JP2017058217A - 表面処理状況モニタリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面処理加工によって試料の表面に形成される微小な測定対象構造の大きさをリアルタイムで、かつ従来よりも高い精度で測定する。【解決手段】試料50表面に形成される測定対象構造の大きさを測定する表面処理状況モニタリング装置1において、発光する波長帯域が相互に異なる複数の光源11、12と、複数の光源11、12からそれぞれ発せられた照射光を試料50表面の測定対象構造を含む範囲に照射する照射光学系20と、測定対象構造の大きさを規定する2つの部位50、51でそれぞれ反射した光60、61の干渉により生じた干渉光を波長分散して検出する検出部32と、検出部32からの出力信号に基づき測定光スペクトルを生成するスペクトル生成部42と、測定光スペクトルを周波数解析して測定対象構造の大きさを決定する構造決定部43、45とを備える。【選択図】図5

Description

本発明は、試料表面に形成される微細構造の大きさ、例えばエッチング加工によって半導体基板の表面に形成される微細な孔や溝の深さを測定する表面処理状況モニタリング装置に関する。
半導体集積回路の製造プロセスでは、シリコンウエハ等の半導体基板にTSV(=Through Silicon Via:シリコン貫通ビア)等の微細な孔(ホール)や溝(トレンチ)を形成するためにエッチング加工が行われている。通常、エッチング加工を行う際には、加工前に、基板上で孔や溝を形成しない部分にレジスト膜によるマスキングを行っておく。これにより、加工中にマスキングされていない部分のみが選択的に削られ、加工後にレジスト膜を除去すると孔や溝が形成された基板が得られる。このときに形成される孔や溝の深さは、エッチング時間、エッチングガスの種類、ガス圧などの様々な条件に依存することから、穴や溝の深さを目標深さにするために、加工中に孔や溝の深さの時間的な変化をモニタリングしながらエッチングの終了点を決めたり条件を調整したりする制御が行われる。
特許文献1には、表面をレジスト膜によりマスキングした基板をエッチング加工して溝を形成する際に、加工中の基板の表面にレーザ光を照射して溝の深さの時間的な変化をモニタリングする方法が記載されている。加工中の基板の表面に照射されたレーザ光は、レジスト膜の表面、基板の表面、及びエッチングにより形成された溝の表面でそれぞれ反射される。これらの反射光が干渉して生じる干渉光のうち、レジスト膜の表面からの反射光と溝の表面からの反射光から生成される干渉光、及び基板の表面からの反射光と溝の表面からの反射光から生成される干渉光の強度はいずれも、エッチング加工中に溝の深さを反映して変動する。具体的には、溝の深さがレーザ光の波長の4分の1変化する毎に、これらの干渉光の強度の変化の傾向が増加から減少、あるいは減少から増加に転じる。つまり、測定される干渉光の総強度は固定値と周期的に増減する値の和で表される。特許文献1に記載の方法では、干渉光の総強度を連続的に観察し、溝の深さがレーザ光の波長の4分の1変化する毎に現れる極大値と極小値とを捉えることによって溝の深さの時間的な変化をモニタリングする。
しかし、この方法では、干渉光の強度の変化の傾向が逆になったことを確認した後でなければ極大値や極小値(以下、これらをまとめて「極値」と呼ぶ。)を決定することができない。そのため、実際に極値が現れるタイミングと極値を決定するタイミングの間にタイムラグが生じる。また、極値を決定した後、次の極値を決定するまでの間は、溝の深さを決定することができない。つまり、この方法では時々刻々と変化する溝の深さをリアルタイムで測定することができないという問題があった。
こうした問題を解決すべく、本発明者は、表面処理加工によって試料表面に形成される微細構造の大きさをリアルタイムで測定することができる表面処理状況モニタリング装置を提案した(特許文献2)。
図1に表面処理状況モニタリング装置の概略構成を示す。この表面処理状況モニタリング装置は、光源110と、測定光学系120と、分光部130と、データ処理部140とを備える。光源110と測定光学系120、また測定光学系120と分光部130は、それぞれ光ファイバを介して接続されている。
光源110には、例えば中心波長が820nm、半値全幅が15nmであり可干渉性の光を発するスーパールミネセントダイオード(SLD)光源が用いられる。光源110から発せられた測定光は入射側光ファイバ121に取り込まれ、ファイバカプラ122を介して光ファイバ123内を進行し、光ファイバ123の先端から出射する。光ファイバ123から出射した測定光はコリメートレンズ124を介して試料150上に照射される。
光源110から照射された光は、試料150の表面と、該表面に形成された溝151の底面でそれぞれ反射する(図2)。これらの反射光160、161はコリメートレンズ124を介して光ファイバ123に入射する。光ファイバ123に入射した反射光160、161はファイバカプラ122に導かれ、少なくともその一部が干渉して干渉光を生成し分光部130に達する。分光部130に達した干渉光を含む測定光は、回折格子等の分光手段131により波長分散され、CCDラインセンサ等のアレイ検出器132により波長ごとに検出される。各波長に対応したアレイ検出器132からの出力信号はデータ処理部140に入力される。
データ処理部140では、アレイ検出器132からの出力信号に基づき干渉光を含む測定光のスペクトル(図3(a))を作成する。続いて、測定光スペクトルの軸を波長から波数に変換する(図3(b))。さらに、表面処理開始前に取得した試料の表面からの反射光のスペクトルを用いて測定光スペクトルの強度を正規化する(図3(c))。そして、正規化後の測定光スペクトルを周波数解析(フーリエ変換)してパワースペクトルを取得し(図3(d))、該パワースペクトル上のピーク位置から溝の深さを決定する。このように、特許文献2に記載の表面処理状況モニタリング装置では、干渉光を含む測定光を検出して得たデータを数学的に処理するのみで溝の深さを決定するため、リアルタイムでの測定が可能である。
特開平10−325708号公報 特開2013−120063号公報 特開2014−206467号公報
特許文献2に記載の装置では、測定光スペクトルを取得して、波数に対する干渉光の強度の変化(干渉波)を周波数解析して溝の深さを求める。しかし、微細な溝の場合、波数に対する干渉波の周期が長くなる。図4に一例(溝の深さ4.0μmの例)を示すように、溝が浅くなると、干渉波の周期が測定光スペクトルの全域(SLDの波長帯域に相当)よりも長くなる。すると、測定光スペクトルにおいて1周期未満(図4の例では約3/4周期)の干渉波しか確認することができず、高い精度で溝の深さを求めることが難しくなる、という問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、表面処理加工によって試料の表面に形成される孔若しくは溝の深さや段差の大きさ、又は増加若しくは減少する膜層や基板の厚さといった測定対象構造の大きさを測定する表面処理状況モニタリング装置において、微小な構造の大きさをリアルタイムで、かつ従来よりも高い精度で測定することである。
上記課題を解決するために成された本発明は、表面処理加工によって基板上に形成される孔若しくは溝の深さや段差、又は増加若しくは減少する膜層や基板の厚さといった、試料表面に形成される測定対象構造の大きさを測定する表面処理状況モニタリング装置であって、
a) 所定の波長幅と可干渉性を有する光を発する複数の光源であって、発する光の波長帯域が相互に異なる複数の光源と、
b) 前記複数の光源からそれぞれ発せられた照射光を前記試料表面の測定対象構造を含む範囲に照射する照射光学系と、
c) 前記測定対象構造の大きさを規定する2つの部位でそれぞれ反射した光の干渉により生じた干渉光を含む測定光を波長分散して検出する検出部と、
d) 前記検出部からの出力信号に基づき測定光スペクトルを生成するスペクトル生成部と、
e) 前記測定光スペクトルを周波数解析して前記測定対象構造の大きさを決定する構造決定部と
を備えることを特徴とする。
上記測定対象構造の大きさを規定する2つの部位は、例えば、測定対象構造が基板表面に形成された溝である場合には、基板の表面と溝の底面である。また、測定対象構造が膜層である場合には、上記2つの部位は膜層の上面と下面である。上記測定光には、上記干渉光だけでなく、干渉しなかった反射光も含まれる。
本発明に係る表面処理状況モニタリング装置では、互いに波長帯域が異なる複数の光源を用いるため、従来に比べて照射光の波長帯域が広くなる。例えば、従来同様の波長幅を有し相互に発光帯域が異なる2つのSLD光源を用いると、従来の倍の波長帯域で干渉光の強度変化を測定することができる。これにより、従来の光源では1/2周期の干渉波しか得られず構造の大きさを測定することが困難であった微細構造についても、従来の倍である1周期の干渉波を取得して周波数解析を行い、該微細構造の大きさを高い精度で測定することができる。また、本発明に係る表面処理状況モニタリング装置では、特許文献2に記載の装置と同様に干渉光を演算処理するのみであるため、リアルタイムで測定対象構造の大きさを測定することができる。
SLD光源の場合、1つの光源に使用するダイオードの種類と数を増やせば発光帯域を広げることはできるものの、そのようなSLD光源は特殊でありコストが増大する。一方、本発明の表面処理状況モニタリング装置では、独立した2つの光源を併用して波長帯域を広げるため、例えば汎用の安価なSLD光源を複数、適宜に組み合わせて装置を安価に構成することができる。また、例えば、想定される最小の測定対象構造から少なくとも1周期の干渉波が得られるように合成波長帯域の広さを決定し、その要件を満たすように複数の光源を組み合わせることが可能であり、1つの光源のみを使用する従来の装置に比べて設計の自由度が高くなる。なお、合成波長帯域とは、上記複数の光源から発せられる照射光の波長のうちの最短波長と最長波長で規定される帯域を意味する。
本発明に係る表面処理状況モニタリング装置では、相互の発光帯域が連続しない(離間する)複数の光源を適宜に組み合わせて用いることもできる。ただし、この場合には、前記複数の光源からそれぞれ発せられる照射光の波長帯域の総和が前記合成波長帯域の半分以上であることが望ましい。
合成波長帯域が広い光源を用いても、実際に試料に照射する光(照射光)の波長帯域においてしか測定光スペクトルを取得することはできない。従って、微細構造の大きさを高い精度で求めるためには、実際に取得する測定光スペクトルの波長帯域に少なくとも1/2周期の干渉波が含まれるように前記複数の光源を選択することが望ましい。
本発明に係る表面処理状況モニタリング装置では、前記構造決定部が、前記測定光スペクトルを表面処理加工前の前記試料表面からの反射光のスペクトルにより正規化した後に周波数解析することが望ましい。
上述したとおり、検出される測定光には、干渉しなかった反射光も含まれる。こうした測定光のスペクトルをそのまま周波数解析すると、得られるパワースペクトルの低周波数領域に反射光のピーク形状に由来するピークが現れるため、測定対象構造の大きさを示すピークを判別することが難しくなることがある。特に測定対象構造が小さい場合に該構造の大きさを示すピークの判別が難しくなる。上記のように、測定光スペクトルデータを試料表面からの反射光のスペクトルデータによって正規化しておくことにより、パワースペクトルから反射光のピークに由来するピークを取り除き、より高い精度で測定対象構造の大きさを測定することができる。
本発明に係る表面処理状況モニタリング装置を用いることにより、微小な測定対象構造の大きさをリアルタイムで、かつ従来よりも高い精度で測定することができる。
従来の表面処理状況モニタリング装置の要部構成図。 試料表面における反射光について説明する図。 従来の表面処理状況モニタリング装置において、測定光スペクトルから測定対象構造の大きさを測定する手順を説明する図。 測定対象構造の大きさが微小である場合の干渉波について説明する図。 本発明に係る表面処理状況モニタリング装置の一実施例の要部構成図。 本実施例において使用する2つのSLD光源の発光帯域を示す図。 本実施例における表面処理状況モニタリング装置において、測定光スペクトルから測定対象構造の大きさを測定する手順を説明する図。 本実施例の装置を用いて測定対象構造の大きさを測定した結果を従来と比較したグラフ。 本実施例の装置を用いて測定対象構造の大きさを測定した場合の測定誤差を従来と比較したグラフ。 相互に大きさが異なる3種類の測定対象構造の大きさを本実施例の表面処理状況モニタリング装置で測定した例。 微小な測定対象構造に関する周波数解析部の測定値を示す図。
以下、本発明に係る表面処理状況モニタリング装置の一実施例について、図面を参照して説明する。本実施例の表面処理状況モニタリング装置1の要部構成を図5に示す。本実施例の表面処理状況モニタリング装置1では、エッチング加工により試料50の表面に形成される溝の深さ(測定対象構造の大きさ)をリアルタイム測定してモニタリングする。
本実施例の表面処理状況モニタリング装置1は、光源部10、測定光学系20、分光部30、及びデータ処理部40を備えている。光源部10は、互いに発する光の波長帯域が異なる第1SLD光源11、第2SLD光源12を有している。図6に示すように、第1SLD光源11の発光帯域は約790nm〜約850nmであり、第2SLD光源の発光帯域は約890nm〜約900nmである。第1SLD光源11と第2SLD光源12から発せられた照射光は、それぞれ光源部第1光ファイバ13と光源部第2光ファイバ14に導入され、光源部ファイバカプラ15で合成されて合成照射光となり、測定光学系20の測定系第1光ファイバ21に送られる。なお、第1SLD光源11は、図1〜図4を参照して説明した従来の表面処理状況モニタリング装置において用いられているSLD光源と同じものである。
測定光学系20の測定系第1光ファイバ21に導入された合成照射光は、測定系ファイバカプラ22を介して測定系第2光ファイバ23を進み、その先端から出射する。測定系第2光ファイバ23から出射した合成照射光はコリメートレンズ24を介して試料50の表面に照射される。
図5内の拡大図で示すように、試料50の表面、及び該試料50の表面に形成された溝51の底面でそれぞれ反射した光60、61はコリメートレンズ24を通って測定系第2光ファイバ23に入射する。測定系第2光ファイバ23に入射した反射光60、61は測定系ファイバカプラ22において少なくとも一部が干渉して干渉光となり、測定系第3光ファイバ25を通って分光部30に送られる。
分光部30に入射した干渉光を含む測定光は、回折格子31により波長分離され、CCDラインセンサ32で波長ごとに検出される。CCDラインセンサ32からの出力信号は、データ処理部40に送られ、記憶部41に保存されるとともに後述する処理に供される。なお、分光部30では測定光を波長分離し、波長ごとにその強度を検出できる構成であればよく、回折格子以外の分光素子や、CCDラインセンサ以外の検出器を用いることもできる。
データ処理部40は、記憶部41のほか、機能的にスペクトル生成部42、周波数解析部43、フィッティング演算部44、及び構造決定部45を備えている。データ処理部40の実体は一般的なパーソナルコンピュータであり、記憶部41を除く各部の機能は、所定のプログラムを実行することにより実現される。また、データ処理部40には入力部48と表示部49が接続されている。記憶部41には、エッチング加工前の試料50の表面からの反射光のスペクトルのデータ、及び該反射光の強度とエッチング加工中の測定光を含む測定光の強度の関係を表す式であって試料50に形成される溝51の深さをパラメータとして含む理論式が保存されている。この理論式については後述する。
スペクトル生成部42は、CCDラインセンサ32の出力信号から波長ごとの測定光の強度を取得し(図7(a))、波長を波数に変換して、波数を横軸とする測定光スペクトルを生成する(図7(b))。続いて、構造決定部45は、記憶部41から反射光のスペクトル強度を読み出し、測定光スペクトルの強度を反射光スペクトルの強度で除して正規化する(図7(c))。これにより、干渉光の強度変化を強調したスペクトル(干渉波に相当)が得られる。さらに、構造決定部45は正規化後の測定光スペクトルを周波数解析してパワースペクトルを取得し、該パワースペクトルに現れるピークの位置から溝の深さを決定する(図7(d))。
図7(d)に示すように、溝の深さ(測定対象構造の大きさ)が数十μm以上ある場合には、図3を参照して説明したように、従来の表面処理状況モニタリング装置でも同程度で測定対象構造の大きさをモニタリングすることができる。これは、1つの光源から発せられる光の波長帯域で取得した測定光スペクトルに、干渉光の強度変化(干渉波)が複数周期現れるためである。換言すると、測定光スペクトルに現れる干渉波が1周期よりも少なくなると、周波数解析の精度が悪化し、測定対象構造の大きさを決定することが困難になる。具体的には、図4で説明したように、第1SLD光源11に相当する1つの光源のみを用いる従来の装置では、測定対象構造の大きさが概ね10μm以下(図4は4μm)になると測定光スペクトルに現れる干渉波の周期が1周期程度まで少なくなり、測定対象構造の大きさを測定することが困難になる。
一方、本実施例の表面処理状況モニタリング装置1では、第1SLD光源11に加え、該第1SLD光源と発光帯域が異なる第2SLD光源12を用いるため、図7(c)に破線で示すように、第1SLD光源の発光帯域に加え、第2SLD光源12の波長帯域でも測定光スペクトルを取得する。そのため、従来の装置よりも多くの周期の干渉波を取得して周波数解析を行い、高精度で測定対象構造の大きさを測定することができる。
図8及び図9に、本実施例の表面処理状況モニタリング装置1と、従来の表面処理状況モニタリング装置でそれぞれ測定対象構造の大きさを測定した結果を示す。図8は測定対象構造の大きさが30μm以下における測定値を比較したグラフである。図9は、測定対象構造の大きさが10μm〜200μmの範囲における測定値の誤差を比較したグラフである。図8から、測定対象構造が10μmよりも大きい場合には、本実施例の装置と従来の装置の測定結果のいずれにもおいても良好な測定結果が得られているが、測定対象構造の大きさが10μm以下になると本実施例の装置を用いた方が測定精度が高くなっていることが分かる。また、図9から、10μm〜200μmの全範囲にわたり、本実施例の装置を用いると従来よりも測定誤差が小さくなることが分かる。
本実施例の表面処理状況モニタリング装置1では、相互に連続する波長帯域の光を発する2つの光源を用いることも可能であるが、上述したように、相互の波長帯域が離間する2つの光源を組み合わせることが好ましい。
本実施例の表面処理状況モニタリング装置1を用いて、深さ3.2μmの溝について得た測定光スペクトルを図10(a)に示す。図10(a)の上段は、波数を横軸とする測定光スペクトル、反射光スペクトル、及び干渉波であり、下段は、波数を横軸とする、反射光スペクトルを用いた正規化後のスペクトルである。また、図10(b)に深さ3.6μmの溝について得たもの、図10(c)に深さ4.0μmの溝について得たものをそれぞれ同様に示す。
第1SLD光源11の波長帯域における図10(a)〜(c)のスペクトルを比較すると、3つのスペクトルの形状及び干渉波の形状が非常に似ていることが分かる。そのため、これらを周波数解析により判別することは難しい。これら3つの構造を判別するには、相互に形状が異なる、第1SLD光源11の波長帯域とは別の波長帯域でスペクトル(干渉波)を取得する必要がある。本実施例の装置では、スペクトル(干渉波)の形状が異なる波長帯域で発光する第2SLD光源12を用いることにより、相互に大きさが異なる3つの測定対象構造を判別することができる。
ここで、第1SLD光源11の波長帯域に隣接する波長帯域で発光する第2光源を用いようとすると、約850nm〜約900nmの帯域で発光するものを用いなければならない。一般に、強度が同程度であると、発光帯域が広いほど光源は高価になる。また、上記例の場合、第1SLD光源11の波長帯域に近い波長で測定光スペクトルを取得しても3つの測定対象構造を判別することは困難である。従って、本実施例のように、相互に発光帯域が離間する2つの光源を組み合わせることで、安価に構成可能な装置で効率よくスペクトル(干渉波)の形状を判別し、高精度で測定対象構造の大きさを測定することができる。
しかし、2つの光源の発光帯域が極端に大きく離間しており、また、それらの帯域幅が狭いと、実際に干渉光を含む測定光を検出してスペクトルを取得できる帯域が狭くなり、周波数解析に足る周期の干渉波が得られなくなるため、測定対象構造の大きさを高精度に測定することは難しい。本実施例ではこの点を考慮し、測定対象構造の最小サイズ(本実施例では4.0μm)を予め決めておく。そして、該サイズの構造を測定した場合に、合成波長帯域に少なくとも1周期の干渉波が現れ、かつ、2つの光源がそれぞれ実際に発する照射光の波長帯域の総和が、上記合成波長帯域の半分以上を占める(即ち、少なくとも1/2周期の干渉波が得られる)ように2つの光源を組み合わせて構成している。
上記のとおり、本実施例では、測定対象構造の最小サイズを4.0μmとしたが、エッチング加工では、処理開始後、溝の深さが4.0μmに達するまでの間も溝の深さをモニタリングすることが望ましい。本実施例の表面処理状況モニタリング装置1では、このような場合にフィッティング演算部44を用いる。
フィッティング演算部44は、記憶部41から反射光スペクトルの強度データ及び理論式を読み出す。この理論式は、反射光強度と測定光強度の関係を、測定対象構造の大きさを1つのパラメータとして含む式で表すものであり、例えば特許文献3において本発明者が提案した以下の式(1)を用いることができる。上述した周波数解析では、測定光スペクトルを反射光スペクトルで正規化することにより、反射光の影響を除外して解析した。一方、式(1)では、測定光の強度を試料50の表面からの反射光に対応する項(Rr(λ)と括弧内の第1項の積)と干渉光に対応する項(Rr(λ)と括弧内の第2項の積)で表す。そして、パラメータα1、α2、及びT(t)を適宜に変更して測定光スペクトルの実測強度と整合させ(フィッティングし)、測定対象構造の大きさを推定する。
Figure 2017058217
式(1)において、λは測定光の波長、tは時間、Rr(λ)は試料50の表面からの反射光の強度、α1は試料50の表面からの反射光の強度に対応する係数、α2は上記干渉光の強度に対応する係数、T(t)は時間tにおける測定対象構造の大きさ、n(λ)は波長λにおける測定対象構造を構成する材料の屈折率である。これらのうち、α1、α2は試料50表面の状態(例えば平坦性や表面温度)や測定対象構造の大きさT(t)とともに変化する。上述したように、反射光スペクトルの強度データRr(λ)は事前に測定され記憶部41に保存されている。
ある時点tで測定光を波長分離して検出すると、複数の波長における測定光の強度が得られ、上述のとおりスペクトル生成部42により測定光スペクトルが生成される。これと並行して、フィッティング演算部44は、上式(1)のパラメータα1、α2、及びT(t)としてそれぞれ適当な初期値を使用し、測定光を検出した波長と同じ複数の波長における測定光強度を計算する。フィッティング演算部44は、続いて、複数の波長のそれぞれにおける実測強度と計算強度の差を求め、最小二乗法など適宜の手法を用いて該複数の波長における差の総和が最小になるようにパラメータα1、α2、及びT(t)を決定する。これにより、測定対象構造の大きさT(t)を推定することができる。
周波数解析と異なり、フィッティング演算部44による計算では測定対象構造が小さくてもその大きさを推定することができる。しかし、フィッティング演算部44による演算では、複数のパラメータを少しずつ変更しながら最適値を見つけ出すため、データ処理部40への負荷が大きくなる。そのため、フィッティング演算部44による演算の回数を極力抑えることが好ましい。
そこで、本実施例において、エッチング加工開始直後は、周波数解析とフィッティング演算部44による推定の両方を用いて測定対象構造の大きさを決定する。図11に示すように、周波数解析では、測定対象構造の大きさが上述した最小サイズ(4.0μm)よりも小さくなると精度が低下する。そこで、エッチング加工開始後、しばらくの間、構造決定部45はフィッティング演算部44による推定結果を測定結果として用い、周波数解析部の結果との差を求める。そして、例えば連続する所定回数の推定値の差が、予め設定した閾値以下であることを確認した時点、あるいは測定対象構造の大きさが上記最小サイズに達した時点で、フィッティング演算部44による推定を終了する。そして、それ以降、構造決定部45は、周波数解析の結果に基づき溝の深さ(測定対象構造の大きさ)を決定する。これにより、測定対象構造のサイズが上述した最小サイズ以下であっても高精度で測定することができ、かつデータ処理部40にかかる負荷を最小限に抑えることができる。
上記実施例は一例であって、本発明の趣旨に沿って適宜に変更することができる。上記実施例では2つのSLD光源11、12を用いたが、他の種類の光源を用いてもよく、また3つ以上の光源を組み合わせてもよい。また、上記実施例では、2つのSLD光源11、12から発せられた光を光源部ファイバカプラ15において合成した合成照射光を試料50の表面に照射したが、2つの光源から発せられた照射光を合成することなく試料50の表面の同じ領域に照射してもよい。
上記実施例では、エッチング加工中の溝の深さをリアルタイムで測定する(モニタリングする)例を中心に説明したが、そのほかにも表面処理加工によって基板上に形成される孔の深さや段差、又は増加若しくは減少する膜層や基板の厚さといった、試料表面に形成される様々な測定対象構造の大きさをリアルタイムで測定することができる。
上記実施例では、エッチング加工の場合に開始直後からしばらくの間、フィッティング演算部44を用いる例を説明したが、レジスト膜の厚さの測定のように、対象構造が徐々に小さくなる場合には、測定開始からしばらくの間は周波数解析部43のみにより大きさを決定し、その値が予め設定した最小サイズに到達した時点(あるいはその少し前の時点)からフィッティング演算部44を用いるようにすることもできる。
1…表面処理状況モニタリング装置
10…光源部
11…第1SLD光源
12…第2SLD光源
13…光源部第1光ファイバ
14…光源部第2光ファイバ
15…光源部ファイバカプラ
20…測定光学系
21…測定系第1光ファイバ
22…測定系ファイバカプラ
23…測定系第2光ファイバ
24…コリメートレンズ
25…測定系第3光ファイバ
30…分光部
31…回折格子
32…CCDラインセンサ
40…データ処理部
41…記憶部
42…スペクトル生成部
43…周波数解析部
44…フィッティング演算部
45…構造決定部
48…入力部
49…表示部
50…試料
51…溝

Claims (5)

  1. 表面処理加工によって基板上に形成される孔若しくは溝の深さや段差、又は増加若しくは減少する膜層や基板の厚さといった、試料表面に形成される測定対象構造の大きさを測定する表面処理状況モニタリング装置であって、
    a) 所定の波長幅と可干渉性を有する光を発する複数の光源であって、発する光の波長帯域が相互に異なる複数の光源と、
    b) 前記複数の光源からそれぞれ発せられた照射光を前記試料表面の測定対象構造を含む範囲に照射する照射光学系と、
    c) 前記測定対象構造の大きさを規定する2つの部位でそれぞれ反射した光の干渉により生じた干渉光を波長分散して検出する検出部と、
    d) 前記検出部からの出力信号に基づき測定光スペクトルを生成するスペクトル生成部と、
    e) 前記測定光スペクトルを周波数解析して前記測定対象構造の大きさを決定する構造決定部と
    を備えることを特徴とする表面処理状況モニタリング装置。
  2. 前記複数の光源の発光帯域が相互に離間していることを特徴とする請求項1に記載の表面処理状況モニタリング装置。
  3. 前記複数の光源からそれぞれ発せられる照射光の波長帯域の総和が、前記複数の光源から発せられる照射光の波長のうちの最短波長と最長波長で規定される合成波長帯域の半分以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面処理状況モニタリング装置。
  4. 前記構造決定部が、前記測定光スペクトルを表面処理加工前の前記試料表面からの反射光のスペクトルにより正規化した後に周波数解析することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の表面処理状況モニタリング装置。
  5. f) 前記表面処理加工前の前記試料表面からの反射光の強度と前記測定光の強度の関係を表す数式であって前記測定対象構造の大きさをパラメータに含む理論式を用い、該理論式により表される演算スペクトルを前記測定光スペクトルにフィッティングすることにより前記測定対象構造の大きさを推定するフィッティング演算部
    を備え、
    前記構造決定部が前記周波数解析の結果及び前記フィッティング演算部による推定結果に基づいて前記測定対象構造の大きさを決定することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の表面処理状況モニタリング装置。
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