JP2017061821A - マンホールに接続する下水道本管の継手装置と、その施工方法 - Google Patents
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第一の手順として、図4(a)のように、環体1の内周部に設けてある内周側パッキン保持部7に内周側弾性パッキン2を嵌合し、さらに、環体1の外周部に設けてある外周側パッキン保持部8に外周側弾性パッキン3を嵌合する。
第二の手順として、図4(b)のように、上記した内外に配置される各弾性パッキン2,3をそれぞれ嵌合した環体1を、マンホール周壁10の空隙12に挿入する。このときに、環体1のアングル6がマンホール周壁10に当接するまで押し込み、外周側弾性パッキン3がマンホール周壁10の空隙12の内周部に当接する位置まで押し込む。これと同時に、内周側弾性パッキン2と下水道本管11の外周部も当接し、そのまま内周側弾性パッキン2が摺動しながら環体1が押し込まれていき、図4(c)のように、下水道本管11のマンホール周壁10側の管口は、マンホール周壁10の内周面とほほ面一となるように挿入する。上記の第一〜第三の手順を経ることにより、本実施による継手装置でマンホール周壁10に下水道本管11を取り付ける工程が完了する。
本実施によるマンホール周壁10に下水道本管11を取り付ける継手装置は、環体1の内周側パッキン保持部7と外周側パッキン保持部8のそれぞれに内周側弾性パッキン2と外周側弾性パッキン3を嵌合している。内周側弾性パッキン2は、下水道本管11の外周部に当接して環体1と下水道本管11の隙間を閉塞する。また、外周側弾性パッキン3は、マンホール周壁10に設けた空隙12の孔内周部に当接し、環体1とマンホール周壁10との隙間を閉塞する。さらに、内周側弾性パッキン2と外周側弾性パッキン3の配置位置は、下水道本管11の延伸方向に相違しており、内外の各弾性パッキン2,3を支点として環体1と下水道本管11が独立して揺動できるように形成してある。また、内周側弾性パッキン2と外周側弾性パッキン3は、それぞれが内周側パッキン保持部7と外周側パッキン保持部8に嵌合していることで、環体1と下水道本管11のマンホール周壁10からの抜け出しとマンホール周壁10への突入のそれぞれの動きに対し、環体1と下水道本管11からの捲れや摺れによる離脱が防がれる。さらに、環体1のアングル6が当接するマンホール周壁10の内周部には、エポキシ樹脂の接合剤で接合する。尚、符号15はインバートである。
環体1の内周側弾性パッキン2が下水道本管11の外周部に当接して隙間を閉塞し、さらに、環体1の外周側弾性パッキン3がマンホール周壁10の空隙12の内周部に当接して隙間を閉塞する。これにより、環体1とマンホール周壁10の隙間からの地下水のマンホール内への流入を外周側弾性パッキン3が防ぎ、さらに、環体1と下水道本管11の隙間からの地下水のマンホール内への流入を内周側弾性パッキン2で防ぐことができる。さらに、環体1に嵌合した内周側弾性パッキン2と外周側弾性パッキン3が下水道本管11の延伸方向の相違した位置に千鳥状に配置してあることで、内周側弾性パッキン2は環体1と下水道本管11の間で互いの支点となり、外周側弾性パッキン3がマンホール周壁10と環体1の間で互いの支点となる。このことから、図5(a)(b)のように、地震等の地盤変化が起きたときに、マンホール周壁10と下水道本管11が異なる方向に動いても、マンホール周壁10と下水道本管11の間に配置された環体1が、内周側弾性パッキン2と外周側弾性パッキン3の緩衝によって例えるなら関節のように動く。さらに、内周側弾性パッキン2と外周側弾性パッキン3が下水道本管11の延伸方向の相違した位置にそれぞれ配置してあることで、下水道本管11の揺動範囲を大きくできて応力を分散して衝撃を緩和することができる。
第一の手順として、図9(a)のように、環体1の取付部18を駆動機17の被取付部21に取り付け、駆動機17の回転によって環体1が連動できる状態とする。
第二の手順として、図9(b)のように、下水道本管11の外周部のコンクリートをあらかじめ貫通しない程度に穴状に切削しておき、その切削穴(空隙)22に環体1を差し込む。さらに、環体1を取り付けた駆動機17を移動し、マンホール周壁10に挿通した下水道本管11の外周部を囲むように環体1を位置させる。
第三の手順として、図9(c)のように、そして、駆動機17を駆動して環体1を回転し、さらに、環体1の切削刃16で下水道本管11が挿通する外周部のマンホール周壁1のコンクリートを切削する。このときに、駆動機17をマンホール周壁1側に押し付けていき、環体1の切削刃16で切削穴22よりもさらに深くコンクリートを切削しながら、マンホール周壁1の外側に向けて推進し、マンホール周壁1を貫通する。
第四の手順として、図9(d)のように、環体1の端部がマンホール周壁10の内周側部とほぼ面一となるまで駆動機17を推進した段階で、それ以上の環体1の推進を止める。
上記の第一〜第四の各手順を経ることにより、マンホール周壁10と環体1との隙間が外周側弾性パッキン3で閉塞された水密性の高い本実施による継手装置が完成する。
環体1の外周側弾性パッキン3がマンホール周壁10の切削面に圧接しながら切削刃16がコンクリート周壁10を切削していくことで、マンホール周壁10と環体1との隙間を外周側弾性パッキン3が常に閉塞しながら施工することできる。これにより、施工中は、マンホールの外から地下水がマンホール内に流入することがなく、マンホール内の水密性を施工から完成に至るまで確実に確保できる。また、本実施による継手装置の施工では、下水道本管11の外周部をあらかじめ切削しておかず、環体1の切削刃16でそのままマンホール周壁10を切削することもできる。
環体1は、上記実施形態では周方向に連続したものをマンホール周壁10の空隙12,22に挿入しているが、下水道本管11の管口径が大型のものに対応したものであれば、マンホール内に入らないことから、環体1を複数に分割して形成してあるものでもよい。また、環体1の切削部16は、環体1の全周に設けるもの、あるいは、間隔をあけた複数の箇所に設けるものでもよく、その数や形状、大きさを限定するものではない。さらに、図10(a)〜(c)のように、マンホール周壁10の肉厚によって、切削部16の形成範囲や設ける箇所を自由に設定できる。このうち、図10(c)の環体1をマンホール周壁10に取り付ける状態を説明する。まず図11(a)のように、環体1の先端の切削部16でマンホール周壁10を貫通した後、環体1をさらに推進して図11(b)のように、環体1の外周側弾性パッキン3の外周側パッキン保持部8に設けてある切削部16でマンホール周壁10をさらに切削する。これにより、外周側弾性パッキン3でマンホール周壁10の空隙12を閉塞しながら、環体1をマンホール内周側部と略面一とすることができる。また、環体1のマンホール内側とマンホール外側の端縁は、マンホール周壁10の形状にあわせて自在に変更することができる。このうち図12(a)のものは、下水道本管10がマンホール周壁10の中心から離れた箇所に挿通する現場に本願の継手装置を取り付けている。このときに環体1のマンホール内側の端縁は、マンホール周壁10の内周側部にあわせて左右非対称に彎曲している。また、図12(b)は、マンホール周壁10がフラットな現場に本願の継手装置を取り付けている。このときに環体1のマンホール内側の端縁もマンホール周壁10の内周側部にあわせてフラットに形成してある。内周側弾性パッキン2と外周側弾性パッキン3は、上記の実施形態では、環体1の内周側と外周側における下水道本管11の延伸方向の相違する位置にそれぞれ配置しているが、環体1を挟んで内外に重なる位置に配置してもよい。また、内周側弾性パッキン2と外周側弾性パッキン3は、上記実施形態で使用している水膨張性を有するもの以外に、水密性と弾性を有する素材であれば限定するものではない。
1a 開口端部
2 内周側弾性パッキン(弾性パッキン)
3 外周側弾性パッキン(弾性パッキン)
4 リブ
5 テーパ
6 アングル
7 内周側パッキン保持部(パッキン保持部)
8 外周側パッキン保持部(パッキン保持部)
9 起立壁
10 マンホール周壁
11 下水道本管
12 空隙
14 コンクリート環
15 インバート
16 切削刃(切削部)
17 駆動機(回転駆動手段)
18 取付部
19 シャフト
20 回転ドラム
21 被取付部
22 切削穴(空隙)
Claims (5)
- 下水道本管の外周側部のマンホール周壁を削り空隙を設け、その空隙に取り付けるマンホールに接続する継手装置であって、
環体と弾性パッキンを備えており、環体は、空隙に配置したときに下水道本管を深く呑み込む環の長さを有し、弾性パッキンは、環体の内周部の全周と外周部の全周にそれぞれ配置してあり、内周側の弾性パッキンは、環体と下水道本管の間の全周に亘って配置してあるとともに、外周側の弾性パッキンは、環体とマンホール周壁との間の全周に亘って配置してあることを特徴とするマンホールに接続する下水道本管の継手装置。 - 内周側の弾性パッキンと外周側の弾性パッキンは、環体を挟んで下水道本管の延伸方向の相違する位置に配置してあることを特徴とする請求項1記載のマンホールに接続する下水道本管の継手装置。
- 環体の内周部と外周部に、弾性パッキンの下水道本管の延伸方向への移動を規制するパッキン保持部がそれぞれ設けてあることを特徴とする請求項1又は2記載のマンホールに接続する下水道本管の継手装置。
- 環体の一方側の先端にはコンクリート周壁を切削するための切削部が設けてあり、環体の他方側部には、回転駆動手段に取り付けて環体に回転力を伝達するための取付部を有していることを特徴とする請求項1、2又は3記載のマンホールに接続する下水道本管の継手装置。
- 先端に切削部が設けてある環体を回転駆動手段に取り付けて、環体を回転自在にする工程、
下水道本管が挿通するマンホール周壁の内周側部に対し、回転する環体の切削部で切削するとともに、環体の外周側の弾性パッキンをマンホール周壁の切削面に当接して隙間を閉塞するとともに、内周側の弾性パッキンを下水道本管に当接して隙間を閉塞しながらマンホール外周側に向けて環体を推進する工程、
環体がマンホール周壁を貫通するとともに、環体の基端部がマンホール周壁の内周側部と略面一となったときに、環体の推進を止める工程、
各工程を経て形成することを特徴とするマンホールに接続する下水道本管の継手装置の施工方法。
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2015
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