JP2017061257A - タイヤの評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シーラント層の厚みを正確に測定するための評価方法の提供。
【解決手段】本発明は、その内面にシーラント層18を備えるタイヤ2の評価方法に関する。この評価方法は、上記タイヤ2を冷却庫にて保管する工程、上記タイヤ2を周方向に垂直な方向に切断する工程及び上記切断した断面においてシーラント層18の厚みを測定する工程を有する。好ましくは、この評価方法は、上記タイヤを冷却庫にて保管する工程の前に、走行試験機上で上記タイヤを走行させる工程をさらに含む。好ましくは、上記タイヤ2を冷却庫にて保管する工程における上記冷却庫内の温度は−45℃以上−35℃以下である。好ましくは、上記タイヤ2を走行させる工程においては、上記シーラント層18の温度が80℃以上95℃以下となるように、タイヤ2の走行速度及び走行時間が決められる。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤの評価方法に関する。詳細には、タイヤが走行した後のシーラント材の流動性の評価方法に関する。
パンクに対する耐性を上げるために、タイヤがシーラント層を備えることがある。シーラント層は、流動性のシーラント材をタイヤの内面に塗布することで、形成されている。シーラント層は、トレッドの半径方向内側に設けられている。タイヤが釘等を踏むことによりタイヤに孔が空いたとき、タイヤの内側からシーラント材がこの孔に入り込む。シーラント材が孔を塞ぐことにより、タイヤの気密性が保たれる。
シーラント材は流動性であるため、タイヤが高速で回転すると、遠心力によりシーラント材はトレッドのセンター部に向けて流動する。これにより、ショルダー部におけるシーラント層の厚みが薄くなる。このシーラント層では、ショルダー部において空いた孔を、十分に塞ぐことができないことが起こりうる。さらに、タイヤのセンター部とショルダー部とでシーラント層の厚さが異なるため、ユニフォミティに影響が出るおそれがある。タイヤのセンター部でシーラント層の厚さが厚くなるため、この部分での発熱が大きくなる。これは、タイヤの高速耐久性に影響を及ぼしうる。走行時のシーラント材の流動を抑制するための検討が、特開2009−274530公報及び特開2011−37399公報で報告されている。
特開2009−274530公報 特開2011−37399公報
これまで、シーラント材の流動の状態を知るために、タイヤを車両に装着し、実際にこの車両が走行された。このタイヤについて、ある決められた場所(例えば、センター部一箇所とショルダー部一箇所)におけるシーラント層の厚みを測定することが行われてきた。シーラント材の流動を効果的に抑制するには、シーラント材がどのように流動しているかをより詳細に知ることが重要である。このためには、タイヤのセンター部からショルダー部に至るまでのシーラント層の厚みを測定する必要がある。センター部からショルダー部に至るまでのシーラント層の厚みを測定するには、走行後のタイヤを周方向に垂直な方向に切断して、断面を観測する方法が考えられる。しかし、タイヤを切断するときに、シーラント層が崩れる場合がある。シーラント層が崩れると、シーラント層の厚みを正確に測定することができなくなる。
本発明の目的は、センター部からショルダー部に至るまでのシーラント層の厚みを正確に測定するための評価方法を提供することである。
本発明は、その内面にシーラント層を備えるタイヤの評価方法に関する。この評価方法は、上記タイヤを冷却庫にて保管する工程、上記タイヤを周方向に垂直な方向に切断する工程及び上記切断した断面においてシーラント層の厚みを測定する工程を有する。
好ましくは、この評価方法は、上記タイヤを冷却庫にて保管する工程の前に、走行試験機上で上記タイヤを走行させる工程をさらに含む。
好ましくは、上記タイヤを走行させる工程においては、上記シーラント層の温度が80℃以上95℃以下となるように、タイヤの走行速度及び走行時間が決められる。
好ましくは、上記タイヤを走行させる工程におけるタイヤの走行速度は180km/h以上220km/h以下であり、走行時間は30分以上である。
好ましくは、上記タイヤを冷却庫にて保管する工程における上記冷却庫内の温度は−45℃以上−35℃以下である。
好ましくは、上記タイヤを冷却庫にて保管する工程における上記タイヤの保管時間は2時間以上である。
好ましくは、上記冷却庫からタイヤを取り出してから上記タイヤを切断するまでの時間の間隔は15分以内である。
この評価方法は、タイヤを冷却庫で保管する工程を有する。シーラント材は、低温で硬化する。シーラント材が流動することにより厚みが変動したシーラント層は、その状態で硬化する。この評価方法では、このタイヤは周方向に垂直な方向に切断される。硬化したシーラント層は、切断されても崩れ難い。この断面を用いてシーラント層の厚みが計測される。これにより、タイヤのセンター部からショルダー部に至るまでのシーラント層の厚みが正確に計測できる。
図1は、シーラント層を備えるタイヤが示された断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る試験方法による試験の状況が模式的に示された図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、シーラント層を備えるタイヤ2が示された断面図である。この図において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。図1において、一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表わす。このタイヤ2の形状は、トレッドパターンを除き、赤道面に対して対称である。
このタイヤ2は、トレッド4、一対のサイドウォール6、一対のビード8、カーカス10、ベルト12、バンド14、インナーライナー16及びシーラント層18を備えている。それぞれのサイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。それぞれのビード8は、サイドウォール6の半径方向内側に位置している。カーカス10は、両ビード8の間に架け渡されている。ベルト12は、トレッド4の半径方向内側に位置しカーカス10と積層されている。バンド14は、ベルト12の半径方向外側に積層されている。インナーライナー16は、カーカス10の内側に位置しカーカス10の内面に接合されている。シーラント層18は、インナーライナー16の内側に位置している。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、乗用車に装着される。なお、図1では、シーラント層18以外の構成部材は、その断面の輪郭のみが示されている。
図1に示されるとおり、シーラント層18は、トレッド4の半径方向内側に位置している。シーラント層18は、トレッド4の一方のショルダー部の内側から他方のショルダー部の内側まで延びている。このタイヤ2を装着した車両が直進走行するとき及び旋回走行するときに、トレッド4の地面と接する部分の半径方向内側には、シーラント層18が存在している。
シーラント層18は、流動性を有するシーラント材を、インナーライナー16の内面に塗布することで形成される。このシーラント材の組成は、ブチルゴム及びポリブテンを主成分とする一般的なものでよい。タイヤ2が釘等を踏むことにより、タイヤ2には、トレッド面20からインナーライナー16の内面まで貫通する孔が空くことがある。このとき、シーラント材は、タイヤ2の内側からこの孔に入り込む。シーラント材が孔を塞ぐことにより、タイヤ2の気密性が保たれる。タイヤ2に孔が空いても、このタイヤ2は走行が可能である。シーラント層18は、タイヤ2のパンクに対する耐性の向上に寄与している。
この実施形態では、シーラント層18の厚みの評価方法は、
(1)走行試験機上で上記タイヤ2を走行させる工程、
(2)タイヤ2を冷却庫にて保管する工程、
(3)上記タイヤ2を周方向に垂直な方向に切断する工程
及び
(4)上記切断した断面においてシーラント層18の厚みを測定する工程
を有している。
上記(1)の工程では、タイヤ2が走行試験機上で走行される。図2には、走行試験機22でタイヤ2が走行されている状況が模式的に示されている。この実施形態では、ドラム型走行試験機22が使用されている。図2には、タイヤ2とドラム型走行試験機22のドラム24のみが示されている。このタイヤ2は、正規リムに装着され、空気が充填されている。
この工程では、タイヤ2が走行試験機22にセットされる。これにより、タイヤ2とドラム24の走行面26とが接触される。タイヤ2が、ドラム24の走行面26に押し付けられる。図2の矢印Fが、このときタイヤ2に負荷された荷重である。タイヤ2に負荷される荷重Fの大きさは調整可能である。タイヤ2には、所定の荷重が負荷される。ドラム24が矢印Aの方向に回転させられる。これに伴い、タイヤ2が矢印Bの方向に回転する。これにより、タイヤ2が走行面26上を走行する。ドラム24の回転速度は調整可能である。換言すれば、タイヤ2の走行速度は調整可能である。タイヤ2は所定の速度で走行される。
上記(2)の工程では、走行試験機22からタイヤ2が外される。タイヤ2は冷却庫で保管される。このタイヤ2は、冷却庫で冷却される。これにより、シーラント材は硬化する。この冷却保管により、シーラント層18は硬化する。
上記(3)の工程では、タイヤ2が冷却庫から取り出される。このタイヤ2が周方向に垂直な方向に切断される。すなわち、タイヤ2は輪切りに切断される。この切断には、例えばワイヤー式のタイヤカッターが使用される。
上記(4)の工程では、切断された断面について、シーラント層18の厚さが計測される。タイヤ2の中央からショルダー部まで、所望の位置でシーラント層18の厚さが計測される。タイヤ2の中央からショルダー部までのシーラント材の分布が計測される。この計測は、例えば直尺を用いて行われる。
この実施形態では、走行試験機としてドラム型走行試験機22が使用された。走行試験機22は、ドラム型に限られない。ベルト型の走行試験機を使用してもよい。その他の走行試験機を使用してもよい。さらには、走行試験機が使用されなくてもよい。タイヤを車両に装着して、道路上を走行させてもよい。
この実施形態では、この評価方法は、上記(1)の工程を有している。この評価方法は、上記(1)の工程を有しなくてもよい。市場で使用した後のタイヤを用いて、上記(2)以降の工程が実施されてもよい。これにより、市場で使用した後のタイヤについて、シーラント材の分布の計測ができる。未使用のタイヤを用いて、上記(2)以降の工程が実施されてもよい。これにより、製造後のタイヤについて、シーラント材の分布の計測ができる。
以下、本発明の作用効果が説明される。
シーラント材の流動を効果的に抑制するには、シーラント材がどのように流動するかを詳細に知ることが重要である。このためには、タイヤのセンター部からショルダー部に至るまでのシーラント層の厚みを測定する必要がある。このために、走行後のタイヤを周方向に垂直な方向に切断して、断面を観測する方法が考えられる。しかし、シーラント材は流動性を有するため、タイヤを切断するときに、シーラント層が崩れる場合がある。シーラント層が崩れると、シーラント層の厚みを正確に測定することができなくなる。
この評価方法は、タイヤ2を冷却庫で保管する工程を有する。シーラント材は、低温で硬化する。シーラント材が流動することにより厚みが変動したシーラント層18は、タイヤ2を冷却することにより、その状態で硬化する。この評価方法では、このタイヤ2は周方向に垂直な方向に切断される。硬化したシーラント層18は、切断されても崩れ難い。この断面を用いてシーラント層18の厚みが計測される。これにより、タイヤ2のセンター部からショルダー部に至るまでのシーラント層18の厚みが正確に計測できる。
上記の(2)の工程でタイヤ2を冷却する冷却庫の温度Tは、−35℃以下が好ましい。温度Tを−35℃以下とすることで、シーラント層18は十分に硬化する。このシーラント層18は、タイヤ2の切断によっても崩れ難い。このシーラント層18は、タイヤ2の切断で崩れることが抑制されている。この方法では、センター部からショルダー部に至るまでのシーラント層18の厚みが正確に計測できる。この観点から温度Tは−37℃以下がより好ましい。冷却庫の温度Tは−45℃以上が好ましい。温度Tを−45℃以上とすることで、タイヤ2を構成するゴムの脆弱破壊(例えば、トレッドでのクラック)が発生することが防止されている。この観点から、温度Tは−42℃以上がより好ましい。
タイヤ2を冷却庫で保管する時間Hは、2時間以上が好ましい。保管時間Hを2時間以上とすることでシーラント層18は十分に硬化する。このシーラント層18は、タイヤ2の切断によっても崩れ難い。このシーラント層18は、タイヤ2の切断で崩れることが防止されている。この方法では、センター部からショルダー部に至るまでのシーラント層18の厚みが正確に計測できる。この観点から、保管期間Hは3時間以上がより好ましい。効率的に評価を実施するとの観点から、保管期間Hは5時間以下が好ましい。
上記(3)の工程で、タイヤ2を冷却庫から取り出してからタイヤ2を切断するまでの時間の間隔Iは、15分以内が好ましい。間隔Iを15分以内とすることで、このシーラント層18は、タイヤ2の切断によっても崩れ難い硬さが維持されている。このシーラント層18は、タイヤ2の切断で崩れることが防止されている。この方法では、センター部からショルダー部に至るまでのシーラント層18の厚みが正確に計測できる。この観点から、間隔Iは10分以内がより好ましい。
シーラント材の流動性は、シーラント材の粘度と高い相関を示す。シーラント材は、粘度が低いほど高い流動性を示す。また、通常のシーラント材は、温度が高くなるほど粘度が低くなる。すなわち、シーラント材は、温度が高くなるほど、流動し易くなる。
タイヤ2が走行すると、タイヤ2の温度は上昇する。タイヤ2が走行すると、シーラント層18の温度が高くなる。これにより、ショルダー部のシーラント材は、よりセンター部に向けて流動し易くなる。タイヤ2が走行により高温となった場合でも、シーラント層18には、ショルダー部に空いた孔を塞ぐことが求められる。タイヤ2が走行により高温となった場合の、シーラント層18の厚みを正確に計測することが重要である。
上記(1)の工程で、走行試験機22でタイヤ2を走行させるときの走行速度V及び走行時間Rは、シーラント層18の温度が80℃以上95℃以下となるように決めるのが好ましい。タイヤ2が高温となるような環境で使用されている市場においては、タイヤ2の温度は80℃から95℃にまで上昇することがある。シーラント層18の温度が80℃以上95℃以下となるように走行速度V及び走行時間Rを決めることで、このような市場で使用されるときの、シーラント層18の厚みを正確に計測することができる。
なお、走行試験機22でタイヤ2を走行させるときの走行条件としては、走行速度V及び走行時間Rの他に、荷重Fがある。通常、市場においては、乗用車用タイヤ2は正規荷重F0以下で使用されることから、荷重Fは、比(F/F0)が0.6以上0.9以下となるように設定される。
シーラント層18の温度が80℃以上95℃以下となるように、走行速度V及び走行時間Rを決める方法は、種々考えられる。この実施形態では、シーラント層18に、ボタン型温度計が配置される。この温度計は、温度が上がり易いショルダー部の半径方向内側に配置される。この温度計では、計測した温度がこの温度計内部に蓄積される。走行速度V及び走行時間Rを種々変化させて、このタイヤ2が走行される。走行後、温度計内部に蓄積された温度のデータを読み出すことで、温度が80℃以上95℃以下となる走行速度V及び走行時間Rが確認される。
走行試験機22でタイヤ2を走行させるときの走行速度Vは、180km/h以上が好ましく、220km/h以下が好ましい。走行速度Vをこのように設定することで、シーラント層18の温度を80℃以上95℃以下とすることができる。
走行試験機22でタイヤ2を走行させるときの走行時間Rは、30分以上が好ましい。走行時間Rを30分以上とすることで、タイヤ2は平衡状態となる。これにより、シーラント層18の温度を安定させることができる。シーラント層18の温度を80℃以上95℃以下で安定させることができる。
上記のとおり、この試験方法は、走行試験機22で実施される。従来の、タイヤ2を車両に装着して実際に走行させる方法に比べて、短期間に少ない手間でシーラント層18の厚みの評価ができる。しかも、上記のとおり、この試験方法では、走行速度Vと走行時間Rとを適切に設定することで、市場で使用されるときの、シーラント層18の厚みを正確に計測することができる。
本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。本明細書において正規荷重とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最高負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[タイヤの準備]
評価には、サイズが「215/55R17」であるタイヤを使用した。図1で示されるように、シーラント材が、トレッドの半径方向内側において、インナーライナーの内側に塗布された。形成されたシーラント層の軸方向幅は182mmとされ、厚さは3mm均一とされた。シーラント材の組成は、ブチルゴム及びポリブテンを主成分とする一般的なものである。ボタン型の温度計が、ショルダー部の半径方向内側近辺において、シーラント層に配置された。この温度計は、テープで貼り付けられた。このタイヤは正規リム(サイズ:17×17J)に組み込まれた。このタイヤに空気が充填され、内圧が220kPaとされた。
[実施例1]
上記(1)から(4)の工程に従い、シーラント層の厚みの評価を実施した。上記タイヤをドラム型走行試験機で走行させた。この評価機のドラム径は1707mmである。タイヤには、正規荷重の70%の荷重(4.6kN)が負荷された。その他の走行条件は、表1に示される通りである。走行後、タイヤは冷却庫で保管された。このときの冷却温度Tと保管時間Hは表1に示される通りである。このタイヤは、冷却庫から取り出された後、2箇所で切断された。これにより、タイヤは2等分された。冷却庫から取り出されてから切断されるまでの時間の間隔Iは15分であった。切断には、澁谷工業(株)製のワイヤー式カッターが使用された。この切断面から、シーラント層の厚みが観測された。
[比較例1]
上記(2)の工程を実施しないことの他は実施例1と同様にしたのが、比較例1である。
[実施例2−5]
走行速度V及び冷却温度Tを表1に示される値にしたことの他は実施例1と同様にしたのが、実施例2−5である。
[実施例6]
保管時間Hを表2に示される値にしたことの他は実施例1と同様にしたのが、実施例6である。
[実施例7]
間隔Iを表2に示される値にしたことの他は実施例1と同様にしたのが、実施例7である。
[シーラント層崩れ]
タイヤを切断した断面において、シーラント層の状態が目視で確認された。この結果が、表1−2に示されている。表において、「A」は、シーラント層崩れが発生していないことを表す。「B」は、シーラント層崩れは起こっているが、その程度が少ないことを表す。「C」は、厚みの計測が困難な程度に、シーラント層が崩れていることを表す。「A」、「B」、「C」の順に好ましい。
[トレッドクラック]
冷却庫から取り出したタイヤについて、トレッドでのクラックの発生の有無が目視で確認された。この結果が、表1−2に示されている。
[シーラント層の温度]
シーラント層に取り付けた温度計で、温度を計測した。この結果が、表1−2に示されている。これは、シーラント層の温度が安定した状態での温度である。シーラント層の温度は、80℃以上95℃以下となっているのが好ましい。
[シーラント層厚み]
計測されたシーラント層の厚みのうち、A点及びB点での値が表1−2に示されている。ここで、A点とは、図1に示されるとおり、赤道面からの軸方向距離が90mmであるシーラント層上の点である。B点とは、赤道面からの軸方向距離が80mmであるシーラント層上の点である。これらは、それぞれタイヤを2等分したときにできた2つの断面で計測された値の平均値である。従来からの解析により、タイヤが高温となるような環境で使用されている市場においては、A点でのシーラント層の厚みは0.0mm−0.5mm、B点でのシーラント層の厚みは1.0mm−2.0mmとなることが確認されている。この評価において、A点及びB点での測定結果が、これらの範囲に入っていれば、この市場でのシーラント材の流動が、この評価で再現できていると言える。
Figure 2017061257
Figure 2017061257
表1−2に示されるように、実施例の評価方法は、比較例での評価方法より結果が優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された評価方法は、シーラント層を備える種々のタイヤの評価に適用されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・ビード
10・・・カーカス
12・・・ベルト
14・・・バンド
16・・・インナーライナー
18・・・シーラント層
20・・・トレッド面
22・・・走行試験機
24・・・ドラム
26・・・走行面

Claims (7)

  1. その内面にシーラント層を備えるタイヤの評価方法であって、
    上記タイヤを冷却庫にて保管する工程、
    上記タイヤを周方向に垂直な方向に切断する工程
    及び
    上記切断した断面においてシーラント層の厚みを測定する工程
    を有するタイヤの評価方法。
  2. 上記タイヤを冷却庫にて保管する工程の前に、
    走行試験機上で上記タイヤを走行させる工程
    をさらに含む請求項1に記載の評価方法。
  3. 上記タイヤを走行させる工程においては、上記シーラント層の温度が80℃以上95℃以下となるように、タイヤの走行速度及び走行時間が決められる請求項2に記載の評価方法。
  4. 上記タイヤを走行させる工程におけるタイヤの走行速度が180km/h以上220km/h以下であり、走行時間が30分以上である請求項2又は3に記載の評価方法。
  5. 上記タイヤを冷却庫にて保管する工程における上記冷却庫内の温度が−45℃以上−35℃以下である請求項1から4のいずれかに記載の評価方法。
  6. 上記タイヤを冷却庫にて保管する工程における上記タイヤの保管時間が2時間以上である請求項1から5のいずれかに記載の評価方法。
  7. 上記冷却庫からタイヤを取り出してから上記タイヤを切断するまでの時間の間隔が15分以内である請求項1から6のいずれかに記載の評価方法。
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