JP2017056963A - 穀物袋および防虫方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた防虫効果を有する穀物袋を提供する。
【解決手段】穀物袋1は、袋本体20と、袋本体の内部を少なくとも2つの空間に仕切るための仕切り部材31とを有する。空間はそれぞれ開口部20cを有しており、仕切り部材が、少なくとも1種の防虫成分を含む防虫ネットである。
【選択図】図1

Description

本発明は、穀物袋および防虫方法に関する。
従来、穀物袋としては、特開2011−88638号公報(特許文献1)に記載されたものがある。この穀物袋は、表地と裏地の二重構造を有し、裏地の目巾が、穀物の野毛を貫通しない程度に設定されている。これにより、野毛の多い穀物を穀物袋に収納しても、その野毛が裏地に引っ掛かることがなく、排出時に全ての穀物を完全に排出することができる。
特開2011−88638号公報
ところで、前記従来の穀物袋では、穀物を穀物袋内に収納しているとき、穀物に付着している害虫や、穀物袋の外部から侵入する害虫によって、穀物が、被害を受けるおそれがある。
そこで、本発明の課題は、優れた防虫効果を有する穀物袋および防虫方法を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明の穀物袋は、
袋本体と、
前記袋本体の内部を少なくとも2つの空間に仕切るための仕切り部材と
を有し、
前記空間はそれぞれ開口部を有しており、前記仕切り部材が、少なくとも1種の防虫成分を含む防虫ネット(A)である。
本発明の穀物袋によれば、少なくとも1種の防虫成分を含む防虫ネット(A)を有するので、殺虫効果を発揮して、優れた防虫効果を有する穀物袋を提供できる。
前記実施形態によれば、袋本体の内部を少なくとも2つの空間に仕切るための仕切り部材は、防虫ネット(A)であるので、袋本体内に穀物を収納する際、穀物に付着している害虫に対して、有効に防虫効果を発揮する。さらに、作業者は、袋本体を持ち運ぶ際、袋本体の外側に触れても、防虫ネットに直接に触れることがなく、防虫剤が作業者に付着し難くなる。さらに、害虫が袋本体の内部の少なくとも2つの空間を移動しようとすると、害虫がネットに触れて、防虫効果が向上する。
また、穀物袋の一実施形態では、前記袋本体の内面に、少なくとも1種の防虫成分を含む防虫ネット(B)を備える。
前記実施形態によれば、袋本体の内面に、防虫ネット(B)を備えるので、袋本体内に穀物を収納する際、穀物に付着している害虫に対して、有効に防虫効果を発揮する。
また、穀物袋の一実施形態では、前記袋本体の外面に、少なくとも1種の防虫成分を含む防虫ネット(C)を備える。
前記実施形態によれば、袋本体の外面に、防虫ネット(C)を備えるので、袋本体の外から内に侵入する害虫に対して、有効に防虫効果を発揮する。
また、穀物袋の一実施形態では、
前記袋本体が、内面シートと、外面シートと、その間に少なくとも1種の防虫成分を含む防虫ネット(D)を備える構造を有する。
前記実施形態によれば、袋本体の内面シートと外面シートの間に防虫ネット(D)を備えるので、袋本体の外から内に侵入する害虫に対して、有効に防虫効果を発揮する。
また、穀物袋の一実施形態では、前記防虫ネット(A)、前記防虫ネット(B)、前記防虫ネット(C)及び前記防虫ネット(D)の何れかは、少なくとも1種の防虫成分を含む熱可塑性樹脂製ネットである。
また、穀物袋の一実施形態では、前記防虫ネット(A)、前記防虫ネット(B)、前記防虫ネット(C)及び前記防虫ネット(D)の何れかに含まれる防虫成分は、ピレスロイド化合物及び昆虫成長制御剤の少なくとも一方を含む。
また、穀物袋の一実施形態では、前記ピレスロイド化合物は、ペルメトリンである。
また、穀物袋の一実施形態では、前記昆虫成長制御剤は、ピリプロキシフェンである。
また、防虫方法の一実施形態では、前記穀物袋内に穀物を入れる工程を有する、前記穀物袋内に収納される穀物を害虫から保護する。
前記実施形態によれば、前記穀物袋を用いて穀物を害虫から保護するので、優れた防虫効果を発揮できる。
本発明の穀物袋および防虫方法によれば、少なくとも1種の防虫成分を含む防虫ネットを有するので、優れた防虫効果を有する。
本発明の穀物袋の第1実施形態を示す一部破断の斜視図である。 穀物袋の平面図である。 穀物袋の分解斜視図である。 編構造の防虫ネットの拡大図である。 織構造の防虫ネットの拡大図である。 四角形の網目の防虫ネットの拡大図である。 六角形の網目の防虫ネットの拡大図である。 本発明の穀物袋の第2実施形態を示す分解斜視図である。 本発明の穀物袋の第3実施形態を示す分解斜視図である。 本発明の穀物袋の第4実施形態を示す分解斜視図である。 本発明の穀物袋の第4実施形態における袋本体の断面図である。 実験データを示すグラフである。
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の穀物袋の第1実施形態を示す一部破断の斜視図である。図2は、穀物袋の平面図である。図3は、穀物袋の分解斜視図である。図1と図2と図3に示すように、穀物袋1は、袋本体20と、袋本体20に取り付けられた防虫ネット31(防虫ネット(A)の一例)とを有する。
防虫ネット31は、袋本体20の内部を2つの空間S1,S2に仕切るための仕切り部材である。防虫ネット31は、袋本体20の開口部20c側からみて袋本体20の内部を2つの空間S1,S2に仕切るように、袋本体20の内面20aに取り付けられている。つまり、防虫ネット31は、仕切りの防虫ネット31である。防虫ネット31は、少なくとも1種の防虫成分を含む。
袋本体20は、上側に開口部20cを有し、下側に底部20dを有する。開口部20cは、例えば、ファスナーや紐などの開閉具により、開閉可能に構成される。袋本体20の形状は、膨らんだ状態で、円筒形状であるが、厚みのある板状や略球状や円錐状などであってもよい。
穀物は、袋本体20の開口部20cから出し入れされる。穀物は、例えば、芋、とうもろこし、米、麦、あわ、ひえ、豆、きび、そば等である。
袋本体20の材料は、好ましくは、ポリプロピレンであるが、その他の樹脂や麻などであってもよい。袋本体20の材料は、例えば、熱可塑性樹脂や、天然繊維、ガラス繊維等の繊維である。
防虫ネット31の数量は、1枚である。防虫ネット31は、矩形状である。防虫ネット31の左右の端縁のそれぞれが、袋本体20の内面20aに取り付けられる。防虫ネット31の左右の端縁は、例えば、熱圧着や縫製や接着などにより、袋本体20の内面20aに張り付けられる。
これにより、防虫ネット31は、開口部20c側からみて、袋本体20の内部に、2つの空間S1,S2を形成する。2つの空間S1,S2は、それぞれ、開口部を有する。2つの空間S1,S2は、開口部20cから底部20dに渡る方向(上下方向)に直交する水平方向に、形成される。2つの空間S1,S2の大きさは、開口部20c側からみて、同じであってもよく、または、異なっていてもよい。
防虫ネット31の上下の長さは、袋本体20の上下の長さよりも短い。防虫ネット31は、袋本体20の上下の間の中間の位置にある。防虫ネット31の位置は、害虫が存在する位置に対応する。なお、防虫ネット31は、袋本体20の上下の間の何れの位置にあってもよい。また、防虫ネット31は、水平方向に配置されているが、左右の端縁の一方が上側に位置し、左右の端縁の他方が下側に位置するように、斜め方向に配置されるようにしてもよい。また、防虫ネット31の上下の長さは、袋本体20の上下の長さと略同じであってもよい。また、防虫ネット31は、矩形状でなく、長円形、楕円形、多角形などであってもよい。
なお、防虫ネット31の数量は、2枚以上であってもよく、このとき、複数の防虫ネット31を、袋本体20の内部を3つ以上の空間に仕切るように、袋本体20の内面20aに取り付けてもよい。
防虫ネット31は、図4Aと図4Bの拡大図に示すように、複数の網目35を形成するように、糸36,37を編むか、又は織ることにより形成されるものである。図4Aは、糸36、37を、多数の網目35を形成するように、編んで形成された、編構造の防虫ネット31の一例を示している。図4Aでは、編構造を構成する2本の糸36、37を示すために、一方の糸36を便宜的にハッチングで示している。図4Bは、糸36、37を、多数の網目35を形成するように、織って形成された、織構造の防虫ネット31の一例を示している。図4Bでは、織構造を構成する2本の糸36、37を示すために、一方の糸36に、便宜的にハッチングを付している。糸36、37の素材は、天然繊維、ガラス繊維又は合成繊維である。天然繊維としては、パルプ、セルロース、綿、ジュート及び麻製の天然繊維が挙げられる。合成繊維としては、熱可塑性樹脂製の合成繊維が挙げられる。糸36、37の太さは、ネットとしての強度を維持できる太さである必要があり、通常10〜1000デニール、好ましくは50〜500デニール、更に好ましくは50〜300デニールの範囲である。
防虫ネット31における網目35の形状は、多角形であることが好ましく、多角形としては、四角形、六角形及び八角形等が挙げられる。図4Cは、網目35の形状が四角形である防虫ネット31の一例を示している。図4Dは、網目35の形状が六角形である防虫ネット31の一例を示している。本実施形態においては、網目35の形状が単一である防虫ネット31の使用が好ましく、かかる防虫ネット31における網目35の形状は、四角形又は六角形が好ましい。
網目35の大きさは、防除対象とする害虫の体長に応じて適宜設定され、害虫がネットを通過しようとする際にネットに接触するような大きさであるのが好ましい。網目35の大きさ(ホールサイズ)は、通常0.1〜50mm、好ましくは0.2〜20mm、より好ましくは0.2〜10mmの範囲である。網目35の形状が四角形の場合、網目35の大きさは対辺間の距離で表され、図4Cにおける長さa及びbで表される。また、二辺のなす角のうち、小さい方の角度は、通常60〜90度の範囲である。当該角度が90度であり、且つ長さaと長さ(幅)bとが同一である場合、網目35の形状は正方形であり、網目35の大きさは正方形の一辺の長さで表される。網目35の形状が六角形又は八角形の場合、網目35の大きさは対角線の長さで表される。なお、網目35の形状が六角形の場合の網目35の大きさは、図4Dにおける対角線の長さcで表される。
防虫ネット31は、熱可塑性樹脂製ネットであることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、及びポリ塩化ビニル等が挙げられる。かかる熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、次の化合物が好ましい。
(i)オレフィンの単独重合体:エチレンホモポリマー、プロピレンホモポリマー等。
(ii)エチレン−α−オレフィン共重合体:エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体等。
(iii)エチレン性不飽和結合を有する有機カルボン酸またはその誘導体とエチレンとの共重合体:エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メチルメタクリレート共重合体等。
前記熱可塑性樹脂製ネットは、熱可塑性樹脂を紡糸して得られる糸(以下、「熱可塑性樹脂糸」と記す)から形成される。熱可塑性樹脂糸は、熱可塑性樹脂を溶融混練し、次いで溶融紡糸することにより得られる。溶融混練は、押出機、ロール成形機、及びニーダー等の機器を使用して行うことができる。
防虫ネット31の糸36、37は、それぞれ、担体を有し、担体に、防虫成分が保持される。防虫成分は、担体に混合され、または、担体表面にコーティングされる。すなわち、担体の材料は、好ましくは、熱可塑性樹脂である。防虫成分は、ピレスロイド化合物及び昆虫成長制御剤の少なくとも一方を含む。
(1)ピレスロイド化合物及び昆虫成長制御剤
(1-1)ピレスロイド化合物
ピレスロイド化合物としては、例えば、アクリナトリン(acrinathrin)、アレスリン(allethrin)、d−アレスリン、dd−アレスリン、ビフェントリン(bifenthrin)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、シフルトリン(cyfluthrin)、ベータシフルトリン(beta−cyfluthrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、ガンマシハロトリン(gamma−cyhalothrin)、ラムダシハロトリン(lambda−cyhalothrin)、シペルメトリン(cypermethrin)、アルファシペルメトリン(alpha−cypermethrin)、シータサイパーメトリン(theta−cypermethrin)、ゼータシペルメトリン(zeta−cypermethrin)、シフェノトリン(cyphenothrin)、デルタメトリン(deltamethrin)、ジメフルトリン(dimefluthrin)、エンペントリン(empenthrin)、エスフェンバレレート(esfenvalerate)、エトフェンプロックス(etofenprox)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、フェンバレレート(fenvalerate)、フルシトリネート(flucythrinate)、フルフェンプロックス(flufenprox)、フルメトリン(flumethrin)、フルバリネート(fluvalinate)、フラメトリン(furamethrin)、ハルフェンプロックス(halfenprox)、イミプロトリン(imiprothrin)、メトフルトリン(metofluthrin)、ペルメトリン(permethrin)、フェノトリン(phenothrin)、d−フェノトリン、プラレトリン(prallethrin)、プロフルトリン(profluthrin)、ピレトリン(pyrethrins)、レスメトリン(resmethrin)、d−レスメトリン、シラフルオフェン(silafluofen)、タウフルバリネート(tau−fluvalinate)、テフルトリン(tefluthrin)、テラレスリン(terallethrin)、テトラメトリン(tetramethrin)、d−テトラメトリン、トラロメトリン(tralomethrin)、トランスフルトリン(transfluthrin)、天然ピレトリン等が挙げられる。
なお、ピレスロイド化合物としては、ペルメトリン、エスフェンバレレート、デルタメトリン、アルファシペルメトリン、ラムダシハロトリン、ビフェントリン及びエトフェンプロックスからなる群より選ばれる少なくとも1種が、好ましい。
これらのピレスロイド化合物は、一種のみで、又は、二種以上を組み合わせて、使用できる。また、上記化合物の中には、光学異性体、立体異性体、又は幾何異性体等が存在するものもあるが、本発明のピレスロイド化合物には、活性な異性体及びその混合物が、含まれる。
(1-2)昆虫成長制御剤
昆虫成長制御剤としては、具体的には、幼若ホルモン活性化合物やキチン合成阻害剤を挙げることができる。
幼若ホルモン活性化合物としては、例えば、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、ヒドロプレン(hydroprene)、メトプレン(methoprene)、フェノキシカルブ(fenoxycarb)等が挙げられる。
キチン合成阻害剤としては、例えば、エトキサゾール(etoxazole)、ビストリフルロン(bistrifluron)、クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、ジフルベンズロン(diflubenzuron)、フルアズロン(fluazuron)、フルシクロクスロン(flucycloxuron)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ルフェヌロン(lufenuron)、ノバルロン(novaluron)、ノビフルムロン(noviflumuron)、テフルベンズロン(teflubenzuron)、トリフルムロン(triflumuron)等が挙げられる。
熱可塑性樹脂製ネットに含まれる防虫成分の量は、熱可塑性樹脂製ネット100重量%に対して、通常0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜10重量%である。
なお、昆虫成長制御剤としては、ピリプロキシフェン及びメトプレンより選ばれる少なくとも1種が、好ましい。
(2)態様
例えば、具体的には、次の態様が挙げられる。
(2-1)ピレスロイド化合物と昆虫成長制御剤とが、担体に混合されている。
(2-2)ピレスロイド化合物と昆虫成長制御剤とが、担体表面にコーティングされている。
(2-3)ピレスロイド化合物が担体に混合され、昆虫成長制御剤が担体表面にコーティングされている。
(2-4)ピレスロイド化合物が担体表面にコーティングされ、昆虫成長制御剤が担体に混合されている。
防虫ネットが、ピレスロイド殺虫剤と昆虫成長制御剤とを含む場合、ピレスロイド殺虫剤と昆虫成長制御剤との配合比は、重量比で通常1:10000〜1000:1、好ましくは1:1000〜100:1、より好ましくは1:20〜20:1、より一層好ましくは1:10〜10:1の範囲であり、最も好ましくは1:5〜5:1の範囲である。
ピレスロイド殺虫剤と昆虫成長制御剤との組み合わせとしては、例えば以下の組み合わせが挙げられる。
・ペルメトリンとピリプロキシフェン
・エスフェンバレレートとピリプロキシフェン
・デルタメトリンとピリプロキシフェン
・アルファシペルメトリンとピリプロキシフェン
・ビフェントリンとピリプロキシフェン
・エトフェンプロックスとピリプロキシフェン
・ペルメトリンとメトプレン
・エスフェンバレレートとメトプレン
・デルタメトリンとメトプレン
・アルファシペルメトリンとメトプレン
・ビフェントリンとメトプレン
・エトフェンプロックスとメトプレン
上記の組み合わせの中でも、ペルメトリンまたはエスフェンバレレートと、ピリプロキシフェンとの組み合わせが好ましい。
また、ペルメトリンまたはエスフェンバレレートとピリプロキシフェンとの配合比の例としては、重量比で1:1または2:1が挙げられる。
防虫ネットとして、防虫成分が含有されてなる熱可塑性樹脂製ネットとして、市販されているネットを使用することができる。かかるネットとしては、例えば、BASF SEのInterceptor(登録商標)(アルファ-シペルメトリンを含むポリエステル製ネット)、Clarke Mosquito Control Product Inc.のDuraNet(登録商標)(アルファ-シペルメトリンを含むポリエチレン製ネット)、Tanna Netting Co. LtdのDawa Plus(登録商標)(デルタメトリンを含むポリエステル製ネット)、Bestnet Europe LtdのNetProtect(登録商標)(デルタメトリンを含むポリエチレン製ネット) 、Syngenta AGのIconet(登録商標)(ラムダ-シハロトリンを含むポリエステル製ネット)、Sumitomo ChemicalのOlyset(登録商標)(ペルメトリンを含むポリエチレン製ネット)、Bayer Crop Science AGのLifenet(登録商標)(デルタメトリンを含むポリプロピレン製ネット)、及びVestergaard社のPermaNet(登録商標)(デルタメトリンを含むポリエステル製ネット又はポリエチレン製ネット)が挙げられる。
(3)製造方法
本発明の防虫ネットは、例えば、次の(i)、(ii)、又は(iii)のようにして製造できる。なお、(i)〜(iii)では、担体として熱可塑性樹脂を使用する場合について、説明する。
(i)熱可塑性樹脂と、防虫成分と、任意の配合剤とを、攪拌混合し、得られた混合物を、溶融混練して、樹脂組成物を得、その樹脂組成物を用いて所定の形態の樹脂体を得る。これにより、防虫ネットが得られる。
(ii)熱可塑性樹脂と、ピレスロイド化合物及び昆虫成長制御剤の一方と、任意の配合剤とを、攪拌混合し、得られた混合物を溶融混練して、樹脂組成物を得、その樹脂組成物を用いて所定の形態の樹脂体を得る。そして、ピレスロイド化合物及び昆虫成長制御剤の他方を、樹脂体の表面にコーティングする。これにより、防虫ネットが得られる。
(iii)熱可塑性樹脂と、任意の配合剤とを、攪拌混合し、得られた混合物を、溶融混練して、樹脂組成物を得、その樹脂組成物を用いて所定の形態の樹脂体を得る。そして、ピレスロイド化合物及び昆虫成長制御剤を、樹脂体の表面にコーティングする。これにより、防虫ネットが得られる。
なお、上記(i)〜(iii)の方法において、樹脂体は、例えば、樹脂組成物を溶融成形して形成できるが、その他の成形方法によって形成してもよい。そのような成形方法としては、樹脂の成形加工で通常用いられる方法を使用でき、例えば、押出成形、射出成形、ブロー成形、圧縮成形、粉末成形、又はプレス成形等が、挙げられる。
また、ピレスロイド化合物及び/又は昆虫成長制御剤を担体表面にコーティングする方法としては、例えば、当該成分を、そのままで、又は、アルコール等の溶剤に溶解して、樹脂体に、浸漬処理、スプレー処理、又は塗布処理する方法が、挙げられる。
また、ピレスロイド化合物及び昆虫成長制御剤の少なくとも一方を、補助担体に担持した後、熱可塑性樹脂と溶融混練して、樹脂組成物を得、その樹脂組成物を用いて所定の形態の樹脂体を得ることもできる。上記補助担体としては、シリカ系化合物、ゼオライト類、粘度鉱物、金属酸化物、雲母類、ハイドロタルサイト類、有機担体等が、挙げられる。シリカ系化合物としては、非晶性シリカと結晶性シリカがあり、例えば、粉末ケイ酸、微粉末ケイ酸、酸性白土、珪藻土、石英、ホワイトカーボン等が、挙げられる。ゼオライト類としては、A型ゼオライト、モルデナイト等が、挙げられ、粘度鉱物としては、モンモリロナイト、サポナイト、バイデライト、ベントナイト、カオリナイト、ハロイサイト、ナクライト、デッカイト、アノーキサイト、イライト、セリサイト等が、挙げられ、金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化銅、酸化チタン等が、挙げられ、雲母類としては、雲母、バーミキュライト等が、挙げられ、ハイドロタルサイト類としては、ハイドロタルサイト、スメクタイト等が、挙げられ、有機担体としては、炭類(木炭、泥炭、草炭等)、ポリマービーズ(微結晶セルロース、ポリスチレンビーズ、アクリル酸エステル系ビーズ、メタクリル酸エステル系ビーズ、ポリビニルアルコール系ビーズ等)、及びそれらの架橋ポリマービーズ等が、挙げられる。その他にも、パーライト、石こう、セラミック、火山性岩等が、挙げられる。上記補助担体としては、非晶性無機担体が好ましく、非晶性シリカが、更に好ましい。
本発明の防虫ネットは、共力剤、ネオニコチノイド系化合物、カーバメート系化合物、有機リン系化合物、フェニルピラゾール系化合物、ピロール系化合物やオキサジアジン系化合物などの殺虫剤、忌避剤、酸化防止剤、防黴剤、抗菌剤、顔料、芳香剤、消臭剤、展着剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、界面活性剤、充填剤、難然剤、可塑剤、又は防錆剤等の、配合剤を、含有してもよい。
なお、上記配合剤として、共力剤を用いる場合には、本発明の防虫ネットは、例えば、次の(i)、(ii)、又は(iii)のようにして製造できる。なお、(i)〜(iii)では、担体として熱可塑性樹脂を使用する場合について、説明する。
(i)熱可塑性樹脂と、防虫成分と、共力剤と、他の任意の配合剤とを、攪拌混合し、得られた混合物を、溶融混練して、樹脂組成物を得、その樹脂組成物を用いて所定の形態の樹脂体を得る。これにより、防虫ネットが得られる。
(ii)熱可塑性樹脂と、ピレスロイド化合物、昆虫成長制御剤、及び共力剤からなる群から選択した少なくとも1種の成分と、他の任意の配合剤とを、攪拌混合し、得られた混合物を溶融混練して、樹脂組成物を得、その樹脂組成物を用いて所定の形態の樹脂体を得る。そして、上記群から選択しなかった成分を、樹脂体の表面にコーティングする。これにより、防虫ネットが得られる。
(iii)熱可塑性樹脂と、他の任意の配合剤とを、攪拌混合し、得られた混合物を、溶融混練して、樹脂組成物を得、その樹脂組成物を用いて所定の形態の樹脂体を得る。そして、ピレスロイド化合物、昆虫成長制御剤、及び共力剤を、樹脂体の表面にコーティングする。これにより、防虫ネットが得られる。
共力剤としては、例えば、次のものが挙げられる。
・α−[2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ]−4,5−メチレンジオキシ−2−プロピルトルエン [ピペロニルブトキサイド(PBO)]
・N−(2−エチルヘキシル)−1−イソプロピル−4−メチルビシクロ(2,2,2)オクト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド [サイネピリン500]
・ステアリン酸ブチル
・ビス−(2,3,3,3−テトラクロロプロピル)エーテル [S−421]
・N−(2−エチルヘキシル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド [MGK264]
本発明の防虫ネットにおける各成分の配合量は、熱可塑性樹脂30〜99重量%、ピレスロイド化合物0.01〜50重量%、及び昆虫成長制御剤0.001〜50重量%が好ましく、熱可塑性樹脂50〜99重量%、ピレスロイド化合物0.1〜25重量%、及び昆虫成長制御剤0.01〜25重量%がより好ましい。
更に、共力剤を含む場合の本発明の防虫ネットにおける各成分の配合量は、熱可塑性樹脂30〜99重量%、ピレスロイド化合物0.01〜50重量%、昆虫成長制御剤0.001〜50重量%、及び共力剤0.01〜50重量%が好ましく、熱可塑性樹脂50〜99重量%、ピレスロイド化合物0.1〜25重量%、昆虫成長制御剤0.01〜25重量%、及び共力剤0.1〜25重量%がより好ましい。
次に、穀物袋1の効果について説明する。
前記穀物袋1によれば、少なくとも1種の防虫成分を含む防虫ネット31を有するので、殺虫効果を発揮して、優れた防虫効果を有する穀物袋1を提供できる。また、穀物袋1内に穀物を入れることで、穀物袋1内に収納される穀物を害虫から保護する。つまり、防虫方法は、穀物袋1内に穀物を入れる工程を有し、穀物を害虫から保護する。
害虫としては、例えば、コメノゴミムシダマシ(Tenebrio obscurus)、チャイロコメノゴミムシダマシ(Tenebrio molitor)、クロゴミムシダマシ(Neatus ventralis)、フタオビツヤゴミムシダマシ(Alphitophagus bifasciatus)、ガイマイゴミムシダマシ(Alphitobius diaperinus)、ヒメゴミムシダマシ(Alphitobius laevigatus)、ヒラタコクヌストモドキ(Tribolium confusum)、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)、カシミールコクヌストモドキ(Tribolium freemani)、コクゾウムシ(Sitophilus zeamais)、ココクゾウムシ(Sitophilus oryzae)、グラナリアコクゾウムシ(Sitophilus granarius)、コナナガシンクイムシ(Rhyzopertha dominica)、チビタケナガシンクイムシ(Dinoderus minutus)、コメノケシキスイ(Carpophilus pilosellus)、ガイマイデオキスイ(Carpophilus dimidiatus)、ノコギリヒラタムシ(Oryzaephilus surinamensis)、オオメノコギリヒラタムシ(Oryzaephilus mercator)、カクムネヒラタムシ(Cryptolestes pusillus)、タバコシバンムシ(Lasioderma serricorne)、ジンサンシバンムシ(Stegobium paniceum)、ヒメマルカツオブシムシ(Anthrenus verbasci)、シロオビマルカツオブシムシ(Anthrenus nipponensis)、ヒメカツオブシムシ(Attagenus unicolor japonicus)、オビヒメカツオブシムシ(Attagenus fasciatus)、ハラジロカツオブシムシ(Dermestes maculatus)、ヒメアカカツオブシムシ(Trogoderma granarium)、アカマダラカツオブシムシ(Trogoderma varium)、チビケカツオブシムシ(Trinodes rufescens)、アズキゾウムシ(Callosobruchus chinensis)、ヨツモンマメゾウムシ(Callosobruchus maculatus)、アカイロマメゾウムシ(Callosobruchus analis)、インゲンマメゾウムシ(Acanthoscelides obtectus)、ニセセマルヒョウホンムシ(Gibbium aequinoctiale)、ナガヒョウホンムシ(Ptinus japonicus)、コクヌスト(Tenebroides mauritanicus)、ホソチビコクヌスト(Lophocateres pusillus)、Prostephanus truncatus、Zabrotes subfasciatus、Bruchus pisorum、Cryptolestes ferrugineus、Cryptolestes turcicus、Latheticus oryzae、Tribolium destructor、Araecerus fasciculatus、Bruchidius atrolineatus、Callosobruchus rhodesianus、Callosobruchus subinotatus、Caryedon gonagra、Trogoderma granarius、ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)、スジマダラメイガ(Cadra cautella)、スジコナマダラメイガ(Ephestia kuehniella)、チャマダラメイガ(Ephestia elutella)、ガイマイツヅリガ(Corcyra cephalonica)、イッテンコクガ(Paralipsa gularis)、カシノシマメイガ(Pyralis farinalis)、コメノシマメイガ(Aglossa dimidiata)、バクガ(Sitotroga cerealella)、ヒラタチャタテ(Liposcelis bostrychophila)、Ephestia cautella、Myelois ceratoniaeである。前記穀物袋1は、これらの害虫に対して、優れた防虫効果を発揮する。
前記穀物袋1によれば、防虫ネット31は、袋本体20の開口部20c側からみて袋本体20の内部を2つの空間S1,S2に仕切るように、袋本体20の内面20aに取り付けられている。これにより、袋本体20内に穀物を収納する際、穀物に付着している害虫に対して、有効に防虫効果を発揮する。さらに、作業者は、袋本体20を持ち運ぶ際、袋本体20の外側に触れても、防虫ネット31に直接に触れることがなく、防虫剤が作業者に付着し難くなる。さらに、害虫が袋本体20の内部の2つの空間S1,S2を移動しようとすると、害虫がネットに触れて、防虫効果が向上する。
前記穀物袋1によれば、袋本体20と防虫ネット31は、別部材である。これにより、袋本体20に強度をもたせ、防虫ネット31に防虫機能をもたせて、機能を分けることができ、強度と防虫を兼ね備えた穀物袋1を容易に製造できる。さらに、既存の袋本体20に防虫ネット31を取り付けて、穀物袋1を製造できるので、既存の袋本体20の利用が可能となる。
前記穀物袋1によれば、防虫ネット31は、ネットの形状を有する。これにより、害虫が防虫ネット31の網目35を往来する際に、害虫が防虫ネット31に触れる機会が多くなって、防虫効果が向上する。さらに、シートの形状に比べて表面積が小さくなり、穀物との接触面積を小さくできて、防虫剤が穀物に付着し難くなる。また、ネット形状であることから伸縮性があり、袋本体20の形状にフィットする。さらに、ネット形状であることから通気性が高く、袋本体20に取り付けても加湿になることがない。
(第2実施形態)
図5は、本発明の穀物袋の第2実施形態を示す分解斜視図である。第2実施形態は、第1実施形態と比べて、他の防虫ネットを追加した構成が相違する。この相違する構成を以下に説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同一の符号は、第1実施形態と同じ構成であるため、その説明を省略する。
図5に示すように、第2実施形態の穀物袋1Aは、第1実施形態の第1の防虫ネット31に加えて、少なくとも1種の防虫成分を含む第2の防虫ネット32(防虫ネット(B)の一例)を有する。第2の防虫ネット32の材料は、第1の防虫ネット31の材料と同じである。第2の防虫ネット32の形状は、第1の防虫ネット31の形状と同じである。
第2の防虫ネット32は、袋本体20の内面20aに張り付けられている。つまり、第2の防虫ネット32は、内張りの防虫ネット32である。第2の防虫ネット32の数量は、第2実施形態では、2枚である。なお、第2の防虫ネット32の数量は、1枚または3枚以上であってもよい。
第2の防虫ネット32は、矩形状であり、第2の防虫ネット32の上下の長さは、袋本体20の上下の長さと略同じである。なお、第2の防虫ネット32の上下の長さは、袋本体20の上下の長さよりも短くてもよく、このとき、第2の防虫ネット32は、袋本体20の上下の間の何れの位置にあってもよい。また、第2の防虫ネット32は、矩形状でなく、長円形、楕円形、多角形などであってもよい。
第2の防虫ネット32は、例えば、熱圧着や縫製や接着などにより、袋本体20の内面20aに張り付けられる。第2の防虫ネット32の一部が、張り付けられてもよく、または、第2の防虫ネット32の全部が、張り付けられてもよい。
前記第2実施形態の穀物袋1Aによれば、前記第1実施形態と同様の効果を有する。さらに、第2の防虫ネット32は、袋本体20の内面20aに張り付けられているので、袋本体20内に穀物を収納する際、穀物に付着している害虫に対して、有効に防虫効果を発揮する。
(第3実施形態)
図6は、本発明の穀物袋の第3実施形態を示す分解斜視図である。第3実施形態は、第1実施形態と比べて、他の防虫ネットを追加した構成が相違する。この相違する構成を以下に説明する。なお、第3実施形態において、第1実施形態と同一の符号は、第1実施形態と同じ構成であるため、その説明を省略する。
図6に示すように、第3実施形態の穀物袋1Bは、第1実施形態の第1の防虫ネット31に加えて、少なくとも1種の防虫成分を含む第3の防虫ネット33(防虫ネット(C)の一例)を有する。第3の防虫ネット33の材料は、第1の防虫ネット31の材料と同じである。第3の防虫ネット33の形状は、第1の防虫ネット31の形状と同じである。
第3の防虫ネット33は、袋本体20の外面20bに張り付けられている。つまり、第3の防虫ネット33は、外張りの防虫ネット32である。第3の防虫ネット33の数量は、第3実施形態では、2枚である。なお、第3の防虫ネット33の数量は、1枚または3枚以上であってもよい。
第3の防虫ネット33は、矩形状であり、第3の防虫ネット33の上下の長さは、袋本体20の上下の長さと略同じである。なお、第3の防虫ネット33の上下の長さは、袋本体20の上下の長さよりも短くてもよく、このとき、第3の防虫ネット33は、袋本体20の上下の間の何れの位置にあってもよい。また、第3の防虫ネット33は、矩形状でなく、長円形、楕円形、多角形などであってもよい。
第3の防虫ネット33は、例えば、熱圧着や縫製や接着などにより、袋本体20の外面20bに張り付けられる。第3の防虫ネット33の一部が、張り付けられてもよく、または、第3の防虫ネット33の全部が、張り付けられてもよい。
前記第3実施形態の穀物袋1Bによれば、前記第1実施形態と同様の効果を有する。さらに、第3の防虫ネット33は、袋本体20の外面20bに張り付けられているので、袋本体20の外から内に侵入する害虫に対して、有効に防虫効果を発揮する。
(第4実施形態)
図7Aは、本発明の穀物袋の第4実施形態を示す分解斜視図である。図7Bは、袋本体の断面図である。第4実施形態は、第1実施形態と比べて、袋本体の構成が相違する。この相違する構成を以下に説明する。なお、第4実施形態において、第1実施形態と同一の符号は、第1実施形態と同じ構成であるため、その説明を省略する。
図7Aと図7Bに示すように、第4実施形態の穀物袋1Cの袋本体20Cは、内側の内面シート21と、外側の外面シート22と、内面シート21と外面シート22の間の少なくとも1種の防虫成分を含む第4の防虫ネット34(防虫ネット(D)の一例)とを有する。内面シート21と外面シート22は、例えば、熱圧着や縫製や接着などにより、互いに接合される。袋本体20Cの材料は、第1実施形態の袋本体20の材料と同じであり、好ましくは、ポリプロピレンである。なお、内面シート21と外面シート22との間に、他のシート部材を設けるようにしてもよい。
第4の防虫ネット34の材料は、第1実施形態の第1の防虫ネット31の材料と同じである。第4の防虫ネット34の形状は、第1の防虫ネット31の形状と同じである。
第4の防虫ネット34は、内面シート21と外面シート22の間に取り付けられている。つまり、第4の防虫ネット34は、袋本体20Cの中間層の防虫ネット33である。図7Bでは、第4の防虫ネット34を図4Bに示す織構造としたときの断面図を示す。第4の防虫ネット34の数量は、第4実施形態では、2枚である。なお、第4の防虫ネット34の数量は、1枚または3枚以上であってもよい。
第4の防虫ネット34は、矩形状であり、第4の防虫ネット34の上下の長さは、内面シート21および外面シート22の上下の長さと略同じである。なお、第4の防虫ネット34の上下の長さは、内面シート21および外面シート22の上下の長さよりも短くてもよく、このとき、第4の防虫ネット34は、内面シート21および外面シート22の上下の間の何れの位置にあってもよい。また、第4の防虫ネット34は、矩形状でなく、長円形、楕円形、多角形などであってもよい。
第4の防虫ネット34は、例えば、熱圧着や縫製や接着などにより、内面シート21と外面シート22の間に張り付けられる。第4の防虫ネット34の一部が、張り付けられてもよく、または、第4の防虫ネット34の全部が、張り付けられてもよい。
前記第4実施形態の穀物袋1Cによれば、前記第1実施形態と同様の効果を有する。さらに、第4の防虫ネット34は、袋本体20Cの内面シート21と外面シート22の間に取り付けられているので、袋本体20Cの外から内に侵入する害虫に対して、有効に防虫効果を発揮する。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。例えば、第1から第4実施形態のそれぞれの特徴点を様々に組み合わせてもよい。
(実施例)
以下、本発明の穀物袋の実施例の実験データについて説明する。
図8は、実験データを示すグラフであり、コクゾウムシに対する薬効を示す。「比較例1」は、袋本体として麻袋を用いた。
「実施例1」は、前記第2実施形態の実施例であり、内張りの防虫ネットおよび仕切りの防虫ネットを用いた。防虫ネットの目合い(ホールサイズ)は、4mmである。仕切りの防虫ネットは、斜め方向に配置される。実施例1では、防虫ネットは、2%のペルメトリンのピレスロイド化合物と、1%のピリプロキシフェンの昆虫成長制御剤とを含む。
図8に示すように、比較例1の場合、放飼したコクゾウムシ成虫400頭が、77日後に、約9700頭に増殖した。このとき、生存頭数は9508頭であり、死亡頭数は167頭であり、増殖率は24倍であった。実施例1の増殖条件を、比較例1と同様の条件とした。
実施例1の場合、コクゾウムシは、442頭に抑制された。このとき、生存頭数は0頭であり、死亡頭数は442頭であり、密度抑制効果は95%であった。
したがって、実施例1では、比較例1に比べて、顕著な防虫効果を発揮している。
1,1A〜1C 穀物袋
20,20C 袋本体
20a 内面
20b 外面
20c 開口部
20d 底部
21 内面シート
22 外面シート
31〜34 防虫ネット
35 網目
S1,S2 空間

Claims (9)

  1. 袋本体と、
    前記袋本体の内部を少なくとも2つの空間に仕切るための仕切り部材と
    を有し、
    前記空間はそれぞれ開口部を有しており、前記仕切り部材が、少なくとも1種の防虫成分を含む防虫ネット(A)である、穀物袋。
  2. 前記袋本体の内面に、少なくとも1種の防虫成分を含む防虫ネット(B)を備える、請求項1に記載の穀物袋。
  3. 前記袋本体の外面に、少なくとも1種の防虫成分を含む防虫ネット(C)を備える、請求項1または2に記載の穀物袋。
  4. 前記袋本体が、内面シートと、外面シートと、その間に少なくとも1種の防虫成分を含む防虫ネット(D)を備える構造を有する、請求項1から3の何れか一つに記載の穀物袋。
  5. 前記防虫ネット(A)、前記防虫ネット(B)、前記防虫ネット(C)及び前記防虫ネット(D)の何れかは、少なくとも1種の防虫成分を含む熱可塑性樹脂製ネットである、請求項1から4の何れか一つに記載の穀物袋。
  6. 前記防虫ネット(A)、前記防虫ネット(B)、前記防虫ネット(C)及び前記防虫ネット(D)の何れかに含まれる防虫成分は、ピレスロイド化合物及び昆虫成長制御剤の少なくとも一方を含む、請求項1から5の何れか一つに記載の穀物袋。
  7. 前記ピレスロイド化合物は、ペルメトリンである、請求項6に記載の穀物袋。
  8. 前記昆虫成長制御剤は、ピリプロキシフェンである、請求項6または7に記載の穀物袋。
  9. 請求項1から8の何れか一つに記載の穀物袋内に穀物を入れる工程を有する、前記穀物袋内に収納される穀物を害虫から保護する、防虫方法。
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