JP2015141154A - タイヤの耐久試験方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤのサイプに起因するブロック欠けの評価方法の提供。【解決手段】この耐久試験方法は、トレッド面にサイプが形成されたタイヤが劣化させられる劣化工程と、この劣化工程を経たタイヤが走行させられる走行工程と、走行工程を経たタイヤのサイプのクラックの発生が観察される観察工程とを備えている。この劣化工程では、タイヤが70℃以上100℃以下の雰囲気で2日以上14日以下の期間曝されている。この走行工程では、正規内圧で空気が充填されて、規格最大荷重Fの0.6倍以上0.8倍以下の所定の荷重が付加され、1?以上4?以下の所定のスリップ角が付与され、50km/h以上70km/h以下の所定の速度で走行させられている。この観察工程では、サイプにクラックが発生しているか否かが観察されている。【選択図】図5

Description

本発明は、タイヤの耐久試験方法に関する。詳細には、本発明は、空気入りタイヤのサイプに起因するブロック欠けの評価方法に関する。
タイヤのトレッドには溝が刻まれている。この溝により、多数のブロック、リブ及びラグ(以下、ブロック等という)が形成されている。このブロック等の表面は、トレッド面を構成する。重荷重用タイヤやスタットレスタイヤ等では、このトレッド面にサイプが形成されている。サイプは、ブロック等を区画する溝より、浅く細かい溝である。このサイプにより、路面の水膜をきる効果や、ブロック等の柔らかさを均一にする効果が得られる。また、スタットレスタイヤでは、このサイプを形成することで、氷雪路での性能向上が図られている。
乾燥路面を走行すると、大きな摩擦力と駆動力とがタイヤのトレッド面に作用する。この摩擦力と駆動力とに起因して、トレッド面の欠けが生じることがある。このトレッド面の欠けは、所謂ブロック欠けと称される。このブロック欠けは、タイヤの外観を損なう。このブロック欠けは、タイヤの性能及び耐久性を低下させる。
ブロック欠けの評価方法として、実車による試験方法がある。この試験方法では、試験タイヤが実車に装着されて、実車が乾燥路面を走行する。この方法は、市場と同様の状態で評価がされる。市場での評価と同様の評価結果を得られうる。しかし、この実車による試験方法は、長時間に亘る走行が必要とされる。この評価方法は、効率的でない。また、実車走行では、複数のタイヤを同一試験条件で比較評価することが困難である。
特許文献1には、タイヤのブロック欠けを評価する試験方法が開示されている。この試験方法では、試験機が用いられている。この試験機は、外周面に凸条を備える2本のローラを備えている。固定されたタイヤのトレッド面の一部分に、回転したローラが押し当てられる。これにより、タイヤのブロック欠けが評価されている。この試験方法によれば、ブロック欠けの試験条件を同一にできる。複数タイヤが比較評価されうる。更に、この試験方法では、トレッド面の一部分でブロック欠けが評価されるので、評価時間を短縮しうる。この試験方法は、効率的に評価しうる。
特開2009−41971公報
発明者らは、サイプが形成されたタイヤのブロック欠けについて調査をした。その結果、ブロック欠けには、溝のクラックに起因するブロック欠けとサイプに起因するブロック欠けとに分かれることが確認された。
特許文献1の試験方法は、溝のクラックに起因するブロック欠けの評価に適している。この方法では、溝のクラックに起因するブロック欠けが支配的である。この方法では、サイプに起因するブロック欠けが適正に評価され得ない。
本発明の目的は、タイヤのサイプに起因するブロック欠けの評価方法の提供にある。
本発明に係る空気入りタイヤの耐久試験方法は、トレッド面にサイプが形成されたタイヤが劣化させられる劣化工程と、この劣化工程を経たタイヤが走行させられる走行工程と、走行工程を経たタイヤのサイプのクラックの発生が観察される観察工程とを備えている。
この劣化工程では、タイヤが70℃以上100℃以下の雰囲気で2日以上14日以下の期間曝されている。この走行工程では、正規内圧で空気が充填されて、規格最大荷重Fの0.6倍以上0.8倍以下の所定の荷重が付加され、1°以上4°以下の所定のスリップ角が付与され、50km/h以上70km/h以下の所定の速度で走行させられる。この観察工程では、サイプにクラックが発生しているか否かが観察されている。
本発明に係るタイヤの耐久試験方法では、サイプに起因するブロック欠けが精度良く評価されうる。この試験方法によれば、比較的に短期間で、サイプに起因するブロック欠けが評価されうる。これにより、耐久性に優れるサイプの設計が、効率的になされうる。
図1は、本発明に係るタイヤの耐久試験方法で評価される空気入りタイヤの一例が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤのトレッド面の一部が示された説明図である。 図3は図2の直線III−IIIに沿った断面図である。 図4は、本発明に係るタイヤの耐久試験方法で評価される他のタイヤのサイプが示された断面図である。 図5は、本発明に係るタイヤの耐久試験方法が示されたフローチャートである。 図6(a)は最大負荷荷重Fが負荷されたときのトレッド面の接地面が示されており、図6(b)は荷重Fの0.7倍の荷重が負荷されたときのトレッド面の接地面を示しており、図6(c)は荷重Fの0.5倍の荷重が負荷されたときのトレッド面の接地面を示している。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、空気入りタイヤ2の一部が示された断面図である。このタイヤ2を例に、本発明の耐久試験方法が説明される。
図1において、上下方向が半径方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向が周方向である。図1の一点鎖線CLは、タイヤ2の赤道面を表す。このタイヤ2は、赤道面に対してほぼ左右対称の形状を呈する。このタイヤ2は、トレッド4、サイドウォール6、ビード8、カーカス10、ベルト12、インナーライナー14及びチェーファー16を備えている。このタイヤ2は、重荷重用タイヤである。このタイヤ2は、トラックやバス等に装着されるものを例示している。このタイヤ2は、トラック・バス用タイヤである。
トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、トレッド面18を備えている。このトレッド面18は、路面と接地する。サイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6は、架橋ゴムからなる。ビード8は、サイドウォール6よりも半径方向略内側に位置している。ビード8は、コア20と、このコア20から半径方向外向きに延びるエイペックス22とを備えている。コア20は、リング状である。コア20は、周方向に巻回された非伸縮性ワイヤー(典型的にはスチール製ワイヤー)を含む。エイペックス22は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス22は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス10は、カーカスプライ24からなる。カーカスプライ24は、両側のビード8の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール6の内側に沿っている。カーカスプライ24は、コア20の周りを、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。図示されていないが、カーカスプライ24は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、通常は70°から90°である。換言すれば、このカーカス10はラジアル構造を有する。バイアス構造のカーカス10が採用されてもよい。
ベルト12は、トレッド4の内側に位置している。このベルト12は、カーカス10の半径方向外側に位置している。ベルト12は、カーカス10と積層されている。ベルト12は、カーカス10を補強する。ベルト12は、第一層12a、第二層12b、第三層12c及び第四層12dからなる。第一層12aの半径方向外側に第二層12bが位置する。第二層12bの半径方向外側に第三層12cが位置する。第三層12cの半径方向外側に第四層12dが位置する。図示されていないが、第一層12aから第四層12dのそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードは、赤道面に対して傾斜している。傾斜角度の絶対値は、10°以上35°以下である。コードの好ましい材質は、スチールである。コードに、有機繊維が用いられてもよい。
インナーライナー14は、カーカス10の内周面に接合されている。インナーライナー14は、架橋ゴムからなる。チェーファー16は、ビード8の近傍に位置している。タイヤ2がリムに組み込まれると、このチェーファー16がリムと当接する。チェーファー16は、通常は布とこの布に含浸したゴムとからなる。ゴム単体からなるチェーファー16が用いられてもよい。
図2は、タイヤ2を外側から半径方向内向きに見たトレッド4の一部が示されている。このトレッド4には、縦溝26と横溝28が刻まれている。この縦溝26は、タイヤ2の周方向の延びている。この縦溝26は、トレッド面18を周方向に一周している。この縦溝26により、複数のリブ30が形成されている。この複数のリブ30の外周面が、図1に示されたトレッド面18を形成している。この縦溝26と横溝28とが形成されて、トレッドパターンが形成されている。このトレッド面18には、複数のサイプ32が形成されている。
図3には、タイヤ2のサイプ32の断面形状が示されている。この断面はサイプの長手方向(軸方向)に垂直な断面を示している。図3の両矢印Hは、サイプの深さを示している。図3の両矢印Wは、サイプの開口巾を示している。
このサイプ32は底面32aと一対の側面32bとを備えている。底面32aは半径方向外向きに面している。一対の側面32bは、周方向に面しており、互いに対向している。図3に示される断面において、この底面32aと一対の側面32bとは、直交する方向に延びている。この底面32a及び一対の側面32bは、リブ30を軸方向に刻んでいる。
このサイプ32は、トレッド面18を軸方向に刻んでいる。このサイプ32は、縦溝26及び横溝28に比べて細かい。この細かいサイプ32により、路面の水膜がきられる。このサイプ32により、リブ30の硬さが均一化されている。これらの観点から、サイプ32の深さHは、好ましくは5mm以上であり、更に好ましくは7mm以上であり、特に好ましくは9mm以上である。また、開口巾Wは、好ましくは0.5mm以上であり、更に好ましくは1.0mm以上であり、特に好ましくは1.5mm以上である。
一方で、浅いサイプ32は、トレッド4の耐久性の向上に寄与する。この観点から、深さHは、好ましくは15mm以下であり、更に好ましくは13mm以下であり、特に好ましくは11mm以下である。また、開口巾Wは、好ましくは3.0mm以下であり、更に好ましくは2.5mm以下であり、特に好ましくは2.0mm以下である。
ここでは、図3に示されたサイプ32が形成されたタイヤ2を例に説明がされるが、サイプ32の断面形状は図3の形状に限定されない。図4には、他のタイヤ34のサイプ36の形状が示されている。このサイプ36の底面36aは、軸方向に垂直な断面において、円弧形状にされている。このサイプ36は、底面36aの応力集中が緩和されている。この耐久試験方法では、タイヤ2に代えて、タイヤ34が用いられてもよい。
図5は、本発明に係る耐久試験方法のフローチャートが示されている。この図5を参照しつつ、タイヤ2を例に、本発明に係る耐久試験方法が説明される。このタイヤ2の耐久試験方法は、準備工程(STEP1)、劣化工程(STEP2)、走行工程(STEP3)及び観察工程(STEP4)を備えている。
準備工程(STEP1)では、サイプ32を備えるタイヤ2が準備される。このタイヤ2は、未使用のタイヤである。
劣化工程(STEP2)では、タイヤ2が劣化処理される。この劣化工程では、オーブンの室内温度が、所定の温度、例えば80℃にされる。タイヤ2が、この80°のオーブン室内に置かれる。タイヤ2は、所定の保持期間、例えば8日間、このオーブンの室内に置かれる。この劣化工程では、タイヤ2が所定の温度の雰囲気に曝されて、タイヤ2が劣化させられる。
走行工程(STEP3)では、劣化工程(STEP2)を経たタイヤ2が、正規リムに組み込まれて、タイヤ組立体が得られる。このタイヤ組立体に空気が充填される。このタイヤ組立体は、正規内圧になるように空気が充填される。このタイヤ組立体がドラム試験機に取り付けられる。このタイヤ2がドラム試験機のドラム上を走行させられる。このドラムの直径は、一般に1707.6mmである。
この走行工程(STEP3)では、例えば以下の条件でタイヤ2がドラム上を走行する。この条件のFは、試験されるタイヤ2の規格最大荷重を示している。また、正規内圧とは、タイヤが依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
空気圧 :正規内圧
負荷荷重 :0.7F
スリップ角:2°
速度 :60km/h
この観察工程(STEP4)では、走行工程(STEP3)を経たタイヤ2が観察される。タイヤ2のトレッド面18が観察される。トレッド面18の欠け、即ち、ブロック欠けの有無が観察される。ブロック欠けの個数がカウントされる。更に、サイプ32のクラックの有無が観察される。サイプ32のクラックの個数がカウントされてもよい。
この観察工程(STEP4)で観察されるブロック欠けは、サイプ32のクラックに起因するものである。この観察工程(STEP4)で、ブロック欠けが確認できないタイヤ2は、「良」と判定がされる。ブロック欠けが確認されたタイヤ2は、「不良」と判定がされる。更に、ブロック欠けが確認されたタイヤ2について、ブロック欠けの個数でランク判別されてもよい。また、サイプ32のクラックの個数でランク判別されてもよい。
この耐久試験方法では、劣化工程(STEP2)で、タイヤ2が劣化させられている。タイヤ2のトレッド4は、使用末期の状態に近づけられている。市場で確認されるブロック欠けの多くは、タイヤの使用末期に確認されている。タイヤ2は、市場走行後のタイヤ2の劣化レベルに近づけられる。本発明でいう使用末期のタイヤ2の劣化レベルとは、タイヤとして使用可能な限度に近いレベルを意味する。即ち、この劣化工程では、タイヤとして使用可能な限度レベルに達しないがそのレベルに近いレベルまで、タイヤ2が劣化させられる。
この劣化工程を経ることにより、未使用のタイヤ2に比べて、短時間の走行試験で、ブロック欠けの有無が評価しうる。タイヤ2の劣化を促進する観点から、劣化工程の温度は、70℃以上である。一方で、この温度が高いと、タイヤ2の劣化が進みすぎる。本来、ブロック欠けが発生しないタイヤでもブロック欠けが発生してしまう。この観点から、劣化工程の温度は、100℃以下であり、更に好ましくは90℃以下である。
同様に、タイヤ2の劣化を促進する観点から、保持期間は、2日以上である。一方で、タイヤ2の劣化が進みすぎないようにする観点から、この保持時間は、14日以内である。
図6(a)から図6(c)には、タイヤ2の接地形状が例示されている。この接地形状は、タイヤ2のトレッド面18がドラムに押しつけられて得られている。図6(a)は、スリップ角を1°とし、最大負荷荷重Fが負荷されたときの、トレッド4の接地形状を示している。図6(b)は、スリップ角を1°とし負荷荷重を最大負荷荷重Fの0.7倍、即ち負荷荷重0.7Fが負荷されたときの接地形状を示している。図6(c)は、スリップ角を1°とし、負荷荷重0.5Fが負荷されたときの接地形状を示している。
図6(a)から図6(c)の両矢印Lcは、トレッド面18のセンター領域の接地周方向長さを示している。両矢印Lsは、トレッド面18のショルダー領域の接地周方向長さを示している。この図6(a)から図6(c)に示される様に、負荷荷重により、トレッド面18の接地形状は異なる。このトレッド面18の接地形状は、負荷荷重をいくらにするかで変化する。
図6(b)の接地形状では、実車走行でのタイヤ2の接地形状に比べて、トレッド面18の変形量は大きい。図6(b)の状態で走行するとき、トレッド4の変形時間は長い。図6(b)の接地形状は、図6(c)の接地形状に比べて、サイプに起因するブロック欠けが比較的に短時間で評価しうる。図6(b)の接地形状は、サイプに起因するブロック欠けの評価に比較的に適している。
実車走行でのタイヤ2の接地形状は、図6(a)から図6(c)のうちでは、図6(c)の接地形状が最も近い。この図6(c)では、トレッド面18の周方向長さLsが短くなっている。また、トレッド面18の周方向長さLcも短くなっている。図6(c)では、トレッド面18の変形量は比較的に小さく、トレッド4の変形時間は比較的に短い。図6(c)の接地形状では、ブロック欠けの発生までに比較的に長い時間を要する。この観点から、負荷荷重は、0.6F以上にされている。
一方で、図6(a)の状態では、トレッド面18の変形量は比較的に大きい。図6(a)の状態で走行するとき、トレッド4の変形時間は比較的に長い。図6(a)の接地形状では、縦溝26及び横溝28に起因するブロック欠けが発生する。図6(a)の接地形状での走行では、発熱量も大きくなる。発熱量が大きくなると、ベルト12の端部の損傷、所謂ブレーカエッジルース(BEL)が発生する。図6(a)の状態での走行は、サイプのクラックに起因するブロック欠けの評価には適さない。この観点から、負荷荷重は、0.8F以下にされている。
また、スリップ角が付与されることで、ブロック欠けが生じ易くなる。この観点から、スリップ角は、0より大きく、好ましくは0.5°以上であり、更に好ましくは1°以上である。一方で、大きなスリップ角が付与されると、ブレーカエッジルース(BEL)が発生し易くなる。大きなスリップ角を付与した走行は、サイプに起因するブロック欠けの評価に適さない。この観点から、スリップ角は4°以下であり、更に好ましくは3°以下であり、特に好ましくは2°以下である。
走行速度を速くすることで、タイヤ2の発熱量が増加する。発熱量が増加することで、ブロック欠けの発生が促進される。この観点から走行速度は、50km/h以上であり、更に好ましくは60km/hである。一方で、発熱量が増加することで、ブレーカーエッジルース(BEL)が発生し易くなる。走行速度を速くし過ぎた走行は、サイプのクラックに起因するブロック欠けの評価に適さない。この観点から、走行速度は、80km/h以下であり、更に好ましくは75km/h以下である。
この試験方法によれば、サイプ32に起因するブロック欠けが適切に評価しうる。この試験方法によれば、このブロック欠けを効率的に評価しうる。この評価結果を基に、タイヤ2のサイプ形状が更に改良されて、耐久性に優れたタイヤが開発されうる。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
タイヤA、タイヤB及びタイヤCの3種類のタイヤが準備された。これらのタイヤサイズは、「275/80R22.5」であった。これらのタイヤの正規内圧は900kPaであった。タイヤAは、図1及び図3に示されたタイヤである。このタイヤのサイプの深さHは、9.0mmであった。タイヤBは、サイプの深さHが10.5mmとされた他は、タイヤAと同様のタイヤであった。タイヤCは、サイプの形状が図4に示される形状にされ、サイプの深さHが10.5mmにされた他は、タイヤAと同様のタイヤであった。このタイヤA及びタイヤCは、市場でサイプに起因するブロック欠けは確認されなかった。このタイヤA及びタイヤCは、市場での評価は「良」のタイヤであった。タイヤBは、市場でサイプに起因するブロック欠けが確認された。このタイヤBは、市場の評価は「不良」のタイヤであった。
[試験1]
タイヤAが準備された。図5に示された耐久試験方法でタイヤAの評価がされた。この試験条件は、表1に示される通りであった。表1には、この試験評価と、市場評価と、試験評価と市場評価との評価整合性とが示されている。
[試験2−3]
タイヤB及びタイヤCが準備された。これらのタイヤが試験1のタイヤAと同じ試験条件で、評価された。表1には、この試験評価と、市場評価と、試験評価と市場評価との評価整合性とが示されている。
[試験4]
走行工程のスリップ角が2°にされた他は、試験2と同様にしてタイヤBが評価された。表1には、この試験評価と、市場評価と、試験評価と市場評価との評価整合性とが示されている。
[比較試験1−2]
走行工程でのタイヤ空気圧が700kPaにされた他は、試験1及び試験2と同様にされて、評価がされた。この試験評価と、市場評価と、試験評価と市場評価との評価整合性とが示されている。
[試験5−6及び比較試験3−5]
タイヤの種類とスリップ角とが表2に示される様にされた他は試験1と同様にして、評価がされた。この試験評価と、市場評価と、試験評価と市場評価との評価整合性とが示されている。
[試験7−8及び比較試験6−8]
タイヤの種類と劣化工程のオーブンの室内温度とが表3に示される様にされた他は試験1と同様にして、評価がされた。この試験評価と、市場評価と、試験評価と市場評価との評価整合性とが示されている。
[試験9−10及び比較試験9−10]
タイヤの種類と劣化工程の保持期間とが表4に示される様にされた他は試験1と同様にして、評価がされた。この試験評価と、市場評価と、試験評価と市場評価との評価整合性とが示されている。
[試験11−12及び比較試験11−13]
タイヤの種類と走行工程の負荷荷重とが表5に示される様にされた他は試験1と同様にして、評価がされた。この試験評価と、市場評価と、試験評価と市場評価との評価整合性とが示されている。
[試験13及び比較試験14−16]
タイヤの種類と走行工程の速度とが表6に示される様にされた他は試験1と同様にして、評価がされた。この試験評価と、市場評価と、試験評価と市場評価との評価整合性とが示されている。
Figure 2015141154
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Figure 2015141154
Figure 2015141154
表1から6に示されるように、この試験方法によれば、サイプに起因するブロック欠けが適正に評価しうる。この試験方法では、市場での実車と整合性の高い評価結果がえられうる。複数のタイヤを同一試験条件で比較評価することが可能である。ブロック欠けを生じ難いサイプを備えるタイヤの設計が効率的になされうる。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された方法は、サイプを備える種々のタイヤの評価方法として広く適用されうる。
2、34・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・ビード
10・・・カーカス
12・・・ベルト
14・・・バンド
16・・・インナーライナー
18・・・トレッド面
20・・・コア
22・・・エイペックス
24・・・カーカスプライ
26・・・縦溝
28・・・横溝
30・・・リブ
32、36・・・サイプ

Claims (1)

  1. トレッド面にサイプが形成されたタイヤが劣化させられる劣化工程と、この劣化工程を経たタイヤが走行させられる走行工程と、走行工程を経たタイヤのサイプのクラックの発生が観察される観察工程とを備えており、
    この劣化工程では、タイヤが70℃以上100℃以下の雰囲気で2日以上14日以下の期間曝されており、
    この走行工程では、正規内圧で空気が充填されて、規格最大荷重Fの0.6倍以上0.8倍以下の所定の荷重が付加され、1°以上4°以下の所定のスリップ角が付与され、50km/h以上70km/h以下の所定の速度で走行させられており、
    この観察工程では、サイプにクラックが発生しているか否かが観察されている空気入りタイヤの耐久試験方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
PL425275A1 (pl) * 2018-04-19 2019-10-21 Rybka Piotr P.P.H.U. Rybka-Globgum 3 Opona samochodowa do jazdy ćwiczebnej oraz sposób wykonania bieżnika do tej opony

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