JP6107353B2 - 表面処理状況モニタリング装置 - Google Patents
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Description
そこで、レーザ光源やSLD(=Super Luminescent Diode:スーパールミネッセントダイオード)光源を用いてリアルタイム測定を行う方法が提案されている。特許文献1には、表面がレジスト膜によりマスキングされた基板に対してレーザ光を照射し、上記同様にして得た干渉光の強度の時間的な変化をモニタリングする方法が記載されている。この方法では、エッチングの進行に伴い、照射されるレーザ光の波長の4分の1ずつ膜厚が変化する毎に干渉光の強度に極大値と極小値が現れることを利用し、干渉光の強度の時間的変化をモニタリングしてレジスト膜の厚さや孔等の深さを測定する。
式(1)において重要な点は、干渉光の強度Rm(λ,t)を、レジスト膜の膜厚T(t)の値に応じて周期的に変化する関数を含む式で表すことにある。
a) 前記膜層の初期厚さの値と、表面処理加工中の前記膜層の厚さの時間変化率と、膜厚広域推定幅と、該膜厚広域推定幅を用いて膜厚を推定する膜厚広域推定時間間隔と、前記膜厚広域推定幅よりも狭い膜厚狭域推定幅と、該膜厚狭域推定幅を用いて膜厚を推定する膜厚狭域推定時間間隔とが保存された記憶手段と、
b) 前記測定手段により、前記膜厚広域推定時間間隔で所定回数、前記干渉光のスペクトルを取得し、その後、前記膜厚狭域推定時間間隔で前記干渉光のスペクトルを取得するスペクトル取得手段と、
c) 前記スペクトル取得手段が初めて前記干渉光のスペクトルを取得した時に、前記膜層の厚さと前記干渉光の強度の関係を表す理論式に基づいて、前記初期厚さの値を含む前記膜厚広域推定幅の値の範囲内で前記膜層の厚さを推定し、該推定した膜層の厚さの値を一の膜厚候補値として含む複数の膜厚候補値を前記光源の光の波長に対応する一定の間隔で設定し、それら複数の膜厚候補値のそれぞれに対してインデックスを付与するインデックス付与手段と、
d) 前記スペクトル取得手段が2回目から前記所定回数までに前記干渉光のスペクトルを取得した時に、前記理論式に基づいて、前回、干渉光のスペクトルを取得した時に推定した膜厚の厚さの値を含む膜厚広域推定幅の範囲内で前記膜層の厚さを推定する膜厚広域推定手段と、
e) 前記膜厚広域推定手段により推定された膜層の厚さの値と前回の干渉光のスペクトルを取得した時に前記膜厚広域推定手段により推定された膜厚の厚さの値の差に応じて、前回干渉光のスペクトルを取得した時に選択されたインデックスを基準として複数の前記インデックスの中から1つのインデックスを選択するインデックス選択手段と、
f) 前記インデックス選択手段が前記所定回数インデックスを選択した結果、及び前記膜層の厚さの時間変化率に基づいて、膜厚広域推定結果を求める膜厚広域推定結果算出手段と、
g) 前記膜厚広域推定結果を算出した後、前記理論式に基づいて、前回干渉光のスペクトルを取得した時に推定された前記膜層の厚さの値を含む前記膜厚狭域推定幅の範囲内で前記膜層の厚さを決定する膜厚決定手段と
を備えることを特徴とする。
まず、初回の干渉光スペクトル取得時には、インデックス付与手段が、基板表面からの反射光の強度と、前記膜層の厚さと干渉光の強度の関係を表す理論式に基づいて、初期厚さの値を含む膜厚広域推定幅の値の範囲内で膜層の厚さを推定する。上記の前記膜層の厚さと前記干渉光の強度の関係を表す理論式としては、例えば上述の式(1)を用いることができる。より具体的には、最小二乗法を用いて、式(1)中の計算結果が測定された干渉光強度Rm(λ,t)に最も近くなるようにα1、α2及びT(t)の値を計算して膜層の厚さT(1)を推定することができる。
膜厚広域推定時間間隔Δt1は、事前に予想される単位時間当たりのレジスト膜の厚さの変化の最大値βmax[μm/sec]に基づき、βmax×Δt 1 がΔTiよりも十分に小さくなるように設定されている。また、膜厚狭域推定時間間隔Δt2は、事前に予想される単位時間当たりのレジスト膜の厚さの変化の最大値βmax[μm/sec]に基づき、βmax×Δt2が1/2×ΔTiよりも十分に小さくなるように設定されている。
上記の各設定値のさらなる詳細については後述する。
はじめに、スペクトル取得部42が初回の干渉光スペクトルRm(λ,t)を取得する(ステップS3)。すると、インデックス付与部43が、該干渉光スペクトルRm(λ,t)と記憶部41に保存されている基板表面からの反射光のスペクトルRr(λ)を比較して膜厚の初回推定値を算出する(ステップS4)。具体的には、上述した式(1)の理論式を元にして、以下の式(2)を用いた最小二乗法により、即ちσが最小値となるようにα1(反射光の強度に対応する係数)、α2(干渉光の強度に対応する係数)、及びT(1)を計算する(ステップS4)。なお、次式において、FitStart、FitEndはそれぞれラインセンサの番号(1〜1024)、InputSignalはCCDラインセンサ32の各素子から得られた信号強度の値、DarkSignalは前述したCCDラインセンサ32の暗信号の値、FitSignalはインデックス付与部43により計算された値である。
なお、本実施例では、光源の中心波長λcが830nm、該波長におけるレジスト膜材料の屈折率が1.4であるため、ΔTi=λc/2n(λc)は上式に示す値になる。
続いて、膜厚狭域推定について説明する。膜厚広域推定では、スペクトル取得部42が膜厚狭域推定間隔Δt2で干渉光スペクトルRm(λ,t)を取得する(ステップS10)。
膜厚狭域推定時間間隔Δt2を、事前に予想される単位時間当たりのレジスト膜の厚さの変化の最大値βmax×Δt2が1/2×ΔTiよりも十分に小さくなるように設定したのは、膜厚狭域推定時間間隔Δt2が経過する間の膜厚の変化が膜厚狭域推定幅ΔTi未満になることを担保するためである。
上記実施例では、記憶部41には予め各種パラメータが設定されている場合を例に説明したが、エッチング加工を行う毎に、使用者にこれらの値を入力させるようにしてもよい。その場合には、膜厚の時間変化率βと膜厚広域推定時間間隔Δt1の積が、ΔTiに比べて十分に小さな値であるかを確認し、また、膜厚の時間変化率βと膜厚狭域推定時間間隔Δt2の積が1/2×ΔTi未満であるかを確認し、これらの内のいずれかの条件を満たさない場合には、Δt1、Δt2を再設定させる警告画面を表示49に表示するように構成することが望ましい。
また、上記実施例では、膜厚広域推定回数Mを予め設定しておき、この回数を終了すると、膜厚決定部47により膜厚のリアルタイム測定が開始される(即ち、膜厚狭域推定に移行する)構成としたが、膜厚広域推定回数Mを事前に設定せず、使用者がインデックス選択部45によるインデックス選択結果の状況を確認し、選択回数に有意な差が生じており、インデックスを一意に選択できると判断した時点で、膜厚広域推定結果算出部46により膜厚広域推定結果を算出させ、膜厚決定部47による膜厚のリアルタイム測定に移行させるようにしてもよい。この場合の表面処理状況モニタリング装置の動作フローを図9に示す。上記実施例におけるフローチャート(図3)と異なり、事前に膜厚広域推定回数を設定せず(ステップS2’)、使用者による広域推定終了指示があった時点(ステップS8’でYES)で膜厚広域推定結果を算出する(ステップS9)。あるいは、膜厚広域推定回数を、表面処理加工プロセスの実行条件に応じて決められた時間が経過するまでに実行される回数等とすることもできる。
さらに、上記実施例は、膜厚広域推定結果算出部46は、式(7)を用いて膜厚広域推定結果を計算したが、この式(7)に含まれる時間変化率βを、M回の膜厚広域推定結果に基づいて補正した補正時間変化率β’としてもよい。膜厚広域推定結果算出時点では、それまでの膜厚の正確な時間変化がわかっているため、これを用いることにより補正時間変化率β’を求めることができる。初期設定されている時間変化率βの時間的な変化が大きい場合や、初期設定値に誤差が含まれている(エッチング開始時点で時間変化率を正確に推定することが難しい)場合には、こうした構成が有用である。
その他、インデックス付与部43等が膜厚を推定する際、T(1)の計算時の候補値の範囲をT0-ΔTiからT0+ΔTiとしたが、必ずしもT0を候補値の中心値にしなくてもよい。膜厚広域推定部44、及び膜厚決定部47による膜厚推定時の候補値の範囲の設定についても同様である。
20…測定光学系
21…入射側光ファイバ
22…ファイバカプラ
23…光ファイバ
24…コリメートレンズ
30…分光部
31…回折格子
32…CCDラインセンサ
40…データ処理部
41…記憶部
42…スペクトル取得部
43…インデックス付与部
44…膜厚広域推定部
45…インデックス選択部
46…膜厚広域推定結果算出部
47…膜厚決定部
48…入力部
49…表示部
50…試料
51…基板
52…レジスト膜
61、62…反射光
Claims (7)
- 基板上に形成される膜層であり表面処理加工中に増加又は減少する膜層の厚さを測定する表面処理状況モニタリング装置であって、光源と、前記膜層の表面で反射した光と前記基板の表面で反射した光とを干渉させて干渉光を生成させる干渉光学系と、前記干渉光を波長分散させる分光手段と、該分光手段により波長分散された干渉光の強度を波長毎に測定する測定手段と、を有する表面処理状況モニタリング装置において、
a) 前記膜層の初期厚さの値と、表面処理加工中の前記膜層の厚さの時間変化率と、膜厚広域推定幅と、該膜厚広域推定幅を用いて膜厚を推定する膜厚広域推定時間間隔と、前記膜厚広域推定幅よりも狭い膜厚狭域推定幅と、該膜厚狭域推定幅を用いて膜厚を推定する膜厚狭域推定時間間隔とが保存された記憶手段と、
b) 前記測定手段により、前記膜厚広域推定時間間隔で所定回数、前記干渉光のスペクトルを取得し、その後、前記膜厚狭域推定時間間隔で前記干渉光のスペクトルを取得するスペクトル取得手段と、
c) 前記スペクトル取得手段が初めて前記干渉光のスペクトルを取得した時に、前記膜層の厚さと前記干渉光の強度の関係を表す理論式に基づいて、前記初期厚さの値を含む前記膜厚広域推定幅の値の範囲内で前記膜層の厚さを推定し、該推定した膜層の厚さの値を一の膜厚候補値として含む複数の膜厚候補値を前記光源の光の波長に対応する一定の間隔で設定し、それら複数の膜厚候補値のそれぞれに対してインデックスを付与するインデックス付与手段と、
d) 前記スペクトル取得手段が2回目から前記所定回数までに前記干渉光のスペクトルを取得した時に、前記理論式に基づいて、前回、干渉光のスペクトルを取得した時に推定した膜厚の厚さの値を含む膜厚広域推定幅の範囲内で前記膜層の厚さを推定する膜厚広域推定手段と、
e) 前記膜厚広域推定手段により推定された膜層の厚さの値と前回の干渉光のスペクトルを取得した時に前記膜厚広域推定手段により推定された膜厚の厚さの値の差に応じて、前回干渉光のスペクトルを取得した時に選択されたインデックスを基準として複数の前記インデックスの中から1つのインデックスを選択するインデックス選択手段と、
f) 前記インデックス選択手段が前記所定回数インデックスを選択した結果、及び前記膜層の厚さの時間変化率に基づいて、膜厚広域推定結果を求める膜厚広域推定結果算出手段と、
g) 前記膜厚広域推定結果を算出した後、前記理論式に基づいて、前回干渉光のスペクトルを取得した時に推定された前記膜層の厚さの値を含む前記膜厚狭域推定幅の範囲内で前記膜層の厚さを決定する膜厚決定手段と
を備えることを特徴とする表面処理状況モニタリング装置。 - 測定光の波長をλ、該波長における膜層材料の屈折率をn(λ)としたときに、前記膜厚広域推定幅の大きさがλ/n(λ)以上であり、前記膜厚狭域推定幅の大きさがλ/2n(λ)未満であることを特徴とする請求項1に記載の表面処理状況モニタリング装置。
- 測定光の波長をλ、該波長における膜層材料の屈折率をn(λ)としたときに、前記一定の間隔がλ/2n(λ)であることを特徴とする請求項1または2に記載の表面処理状況モニタリング装置。
- 測定光の波長をλ、該波長における膜層材料の屈折率をn(λ)としたときに、前記膜層の厚さの時間変化率と膜厚広域推定時間間隔の積がλ/2n(λ)未満であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の表面処理状況モニタリング装置。
- 前記インデックス選択手段が、床関数及び/又は天井関数を用いて前記複数の膜厚候補値に対して付与された複数のインデックスの中から1つのインデックスを選択することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の表面処理状況モニタリング装置。
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