JP2017060671A - 家具用面構成部材及び家具 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コスト化や製造効率の向上を図った上で、縁材と支持部との固定強度を確保できる家具用面構成部材及び家具を提供する。【解決手段】離間して配置されるとともに、外周面で開口する縦嵌合凹部31を有する縦枠部21と、縦枠部21間に架設される張材12と、を備え、張材12は、シート本体51と、シート本体51の側縁部に設けられ、対応する縦嵌合凹部31内に嵌合された縦縁材52と、を備え、縦嵌合凹部31は、縦縁材52が挿入された第1縦凹部31aと、第1縦凹部31a内に連通する第2縦凹部31bと、第1縦凹部31aと第2縦凹部31bとの境界部分に形成された縦枠係合部35と、を備え、縦枠係合部35は、第1縦凹部31aの開口部側とは反対側に位置する面が第2縦凹部31bの開口部を通して露呈し、縦縁材52は、縦枠係合部35に係合されたフック部67を備えている。【選択図】図5

Description

本発明は、家具用面構成部材及び家具に関するものである。
椅子の背凭れとして、枠状の背凭れフレームと、背凭れフレームの開口部を閉塞するように背凭れフレームに張設された張材と、を備えた構成が知られている(例えば、下記特許文献1〜3参照)。背凭れフレームには、張材を取り付けるための嵌合凹部が形成されている。
張材は、メッシュ状のシート本体と、シート本体の縁部に設けられた縁材と、を有している。縁材は、シート本体の縁部とともに嵌合凹部内に嵌合されている。
ところで、上述した張材において、シート本体は、自身の復元力や着座者の着座に伴い面直方向(厚さ方向)の荷重を受ける。したがって、椅子の信頼性や耐久性を向上させるためには、シート本体と縁材との固定強度や、縁材と背凭れフレームとの固定強度を確保する必要がある。
しかしながら、上述した特許文献1の構成にあっては、縁材が嵌合凹部内への嵌合による摩擦抵抗のみによって嵌合凹部内に保持されているため、縁材と背凭れフレームとの固定強度を確保する点で未だ改善の余地があった。特に、縁材は、一般的に背凭れフレームよりも軟質な材料により構成されているため、シート本体に作用する荷重によって変形するおそれがある。そのため、縁材の経年劣化により縁材と背凭れフレームとの固定強度を維持することが難しかった。
そこで、例えば下記特許文献2では、縁材が嵌合凹部から抜けるのを抑制するための抜け止め手段を設ける構成が開示されている。抜け止め手段は、縁材に設けられた係合部と、嵌合凹部の内面から突出して係合部が係合する被係合部と、を有している。なお、特許文献2において、背凭れフレームは、押出成形により成形されている。
特許第4652767号公報 特開2011−045573号公報 特開2013−94284号公報
しかしながら、背凭れフレームを射出成形で形成する場合において、特許文献2のように嵌合凹部における延在方向の中途部に被係合部を形成することが難しい。この場合には、例えば成形時において、金型を嵌合凹部の開口方向にスライドさせる工程を行った後、開口方向と直交する方向に別の金型をスライドさせる等の必要がある。その結果、金型構成が複雑になり、製造コストの増大や製造効率の低下に繋がる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、低コスト化や製造効率の向上を図った上で、縁材と支持部との固定強度を確保できる家具用面構成部材及び家具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る家具用面構成部材は、離間して配置されるとともに、外周面で開口する嵌合凹部をそれぞれ有する少なくとも2つの支持部と、前記支持部間に架設される家具用シートと、を備えた家具用面構成部材において、前記家具用シートは、シート本体と、前記シート本体の縁部に設けられ、対応する前記嵌合凹部内にそれぞれ嵌合された縁材と、を備え、前記嵌合凹部は、第1方向に延び、前記縁材が挿入された第1凹部と、第2方向に延びるとともに、前記第1凹部内に連通する第2凹部と、前記第1凹部と前記第2凹部との境界部分に形成された係合部と、を備え、前記係合部は、前記第1凹部の開口部側とは反対側に位置する面が前記第2凹部の開口部を通して露呈し、前記縁材は、前記係合部に係合された被係合部を備えている。
この構成によれば、例えば従来のように縁材を嵌合凹部に嵌合(摩擦抵抗)のみによって固定する場合に比べて、縁材を支持部に強固に固定できる。これにより、縁材と支持部との固定強度を確保し、縁材が嵌合凹部から抜けるのを抑制できる。この場合、シート本体に作用する荷重によって仮に縁材が変形等した場合に、縁材と嵌合凹部との間の摩擦抵抗が低下したとしても、縁材が嵌合凹部から抜けるのを抑制できる。その結果、長期に亘って縁材と支持部との固定強度を維持できる。
特に、第1凹部と第2凹部との境界部分に形成された係合部のうち、第1凹部の開口部側とは反対側に位置する面が第2凹部の開口部を通して露呈しているため、支持部を射出成形により形成する場合に、第1凹部を成形する金型と、第2凹部を成形する金型と、により画成された部分に係合部を形成することができる。これにより、嵌合凹部内に係合部を簡単に形成することができるので、低コスト化や製造効率の向上を図ることができる。
本発明に係る家具用面構成部材において、前記係合部は、前記第1凹部内において、前記第1方向に交差する方向に突出していてもよい。
この構成によれば、係合部が第1凹部内において、第1凹部の延在方向に交差する方向に突出しているため、係合部と被係合部との係合面積を確保できる。これにより、縁材を支持部により強固に固定できる。
本発明に係る家具用面構成部材において、前記係合部のうち、前記第1凹部の前記開口部側に位置する面は、前記第1方向における前記第2凹部側に向かうに従い突出高さが漸次高くなる傾斜面に形成されていてもよい。
この構成によれば、係合部のうち、第1凹部の開口部側に位置する面が傾斜面に形成されているため、縁材を嵌合凹部内に組み付ける際に、縁材の被係合部が係合部を乗り越えやすくなる。これにより、組付性を向上させることができる。
本発明に係る家具用面構成部材において、前記係合部のうち、前記第1凹部の前記開口部側とは反対側に位置する面は、前記第1方向に交差する方向に延びる起立面に形成されている。
この構成によれば、係合部のうち、第1凹部の開口部側とは反対側に位置する面が起立面に形成されているため、縁材を支持部により強固に固定できる。
本発明に係る家具用面構成部材において、前記第1方向及び前記第2方向が一致していてもよい。
この構成によれば、第1方向及び第2方向が一致しているため、支持部の成形時において、第1方向及び第2方向を意匠面(外周面)の型抜き方向と一致させることで、第1凹部及び第2凹部の成形を意匠面の成形と同時に行うことができる。これにより、更なる低コスト化及び製造効率の向上を図ることができる。
本発明に係る家具用面構成部材において、前記第1方向及び前記第2方向が交差していてもよい。
この構成によれば、第1方向及び第2方向が交差しているため、第1凹部を成形する金型と、第2凹部を成形する金型と、を交差する方向に移動させるだけで、これらの金型に画成された部分に係合部を形成することができる。これにより、更なる低コスト化及び製造効率の向上を図ることができる。また、嵌合凹部において、第1凹部と第2凹部との互いの開口方向を異ならせることができるため、例えば各凹部の開口部を視認し難い位置に設定することができる等、意匠性の向上を図ることができる。
本発明に係る家具は、上記本発明の家具用面構成部材を備えている。
この構成によれば、上記本発明の家具用面構成部材を備えているため、信頼性や耐久性に優れた家具を提供できる。
本発明によれば、低コスト化や製造効率の向上を図った上で、縁材と支持部との固定強度を確保できる。
実施形態に係る椅子を前方から見た斜視図である。 実施形態に係る椅子を後方から見た斜視図である。 実施形態に係る背凭れの分解斜視図である。 実施形態に係る背凭れフレームの正面図である。 実施形態に係る図4のV−V線に沿う断面図である。 図4のVI−VI線に沿う断面図である。 図4のVII−VII線に沿う断面図である。 実施形態に係る縦縁材を後方から見た背面図である。 シート本体への固定前の状態を示す図8のIX−IX線に相当する断面図である。 実施形態に係る上縁材の底面図である。 実施形態に係る下縁材の底面図である。 図4のXII−XII線に沿う断面図である。 張材の製造方法を説明するための工程図であって、図9に相当する断面図である。 張材の製造方法を説明するための工程図であって、図9に相当する断面図である。 張材の製造方法を説明するための工程図であって、図9に相当する断面図である。 実施形態の変形例に係る嵌合凹部を示す断面図である。 実施形態の変形例に係る嵌合凹部を示す断面図である。 実施形態の変形例に係る嵌合凹部を示す断面図である。 実施形態の変形例に係る嵌合凹部を示す断面図である。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において、前後上下左右等の向きは、椅子1に正規姿勢で着座した人(着座者)の向きと同一とする。また、図中において、矢印UPは上方を示し、矢印FRは前方を示し、LHは左方を示している。
[椅子]
図1は、椅子1を前方から見た斜視図である。
図2は、椅子1を後方から見た斜視図である。
図1、図2に示すように、椅子(家具)1は、脚部2と、脚部2の上端部に配設された支基3と、支基3に支持された座体4と、座体4の左右両側に配設された肘掛5と、支基3の後端部から上方に延びる背凭れ(家具用面構成部材)6と、を備えている。
脚部2は、多岐脚7と、多岐脚7の中央部から立設された脚柱8と、を備えている。
多岐脚7の各脚部には、フロア上を走行可能なキャスタ7aが取り付けられている。
脚柱8には、昇降機構である図示しないガススプリング等が内蔵されている。
支基3は、脚柱8の上端部に取り付けられている。支基3には、上述した昇降機構を調整する図示しない昇降調整機構や、背凭れ6の図示しない傾動調整機構等が内蔵されている。
座体4は、着座者の臀部等を下方から支持する。
肘掛5は、支基3から左右両側にそれぞれ延設された後、座体4に対して左右両側で上方に向けて延設されている。肘掛5は、着座者の腕等を下方から支持する。
[背凭れ]
背凭れ6は、座体4及び肘掛5の後方に配置されている。背凭れ6は、着座者の腰部及び背部を後方から支持する。背凭れ6は、上方から見た平面視で後方に向けて凸の円弧状に形成されている。また、背凭れ6は、左右方向から見た側面視で緩やかなS字状に形成されている。
図3は、背凭れ6の分解斜視図である。
図4は、背凭れフレーム11の正面図である。
図3、図4に示すように、背凭れ6は、背凭れフレーム11と、背凭れフレーム11に設けられた張材(家具用シート)12と、背凭れフレームを上述した支基3に取り付けるための取付ブラケット13と、を備えている。
背凭れフレーム11は、前方から見た平面視で矩形枠状に形成されている。背凭れフレーム11は、着座者の荷重を支持するにあたり、強度部材として機能する。具体的に、背凭れフレーム11は、左右両側に配置された一対の縦枠部(支持部)21と、縦枠部21の上端部同士を接続する上枠部(支持部)22と、縦枠部21の下端部同士を接続する下枠部(支持部)23と、を備えている。下枠部23には、前方に向かうに従い下方に延びる取付アーム24が連設されている。なお、背凭れフレーム11は、例えば樹脂材料からなり、射出成形により一体形成されている。但し、背凭れフレーム11は、適宜別体で形成しても構わない。
取付ブラケット13は、取付アーム24の前端部に設けられている。取付ブラケット13は、座体4の下方において支基3に取り付けられている。なお、取付ブラケット13は例えば金属等により構成されている。
背凭れフレーム11の各枠部21〜23には、張材12を取り付けるための嵌合凹部31〜33が各枠部21〜23の外側に向けて開口するようにして形成されている。嵌合凹部31〜33は、縦枠部21に形成された縦嵌合凹部31、上枠部22に形成された上嵌合凹部32、及び下枠部23に形成された下嵌合凹部33である。
図5は、図4のV−V線に沿う断面図である。
図4、図5に示すように、縦嵌合凹部31は、第1縦凹部31aと、第2縦凹部31bと、を有している。なお、各縦嵌合凹部31は、各縦枠部21で左右対称の構成であるため、以下の説明では一方(左側)の縦枠部21に形成された縦嵌合凹部31について説明し、他方の縦枠部21に形成された縦嵌合凹部31の説明は省略する。
第1縦凹部31aは、縦枠部21における左右方向の外側に位置する面(以下、外側面という。)に形成されている。具体的に、第1縦凹部31aは、縦枠部21の外側面から左右方向の内側に向けて窪んでいる。すなわち、第1縦凹部31aは、縦枠部21の外側面上で左右方向の外側に向けて開口している。第1縦凹部31aは、縦枠部21を上下方向に沿って延在している。
第2縦凹部31bは、縦枠部21の前面において、上下方向に間隔をあけて形成されている。第2縦凹部31bは、縦枠部21の前面から後方に向けて窪んでいる。第2縦凹部31bの後端部は、第1縦凹部31aにおける左右方向の内側端部に連通している。この場合、第1縦凹部31aの延在方向(第1方向)と、第2縦凹部31bの延在方向(第2方向)と、は互い直交している。但し、第1縦凹部31aの延在方向と、第2縦凹部31bの延在方向と、の交差角度は適宜変更が可能である。なお、図示の例において、第2縦凹部31bの後端部は、第1縦凹部31aよりも後方に位置している。
図5に示すように、第1縦凹部31aと第2縦凹部31bとの境界部分には、前方に向けて突出する縦枠係合部(係合部)35が形成されている。縦枠係合部35は、左右方向に沿う横断面視において三角形状に形成されている。縦枠係合部35のうち、左右方向の外側に位置する面
(第1縦凹部31aの開口部側に位置する面(以下、ガイド面という。))は、第1縦凹部31aの内面の一部を画成している。ガイド面は、左右方向の内側に向かうに従い前方に延在する傾斜面になっている。
一方、縦枠係合部35のうち、左右方向の内側に位置する面(第1縦凹部31aの開口部側とは反対側に位置する面(以下、係合面という。))は、第2縦凹部31bの内面の一部を画成している。係合面は、第1縦凹部31aの延在方向に直交する方向(第2縦凹部31bの延在方向)に延在する起立面になっている。すなわち、縦枠係合部35の係合面は、第2縦凹部31bの開口部を通して縦枠部21の外部に露呈している。第2縦凹部31bの開口部を通して縦枠部21の外部に「露呈」している場合とは、係合面が第2縦凹部31bの延在方向に面している、又は係合面が第2縦凹部31bの開口部を向いている場合である。なお、「露呈」の定義については、上嵌合凹部32及び下嵌合凹部33についても同様である。また、縦枠係合部35は、第1縦凹部31aと第2縦凹部31bとの境界部分に形成されていれば、その突出方向は前方に限らず、後方に突出していても構わない。
図6は、図4のVI−VI線に沿う断面図である。
図6に示すように、上嵌合凹部32は、第1上凹部32aと、第2上凹部32bと、を有している。
図6に示すように、第1上凹部32aは、上枠部22の後面から前方に向けて窪んでいる。すなわち、第1上凹部32aは、上枠部22の後面で後方に向けて開口している。図4に示すように、第1上凹部32aは、上枠部22を左右方向に沿って延在している。
第2上凹部32bは、上枠部22における前面において、左右方向に間隔をあけて形成されている。図6に示すように、第2上凹部32bは、上枠部22の前面から後方に向けて窪んでいる。第2上凹部32bの後端部は、第1上凹部32aの前端部に連通している。図示の例において、第1上凹部32aの延在方向(第1方向)と、第2上凹部32bの延在方向(第2方向)と、は一致している。したがって、上嵌合凹部32のうち、第2上凹部32bが形成されている部分は、第1上凹部32a及び第2上凹部32bを通して上枠部22を前後方向に貫通している。但し、第1上凹部32aの延在方向と、第2上凹部32bの延在方向と、の交差角度は適宜変更が可能である。
第1上凹部32aと第2上凹部32bとの境界部分には、上方に向けて突出する上枠係合部36が形成されている。上枠係合部36は、上下方向に沿う縦断面視において三角形状に形成されている。上枠係合部36の後面(第1上凹部32aの開口部側に位置する面(以下、ガイド面という。))は、第1上凹部32aの内面の一部を画成している。ガイド面は、前方に向かうに従い上方に向けて延在する傾斜面になっている。
一方、上枠係合部36の前面(第1上凹部32aの開口部側とは反対側に位置する面(以下、係合面という。))は、第2上凹部32bの内面の一部を画成している。係合面は、第1上凹部32a及び第2上凹部32bの延在方向に直交する方向に延在する起立面になっている。すなわち、上枠係合部36の係合面は、第2上凹部32bの開口部を通して上枠部22の外部に露呈している。なお、上枠係合部36は、第1上凹部32aと第2上凹部32bとの境界部分に形成されていれば、その突出方向は上方に限らず、下方に突出していても構わない。
図7は、図4のVII−VII線に沿う断面図である。
図4、図7に示すように、下嵌合凹部33は、第1下凹部33aと、第2下凹部33bと、を有している。
図7に示すように、第1下凹部33aは、下枠部23の前面から後方に向けて窪んでいる。すなわち、第1下凹部33aは、下枠部23の前面で前方に向けて開口している。第1下凹部33aは、下枠部23を左右方向に沿って延在している。
図4に示すように、上述した第1下凹部33aのうち、左右方向に間隔をあけた複数の箇所は、幅広部34aになっている。幅広部34aは、第1下凹部33aのうち幅広部34a以外の部分(以下、単に幅狭部34bという。)よりも上下方向の幅が広くなっている。具体的に、図7に示すように、幅広部34aは、幅狭部34bに対して下方に窪んでいる。この場合、幅広部34a及び幅狭部34bの内面のうち、頂面同士(第1下凹部33aの上面)は面一になっている。一方、幅広部34aの底面は、幅狭部34bの底面よりも下方に位置している。したがって、下枠部23のうち、幅広部34aの底面を画成する部分は、幅狭部34bの底面を画成する部分に対して下方に膨出する膨出部23aになっている。なお、幅広部34aの数や位置は適宜変更が可能である。
第2下凹部33bは、下枠部23のうち、上述した幅広部34aに対応する位置に形成されている。第2下凹部33bは、上述した膨出部23aの後端部からそれぞれ左右方向の一方側に向けて窪んでいる。すなわち、第2下凹部33bは、幅広部34aの後端部において幅広部34a内に連通している。したがって、第1下凹部33a(幅広部34a)の延在方向(第1方向)と、第2下凹部33bの延在方向(第2方向)と、は上下方向から見た平面視で互いに直交している。但し、第1下凹部33aの延在方向と、第2下凹部33bの延在方向と、の交差角度は適宜変更が可能である。
上述した第2下凹部33bは、下枠部23の膨出部23aにおいて、左右方向における他方側及び下方に向けて開放されている。なお、本実施形態において、第2下凹部33bにおける左右方向の一方側端部は幅広部34a内で終端している。但し、第2下凹部33bは、下枠部23の膨出部23aを左右方向に貫通していても構わない。
第1下凹部33aの底面において、第1下凹部33aと第2下凹部33bとの境界部分には、上方に向けて突出する下枠係合部37が形成されている。下枠係合部37は、上下方向に沿う縦断面視において三角形状に形成されている。下枠係合部37の前面(第1下凹部33aの開口部側に位置する面(以下、ガイド面という。))は、第1下凹部33aの内面の一部を画成している。ガイド面は、後方に向かうに従い上方に向けて延在する傾斜面になっている。
一方、下枠係合部37の後面(第1下凹部33aの開口部側とは反対側に位置する面(以下、係合面という。))は、第2下凹部33bの内面の一部を画成している。係合面は、第1下凹部33aの延在方向に交差する方向(第2下凹部33bの延在方向に直交する方向)に延在する起立面になっている。すなわち、下枠係合部37の係合面は、第2下凹部33bの開口部を通して下枠部23の外部に露呈している。なお、下枠係合部37は、第1下凹部33aと第2下凹部33bとの境界部分に形成されていれば、その突出方向は上方に限らず、左右方向に突出していても構わない。
[張材]
図3に示すように、張材12は、背凭れフレーム11のうち、各枠部21〜23で画成された開口部20を前方から覆っている。具体的に、張材12は、シート本体51と、シート本体51の縁部に設けられた縁材52〜54と、を備えている。
シート本体51は、伸縮性を有する合成樹脂製繊維がメッシュ状に組み合わされて形成されている。したがって、シート本体51は、厚さ方向に貫通する貫通孔が面方向の全体に亘って間隔をあけて形成されている。シート本体51は、前後方向から見た平面視外形が背凭れフレーム11の開口部20よりも大きくなっている。なお、シート本体51は、メッシュ状に限らず、例えば布状やフィルム状等を採用することができる。但し、シート本体51は、厚さ方向に貫通する貫通孔が少なくとも縁部に形成されていることが好ましい。
縁材52〜54は、例えばシート本体51の構成材料よりも剛性が高く、背凭れフレーム11よりも軟質な(剛性の低い)樹脂材料により形成されている。具体的に、縁材52〜54は、シート本体51の左右両側縁部にそれぞれ設けられた縦縁材52、シート本体51の上縁部に設けられた上縁材53、及びシート本体51の下縁部に設けられた下縁材54である。
図5に示すように、縦縁材52は、上述した縦嵌合凹部31の第1縦凹部31a内に左右方向の外側から嵌合されている。具体的に、縦縁材52は、シート本体51(側縁部)の第1面側に配置された第1縦部材61と、シート本体51の第2面側に配置された第2縦部材62と、各縦部材61,62間を連結するヒンジ部64と、を備えている。縦縁材52は、第1縦部材61、第2縦部材62及びヒンジ部64が一体で形成されている。なお、各縦縁材52は、左右対称の構成であるため、以下の説明では一方(左側)の縦縁材52について説明し、他方の縦縁材52の説明は省略する。
図8は、縦縁材52を後方から見た背面図である。なお、図8に示す鎖線は、縦縁材52のシート本体51への固定前における第2縦部材62及びヒンジ部64を示している。
図5、図8に示すように、第1縦部材61は、ベース部65と、ベース部65から立ち上がる段部66と、段部66に形成されたフック部(被係合部)67と、を有している。
ベース部65は、前後方向を厚さ方向とし、上下方向に延びる板状に形成されている。なお、ベース部65は、前後方向から見た正面視外形が縦枠部21に倣った外形に形成されている。
段部66は、ベース部65における左右方向の内側端縁から後方に向けて突設されている。なお、段部66は、ベース部65のうち、上述した縦枠係合部35に対応する部分を避けて上下方向に間隔をあけて形成されている。
図5に示すように、フック部67は、上述した縦枠係合部35に左右方向で係合されている。図8に示すように、フック部67は、前後方向から見た正面視で左右方向の内側に向けて凸のアーチ状に形成されている。フック部67は、上下方向で隣り合う段部66同士を接続している。図5に示すように、フック部67の後面は、左右方向の内側に向かうに従い前方に向けて傾斜するガイド面になっている。一方、フック部67における左右方向の外側に位置する面は、左右方向に直交する方向に延びる係合面になっている。フック部67の係合面は、縦枠係合部35の係合面に左右方向の内側から近接又は当接している。
第2縦部材62は、縦嵌合凹部31内において、第1縦部材61の後方に配置されている。第2縦部材62は、第1縦部材61との間にシート本体51の側縁部を前後方向で挟持している。なお、図8に示すように、第2縦部材62は、上下方向(第1縦部材61の延在方向)で複数に分割された状態で、第1縦部材61(ベース部65)における上下方向の全体に亘って前後方向で重ね合わされている。但し、第2縦部材62の分割数は適宜変更可能である。また、第2縦部材62は、第1縦部材61のベース部65と上下方向の長さが同等に有するものを一体で形成しても構わない。
図5に示すように、ヒンジ部64は、第1縦部材61及び第2縦部材62の左右方向の外側端部(縦嵌合凹部31への挿入方向の手前側端部)同士を連結している。具体的に、ヒンジ部64は、第1縦部材61及び第2縦部材62よりも薄肉に形成されている。ヒンジ部64は、左右方向の外側に向けて凸の円弧状に形成されている。これにより、ヒンジ部64は、ヒンジ部64の径方向(厚さ方向)に弾性変形可能に構成されている。図示の例において、ヒンジ部64における左右方向の外側端部は、縦嵌合凹部31(第1縦凹部31a)の開口縁よりも左右方向の内側に位置している。
図5に示すように、第1縦部材61及び第2縦部材62は、シート本体51とともに固着部63によって固着されている。固着部63は、シート本体51の側縁部を厚さ方向に貫通して第1縦部材61及び第2縦部材62同士を溶着によって前後方向で固着している。すなわち、固着部63は、シート本体51のメッシュ部分(貫通孔)を通して第1縦部材61と第2縦部材62との間で濡れ広がった状態で、第1縦部材61と第2縦部材62とをシート本体51とともに固着している。なお、本実施形態において、固着とは溶着や接着等、第1縦部材61及び第2縦部材62をシート本体51とともに化学的に接合することである。
図9は、シート本体51への固定前の状態を示す図8のIX−IX線に相当する断面図である。
ここで、図9に示すように、上述した固着部63は、シート本体51への固定前の状態において、第2縦部材62に一体で形成された突起部68により構成されている。突起部68は、第2縦部材62の厚さ方向に突出する円錐形状に形成されている。すなわち、突起部68は、その基端部から先端部に向かうに従い漸次縮径している。なお、突起部68の高さは、シート本体51の厚さよりも高くなっている。
図8に示すように、突起部68は、第2縦部材62において、左右方向に間隔をあけた二列で、上下方向に間隔をあけて配列されている。図示の例において、各列の突起部68同士は、上下方向で異なる位置(互い違い)に配列されている。但し、突起部68は、第1縦部材61及び第2縦部材62の少なくとも一方に形成されていれば構わない。また、突起部68の形状やレイアウト等は、適宜変更が可能である。例えば、突起部68の形状は円錐に限らず円柱や角柱、球面状等であっても構わない。
図5に示すように、このように構成された縦縁材52は、シート本体51の側縁部を挟み、かつシート本体51が巻き付けられた状態で、上述したように縦嵌合凹部31内に嵌合されている。具体的に、シート本体51のうち、側縁部よりも内周側であって、縦嵌合凹部31内に位置する部分(以下、内側巻回部69という。)は、第2縦部材62における左右方向の内側端部に倣って180°折り返されている。すなわち、シート本体51の内側巻回部69は、側縁部から90°折り曲げられて後方に延在した後、さらに90°折り曲げられて左右方向の外側に延在している。なお、本実施形態では、上述したように縦枠係合部35のガイド面が左右方向の内側に向かうに従い前方に延在する(第1縦凹部31aの開口方向とは逆方向に傾斜する)傾斜面になっている。そのため、シート本体51の内側巻回部69のうち第2縦部材62よりも左右方向に内側に位置する部分と、縦枠係合部35と、の干渉を避け、シート本体51の内側巻回部69のうち第2縦部材62よりも左右方向に内側に位置する部分に掛かる負荷を低減できる。
さらに、シート本体51は、縦嵌合凹部31から引き出された後、縦枠部21の外周面に倣って縦枠部21の前方に回り込んでいる。具体的に、シート本体51のうち、縦枠部21の外周面に巻き付けられた部分(以下、外側巻回部70という。)は、内側巻回部69に対してさらに180°折り返されている。すなわち、シート本体51の外側巻回部70は、内側巻回部69から90°折り曲げられて前方に延在した後、さらに90°折り曲げられて左右方向の内側に延在している。外側巻回部70のうち前方に延びる部分は、第2縦部材62の後方からヒンジ部64を跨いで縦枠部21の外側面に架け渡されている。一方、外側巻回部70のうち左右方向の内側に延びる部分は、縦枠部21の前面に倣って延在し、上述した第2縦凹部31bを前方から覆っている。なお、図5の例では、縦枠部21のうち外側面と前面との境界部分は左右方向の外側に向けて凸の円弧状をなしている。
図6に示すように、上縁材53は、上述した上嵌合凹部32内に後方から嵌合されている。なお、以下の説明では、上縁材53において、上述した縦縁材52と対応する構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
上縁材53は、シート本体51(上縁部)の第1面側に配置された第1上部材71と、シート本体51の第2面側に配置された第2上部材72と、各上部材71,72間を連結するヒンジ部74と、を備えている。
図10は、上縁材53の底面図である。
図10に示すように、第1上部材71のベース部65は、上下方向から見た平面視外形が上枠部22に倣った外形に形成されている。図6に示すように、第1上部材71のフック部67は、上述した上枠係合部36に前後方向で係合されている。フック部67の係合面は、上枠係合部36の係合面に前方から近接又は当接している。
第2上部材72は、上嵌合凹部32内において、第1上部材71の下方に配置されている。第2上部材72は、第1上部材71との間にシート本体51の上縁部を挟持している。
ヒンジ部74は、第1上部材71及び第2上部材72の後端部(上嵌合凹部32への挿入方向の手前側端部)同士を連結している。
固着部63は、シート本体51の上縁部を厚さ方向に貫通して第1上部材71及び第2上部材72同士を溶着によって上下方向で固着している。
このように構成された上縁材53は、シート本体51の上縁部を挟み、かつシート本体51が巻き付けられた状態で上嵌合凹部32内に嵌合されている。具体的に、シート本体51のうち、上縁部よりも内周側であって、上嵌合凹部32内に位置する部分(以下、内側巻回部76という。)は、第2上部材72における前端部に倣って180°折り返されている。すなわち、シート本体51の内側巻回部76は、上縁部から90°折り曲げられて下方に延在した後、さらに90°折り曲げられて後方に延在している。なお、本実施形態では、上述したように上枠係合部36のガイド面が前方に向かうに従い上方に向けて延在する(第1上凹部32aの開口方向とは逆方向に傾斜する)傾斜面になっている。そのため、シート本体51の内側巻回部76のうち第2上部材72よりも前方に位置する部分と、上枠係合部36と、の干渉を避け、シート本体51の内側巻回部76のうち第2上部材72よりも前方に位置する部分に掛かる負荷を低減できる。
さらに、シート本体51は、上嵌合凹部32から引き出された後、上枠部22の外周面に倣って上枠部22の前方に回り込んでいる。具体的に、シート本体51のうち、上枠部22の外周面に巻き付けられた部分(以下、外側巻回部77という。)は、内側巻回部76に対してさらに270°折り返されている。すなわち、シート本体51の外側巻回部77は、内側巻回部76から90°折り曲げられて上方に延在した後、さらに90°折り曲げられて前方に延在し、その後さらに90°折り曲げられて下方に延在している。外側巻回部77のうち上方に延びる部分は、第2上部材72の下方からヒンジ部74を跨いで上枠部22の後面に架け渡されている。一方、外側巻回部77のうち下方に延びる部分は、上枠部22の前面に倣って延在し、上述した第2上凹部32bを前方から覆っている。
図7に示すように、下縁材54は、上述した下嵌合凹部33内に前方から嵌合されている。なお、以下の説明では、下縁材54において、上述した縦縁材52と対応する構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
下縁材54は、シート本体51(下縁部)の第1面側に配置された第1下部材81と、シート本体51の第2面側に配置された第2下部材82と、各下部材81,82間を連結するヒンジ部84と、を備えている。
図11は、下縁材54の底面図である。
図11に示すように、第1下部材81のベース部65は、上下方向から見た平面視外形が下枠部23に倣った外形に形成されている。
第2下部材82は、下嵌合凹部33内において、第1下部材81の下方に配置されている。第2下部材82は、第1下部材81との間にシート本体51の下縁部を上下方向で挟持している。
ヒンジ部84は、第1下部材81及び第2下部材82の前端部(下嵌合凹部33への挿入方向の手前側端部)同士を連結している。
固着部63は、シート本体51の下縁部を厚さ方向に貫通して第1下部材81及び第2下部材82同士を溶着によって上下方向で固着している。
第1下部材81のフック部85は、上下方向から見た平面視で後方に向けて凸のアーチ状に形成されている。フック部85は、左右方向で隣り合う段部66同士を接続している。図7に示すように、フック部85は、上述した下枠係合部37に前後方向で係合されている。フック部85の下端部は第2下部材82よりも下方に突出している。この場合、フック部85の下端部は、上述した幅広部34aのうち幅狭部34bよりも下方に位置する部分に収容されている。また、フック部85の後面は、後方に向かうに従い上方に向けて傾斜するガイド面になっている。一方、フック部67の前面は、前後方向に直交する方向に延びる係合面になっている。フック部85の係合面は、下枠係合部37の係合面に左右方向の内側から近接又は当接している。
図12は、図4のXII−XII線に沿う断面図である。
図12に示すように、このように構成された下縁材54は、シート本体51の下縁部を挟み、かつシート本体51が巻き付けられた状態で下嵌合凹部33内に嵌合されている。具体的に、下縁材54のうち、第1下凹部33aの幅狭部34b内に位置する部分が幅狭部34bの頂面と底面によって上下方向で挟持されている。一方、図7に示すように、下縁材54のうち、第1下凹部33aの幅広部34a内に位置する部分は、第2下部材82と幅広部34aの底面との間に上下方向に隙間を有している。
図7、図12に示すように、シート本体51のうち、下縁部よりも内周側の部分であって、下嵌合凹部33内に位置する部分(以下、内側巻回部86という。)は、第2下部材82における後端部に倣って180°折り返されている。すなわち、シート本体51の内側巻回部86は、下縁部から90°折り曲げられて下方に延在した後、さらに90°折り曲げられて前方に延在している。
さらに、シート本体51は、下嵌合凹部33から引き出された後、下枠部23の外周面に倣って下枠部23の前方に回り込んでいる。具体的に、シート本体51のうち、下枠部23の外周面に巻き付けられた部分(以下、外側巻回部87という。)は、内側巻回部86に対してさらに90°折り返されている。すなわち、シート本体51の外側巻回部87は、内側巻回部86から90°折り曲げられて上方に延在している。この場合、外側巻回部87は、第2下部材82の下方からヒンジ部84を跨いで下枠部23の前面に架け渡されている。
これにより、張材12は、シート本体51が背凭れフレーム11の開口部20を前方から閉塞し、かつ所望の張力が付与された状態で背凭れフレーム11(各枠部21〜23間)に張設されている。
[張材の製造方法]
次に、上述した張材12の製造方法について説明する。具体的には、シート本体51と縁材52〜54との固定方法について説明する。なお、各縁材52〜54の固定方法は、何れも同様の方法である。したがって、以下の説明では、縦縁材52とシート本体51の側縁部との固定方法について説明し、その他の縁材53,54とシート本体51の縁部との固定方法についての説明は省略する。
図13〜図15は、張材12の製造方法を説明するための工程図であって、図9に相当する断面図である。
まず、図13に示すように、第1縦部材61及び第2縦部材62を展開した状態で、縦縁材52を溶着器にセットする(縁材セット工程)。なお、縦縁材52の第1縦部材61及び第2縦部材62は、シート本体51への固定前の状態において、互いの厚さ方向で接近離間する方向にヒンジ部64を介して回動可能に構成されている。
次に、第1縦部材61上にシート本体51の側縁部をセットする(シートセット工程)。このとき、第1縦部材61の段部66側からシート本体51が引き出されるように、シート本体51の側縁部をセットする。
続いて、図14に示すように、第1縦部材61と第2縦部材62との間にシート本体51の側縁部を挟む(挟持工程)。具体的には、第1縦部材61に対して第2縦部材62をヒンジ部64周りに回動させる。これにより、シート本体51の側縁部を間に挟んで第1縦部材61と第2縦部材62とが対向配置される。このとき、第2縦部材62の回動に伴い、第2縦部材62に形成された突起部68がシート本体51のメッシュ部分を貫通して第1縦部材61に突き当たる。その後、図示しないクランプ等を用いてシート本体51及び縦縁材52(第1縦部材61及び第2縦部材62)を厚さ方向に挟持する。なお、第1縦部材61のうち、突起部68が突き当たる部分に、突起部68の先端部を収容する収容凹部を形成しても構わない。
続いて、図15に示すように、突起部68を用いて第1縦部材61及び第2縦部材62同士をシート本体51とともに溶着する(固着工程)。本実施形態の固着工程は、例えば超音波溶着により行う。具体的には、縦縁材52及びシート本体51を厚さ方向に加圧しながら、第2縦部材62側から突起部68に対して超音波を印加する。すると、縦縁材52のうち、第1縦部材61と第2縦部材62との間に介在する突起部68のみが溶融する。溶融して液状になった樹脂材料は、シート本体51のメッシュ部分を通過しながら、第1縦部材61と第2縦部材62との間をシート本体51の面方向に濡れ広がる。その後、縦縁材52を冷却し、溶融した樹脂材料を固化させる。これにより、固化した樹脂材料によって第1縦部材61及び第2縦部材62同士がシート本体51とともに固着される。すなわち、本実施形態では、突起部68を溶融・固化させることで、第1縦部材61及び第2縦部材62同士を固着する固着部63として機能させる。これにより、シート本体51が縦縁材52に固定される。
その後、シート本体51の上縁部及び下縁部に、上述した方法と同様の方法により上縁材53や下縁材54をそれぞれ固定する。
これにより、上述した張材12が完成する。
[張材の組付方法]
次に、上述した張材12を背凭れフレーム11に組み付ける組付方法について説明する。具体的には、各縁材52〜54を嵌合凹部31〜33内に組み付ける際の作用について説明する。なお、各縁材52〜54の組付方法は、何れも同様の方法である。したがって、以下の説明では、縦縁材52を縦嵌合凹部31内に組み付ける場合について説明し、その他の縁材53,54を嵌合凹部32,33内に組み付ける方法については省略する。
まず、縦縁材52にシート本体51の内側巻回部69を巻き付ける。
その後、縦嵌合凹部31の第1縦凹部31a内に、縦縁材52を内側巻回部69とともに押し込む。このとき、縦縁材52のフック部67側を第1縦凹部31aに向けた状態で、縦縁材52を第1縦凹部31a内に向けて押し込む。すると、縦縁材52が第1縦凹部31a内を左右方向の内側に向けて進入していく。
縦縁材52が第1縦凹部31a内を進入していくと、縦縁材52におけるフック部67のガイド面が縦嵌合凹部31における縦枠係合部35のガイド面に突き当たる。この状態で、さらに縦縁材52を左右方向の内側に向けて押し込むと、フック部67が前方に弾性変形することで、フック部67のガイド面が縦枠係合部35のガイド面上を摺接しながら、縦縁材52が左右方向の内側に進入する。
そして、フック部67のガイド面が縦枠係合部35のガイド面を乗り越えた時点で、フック部67が復元変形する。これにより、フック部67の係合面が縦枠係合部35の係合面に左右方向の内側から近接又は当接し、フック部67が縦枠係合部35に係合する。
なお、上縁材53を上嵌合凹部32に組み付ける場合や、下縁材54を下嵌合凹部33に組み付ける場合についても、上述した方法と同様の方法により組み付けることができる。
このように、本実施形態では、縁材52〜54のフック部67が嵌合凹部31〜33内で係合部35〜37に係合される構成とした。
この構成によれば、例えば従来のように縁材52〜54を嵌合凹部31〜33に嵌合(摩擦抵抗)のみによって固定する場合に比べて、縁材52〜54を背凭れフレーム11に強固に固定できる。これにより、縁材52〜54と背凭れフレーム11との固定強度を確保し、縁材52〜54が嵌合凹部31〜33から抜けるのを抑制できる。この場合、シート本体51に作用する荷重によって仮に縁材52〜54が変形等した場合に、縁材52〜54と嵌合凹部31〜33との間の摩擦抵抗が低下したとしても、縁材52〜54が嵌合凹部31〜33から抜けるのを抑制できる。その結果、長期に亘って縁材52〜54と背凭れフレーム11との固定強度を維持できる。
特に、本実施形態では、第1凹部31a,32a,33aと、第2凹部31b,32b,33bと、の境界部分に形成された係合部35〜37のうち、第1凹部31a,32a,33aの開口部側とは反対側に位置する面が第2凹部31b,32b,33bの開口部を通して露呈している構成とした。
この構成によれば、背凭れフレーム11を射出成形により形成する場合に、第1凹部31a,32a,33aを成形する金型と、第2凹部31b,32b,33bを成形する金型と、により画成された部分に係合部35〜37を形成することができる。これにより、嵌合凹部31〜33内に係合部35〜37を簡単に形成することができるので、低コスト化や製造効率の向上を図ることができる。
本実施形態では、係合部35〜37が第1凹部31a,32a,33a内において、第1凹部31a,32a,33aの延在方向に交差する方向に突出しているため、係合部35〜37とフック部67との係合面積を確保できる。これにより、縁材52〜54を背凭れフレーム11により強固に固定できる。
本実施形態では、係合部35〜37のうち、第1凹部31a,32a,33aの開口部側に位置する面に、ガイド面(傾斜面)が形成されているため、縁材52〜54を嵌合凹部31〜33内に組み付ける際に、縁材52〜54のフック部67が係合部35〜37を乗り越えやすくなる。これにより、組付性を向上させることができる。
本実施形態では、係合部35〜37のうち、第1凹部31a,32a,33aの開口部側とは反対側に位置する面に、係合面(起立面)が形成されているため、縁材52〜54を背凭れフレーム11により強固に固定できる。
本実施形態では、第1上凹部32a及び第2上凹部32bの互いの延在方向が一致しているため、背凭れフレーム11の成形時において、意匠面(外周面)の型抜きを前後で行う場合に、第1上凹部32a及び第2上凹部32bの成形を意匠面の成形と同時に行うことができる。これにより、更なる低コスト化及び製造効率の向上を図ることができる。
さらに、本実施形態では、第1凹部31a,33a及び第2凹部31b,33bの互いの延在方向が交差しているため、第1凹部31a,33aを成形する金型と、第2凹部31b,33bを成形する金型と、を交差する方向に移動させるだけで、これらの金型に画成された部分に係合部35,37を形成することができる。これにより、更なる低コスト化及び製造効率の向上を図ることができる。また、嵌合凹部31,33において、第1凹部31a,33aと、第2凹部31b,33bと、の互いの開口方向を異ならせることができる。そのため、例えば各凹部の開口部を視認し難い位置に設定することができる等、意匠性の向上を図ることができる。
そして、本実施形態の椅子1では、上述した背凭れ6を備えているため、信頼性や耐久性に優れた椅子1を提供できる。
なお、本発明の技術範囲は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、上述した実施形態で挙げた構成等はほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、椅子1の背凭れ6に本発明を適用した場合について説明したが、これに限られない。例えば、座体4に本発明を適用しても構わない。また、オフィス等の空間を仕切るパネル等、種々の家具に本発明の家具用面構成部材を適用することが可能である。
上述した実施形態では、背凭れフレーム11の各枠部21〜23間に張材12を張設する構成について説明したが、これに限らず、少なくとも2つの支持部間に張材12が架設される構成であれば構わない。
上述した実施形態では、挟持工程において、突起部をシート本体51の厚さ方向に貫通させる構成について説明したが、これに限られない。少なくとも溶融・固化時に固着部がシート本体51の厚さ方向に貫通していれば構わない。
上述した実施形態では、第1部材及び第2部材がヒンジ部を介して回動可能に連結された構成について説明したが、シート本体51に接近離間する方向に移動可能であれば、第1部材及び第2部材の連結方法は適宜設計変更が可能である。
上述した実施形態では、超音波溶着や熱溶着によって第1部材及び第2部材同士を溶着する構成について説明したが、これに限らず、種々の溶着方法を採用することができる。また、溶着に限らず、接着等を用いて第1部材及び第2部材同士を固着しても構わない。この場合においても、第1部材と第2部材との間に固着部を介在させた状態で固着工程を行うことで、第1部材及び第2部材をシート本体51とともに固着できる。
上述した実施形態では、シート本体51を各縁材52〜54に巻回した状態で、各縁材52〜54を嵌合凹部31〜33内に嵌合する構成について説明したが、これに限られない。
本実施形態の係合部は、第1凹部の開口部側とは反対側に位置する面が第2凹部の開口部を通して露呈する構成であれば、その形状等は適宜設計変更が可能である。
例えば、図16に示すように、第1凹部100の内面と第2凹部101の内面と、で画成された角部を係合部102としても構わない。
また、図17に示すように、係合部102を第1凹部100内に突出させる場合には、第2凹部101のうち、係合部102の基端部よりも開口部側の開口面積が底部側の開口面積に比べて大きくなっていれば、第2凹部101の内面形状を段付き形状に形成しても構わない。なお、図18に示すように、係合部102の係合面を傾斜面に形成しても構わない。
さらに、図19に示すように、係合部102を第2凹部101内に突出させる場合には、第2凹部101のうち、ガイド面と係合面との境界部分よりも開口部側の開口面積が底部側の開口面積に比べて大きくなっていれば、第2凹部101の内面形状を段付き形状に形成しても構わない。
上述した実施形態では、縁材52〜54のフック部67内に係合部35〜37が嵌まり込む構成について説明したが、これに限られない。例えば、フック部を爪形状に形成しても構わない。
上述した実施形態では、上下方向において第1縦凹部31aを第2縦凹部31bよりも長く形成し、かつ上下方向に間隔をあけて形成された第2縦凹部31bがそれぞれ第1凹部31a内に連通する構成について説明したが、これに限られない。例えば第2縦凹部31bを第1縦凹部31aよりも長く形成し、かつ上下方向に間隔をあけて形成された第1縦凹部31aがそれぞれ第2凹部31b内に連通する構成であっても構わない。この場合には、各第1縦凹部31aの内面と第2縦凹部31bの内面とで画成された部分に係合部が形成される。なお、上述の構成は、上嵌合凹部32や下嵌合凹部33についても適用できる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
1…椅子(家具)
6…背凭れ(家具用面構成部材)
12…張材(家具用シート)
21…縦枠部(支持部)
22…上枠部(支持部)
23…下枠部(支持部)
31…縦嵌合凹部(嵌合凹部)
31a…第1縦凹部
31b…第2縦凹部
32…上嵌合凹部(嵌合凹部)
32a…第1上凹部
32b…第2上凹部
33…下嵌合凹部(嵌合凹部)
33a…第1下凹部
33b…第2下凹部
35…縦枠係合部(係合部)
36…上枠係合部(係合部)
37…下枠係合部
51…シート本体
52…縦縁材(縁材)
53…上縁材(縁材)
54…下縁材(縁材)
67…フック部(被係合部)
85…フック部(被係合部)

Claims (7)

  1. 離間して配置されるとともに、外周面で開口する嵌合凹部をそれぞれ有する少なくとも2つの支持部と、
    前記支持部間に架設される家具用シートと、を備えた家具用面構成部材において、
    前記家具用シートは、
    シート本体と、
    前記シート本体の縁部に設けられ、対応する前記嵌合凹部内にそれぞれ嵌合された縁材と、を備え、
    前記嵌合凹部は、
    第1方向に延び、前記縁材が挿入された第1凹部と、
    第2方向に延びるとともに、前記第1凹部内に連通する第2凹部と、
    前記第1凹部と前記第2凹部との境界部分に形成された係合部と、を備え、
    前記係合部は、前記第1凹部の開口部側とは反対側に位置する面が前記第2凹部の開口部を通して露呈し、
    前記縁材は、前記係合部に係合された被係合部を備えている家具用面構成部材。
  2. 前記係合部は、前記第1凹部内において、前記第1方向に交差する方向に突出している請求項1に記載の家具用面構成部材。
  3. 前記係合部のうち、前記第1凹部の前記開口部側に位置する面は、前記第1方向における前記第2凹部側に向かうに従い突出高さが漸次高くなる傾斜面に形成されている請求項2に記載の家具用面構成部材。
  4. 前記係合部のうち、前記第1凹部の前記開口部側とは反対側に位置する面は、前記第1方向に交差する方向に延びる起立面に形成されている請求項2又は請求項3に記載の家具用面構成部材。
  5. 前記第1方向及び前記第2方向が一致している請求項2から請求項4の何れか1項に記載の家具用面構成部材。
  6. 前記第1方向及び前記第2方向が交差している請求項2から請求項4の何れか1項に記載の家具用面構成部材。
  7. 請求項1から請求項6の何れか1項に記載の家具用面構成部材を備えている家具。
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