JP2017059987A - 発音装置 - Google Patents

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大志 沼田
Daishi Numata
大志 沼田
佐藤 豊
Yutaka Sato
豊 佐藤
佐藤 清
Kiyoshi Sato
清 佐藤
佐藤 秀治
Hideji Sato
秀治 佐藤
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Abstract

【課題】 磁界発生部からの洩れ磁束を低減して、高出力の発音を得ることができる発音装置を提供する。
【解決手段】 駆動側フレーム5に磁界発生ユニット20が取り付けられている。磁界発生ユニット20は冷間圧延鋼板の平板材で形成された上部ヨーク21および下部ヨーク22と側部ヨーク23,23とで構成されている。側部ヨーク23,23は上部ヨーク21と下部ヨーク22の間に配置され、上端面23b,23bが上部ヨーク21の対向面21bに固定され、下端面23c,23cが下部ヨーク22の対向面22bに固定されている。上部ヨーク21には上部磁石24が固定され、下部ヨーク22に下部磁石25が固定されている。各ヨークを冷間圧延鋼板で形成することで、外部への洩れ磁束を減らすことができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、振動板と平行に延びるアーマチュアが設けられ、前記アーマチュアの振動が振動板に伝達される発音装置に関する。
特許文献1に、発音装置(音響変換装置)に関する発明が記載されている。
この発音装置は、ケース体の内部に保持枠が固定されている。保持枠は開口部を有しこの開口部は樹脂フィルムで塞がれており、薄い金属板で形成された振動板が、前記樹脂フィルムに貼り付けられている。
ケース体の内部に磁性材料で形成されたアーマチュアが収納されている。アーマチュアは、振動部と被固定部とが一体に形成されており、被固定部が保持枠に位置決めされて固定されている。アーマチュアにはコイル取付け部が形成されて、このコイル取付け部にコイルが固定されており、前記振動部はコイルの巻き中心の空間部内に配置されている。
また、アーマチュアの側板部から延びる一対の固定片の間にヨークが固定されている。ヨークはUの字形状に曲げられた第1の部材と、第1の部材の側壁の間に渡されて固定された板状の第2の部材とから構成されている。一方のマグネットは第1の部材の底部内面に固定され、他方のマグネットは第2の部材の内面に固定されている。ヨークの側壁がアーマチュアの固定片の間に挟まれるようにして固定され、アーマチュアの振動部が上下に対向する前記マグネットの間に位置している。そして、振動部の自由端部と振動板とが梁部で連結されている。
上記構造の発音装置は、コイルに与えられるボイス電流でアーマチュアが磁化され、その磁化とマグネットの磁界とによって、振動部が振動する。この振動が梁部を介して振動板に伝達され、振動板の振動によって発音する。
特開2012−4850号公報
特許文献1には、ヨークを構成する第1の部材と第2の部材を構成する材料について明記されていないが、一般にこの種の小型機器においては、ヨークを構成する磁性材料としてNi−Fe合金(パーマロイ)が使用される。Ni−Fe合金は飽和磁束密度が1.4~1.5T(テスラ)程度であるが、発音装置に使用されるヨークは極めて小さい寸法に形成されるため、磁力の強いSm−Co系(サマリウム−コバルト系)や、Sm−Co−Fe系(サマリウム−コバルト系)の磁石を使用すると、ヨーク内の磁束が外部に漏れ出やすくなり、磁石から発生する磁界の利用効率が低下することになる。
また、Ni−Fe合金は、金属材料としては比較的高価であり、また加工性も悪い欠点がある。
特許文献1に記載されているヨークは、Uの字形状に曲げられた第1の部材と、第1の部材の対向する側壁の間に渡された平板状の第2の部材とから構成されている。この構造では、ヨークを組み立てる際に、第1の部材の対向する側壁を互いに離れる方向へ開いた状態で、第2の部材を第1の側壁の間に入れ、その後に側壁を互いに閉じる方向へ変形させてから、第2の部材の両端面を前記側壁の内面に固定することが必要である。そのため、組立が煩雑であり、組立作業の自動化も難しい。
また、第1の部材の底部内面と、第2の部材の内面との距離の精度を維持するのが難しく、第1の部材の底部内面に固定されたマグネットと第2の部材の内面に固定されたマグネットとの、上下の対向ギャップの寸法を高精度に管理するのが困難である。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、小型に構成された状態で、磁石から発生する磁界の外部への漏れを少なくして磁界の利用効率を高めることができる発音装置を提供することを目的としている。
また本発明は、対向する磁石のギャップを高精度に決めることができる発音装置を提供することを目的としている。
本発明は、振動板と、前記振動板と平行に延びるアーマチュアと、導線が前記アーマチュアを周回した状態で巻かれたコイルと、前記アーマチュアに対向する磁界発生ユニットと、前記アーマチュアの振動を振動板に伝達する伝達体と、が設けられた発音装置において、
前記磁界発生ユニットは、前記アーマチュアに対向する磁石と、前記磁石を支持するヨークとを有しており、前記ヨークが冷間圧延鋼板で形成されていることを特徴とするものである。
本発明の発音装置は、例えば、前記ヨークは、JISG3141で規定されるSPCCで形成されている。
本発明の発音装置は、前記磁界発生ユニットが、上部ヨークならびに下部ヨークと、前記上部ヨークと前記下部ヨークとの間に配置された少なくとも2個の側部ヨークとを有しており、
前記上部ヨークと前記下部ヨークは平板状で、その板表面が互いに平行に配置され、
前記側部ヨークは平板状で、その板表面が前記上部ヨークならびに前記下部ヨークのそれぞれの板面と直交し、前記側部ヨークどうしは板表面が互いに平行で且つ間隔を空けて配置されて、それぞれの前記側部ヨークの両端面が、前記上部ヨークと前記下部ヨークの板表面に固定されており、
前記上部ヨークと前記下部ヨークの互いに対向する板表面にそれぞれ磁石が固定されて、上下に対向する前記磁石のギャップ内に、前記アーマチュアが配置されているものである。
本発明の発音装置は、それぞれの前記側部ヨークの両端面が、前記上部ヨークと前記下部ヨークの板表面に接着されて固定されているものが好ましい。
この場合に、前記側部ヨークの端面と、前記端面が接合される前記上部ヨークおよび前記下部ヨークの板表面の少なくとも一方に凹部が形成されており、前記端面と前記上部ヨークおよび前記下部ヨークの板表面との接合面に塗布された接着剤が前記凹部内に充填されていることがさらに好ましい。
本発明の発音装置は、前記側部ヨークと、前記上部ヨークならびに下部ヨークとが、レーザー溶接されて固定されているものであってもよい。
本発明の発音装置では、前記上部ヨークは、前記側部ヨークが固定されていない外側の板表面が接合面とされて、フレームの取付け面に前記接合面が接合されて、前記磁界発生ユニットが前記フレームに固定されており、前記アーマチュアは、基端部が前記取付け面を基準として位置決めされて固定されているものとして構成できる。
本発明は、磁界発生ユニットのヨークが冷間圧延鋼板で形成されているため、ヨークの飽和磁束密度をNi−Fe合金などの他の磁性材料よりも高くでき、磁石から発生する磁束がヨークの外側へ漏れ出るのを抑制できるようになる。そのため、磁力の強い例えばSm−Co系(サマリウム−コバルト系)や、Sm−Co−Fe系(サマリウム−コバルト系)の磁石を使用した小型の磁界発生ユニットを構成しても、ヨークの外側へ洩れる磁束を低減できるようになり、磁界の利用効率を向上させることができる。したがって、(アーマチュアの振動(振幅)を大きくすることが可能になる。
また、冷間圧延鋼板は、Ni−Fe合金などよりも安価であり、加工性も良好である。
本発明では、上部ヨークと下部ヨークとを平行に配置し、上部ヨークと下部ヨークの間に側部ヨークを挟む構造にすることができ、側部ヨークの寸法を高精度に加工することで、上部ヨークと下部ヨークとの対向間隔を高精度に設定できる。これにより、上部ヨークに固定された磁石と下部ヨークに固定された磁石との間のギャップを高精度に管理できるようになる。
本発明の第1の実施の形態の発音装置の外観を示す斜視図、 図1に示す発音装置の分解斜視図、 図1に示す発音装置をIII−III線で切断した断面図、 発音装置のケースを除いた構造を示すものであり、図3をIV−IV線で切断した断面図、 本発明の第2の実施の形態の発音装置を示す断面図、 ヨークの固定構造の一例を示す磁界発生ユニットの分解斜視図、 (A)(B)は、第1の実施の形態のアーマチュアの組み付け工程を示す組立説明図、 ヨークの固定構造の他の例を示す斜視図、 比較例の磁界発生ユニットを示す斜視図、 実施例と比較例でのヨークからの漏れ磁束を比較する線図、 実施例と比較例でのアーマチュアの駆動振幅を比較する説明図、
図1ないし図3は本発明の第1の実施の形態の発音装置1を示している。
発音装置1は、ケース2を有している。ケース2は下ケース3と上ケース4とから構成されている。下ケース3と上ケース4は合成樹脂製または非磁性材料の金属材料を使用しダイキャスト法で形成されている。
図2に示すように、下ケース3は、底部3aと、4側面を囲む側壁部3bと、側壁部3bの上端の開口端部3cを有している。上ケース4は天井部4aと、4側面を囲む側壁部4bと、側壁部の下端の開口端部4cを有している。下ケース3の内部空間は、上ケース4の内部空間よりも広く、上ケース4は下ケースの蓋体として機能している。
下ケース3の開口端部3cと上ケース4の開口端部4cとの間に駆動側フレーム5が挟まれている。図示省略されているが、下ケース3の開口端部3cと駆動側フレーム5との間に凹凸嵌合の位置決め機構が形成され、上ケース4の開口端部4cと駆動側フレーム5との間に凹凸嵌合の位置決め機構が形成されている。これら位置決め機構で、下ケース3と上ケース4および駆動側フレーム5が位置決めされて、下ケース3と上ケース4と駆動側フレーム5とが接着剤などで互いに固定されている。
図2に示すように、駆動側フレーム5は、Z方向の厚さ寸法が均一な板材で形成されており、図示下側の平面が駆動側取付け面5aで、上側の平面が接合面5bとなっている。中央部には、駆動側開口部5cが上下に貫通して形成されている。
駆動側フレーム5の図示上側に振動側フレーム6が重ねられている。振動側フレーム6は、中央部に広い開口面積の振動側開口部6cが形成された枠体形状である。振動側フレーム6の枠部はZ方向の厚さ寸法が均一であり、枠部の図示上側の平面が振動側取付け面6aで、下側の平面が接合面6bとなっている。
図3に示すように、駆動側フレーム5の上に振動側フレーム6が重ねられ、駆動側フレーム5の接合面5bと、振動側フレーム6の接合面6bとが面接合される。図示省略されているが、駆動側フレーム5と振動側フレーム6との間には凹凸嵌合による位置決め機構が形成されており、駆動側フレーム5と振動側フレーム6は、互いに位置決めされた状態で接着剤で固定されている。
図2と図3に示すように、振動側フレーム6に振動板11と可撓性シート12が取り付けられている。振動板11はアルミニウムなどの薄い金属材料で形成されており、必要に応じて曲げ強度を増強するためのリブがプレス成形されている。可撓性シート12は振動板11よりも撓み変形しやすいものであり、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)やナイロンあるいはポリエステルなどの樹脂シート(樹脂フィルム)で形成されている。
振動板11は可撓性シート12の下面に接着されて固定され、可撓性シート12の外周縁部12a(図2参照)が、振動側フレーム6の枠部の上面である振動側取付け面6aに接着剤を介して固定されている。その結果、振動板11は、可撓性シート12を介して振動側フレーム6に振動動作自在に支持されている。
図2と図3に示すように、振動板11の面積は、振動側開口部6cの開口面積よりも小さく、可撓性シート12の面積は振動板11よりも大きく、可撓性シート12は振動側フレーム6の外形寸法とほぼほぼ一致している。
図2に示すよう、振動板11のX方向(幅方向)の両縁部11a,11aと振動側フレーム6との間に隙間(i)(i)が形成されている。振動板11の自由端11bと振動側フレーム6との間に隙間(ii)が形成されている。振動板11の支点側端部11cと振動側フレーム6との間には、前記隙間(i)(ii)よりも狭い隙間(iii)が形成され、あるいはほとんど隙間が形成されていない。そして前記各隙間(i)(ii)(iii)が、可撓性シート12で塞がれている。振動板11は、前記可撓性シート12の撓みと弾性によって、支点側端部11cを支点として、自由端11bがZ方向へ変位するように振動可能である。
図2と図3に示すように、駆動側フレーム5に磁界発生ユニット20が搭載されている。磁界発生ユニット20は、上部ヨーク21と下部ヨーク22および一対の側部ヨーク23,23が組み立てられている。上部ヨーク21と下部ヨーク22および側部ヨーク23,23は、磁性金属材料である冷間圧延鋼板で形成されている。実施の形態では、冷間圧延鋼板として、JISG3141で規定されるSPCC(一般用)が使用されている。
または、冷間圧延鋼板として、JISG3141で規定されるSPCD(絞り用)、SPCE(深絞り用)、SPCF(非時効性深絞り用)、SPCG(非時効性超深絞り用)も使用することができる。
SPCCは、鉄(Fe)を主体とし、含まれる不純物として、炭素(C)が0.15%以下、マンガン(Mn)が0.60%以下、リン(P)が0.100%以下、硫黄(S)が0.05%以下である。SPCCの飽和磁束密度は2.0T(テスラ)程度であり、Ni−Fe合金よりも飽和磁束密度が高い。冷間圧延鋼板は、SPCD,SPCE,SPCF,SPCGの順で、SPCCよりも前記不純物の割合が少なくなる。そのため、いずれも飽和磁束密度が2.0T以上である。
ヨーク21,22,23,23に使用されるSPCCは、Ni−Fe合金よりも材料価格が安く、また加工もしやすい。また表面にニッケルメッキがクロームメッキを施すことで耐食性も良好にできる。
図4と図6に示すように、上部ヨーク21と下部ヨーク22は共に平板形状であり、Z方向に間隔を空けて配置されている。上部ヨーク21と下部ヨーク22は、同じ四角形状でX方向とY方向の各辺の寸法が同じで、厚さ寸法も同じである。上部ヨーク21は、図示上側に向く外側の板表面が駆動側フレーム5に接合するための接合面21aであり、図示下側に向く内側の板表面が対向面21bである。下部ヨーク22は、図示上側に向く内側の板表面が対向面22bである。
側部ヨーク23,23は、上部ヨーク21および下部ヨーク22と同じ厚さの平板形状である。側部ヨーク23,23は、互いに対向する板表面が側方対向面23a,23aである。側部ヨーク23,23は、側方対向面23a,23aが互いに平行で、側方対向面23a,23aが上部ヨーク21と下部ヨーク22の対向面21b,22bと垂直となる垂直姿勢で、X方向に間隔を空けて配置されている。
図6に示すように、一対の側部ヨーク23,23は、Z方向の高さ寸法Hが互いに同一である。側部ヨーク23,23は、図示上向きの上端面23b,23bと、図示下向きの下端面23c,23cを有している。図4に示すように、側部ヨーク23,23の上端面23b,23bは、上部ヨーク21の対向面21bに突き当てられ、側部ヨーク23,23の下端面23c,23cは、下部ヨーク22の対向面22bに突き当てられる。
図4と図6に示すように、上部ヨーク21の対向面21bのうちの前記上端面23b,23bが接合される領域に凹部21c,21cが形成されている。凹部21c,21cは、上部ヨーク21の短辺21d,21dの内側で、短辺21d,21dと平行に連続して形成されている。下部ヨーク22の対向面22bのうちの前記下端面23c,23cが接合される領域に凹部22c,22cが形成されている。凹部22c,22cは、下部ヨーク22の短辺22d,22dの内側で、短辺22d,22dと平行に連続して形成されている。
なお、前記凹部21c,21cと凹部22c,22cは、Y方向に向けて間欠的に形成されていてもよい。また、上部ヨーク21と下部ヨーク22に凹部21c,21cと凹部22c,22cが形成されておらず、側部ヨーク23,23の上端面23b,23bと下端面23c,23cに凹部が形成されていてもよい。または、上部ヨーク21および下部ヨーク22と、上端面23b,23bならびに下端面23c,23cの双方に凹部が形成されていてもよい。
側部ヨーク23,23の上端面23b,23bと、この上端面23b,23bが接合される上部ヨーク21の対向面21bとの間に接着剤が塗布されて、側部ヨーク23,23と上部ヨーク21とが固定される。このとき、接着剤が凹部21c,21cに充填されて、上端面23b,23bと対向面21bとが強固に固定される。同様に、側部ヨーク23,23の下端面23c,23cと、この下端面23c,23cが接合される下部ヨーク22の対向面22bとの間にも接着剤が塗布されて、側部ヨーク23,23と下部ヨーク22とが固定される。このとき、接着剤が凹部22c,22cに充填されて、下端面23c,23cと対向面22bとが強固に固定される。
また、凹部21c,22cを設けることで、上端面23b,23bと対向面21bとの接合部に塗布した接着剤が前記接合部からはみ出しにくくなり、同様に、下端面23c,23cと対向面22bとの接合部に塗布した接着剤が前記接合部からはみ出しにくくなるため、4個のヨーク21,22,23,23の組立作業を自動化しやすくなる。
さらに、側部ヨーク23,23の上端面23b,23bと下端面23c,23cは、ワイヤソーを使用して切断加工することが好ましい。この切断加工により、側部ヨーク23,23の高さ寸法Hを高精度に設定することができ、上端面23b,23bと下端面23c,23cの加工後の平面度を高くし、上端面23b,23bと下端面23c,23cとの平行度も高くすることができる。なお、上部ヨーク21の短辺21d,21dと凹部21c,21cの加工と、下部ヨーク22の短辺22d,22dと凹部22c,22cの加工は、ダイシング加工で行うことができる。
上記のように、側部ヨーク23,23の上端面23b,23bと下端面23c,23cを高い精度で加工でき、また、前記凹部21c,22cを形成することで、側部ヨーク23の上端面23b,23bと上部ヨーク21の対向面21bを密着させて固定でき、下端面23c,23cと下部ヨーク22の対向面22bとを密着させて固定できるようになる。
側部ヨーク23,23の加工精度が高くなり、さらに、上部ヨーク21ならびに下部ヨーク22に対して側部ヨーク23,23を密着させて固定できるようになったため、上部ヨーク21の対向面21bと下部ヨーク22の対向面22bとのZ方向の対向間隔Hの誤差を小さくでき、前記対向間隔Hを高精度に設定することができるようになる。
さらに、前記凹部21c,21cに接着剤が充填されるため、側部ヨーク23の上端面23b,23bと上部ヨーク21の対向面21bとを密着させて、大きな隙間を形成することなく接着固定できる。同様に、側部ヨーク23の下端面23c,23cと下部ヨーク22の対向面22bとを密着させて、大きな隙間を形成することなく接着固定できる。よって、ヨーク間の接合部からの漏れ磁束を少なくできる。
図4と図6に示すように、磁界発生ユニット20では、上部ヨーク21の対向面21bに上部磁石24が固定され、下部ヨーク22の対向面22bに下部磁石25が固定されている。上部磁石24の下面24aと下部磁石25の上面25aとの間にZ方向にギャップδが形成されている。上部磁石24の下面24aと下部磁石25の上面25aは互いに逆の極性となるように、各磁石24,25が着磁されている。
前記のように、上部ヨーク21の対向面21bと下部ヨーク22の対向面22bとのZ方向の対向間隔Hが高精度に設定されているため、磁石24,25の厚さ寸法を管理することで、前記ギャップδを、ばらつきが小さくなるように、高精度に設定できる。
磁界発生ユニット20は、上部ヨーク21の上面が接合面21aであり、接合面21aは平面である。図4などに示すように、この接合面21aが駆動側フレーム5の下面の駆動側取付け面5aに面接合され、レーザー溶接または接着剤で固定されている。レーザー溶接では、図2と図4に示す上部ヨーク21の上面縁部21dと駆動側取付け面5aとがレーザー溶接またはレーザースポット溶接で固定される。
駆動側フレーム5に形成されている駆動側開口部5cは、振動側フレーム6に形成された振動板11を設置するための振動側開口部6cに比べて狭くできるため、その分だけ駆動側取付け面5aの面積を広くでき、磁界発生ユニット20を安定した状態で位置決めして固定することができる。
上部ヨーク21の上面の接合面21aが駆動側フレーム5の駆動側取付け面5aに密着して固定されるため、磁界発生ユニット20は、駆動側取付け面5aを基準として固定されることになる。そして、磁界発生ユニット20では、対向面21b,22bの対向間隔Hが高精度に設定され、磁石24,25のギャップδも高精度に設定されているため、駆動側取付け面5aに対する上部磁石の下面24aと下部磁石25の上面25aの平行度を高くでき、駆動側取付け面5aからギャップδの中心までのZ方向の距離も高精度に設定できるようになる。
図2と図3に示すように、磁界発生ユニット20と並ぶ位置にコイル27が設置されている。コイル27はY方向に延びる巻き中心線を導線が周回するように巻かれている。後に説明するように、コイル27の巻き中心部の空間27cにアーマチュアの振動部32aが挿入され、コイル27は導線がアーマチュアの周囲を周回するように巻かれている。
図3に示す実施の形態では、コイル27のY方向の左側に向く端面が接合面27aとなっており、この接合面27aが接着剤層28によって磁界発生ユニット20の上部ヨーク21と下部ヨーク22に固定されている。このとき、コイル27の巻き中心線が、上部磁石24と下部磁石25とのギャップδの中心に一致するように位置決めされて互いに固定される。
なお、コイル27の上面27bが、駆動側フレーム5の下面の駆動側取付け面5aに直接に突き当てられ、あるいはスペーサを介して突き当てられて接着剤で固定されてもよい。
図3に示すように、駆動側フレーム5の下面の駆動側取付け面5aに支持部材31が固定されている。支持部材31は、上表面31aと下表面31bを有しており、上表面31aと下表面31bは互いに平行な平面である。支持部材31の上表面31aは前記駆動側取付け面5aに面接合されてレーザー溶接または接着剤で固定されている。レーザー溶接では、図2と図3に示す支持部材31の上面縁部31cと駆動側取付け面5aとがレーザー溶接またはレーザースポット溶接で固定される。
支持部材31の下表面31bには、アーマチュア32が取り付けられている。アーマチュア32と支持部材31は共に磁性材料で形成されており、例えば、冷間圧延鋼板やSUS430(18クロームステンレス)で形成されている。あるいはNi−Fe合金で形成されてもよい。
図7にアーマチュア32の形状が示されている。アーマチュア32は厚さ寸法が均一な板材であり、X方向の幅寸法が大きい基端部32bと、前記基端部32bよりも幅寸法が小さい振動部32aと、振動部32aの先部である先端部32cを有している。先端部32cの幅方向の中心部には凹部32dが形成されている。凹部32dはY方向に向けて開口しておりその開口幅寸法がWで示されている。
アーマチュア32は基端部32bが支持部材31の下表面31bに固定されている。支持部材31とアーマチュア32の基端部32bも、レーザー溶接や接着剤で固定されている。アーマチュア32の板厚は、0.15〜0.25mmと比較的薄いため、アーマチュア32の基端部32bと支持部材31の下表面31bとを固定する際に、Z方向の下側から基端部32bにレーザーを照射することで、レーザー溶接を行うことができる。
振動部32aは、コイル27の巻き中心の空間27cに挿入され、さらに図4に示すように、上部磁石24と下部磁石25とのギャップδ内に挿入されている。そして、アーマチュア32の先端部32cが、前記ギャップδ内からY方向の前方に飛び出している。
図3に示すように、振動板11の自由端11bと、アーマチュア32の先端部32cは伝達体33で連結されている。伝達体33は金属または合成樹脂で形成された針状部材であり、上端の固定部33aが振動板11に固定されている。伝達体33の下端部は連結端部33bであり、連結端部33bはアーマチュア32の凹部32dに挿入され、連結端部33bとアーマチュア32とが接着剤で固定されている。
駆動側フレーム5は磁性材料で形成されることが好ましい。例えば駆動側フレーム5はSUS430(18クロームステンレス)で形成される。駆動側フレーム5を磁性材料で形成することで、コイル27にボイス電流が通電されてアーマチュア32の内部に磁界が誘導されときに、磁束が、アーマチュア32の先端部32c−空間−駆動側フレーム5−支持部材31−アーマチュア32の基端部32bを周回できるようになり、アーマチュア32の振動部32a内の磁束密度を高めることができる。
一方で、振動側フレーム6は、非磁性のステンレス鋼であるSUS304(18クローム8ニッケルステンレス:18−8ステンレス)で形成される。
図3に示すように、下ケース3と上ケース4とが駆動側フレーム5を挟んで固定されると、振動板11と可撓性シート12とによって、ケース2の内部の空間が上下に区分される。振動板11および可撓性シート12よりも上側であって上ケース4の内部の空間が発音側空間であり、発音側空間は、上ケース4の側壁部4bに形成された発音口4dから外部空間に通じている。下ケース3の側壁部3bには吸排気口3dが形成されており、振動板11および可撓性シート12よりも下側であって下ケース3の内部空間が、吸排気口3dによって外気に通じている。
次に、発音装置1の動作を説明する。
ボイス電流がコイル27に与えられると、アーマチュア32に磁界が誘導される。アーマチュア32に誘導される磁界と、上部磁石24と下部磁石25とのギャップδ内に生成される磁界とで、アーマチュア32の振動部32aにZ方向への振動が発生する。この振動が伝達体33を介して振動板11に伝達され振動板11が振動する。このとき、可撓性シート12で支持されている振動板11は、支点側端部11cを支点として自由端11bがZ方向へ振れて振動する。
振動板11の振動により、上ケース4の内部の発音空間に音圧が生成され、この音圧が発音口4dから外部へ出力される。
この発音装置1は、磁界発生ユニット20の上部ヨーク21の接合面21aが駆動側フレーム5の駆動側取付け面5aに面接合されて固定されている。磁界発生ユニット20では、上部ヨーク21と下部ヨーク22の対向間隔Hが、側部ヨーク23,24を介在させることで高精度に決められている。その結果、上部磁石24と下部磁石25とのギャップδの中心と駆動側取付け面5aとのZ方向の距離を高精度に決めることができる。また、上部磁石24の下面24aと下部磁石25の上面25aを、駆動側取付け面5aに対して平行度を高く維持して設置することができる。そのため、図3に示すようにY方向に延びるギャップδの中心と、駆動側取付け面5aとの平行度も高く維持することができる。
一方で、アーマチュア32を支持する支持部材31が、前記磁界発生ユニット20の取付け平面である駆動側取付け面5aを基準として取り付けられている。そのため、上部磁石24と下部磁石25のギャップδの中心と、アーマチュア32の振動部32aの板厚中心との間で、Z方向の相対位置に関与する公差を少なくすることができ、無調整で、ギャップδの中心に振動部32aを配置することが可能になる。また、振動部32aと、上部磁石24の下面24aおよび下部磁石25の上面25aとの平行度も高くできる。
あるいは、振動部32aをギャップδの中心に合わせる調整作業が必要とされる場合であっても、その調整幅を狭くでき、従来よりも調整作業を簡素化できる。
次に、前記発音装置1の製造工程において、アーマチュア32と伝達体33とを連結する作業の一例を説明する。
発音装置1の製造工程では、振動板11が接合された可撓性シート12を振動側フレーム6に取付け、振動板11の自由端11bに伝達体33の上端の固定部33aを固定する。一方で、コイル27が連結された磁界発生ユニット20を、駆動側フレーム5の駆動側取付け面5aに固定し、支持部材31の上表面31aを駆動側取付け面5aに固定する。
そして、前記駆動側フレーム5と振動側フレーム6を重ね、互いに位置決めして固定した後に、アーマチュア32を組み込む。
この作業では、自動組み立て装置に設けられた組立アームの先部の吸着部で、アーマチュア32の基端部32bの図示下面を吸着する。
振動部32aの先端部32cがコイル27よりも図示右側に外れた位置で、アーマチュア32を図7(A)に示す(a)方向へ移動させ、前記先端部32cを、コイル27の空間27cに対向させる。その後、組立アームを振動板11と平行なY方向に沿って移動させ、アーマチュア32を図7(A)に示す(b)方向へ移動させて、アーマチュア32の振動部32aを、コイル27の空間27cおよび上部磁石24と下部磁石25とのギャップδの内部に挿入する。
磁界発生ユニット20と支持部材31は、駆動側フレーム5の共通の駆動側取付け面5aを基準として固定されている。そのため、磁界発生ユニット20と支持部材31の寸法精度を高精度に決めておけば、アーマチュア32を組み付ける際に、(a)方向へ移動させて、アーマチュア32を支持部材31の下表面31bに押し付けた後に、支持部材31の下表面31bにアーマチュア32を摺動させながら(b)方向へ移動させることで、アーマチュア32の振動部32aの板厚中心を、上部磁石24と下部磁石25とのギャップδの中心に高精度に一致させることができる。
この場合には、調整作業が必要ではなく、アーマチュア32を組み込んだ直後に、基端部32bと支持部材31の下表面31bとを接着剤で接合することで組立を完了できる。あるいは、レーザー溶接で基端部32bと下表面31bとを固定してもよい。
あるいは、アーマチュア32の位置を調整して組立作業を行う場合であってもその調整範囲を狭くでき、調整作業を簡素化できる。例えば、組立アームをZ方向へ移動させてアーマチュア32を(a)方向へ移動させ、アーマチュア32を支持部材31の下面に当たらない位置で、且つ駆動側取付け面5aからZ方向へ予め決められた距離に設定する調整を行う。次に、組立アームをZ方向の位置を維持させながらY方向へ移動させて、振動部32aをコイル27の空間27cおよび上部磁石24と下部磁石25とのギャップδの内部に差し込む。この調整作業の完了後に、アーマチュア32の基端部32bと支持部材31の下表面31bとの隙間に接着剤を介在させて、アーマチュア32の固定を終了する。あるいは、レーザー溶接で基端部32bと下表面31bとを固定してもよい。
この調整作業を含んだ取付け工程によっても、アーマチュア32の振動部32aを、上部磁石24と下部磁石25とのギャップδの中心に高精度に一致させることができる。
このように、磁界発生ユニット20と支持部材31が、共通の基準面である駆動側取付け面5aを基準として組み付けられており、さらに磁界発生ユニット20では、上部ヨーク21と下部ヨーク22とのZ方向の間隔Hが、側部ヨーク23,23の寸法精度によって高精度に決められているため、ほとんど調整作業なしで、あるいは調整を行っても簡単な作業で、アーマチュア32の振動部32aを、上部磁石24と下部磁石25とのギャップδの中心に一致させることができる。
図7(A)に示すように、アーマチュア32の先端部32cには凹部32dが形成され、凹部32dの開口幅寸法Wが、伝達体33の下端部の連結端部33bの幅寸法(直径寸法)よりも広くなっている。よって、図7(A)に示すように、アーマチュア32を(b)方向へスライドさせて組み込むときに、伝達体33に対して外力を与えることなく、凹部32d内に伝達体33の連結端部33bを導くことができる。
アーマチュア32を上記のように組み込んで、アーマチュア32の基端部32bを支持部材31に固定した後に、伝達体33の連結端部33bと、アーマチュア32の先端部32cとを接着剤などで固定する。
図5には本発明の第2の実施の形態の発音装置101が示されている。
図5に示す発音装置101は、図3に示した第1の実施の形態と同様に、駆動側フレーム5が下ケース3と上ケース4との間に挟まれており、振動側フレーム6が駆動側フレーム5の上に重ねられて固定されている。図5に示す発音装置101と図3に示した第1の実施の形態とでは、アーマチュアの構造が相違しており、それ以外の構成は同じである。
図5に示すアーマチュア132は、振動部132aの基部にU字状の折り返し部132bと、これに連続する基端部132eが一体に形成されている。振動部132aと基端部132eは互いに平行である。アーマチュア132の先端部132cには凹部132dが形成されている。凹部132dは、図7(A)に示した凹部32dと同様に、開口幅寸法Wが、伝達体33の連結端部33bの幅寸法よりも広く形成されている。
図5に示す発音装置101では、アーマチュア132は、基端部132eが、駆動側フレーム5の駆動側取付け面5aに固定されている。アーマチュア132は、折り返し部132bと基端部132eとの境界部132fから先端部132cまでが弾性変形可能な領域となっている。よって、アーマチュア132の振動の変位量を大きくとることができ、振動板11の振幅を大きくして発音出力高めることができる。また、発音装置101のY方向の寸法を短くして小型化したときでも、アーマチュア132の変形領域を十分に長く確保できるようになる。
このアーマチュア132は、振動部132aと基端部132eとの間のZ方向の寸法を高精度に形成しておけば、基端部132eを駆動側フレーム5の駆動側取付け面5aに突き当てて固定することで、振動部132aを上部磁石24と下部磁石25とのギャップδの中心に精度良く位置させることができる。
または、組立アームの吸着部でアーマチュア132を保持し、図7(A)に示すようにアーマチュア132を(a)方向へ移動させて、駆動側取付け面5aと振動部132aとの距離を調整した後に、アーマチュア132を(b)方向へ移動させて組み込み、その状態で、基端部132eと駆動側取付け面5aとの隙間内に接着剤を充填することで、アーマチュア132を位置決めして固定することができる。あるいはレーザー溶接で固定することも可能である。
図8には、他の実施の形態の磁界発生ユニット120が示されている。
この磁界発生ユニット120は、上部ヨーク21と下部ヨーク22および側部ヨーク23,23の形状と寸法が、図4と図6に示した第1の実施の形態の各ヨーク21,22,23,23と同じである。ただし、図8に示す磁界発生ユニット120では、上部ヨーク21に凹部21cが形成されておらず、下部ヨーク22に凹部22cが形成されていない。
図8に示す実施の形態では、側部ヨーク23,23の上端面23b,23bが上部ヨーク21の対向面21bに突き当てられた状態で、側部ヨーク23,23と上部ヨーク21とがレーザースポット溶接部121によって固定されている。また、側部ヨーク23,23の下端面23c,23cが下部ヨーク22の対向面22bに突き当てられた状態で、側部ヨーク23,23と下部ヨーク22とがレーザースポット溶接部122によって固定されている。
レーザースポット溶接部121は、側部ヨーク23,23と上部ヨーク21との突き当て部にレーザーエネルギーを照射することでヨークどうしを溶融固定したものであり、レーザースポット溶接部122は、側部ヨーク23,23と下部ヨーク22との突き当て部にレーザーエネルギーを照射することでヨークどうしを溶融固定したものである。
図8に示す磁界発生ユニット120も、側部ヨーク23,23の上端面23b,23bと下端面23c,23cをワイヤソーで切断加工し、高さ寸法Hを高精度に設定しておくことで、上部ヨーク21と下部ヨーク22の対向間隔を高精度に決めることができる。
(実施例1)
実施例1の発音装置は、全体の構造が図5に示すものであり、アーマチュア132は、振動部132a、折り返し部132b、先端部132cおよび基端部132eを有している。アーマチュアは厚さ寸法が0.2mmのSUS430で形成されており、図5に示すアーマチュア132のZ方向の高さ寸法hは0.95mmである。
実施例1の発音装置には、図4と図6に示す磁界発生ユニット20が使用されている。上部ヨーク21と下部ヨーク22および側部ヨーク23,23は、厚さが0.3mmの冷間圧延鋼板(一般用:JISG3141で規定される「SPCC」)で形成されている。側部ヨーク23,23の高さ寸法Hは1.1mmであり、上部磁石24と下部磁石25の厚さ寸法はそれぞれ0.3mmである。上下の磁石のギャップδの設計値を0.5mmとした。
上部ヨーク21に形成された凹部21cと下部ヨーク22に形成された凹部22cは、開口幅寸法が0.04〜0.1mm、深さ寸法が0.04〜0.1mmである。側部ヨーク23,23の上端面23b,23bと上部ヨーク21を接着し、側部ヨーク23,23の下端面23c,23cと下部ヨーク22,22を接着した、接着剤はエポキシ系またはアクリル系の熱硬化型またはUV硬化型を使用した。
実施例1では、上部磁石24と下部磁石25をSm−Co系磁石とした。
(実施例2)
実施例2は、上部磁石24と下部磁石25を、Sm−Co−Fe系磁石とした。
磁石の材質以外は全て実施例1と同じである。
(比較例1)
比較例1は、磁界発生ユニットの構造のみが実施例1と相違し、それ以外は実施例1と同じである。
比較例1では図9に示す磁界発生ユニット220を使用した。この磁界発生ユニット220は、U字状に曲げ変形した下部ヨーク221と、下部ヨーク221の側壁221a,221aの間に渡るように固定された上部ヨーク222とを有している。上部ヨーク222の両端面と、前記側壁221a,221aの内面とはレーザースポット溶接されている。
下部ヨーク221と上部ヨーク222は、厚さが0.3mmのSUS430で形成されている。下部ヨーク221の底部内面と上部ヨーク222の下面との間のZ方向の間隔Hの設計値は、実施例1と同じで1.1mmである。上部磁石24と下部磁石25の厚さ寸法も実施例1と同じである。そして、上部磁石24と下部磁石25のギャップδの設計値は0.5mmである。
比較例1では、上部磁石24と下部磁石25をSm−Co系磁石とした。
(比較例2)
比較例2では、比較例1と同じ磁界発生ユニット220を使用しているが、SUS430で形成された下部ヨーク221と上部ヨーク222とを接着剤で固定した。実施例1において、上部ヨーク21ならびに下部ヨーク22と、側部ヨーク23,23とを接着したのと同じ接着剤を使用した。
(比較例3)
比較例3に示す発音装置は、図4と図6に示す構造の磁界発生ユニットが使用されている。ただし、図4と図6に示す上部ヨーク21と下部ヨーク22および側部ヨーク23,23をSUS430で形成している。上部ヨーク21と下部ヨーク22には凹部21c,22cを形成せず、上部ヨーク21と下部ヨーク22および側部ヨーク23,23とを接着剤で固定した。接着剤は実施例1のものと同じである。
(比較例4)
比較例4は、構造は比較例1と同じであり、ただし、上部磁石24と下部磁石25を、Sm−Co−Fe系磁石で形成した。
(比較例5)
比較例5は、構造は比較例2と同じであり、ただし、上部磁石24と下部磁石25を、Sm−Co−Fe系磁石で形成した。
(比較例6)
比較例6は、構造は比較例3と同じであり、ただし、上部磁石24と下部磁石25を、Sm−Co−Fe系磁石で形成した。
<磁界発生ユニットの漏れ磁束>
実施例1,2の発音装置に使用されている磁界発生ユニットと、比較例1,2,3,4,5,6に使用されている磁界発生ユニットとで漏れ磁束を測定した。
実施例1と比較例1,2,3とでは、上部磁石と下部磁石として同じ着磁力のSm−Co系磁石を使用した。実施例2と比較例4,5,6とでは、上部磁石と下部磁石として同じ着磁力のSm−Co−Fe系磁石を使用した。
漏れ磁束は、磁界発生ユニットを構成する上部ヨーク21の接合面21aの中央部からZ方向の上方へ2mm離れた箇所(表1では「ヨーク上面」と表示)と、下部ヨーク22の下面の中央部からZ方向の下方へ2mm離れた箇所(表1では「ヨーク底面」と表示)と、図4に示す側部ヨーク23,23または図9に示す側壁221a,221aの外面の中央部からX方向の側方へそれぞれ2mm離れた位置(表1で「ヨーク側面(1)」「ヨーク側面(2)」と表示)で測定した。
ヨークの上方と下方、および左右両側方で測定した漏れ磁束(mT)は、以下の表1に示す通りである。
Figure 2017059987
表1に示した漏れ磁束の測定結果は図10(A)(B)にプロットされている。図10(A)は、Sm−Co系磁石を使用した実施例1と比較例1,2,3の測定結果を示しており、図10(B)は、Sm−Co−Fe系磁石を使用した実施例2と比較例4,5,6の測定結果を示している。
表1と図10とから、ヨークの材料としてSPCCを使用した実施例1と実施例2では、ヨークからの漏れ磁束が少なく、特に上部ヨークの上方と下部ヨークの下方での洩れ磁束が低下している。
このように、SPCCで形成した上部ヨーク21と下部ヨーク22および側部ヨーク23,23を使用した実施例1と実施例2では、磁石からの磁力を有効に利用できるようになる。よって、Sm−Co系磁石やSm−Co−Fe系磁石のように保磁力の強い磁石を使用し、磁界発生ユニットを小型に構成しても、漏れ磁束を少なくでき、磁石の磁界を有効に利用できるようになる。
<アーマチュアの駆動振幅>
実施例1と比較例2,3,4の発音装置において、アーマチュアの振幅を測定した。
表2に示すように、実施例1と比較例2,3,4のそれぞれにおいて3個のサンプルを製造して使用した。3個のサンプルは、図5に示すアーマチュア132の支点から作用点(伝達体33との連結点)までの距離L1と、アーマチュア先端から前記作用点までの距離L2を互いに異ならせている。
表2に示すように、3個のサンプルでの距離L1と距離L2の組み合わせは、「5.12mmと0.2mm」「5.02mmと0.3mm」「4.92mmと0.4mm」である。
図11には、実施例1と比較例2,3,4における磁石とアーマチュアとのギャップが示されている。ここでのギャップとは、上部磁石24の下面24aとアーマチュアの振動部132aとの間のギャップと、下部磁石25の上面25aとアーマチュアの振動部132aと間のギャップとの平均値である。ギャップは、実施例1が0.448mm、比較例1が0.475mm、比較例2が0.49mm、比較例3が0.45mmであった。
表2に示すように、実施例1と比較例1,2,3のそれぞれの3サンプルの発音装置において、コイル27に10Hz,100Hz,500Hz,1kHzの信号を与えて、伝達体33のX方向の振幅を測定した。このときの駆動電流は最大値で50mAであった。
表2と図11に示す振幅は、伝達体33の振幅のピークツーピーク値すなわち全幅値である。
表2と図11とから、比較例1,2,3に比べて実施例1の振幅が大きくなっているのを理解できる。ここで、比較例1,2,3においても振幅に差が生じているが、これは前記ギャップのばらつきに起因していると考えられる。
すなわち、磁界発生装置のヨークをSPCCまたはその他の冷間圧延鋼板で形成することで、アーマチュアの振幅を大きくでき、発音出力を向上させることが可能になる。
Figure 2017059987
1,101 発音装置
2 ケース
3 下ケース
4 上ケース
4d 発音口
5 駆動側フレーム
5a 駆動側取付け面
6 振動側フレーム
11 振動板
12 可撓性シート
20 磁界発生ユニット
21 上部ヨーク
21a 接合面
21b 対向面
21c 凹部
22 下部ヨーク
22b 対向面
22c 凹部
23 側部ヨーク
23b 上端面
23c 下端面
24 上部磁石
25 下部磁石
27 コイル
31 支持部材
32,132 アーマチュア
32a 振動部
32b 基端部
32c 先端部
32d 凹部
33 伝達体

Claims (7)

  1. 振動板と、前記振動板と平行に延びるアーマチュアと、導線が前記アーマチュアを周回した状態で巻かれたコイルと、前記アーマチュアに対向する磁界発生ユニットと、前記アーマチュアの振動を振動板に伝達する伝達体と、が設けられた発音装置において、
    前記磁界発生ユニットは、前記アーマチュアに対向する磁石と、前記磁石を支持するヨークとを有しており、前記ヨークが冷間圧延鋼板で形成されていることを特徴とする発音装置。
  2. 前記ヨークは、JISG3141で規定されるSPCCで形成されている請求項1記載の発音装置。
  3. 前記磁界発生ユニットは、上部ヨークならびに下部ヨークと、前記上部ヨークと前記下部ヨークとの間に配置された少なくとも2個の側部ヨークとを有しており、
    前記上部ヨークと前記下部ヨークは平板状で、その板表面が互いに平行に配置され、
    前記側部ヨークは平板状で、その板表面が前記上部ヨークならびに前記下部ヨークのそれぞれの板面と直交し、前記側部ヨークどうしは板表面が互いに平行で且つ間隔を空けて配置されて、それぞれの前記側部ヨークの両端面が、前記上部ヨークと前記下部ヨークの板表面に固定されており、
    前記上部ヨークと前記下部ヨークの互いに対向する板表面にそれぞれ磁石が固定されて、上下に対向する前記磁石のギャップ内に、前記アーマチュアが配置されている請求項1または2記載の発音装置。
  4. それぞれの前記側部ヨークの両端面が、前記上部ヨークと前記下部ヨークの板表面に接着されて固定されている請求項3記載の発音装置。
  5. 前記側部ヨークの端面と、前記端面が接合される前記上部ヨークおよび前記下部ヨークの板表面の少なくとも一方に凹部が形成されており、前記端面と前記上部ヨークおよび前記下部ヨークの板表面との接合面に塗布された接着剤が前記凹部内に充填されている請求項4記載の発音装置。
  6. 前記側部ヨークと、前記上部ヨークならびに下部ヨークとが、レーザー溶接されて固定されている請求項3記載の発音装置。
  7. 前記上部ヨークは、前記側部ヨークが固定されていない外側の板表面が接合面とされて、フレームの取付け面に前記接合面が接合されて、前記磁界発生ユニットが前記フレームに固定されており、前記アーマチュアは、基端部が前記取付け面を基準として位置決めされて固定されている請求項1ないし6のいずれかに記載の発音装置。
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