の差が15℃を超えるトナー粒子を有する光輝性トナーを適用した場合に比べ、高速出力で低温定着したときに生じる光輝性のばらつきが抑制された画像が得られる静電荷像現像剤が提供される。
請求項4、5、6又は7に係る発明によれば、扁平状の光輝性顔料と、結晶性樹脂と、非晶性樹脂と、離型剤とを含み、ASTMD3418−8に準拠した示差熱分析の吸熱・発熱曲線における2回目の昇温過程において、60℃以上100℃以下の範囲に2つの吸熱ピークを有し、前記2つの吸熱ピークの温度の差が15℃を超えるトナー粒子を有する光輝性トナーを適用した場合に比べ、高速出力で低温定着したときに生じる光輝性のばらつきが抑制された画像が得られるトナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置又は画像形成方法が提供される。
本実施形態に係るトナー粒子の一例を概略的に示す断面図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の一例である実施形態について詳細に説明する。
<光輝性トナー>
本実施形態に係る光輝性トナーは、扁平状の光輝性顔料(以下、単に「光輝性顔料」とも称する)と、結晶性樹脂と、非晶性樹脂と、離型剤とを含み、ASTMD3418−8に準拠した示差熱分析の吸熱・発熱曲線(以下、単に「示差熱分析の吸熱・発熱曲線」とも称する)における2回目の昇温過程において、60℃以上100℃以下の範囲に2つ以上の吸熱ピークを有し、前記2つ以上の吸熱ピークの温度の差が15℃以内にあるか、又は、60℃以上100℃以下の範囲に1つの吸熱ピークを有し、かつトナー粒子の酢酸エチル不溶分に、結晶性樹脂と離型剤とに該当する化合物を含むトナー粒子を有する。化合物の特定にあたっては、例えばFT-IR(フーリエ変換赤外分光光度計)を用いることができる。
ここで、上記吸熱ピークの温度とは、トナー粒子に含まれる結晶性樹脂及び離型剤の吸熱ピークの頂点温度(ピークトップ)のことであり、それぞれ結晶性樹脂及び離型剤の融解温度(融点)に由来する。
以下では、結晶性樹脂の吸熱ピークの温度を「結晶性樹脂の融解温度」と称して説明することがある。また、離型剤の吸熱ピークの温度を「離型剤の融解温度」と称して説明することがある。
「2つ以上の吸熱ピークを有する」とは、60℃以上100℃以下の範囲(以下、特定の温度範囲とも称する)に、結晶性樹脂の吸熱ピークと、離型剤の吸熱ピークとがそれぞれ1つ以上存在することをいう。
「吸熱ピークの温度の差が15℃以内にある」とは、特定の温度範囲にある2つ以上の吸熱ピークの温度のうち、最大の吸熱ピークの温度と最小の吸熱ピークの温度との差が15℃以内にあることをいう。
「1つの吸熱ピークを有する」とは、結晶性樹脂の吸熱ピークと、離型剤の吸熱ピークとが重なって全体として1つの吸熱ピークを成し、吸熱ピークが見かけ上1つ存在することをいう。吸熱ピークが見かけ上1つ存在するとは、本来、結晶性樹脂の吸熱ピークと、離型剤の吸熱ピークとがそれぞれ1つ以上存在するが、結晶性樹脂の吸熱ピークの温度と離型剤の吸熱ピークの温度との差が小さい(例えば3℃未満)ために、全体として1つの吸熱ピークを成すように見えることを意味する。このため、吸熱ピークが1つの場合であっても、その1つの吸熱ピークは結晶性樹脂及び離型剤の吸熱ピークに由来する。このことは、例えばトナー粒子の酢酸エチル不溶分をFT−IRで分析することで確認される。
「トナー粒子の酢酸エチル不溶分」とは、光輝性トナーのトナー粒子に含まれる成分のうち、酢酸エチルに不溶な低分子量成分のことであり、例えば、結晶性樹脂、非晶性樹脂、離型剤等が該当する。
なお、トナー粒子の酢酸エチル不溶分の抽出方法、及びFT−IRによる分析方法については後述する。
ここで、電子写真法により得られる画像に光輝感を付与するために、光輝性顔料(例えばアルミ顔料等の金属顔料)をトナー粒子に含む光輝性トナーが知られている。
光輝性トナーによる画像の光輝性は、画像内の光輝性顔料が記録媒体(例えば用紙)の表面に沿って配向することで、光輝性顔料が鏡面状の平滑面を形成し、入射光をより強く反射させることで高い光輝性が発現される。
光輝性トナーを用いた電子写真法において、画像内の光輝性顔料を記録媒体の表面に沿って配向させるには、定着時に高い温度(例えば180℃以上)を加えて光輝性トナーの粘度を下げる方法がある。しかし、昨今では画像形成装置(例えば印刷機、複写機)の消費電力を抑える環境性能が重視されており、定着温度は低く設計する方が好ましい。
一般的に低い定着温度(例えば140℃以上160℃以下)でトナー(光輝性トナーを含む。以下同様)の粘度を低下させる技術としては、トナー粒子の結着樹脂の一部に結晶性樹脂を用いる方法が知られている。結晶性樹脂は、非晶性樹脂に比べて狭い温度範囲で粘度が低下して融解する性質(シャープメルト性)を有しているため、結着樹脂の一部に用いることで結晶性樹脂の融解温度や添加量に応じて定着に必要な熱量が調整される。
また、電子写真法の定着時に、定着部材と記録媒体との癒着を抑制し剥離を促すために、トナー粒子に離型剤を含有させる方法も知られている。離型剤は、定着時の熱で液状化し、画像と定着部材との境界に染み出て剥離性を付与する。
これらの結晶性樹脂と離型剤とは、定着時の熱で融解するという観点で類似するが、機能的には、結晶性樹脂はトナーの粘度調整、離型剤は剥離性(離型性)の付与という異なる目的で添加される機能性材料である。
一方、近年注目を浴びる光輝性トナーにおいては、トナーの粘度調整及び剥離性に加え、光輝性顔料の配向性を考慮した設計が重要となる。
例えば、光輝性トナーを用いて高速出力(例えば記録媒体の搬送速度500mm/秒での出力)で低温定着(例えば140℃以上160℃以下での定着)するときには、十分なニップ通過時間(以下、デュエルタイムとも称する)を確保することができず、定着部材の温度が比較的上がり難い状態でトナー画像を定着する必要がある。この場合、光輝性トナーの粘度が十分低下しないまま定着が行われることになるため、画像内の光輝性顔料が記録媒体の表面に沿って配向されにくくなると考えられる。この結果、高速出力で低温定着したときに得られる画像の光輝性が低下しやすく、1枚目とn枚目とで光輝性のばらつきが生じやすくなる。
これに対し、本実施形態に係る光輝性トナーでは、トナー粒子に、光輝性顔料と、結晶性樹脂と、非晶性樹脂と、離型剤とを含有させた上で、示差熱分析の吸熱・発熱曲線における2回目の昇温過程において、特定の温度範囲に、1)結晶性樹脂の吸熱ピークと、離型剤の吸熱ピークとをそれぞれ1つ以上存在させ、かつ、これらの吸熱ピークの温度のうち、最大の吸熱ピークの温度と最小の吸熱ピークの温度との差を15℃以内となるように調整したトナー粒子、又は、2)結晶性樹脂の吸熱ピークと、離型剤の吸熱ピークとが重なって全体として1つの吸熱ピークを成すように調整されたトナー粒子を採用する。2)の場合は、結晶性樹脂の吸熱ピークの温度と離型剤の吸熱ピークの温度との差が、1)の場合よりも小さく(例えば3℃未満)なるように調整されたトナー粒子である。
本実施形態に係る光輝性トナーでは、上記特性を有するトナー粒子を含有することで、高速出力で低温定着したときに生じる光輝性のばらつきが抑制された画像が得られる。
その理由は定かではないが、以下に示す理由によるものと推測される。
本実施形態では、低温定着を実現する観点から、示差熱分析の吸熱・発熱曲線における2回目の昇温過程において、トナー粒子に含まれる結晶性樹脂の吸熱ピークの温度及び離型剤の吸熱ピークの温度を比較的低温の60℃以上100℃以下の範囲に存在させる。つまり、トナー粒子に含まれる結晶性樹脂及び離型剤の双方の融解温度を60℃以上100℃以下の範囲とする。
加えて、結晶性樹脂の吸熱ピークの温度と離型剤の吸熱ピークの温度との差を、1)の場合は15℃以内、2)の場合はさらに小さく(例えば3℃未満)なるように調整する。
これにより、トナー画像が定着される際に、トナー粒子に含まれる結晶性樹脂と離型剤との融解の時期(タイミング)が近づき双方の融解が促進される。この結果、結晶性樹脂及び離型剤が共に液状化しやすくなる。
また、結晶性樹脂及び離型剤を共に液状化しやすくすることで、トナー画像が定着される際に定着部材の熱量がトナー画像中に伝播しやすくなる。
よって、本実施形態に係る光輝性トナーでは、結晶性樹脂の吸熱ピークの温度と離型剤の吸熱ピークの温度との差を15℃以内と小さくすることで、結晶性樹脂及び離型剤が共に液状化しやすくなる効果、並びに、定着部材からの熱量が伝播しやすくなる効果が相乗して発現されるため、光輝性トナー全体としての粘度がより早く低下しやすくなり、画像内の光輝性顔料が記録媒体の表面に沿って配向されやすくなる。
この結果、定着部材の熱量が奪われやすく、定着部材の温度が比較的上がり難い高速出力の条件下で低温定着しても、光輝性が良好な画像が得られやすくなり、複数枚(例えば100枚以上)出力したときの1枚目とn枚目との光輝性のばらつきが抑制されやすくなる。
以上のことから、本実施形態に係る光輝性トナーによれば、高速出力で低温定着したときに生じる光輝性のばらつきが抑制された画像が得られることとなる。
なお、本実施形態におけるトナー粒子では、示差熱分析の吸熱・発熱曲線での2回目の昇温過程において、特定の温度範囲に2つ以上の吸熱ピークを有する場合、前記2つ以上の吸熱ピークの温度の差は、15℃以内にあるが、高速出力で低温定着したときに生じる光輝性のばらつきがより抑制された画像を得る観点から、10℃以内にあることが好ましく、5℃以内にあることがより好ましい。
また、本実施形態におけるトナー粒子では、示差熱分析の吸熱・発熱曲線での2回目の昇温過程において、特定の温度範囲に2つ以上の吸熱ピークを有し、かつ前記2つ以上の吸熱ピークの温度の差が15℃以内となるように調整する手段としては、例えば、結晶性樹脂単体で示差熱分析により測定したときの融解温度(以下、結晶性樹脂単体の融解温度とも称する)が60℃以上100℃以下の範囲にある結晶性樹脂と、離型剤単体で示差熱分析により測定したときの融解温度(以下、離型剤単体の融解温度とも称する)が60℃以上100℃以下の範囲にある離型剤とをそれぞれ1種以上選択した上で、さらに、これらの融解温度のうち、最大の融解温度と最小の融解温度との差が15℃以内となるように結晶性樹脂と離型剤とを組み合わせて用いる方法が挙げられる。
また、特定の温度範囲に1つの吸熱ピークを有するように調整する手段としては、上記2つ以上の吸熱ピークを有する場合と同様に、例えば、結晶性樹脂単体の融解温度が60℃以上100℃以下の範囲にある結晶性樹脂と、離型剤単体の融解温度が60℃以上100℃以下の範囲にある離型剤とをそれぞれ1種以上選択した上で、これらの融解温度のうち、最大の融解温度と最小の融解温度との差がより小さく(例えば3℃未満)なるように、結晶性樹脂と離型剤とを組み合わせて用いる方法が挙げられる。
本実施形態におけるトナー粒子が、示差熱分析の吸熱・発熱曲線での2回目の昇温過程において、特定の温度範囲に2つ以上の吸熱ピークを有する場合、その吸熱ピーク及び吸熱ピークの温度の測定方法は以下の通りである。
試料としては、光輝性トナーから外添剤を除去したトナー粒子を用いる。
示差走査熱量計(島津製作所社製:DSC−60A)に、試料を設置し、毎分10℃の昇温速度で室温(25℃)から150℃まで加熱する(1回目の昇温過程)。次に、10℃/分の降温速度で0℃まで冷却し、再度これを10℃/分の昇温速度で150℃まで加熱する(2回目の昇温過程)。このとき、0℃および150℃にてそれぞれ5分間ずつ放置する。2回目の昇温過程で得られた示差熱分析の吸熱・発熱曲線(ASTMD3418−8に準拠)から、吸熱ピーク及び吸熱ピークの温度を測定する。
なお、上記の測定方法において、いずれの吸熱ピークが結晶性樹脂、離型剤かという判断は、比較的大きな吸熱量を示し、且つ1回目昇温と2回目昇温の吸熱・発熱曲線(チャート)でピーク形状の変わらないもの(他の材料と溶け合って消失しないもの)を結晶性樹脂、離型剤と推定することもできるが、後述のFT−IR法によって、より確実に判別することができる。
光輝性トナーから外添剤を除去する方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
光輝性トナーをポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル0.2質量%の水溶液に10質量%となるように分散させ、30℃以下の温度を保ちながら超音波振動(周波数20kHz,出力30W)を60分作用させることで外添剤を遊離させる。分散液からトナー粒子を濾別洗浄することで外添剤を除去したトナー粒子を得ることができる。
本実施形態におけるトナー粒子が特定の温度範囲に1つの吸熱ピークを有する場合、その1つの吸熱ピークは結晶性樹脂及び離型剤の吸熱ピークに由来するものである。このことは、以下の方法により、光輝性トナーから、そのトナー粒子を酢酸エチルで抽出し、前記抽出液を常温(25℃)まで冷却して析出する「酢酸エチル不溶分」をFT−IRで分析したときに、結晶性樹脂と離型剤とに該当する化合物を検出することで確認される。
まず、ソックスレー抽出器の下部容器に、溶媒として酢酸エチルを仕込み、中部の円筒ろ紙上に試料として光輝性トナーを入れる。次いで、下部容器を190℃に加熱して酢酸エチルの蒸気を凝縮させ、還流した酢酸エチルを試料(光輝性トナー)に滴下して、溶媒抽出する処理を1時間行う。これにより、抽出されない外添剤や顔料は円筒ろ紙に残留し、溶媒抽出された非晶性樹脂や結晶性樹脂、離型剤は酢酸エチル中に含有される。次いで、抽出液を冷蔵庫で1時間冷まし、5Cのろ紙で固形分をろ過する。常温(25℃)の酢酸エチルに可溶な非晶性樹脂を分離し、ろ紙上に回収した固形分を酢酸エチルに不溶な成分として、FT−IRで分析し、得られた波形を各種材料のデータベースに照らし合せて結晶性樹脂や離型剤を特定する。なお、試料としてトナー粒子を用いて上記分析を行ってもよい。
なお、データベースとしては、BioRad社のIRデータベースを用いる。
FT−IRの測定条件は、以下の通りである。
・使用装置:日本分光社製 FT−IR 410
・測定方法:KBR錠剤法
・測定条件:標準光源
・測定範囲:4000〜400cm−1
・検出器 :TGS
ここで、本実施形態に係る光輝性トナー(以下、単に「トナー」とも称する)において「光輝性」とは、光輝性トナーによって形成された画像を視認した際に金属光沢のごとき輝きを有することを表す。
具体的には、本実施形態に係るトナーは、ベタ画像を形成した場合に、該画像に対し変角光度計により入射角−45°の入射光を照射した際に測定される受光角+30°での反射率Xと受光角−30°での反射率Yとの比(X/Y)が2以上100以下であることが好ましい。
比(X/Y)が2以上であることは、入射光が入射する側(角度−側)への反射よりも入射する側とは反対側(角度+側)への反射が多いことを表し、即ち入射した光の乱反射が抑制されていることを表す。入射した光が様々な方向へ反射する乱反射が生じた場合、その反射光を目視にて確認すると色がくすんで見える。そのため、比(X/Y)が2未満である場合、その反射光を視認しても光沢が確認できず光輝性に劣る場合がある。
一方、比(X/Y)が100を超えると、反射光を視認し得る視野角が狭くなり過ぎ、正反射光成分が大きいために見る角度によって黒っぽく見えてしまう場合がある。また、比(X/Y)が100を超えるトナーは、製造も困難である。
なお、上記比(X/Y)は、光輝性及びトナーの製造性の点から、4以上50以下であることがより好ましく、6以上20以下であることが更に好ましく、8以上15以下であることが特に好ましい。
−変角光度計による比(X/Y)の測定−
ここで、まず入射角および受光角について説明する。本実施形態において変角光度計による測定の際には、入射角を−45°とするが、これは光沢度の広い範囲の画像に対して測定感度が高いためである。
また、受光角を−30°および+30°とするのは、光輝感のある画像と光輝感のない画像を評価するのに最も測定感度が高いためである。
次いで、比(X/Y)の測定方法について説明する。
測定対象となる画像(光輝性画像)に対して、変角光度計として東洋精機社製の多角度測色計(BYK−Mac)を用いて、画像への入射角−45°の入射光を入射し、受光角+30°における反射率Xと受光角−30°における反射率Yを測定する。尚、反射率Xおよび反射率Yは、400nmから700nmの範囲の波長の光について20nm間隔で測定を行い、各波長における反射率の平均値とした。これらの測定結果から比(X/Y)が算出される。
本実施形態に係るトナーは、前述の比(X/Y)を満たす観点から下記(1)乃至(2)の要件を満たすことが好ましい。
(1)トナー粒子の平均最大厚さCよりも平均円相当径Dが長い。
(2)トナー粒子の厚さ方向への断面を観察した場合に、トナー粒子の該断面における長軸方向と光輝性顔料の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる光輝性顔料の割合が、観察される全光輝性顔料のうち60%以上である。
トナー粒子が厚さよりも円相当径が長い扁平状であると(図1参照)、画像形成の定着工程において、定着する際の圧力によって、扁平状のトナー粒子はその扁平な面側が記録媒体表面と相対するよう並ぶと考えられる。なお、図1中、2はトナー粒子、4は光輝性顔料、Lはトナー粒子の厚さを示している。
そのため、このトナー粒子中に含有される扁平状(鱗片状)の光輝性顔料のうち上記(2)に示される「トナー粒子の該断面における長軸方向と光輝性顔料の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲にある」との要件を満たす光輝性顔料は、面積が最大となる面側が記録媒体表面と相対するよう並ぶと考えられる。こうして形成された画像に対し光を照射した場合には、入射光に対して乱反射する光輝性顔料の割合が抑制されるため、前述の比(X/Y)の範囲が達成されるものと考えられる。
以下、本実施形態に係るトナーの詳細について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を有する。トナーは、必要に応じて、トナー粒子に外添される外添剤を有してもよい。
(トナー粒子)
トナー粒子は、扁平状の光輝性顔料と、結着樹脂と、離型剤とを含む。トナー粒子は、必要に応じて、その他添加剤を含んでもよい。
本実施形態では、結着樹脂として、結晶性樹脂と、非晶性樹脂とを併用する。なお、結晶性樹脂と非晶性樹脂との配合比は、高速出力で低温定着したときに生じる光輝性のばらつきが抑制された画像を得る観点から、例えば質量比で5:95から30:70までの範囲内であることが好ましい。また、結着樹脂の含有量としては、例えば,トナー粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下がさらに好ましい。
(結晶性樹脂)
結晶性樹脂としては、結晶性ポリエステル樹脂、ポリアルキレン樹脂、長鎖アルキル(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられるが、低温定着性を実現する観点から、結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。
ここで、樹脂の「結晶性」とは、ASTMD3418−8に準拠した示差熱分析(示差走査熱量測定(DSC))において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを指し、具体的には、昇温速度10(℃/min)で測定した際の吸熱ピークの半値幅が10℃以内であることを指す。
一方、樹脂の「非晶性」とは、半値幅が10℃を超えること、階段状の吸熱量変化を示すこと、又は明確な吸熱ピークが認められないことを指す。
結晶性樹脂は、全結着樹脂に対して、含有量が2質量%以上40質量%以下(好ましくは2質量%以上20質量%以下)の範囲で用いることがよい。
結晶性樹脂の融解温度は、結晶性樹脂単体で示差熱分析(ASTMD3418−8に準拠)により測定したときの融解温度が60℃以上100℃以下であることが好ましく、60℃以上80℃以下であることがより好ましく、60℃以上70℃以下であることがさらに好ましい。
結晶性樹脂単体の融解温度を上記範囲とすることで、光輝性トナーに含まれるトナー粒子の示差熱分析の吸熱・発熱曲線での2回目の昇温過程において、60℃以上100℃以下の範囲に結晶性樹脂の吸熱ピークが得られやすくなる。
以下、結晶性樹脂の一例として結晶性ポリエステル樹脂について説明するが、これらに限定されるものではない。
・結晶性ポリエステル樹脂
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合体が挙げられる。なお、結晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂は、結晶構造を容易に形成するため、芳香族を有する重合性単量体よりも直鎖状脂肪族を有する重合性単量体を用いた重縮合体が好ましい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸等の二塩基酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価のカルボン酸としては、例えば、芳香族カルボン酸(例えば1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、これらジカルボン酸と共に、スルホン酸基を持つジカルボン酸、エチレン性二重結合を持つジカルボン酸を併用してもよい。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えば主鎖部分の炭素数が7以上20以下である直鎖型脂肪族ジオール)が挙げられる。脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、脂肪族ジオールとしては、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
多価アルコールは、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ここで、多価アルコールは、脂肪族ジオールの含有量を80モル%以上とすることがよく、好ましくは90モル%以上である。
結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、6,000以上35,000以下が好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、後述する非晶性ポリエステル樹脂と同様に、周知の製造方法により得られる。
(非晶性樹脂)
非晶性樹脂としては、スチレン−アクリル樹脂等のビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等が挙げられるが、低温定着性を実現する観点から、非晶性ポリエステル樹脂が好ましい。
非晶性樹脂は、全結着樹脂に対して、含有量が70質量%以上95質量%以下(好ましくは80質量%以上93質量%以下)の範囲で用いることがよい。
以下、非晶性樹脂の一例として非晶性ポリエステル樹脂について説明するが、これらに限定されるものではない。
・非晶性ポリエステル樹脂
非晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。なお、非晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)、脂環式ジオール(例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール(例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、より好ましくは芳香族ジオールである。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上1000000以下が好ましく、7000以上500000以下がより好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
非晶性ポリエステル樹脂は、周知の製造方法により得られる。具体的には、例えば、重合温度を180℃以上230℃以下とし、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる方法により得られる。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
ここで、非晶性ポリエステル樹脂としては、上述した未変性の非晶性ポリエステル樹脂以外に、変性の非晶性ポリエステル樹脂も挙げられる。変性の非晶性ポリエステル樹脂とは、エステル結合以外の結合基が存在する非晶性ポリエステル樹脂、非晶性ポリエステル樹脂成分とは異なる樹脂成分が共有結合又はイオン結合等で結合された非晶性ポリエステル樹脂である。変性の非晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、末端に酸基又は水酸基と反応するイソシアネート基等の官能基を導入した非晶性ポリエステル樹脂と、活性水素化合物と反応させて、末端を変性した樹脂が挙げられる。
変性の非晶性ポリエステル樹脂としては、ウレア変性の非晶性ポリエステル樹脂が特に好ましい。結着樹脂として、ウレア変性の非晶性ポリエステル樹脂を含むことで、高速出力で低温定着したときに生じる光輝性のばらつきが抑制された画像が得られ、且つ定着時の急激なトナー粘度低下に伴うホットオフセットも回避することができる。これは、相互に近い融解温度を持つ結晶性樹脂と離型剤の作用により、定着ニップ内でトナーが速やかに液状化してトナーの粘度が低下した場合でも、ウレア変性ポリエステルの弾性によりトナー間の結着力を補う作用がはたらくためと考えられる。但し、ウレア変性ポリエステルを多量に添加した場合は、定着時のトナーの粘度低下を阻害するので、ウレア変性の非晶性ポリエステル樹脂の含有量は、全結着樹脂に対して10質量%以上30質量%以下が好ましく、15質量%以上30質量%以下がより好ましい。
ウレア変性の非晶性ポリエステル樹脂は、イソシアネート基を有する非晶性ポリエステル樹脂(非晶性ポリエステルプレポリマー)とアミン化合物との反応(架橋反応及び伸長反応の少なくとも一方の反応)により得られるウレア変性の非晶性ポリエステル樹脂がよい。なお、ウレア変性の非晶性ポリエステル樹脂中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。
イソシアネート基を有する非晶性ポリエステルプレポリマーとしては、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合物である非晶性ポリエステル樹脂であって、活性水素を有する非晶性ポリエステル樹脂に多価イソシアネート化合物を反応させた非晶性ポリエステルプレポリマー等が挙げられる。非晶性ポリエステル樹脂の有する活性水素を有する基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基等が挙げられ、アルコール性水酸基が好ましい。
イソシアネート基を有する非晶性ポリエステルプレポリマーにおいて、多価カルボン酸及び多価アルコールは、非晶性ポリエステル樹脂で説明した多価カルボン酸及び多価アルコールと同様な化合物が挙げられる。
多価イソシアネート化合物としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等のブロック化剤でブロックしたものが挙げられる。
多価イソシアネート化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価イソシアネート化合物の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有する非晶性ポリエステルプレポリマーの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、好ましくは1/1以上5/1以下、より好ましくは1.2/1以上4/1以下、さらに好ましくは1.5/1以上2.5/1以下である。[NCO]/[OH]を1/1以上5/1以下にすると、光輝性のばらつきが抑制された画像が得られ易くなり、且つホットオフセットを抑制することができる。なお、[NCO]/[OH]を5以下にすると低温定着性の低下が抑制され易くなる。
イソシアネート基を有する非晶性ポリエステルプレポリマーにおいて、多価イソシアネート化合物に由来する成分の含有量は、イソシアネート基を有する非晶性ポリエステルプレポリマー全体に対して、好ましくは0.5質量%以上40質量%以下、より好ましくは1質量%以上30質量%以下、さらに好ましくは2質量%以上20質量%以下である。多価イソシアネートに由来する成分の含有量を0.5質量%以上40質量%以下にすると、光輝性のばらつきが抑制された画像が得られ易くなり、且つホットオフセットを抑制することができる。なお、多価イソシアネートに由来する成分の含有量を40質量%以下にすると低温定着性の低下が抑制され易くなる。
イソシアネート基を有する非晶性ポリエステルプレポリマーの1分子当たりに含有するイソシアネート基の数は、好ましくは平均1個以上、より好ましくは平均1.5個以上3個以下、さらに好ましくは平均1.8個以上2.5個以下である。イソシアネート基の数を1分子当たり1個以上にすると、反応後のウレア変性の非晶性ポリエステル樹脂の分子量が増え、光輝性のばらつきが抑制された画像が得られ易くなり、且つホットオフセットを抑制することができる。
イソシアネート基を有する非晶性ポリエステルプレポリマーと反応するアミン化合物としては、ジアミン、3価以上のポリアミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、アミノ酸、これらのアミノ基をブロックした化合物等が挙げられる。
ジアミンとしては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。
3価以上のポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコールとしては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタンとしては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
これらのアミノ基をブロックしたものとしては、ジアミン、3価以上のポリアミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、アミノ酸などのアミン化合物とケトン化合物(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)とから得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
これらアミン化合物のうち、ケチミン化合物が好ましい。
アミン化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、ウレア変性の非晶性ポリエステル樹脂は、架橋反応及び伸長反応の少なくとも一方の反応を停止する停止剤(以下「架橋/伸長反応停止剤」とも称する)により、イソシアネート基を有する非晶性ポリエステル樹脂(非晶性ポリエステルプレポリマー)とアミン化合物との反応(架橋反応及び伸長反応の少なくとも一方の反応)を調整して、反応後の分子量が調整された樹脂であってもよい。
架橋/伸長反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
アミン化合物の比率は、イソシアネート基を有する非晶性ポリエステルプレポリマー中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、好ましくは1/2以上2/1以下、より好ましくは1/1.5以上1.5/1以下、さらに好ましくは1/1.2以上1.2/1以下である。[NCO]/[NHx]を上記範囲にすると、反応後のウレア変性の非晶性ポリエステル樹脂の分子量が増え、光輝性のばらつきが抑制された画像が得られ易くなる。
なお、ウレア変性の非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度は40℃以上65℃以下が好ましく、45℃以上60℃以下がさらに好ましい。数平均分子量は、2500以上50000以下であることが好ましく、2500以上30000以下がさらに好ましい。重量平均分子量は、1万以上50万以下であることが好ましく、3万以上10万以下がさらに好ましい。
−光輝性顔料−
光輝性顔料としては、例えば、金属光沢のごとき光輝感を付与し得る顔料(光輝性顔料)が挙げられる。光輝性顔料として具体的には、例えば、アルミニウム(Al単体の金属)、黄銅、青銅、ニッケル、ステンレス、亜鉛等の金属粉末;酸化チタン、黄色酸化鉄等を被覆した雲母;硫酸バリウム、層状ケイ酸塩、層状アルミニウムのケイ酸塩等の被覆薄片状無機結晶基質;単結晶板状酸化チタン;塩基性炭酸塩;酸オキシ塩化ビスマス;天然グアニン;薄片状ガラス粉;金属蒸着された薄片状ガラス粉などが挙げられ、光輝性を有するものならば特に制限はない。
光輝性顔料の中でも、特に鏡面反射強度の観点で、金属粉末が好ましく、その中でもアルミニウムが最も好ましい。
光輝性顔料の形状は扁平状(鱗片状)である。
光輝性顔料の長軸方向の平均長さは、1μm以上30μm以下であることが好ましく、3μm以上20μm以下がより好ましく、5μm以上15μm以下が更に好ましい。
光輝性顔料の厚さ方向の平均長さを1としたときの長軸方向の平均長さの比率(アスペクト比)は、5以上200以下であることが好ましく、10以上100以下がより好ましく、30以上70以下が更に好ましい。
光輝性顔料の各平均長さおよびアスペクト比は、以下の方法により測定される。走査電子顕微鏡(S−4800,(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用い、測定し得る倍率(300から100,000倍)で顔料粒子の写真を撮影し、得られた顔料粒子の画像を二次元化した状態で、各粒子の長軸方向の長さおよび厚さ方向の長さを測定し、光輝性顔料長軸方向の平均長さおよびアスペクト比を算出する。
光輝性顔料の含有量としては、例えば、トナー粒子100質量部に対して1質量部以上50質量部以下が好ましく、15質量部以上25質量部以下がより好ましい。
−離型剤−
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
離型剤の融解温度は、離型剤単体で示差熱分析(ASTMD3418−8に準拠)により測定したときの融解温度が60℃以上100℃以下であることが好ましく、60℃以上80℃以下であることがより好ましく、60℃以上70℃以下であることがさらに好ましい。
離型剤単体の融解温度を上記範囲とすることで、トナー粒子の示差熱分析の吸熱・発熱曲線における2回目の昇温過程において、60℃以上100℃以下の範囲に離型剤の吸熱ピークが得られやすくなる。
離型剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
また、離型剤と結晶性樹脂の配合比は、高速出力で低温定着したときに生じる光輝性のばらつきが抑制された画像を得る観点から、例えば質量比で1:1から1:3までの範囲内であることが好ましい。
−その他の添加剤−
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粒子、光輝性顔料以外のその他の着色剤等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含む。
帯電制御剤としては、例えば、4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミニウム、鉄、クロムなどの錯体を含む染料、トリフェニルメタン系顔料などが挙げられる。
無機粒子としては、例えば、シリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、又はこれらの表面を疎水化処理した物等、公知の無機粒子を単独又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、屈折率が結着樹脂よりも小さいシリカ粒子が好ましく用いられる。また、シリカ粒子は種々の表面処理を施されてもよく、例えばシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、シリコーンオイル等で表面処理したものが好ましく用いられる。
光輝性顔料以外のその他の着色剤としては、公知の着色剤が挙げられ、目的の色味に応じて選択する。なお、その他の着色剤としては、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。
−トナー粒子の特性等−
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、光輝性顔料と結着樹脂と必要に応じて離型剤等のその他添加剤とを含む芯部と、結着樹脂を含む被覆層と、で構成されていることがよい。
・トナー粒子の平均最大厚さCおよび平均円相当径D
トナー粒子は、扁平状であり、その平均最大厚さCよりも平均円相当径Dが長いことが好ましい。尚、平均最大厚さCと平均円相当径Dの比(C/D)が0.001以上0.500以下の範囲にあることがより好ましく、0.010以上0.200以下の範囲が更に好ましく、0.050以上0.100以下の範囲が特に好ましい。
比(C/D)が0.001以上であることにより、トナーの強度が確保され、画像形成の際における応力による破断が抑制され、顔料が露出することによる帯電の低下、その結果発生するカブリが抑制される。一方0.500以下であることにより、優れた光輝性が得られる。
上記平均最大厚さCおよび平均円相当径Dは、以下の方法により測定される。
トナー粒子を平滑面にのせ、振動を掛けてムラのないように分散する。1000個のトナー粒子について、カラーレーザ顕微鏡「VK−9700」(キーエンス社製)により1000倍に拡大して光輝性トナー粒子における最大の厚さCと上から見た面の円相当径Dを測定し、それらの算術平均値を求めることにより算出する。
・トナー粒子の断面における長軸方向と光輝性顔料の長軸方向との角度
トナー粒子の厚さ方向への断面を観察した場合に、トナー粒子の該断面における長軸方向と光輝性顔料の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる光輝性顔料の割合(個数基準)が、観察される全光輝性顔料のうち60%以上であることが好ましい。更には、上記割合が70%以上95%以下であることがより好ましく、80%以上90%以下であることが特に好ましい。
上記の割合が60%以上であることにより優れた光輝性が得られる。
ここで、トナー粒子の断面の観察方法について説明する。
トナー粒子をビスフェノールA型液状エポキシ樹脂と硬化剤とを用いて包埋したのち、切削用サンプルを作製する。次にダイヤモンドナイフを用いた切削機、例えばウルトラミクロトーム装置(UltracutUCT、Leica社製)を用いて−100℃の下、切削サンプルを切削し、観察用サンプルを作製する。観察サンプルを超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡(S−4800、日立ハイテクノロジーズ社製)により1視野にトナー粒子が1から10個程度見える倍率で観察する。
具体的には、トナー粒子の断面(トナー粒子の厚み方向に沿った断面)を観察し、観察された100個のトナー粒子について、トナー粒子の断面における長軸方向と光輝性顔料の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる光輝性顔料の数を、たとえば三谷商事株式会社製の画像解析ソフト(Wim ROOF)などの画像解析ソフトもしくは観察画像の出力サンプルと分度器を用いて数えその割合を計算する。
なお、「トナー粒子の断面における長軸方向」とは、前述の平均最大厚さCよりも平均円相当径Dが長いトナー粒子における厚さ方向と直交する方向を表し、また「光輝性顔料の長軸方向」とは、光輝性顔料における長さ方向を表す。
トナー粒子の体積平均粒子径は1μm以上30μm以下であることが望ましく、より望ましくは3μm以上20μm以下である。
なお、トナー粒子の体積平均粒子径D50vは、マルチサイザーII(コールター社製)等の測定器で測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて求められる。累積16%となる粒子径を体積D16v、数D16p、累積50%となる粒子径を体積D50v、数D50p、累積84%となる粒子径を体積D84v、数D84pと定義する。これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v1/2として算出される。
(外添剤)
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等が挙げられる。
外添剤としての無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
外添剤としては、樹脂粒子(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子)等も挙げられる。
外添剤の外添量としては、例えば、トナー粒子に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
(トナーの製造方法)
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、光輝性顔料を含むトナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
トナー粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば、凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等)のいずれにより製造してもよい。トナー粒子の製法は、これらの製法に特に制限はなく、周知の製法が採用される。
例えば、溶解懸濁法は、トナー粒子を構成する原料(樹脂粒子及び光輝性顔料等)を、結着樹脂が溶解可能な有機溶媒中に溶解又は分散させた液を、粒子分散剤を含有する水系溶媒に分散させた後、有機溶媒を除去することでトナー粒子を造粒して得る方法である。
また、乳化凝集法は、トナー粒子を構成する原料(樹脂粒子及び光輝性顔料等)の凝集体を形成する凝集工程と、凝集体を融合させる融合工程とを経て、トナー粒子を得る方法である。
これらの中でも、結着樹脂としてウレア変性の非晶性ポリエステル樹脂を含むトナー粒子は、次に示す溶解懸濁法により得ることがよい。なお、次に示す溶解懸濁法の説明では、結着樹脂として、未変性のポリエステル樹脂(結晶性ポリエステル樹脂及び非晶性ポリエステル樹脂の双方を含む。以下同様)とウレア変性の非晶性ポリエステル樹脂を含むトナー粒子を得る方法について示す。
[油相液調製工程]
未変性のポリエステル樹脂、イソシアネート基を有する非晶性ポリエステルプレポリマー、アミン化合物、光輝性顔料、及び離型剤を含むトナー粒子材料を有機溶媒に溶解又は分散させた油相液を調整する(油相液調製工程)。この油相液調製工程では、トナー粒子材料を有機溶媒中に溶解又は分散させて、トナー材料の混合液を得る工程である。
油相液は、1)トナー材料を一括して有機溶媒に溶解又は分散して、調製する方法、2)予めトナー材料を混練した後、この混練物を有機溶媒に溶解又は分散して、調製する方法、3)未変性のポリエステル樹脂、イソシアネート基を有する非晶性ポリエステルプレポリマー、アミン化合物を有機溶媒に溶解させた後、この有機溶媒に、光輝性顔料、及び離型剤を分散させて、調整する方法、4)光輝性顔料及び離型剤を有機溶媒に分散させた後、この有機溶媒に、未変性のポリエステル樹脂、イソシアネート基を有する非晶性ポリエステルプレポリマー、アミン化合物を溶解して、調製する方法、5)イソシアネート基を有する非晶性ポリエステルプレポリマー及びアミン化合物以外のトナー粒子材料(未変性のポリエステル樹脂、光輝性顔料、及び離型剤)を有機溶媒に溶解又は分散させた後、この有機溶媒に、イソシアネート基を有する非晶性ポリエステルプレポリマー及びアミン化合物を溶解して調製する方法、6)イソシアネート基を有する非晶性ポリエステルプレポリマー又はアミン化合物以外のトナー粒子材料(未変性のポリエステル樹脂、光輝性顔料、及び離型剤)を有機溶媒に溶解又は分散させた後、この有機溶媒に、イソシアネート基を有する非晶性ポリエステルプレポリマー又はアミン化合物を溶解して調製する方法等が挙げられる。なお、油相液の調製方法は、これらに限られるわけではない。
油相液の有機溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン等のケトン系溶媒;ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は、結着樹脂を溶解するものであって、かつ、水に溶解する割合が0質量%以上30質量%以下程度のものであり、沸点が100℃以下であることが好ましい。これらの有機溶媒の中でも、酢酸エチルが好ましい。
[懸濁液調製工程]
次に、得られた油相液を水相液中に分散させて懸濁液を調製する(懸濁液調製工程)。
そして、懸濁液の調製と共に、イソシアネート基を有する非晶性ポリエステルプレポリマーとアミン化合物とを反応を行う。そして、この反応によりウレア変性の非晶性ポリエステル樹脂を生成する。なお、この反応は、分子鎖の架橋反応及び伸長反応の少なくとも一方の反応が伴う。なお、このイソシアネート基を有する非晶性ポリエステルプレポリマーとアミン化合物との反応は、後述する有機溶媒除去工程と共に行ってもよい。
ここで、反応条件は、非晶性ポリエステルプレポリマーの有するイソシアネート基構造とアミン化合物との反応性により選択される。一例として、反応時間は、10分以上40時間以下が好ましく、2時間以上24時間以下が好ましい。反応温度は、0℃以上150℃以下が好ましく、40℃以上98℃以下が好ましい。なお、ウレア変性の非晶性ポリエステル樹脂の生成には、必要に応じて公知の触媒(ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート等)を使用してもよい。つまり、油相液、又は懸濁液に、触媒を添加してもよい。
水相液は、有機粒子分散剤、無機粒子分散剤等の粒子分散剤を水系溶媒に分散させた水相液が挙げられる。また、水相液は、粒子分散剤を水系溶媒に分散させると共に、高分子分散剤を水系溶媒に溶解させた水相液も挙げられる。なお、水相液には、界面活性剤等の周知の添加剤を添加してもよい。
水系溶媒は、水(例えば、通常、イオン交換水、蒸留水、純水)挙げられる。水系溶媒は、水と共に、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含む溶媒であってもよい。
有機粒子分散剤としては、親水性の有機粒子分散剤が挙げられる。有機粒子分散剤としては、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル樹脂(例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂)、ポリスチレン樹脂、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)樹脂等の粒子が挙げられる。有機粒子分散剤としては、スチレンアクリル樹脂の粒子も挙げられる。
無機粒子分散剤としては、親水性の無機粒子分散剤が挙げられる。無機粒子分散剤としては、具体的には、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、粘土、珪藻土、ベントナイト等の粒子が挙げられるが、炭酸カルシウムの粒子が好ましい。無機粒子分散剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
粒子分散剤は、その表面がカルボキシル基を有する重合体で表面処理されていてもよい。
上記カルボキシル基を有する重合体としては、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸またはα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸のカルボキシル基がアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アミン等により中和された塩(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等)から選ばれる少なくとも1種と、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸エステルとの共重合物が挙げられる。上記カルボキシル基を有する重合体としては、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸とα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸エステルとの共重合物のカルボキシル基がアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アミン等により中和された塩(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等)も挙げられる。上記カルボキシル基を有する重合体は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸の代表的なものとしては、α,β−不飽和モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等)、α,β−不飽和ジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等)などが挙げられる。また、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸エステルの代表的なものとしては、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル類、アルコキシ基を有する(メタ)アクリレート、シクロヘキシル基を有する(メタ)アクリレート、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
高分子分散剤としては、親水性の高分子分散剤が挙げられる。高分子分散剤としては、具体的には、カルボキシル基を有し、かつ親油基(ヒドロキシプロポキシ基、メトキシ基等)を有さない高分子分散剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等の水溶性のセルロースエーテル)が挙げられる。
[溶媒除去工程]
次に、得られた懸濁液から有機溶媒を除去してトナー粒子分散液を得る(溶媒除去工程)。この溶媒除去工程では、懸濁液に分散した水相液の液滴中に含まれる有機溶媒を除去して、トナー粒子を生成する工程である。懸濁液からの有機溶媒除去は、懸濁液調製工程の直後に行ってもよいが、懸濁液調製工程終了後、1分以上経過した後に行ってもよい。
溶媒除去工程では、得られた懸濁液を例えば0℃以上100℃以下の範囲に冷却または加熱することにより、懸濁液から有機溶媒を除去することがよい。
有機溶媒除去の具体的な方法には、次の方法が挙げられる。
(1)懸濁液に気流を吹き付けて、懸濁液面上の気相を強制的に更新する方法。この場合には、懸濁液中に気体を吹き込んでもよい。
(2)圧力を減圧する方法。この場合には、気体の充填により懸濁液面上の気相を強制的に更新してもよいし、さらに懸濁液中に気体を吹き込んでもよい。
以上の工程を経て、トナー粒子が得られる。
ここで、溶媒除去工程終了後は、トナー粒子分散液中に形成されたトナー粒子を、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナー粒子を得る。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。
また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
そして、本実施形態に係るトナーは、例えば、得られた乾燥状態のトナー粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造される。
混合は、例えば、Vブレンダー、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー等によって行うことがよい。
更に、必要に応じて、振動篩分機、風力篩分機等を使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
<静電荷像現像剤>
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散して配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;等が挙げられる。
磁性粉分散型キャリア及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、この表面に樹脂を被覆したキャリアであってもよい。
磁性粉としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属;フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物;などが挙げられる。
被覆用の樹脂、及びマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。被覆用の樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等の添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属;カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子;などが挙げられる。
芯材の表面を樹脂で被覆するには、被覆用の樹脂、及び各種添加剤(必要に応じて使用する)を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する樹脂の種類や、塗布適性等を勘案して選択すればよい。具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法;被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法;芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法;ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、その後に溶媒を除去するニーダーコーター法;等が挙げられる。
二成分現像剤におけるトナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
<画像形成装置/画像形成方法>
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。
そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置では、像保持体の表面を帯電する帯電工程と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、本実施形態に係る静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を有する画像形成方法(本実施形態に係る画像形成方法)が実施される。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体の表面に形成されたトナー画像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー画像の転写後、帯電前の像保持体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー画像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、現像手段を含む部分が、画像形成装置に対して脱着されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、現像手段を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図2は、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用された現像装置を含む画像形成装置の実施の形態を示す概略構成図である。
同図において、本実施形態に係る画像形成装置は、定められた方向に回転する像保持体としての感光体ドラム20を有し、この感光体ドラム20の周囲には、感光体ドラム20を帯電する帯電装置21と、この感光体ドラム20上に静電荷像Zを形成する静電荷像形成装置としての例えば露光装置22と、感光体ドラム20上に形成された静電荷像Zを可視像化する現像装置30と、感光体ドラム20上で可視像化されたトナー画像を記録媒体である記録紙28に転写する転写装置24と、感光体ドラム20上の残留トナーを清掃するクリーニング装置25とを、順次配設したものである。
本実施形態において、現像装置30は、図2に示すように、トナー40を含む現像剤Gが収容される現像ハウジング31を有し、この現像ハウジング31には感光体ドラム20に対向して現像用開口32を開設すると共に、この現像用開口32に面してトナー保持体としての現像ロール(現像電極)33を配設し、この現像ロール33に定められた現像バイアスを印加することで、感光体ドラム20と現像ロール33とに挟まれる領域(現像領域)に現像電界を形成する。更に、現像ハウジング31内には前記現像ロール33と対向して電荷注入部材としての電荷注入ロール(注入電極)34を設けたものである。特に、本実施形態では、電荷注入ロール34は現像ロール33にトナー40を供給するためのトナー供給ロールをも兼用したものになっている。
ここで、電荷注入ロール34の回転方向については選定して差し支えないが、トナーの供給性及び電荷注入特性を考慮すると、電荷注入ロール34としては、現像ロール33との対向部にて同方向で且つ周速差(例えば1.5倍以上)をもって回転し、電荷注入ロール34と現像ロール33とに挟まれる領域にトナー40を挟み、摺擦しながら電荷を注入する態様が好ましい。
次に、実施の形態に係る画像形成装置の作動について説明する。
作像プロセスが開始されると、先ず、感光体ドラム20表面が帯電装置21により帯電され、露光装置22が帯電された感光体ドラム20上に静電荷像Zを書き込み、現像装置30が前記静電荷像Zをトナー画像として可視像化する。しかる後、感光体ドラム20上のトナー画像は転写部位へと搬送され、転写装置24が記録媒体である記録紙28に感光体ドラム20上のトナー画像を静電的に転写する。尚、感光体ドラム20上の残留トナーはクリーニング装置25にて清掃される。この後、定着部材36A(定着ベルト、定着ロール等)と加圧部材36Bとを備える定着装置36によって記録紙28上のトナー画像が定着され、画像が得られる。
<プロセスカートリッジ/トナーカートリッジ>
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
なお、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、上記構成に限られず、現像装置と、その他、必要に応じて、例えば、像保持体、帯電手段、静電荷像形成手段、及び転写手段等のその他手段から選択される少なくとも一つと、を備える構成であってもよい。
以下、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図3は、本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
図3に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、図3中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるように構成されていてもよい。なお、本実施形態に係るトナーカートリッジには少なくともトナーが収容されればよく、画像形成装置の機構によっては、例えば現像剤が収められてもよい。
なお、図2に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ(図示せず)の着脱が自在な構成を有する画像形成装置であり、現像装置30はトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収納されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジを交換してもよい。
以下、実施例により本実施形態を詳細に説明するが、本実施形態は、これら実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
(結晶性ポリエステル樹脂(1)の作製)
加熱乾燥した三口フラスコに、1,9−ノナンジオール45モル部、ドデカンジカルボン酸55モル部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.05モル部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で2時間撹拌・還流を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い5時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、結晶性ポリエステル樹脂(1)を合成した。得られた結晶性ポリエステル樹脂(1)の重量平均分子量(Mw)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ポリスチレン換算)で測定したところ、25,000であった。
(結晶性ポリエステル樹脂(2)の作製)
モノマー成分を
・セバシン酸ジメチル :45部
・1,10−デカンジオール :30部
・ジメチルスルホキシド :25部
に変更した以外は、結晶性ポリエステル樹脂(1)と同様にして結晶性ポリエステル樹脂(2)を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂(2)の重量平均分子量(Mw)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ポリスチレン換算)で測定したところ、18000であった。
(結晶性ポリエステル樹脂(3)の作製)
モノマー成分を
・テレフタル酸 :45部
・1,9−ノナンジオール :30部
・ジメチルスルホキシド :25部
に変更した以外は、結晶性ポリエステル樹脂(1)と同様にして結晶性ポリエステル樹脂(3)を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂(3)の重量平均分子量(Mw)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ポリスチレン換算)で測定したところ、22000であった。
(非晶性ポリエステル樹脂(1)の作製)
・テレフタル酸 :1243部
・ビスフェノールA エチレンオキサイド付加物 :1830部
・ビスフェノールA プロピレンオキサイド付加物 :840部
上記成分を180℃で加熱混合した後、ジブチル錫オキサイド3部を加え、220℃で加熱しながら水を留去し、未変性の非晶性ポリエステル樹脂を得た。得られた未変性の非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度Tgは60℃、酸価は3mgKOH/g、水酸基価は1mgKOH/gであった。
(非晶性ポリエステルプレポリマー(1)の作製)
・テレフタル酸 :1243部
・ビスフェノールA エチレンオキサイド付加物 :1830部
・ビスフェノールA プロピレンオキサイド付加物 :840部
上記成分を180℃で加熱混合した後、ジブチル錫オキサイド3部を加え、220℃で加熱しながら水を留去し、非晶性ポリエステル樹脂を得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂350部、トリレンジイソシアネート50部、酢酸エチル450部を容器に入れ、この混合物を130℃で3時間加熱して、イソシアネート基を有する非晶性ポリエステルプレポリマー(1)(以下「イソシアネート変性の非晶性ポリエステルプレポリマー(1)」)を得た。
(ケチミン化合物(1)の作製)
容器にメチルエチルケトン50部とヘキサメチレンジアミン150部を入れ、60℃で撹拌してケチミン化合物(1)を得た。
(光輝性顔料分散液(1)の作製)
・アルミニウム顔料(扁平状の光輝性顔料、昭和アルミパウダー(株)製、2173EA) :100部
・酢酸エチル :500部
上記成分を混合し、混合物を濾過して酢酸エチル500部と更に混合する操作を5回繰り返した後、乳化分散機キャビトロン(太平洋機工(株)製、CR1010)を用いて1時間ほど分散して、光輝性顔料(アルミニウム顔料)が分散した光輝性顔料分散液(1)(固形分濃度:10%)を得た。
(離型剤分散液(1)の作製)
・パラフィンワックス(日本精蝋社製:品番155) :20部
・非晶性ポリエステル樹脂(1) :10部
・酢酸エチル(溶媒) :100部
上記成分を撹拌下80℃に昇温して3時間保持した後、常温まで冷却してビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、0.5mmジルコニアビーズにて5パス相当の分散を行って、離型剤分散液(1)を得た。
(離型剤分散液(2)〜(5)の作製)
表1に従って、離型剤の種類を変更した以外は離型剤分散液(1)と同様にして、各離型剤分散液を得た。


(油相液(1)の作製)
・結晶性ポリエステル樹脂(1) :8部
・非晶性ポリエステル樹脂(1) :40部
・光輝性顔料分散液(1) :17部
・酢酸エチル :56部
上記成分を攪拌混合後、得られた混合物に離型剤分散液(1)75部を加え、撹拌して、油相液(1)を得た。
(油相液(2)〜(5)、(C1)、(C2)の作製)
表2に従って、結晶性ポリエステル樹脂の種類、非晶性ポリエステル樹脂の種類、及び離型剤分散液の種類を変更した以外は油相液(1)と同様にして、各油相液を得た。
(スチレンアクリル樹脂粒子分散液(1)の作製)
・スチレン :370部
・nブチルアクリレート :30部
・アクリル酸 : 4部
・ドデカンチオール :24部
・四臭化炭素 : 4部
上記成分を混合し、溶解した混合物を、非イオン性界面活性剤(三洋化成工業(株)製:ノニポール400)6部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)10部をイオン交換水560部に溶解した水溶液に、フラスコ中で分散及び乳化した後、10分間混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4部をイオン交換水50部に溶解した水溶液を投入し、窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。こうして、平均粒子径が180nm、重量平均分子量(Mw)が15,500である樹脂粒子を分散させてなるスチレンアクリル樹脂粒子分散液(1)(樹脂粒子濃度:40質量%)を得た。なお、スチレンアクリル樹脂粒子のガラス転移点は59℃であった。
(水相液(1)の作製)
・スチレンアクリル樹脂粒子分散液(1) :60部
・セロゲンBS−H(第一工業製薬(株))の2%水溶液 :200部
・イオン交換水 :200部
上記成分を撹拌混合し、水相液(1)を得た。
<実施例1>
−トナー粒子(1)の作製−
・油相液(1) :300部
上記成分を容器に入れ、ホモジナイザー(ウルトラタラックス:IKA社製)により2分間攪拌して油相液(1P)を得た後、容器に水相液(1)1000部を加え、ホモジナイザーで20分間撹拌した。次に、室温(25℃)、常圧(1気圧)で48時間、プロペラ型攪拌機でこの混合液を攪拌し、有機溶媒を除去し、粒状物を形成した。次に、粒状物を水洗、乾燥及び分級して、トナー粒子(1)を得た。トナー粒子の体積平均粒子径は12μmであった。
また、得られたトナー粒子(1)について、既述の方法により示差熱分析(ASTMD3418−8に準拠)を実施し、2回目の昇温過程で得られた示差熱分析の吸熱・発熱曲線から、結晶性ポリエステル樹脂の融解に基づく吸熱ピークの頂点温度を結晶性樹脂の融解温度として求めた。離型剤についても同様に、離型剤の融解に基づく吸熱ピークの頂点温度を離型剤の融解温度として求めた。そして、結晶性ポリエステル樹脂の融解温度と離型剤の融解温度との差を算出した。以下のトナー粒子(2)〜(6)、(C1)、(C2)についても同様の方法で、結晶性樹脂の融解温度、離型剤の融解温度及びこれらの温度の差を求めた。結果を表3に示す。
尚、トナー粒子(6)については結晶性樹脂と離型剤の融点が近かった為に、熱分析で得られたピークがあたかも1つであるように観察された。しかし、前述のトナー粒子の酢酸エチル不溶分の抽出手法とFT−IRによる化合物の解析によって、トナーから結晶性樹脂と離型剤以外の材料をほぼ取り除けること、ろ紙上に採取された固形物が結晶性樹脂と離型剤の2種の混合物であることが確認できた。
−光輝性トナー(1)の作製−
トナー粒子(1) :100部と、疎水性シリカ(日本アエロジル社製、RY50) :1.5部と、疎水性酸化チタン(日本アエロジル社製、T805) :1.0部と、をサンプルミルにより10000rpmで30秒間混合した。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分して光輝性トナー(1)を得た。
<実施例2>
トナー粒子(1)の作製において、油相液(1)を油相液(2)に変更した以外は、トナー粒子(1)と同様にして、トナー粒子(2)を得た。
そして、トナー粒子(2)を使用した以外は、光輝性トナー(1)と同様にして、光輝性トナー(2)を得た。
<実施例3>
トナー粒子(1)の作製において、油相液(1)を油相液(3)に変更した以外は、トナー粒子(1)と同様にして、トナー粒子(3)を得た。
そして、トナー粒子(3)を使用した以外は、光輝性トナー(1)と同様にして、光輝性トナー(3)を得た。
<実施例4>
トナー粒子(1)の作製において、油相液(1)を油相液(4)に変更した以外は、トナー粒子(1)と同様にして、トナー粒子(4)を得た。
そして、トナー粒子(4)を使用した以外は、光輝性トナー(1)と同様にして、光輝性トナー(4)を得た。
<実施例5>
−トナー粒子(5)の作製−
・油相液(3) :300部
・イソシアネート変性の非晶性ポリエステルプレポリマー(1) :30部
・ケチミン化合物(1) :0.8部
上記成分を容器に入れ、ホモジナイザー(ウルトラタラックス:IKA社製)により2分間攪拌して油相液(1P)を得た後、容器に水相液(1)1000部を加え、ホモジナイザーで20分間撹拌した。次に、室温(25℃)、常圧(1気圧)で48時間、プロペラ型攪拌機でこの混合液を攪拌し、イソシアネート変性の非晶性ポリエステルプレポリマー(1)とケチミン化合物(1)とを反応させ、ウレア変性の非晶性ポリエステル樹脂を生成すると共に、有機溶媒を除去し、粒状物を形成した。次に、粒状物を水洗、乾燥及び分級して、トナー粒子(5)を得た。トナー粒子の体積平均粒子径は12μmであった。
−光輝性トナー(5)の作製−
トナー粒子(5) :100部と、疎水性シリカ(日本アエロジル社製、RY50) :1.5部と、疎水性酸化チタン(日本アエロジル社製、T805) :1.0部と、をサンプルミルにより10000rpmで30秒間混合した。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分して光輝性トナー(5)を得た。
<実施例6>
トナー粒子(1)の作製において、油相液(1)を油相液(5)に変更した以外は、トナー粒子(1)と同様にして、トナー粒子(6)を得た。
そして、トナー粒子(6)を使用した以外は、光輝性トナー(1)と同様にして、光輝性トナー(6)を得た。
<比較例1>
トナー粒子(1)の作製において、油相液(1)を油相液(C1)に変更した以外は、トナー粒子(1)と同様にして、トナー粒子(C1)を得た。
そして、トナー粒子(C1)を使用した以外は、光輝性トナー(1)と同様にして、光輝性トナー(C1)を得た。
<比較例2>
トナー粒子(1)の作製において、油相液(1)を油相液(C2)に変更した以外は、トナー粒子(1)と同様にして、トナー粒子(C2)を得た。
そして、トナー粒子(C2)を使用した以外は、光輝性トナー(1)と同様にして、光輝性トナー(C2)を得た。
<測定/評価>
(現像剤の作製)
各例で得られた光輝性トナー :36部と、キャリア :414部と、を2リットルのVブレンダーに入れ、20分間撹拌し、その後212μmで篩分して現像剤を作製した。なお、キャリアは次に示す方法で得られたキャリアを使用した。
−キャリアの作製−
・フェライト粒子(体積平均粒子径:35μm):100部
・トルエン:14部
・メチルメタクリレート−パーフルオロオクチルエチルアクリレート共重合体(臨界表面張力:24dyn/cm):1.6部
・カーボンブラック(商品名:VXC-72、キャボット社製、体積抵抗率:100Ωcm以下):0.12部
・架橋メラミン樹脂粒子(平均粒子径:0.3μm、トルエン不溶):0.3部
まず、メチルメタクリレート−パーフルオロオクチルエチルアクリレート共重合体に、カーボンブラックをトルエンに希釈して加えサンドミルで分散した。次いで、これにフェライト粒子以外の上記各成分を10分間スターラーで分散し、被覆層形成用溶液を調合した。次いでこの被覆層形成用溶液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、温度60℃において30分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去して、樹脂被覆層を形成してキャリアを得た。
(評価)
−光輝性のばらつき−
得られた現像剤を、富士ゼロックス(株)製「color 800 press 改造機」の現像器に充填した。
この改造機を用いて、OKトップコート紙(坪量127:王子製紙社製)の紙に、光輝性トナーの載り量が4.5g/mで、帯状のベタ画像を100枚出力した。なお、定着条件は、高速出力で低温定着の条件、具体的には、前記紙の搬送速度:400mm/秒、定着温度:160℃とした。
出力した1枚目、10、20、30、40、50、60、70、80、90、及び100枚目の帯状のベタ画像に対し、東洋精機社製の多角度測色計(BYK−Mac)を用いてベタ画像への入射角−45°の入射光を入射し、受光角+30°における反射率Aと受光角−30°における反射率Bを測定する。尚、反射率Aおよび反射率Bは、400nmから700nmの範囲の波長の光について20nm間隔で測定を行い、各波長における反射率の平均値とした。これらの測定結果から比(X/Y)を算出した。そして、X/Yから標準偏差σを算出し、標準偏差σを光輝性のばらつきを示す指標とした。評価基準は以下の通りである。許容な結果は、AとBである。結果を表3に示す。
−評価基準−
A(○):標準偏差σ≦0.5
B(△):0.5<標準偏差σ≦1.0
C(×):1.0<標準偏差σ
−ホットオフセット−
同様に、各現像剤を用いて定着温度のみ160℃、170℃、180℃、190℃、200℃に変更して各1枚ずつベタ画像を出力した後、直ちに白紙を通紙して定着ロールに付着したトナーを白紙に転写させ、目視にて認識できるレベルのホットオフセットの有無を確認した。許容な結果は、AとBである。
−評価基準−
A(○):200℃でも発生なし
B(△):190℃で発生が認められるが許容できる。
C(×):180℃以下で発生が認められる。
上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、高速出力で低温定着したときに生じる光輝性のばらつきが抑制された画像が得られることがわかる。
また、油相液(3)を用いて作製した実施例3、5の光輝性トナーにおいて、トナー粒子にウレア変性の非晶性ポリエステル樹脂を含む実施例5は、トナー粒子に未変性の非晶性ポリエステル樹脂を含む実施例3に比べ、光輝性のばらつきを示す標準偏差σが小さくなり、かつホットオフセットが抑制されたことがわかる。
2 トナー粒子
4 光輝性顔料
20 感光体ドラム(像保持体の一例)
21 帯電装置(帯電手段の一例)
22 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
24 転写装置(転写手段の一例)
25 クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
28、300 記録紙(記録媒体の一例)
30 現像装置(現像手段の一例)
31 現像ハウジング
32 現像用開口
33 現像ロール
34 電荷注入ロール
36 定着装置(定着手段の一例)
40 トナー
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
117 筐体
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ

Claims (7)

  1. 扁平状の光輝性顔料と、結晶性樹脂と、非晶性樹脂と、離型剤とを含み、ASTMD3418−8に準拠した示差熱分析の吸熱・発熱曲線における2回目の昇温過程において、60℃以上100℃以下の範囲に2つ以上の吸熱ピークを有し、前記2つ以上の吸熱ピークの温度の差が15℃以内にあるか、又は、60℃以上100℃以下の範囲に1つの吸熱ピークを有し、かつトナー粒子の酢酸エチル不溶分に、結晶性樹脂と離型剤とに該当する化合物を含むトナー粒子を有する光輝性トナー。
  2. 前記トナー粒子が、前記非晶性樹脂として、ウレア変性の非晶性ポリエステル樹脂を含む請求項1に記載の光輝性トナー。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の光輝性トナーを含む静電荷像現像剤。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の光輝性トナーを収容し、
    画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
  5. 請求項3に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  6. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    請求項3に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
    を備える画像形成装置。
  7. 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
    請求項3に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
    を有する画像形成方法。
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