JP2017061398A - 脆性基板の分断方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】脆性基板をトレンチラインに沿って正確に分断すること。【解決手段】第1の部分LRおよび第2の部分HRを有するトレンチラインTLが設けられた第1の面SF1と、第1の面SF1と反対の第2の面SF2とを有する脆性基板11が準備される。第1の部分LRおよび第2の部分HRのうち第2の部分HRのみに沿ってクラックが延びている。次に、支持部80上に第1の弾性部材71を介して脆性基板11の第1の面SF1が載置される。第1の弾性部材71は脆性基板11および支持部80の各々よりも弾性に富んでいる。次に、脆性基板11の第2の面SF2に第2の弾性部材72を介して応力印加部材85が押し付けられる。第2の弾性部材72は脆性基板11および応力印加部材85の各々よりも弾性に富んでいる。【選択図】図15

Description

本発明は脆性基板の分断方法に関する。
フラットディスプレイパネルまたは太陽電池パネルなどの電気機器の製造において、ガラス基板などの脆性基板を分断することがしばしば必要となる。まず基板上にスクライブラインが形成され、次にこのスクライブラインに沿って基板が分断される。スクライブラインは、刃先を用いて基板を機械的に加工することによって形成され得る。刃先が基板上を摺動または転動することで、基板上に塑性変形によるトレンチが形成されると同時に、このトレンチの下方には垂直クラックが形成される。その後、ブレイク工程と称される応力付与がなされる。これにより上記垂直クラックを厚さ方向に完全に進行させることで、基板が分断される。
基板が分断される工程は、基板にスクライブラインを形成する工程の直後に行われることが比較的多い。しかしながら、スクライブラインを形成する工程とブレイク工程との間において基板を加工する工程を行なうことも提案されている。
たとえば国際公開第2002/104078号の技術によれば、有機ELディスプレイの製造方法において、封止キャップを装着する前に各有機ELディスプレイとなる領域毎にガラス基板上にスクライブラインが形成される。このため、封止キャップを設けた後にガラス基板上にスクライブラインを形成したときに問題となる封止キャップとガラスカッターとの接触を回避させることができる。
また、たとえば国際公開第2003/006391号の技術によれば、液晶表示パネルの製造方法において、2つのガラス基板が、スクライブラインが形成された後に貼り合わされる。これにより1度のブレイク工程で2枚の脆性基板を同時にブレイクすることができる。
国際公開第2002/104078号 国際公開第2003/006391号
上記従来の技術によれば、脆性基板への加工がスクライブラインの形成後に行われ、その後の応力付与によりブレイク工程が行われる。このことは、脆性基板への加工時にスクライブライン全体に沿って垂直クラックが既に存在していることを意味する。よって、この垂直クラックの厚さ方向におけるさらなる伸展が加工中に意図せず発生することで、加工中は一体であるべき脆性基板が分離されてしまうことがあり得た。また、スクライブラインの形成工程と基板のブレイク工程との間に基板の加工工程が行われない場合においても、通常、スクライブラインの形成工程の後かつ基板のブレイク工程の前に基板の搬送または保管が必要であり、その際に基板が意図せず分断されてしまうことがあり得た。
上記課題を解決するために本発明者らは独自の分断技術を開発してきた。この技術によれば、脆性基板が分断される位置を規定するラインとして、まず、その下方にクラックを有しないトレンチラインが形成される。トレンチラインが形成されることにより、脆性基板が分断されることになる位置が規定される。その後、トレンチラインの下方にクラックが存在していない状態が維持されていれば、トレンチラインに沿った分断が容易には生じにくい。この状態を用いることで、脆性基板が分断されることになる位置を予め規定しつつも、分断されるべき時点より前に脆性基板が意図せず分断されることを防ぐことができる。
上述したようにトレンチラインは、通常のスクライブラインに比して、それに沿った分断が発生しにくい。これにより脆性基板の意図しない分断が防がれる一方で、脆性基板の分断をトレンチラインに沿って正確に行うことの難易度が高くなるという問題があった。
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、その下方にクラックを有しないトレンチラインに沿った分断を正確に行うことができる脆性基板の分断方法を提供することである。
本発明の脆性基板の分断方法は、以下の工程を有している。
a)第1および第2の部分を有するトレンチラインが設けられた第1の面と、第1の面と反対の第2の面と、を有し、第1の面に垂直な厚さ方向を有する脆性基板が準備される。第1の部分および第2の部分のうち第1の部分のみの下方において脆性基板は、トレンチラインと交差する方向において連続的につながっている状態であるクラックレス状態にある。第1および第2の部分のうち第2の部分のみに沿ってクラックが延びている。
b)支持部上に第1の弾性部材を介して脆性基板の第1の面が載置される。第1の弾性部材は脆性基板および支持部の各々よりも弾性に富んでいる。
c)工程b)の後に、脆性基板の第2の面に第2の弾性部材を介して応力印加部材が押し付けられる。第2の弾性部材は脆性基板および応力印加部材の各々よりも弾性に富んでいる。
本発明によれば、第1の弾性部材は脆性基板および支持部の各々よりも弾性に富んでいる。また第2の弾性部材は脆性基板および応力印加部材の各々よりも弾性に富んでいる。これにより、まずトレンチラインの第2の部分に沿った脆性基板の分離が安定的に生じる。この後に、脆性基板のさらなる分離がトレンチラインの第1の部分に沿って安定的に生じる。よって脆性基板をトレンチラインの全体に沿って安定的に分断することができる。
本発明の実施の形態1における脆性基板の分断方法を概略的に示すフロー図である。 本発明の実施の形態1における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す上面図である。 図2の線III−IIIに沿う概略断面図である。 図2の線IVA−IVAに沿う概略断面図(A)、および図2の線IVB−IVBに沿う概略断面図(B)である。 本発明の実施の形態1における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す上面図である。 図5の線VI−VIに沿う概略断面図である。 図5の線VII−VIIに沿う概略断面図である。 本発明の実施の形態1における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す上面図である。 図8の線IX−IXに沿う概略断面図である。 図8の線X−Xに沿う概略断面図である。 本発明の実施の形態1における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す上面図である。 本発明の実施の形態1における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態1における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す断面図である。 図13の線XIV−XIVに沿う概略的な部分断面図である。 本発明の実施の形態1における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態1における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態1における脆性基板の分断方法に用いられるスクライビング器具の構成を概略的に示す側面図(A)、および図17(A)の矢印XVIIに対応する視野による刃先の底面図(B)である。 本発明の実施の形態1の第1の変形例における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す上面図である。 本発明の実施の形態1の第2の変形例における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す上面図である。 本発明の実施の形態1の第3の変形例における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す上面図である。 本発明の実施の形態1の第4の変形例における脆性基板の分断方法に用いられるスクライビング器具の構成を概略的に示す側面図(A)、および図21(A)の矢印XXIに対応する視野による刃先の底面図(B)である。 本発明の実施の形態2における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す上面図である。 本発明の実施の形態2における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す上面図である。 本発明の実施の形態2における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す上面図である。 本発明の実施の形態2の第1の変形例における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す上面図である。 本発明の実施の形態2の第1の変形例における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す上面図である。 本発明の実施の形態2の第2の変形例における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す上面図である。 本発明の実施の形態2の第3の変形例における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す上面図である。 本発明の実施の形態2における脆性基板の分断方法に用いられるスクライビング器具の構成を概略的に示す側面図である。 図29におけるスクライビングホイールおよびピンの構成を概略的に示す正面図(A)、および図30(A)の部分拡大図(B)である。 本発明の実施の形態3における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す上面図である。 図31の線XXXII−XXXIIに沿う概略的な断面図である。 本発明の実施の形態3における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態3における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す上面図である。 本発明の実施の形態4における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す部分断面図である。
以下、図面に基づいて本発明の各実施の形態における脆性基板の分断方法について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
<実施の形態1>
(分断方法)
本実施の形態の脆性基板の分断方法について、図1のフロー図を参照しつつ、以下に説明する。
図2〜図4を参照して、ガラス基板11が準備される。ガラス基板11は、第1の面SF1と、それと反対の第2の面SF2とを有する。またガラス基板11は、第1の面SF1に垂直な厚さ方向DTを有する。
また刃先を有するスクライビング器具が準備される。スクライビング器具の詳細については後述する。
次に、刃先がガラス基板11の第1の面SF1上へ押し付けられながら、第1の面SF1上で刃先が始点N1から途中点N2を経由して終点N3へ移動させられる。これによってガラス基板11の第1の面SF1上に塑性変形が発生させられる。これによって第1の面SF1上に、始点N1から途中点N2を経由して終点N3へ延びるトレンチラインTLが形成される(図1:ステップS11)。図2においては、方向DAへの刃先の移動により、3つのTLが形成される。
トレンチラインTLを形成する工程は、トレンチラインTLの一部として低荷重区間LR(第1の部分)を形成する工程と、トレンチラインTLの一部として高荷重区間HR(第2の部分)を形成する工程とを含む。図2においては、始点N1から途中点N2まで低荷重区間が形成され、途中点N2から終点N3まで高荷重区間が形成される。高荷重区間HRを形成する工程において刃先に加えられる荷重は、低荷重区間LRを形成する工程で用いられる荷重よりも高い。逆に言えば、低荷重区間LRを形成する工程において刃先に加えられる荷重は、高荷重区間HRを形成する工程で用いられる荷重よりも低く、たとえば、高荷重区間HRの荷重の30〜50%程度である。そのため、高荷重区間HRの幅は、低荷重区間LRの幅よりも大きい。たとえば、高荷重区間HRが幅10μmを有し、低荷重区間LRが幅5μmを有する。また高荷重区間HRの深さは、低荷重区間LRの深さよりも大きい。トレンチラインTLの断面は、たとえば、角度160°程度のV字形状を有する。
トレンチラインTLを形成する工程は、低荷重区間LRおよび高荷重区間HRの両方の下方においてガラス基板11がトレンチラインTLと交差する方向DC(図4(A)および(B))において連続的につながっている状態であるクラックレス状態が得られるように行われる。このためには、刃先に加えられる荷重が、ガラス基板11の塑性変形を発生させる程度に大きく、かつ、この塑性変形部を起点としたクラックを発生させない程度に小さくされる。
次に、トレンチラインTLの高荷重区間HRおよび低荷重区間LRのうち高荷重区間HRのみに沿ってクラックが発生させられる(図1:ステップS12)。具体的には、以下の工程が行われる。
図5〜図7を参照して、まず、ガラス基板11の第1の面SF1上において高荷重区間HRに交差するアシストラインALが形成される。アシストラインALは、ガラス基板11の厚さ方向に浸透するクラックを伴う。アシストラインALは、通常のスクライブ方法によって形成し得る。
次に、アシストラインALに沿ってガラス基板11が分離される。この分離は、通常のブレイク工程によって行い得る。この分離をきっかけとして、厚さ方向におけるガラス基板11のクラックが、トレンチラインTLの低荷重区間LRおよび高荷重区間HRのうち高荷重区間HRのみに沿って伸展させられる。
図8および図9を参照して、以上により、トレンチラインTLの低荷重区間LRおよび高荷重区間HRのうち高荷重区間HRにのみ沿ってクラックが発生させられる。具体的には、高荷重区間HRのうち、分離によって新たに生じた辺と、途中点N2との間の部分に、クラックラインCLが形成される。クラックラインCLが形成される方向は、トレンチラインTLが形成された方向DA(図2)と反対である。なお、分離によって新たに生じた辺と終点N3との間の部分にはクラックラインCLが形成されにくい。この方向依存性は、高荷重区間HRの形成時における刃先の状態に起因するものであり、詳しくは後述する。
図10を参照して、クラックラインCLによってトレンチラインTLの高荷重区間HRの下方において、ガラス基板11はトレンチラインTLの延在方向と交差する方向DCにおいて連続的なつながりが断たれている。ここで「連続的なつながり」とは、言い換えれば、クラックによって遮られていないつながりのことである。なお、上述したように連続的なつながりが断たれている状態において、クラックラインCLのクラックを介してガラス基板11の部分同士が接触していてもよい。また、トレンチラインTLの直下にわずかに連続的なつながりが残されていてもよい。
以上により、後述する工程によってブレイクされることになるガラス基板11が準備される(図1:ステップS10)。この時点では、低荷重区間LRおよび高荷重区間HRのうち低荷重区間LRのみの下方においてガラス基板11は、トレンチラインTLと交差する方向において連続的につながっている状態であるクラックレス状態にある。また低荷重区間LRおよび高荷重区間HRのうち高荷重区間HRのみに沿ってクラックが延びている。
次に、トレンチラインTLに沿ってガラス基板11を分断するブレイク工程が行われる。この際に、ガラス基板11に応力を加えることによってクラックラインCLを起点として低荷重区間LRに沿ってクラックが伸展させられる。クラックが伸展する方向(図11における矢印PR)は、トレンチラインTLが形成された方向DA(図2)と反対である。以下、ブレイク工程の詳細について説明する。
図12を参照して、テーブル80(支持部)が準備される。テーブル80は、たとえば、ガラスまたはステンレス鋼から作られている。テーブル80は、典型的には、平坦な表面を有している。次に、テーブル80上に下側弾性シート71(第1の弾性部材)を介してガラス基板11の第1の面SF1が載置される(図1:ステップS20)。
下側弾性シート71は、通常の意味での弾性体から作られており、よってガラス基板11およびテーブル80の各々よりも弾性に富んでいる。言い換えれば、下側弾性シート71は、ガラス基板11およびテーブル80の各々のヤング率よりも低いヤング率を有している。さらに言い換えれば、下側弾性シート71は、ガラス基板11およびテーブル80の各々の硬度よりも低い硬度を有している。下側弾性シート71の硬度は、好ましくは40〜90°である。下側弾性シート71の材料としての弾性体は、ゴムであることが好ましく、たとえば、シリコーンゴム、クロロプレンゴムまたは天然ゴムである。下側弾性シート71の厚さは、たとえば数mm程度である。
図13および図14を参照して、ガラス基板11の第2の面SF2に上側弾性シート72(第2の弾性部材)が載置される。またブレイクバー85(応力印加部材)が準備される。ブレイクバー85は、図14に示すように、応力が印加される対象を局所的に押し付けることができるように突出した形状を有することが好ましく、図14においては略V字状の形状を有する。図13に示すように、この突出部分は直線状に延在している。ブレイクバー85は、たとえば、超硬合金、部分安定化ジルコニアまたはステンレス鋼から作られている。
上側弾性シート72は、通常の意味での弾性体から作られており、よってガラス基板11およびブレイクバー85の各々よりも弾性に富んでいる。言い換えれば、上側弾性シート72は、ガラス基板11およびブレイクバー85の各々のヤング率よりも低いヤング率を有している。さらに言い換えれば、上側弾性シート72は、ガラス基板11およびブレイクバー85の各々の硬度よりも低い硬度を有している。上側弾性シート72の硬度は、好ましくは40〜90°である。上側弾性シート72の材料としての弾性体は、ゴムであることが好ましく、たとえば、シリコーンゴム、クロロプレンゴムまたは天然ゴムである。上側弾性シート72の材料は、下側弾性シート71の材料と同じであってもよい。上側弾性シート72の厚さは、たとえば数mm程度である。
図15を参照して、次に、ブレイクバー85がテーブル80に近づけられる。好ましくは、ブレイクバー85がテーブル80に対して方向DRへ相対的に直線移動させられる。方向DRは、ブレイクバー85がテーブル80に近づくように選択されればよく、たとえば、テーブル80の表面(図中、上面)に垂直な方向である。ブレイクバー85は、それが上側弾性シート72を介してガラス基板11に接触する位置を基準として、典型的には、ガラス基板11へ向かってさらに数百μm程度移動される。この移動によって、ガラス基板11の第2の面SF2に上側弾性シート72を介してブレイクバー85が押し付けられる(図1:ステップS30)。これによりガラス基板11には、上側弾性シート72および下側弾性シート71に挟まれることで応力が印加される。この結果、高荷重区間HRに沿って設けられていたクラックラインCLからクラックが拡張する。
図16を参照して、上述したクラックの拡張により、高荷重区間HRに沿ってガラス基板11が分離される。そしてさらに、図中矢印PRに示すように、高荷重区間HRから低荷重区間LRへとクラックが伸展する。
以上により、高荷重区間HRおよび低荷重区間LRの両方に沿って、言い換えればトレンチラインTLに沿って、ガラス基板11が分断される。すなわち、ガラス基板11を図11に示すように分断するブレイク工程が行われる。
(スクライビング器具)
図17(A)および(B)を参照して、上述したトレンチラインTLの形成に適したスクライビング器具50について説明する。スクライビング器具50は、スクライブヘッド(図示せず)に取り付けられることによってガラス基板11に対して相対的に移動することにより、ガラス基板11に対するスクライブを行うものである。スクライビング器具50は刃先51およびシャンク52を有する。刃先51は、シャンク52に保持されている。
刃先51には、天面SD1と、天面SD1を取り囲む複数の面とが設けられている。これら複数の面は側面SD2および側面SD3を含む。天面SD1、側面SD2およびSD3は、互いに異なる方向を向いており、かつ互いに隣り合っている。刃先51は、天面SD1、側面SD2およびSD3が合流する頂点を有し、この頂点によって刃先51の突起部PPが構成されている。また側面SD2およびSD3は、刃先51の側部PSを構成する稜線をなしている。側部PSは突起部PPから線状に延びている。また側部PSは、上述したように稜線であることから、線状に延びる凸形状を有する。
刃先51はダイヤモンドポイントであることが好ましい。すなわち刃先51はダイヤモンドから作られていることが好ましい。この場合、容易に、硬度を高く、表面粗さを小さくすることができる。より好ましくは刃先51は単結晶ダイヤモンドから作られている。さらに好ましくは結晶学的に言って、天面SD1は{001}面であり、側面SD2およびSD3の各々は{111}面である。この場合、側面SD2およびSD3は、異なる向きを有するものの、結晶学上、互いに等価な結晶面である。
なお単結晶でないダイヤモンドが用いられてもよく、たとえば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法で合成された多結晶体ダイヤモンドが用いられてもよい。あるいは、微粒のグラファイトや非グラファイト状炭素から、鉄族元素などの結合材を含まずに焼結された多結晶体ダイヤモンド、またはダイヤモンド粒子を鉄族元素などの結合材によって結合させた焼結ダイヤモンドが用いられてもよい。
シャンク52は軸方向AXに沿って延在している。刃先51は、天面SD1の法線方向が軸方向AXにおおよそ沿うようにシャンク52に取り付けられることが好ましい。
スクライビング器具50を用いたトレンチラインTLの形成においては、まずガラス基板11の第1の面SF1に刃先51が押し付けられる。具体的には、刃先51の突起部PPおよび側部PSが、ガラス基板11が有する厚さ方向DTへ押し付けられる。
次に、押し付けられた刃先51が第1の面SF1上で方向DAへ摺動させられる。方向DAは、突起部PPから側部PSに沿って延びる方向を第1の面SF1上に射影したものであり、軸方向AXを第1の面SF1上へ射影した方向におおよそ対応している。摺動時、刃先51はシャンク52によって第1の面SF1上を引き摺られる。この摺動によって、ガラス基板11の第1の面SF1上に塑性変形が発生させられる。この塑性変形によりトレンチラインTLが形成される。
なお本実施の形態における始点N1から終点N3へのトレンチラインTLの形成において、刃先51が方向DBへ移動させられるとすると、言い換えれば、刃先51の移動方向を基準として刃先51の姿勢が逆方向に傾いているとすると、図9に示すクラックラインCLの形成、および図16に示すクラックの進行が、方向DAを用いた場合に比して生じにくくなる。より一般的に言えば、方向DAへの刃先51の移動により形成されたトレンチラインTLにおいては、方向DAとは逆方向にクラックが伸展しやすい。一方で、方向DBへの刃先51の移動により形成されたトレンチラインTLにおいては、方向DBと同方向にクラックが伸展しやすい。このような方向依存性は、トレンチラインTLの形成時に生じる塑性変形に起因してガラス基板11内に生じる応力分布と関連しているのではないかと推測される。また本発明者らの検討によれば、軸方向AXを第1の面SF1に対してより垂直に近づけることによって、上記の方向依存性は逆転させ得る。
(比較例)
図15において、テーブル80およびブレイクバー85の間にガラス基板11が下側弾性シート71および上側弾性シート72なしに挟み込まれる比較例について説明する。この場合、ブレイクバー85によるガラス基板11への応力印加の初期段階において、ガラス基板11に大きな応力が局所的に印加され得る。具体的には、ガラス基板11の第2の面SF2のうちブレイクバー85が最初に接触する箇所に、局所的に大きな応力が印加され得る。当該箇所が、クラックが設けられていない低荷重区間LR(図15)上に位置する場合、起点となるクラックが存在しない領域に大きな応力が局所的に印加される結果、低荷重区間LRのラインから逸脱してガラス基板11が分断されやすい。
ブレイクバー85が、トレンチラインTLに沿ったライン(図15におけるガラス基板11の上辺)の全体に同時に接触することができれば、この問題は回避され得る。しかしながらそのためには厳密な位置制御が必要となり、特にガラス基板11の長さ(図15における横方向の寸法)が大きいほどその実施が困難となり、500mm程度以上になると特に困難となる。
ブレイクバー85(図13)の、図中での右側が左側よりも十分に下方に位置するように配置された後に、ブレイクバー85がテーブル80に対して方向DR(図15)へ相対的に直線移動させられるとすると、応力印加の初期段階においてブレイクバー85が第2の面SF2のうち低荷重区間LRよりも高荷重区間HR上に先に、余裕をもって接触する。この場合、応力印加の初期段階において、大きな応力が低荷重区間LR近傍へ局所的に印加されることが防止される。しかしながら、ブレイク工程を進行させるためにブレイクバー85をテーブル80にさらに近づけようとすると、ブレイクバー85の右側とテーブル80とが衝突してしまう。このためブレイク工程を最後まで完了することが困難となる。この問題は、ガラス基板11の長さ(図15における横方向の寸法)が大きいほど顕著となり、500mm程度以上になると特に問題となる。
(効果)
上記比較例と異なり本実施の形態によれば、ブレイク工程において下側弾性シート71および上側弾性シート72(図15)が用いられる。下側弾性シート71はガラス基板11およびテーブル80の各々よりも弾性に富んでいる。また上側弾性シート72はガラス基板11およびブレイクバー85の各々よりも弾性に富んでいる。この下側弾性シート71および上側弾性シート72により、応力印加の初期段階においてガラス基板11へ大きな応力が局所的に印加されることが抑制される。これにより、初期段階においてまず、トレンチラインTLの高荷重区間HRに沿ったガラス基板11の分離が安定的に生じる。この後に、ガラス基板11のさらなる分離がトレンチラインTLの低荷重区間LRに沿って安定的に生じる。よって、ガラス基板11をトレンチラインTLの全体に沿って安定的に分断することができる。
好ましくは、ガラス基板11の第2の面SF2へのブレイクバー85の接触は、テーブル80に対してブレイクバー85を方向DRに沿って直線移動させることによって行われる。これにより、ブレイクバー85またはテーブル80の複雑な動作を必要とせずに、ブレイクを行うことができる。
また本実施の形態によれば、ガラス基板11が分断される位置を規定するためのトレンチラインTL(図2および図3)の形成に際して、高荷重区間HRに比して低荷重区間LRにおいて、刃先51(図17(A))に加えられる荷重が軽減される。これにより刃先51へのダメージを小さくすることができる。
また低荷重区間LRおよび高荷重区間HRのうち低荷重区間LRがクラックレス状態である場合(図8および図9)、ガラス基板11が分断される起点となるクラックが低荷重区間LRにはない。よってこの状態においてガラス基板11に対して任意の処理を行う場合、低荷重区間LRに不慮の応力が加わっても、ガラス基板11の意図しない分断が生じにくい。よって上記処理を安定的に行うことができる。
また低荷重区間LRおよび高荷重区間HRの両方がクラックレス状態である場合(図2および図3)、ガラス基板11が分断される起点となるクラックがトレンチラインTLにない。よってこの状態においてガラス基板11に対して任意の処理を行う場合、トレンチラインTLに不慮の応力が加わっても、ガラス基板11の意図しない分断が生じにくい。よって上記処理をより安定的に行うことができる。
またトレンチラインTLはアシストラインALの形成前に形成される。これにより、トレンチラインTLの形成時にアシストラインALが影響を及ぼすことを避けることができる。特に、トレンチラインTL形成のために刃先51がアシストラインAL上を通過した直後における形成異常を避けることができる。
次に実施の形態1の変形例について、以下に説明する。
図18を参照して、アシストラインALがトレンチラインTLと交差することをきっかけとして、クラックラインCLが形成されてもよい。アシストラインALの形成時にガラス基板11に加わる応力が大きい場合、このような事象が生じ得る。
図19を参照して、ガラス基板11の第1の面SF1に、まずアシストラインALが形成され、その後にトレンチラインTL(図19において図示せず)が形成されてもよい。
図20を参照して、アシストラインALは、平面レイアウトにおいて高荷重区間HRと交差するように、ガラス基板11の第2の面SF2上に形成されてもよい。これにより、アシストラインALおよびトレンチラインTLの両方を、互いに影響を及ぼし合うことなく形成することができる。
図21(A)および(B)を参照して、スクライビング器具50(図17(A)および(B))の代わりに、スクライビング器具50vが用いられてもよい。刃先51vは、頂点と、円錐面SCとを有する円錐形状を有する。刃先51vの突起部PPvは頂点で構成されている。刃先の側部PSvは頂点から円錐面SC上に延びる仮想線(図21(B)における破線)に沿って構成されている。これにより側部PSvは、線状に延びる凸形状を有する。
<実施の形態2>
図22を参照して、まずガラス基板11が準備される。また刃先を有するスクライビング器具が準備される。スクライビング器具の詳細については後述する。
次に、ガラス基板11の第1の面SF1上における方向DBへの刃先の移動により、後述する高荷重区間HR(図23)に交差することになるアシストラインALが第1の面SF1上に形成される。
図23を参照して、方向DBへの刃先の移動により、ガラス基板11の第1の面SF1上において始点Q1から途中点Q2を経由して終点Q3までトレンチラインTLが形成される。始点Q1から途中点Q2までのトレンチラインTLは高荷重区間HRとして形成される。途中点Q2から終点Q3までのトレンチラインTLは低荷重区間LRとして形成される。
次に、アシストラインALに沿ってガラス基板11が分離される。この分離は、通常のブレイク工程によって行い得る。この分離をきっかけとして、厚さ方向におけるガラス基板11のクラックがトレンチラインTLに沿って、トレンチラインTLのうち高荷重区間HRにのみ伸展させられる。
図24を参照して、上述したクラックの伸展により、トレンチラインTLの一部に沿ってクラックラインCLが形成される。具体的には、高荷重区間HRのうち、分離によって新たに生じた辺と、途中点Q2との間の部分に、クラックラインCLが形成される。クラックラインCLが形成される方向は、トレンチラインTLが形成された方向DB(図23)と同じである。なお、分離によって新たに生じた辺と始点Q1との間の部分にはクラックラインCLが形成されにくい。この方向依存性は、高荷重区間HRの形成時における刃先の状態に起因するものであり、詳しくは後述する。
次に、実施の形態1と同様のブレイク工程(図12〜図16)により、クラックラインCLを起点としてトレンチラインTLに沿って途中点Q2から終点Q3に向かってクラックを伸展させるブレイク工程が行われる。これによりガラス基板11が分断される。
図25および図26を参照して、第1の変形例として、まずトレンチラインTLが形成され、その後、アシストラインALが形成されてもよい。図27を参照して、第2の変形例として、アシストラインALの形成をきっかけとして、クラックラインCLが形成されてもよい。図28を参照して、アシストラインALは、平面レイアウトにおいて高荷重区間HRと交差するように、ガラス基板11の第2の面SF2上に形成されてもよい。また本実施の形態においては高荷重区間HRが始点Q1から形成されるが、高荷重区間HRはアシストラインALと交差する部分に形成されていればよい。たとえば、始点Q1から、アシストラインALと交差することになる箇所の手前まで、低荷重区間LRが形成され、それに続いて、アシストラインALと交差するように高荷重区間HRが形成されてもよい。
図29を参照して、次に本実施の形態におけるトレンチラインTLの形成に適したスクライビング器具50Rについて説明する。スクライビング器具50Rは、スクライビングホイール51Rと、ホルダ52Rと、ピン53とを有する。スクライビングホイール51Rは、おおよそ円盤状の形状を有しており、その直径は、典型的には数mm程度である。スクライビングホイール51Rは、ホルダ52Rにピン53を介して、回転軸RX周りに回転可能に保持されている。
スクライビングホイール51Rは、刃先が設けられた外周部PFを有する。外周部PFは、回転軸RX周りに円環状に延びている。外周部PFは、図30(A)に示すように、目視レベルでは稜線状に切り立っており、それによって、稜線と傾斜面とからなる刃先を構成している。一方、顕微鏡レベルでは、図30(B)に示すように、スクライビングホイール51Rが第1の面SF1内へ侵入することによって実際に作用する部分(図30(B)の二点鎖線よりも下方)において外周部PFの稜線は微細な表面形状MSを有する。表面形状MSは、正面視(図30(B))において、有限の曲率半径を有する曲線形状を有することが好ましい。スクライビングホイール51Rは、超硬合金、焼結ダイヤモンド、多結晶ダイヤモンドまたは単結晶ダイヤモンドなどの硬質材料を用いて形成されている。上述した稜線および傾斜面の表面粗さを小さくする観点でスクライビングホイール51R全体が単結晶ダイヤモンドから作られてもよい。
スクライビング器具50Rを用いたトレンチラインTLの形成は、ガラス基板11の第1の面SF1上でスクライビングホイール51Rを転動させることによって(図29:矢印RT)、スクライビングホイール51Rが第1の面SF1上を方向DBへと進行することにより行われる。この転動による進行は、スクライビングホイール51Rに荷重Fを加えることによってスクライビングホイール51Rの外周部PFをガラス基板11の第1の面SF1上へ押し付けながら行われる。これによりガラス基板11の第1の面SF1上に塑性変形を発生させることで、溝形状を有するトレンチラインTLが形成される。荷重Fは、ガラス基板11の厚さ方向DTに平行な垂直成分Fpと、第1の面SF1に平行な面内成分Fiとを有する。方向DBは面内成分Fiの方向と同じである。
なお、トレンチラインTLは、方向DBへ移動するスクライビング器具50R以外の方法によって形成されてもよく、たとえば、方向DBへ移動するスクライビング器具50(図17(A)および(B))または50v(図21(A)および(B))によって形成されてもよい。
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
本実施の形態によっても、実施の形態1とほぼ同様の効果が得られる。また本実施の形態においては、固定された刃先ではなく回転する刃先を用いてトレンチラインTLを形成することができるため、刃先の寿命を長くすることができる。
<実施の形態3>
図31および図32を参照して、本実施の形態においては、刃先によってトレンチラインTLが形成される際に、その高荷重区間HRが、終点N3(図2)に代わり、ガラス基板11の縁上の終点N4まで形成される。よってトレンチラインTLが形成される際に、刃先は終点N4においてガラス基板4の縁を切り下ろす。
図33を参照して、ガラス基板4の縁が切り下ろされることをきかっけとして、ガラス基板4の縁から、図中矢印に示すようにクラックが伸展する。これによりクラックラインCLが形成される。
図34を参照して、この工程を繰り返すことにより所望の数のトレンチラインTLが形成される。この後、実施の形態1と同様のブレイク工程が行われる。
本実施の形態によれば、クラックラインCLの形成が開始されるきっかけを、アシストラインAL(図5)などの形成を特に必要とすることなく、ガラス基板4へ容易に与えることができる。
<実施の形態4>
図35を参照して、本実施の形態においては、テーブル80上に下側弾性シート71を介してガラス基板11の第1の面SF1が載置される際に、ガラス基板11の第1の面SF1と下側弾性シート71との間にフィルム81が配置される。フィルム81は、ガラス基板11の第1の面SF1側において、下側弾性シート71の粘着性(タック)に比して低い粘着性を有する。フィルム81は、好ましくは樹脂フィルムであり、たとえば、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルまたはポリオレフィンから作られている。フィルム81の厚さは、下側弾性シート71の厚さよりも小さく、たとえば数十μm程度である。
また、ガラス基板11の第2の面SF2に上側弾性シート72を介してブレイクバー85が押し付けられる際に、ガラス基板11の第2の面SF2と上側弾性シート72との間にフィルム82が配置される。具体的には、ガラス基板11の第2の面SF2上にフィルム82が載置される。上側弾性シート72はフィルム82上に載置される。フィルム82は、ガラス基板11の第2の面SF2側において、上側弾性シート72の粘着性に比して低い粘着性を有する。フィルム82は、好ましくは樹脂フィルムであり、たとえば、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルまたはポリオレフィンから作られている。フィルム82の厚さは、上側弾性シート72の厚さよりも小さく、たとえば数十μm程度である。
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1〜3のいずれかの構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
本実施の形態によれば、ガラス基板11の第1の面SF1と下側弾性シート71との間にフィルム81が配置されることにより、第1の面SF1に下側弾性シート71が貼り付くことが防止される。またガラス基板11の第2の面SF2と上側弾性シート72との間にフィルム82が配置されることにより、第2の面SF2に上側弾性シート72が貼り付くことが防止される。
上記各実施の形態による脆性基板の分断方法はガラス基板に対して特に好適に適用されるが、脆性基板は、ガラス以外の材料から作られていてもよい。たとえば、ガラス以外の材料として、セラミックス、シリコン、化合物半導体、サファイア、または石英が用いられてもよい。
AL アシストライン
CL クラックライン
HR 高荷重区間(第2の部分)
LR 低荷重区間(第1の部分)
SF1 第1の面
SF2 第2の面
TL トレンチライン
11 ガラス基板(脆性基板)
50,50R,50v スクライビング器具
51,51v 刃先
51R スクライビングホイール
80 テーブル(支持部)
81,82 フィルム
85 ブレイクバー(応力印加部材)

Claims (4)

  1. a)第1および第2の部分を有するトレンチラインが設けられた第1の面と、前記第1の面と反対の第2の面と、を有し、前記第1の面に垂直な厚さ方向を有する脆性基板を準備する工程を備え、前記第1の部分および前記第2の部分のうち前記第1の部分のみの下方において前記脆性基板は、前記トレンチラインと交差する方向において連続的につながっている状態であるクラックレス状態にあり、前記第1および第2の部分のうち前記第2の部分のみに沿ってクラックが延びており、さらに
    b)支持部上に第1の弾性部材を介して前記脆性基板の前記第1の面を載置する工程を備え、前記第1の弾性部材は前記脆性基板および前記支持部の各々よりも弾性に富んでおり、さらに
    c)前記工程b)の後に、前記脆性基板の前記第2の面に第2の弾性部材を介して応力印加部材を押し付ける工程を備え、前記第2の弾性部材は前記脆性基板および前記応力印加部材の各々よりも弾性に富んでいる、
    脆性基板の分断方法。
  2. 前記工程a)は、
    a1)刃先を前記脆性基板の第1の面上へ押し付けながら前記第1の面上で前記刃先を移動させることによって前記脆性基板の前記第1の面上に塑性変形を発生させることで、前記トレンチラインを形成する工程を含み、前記トレンチラインを形成する工程において、前記トレンチラインの前記第2の部分を形成するために前記刃先に加えられる荷重は、前記トレンチラインの前記第1の部分を形成するために前記刃先に加えられる荷重よりも高く、前記トレンチラインを形成する工程は、前記第1および第2の部分の両方の下方においてクラックレス状態が得られるように行われ、さらに
    a2)前記トレンチラインの前記第1および第2の部分のうち前記第2の部分のみに沿ってクラックを発生させる工程を含む、
    請求項1に記載の脆性基板の分断方法。
  3. 前記工程b)において、前記脆性基板の前記第1の面と前記第1の弾性部材との間に、前記第1の弾性部材の粘着性に比して低い粘着性を有するフィルムが配置される、請求項1または2に記載の脆性基板の分断方法。
  4. 前記工程c)において、前記脆性基板の前記第2の面と前記第2の弾性部材との間に、前記第2の弾性部材の粘着性に比して低い粘着性を有するフィルムが配置される、請求項1から3のいずれか1項に記載の脆性基板の分断方法。
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