JP2017059430A - 硫化物全固体電池の制御方法 - Google Patents

硫化物全固体電池の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】正極活物質としてリン酸鉄リチウムを用いた硫化物全固体電池のサイクル特性を向上することができる硫化物全固体電池の制御方法を提供する。
【解決手段】リン酸鉄リチウムを正極活物質として有する正極活物質層、負極活物質層、硫化物固体電解質層を有して、初期の放電下限電圧を1.5V(vs.Li/Li)以下に設定し、放電時の電圧推移において電圧プラトーが1.5〜3.0V(vs.Li/Li)の範囲内に存在するか否かの判断し、電圧プラトー範囲が1.5〜3.0V(vs.Li/Li)の場合には、放電下限電圧を1.5V(vs.Li/Li)以下に維持し、電圧プラトー範囲が1.5〜3.0V(vs.Li/Li)内に存在しない場合には、次回以降の充放電における放電下限電圧を2.0V(vs.Li/Li)以上に設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、硫化物全固体電池の車両搭載後における制御方法に関する。
現在、種々の電池の中でも、エネルギー密度が高いという観点から、リチウムイオン電池が注目を浴びている。その中でも、電解液を固体電解質に置換した全固体電池が特に注目を浴びている。これは、全固体電池が、電解液を用いる電池と異なり、電解液を用いないことから、過充電に起因する電解液の分解等を生じることがないこと、及び高いサイクル耐久性及びエネルギー密度を有していることを理由とする。また、全固体電池に用いる固体電解質としては、硫化物固体電解質が知られている。さらに、リチウムイオン電池に用いられる正極活物質としては、リン酸鉄リチウムが知られている。
ところで、リチウムイオン電池は、充放電を繰り返すうちに、電池の出力及び容量等の性能が低下することが知られている。
特許文献1では、全固体電池の出力特性の低下を回復するために、2.5V未満の放電下限電圧まで放電する過放電処理部を有する全固体二次電池システムを開示しており、実施例において、正極活物質としてリン酸鉄リチウム、及び固体電解質として硫化物固体電解質を用いた全固体電池を1.5V以下まで放電することを開示している。
また、特許文献2では、アモルファス状態で、正極活物質として機能し、高いイオン伝導度を有する正極活物質を用いた全固体電池として、アモルファスのリン酸鉄リチウムを正極活物質として用いた全固体電池を開示している。また、実施例において、充放電試験を、放電下限電圧を0.5Vにして行っている。
また、特許文献3では、放電制御手段を有している、正極活物質としてリン酸鉄リチウムを用いた全固体電池の電池システムにより、電池抵抗の増加を防止する技術を開示している。また、実施例において、正極活物質としてLiNi1/3Co1/3Mn1/3を用いた全固体電池に対する放電試験を、放電下限電圧を1V、又は0Vにして行っている。
なお、特許文献4では、アルカリ蓄電池について、少なくとも一定期間は、設定された暫定の充電上限電圧又は暫定の放電下限電圧で、充電又は放電を停止する工程、及び一定期間を経過後は、暫定の放電下限電圧とは異なる標準の放電下限電圧で放電を停止させる工程を含む充放電制御方法によって、アルカリ蓄電池の使用可能容量を効率的に利用し、かつメモリー効果を抑制している。
特開2012−248414号公報 特開2011−108533号公報 特開2013−084499号公報 特開2012−253975号公報
全固体二次電池を繰り返し充放電すると、次第にサイクル特性が低下することが知られている。そのため、サイクル特性を向上する方法が求められている。
本発明は、正極活物質としてリン酸鉄リチウムを用いた硫化物全固体電池のサイクル特性を向上することができる硫化物全固体電池の制御方法を、提供することを目的とする。
本発明の制御方法は、リン酸鉄リチウムを正極活物質として有する正極活物質層、負極活物質層、及び前記正極活物質層と前記負極活物質層との間に配置されている硫化物固体電解質層を有する、硫化物全固体電池の充放電の制御方法であって、初期の放電下限電圧を1.5V(vs.Li/Li)以下に設定すること、放電時の電圧推移において電圧プラトーが1.5〜3.0V(vs.Li/Li)の範囲内に存在するか否かを判断すること、及び電圧プラトーが1.5〜3.0V(vs.Li/Li)の範囲内に存在する場合には、放電下限電圧を1.5V(vs.Li/Li)以下に維持し、かつ電圧プラトーが1.5〜3.0V(vs.Li/Li)の範囲内に存在しない場合には、次回以降の充放電における放電下限電圧を2.0V(vs.Li/Li)以上に設定することを含む。
本発明によれば、正極活物質としてリン酸鉄リチウムを用いた硫化物全固体電池のサイクル特性を向上することができる硫化物全固体電池の制御方法を、提供することができる。
図1は、本発明の制御方法における、放電下限電圧を2.0V(vs.Li/Li)以上に設定する前の制御方法の具体例を図示したものである。 図2は、本発明の制御方法における、放電下限電圧を2.0V(vs.Li/Li)以上に設定した後の制御方法の具体例を図示したものである。 図3は、本発明の制御方法における電圧推移の測定結果を示したグラフである。 図4は、リン酸鉄リチウムを正極活物質として用いた液系リチウムイオン電池を充放電した場合における、電圧推移の測定結果を示したグラフである。
以下、本発明の実施の形態について詳述する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるのではなく、発明の本旨の範囲内で種々変形して実施できる。
本発明の制御方法は、リン酸鉄リチウムを正極活物質として有する正極活物質層、負極活物質層、及び前記正極活物質層と前記負極活物質層との間に配置されている硫化物固体電解質層を有する、硫化物全固体電池の充放電の制御方法であって、初期の放電下限電圧を1.5V(vs.Li/Li)以下に設定すること、放電時の電圧推移において電圧プラトーが1.5〜3.0V(vs.Li/Li)の範囲内に存在するか否かを判断すること、及び電圧プラトーが1.5〜3.0V(vs.Li/Li)の範囲内に存在する場合には、放電下限電圧を1.5V(vs.Li/Li)以下に維持し、かつ電圧プラトーが1.5〜3.0V(vs.Li/Li)の範囲内に存在しない場合には、次回以降の充放電における放電下限電圧を2.0V(vs.Li/Li)以上に設定することを含む。
図1及び2は、本発明の制御方法の具体例を図示したものである。
図1は、本発明の制御方法における、放電下限電圧を2.0V(vs.Li/Li)以上に設定する前の制御方法の具体例を図示したものである。図1に示すように、放電下限電圧を2.0V(vs.Li/Li)以上に設定する前の制御方法は、外部からの出力要求を受けて開始した後、まず全固体電池の放電を行い、放電中の電圧推移を放電データとして取得する。放電データは、全固体電池の電圧(V)が放電下限電圧(V)以下であるか判断するため、及び1.5〜3.0V(vs.Li/Li)の範囲内に電圧プラトーが存在するか判断するために取得される。放電は、全固体電池の電圧(V)が放電下限電圧(V)以下になるまで行われる。その後、放電データにおいて、1.5〜3.0V(vs.Li/Li)の範囲内に電圧プラトーが存在するか判断する。そして、この制御方法は、1.5〜3.0V(vs.Li/Li)の範囲内に電圧プラトーが存在する場合にはVを1.5V(vs.Li/Li)以下に維持し、1.5〜3.0V(vs.Li/Li)の範囲内に電圧プラトーが存在しない場合には放電下限電圧を2.0V(vs.Li/Li)以上に設定し、終了する。図1の制御方法は、放電下限電圧が2.0V(vs.Li/Li)以上に設定された後には行われない。なお、放電下限電圧を2.0V以上に設定する前の制御方法における放電下限電圧(V)は、1.5V(vs.Li/Li)以下に設定されている。
図2は、本発明の制御方法における、放電下限電圧(V)を2.0V(vs.Li/Li)以上に設定した後の制御方法の具体例を図示したものである。図2に示すように、放電下限電圧(V)を2.0V(vs.Li/Li)以上に設定した後の制御方法は、外部からの出力要求を受けて開始した後、まず全固体電池の放電を行い、放電中の電圧推移を放電データとして取得する。放電は、全固体電池の電圧(V)が放電下限電圧(V)以下になるまで行われる。なお、図2において、放電データは、全固体電池の電圧(V)がV以下であるか判断するために取得される。
なお、本発明の制御方法は、全固体電池が製品として完成した後に、電池として使用しつつ行うものである。したがって当然に、全固体電池の電圧(V)が放電下限電圧(V)以下になる前であっても、出力終了要求があれば、放電を終了する。
原理によって限定されるものではないが、本発明の作用原理は以下のとおりであると考える。
リチウムイオン電池を繰り返し充放電すると、サイクル特性が低下することが知られている。サイクル特性が低下する原因は様々であるが、例えば、正極活物質の構造の変化、及び正極活物質と他の電池材料との化学反応が考えられる。
充放電において、リチウムイオン電池の充電上限電圧を高くすると、正極活物質内の遷移金属が溶出する等により、サイクル特性が低下すると考えられる。また、リチウムイオン電池の放電下限電圧を低くすると、電解質と正極活物質が化学反応すること、又は正極活物質に含有される酸素とリチウムイオンが化学反応すること等により、サイクル特性が低下すると考えられる。
したがって、従来のリチウムイオン電池では、充電上限電圧を比較的低く、かつ放電下限電圧を比較的高く設定することにより、サイクル特性を向上させることが考えられていた。
例外的に、正極活物質としてリン酸鉄リチウムを用いたリチウムイオン電池では、放電下限電圧を低い電位に設定しても、正極活物質の劣化や正極活物質と他の電池材料との化学反応などによるサイクル特性の低下は小さいと考えられる。これは、リン酸鉄リチウムがオリビン構造を有しており、酸素を放出しにくいため、リチウムと正極活物質中の酸素との化学反応が起こりにくいためである。そのため、正極活物質としてリン酸鉄リチウムを用いたリチウムイオン電池では、放電下限電圧を低い電位に設定することができる。
本発明者は、正極活物質としてリン酸鉄リチウムを使った電池について、低電圧まで放電を行う充放電サイクルを繰り返すことにより、全固体電池の放電特性を向上させることができ、このサイクルを一定回数行った後、放電下限電位を上げるという充放電の制御を行うことにより、サイクル特性を向上させることができることを見出した。
低電圧まで放電を行う充放電サイクルを繰り返し行うことによって、放電特性が向上する理由は明らかではないが、以下のとおりと考えられる。
正極活物質としてリン酸鉄リチウムを用いた硫化物全固体電池において、低電圧まで放電を行う充放電サイクルを繰り返し行う場合、初期の充放電サイクルにおいて、リン酸鉄リチウムと固体電解質との界面においてリチウムイオン伝導性の低い被膜が形成する。しかし、更に、定電圧までの放電を繰り返すことによって、この被膜が除去される。また、低電圧まで放電することによって多量のリチウムイオンがリン酸鉄リチウムに挿入されることにより、リン酸鉄リチウムの構造が整い、リチウムイオン受け入れ性が向上すると考えられる。
このため、低電圧まで放電する充放電を繰り返して行うことによって、LiFePOと固体電解質との界面に形成されたリチウムイオン伝導性の低い被膜が除去され、また、リン酸鉄リチウムの構造が整い、リチウムイオン受け入れ性が向上すること(以下、「自己活性化反応」という)により、放電特性が向上する。
ただし、低電圧まで放電した場合、正極活物質と他の電池材料が反応する等の副反応も同時に起こる。そのため、リン酸鉄リチウムが十分に自己活性化反応した後は、放電下限電圧をより高い電圧に制御することにより、全固体電池のサイクル特性を向上させることができる。
また、リン酸鉄リチウムの自己活性化反応が不十分である場合には、低電圧まで放電した場合における電圧推移において、1.5〜3.0V(vs.Li/Li)に電圧プラトーが存在する。そして、1.5〜3.0V(vs.Li/Li)に電圧プラトーが存在しなくなった場合には、リン酸鉄リチウムが十分に自己活性化反応したといえる。
そのため、充放電サイクル毎に電圧推移を測定し、1.5〜3.0V(vs.Li/Li)に電圧プラトーが存在する場合には、次回のサイクルにおける放電下限電圧を1.5V(vs.Li/Li)以下で行い、1.5〜3.0V(vs.Li/Li)に電圧プラトーが存在しなくなった場合には、次回以降のサイクルにおける放電下限電圧を2.0V(vs.Li/Li)以上で行うことによって、リン酸鉄リチウムが十分に自己活性化反応したときに放電下限電圧をより高い電圧に制御して、副反応によるサイクル特性の低下を抑制することができる。
なお、本発明の制御方法は、全固体電池の車両搭載後に行うことで、全固体電池を製品として使用しつつ、充放電サイクルを繰り返すことによりサイクル特性を向上させることができる。また、全固体電池の車両搭載後に本発明の制御方法を行う場合には、全固体電池の充電は、例えば回生ブレーキ、エンジン等によって適宜行うことができる。
<硫化物全固体電池>
本発明における硫化物全固体電池は、リン酸鉄リチウムを正極活物質として有する正極活物質層、負極活物質層、及び正極活物質層と負極活物質層との間に配置されている、硫化物固体電解質層を有している。
1.正極活物質層
本発明における正極活物質層は、正極活物質、及び硫化物固体電解質、並びに随意に導電助剤及びバインダーを有していてよい。
(1)正極活物質
本発明における正極活物質層に用いる正極活物質は、その一部が置換されていてもよい、式LiFePOで表わされるオリビン型リン酸鉄リチウムである。
(2)固体電解質
正極活物質層に用いられる硫化物固体電解質としては、特に限定されず、例えば、75LiS−25P、8LiO−67LiS−25P、LiS、P、LiS−SiS、LiI−LiS−SiS、LiI−LiPO−P、LiI−LiS−P、若しくはLiI−LiS−B等、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
(3)導電助剤
正極活物質層に用いられる導電助剤としては、VGCF、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ(CNT)、若しくはカーボンナノファイバー(CNF)等の炭素材料の他、ニッケル、アルミニウム、若しくはSUS等の金属、又はこれらの組み合わせを上げることができる。
(4)バインダー
正極活物質層に用いられるバインダーとしては、特に限定されず、ポリマー樹脂、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、若しくはカルボキシメチルセルロース(CMC)等、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。高温耐久性の観点から、バインダーとしては、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリル、若しくはカルボキシメチルセルロース等、又はこれらの組み合わせが好ましい。
2.負極活物質層
本発明における負極活物質層は、負極活物質、及び硫化物固体電解質、並びに随意に導電助剤及びバインダーを有していてよい。
(1)負極活物質
負極活物質層に用いられる負極活物質としては、リチウムイオン等を吸蔵・放出可能であれば特に限定されない。負極活物質の具体例としては、金属、例えば、Li、Sn、Si、若しくはIn等、LiとTi、Mg若しくはAlとの合金、若しくは炭素材料、例えば、ハードカーボン、ソフトカーボン若しくはグラファイト等、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
(2)硫化物固体電解質、導電助剤、及びバインダー
負極活物質層に用いられる硫化物固体電解質、導電助剤、及びバインダーとしては、上記の、正極活物質層に用いるものと同様のものを用いることができる。
3.硫化物固体電解質層
硫化物固体電解質層に用いられる硫化物固体電解質としては、上記の、正極活物質層に用いるものと同様のものを用いることができる。
4.正極及び負極集電体
なお、本発明における硫化物全固体電池は、正極集電体、及び負極集電体を有していてよい。正極集電体及び負極集電体の原材料としては、特に限定されることなく、各種金属、例えば、Ag、Cu、Au、Al、Ni、Fe、SUS、若しくはTi等、又はこれらの合金の集電体を用いることができる。化学的安定性の観点から、正極集電体としては、アルミニウムの集電体が好ましく、負極集電体としては、銅の集電体が好ましい。
<初期の制御電圧>
本発明において、初期の放電下限電圧とは、本発明の制御方法に用いられる全固体電池が製品として実際に使用されたときの最初の充放電における、放電の下限電圧である。
本発明において、放電下限電圧は、1.5V(vs.Li/Li)以下である。放電下限電圧は、1.4V(vs.Li/Li)以下、1.3V(vs.Li/Li)以下、1.2V(vs.Li/Li)以下、1.1V(vs.Li/Li)以下、1.0V(vs.Li/Li)以下、又は0.5V(vs.Li/Li)以下であってよい。
<放電時の電圧推移>
放電時の電圧推移とは、全固体電池を放電した時の、容量の変化に対する電圧の変化である。放電時の電圧推移は、電圧プラトーが存在する電圧の範囲を調べるために行われる。
放電時の電圧推移において、電圧プラトーが1.5〜3.0V(vs.Li/Li)の範囲内に存在する場合には、リン酸鉄リチウムの自己活性化反応が不十分であると判断される。また、電圧プラトーが1.5〜3.0V(vs.Li/Li)の範囲内に存在しない場合には、リン酸鉄リチウムが十分に自己活性化反応したと判断される。
なお、電圧推移の測定方法は特に限定されず、電圧を測定することができる公知の方法によって行うことができる。例えば、全固体電池の正極集電体及び負極集電体の間に電圧計を接続して測定することができる。
<次回以降の充放電における放電下限電圧>
1.5〜3.0Vの間に電圧プラトーが存在しない場合の次回以降の充放電における放電下限電圧(リン酸鉄リチウムが十分に自己活性化反応した後の放電下限電圧)は、2.0V(vs.Li/Li)以上に設定される。この放電下限電圧は、2.1V(vs.Li/Li)以上、2.3V(vs.Li/Li)以上、2.5V(vs.Li/Li)以上2.7V(vs.Li/Li)以上、2.9V(vs.Li/Li)以上、3.1V(vs.Li/Li)以上、又は3.3V(vs.Li/Li)以上であってよい。
<実施例>
1.硫化物全固体電池の作製方法
以下の方法により、実施例の硫化物全固体二次電池を作製した。
(1)正極活物質層材料の作製
正極活物質としての平均粒径0.3μmのリン酸鉄リチウム90mg、導電助剤としての気層法炭素繊維(VGCF)(昭和電工)5mg、固体電解質としての硫化物固体電解質55mg、を秤量して十分に混合したものを、正極活物質層材料とした。
(2)負極活物質層材料の作製
負極活物質としてのグラファイト75mg、及び固体電解質としての硫化物固体電解質75mgを秤量して十分に混合したものを、負極活物質層材料とした。
(3)硫化物固体電解質層材料の作製
固体電解質としての硫化物固体電解質65mgを、硫化物固体電解質層材料とした。
(4)電池の作製
まず、硫化物固体電解質層材料を金型に入れ、プレスして固体電解質層を圧粉成型し、その上下にそれぞれ正極活物質層材料と負極活物質層材料を入れてプレスして固体電解質層を挟むように正極活物質層及び負極活物質層を圧粉成型し、ペレット型の全固体電池を作製した。
2.充放電時における放電データの測定
以下の方法により、実施例の硫化物全固体電池に対して充放電を繰り返し行い、充放電時における放電データ(電圧の推移)を測定した。
実施例の硫化物全固体電池に対して、10時間率(0.1C)で4.0V(vs.Li/Li)まで定電流充電し、その後、10時間率(0.1C)で1.5V(vs.Li/Li)まで定電流放電した。充放電時における、実施例の硫化物全固体電池の放電データ(電圧の推移)を測定した。
上記と同様の条件で、さらに19サイクル充放電を繰り返して、実施例の硫化物全固体電池の電圧の推移を測定した。
<結果>
図3は、実施例の硫化物全固体電池の電圧の推移を測定した結果をグラフに表したものである。
図3から、実施例の硫化物全固体電池を1.5V(vs.Li/Li)まで放電した場合に、初期のサイクルでは、リン酸鉄リチウムへのリチウムイオンの挿入脱離の電位である3.45V(vs.Li/Li)以外の電位に電圧プラトーが確認された。特に、1〜6サイクルでは、1.5〜3.0V(vs.Li/Li)の間に電圧プラトーが確認された。その後、サイクルを繰り返すと、1.5〜3.0V(vs.Li/Li)の間に確認された電圧プラトーはなくなり、3.45V(vs.Li/Li)付近にプラトーが確認されるようになった。20サイクル目では完全に、3.45V(vs.Li/Li)付近以外の電位に電圧プラトーが確認されなくなった。
<参考例>
図4は、正極活物質としてリン酸鉄リチウムを用いた液系の全固体電池の充放電における電圧の推移を測定した結果をグラフに表したものである。
正極活物質としてリン酸鉄リチウムを用いた液系の全固体電池を充放電した場合、3.45V(vs.Li/Li)付近に電圧プラトーが確認できる。これは、この電位においてリン酸鉄リチウムへのリチウムイオンの挿入脱離反応が起こっていることを示している。このリン酸鉄リチウムへのリチウムイオンの挿入脱離反応が起こる電位は、硫化物全固体電池の場合も同様と考えられる。

Claims (1)

  1. リン酸鉄リチウムを正極活物質として有する正極活物質層、負極活物質層、及び前記正極活物質層と前記負極活物質層との間に配置されている硫化物固体電解質層を有する、硫化物全固体電池の充放電の制御方法であって、
    初期の放電下限電圧を1.5V(vs.Li/Li)以下に設定すること、
    放電時の電圧推移において電圧プラトーが1.5〜3.0V(vs.Li/Li)の範囲内に存在するか否かを判断すること、及び
    前記電圧プラトーが1.5〜3.0V(vs.Li/Li)の範囲内に存在する場合には、前記放電下限電圧を1.5V(vs.Li/Li)以下に維持し、かつ前記電圧プラトーが1.5〜3.0V(vs.Li/Li)の範囲内に存在しない場合には、次回以降の充放電における放電下限電圧を2.0V(vs.Li/Li)以上に設定すること、
    を含む、制御方法。
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