JP2016098154A - 脆性基板の分断方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】その直下にクラックを有しない、低荷重で形成されたトレンチラインに沿った分断を行う。【解決手段】刃先を移動させることによって脆性基板11の表面SF1上で一の点N2を経由して延びるトレンチラインTLが、クラックレス状態が得られるように形成される。一の点N2においてトレンチラインTLと交差するラインBLに沿って脆性基板11を分離することにより、トレンチラインTLが露出した端面SEが、クラックレス状態が維持されるように形成される。端面SEの表面粗さが増大させられる。次に、トレンチラインTLに沿って脆性基板11が分断される。【選択図】図2

Description

本発明は、脆性基板の分断方法に関する。
フラットディスプレイパネルまたは太陽電池パネルなどの電気機器の製造において、ガラス基板などの脆性基板を分断することがしばしば必要となる。まず基板上にスクライブラインが形成され、次にこのスクライブラインに沿って基板が分断される。スクライブラインは、刃先を用いて基板を機械的に加工することによって形成され得る。刃先が基板上を摺動または転動することで、基板上に塑性変形によるトレンチが形成されると同時に、このトレンチの直下には垂直クラックが形成される。その後、ブレーク工程と称される応力付与がなされる。これにより上記垂直クラックを厚さ方向に完全に進行させることで、基板が分断される。
基板が分断される工程は、基板にスクライブラインを形成する工程の直後に行われることが比較的多い。しかしながら、スクライブラインを形成する工程とブレーク工程との間において基板を加工する工程を行うことも提案されている。
たとえば国際公開第2002/104078号の技術によれば、有機ELディスプレイの製造方法において、封止キャップを装着する前に各有機ELディスプレイとなる領域毎にガラス基板上にスクライブラインが形成される。このため、封止キャップを設けた後にガラス基板上にスクライブラインを形成したときに問題となる封止キャップとガラスカッターとの接触を回避させることができる。
また、たとえば国際公開第2003/006391号の技術によれば、液晶表示パネルの製造方法において、2つのガラス基板が、スクライブラインが形成された後に貼り合わされる。これにより1度のブレーク工程で2枚の脆性基板を同時にブレークすることができる。
国際公開第2002/104078号 国際公開第2003/006391号
上記従来の技術によれば、脆性基板への加工がスクライブラインの形成後に行われ、その後の応力付与によりブレーク工程が行われる。このことは、脆性基板への加工時にスクライブライン全体に沿って垂直クラックが既に存在していることを意味する。よって、この垂直クラックの厚さ方向におけるさらなる伸展が加工中に意図せず発生することで、加工中は一体であるべき脆性基板が分離されてしまうことがあり得た。また、スクライブラインの形成工程と基板のブレーク工程との間に基板の加工工程が行われない場合においても、通常、スクライブラインの形成工程の後かつ基板のブレーク工程の前に基板の搬送または保管が必要であり、その際に基板が意図せず分断されてしまうことがあり得た。
上記課題を解決するために本発明者は独自の分断技術を開発してきた。この技術によれば、脆性基板が分断される位置を規定するラインとして、まず、その直下にクラックを有しないトレンチラインが形成される。トレンチラインが形成されることにより、脆性基板が分断されることになる位置が規定される。その後、トレンチラインの直下にクラックが存在していない状態が維持されていれば、トレンチラインに沿った分断が容易には生じにくい。この状態を用いることで、脆性基板が分断されることになる位置を予め規定しつつも、分断されるべき時点より前に脆性基板が意図せず分断されることを防ぐことができる。
上述したようにトレンチラインは、通常のスクライブラインに比して、それに沿った分断が発生しにくい。このことは、トレンチラインに沿った意図しない分断を防ぐ意味では有用である一方で、トレンチラインに沿った意図的な分断を行うには、トレンチラインに沿ったクラックを発生させるのに特に適した処理を必要とすることを意味する。本発明者は、このような処理のひとつとして、トレンチラインに交差するラインに沿って脆性基板を分断する処理を用いることができることを既に見出している。しかしながら、トレンチラインを形成する際に刃先に加えられる荷重が比較的小さくされる場合、上述した処理では、トレンチラインに沿ったクラックが発生しないことがあった。荷重の低減は、意図しない分断のより確実な防止、または刃先の長寿命化といった理由で、求められる場合がある。よってこのような場合においてもトレンチラインに沿ってクラックを生じさせることができる処理が求められる。
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、その直下にクラックを有しないトレンチラインに沿った分断を、トレンチラインが低荷重で形成された場合においても行うことができる、脆性基板の分断方法を提供することである。
脆性基板の分断方法は、以下の工程を有する。
刃先を脆性基板の表面上へ押し付けながら移動させることによって表面上に塑性変形を発生させることで、表面上で一の点を経由して延びるトレンチラインが形成される。トレンチラインを形成する工程は、トレンチラインの直下において脆性基板がトレンチラインと交差する方向において連続的につながっている状態であるクラックレス状態が得られるように行われる。
脆性基板の表面上の一の点においてトレンチラインと交差するラインに沿って脆性基板を分離することにより、トレンチラインが露出した端面が形成される。脆性基板を分離する工程は、クラックレス状態が維持されるように行われる。
端面の表面粗さが増大させられる。端面の表面粗さが増大させられた後に、トレンチラインに沿って脆性基板が分断される。脆性基板を分断する工程は、トレンチラインが端面上において露出した箇所に応力を加えることにより、箇所を起点としてトレンチラインに沿ってクラックを伸展させる工程を含む。
本発明によれば、トレンチラインが露出した端面の表面粗さが増大させられる。これにより、トレンチラインが端面上において露出した箇所を起点としたクラックが発生しやすくなる。よって、その直下にクラックを有しないトレンチラインに沿った分断を、トレンチラインが低荷重で形成された場合においても行うことができる。
本発明の実施の形態1における脆性基板の分断方法を概略的に示すフロー図である。 本発明の実施の形態1における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す上面図である。 図2の線IIIA−IIIAに沿う概略部分断面図であってクラックレス状態のトレンチラインを示す図(A)、およびその比較例を示す図(B)である。 本発明の実施の形態1における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す上面図である。 図4の矢印Vの視野による脆性基板の端面の概略部分側面図である。 本発明の実施の形態1における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態1における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す断面図である。 図7の矢印VIIIの視野による概略部分側面図である。 本発明の実施の形態1における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態1における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態1における脆性基板の分断方法に用いられるスクライビング器具の構成を概略的に示す側面図(A)、および図11(A)の矢印XIに対応する視野による刃先の底面図(B)である。 図11の変形例におけるスクライビング器具の構成を概略的に示す側面図(A)、および図12(A)の矢印XIIに対応する視野による刃先の底面図(B)である。 本発明の実施の形態2における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す上面図である。 本発明の実施の形態2における脆性基板の分断方法の一工程を概略的に示す上面図である。 本発明の実施の形態2における脆性基板の分断方法に用いられるスクライビング器具の構成を概略的に示す側面図である。 図15におけるスクライビングホイールおよびピンの構成を概略的に示す正面図(A)、および図16(A)の部分拡大図(B)である。
以下、図面に基づいて本発明の各実施の形態における脆性基板の分断方法ついて説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態におけるガラス基板11(脆性基板)の分断方法を概略的に示すフロー図である。図2は、ステップS20(図1)直後の状態を概略的に示す上面図である。
まずガラス基板11が準備される(図1:ステップS10)。ガラス基板11は、上面SF1(表面)と、その反対の面である下面とを有する。また、詳しくは後述するが、刃先が設けられたスクライビング器具が準備される。
次に、刃先がガラス基板11の上面SF1上へ押し付けられながら移動させられる。これによって、上面SF1上に塑性変形が発生する。その結果、上面SF1上で点N1から点N2(一の点)を経由して点N3へ延びるトレンチラインTLが形成される(図1:ステップS20)。トレンチラインTLが形成される際、刃先は点N2上をスクライブ方向DL(一の方向)へ移動する。なお点N1〜N3は上面SF1上における位置を表している。
上述したトレンチラインTLの形成工程が必要に応じて繰り返されることにより、所望の数のトレンチラインTLが形成され得る。図2は、3つのトレンチラインTLが形成される場合を例示している。
図3(A)を参照して、トレンチラインTLを形成する工程は、トレンチラインTLの直下においてガラス基板11がトレンチラインTLと交差する方向DCにおいて連続的につながっている状態(クラックレス状態と称する)が得られるように行われる。
なお図3(B)は、クラックレス状態にないトレンチラインTLを示す。この状態においては、ガラス基板11が、トレンチラインTLの直下においてトレンチラインTLに沿って延びるクラックラインCLによって、トレンチラインTLと交差する方向DCにおいて分断されている。ガラス基板を分断するために形成される従来の典型的なスクライブラインは、クラックラインCLを伴うものであり、クラックレス状態で形成されるものではない。
次に、ガラス基板11の上面SF1上の点N2においてトレンチラインTLと交差するラインBLに沿ってガラス基板11が分離される。この分離は、たとえば、ラインBLに沿った通常のスクライブラインの形成と、その後の通常のブレーク工程とにより行い得る。
図4を参照して、上記分離により、トレンチラインTLが露出した端面SEが形成される(図1:ステップS30)。トレンチラインTLが露出した箇所での端面SEの法線方向(法線ベクトル)DNは、スクライブ方向DL(図2)の成分を有する。法線方向DNとスクライブ方向DLとは、ほぼ同じであることが好ましい。
図5を参照して、ガラス基板11を分離する工程は、クラックレス状態が維持されるように行われる。そのためには、前述したトレンチラインTLの形成時に刃先に加えられる荷重が、上面SF1における塑性変形を発生させるのに十分な大きさとされつつも、過度に大きくならないようにすればよい。
次に、端面SEの表面粗さが増大させられる。この工程は、端面SEの少なくともトレンチラインTLが露出した箇所に対して、微小な破砕を伴う機械的加工を行うことによって行うことができ、具体的には、端面SEのトレンチラインTLが露出した箇所を研削することによって行うことができる。この研削は、たとえばヤスリや軸付砥石などの工具を用いて行うことができる。
次に、トレンチラインTLに沿ってガラス基板11が分断される(図1:ステップS40)。この目的で、トレンチラインTLが端面SE上において露出した箇所に応力を加えるブレーク工程により、この箇所を起点としてトレンチラインTLに沿ってクラックが伸展させられる。ブレーク工程はトレンチラインTLの数に応じて複数回行い得る。以下、好ましいブレーク工程の詳細について説明する。
図6を参照して、ガラス基板11の上面SF1が敷物81を介してテーブル80に対向するように、トレンチラインTLが形成されたガラス基板11(図2)が敷物81を介してテーブル80上に置かれる。敷物81は、ガラス基板11およびテーブル80の材料に比して変形しやすい材料からなる。
図7および図8を参照して、ブレークバー85が準備される。ブレークバー85は、図8に示すように、ガラス基板11の表面を局所的に押し付けることができるように突出した形状を有することが好ましく、図8においては略V字状の形状を有する。図7に示すように、この突出部分は直線状に延在している。
次に、ブレークバー85がガラス基板11の下面SF2の一部に接触させられる。この接触部分は、ガラス基板11の端面SEから離れている。
次に、矢印CT1に示すように、上記接触部分が、トレンチラインTLに沿って拡張され、端面SEの方へ近づく。上述した最初の接触時、またはそれに続く接触部分の拡張によって、ブレークバー85が下面SF2において、トレンチラインTLに対向する部分に接触し、かつ端面SEからは離れた状態が生じる。
図9を参照して、矢印CT2に示すように、上記接触部分がガラス基板11の端面SEに達する。これにより端面SEに応力が加わる。この結果、トレンチラインTLが端面SE上において露出した箇所(図5)を起点としたクラックが発生する。このクラックは、トレンチラインTLに沿って伸展する(図10の矢印PR参照)。
以上のブレーク工程により、ガラス基板11の分断が行われる。
図11(A)および(B)を参照して、次に、本実施の形態で用いられるのに好ましいスクライビング器具50について説明する。スクライビング器具50は、スクライブヘッド(図示せず)に取り付けられることによってガラス基板11に対して相対的に移動することにより、ガラス基板11に対するスクライブを行うものである。スクライビング器具50は刃先51およびシャンク52を有する。刃先51は、シャンク52に保持されている。
刃先51には、天面SD1(第1の面)と、天面SD1を取り囲む複数の面とが設けられている。これら複数の面は側面SD2(第2の面)および側面SD3(第3の面)を含む。天面SD1、側面SD2およびSD3は、互いに異なる方向を向いており、かつ互いに隣り合っている。刃先51は、天面SD1、側面SD2およびSD3が合流する頂点を有し、この頂点によって刃先51の突起部PPが構成されている。また側面SD2およびSD3は、刃先51の側部PSを構成する稜線をなしている。側部PSは突起部PPから線状に延びている。また側部PSは、上述したように稜線であることから、線状に延びる凸形状を有する。
刃先51はダイヤモンドポイントであることが好ましい。すなわち刃先51はダイヤモンドから作られていることが好ましい。この場合、容易に、硬度を高く、表面粗さを小さくすることができる。より好ましくは刃先51は単結晶ダイヤモンドから作られている。さらに好ましくは結晶学的に言って、天面SD1は{001}面であり、側面SD2およびSD3の各々は{111}面である。この場合、側面SD2およびSD3は、異なる向きを有するものの、結晶学上、互いに等価な結晶面である。
なお単結晶でないダイヤモンドが用いられてもよく、たとえば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法で合成された多結晶体ダイヤモンドが用いられてもよい。あるいは、微粒のグラファイトや非グラファイト状炭素から、鉄族元素などの結合材を含まずに焼結された多結晶体ダイヤモンド、またはダイヤモンド粒子を鉄族元素などの結合材によって結合させた焼結ダイヤモンドが用いられてもよい。
シャンク52は軸方向AXに沿って延在している。刃先51は、天面SD1の法線方向が軸方向AXにおおよそ沿うようにシャンク52に取り付けられることが好ましい。
スクライビング器具50が本実施の形態に適用される場合、押し付けられた刃先51は上面SF1上で進行方向DAへ摺動させられる。進行方向DAは、突起部PPから側部PSに沿って延びる方向を上面SF1上に射影した方向であり、軸方向AXを上面SF1上へ射影した方向におおよそ対応している。なお、進行方向DAと反対の進行方向DBが用いられると、本実施の形態においてはトレンチラインTLに沿ったクラックが発生しにくくなる。このような方向依存性は、トレンチラインTLの形成に起因して生じるガラス基板11内の応力の分布に起因すると推測される。
図12(A)および(B)を参照して、変形例として、スクライビング器具50vが用いられてもよい。スクライビング器具50vの刃先51vは、頂点と、円錐面SCとを有する円錐形状を有する。刃先51vの突起部PPvは頂点で構成されている。刃先の側部PSvは頂点から円錐面SC上に延びる仮想線(図12(B)における破線)に沿って構成されている。これにより側部PSvは、線状に延びる凸形状を有する。
本実施の形態によれば、トレンチラインTLが露出した端面SE(図5)の表面粗さが増大させられる。これにより、トレンチラインTLが端面SE上において露出した箇所を起点としたクラックが発生しやすくなる。よって、その直下にクラックを有しないトレンチラインTL(図3(A))に沿った分断を、トレンチラインTLが低荷重で形成された場合においても行うことができる。
(実施の形態2)
図13を参照して、実施の形態1(図2)とほぼ同様に、ガラス基板11の上面SF1上にトレンチラインTLが形成される。ただしトレンチラインTLの形成に用いられるのに好ましいスクライブ器具、またはその刃先の姿勢は、実施の形態1および2の間で互いに異なる。この点の詳細については後述する。
次に、実施の形態1と同様、ラインBLに沿ってガラス基板11が分離される。
図14を参照して、上記分離により、トレンチラインTLが露出した端面SEが形成される。トレンチラインTLが露出した箇所での端面SEの法線方向DNは、本実施の形態においては、スクライブ方向DL(図13)と反対方向の成分を有する。法線方向DNとスクライブ方向DLとは、ほぼ逆であることが好ましい。
次に、実施の形態1とほぼ同様の工程が行われる。すなわち、端面SEの表面粗さが増大させられ、続いてトレンチラインTLに沿ってガラス基板11が分断される。
図15を参照して、次に、本実施の形態で用いられるのに好ましいスクライビング器具50Rについて説明する。スクライビング器具50Rは、スクライビングホイール51Rと、ホルダ52Rと、ピン53とを有する。スクライビングホイール51Rは、おおよそ円盤状の形状を有しており、その直径は、典型的には数mm程度である。スクライビングホイール51Rは、ホルダ52Rにピン53を介して、回転軸RX周りに回転可能に保持されている。
スクライビングホイール51Rは、刃先が設けられた外周部PFを有する。外周部PFは、回転軸RX周りに円環状に延びている。外周部PFは、図16(A)に示すように、目視レベルでは稜線状に切り立っており、それによって、稜線と傾斜面とからなる刃先を構成している。一方、顕微鏡レベルでは、スクライビングホイール51Rがガラス基板11内へ侵入することによって実際に作用する部分(図16(B)の二点鎖線よりも下方)において外周部PFの稜線は微細な表面形状MSを有する。表面形状MSは、正面視(図16(B))において、有限の曲率半径を有する曲線形状を有することが好ましい。
スクライビングホイール51Rは、超硬合金、焼結ダイヤモンド、多結晶ダイヤモンドまたは単結晶ダイヤモンドなどの硬質材料を用いて形成されている。上述した稜線および傾斜面の表面粗さを小さくする観点でスクライビングホイール51R全体が単結晶ダイヤモンドから作られてもよい。
スクライビング器具50Rを用いてトレンチラインTL(図15)を形成するためには、スクライビング器具50Rの刃先がガラス基板11の上面SF1上において進行方向DBへ移動させられる(図15参照)。言い換えれば、ガラス基板11の上面SF1上で刃先が転動(矢印RT)させられる。
この際、刃先に加えられる荷重Fは、ガラス基板11の厚さ方向DTに平行な垂直成分Fpと、上面SF1に平行な面内成分Fiとを有する。スクライビングホイール51Rの転動によるスクライビングホイール51Rの進行方向DBは面内成分Fiの方向と同じである。言い換えれば、スクライブ方向DL(図13)は、面内成分Fiの方向と同じである。
本実施の形態によっても実施の形態1とほぼ同様の効果が得られる。さらに本実施の形態によれば、トレンチラインTLの形成にスクライビングホイール51Rを用いることができる。なおスクライビングホイール51Rが実施の形態1に適用されると、本実施の形態に比して、トレンチラインTLに沿ったクラックが発生しにくい。
なおスクライビング器具50Rの代わりにスクライビング器具50または50vが用いられてもよい。この場合、実施の形態1とは逆に、進行方向DAではなくその反対方向である進行方向DBが用いられることが好ましい。これにより、トレンチラインTLに沿ったクラックがより発生しやすくなる。
上記各実施の形態による脆性基板の分断方法はガラス基板に対して特に好適に適用されるが、脆性基板は、ガラス以外の材料から作られていてもよい。たとえば、ガラス以外の材料として、セラミックス、シリコン、化合物半導体、サファイア、または石英が用いられてもよい。
N2 点(一の点)
SF1 上面(表面)
SF2 下面
TL トレンチライン
11 ガラス基板(脆性基板)
50,50R,50v スクライビング器具
51,51v 刃先
51R スクライビングホイール
85 ブレークバー

Claims (7)

  1. 刃先を脆性基板の表面上へ押し付けながら移動させることによって前記表面上に塑性変形を発生させることで、前記表面上で一の点を経由して延びるトレンチラインを形成する工程を備え、前記トレンチラインを形成する工程は、前記トレンチラインの直下において前記脆性基板が前記トレンチラインと交差する方向において連続的につながっている状態であるクラックレス状態が得られるように行われ、さらに
    前記脆性基板の前記表面上の前記一の点において前記トレンチラインと交差するラインに沿って前記脆性基板を分離することにより、前記トレンチラインが露出した端面を形成する工程を備え、前記脆性基板を分離する工程は前記クラックレス状態が維持されるように行われ、さらに
    前記端面の表面粗さを増大させる工程と、
    前記端面の表面粗さを増大させる工程の後に、前記トレンチラインに沿って前記脆性基板を分断する工程とを備え、前記脆性基板を分断する工程は、前記トレンチラインが前記端面上において露出した箇所に応力を加えることにより、前記箇所を起点として前記トレンチラインに沿ってクラックを伸展させる工程を含む、脆性基板の分断方法。
  2. 前記端面の表面粗さを増大させる工程は前記端面に対して機械的加工を行う工程を含む、請求項1に記載の脆性基板の分断方法。
  3. 前記機械的加工を行う工程は前記端面を研削する工程を含む、請求項2に記載の脆性基板の分断方法。
  4. 前記トレンチラインを形成する工程において、前記刃先は前記一の点上を一の方向へ移動し、
    前記トレンチラインが露出した箇所での前記端面の法線方向は前記一の方向の成分を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の脆性基板の分断方法。
  5. 前記トレンチラインを形成する工程は、前記脆性基板の前記表面上で前記刃先を摺動させる工程を含む、請求項4に記載の脆性基板の分断方法。
  6. 前記トレンチラインを形成する工程において、前記刃先は前記一の点上を一の方向へ移動し、
    前記トレンチラインが露出した箇所での前記端面の法線方向は前記一の方向と反対方向の成分を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の脆性基板の分断方法。
  7. 前記トレンチラインを形成する工程は、前記脆性基板の前記表面上で前記刃先を転動させる工程を含む、請求項6に記載の脆性基板の分断方法。
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