JP2017057448A - 摺動材料及びその製造方法並びに摺動部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】自己潤滑性及び耐摩耗性に優れる摺動材料及びその製造方法並びに摺動部材の提供。
【解決手段】銅粒子及び銅合金粒子から選択される少なくとも一種と、炭素粒子と、銅で被覆された鉄粒子と、の焼成物を含む摺動材料、それを用いる摺動部材並びに銅粒子及び銅合金粒子から選択される少なくとも一種と、炭素粒子と、銅で被覆された鉄粒子とを焼成する工程を含む摺動材料の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、摺動材料及びその製造方法並びに摺動部材に関する。
摺動部材の一つである電車のパンタグラフ用すり板には、金属系摺動材料又はカーボン系摺動材料が使用されている。特に炭素に金属を含浸したタイプの摺動材料は、架線摩耗、すり板摩耗、欠損等が少なく摺動特性に優れるため、幅広く使用されている。
この炭素に金属を含浸したタイプの摺動材料は、コークスを主成分とする人造黒鉛等の骨材と、タールピッチ等の結合剤とを適宜配合し、これらを混練し、成形し、焼成し、更にこの焼成品に銅等の金属を含浸して製造されている。
また、炭素と金属とを焼成したタイプの摺動材料は、炭素粒子と金属粒子とを混合し、成形し、焼成して製造されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第4198419号公報
炭素と金属とを焼成したタイプの摺動材料は、炭素に金属を含浸したタイプの摺動材料に比較して、一般に、短時間で製造できる利点がある。
しかし、炭素と金属とを焼成したタイプの摺動材料は炭素に金属を含浸したタイプの摺動材料に比較して、耐アーク性が劣るため、その結果として耐摩耗性に劣る場合がある。
ここで、金属系のパンタグラフ用すり板には、鉄系焼結材と銅系焼結材とがあり、鉄系焼結材の方が銅系焼結材に比較して耐アーク性が優れており摩耗量が少ないことが知られている。そこで、耐アーク性に優れるという鉄系焼結材の特性を炭素と金属とを焼成したタイプの摺動材料に展開することで、短時間で製造できるという利点を生かした上で、耐アーク性に優れ、耐摩耗性に優れる特性を併せて実現することが可能となると考えられる。しかし、鉄粒子と炭素粒子とを焼成すると、焼成過程で鉄と炭素とが反応して焼成組織中に遊離セメンタイト(FeC)を析出することがある。この遊離セメンタイトは高硬度のため相手材を損傷させる欠点があるので、焼成組織中に遊離セメンタイトが析出するのを避けることが望まれる。
焼成時における遊離セメンタイトの析出を防止する方法としては、炭素の配合量を少量(0.82質量%以下)にする方法、焼成温度を1000℃以下で処理する方法等がある。しかし、炭素の配合量を少量にする方法では焼成物に含まれる炭素量が少なく潤滑性に劣ることがある。一方、焼成温度が1000℃以下では焼成は不十分で焼成物の機械的強度が低く摺動部材に適用するのは難しいことがある。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、自己潤滑性及び耐摩耗性に優れる摺動材料及びその製造方法並びにその摺動材料を用いる摺動部材を提供することを目的とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 銅粒子及び銅合金粒子から選択される少なくとも一種と、炭素粒子と、銅で被覆された鉄粒子と、の焼成物を含む摺動材料。
<2> 鉄含有量と銅含有量との質量基準の比(鉄含有量/銅含有量)が、0.06〜2.0である<1>に記載の摺動材料。
<3> <1>又は<2>に記載の摺動材料を用いる摺動部材。
<4> 銅粒子及び銅合金粒子から選択される少なくとも一種と、炭素粒子と、銅で被覆された鉄粒子とを焼成する工程を含む摺動材料の製造方法。
本発明によれば、自己潤滑性及び耐摩耗性に優れる摺動材料及びその製造方法並びにその摺動材料を用いる摺動部材が提供される。
以下、本発明の摺動材料及びその製造方法並びに摺動部材の実施形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合、原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。また、本明細書において各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。また、本明細書において組成物中の各成分の粒子径は、組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
<摺動材料及びその製造方法>
本実施形態の摺動材料は、銅粒子及び銅合金粒子から選択される少なくとも一種と、炭素粒子と、銅で被覆された鉄粒子と、の焼成物を含む。本実施形態の摺動材料の製造方法は特に限定されるものではなく、例えば、銅粒子及び銅合金粒子から選択される少なくとも一種と、炭素粒子と、銅で被覆された鉄粒子とを焼成する工程を含むものであってもよい。
鉄粒子と炭素粒子とを焼成すると、焼成過程で鉄と炭素とが反応して焼成組織中に遊離セメンタイト(FeC)を析出することがある。本実施形態においては、鉄粒子に替えて銅で被覆された鉄粒子を用いることで、焼成時に鉄と炭素との直接的な接触が妨げられるため、鉄と炭素との反応が抑制される。そのため、焼成組織中に遊離セメンタイト(FeC)の析出が生じにくいと推察される。
本実施形態の摺動材料は、鉄含有量と銅含有量との質量基準の比(鉄含有量/銅含有量)が、0.06〜2.0であることが好ましく、0.08〜1.8であることがより好ましく、1.0〜1.6であることが更に好ましい。鉄含有量と銅含有量との質量基準の比が0.06以上であれば、耐摩耗性がより向上する傾向にある。一方、鉄含有量と銅含有量との質量基準の比が2.0以下であれば、本実施形態の摺動材料を用いる摺動部材の強度の低下が抑制される傾向にある。
耐摩耗性と摺動部材の強度を両立する観点からは、鉄含有量と銅含有量との質量基準の比(鉄含有量/銅含有量)が、1.0以上であることが好ましい。
本実施形態の摺動材料における、金属含有量と炭素含有量との質量基準の比(金属含有量/炭素含有量)は、特に限定されるものではなく、1.0〜10であることが好ましく、1.0〜5.0であることがより好ましく、1.0〜2.0であることが更に好ましい。
本実施形態の摺動材料を製造するための原料の一つとして、炭素粒子が用いられる。炭素粒子としては、骨材と結合剤とを加熱混練し、粉砕した粉砕物を用いることができる。骨材としては、コークス、黒鉛、カーボンブラック、油煙等が挙げられる。これらの中でもコークスが好ましい。骨材の平均粒子径は、10μm〜30μmが好ましく、15μm〜25μmがより好ましい。
なお、本実施形態において、平均粒子径は、レーザー回折法によって測定した粒度の体積累積分布(%)において、粒子径の小さい方から積算して50%となるときの粒子径D50(μm)をいう。
また、結合剤としては、タールピッチ、コールタール等が使用される。
加熱混練は、双腕型ニーダー等を用いて、各原料を、好ましくは150℃〜300℃、より好ましくは180℃〜270℃、更に好ましくは200℃〜250℃の温度で混練する。混練温度が150℃以上であれば混練時間が長くなりすぎることがなく、製造上好ましい。一方、混練温度が300℃以下であれば、摺動材料を用いる摺動部材の機械的強度が向上する傾向にある。尚、混練時間については、骨材及び結合剤の配合割合により変化するので、その都度適宜選定することが好ましい。
炭素粒子を製造する際の骨材と結合材との配合割合としては、例えば、骨材と結合材とが質量基準(骨材:結合材)で70:30〜50:50であることが好ましく、65:35〜55:45であることがより好ましく、63:37〜57:43であることが更に好ましい。
粉砕は、加熱混練で得られたものを、各種粉砕機を用いて、平均粒子径が好ましくは10〜700μm、より好ましくは50〜600μm、更に好ましくは100〜500μmになるように粉砕することにより行われる。
但し、平均粒子径は、成形方法等の特性を考慮し、適宜選択することが可能である。
本実施形態の摺動材料を製造するための原料として、銅粒子及び銅合金粒子から選択される少なくとも一種が挙げられる。本実施形態では、銅粒子及び銅合金粒子の調製方法に特に限定はなく、従来から公知の方法を適用することができる。例えば、銅又は銅合金を溶融し、これをノズル噴霧によって粉末化した後、得られた粉末を乾燥及び分級することで、所望の粒子径の銅粒子又は銅合金粒子を製造することができる。
銅粒子又は銅合金粒子の平均粒子径は、10μm〜40μmが好ましく、15μm〜35μmがより好ましい。
摺動材料を用いる摺動部材の機械的強度の観点からは、銅粒子を用いることが好ましい。
本実施形態において銅粒子が用いられる場合、銅粒子中には不可避的に混入する他の原子が含まれていてもよい。銅粒子中に含まれる不可避的に混入する他の原子の割合は、1.0質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。
本実施形態の摺動材料を製造するための原料として、銅で被覆された鉄粒子が挙げられる。銅で被覆された鉄粒子とは、鉄粒子表面の一部又は全部が銅で被覆されているものをいう。本実施形態では、銅で被覆された鉄粒子の調製方法に特に限定はなく、メッキ処理等の従来から公知の方法を適用することができる。
また、市販の銅で被覆された鉄粒子を用いてもよい。
銅で被覆された鉄粒子の見掛け密度は、1.5g/cm〜2.0g/cmが好ましく、1.6g/cm〜1.8g/cmがより好ましい。
銅で被覆された鉄粒子における銅の含有率は、10質量%〜50質量%が好ましく、15質量%〜45質量%がより好ましく、20質量%〜40質量%が更に好ましい。
本実施形態の摺動材料は、前記各原料を用い、銅粒子及び銅合金粒子から選択される少なくとも一種と、炭素粒子と、銅で被覆された鉄粒子とを混合し、成形し、焼成することにより製造することができる。
成形は、銅粒子及び銅合金粒子から選択される少なくとも一種と、炭素粒子と、銅で被覆された鉄粒子とを混合して得られた混合物を、ブロック状に金型プレス等の方法で成形することにより行われる。成形圧力は、300MPa〜500MPaが好ましく、350MPa〜450MPaがより好ましく370MPa〜420MPaが更に好ましい。成形圧力が300MPa以上であれば、摺動材料を用いる摺動部材の機械的強度が向上する傾向にある。一方、成形圧力が500MPa以下であれば、後述の焼成中に揮発分の散逸の抑制が防止され、成形品に内部圧力が生じにくくなり、成形品が割れにくくなる傾向がある。
上記により得られた成形品を焼成する場合、焼成は、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いた非酸化雰囲気下で焼成する方法が取られる。焼成時の最高到達温度は950℃〜1050℃が好ましく、1000℃〜1050℃がより好ましく、1020℃〜1050℃が更に好ましい。焼成は、温度が950℃以上であれば、銅粒子及び銅合金粒子から選択される少なくとも一種と銅で被覆された鉄粒子との焼結が十分となり、十分な強度を得られる傾向にある。一方、温度が1050℃以下であれば、成形体から銅が溶出しにくい傾向にある。焼成時間は原料の配合割合、成形品の形状、焼成炉の能力等により決められるものであり、本実施形態においては特に制限されるものではない。なお、生産性及び生産コストの点から、焼成はできるだけ短時間で終了することがよい。具体的には5時間〜20時間が好ましく、6時間〜15時間がより好ましく、7時間〜10時間が更に好ましい。
<摺動部材>
本実施形態の摺動部材は、本実施形態の摺動材料を用いるものである。本実施形態の摺動部材としては、パンタグラフ用すり板、電動機器用ブラシ等が挙げられる。
本実施形態の摺動部材は、摺動部材の形状に合わせて摺動材料を作製することにより得ることができる。また、本実施形態の摺動部材は、摺動材料を作製後、摺動部材の形状に合わせて摺動材料を加工することで得ることもできる。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
骨材として平均粒子径が20μmのピッチコークス65質量%及び結合剤としてタールピッチ(川崎製鉄(株)製、商品名PKL)35質量%を配合し、双腕型ニーダーを用いて双腕型ニーダーの設定温度250℃で4時間加熱混練した。
この後、上記の混練物を、平均粒子径250μmに粉砕した。この粉砕粒子40質量%と銅粒子(JX日鉱日石金属(株)製、商品名#52−D、平均粒子径30μm)55質量%と銅メッキ鉄粒子(JX日鉱日石金属(株)製、商品名FC−330、銅含有率30質量%、見掛け密度1.75g/cm)5質量%とを配合し、鉄含有量/銅含有量の比を0.06とした。この配合粒子を混合し、寸法が100mm×100mm×50mmの金型に入れ、成形圧力400MPaで成形した。得られた成形品を、窒素雰囲気で1050℃まで10時間かけて昇温速度が105℃/分で昇温した後、1050℃で1時間保持し、その後冷却した。
得られた摺動材料の物理特性と摩耗試験の結果を表1に示す。
[実施例2]
骨材として平均粒子径が20μmのピッチコークス65質量%及び結合剤としてタールピッチ(川崎製鉄(株)製、商品名PKL)35質量%を配合し、双腕型ニーダーを用いて双腕型ニーダーの設定温度250℃で4時間加熱混練した。
この後、上記の混練物を、平均粒子径250μmに粉砕した。この粉砕粒子40質量%と銅粒子(JX日鉱日石金属(株)製、商品名#52−D)25質量%と銅メッキ鉄粒子(JX日鉱日石金属(株)製、商品名FC−330、銅含有率30質量%、見掛け密度1.75g/cm)35質量%とを配合し、鉄含有量/銅含有量の比を0.7とした。この配合粒子を混合し、寸法が100mm×100mm×50mmの金型に入れ、成形圧力400MPaで成形した。得られた成形品を、窒素雰囲気で1050℃まで10時間かけて昇温速度が105℃/分で昇温した後、1050℃で1時間保持し、その後冷却した。
得られた摺動材料の物理特性と摩耗試験の結果を表1に示す。
[実施例3]
骨材として平均粒子径が20μmのピッチコークス65質量%及び結合剤としてタールピッチ(川崎製鉄(株)製、商品名PKL)35質量%を配合し、双腕型ニーダーを用いて双腕型ニーダーの設定温度250℃で4時間加熱混練した。
この後、上記の混練物を、平均粒子径250μmに粉砕した。この粉砕粒子40質量%と銅粒子(JX日鉱日石金属(株)製、商品名#52−D)15質量%と銅メッキ鉄粒子(JX日鉱日石金属(株)製、商品名FC−330、銅含有率30質量%、見掛け密度1.75g/cm)45質量%とを配合し、鉄含有量/銅含有量の比を1.1とした。この配合粒子を混合し、寸法が100mm×100mm×50mmの金型に入れ、成形圧力400MPaで成形した。得られた成形品を、窒素雰囲気で1050℃まで10時間かけて昇温速度が105℃/分で昇温した後、1050℃で1時間保持し、その後冷却した。
得られた摺動材料の物理特性と摩耗試験の結果を表1に示す。
[実施例4]
骨材として平均粒子径が20μmのピッチコークス65質量%及び結合剤としてタールピッチ(川崎製鉄(株)製、商品名PKL)35質量%を配合し、双腕型ニーダーを用いて双腕型ニーダーの設定温度250℃で4時間加熱混練した。
この後、上記の混練物を、平均粒子径250μmに粉砕した。この粉砕粒子40質量%と銅粒子(JX日鉱日石金属(株)製、商品名#52−D)3質量%と銅メッキ鉄粒子(JX日鉱日石金属(株)製、商品名FC−330、銅含有率30質量%、見掛け密度1.75g/cm)57質量%とを配合し、鉄含有量/銅含有量の比を2.0とした。この配合粒子を混合し、寸法が100mm×100mm×50mmの金型に入れ、成形圧力400MPaで成形した。得られた成形品を、窒素雰囲気で1050℃まで10時間かけて昇温速度が105℃/分で昇温した後、1050℃で1時間保持し、その後冷却した。
得られた摺動材料の物理特性と摩耗試験の結果を表1に示す。
[比較例1]
骨材として平均粒子径が20μmのピッチコークス65質量%及び結合剤としてタールピッチ(川崎製鉄(株)製、商品名PKL)35質量%を配合し、双腕型ニーダーを用いて双腕型ニーダーの設定温度250℃で4時間加熱混練した。
この後、上記の混練物を、平均粒子径250μmに粉砕した。この粉砕粒子40質量%と銅粒子(JX日鉱日石金属(株)製、商品名#52−D)60質量%とを配合した。この配合粒子を混合し、寸法が100mm×100mm×50mmの金型に入れ、成形圧力400MPaで成形した。得られた成形品を、窒素雰囲気で1050℃まで10時間かけて昇温速度が105℃/分で昇温した後、1050℃で1時間保持し、その後冷却した。
得られた摺動材料の物理特性と摩耗試験の結果を表1に示す。
[比較例2]
骨材として平均粒子径が20μmのピッチコークス65質量%及び結合剤としてタールピッチ(川崎製鉄(株)製、商品名PKL)35質量%を配合し、双腕型ニーダーを用いて双腕型ニーダーの設定温度250℃で4時間加熱混練した。
この後、上記の混練物を、平均粒子径250μmに粉砕した。この粉砕粒子40質量%と銅メッキ鉄粒子(JX日鉱日石金属(株)製、商品名FC−330、銅含有率30質量%、見掛け密度1.75g/cm)60質量%とを配合し、鉄含有量/銅含有量の比を2.3とした。この配合粒子を混合し、寸法が100mm×100mm×50mmの金型に入れ、成形圧力400MPaで成形した。得られた成形品を、窒素雰囲気で1050℃まで10時間かけて昇温速度が105℃/分で昇温した後、1050℃で1時間保持し、その後冷却した。
得られた摺動材料の物理特性と摩耗試験の結果を表1に示す。
[比較例3]
骨材として平均粒子径が20μmのピッチコークス65質量%及び結合剤としてタールピッチ(川崎製鉄(株)製、商品名PKL)35質量%を配合し、双腕型ニーダーを用いて双腕型ニーダーの設定温度250℃で4時間加熱混練した。
この後、上記の混練物を、平均粒子径250μmに粉砕した。この粉砕粒子40質量%と銅粒子(JX日鉱日石金属(株)製、商品名#52−D)45質量%と鉄粒子(JFEスチール(株)製、商品名JIP270MS、見掛け密度2.78g/cm)15質量%とを配合し、鉄含有量/銅含有量の比を0.3とした。この配合粒子を混合し、寸法が100mm×100mm×50mmの金型に入れ、成形圧力400MPaで成形した。得られた成形品を、窒素雰囲気で1050℃まで10時間かけて昇温速度が105℃/分で昇温した後、1050℃で1時間保持し、その後冷却した。
得られた摺動材料の物理特性と摩耗試験の結果を表1に示す。
尚、摩耗試験は、得られた摺動材料を5mm×5mm×25mmの試験片(摺動面5mm×5mm)に切り出し、該試験片を外径寸法φ300mmの銅リング上で摺動させて行なった。周速は30m/s、面圧は0.3MPa、電流は20Aとして5時間試験を行ない、試験片及び銅リングの摩耗量を測定した。
比抵抗と曲げ強さは、JIS規格「JIS C 2820」電気機械用ブラシ材料の物理特性試験方法に準拠して測定した。
シャルピー衝撃値は、JIS規格「JIS Z 2242」金属材料のシャルピー衝撃試験方法に準拠して測定した。
表1に示されるように、実施例1〜4は、比較例1〜3に比べて試験片(摺動材料)の摩耗量が少なく、本実施形態の摺動材料は耐摩耗性に優れることがわかる。また実施例1〜4は、比較例3に比べてリング摩耗量も少なく、自己潤滑性に優れることがわかる。
さらに、表1に記載の評価結果は、いずれも、本実施形態の摺動材料は物理特性を満足した上で耐摩耗性に優れることを示している。

Claims (4)

  1. 銅粒子及び銅合金粒子から選択される少なくとも一種と、炭素粒子と、銅で被覆された鉄粒子と、の焼成物を含む摺動材料。
  2. 鉄含有量と銅含有量との質量基準の比(鉄含有量/銅含有量)が、0.06〜2.0である請求項1に記載の摺動材料。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の摺動材料を用いる摺動部材。
  4. 銅粒子及び銅合金粒子から選択される少なくとも一種と、炭素粒子と、銅で被覆された鉄粒子とを焼成する工程を含む摺動材料の製造方法。
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