JP2017062126A - 測位装置、および測位装置の測位方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、この計画による消費電池容量が電池容量よりも小さい場合、電池駆動端末は、ユーザが所定の計画を完了する前に電池容量を使い切るおそれがある。
これに対してGPS測位装置は、緯度や経度などを測位することができるが、自律航法用センサと比較して単位時間当たりの消費電池容量が大きく、かつGPS衛星の電波が届かない区域では測位を行えないという欠点がある。よって測位装置は、GPS測位装置を間欠的に動作させつつ、自律航法用センサを継続的に動作させて、両者の欠点を打ち消している。
測位用衛星から信号を受信して測位を行う第1の測位手段と、
動きと方位に関する検出を行う自律航法用センサの出力に基づき測位を行う第2の測位手段と、
前記第1の測位手段及び前記第2の測位手段の稼働率を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、下り移動時の前記第1の測位手段の稼働率が、前記下り移動以外の移動時の前記第1の測位手段の稼働率よりも高くなるように前記第1の測位手段を駆動する、
ことを特徴とする測位装置である。
図1は、第1の実施形態における測位装置1のブロック図である。
この測位装置1は、例えば登山者などによる使用に適した機能を有し、開始地点から終了地点までを歩行する際に、各時間の位置を測位する機能と、測位した位置情報の履歴を事後的に外部に出力する機能とを有する。なお、この測位装置1は、腕時計型電子機器、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、携帯ゲーム機、携帯PC(Personal Computer)等の携帯端末型の電子機器によっても実現できる。
CPU11はコンピュータであり、シリアルフラッシュ12やROM14に予め記憶された装置制御プログラム(不図示)に従い、RAM13を作業用メモリとして回路各部の動作を制御して各種の機能を実行する。RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等が適宜記憶される。
シリアルフラッシュ12は、読み書き可能なフラッシュメモリである。このシリアルフラッシュ12は、移動経路を予め計画した移動計画121、測位装置1の各部分の消費電池容量を予め計画した電力消費計画122、移動経路に沿った一連の位置データが蓄積された位置情報履歴123などの情報を格納する。
電池2は、一次電池または二次電池であり、その電池容量はCPU11によって判断可能である。電池2は、測位装置1の各部分に電力を供給する。
キー3は複数の操作ボタンを有し、ユーザから操作指令を入力して、この測位装置1を操作する操作手段である。
GPSモジュール4は、CPU11からの動作指令に基づいて、GPSアンテナを介して受信される信号を復調し、GPS衛星の各種送信データをCPU11に送る。CPU11は、このGPS衛星の送信データに基づいて所定の測位演算を行うことで、現在位置を表わす緯度・経度などのGPS測位データを算出することができる。
気圧センサ6は、大気圧を感知するセンサである。CPU11は、この気圧センサ6の信号の変化に基づき、高度情報を取得する。
無線モジュール7は、外部装置とデータを送受信するためのインタフェースである。無線モジュール7は、移動計画121を外部装置から受信し、自身が測位した結果である位置情報履歴123を外部装置に送信する。
加速度センサ51は、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の加速度を検出する。これにより、CPU11(図1参照)は、重力方向を検知すると共に、ユーザの移動に伴う運動の大きさを測定することができる。更に加速度センサ51の検出結果を地磁気センサ52の検出結果と組み合わせて相対的な位置変化を求め、測位を行うことができる。
ジャイロセンサ53は、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の角速度を検出する。これにより、CPU11(図1参照)は、測位装置1の方向の変化を測定し、自律航法で求める位置変化の精度を高めることができる。
GPS制御手段81は、CPU11によって不図示のGPS制御プログラムが実行されることにより具現化され、エフェメリスデータの取得状況等を元にGPSモジュール4の間欠制御を実施し、GPSデータを出力するGPS測位手段(第1の測位手段)である。なお、エフェメリスデータとは、測位衛星が放送する自衛星の正確な軌道情報である。
センサ制御手段82は、CPU11によって不図示のセンサ制御プログラムが実行されることにより具現化され、自律航法用センサ5と気圧センサ6とを制御する。
また自律測位手段831は、ジャイロセンサ53によって測位装置1の向きの相対量を検知することにより、加速度センサ51によって検知した重力方向を補正する。これにより、自律測位の精度を向上させることができる。
制御手段833は、移動検知手段832が検知したユーザの上下方向の移動と電力消費計画122とに基づき、GPS制御手段81および自律測位手段831の稼働率を制御する。制御手段833は更に、ユーザの移動経路及び移動時間を含む移動計画121に基づき、移動経路に沿った時間帯毎の高度データを作成し、時間帯毎の高度データを比較することで下り移動時のGPSモジュール4の稼働率が、下り移動以外の移動時のGPSモジュール4の稼働率よりも高くなるようにGPS制御手段81を駆動する、この制御手段833は、下り移動が予測される時間帯のGPSモジュール4の稼働率を、上り移動または水平移動が予測される時間帯のGPSモジュール4の稼働率よりも高くした電力消費計画122を作成し、作成した電力消費計画122に基づく稼働率でGPSモジュール4を駆動する。このGPSモジュール4は、自律測位センサ5よりも単位時間あたりの電力消費が大きい、
移動計画121の一例として、登山計画書が不図示のスマートフォンの画面上に示されている。登山計画書とは、登山の際に自治体や警察などに提出する書類である。この登山計画書の提出により、遭難の際の捜索が容易となるため、登山の際には作成して提出することが望ましい。
登山計画書は、登山者の氏名・住所などの連絡先、登山ルートを示す登山口・目的の山系、登山の行動予定、登山の概念図を含んで構成される。ユーザは、スマートフォン等で登山計画書を作成し、警察や自治体などに送信すると共に、無線通信路を介して測位装置1に送信する。測位装置1は、受信した登山計画書を、移動計画121としてシリアルフラッシュ12に格納し、電力消費計画122を作成する。移動計画121は、ユーザ(移動体)の移動経路及び移動時間を含んでいる。
電力消費計画122は、シリアルフラッシュ12に格納されており、「時刻」「経過時間」「高度」「行動」が関連付けられている。電力消費計画122の「行動」には、上り/下り/平らが格納されており、更に停止、乗り物移動等が格納される場合もある。更に電力消費計画122には、GPSモジュール4の稼働率と単位時間当たりの消費電池容量、その他回路の単位時間当たりの消費電池容量、合計した単位時間当たりの消費電池容量と消費電池容量が格納されている。図5と図6では、図4の登山計画書に基づいて作成された電力消費計画122の一部が抜粋されて示されている。
よって、消費電池容量を削減しつつ精度のよい位置情報を取得するには、「下り」でのGPSモジュール4の稼働率を「平ら/上り」よりも高くするとよい。図5の電力消費計画122では、「平ら/上り」の稼働率を5.6%、「下り」での稼働率を100%として計画している。なお、5分間あたりの上下の移動量が5m以下のときには、「平ら」としている。
最初に、電池容量P0に対して所定の動作マージンとして15〜25%を残し、電池消費率が適正範囲である75〜85%となるように、式(1)により、全体で使用できる消費電池容量P1を計算する。ここでは電池消費率を79.3%として計算している。
上記の式(4)で算出された平ら/上りでのGPS稼働率RUが下限の閾値を下回ってしまった場合は、式(2)の下りのGPS稼働率Rdを100%から下げて(例えば90%等)算出しなおしてもよい、また、下限の閾値Rtから平らと上りで使用可能な消費電池容量を算出し、全体で使用可能な消費電池容量P1から平らと上りで使用可能な消費電池容量を減算して下りで使用可能な消費電池容量を求めたのち、下りのGPS稼働率を配分してもよい。
図7(a)は、電力消費計画122の「高度」を示すグラフである。以下のグラフでは、共通して7時と17時が登山口を示し、10時15分と15時30分がA尾根を示し、10時50分と14時40分がB稜を示し、12時45分から13時45分までがC峰を示している。
図7(b)は、電力消費計画122の「高度」から算出した上下移動を示すグラフである。この上下移動に応じて、GPSモジュール4の稼働率が決定される。
図7(c)は、電力消費計画122の「消費電池容量」を示すグラフである。これにより、計画が終了する17時の時点での消費電池容量を算出可能である。
10時15分から10時50分までは、A尾根からB稜までの下り行程(図7(b)参照)である。このときGPSモジュール4の稼働率は高く、よって消費電池容量の増加率は急である。
10時50分から12時45分までは、B稜からC峰までの上り行程(図7(b)参照)である。このときGPSモジュール4の稼働率は低く、よって消費電池容量の増加率は緩やかである。
12時45分から13時45分までは、C峰で休憩する。このときGPSモジュール4の稼働率は低く、よって消費電池容量の増加率は緩やかである。
14時40分から15時30分までは、B稜からA尾根までの緩やかな上りであり、平らな行程と判断される。このときGPSモジュール4の稼働率は低く、よって消費電池容量の増加率は緩やかである。
15時30分から17時までは、A尾根から登山口までの下り行程(図7(b)参照)である。このときGPSモジュール4の稼働率は高く、よって消費電池容量の増加率は急である。
測位装置1のCPU11は、キー3等による起動要求を受けて内部を初期化し(ステップS10)、登山計画書のデータを読み込んで移動計画121として格納し(ステップS11)、電力消費計画作成処理(ステップS12)を実行する。この電力消費計画作成処理は、図9で詳細に説明する。
その後、測位装置1のCPU11は、測位処理(ステップS13)を実行する。この測位処理は、図10で詳細に説明する。
測位処理の後、CPU11は、所定の終了処理(ステップS14)を実行し、図8の処理を終了する。
制御手段833は、移動計画121の開始時刻から終了時刻まで所定時間毎に区切って、ステップS20〜S30の処理を繰り返す。これにより、移動計画121の開始時刻から終了時刻まで、電力消費計画122の時間帯毎のタイムテーブルを作成することができる。
制御手段833は、電力消費計画122における経過時間を算出し(ステップS21)、当該時間における位置および高度を算出する(ステップS22)。CPU11は、この高度の算出において、不図示の地形データベースなどを参照する。
ステップS33にて、電池消費率が適正範囲よりも大きい場合には、行動が下りの場合のGPSの稼働率を減らすとよく、電池消費率が適正範囲よりも小さい場合には、行動が上り/平らの場合のGPSモジュール4の稼働率を増やすとよい。
なお、計画データが存在しない場合に、制御手段833は、デフォルトの電力消費計画122を利用することとなる。デフォルトの電力消費計画122とは、例えば「行動」が常に平らであり、開始時刻が7時、終了時刻が24時というものである。このようなデフォルトの電力消費計画122にもとづく測位処理(図10参照)では、気圧センサ6によって高度変化を実測するまでのタイムラグ期間だけ、上り/下りの行動とGPS稼働率の変化とが一致しなくなる。このため消費電池容量が増大し、または測位誤差が大きくなるので、予め電力消費計画122を作成しておくことが望ましい。
ユーザが登山口にて登山を開始し、測位装置1の所定のキー3(例えば、行動開始ボタン)を押下することにより、測位装置1は、電力消費計画122に沿った計測を開始する。
制御手段833は、電力消費計画122に沿って、ステップS40〜S51の処理を繰り返す。
最初、移動検知手段832が、気圧センサ6の信号の変化に基づく高度情報を取得し、地形を検出する(ステップS41)。制御手段833は、この高度情報の変化に基づき、ユーザ(移動体)の上下の移動を検知すると共に、現在の上下移動と計画とを照合する(ステップS42)。
更にCPU11は、電力消費計画122の現在の時刻における位置(高度を含む)情報と位置情報作成手段83が作成した位置(高度を含む)情報から、電力消費計画122がどこまで達成されたかを判断し、電力消費計画122の遂行時刻を補正する(ステップS47)。具体的にいうと、図5に示した電力消費計画122に基づく動作にて、10時25分に高度1349mのA尾根に到達したならば、それ以降の電力消費計画122の各時刻に10分を加算して補正する。
またステップS50にて、計画達成率が適正範囲より高い場合、電力消費計画122に対し電池容量に余裕がある。よって制御手段833は、これ以降の電力消費計画122のGPSモジュール4の稼働率をさらに上げることで、計画達成率が適正範囲になる様に調整する。この処理により、限られた電池容量を効率的に利用する事が可能となり、位置測位性能が最適化される。つまり、登山計画書(移動計画121)の開始時刻から終了時刻まで、高い精度の測位情報を取得することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能であり、例えば、次の(a)〜(d)のようなものがある。
(a) 上記実施形態では、GPS衛星を用いた位置測位を前提としているが、その他のGNSS(Global Navigation Satellite System)測位システム(複合システムを含む)で使用してもよい。
(b) 電力消費計画122の作成タイミングは、計画実施前に限定されず、計画の実施中に逐次作成してもよい。
(c) GPS稼働率の値は、上記実施形態には限定されない。
(d) 制御手段833は、移動計画121の終了時に消費電池容量が所定範囲になるようにGPSモジュール4の稼働率を調整した電力消費計画122を生成すればよい。制御手段833は、例えば移動計画121の終了時における電池容量の絶対値が、所定範囲になるように電力消費計画122を調整してもよい。
〔付記〕
<請求項1>
測位用衛星から信号を受信して測位を行う第1の測位手段と、
動きと方位に関する検出を行う自律航法用センサの出力に基づき測位を行う第2の測位手段と、
前記第1の測位手段及び前記第2の測位手段の稼働率を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、下り移動時の前記第1の測位手段の稼働率が、前記下り移動以外の移動時の前記第1の測位手段の稼働率よりも高くなるように前記第1の測位手段を駆動する、
ことを特徴とする測位装置。
<請求項2>
前記制御手段は、移動体の移動経路及び移動時間を含む移動計画に基づき、前記下り移動が予測される時間帯の前記第1の測位手段の稼働率を、前記下り移動以外の移動が予測される時間帯の前記第1の測位手段の稼働率よりも高くした電力消費計画を作成し、作成した前記電力消費計画に基づく稼働率で前記第1の測位手段を駆動する、
ことを特徴とする請求項1に記載の測位装置
<請求項3>
前記第1の測位手段は前記第2の測位手段よりも単位時間あたりの消費電池容量が大きい、
ことを特徴とする請求項2に記載の測位装置。
<請求項4>
前記制御手段は、前記移動計画の達成時に消費電池容量が所定範囲になるように前記第1の測位手段の稼働率を調整する、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の測位装置。
<請求項5>
少なくとも前記下り移動と前記下り移動以外の移動とを検知する移動検知手段を更に備え、
前記制御手段は、前記電力消費計画と前記移動検知手段が検知した移動方向とを比較し、両者間にずれが生じている際には、前記電力消費計画における前記第1の測位手段の稼働率を修正して実行する、
ことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の測位装置。
<請求項6>
測位装置が実行する測位方法であって、
前記測位装置は、
測位用衛星から信号を受信して測位を行う第1の測位手段と、
動きと方位に関する検出を行う自律航法用センサの出力に基づき測位を行う第2の測位手段と、
前記第1の測位手段および前記第2の測位手段の稼働率を制御する制御手段とを備えており、
前記制御手段が、下り移動時の前記第1の測位手段の稼働率を、前記下り移動以外の移動時の前記第1の測位手段の稼働率よりも高くなるように前記第1の測位手段を駆動する、
ことを特徴とする測位装置の測位方法。
11 CPU
121 移動計画
122 電力消費計画
123 位置情報履歴
2 電池
4 GPSモジュール
5 自律航法用センサ
51 加速度センサ
52 地磁気センサ
53 ジャイロセンサ
6 気圧センサ
7 無線モジュール
81 GPS制御手段
82 センサ制御手段
83 位置情報作成手段
831 自律測位手段
832 移動検知手段
833 制御手段
Claims (6)
- 測位用衛星から信号を受信して測位を行う第1の測位手段と、
動きと方位に関する検出を行う自律航法用センサの出力に基づき測位を行う第2の測位手段と、
前記第1の測位手段及び前記第2の測位手段の稼働率を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、下り移動時の前記第1の測位手段の稼働率が、前記下り移動以外の移動時の前記第1の測位手段の稼働率よりも高くなるように前記第1の測位手段を駆動する、
ことを特徴とする測位装置。 - 前記制御手段は、移動体の移動経路及び移動時間を含む移動計画に基づき、前記下り移動が予測される時間帯の前記第1の測位手段の稼働率を、前記下り移動以外の移動が予測される時間帯の前記第1の測位手段の稼働率よりも高くした電力消費計画を作成し、作成した前記電力消費計画に基づく稼働率で前記第1の測位手段を駆動する、
ことを特徴とする請求項1に記載の測位装置 - 前記第1の測位手段は前記第2の測位手段よりも単位時間あたりの消費電池容量が大きい、
ことを特徴とする請求項2に記載の測位装置。 - 前記制御手段は、前記移動計画の達成時に消費電池容量が所定範囲になるように前記第1の測位手段の稼働率を調整する、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の測位装置。 - 少なくとも前記下り移動と前記下り移動以外の移動とを検知する移動検知手段を更に備え、
前記制御手段は、前記電力消費計画と前記移動検知手段が検知した移動方向とを比較し、両者間にずれが生じている際には、前記電力消費計画における前記第1の測位手段の稼働率を修正して実行する、
ことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の測位装置。 - 測位装置が実行する測位方法であって、
前記測位装置は、
測位用衛星から信号を受信して測位を行う第1の測位手段と、
動きと方位に関する検出を行う自律航法用センサの出力に基づき測位を行う第2の測位手段と、
前記第1の測位手段および前記第2の測位手段の稼働率を制御する制御手段とを備えており、
前記制御手段が、下り移動時の前記第1の測位手段の稼働率を、前記下り移動以外の移動時の前記第1の測位手段の稼働率よりも高くなるように前記第1の測位手段を駆動する、
ことを特徴とする測位装置の測位方法。
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