JP2012010640A - 害虫防除ネット - Google Patents

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和典 大橋
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Abstract

【課題】ピレスロイド化合物に対して抵抗性を獲得した害虫に有効に作用する害虫防除ネットを提供する。
【解決手段】ピリプロキシフェン又はメトプレンである昆虫成長制御剤がネットの形態の担体に保持されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、害虫、特に蚊を、防除して、それらに媒介される感染症を予防できる、害虫防除ネット、に関するものである。
蚊は、吸血することによって病原体を媒介し、人に感染症を起こさせる。そのような感染症、例えばマラリア等を、予防するために、従来から、ピレスロイド化合物を含有した蚊帳が、使用されている。ピレスロイド化合物は、人畜に対して比較的安全性が高いと言われている。ピレスロイド化合物を含有した蚊帳は、蚊帳に触れた蚊を、殺し又はその吸血行動を阻害できるので、蚊による感染症を予防できる。
特開平5−301801号公報 特開平5−236856号公報
しかしながら、ピレスロイド化合物に対して抵抗性を獲得した蚊が、出現してきており、そのような蚊に対しても有効な蚊帳の開発が、望まれている。
本発明は、ピレスロイド化合物に対して抵抗性を獲得した害虫に対して、有効に作用する、害虫防除ネットを、提供することを目的としている。
本発明は、昆虫成長制御剤がネットの形態の担体に保持されていることを特徴とする害虫防除ネットである。
すなわち、本発明は、次のものである。
[1]昆虫成長制御剤がネットの形態の担体に保持されていることを特徴とする害虫防除ネット。
[2]昆虫成長制御剤が、ピリプロキシフェン又はメトプレンである、[1]記載の害虫防除ネット。
[3]上記担体が、樹脂を主成分としてできている、[1]又は[2]に記載の害虫防除ネット。
[4]上記担体による昆虫成長制御剤の表面保持量が、0.1〜3000mg/mである、[1]〜[3]のいずれか一つに記載の害虫防除ネット。
[5]上記担体による昆虫成長制御剤の表面保持量が、1〜500mg/mである、[1]〜[4]のいずれか一つに記載の害虫防除ネット。
[6]昆虫成長制御剤が、上記担体に混合されている、[1]〜[5]のいずれか一つに記載の害虫防除ネット。
[7]昆虫成長制御剤が、上記担体の表面にコーティングされている、[1]〜[6]のいずれか一つに記載の害虫防除ネット。
[8]ネットが、蚊帳である、[1]〜[7]のいずれか一つに記載の害虫防除ネット。
本発明によれば、ピレスロイド化合物やその他の殺虫剤に対して抵抗性を獲得した害虫に対しても、優れた害虫防除効果を発揮でき、且つ、害虫の病原体媒介能を低下させることができる。
編構造の形態を有する本発明の害虫防除ネットの部分図である。 織構造の形態を有する本発明の害虫防除ネットの部分図である。
本発明の害虫防除ネットは、昆虫成長制御剤がネットの形態の担体に保持されていることを特徴としている。
(1)担体
担体は、樹脂を主成分とするのが好ましい。なお、樹脂の代わりに、天然繊維、ガラス繊維等の、繊維材料を使用してもよい。天然繊維としては、例えば、パルプ、セルロース、綿、毛等が、挙げられる。
樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、又はポリ塩化ビニルなどを、使用できる。
なお、熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、次の化合物が好ましい。
(i)α−オレフィンの単独重合体:例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなど。
(ii)エチレン−α−オレフィン共重合体:例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、又はエチレン−ヘキセン共重合体など。
(iii)エチレン性不飽和結合を有する有機カルボン酸誘導体とエチレンとの共重合体:例えば、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、又はエチレン−酢酸ビニル−メチルメタクリレート共重合体など。
(2)ネットの形態
担体は、ネットの形態を有している。このネットは、糸を編んで又は織って形成してもよく、又は、成形加工によって形成してもよく、又は、その他の加工技術によって形成してもよい。ネットは、多数の網目を有している。
糸を編んで形成されたネットは、編構造を有している。また、糸を織って形成されたネットは、織構造を有している。図1は、糸1を、多数の網目3を形成するように、編んで形成された、編構造のネットの一例を示している。図2は、糸1を、多数の網目3を形成するように、織って形成された、織構造のネットの一例を示している。なお、ネットは、編構造を有するのが好ましい。
網目3の大きさは、防除対象とする害虫の体長に応じて適宜設定され、当該害虫がネットを通過しようとする際にネットに接触するような大きさであるのが好ましい。一般的には、網目3の大きさ(ホールサイズ)は、1〜5mm、好ましくは2〜4mmの範囲である。
糸1は、所定の太さを有するモノフィラメントであるのが、好ましい。これによれば、編作業や織作業が容易となる。なお、この場合の「所定の太さ」とは、害虫防除ネットとしての強度を維持できる太さである。一般に、糸1がモノフィラメントである場合には、50〜350デニールの範囲のモノフィラメントを使用することが好ましい。
なお、糸1は、所定の太さを有するマルチフィラメントでもよい。
上記ネットにおいては、寄って来た害虫は、網目3を通り抜けようと試みる際に、糸1に触れる。
ネットの種類としては、例えば、蚊帳、網戸、防虫網等が、挙げられ、更に、屋内装飾用のレース、クロス、カーテン等も、挙げられる。
(3)昆虫成長制御剤
昆虫成長制御剤としては、具体的には、幼若ホルモン活性化合物やキチン合成阻害剤を挙げることができる。
幼若ホルモン活性化合物としては、例えば、ピリプロキシフェン、メトプレン、ハイドロプレン、フェノキシカルブ等が挙げられる。
キチン合成阻害剤としては、例えば、エトキサゾール、クロルフルアズロン、フルアズロン、トリアズロン、ノバルロン、ヘキサフルムロン、ジフルベンズロン、シロマジン、フルフェノクスロン、テフルベンズロン、トリフルムロン、フルシクロクスロン、キノプレン、ルフェニュロン、ノビフルムロン、ビストリフルロン等が挙げられる。
なお、昆虫成長制御剤としては、特に、ピリプロキシフェン又はメトプレンが好ましい。
本発明の害虫防除ネットにおいて、担体による昆虫成長制御剤の表面保持量は、好ましくは0.1〜3000mg/mであり、より好ましくは1〜500mg/mである。なお、「上記担体による昆虫成長制御剤の表面保持量」とは、上記担体の表面に存在している昆虫成長制御剤の量であり、次のようにして求めることができる。すなわち、本発明の害虫防除ネットを、アセトンやキシレン等の有機溶媒で洗浄処理し、該有機溶媒中に溶出した昆虫成長制御剤の量を測定する。
(4)製造方法
本発明の害虫防除ネットは、例えば、次の(i)〜(vi)のようにして製造できる。なお、担体として熱可塑性樹脂を使用する場合について、説明する。
(4-1)糸を編んで又は織ってネットを形成する場合
(i)熱可塑性樹脂と、昆虫成長制御剤と、任意の配合剤とを、攪拌混合し、得られた混合物を、溶融混練して、樹脂組成物を得る。そして、その樹脂組成物を紡糸して、樹脂糸を作製し、その樹脂糸を用いて、ネットを構成する。これにより、害虫防除ネットが得られる。
(ii)熱可塑性樹脂と、任意の配合剤とを、攪拌混合し、得られた混合物を、溶融混練して、樹脂組成物を得る。次に、その樹脂組成物を紡糸して、樹脂糸を作製し、その樹脂糸を用いて、ネットを構成する。そして、昆虫成長制御剤を、ネットの表面にコーティングする。これにより、害虫防除ネットが得られる。
(iii)熱可塑性樹脂と、昆虫成長制御剤の一部と、任意の配合剤とを、攪拌混合し、得られた混合物を、溶融混練して、樹脂組成物を得る。次に、その樹脂組成物を紡糸して、樹脂糸を作製し、その樹脂糸を用いて、ネットを構成する。そして、昆虫成長制御剤の残部を、ネットの表面にコーティングする。これにより、害虫防除ネットが得られる。
(4-2)成形加工によってネットを形成する場合
(iv)熱可塑性樹脂と、昆虫成長制御剤と、任意の配合剤とを、攪拌混合し、得られた混合物を、溶融混練して、樹脂組成物を得る。そして、その樹脂組成物を、例えばインジェクション成形加工等の成形加工して、ネットを構成する。これにより、害虫防除ネットが得られる。
(v)熱可塑性樹脂と、任意の配合剤とを、攪拌混合し、得られた混合物を、溶融混練して、樹脂組成物を得る。次に、その樹脂組成物を、例えばインジェクション成形加工等の成形加工して、ネットを構成する。そして、昆虫成長制御剤を、ネットの表面にコーティングする。これにより、害虫防除ネットが得られる。
(vi)熱可塑性樹脂と、昆虫成長制御剤の一部と、任意の配合剤とを、攪拌混合し、得られた混合物を、溶融混練して、樹脂組成物を得る。次に、その樹脂組成物を、例えばインジェクション成形加工等の成形加工して、ネットを構成する。そして、昆虫成長制御剤の残部を、ネットの表面にコーティングする。これにより、害虫防除ネットが得られる。
なお、上記製造方法においては、担体による昆虫成長制御剤の表面保持量が、好ましくは0.1〜3000mg/m、より好ましくは1〜500mg/mとなるように、昆虫成長制御剤の量を設定する。
また、昆虫成長制御剤をネットの表面にコーティングする方法としては、例えば、当該成分を、そのままで、又は、アルコール等の溶剤に溶解して、ネットに、浸漬処理、スプレー処理、又は塗布処理する方法が、挙げられる。
また、上記(i)、(iii)、(iv)、及び(vi)の製造方法においては、昆虫成長制御剤を、補助担体に担持した後、熱可塑性樹脂及び任意の配合剤と溶融混練して、樹脂組成物を得ることもできる。上記補助担体としては、シリカ系化合物、ゼオライト類、粘度鉱物、金属酸化物、雲母類、ハイドロタルサイト類、有機担体等が、挙げられる。シリカ系化合物としては、非晶性シリカと結晶性シリカがあり、例えば、粉末ケイ酸、微粉末ケイ酸、酸性白土、珪藻土、石英、ホワイトカーボン等が、挙げられる。ゼオライト類としては、A型ゼオライト、モルデナイト等が、挙げられ、粘度鉱物としては、モンモリロナイト、サポナイト、バイデライト、ベントナイト、カオリナイト、ハロイサイト、ナクライト、デッカイト、アノーキサイト、イライト、セリサイト等が、挙げられ、金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化銅、酸化チタン等が、挙げられ、雲母類としては、雲母、バーミキュライト等が、挙げられ、ハイドロタルサイト類としては、ハイドロタルサイト、スメクタイト等が、挙げられ、有機担体としては、炭類(木炭、泥炭、草炭等)、ポリマービーズ(微結晶セルロース、ポリスチレンビーズ、アクリル酸エステル系ビーズ、メタクリル酸エステル系ビーズ、ポリビニルアルコール系ビーズ等)、及びそれらの架橋ポリマービーズ等が、挙げられる。その他にも、パーライト、石こう、セラミック、火山性岩等が、挙げられる。上記補助担体としては、非晶性無機担体が好ましく、非晶性シリカが、更に好ましい。
(5)任意の配合剤
本発明の害虫防除ネットは、ピレスロイド化合物、ネオニコチノイド化合物、カーバメート系化合物や有機リン系化合物などの殺虫剤、共力剤、酸化防止剤、防黴剤、抗菌剤、顔料、芳香剤、消臭剤、展着剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、界面活性剤、充填剤、難然剤、可塑剤、又は防錆剤等の、配合剤を、含有してもよい。
本発明の害虫防除ネットにおける各成分の配合量は、熱可塑性樹脂30〜99.999重量部及び昆虫成長制御剤0.001〜50重量部が好ましく、熱可塑性樹脂75〜99.99重量部及び昆虫成長制御剤0.01〜25重量部がより好ましい。
(5-1)ピレスロイド化合物
ピレスロイド化合物としては、例えば、アクリナトリン、アレスリン(allethrin)、d−アレスリン、dd−アレスリン、ベータ−シフルトリン(beta−cyfluthrin)、ビフェントリン(bifenthrin)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、シフルトリン(cyfluthrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、シペルメトリン(cypermethrin)、ジメフルトリン(dimefluthrin)、エンペントリン(empenthrin)、デルタメトリン(deltamethrin)、テラレスリン、テフルトリン、エスフェンバレレート(esfenvalerate)、エトフェンプロックス(etofenprox)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、フェンバレレート(fenvalerate)、フルシトリネート(flucythrinate)、フルフェンプロックス(flufenoprox)、フルメトリン(flumethrin)、フルバリネート(fluvalinate)、プロフルトリン(profluthrin)、ハルフェンプロックス(halfenprox)、イミプロトリン(imiprothrin)、ペルメトリン(permethrin)、ベンフルスリン、プラレトリン(prallethrin)、ピレトリン(pyrethrins)、レスメトリン(resmethrin)、d−レスメトリン、シグマ−サイパーメトリン(sigma−cypermethrin)、シラフルオフェン(silafluofen)、テフルトリン(tefluthrin)、トラロメトリン(tralomethrin)、トランスフルトリン(transfluthrin)、テトラメトリン(tetramethrin)、d−テトラメトリン、フェノトリン(phenothrin)、d−フェノトリン、シフェノトリン(cyphenothrin)、アルファシペルメトリン(alpha−cypermethrin)、ゼータシペルメトリン(zeta−cypermethrin)、ラムダシハロトリン(lambda−cyhalothrin)、ガンマシハロトリン(gamma−cyhalothrin)、フラメトリン(furamethrin)、タウフルバリネート(tau−fluvalinate)、メトフルトリン(metofluthrin)、天然ピレトリン等が挙げられる。
なお、ピレスロイド化合物としては、ペルメトリン、デルタメトリン、又はアルファシペルメトリンが、好ましい。
これらのピレスロイド化合物は、一種のみで、又は、二種以上を組み合わせて、使用できる。また、上記化合物の中には、光学異性体、立体異性体、又は幾何異性体等が存在するものもあるが、本発明のピレスロイド化合物には、活性な異性体及びその混合物が、含まれる。
(5-2)共力剤
共力剤としては、例えば、次のものが挙げられる。
・α−[2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ]−4,5−メチレンジオキシ−2−プロピルトルエン [ピペロニルブトキサイド(PBO)]
・N−(2−エチルヘキシル)−1−イソプロピル−4−メチルビシクロ(2,2,2)オクト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド [サイネピリン500]
・ステアリン酸ブチル
・ビス−(2,3,3,3−テトラクロロプロピル)エーテル [S−421]
・N−(2−エチルヘキシル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド [MGK264]
(6)効果
本発明の害虫防除ネットは、害虫が、ネットを通り抜けようとする際や、ネット上を歩いたりネット上で休息したりする際に、昆虫成長制御剤の作用を受けるので、確実に防除効果を発揮できる。したがって、本発明の害虫防除ネットによれば、例えば、有害昆虫類及び有害ダニ類等の害虫を防除できる。そのような害虫としては、具体的には、例えば、次のものが挙げられる。
・Anopheles属の蚊である、An. gambiae, An. arabiensis, An. funestus, An. melas, An. minimus, An. dirus, An, stephensi, An. sinensis, An. anthropophagus等。
・Culex属の蚊である、Cx. pipiens pipiens, Cx. quinquefasciatus, Cx. pipiens pallens, Cx. pipiens f. molestus, Cx. restuans, Cx. tarsalis, Cx. modestus, Cx. tritaeniorhynchus等。
・Aedes属の蚊である、Aedes aegypti, Ae. albopictus, Ae. japonicus, Ae. vexans等。
・アブ類、ハエ類、ブユ類、サシチョウバエ類、ヌカカ類、ツェツェバエ類、ユスリカ類、ノミ類、シラミ類、トコジラミ類、サシガメ類、ゴキブリ類、アリ類、シロアリ類、ダニ類、マダニ類等。
なお、害虫が本発明の害虫防除ネットに接触すると、具体的には、次のような害虫防除効果が発揮される。
(a)害虫による吸血を、防止できる。
(b)害虫を不妊化できる。
(c)害虫の卵の孵化を阻害できる。
(d)害虫の2回目以降の吸血を阻害できる。
(e)害虫の寿命を短縮できる。
(f)上述の効果により、害虫の個体数密度を低減できる。
(g)上述した吸血阻害効果により、人畜への病原体の伝播を防止できる。
(h)害虫が感染症を媒介する場合には、上述の効果が複合的に発揮されることにより、害虫の感染症媒介能を劇的に低下させることができる。したがって、本発明の害虫防除材を、所定の地域全体で使用すると、当該地域における感染症を撲滅できる。
(i)上述の効果は、kdr因子、及び/又は、代謝系のピレスロイド抵抗性、を持った害虫に対しても、優れている。
(j)上述の効果は、有機塩素系殺虫剤、有機リン系殺虫剤、及びカーバメート系殺虫剤等の、各種殺虫剤に対して、抵抗性を持った害虫に対しても、優れている。
(k)人間の感染症だけでなく、家畜の感染症も防除できる。
以下、本発明の害虫防除ネットの実施例について説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されない。
[実施例1]
ポリエチレンから、加工温度240℃にて、モノフィラメントを紡糸して樹脂糸を作製した。次に、得られた樹脂糸を、多数の網目を形成するように、編んで、ネットN1を作製した。なお、網目の大きさは、6.45cmあたりのホールの数が100個になるように設定した。
そして、ネットN1を、ピリプロキシフェン0.1%w/vのアルコール溶液に、1時間浸漬し、取り出した後、24時間風乾させた。これにより、害虫防除ネットを得た。
[実施例2]
実施例1と同じネットN1を得た。
そして、ネットN1を、ピリプロキシフェン1.0%w/vのアルコール溶液に、1時間浸漬し、取り出した後、24時間風乾させた。これにより、害虫防除ネットを得た。
また、本実施例の害虫防除ネットの表面に存在するピリプロキシフェンの量を測定した。本実施例の害虫防除ネットから、5×5cmの小片を、切り取って、サンプルとした。該サンプルを、アセトン10mlに浸漬して、1分間攪拌した。その後、該アセトン中に溶出したピリプロキシフェンの量を、ガスクロマトグラフィーによって、求めた。その結果、担体によるピリプロキシフェンの表面保持量は、336mg/mであった。
[実施例3]
実施例1と同じネットN1を得る。
そして、ネットN1を、メトプレン1.0%w/vのアルコール溶液に、1時間浸漬し、取り出した後、24時間風乾させる。これにより、害虫防除ネットを得る。
[実施例4]
ポリエチレンから、加工温度240℃にて、モノフィラメントを紡糸して樹脂糸を作製する。次に、得られた樹脂糸を、多数の網目を形成するように、織って、ネットN2を作製する。なお、織る際には、縦糸を約2.5mm間隔で、且つ、横糸を約4.0mm間隔で、配置する。
そして、ネットN2を、ピリプロキシフェン1.0%w/vのアルコール溶液に、1時間浸漬し、取り出した後、24時間風乾させる。これにより、害虫防除ネットを得る。
[実施例5]
ポリエチレンから、加工温度220℃にて、インジェクション成形加工によって、格子状の成形品であるネットN3を得る。なお、ネットN3においては、空隙部が、縦約2.0mm且つ横約3.5mmとなるようにし、また、空隙部と空隙部との間が、約2.5mmとなるようにする。
そして、ネットN3を、ピリプロキシフェン1.0%w/vのアルコール溶液に、1時間浸漬し、取り出した後、24時間風乾させる。これにより、害虫防除ネットを得る。
[実施例6]
非晶質シリカ10.0重量部と、ステアリン酸亜鉛7.0重量部と、BHT0.4重量部とを、スーパーミキサーで攪拌混合し、粉末P1を得る。単軸押出機150℃でポリエチレンを溶融させたところへ、粉末P1をポリエチレン62重量部に対して17.4重量部となるように加えて混練し、更に、55℃に加熱溶融させたピリプロキシフェンを、輸液ポンプを用いて、5.0重量部となるように加えて混練し、ダイスから溶融混練物をストランド状に押出し、水冷の後、ペレタイザーで切断し、円柱形状のマスターバッチペレットを得る。
次に、得られたマスターバッチペレット20.0重量部とポリエチレン80.0重量部とを、攪拌混合する。次に、得られた混合物から、加工温度240℃にて、モノフィラメントを紡糸して樹脂糸を作製する。そして、得られた樹脂糸を、多数の網目を形成するように、編んで、ネットN4を作製する。なお、網目の大きさは、6.45cmあたりのホールの数が100個になるように設定する。これにより、害虫防除ネットを得る。
[実施例7]
ピリプロキシフェンに代えてメトプレンを用い、その他は実施例6と同様にして、ネットN5を作製する。これにより、害虫防除ネットを得る。
[実施例8]
実施例6と同様にして、マスターバッチペレット、更には、樹脂糸を得る。
次に、得られた樹脂糸を、多数の網目を形成するように、織って、ネットN6を作製する。なお、織る際には、縦糸を約2.5mm間隔で、且つ、横糸を約4.0mm間隔で、配置する。これにより、害虫防除ネットを得る。
[実施例9]
実施例6と同様にして、マスターバッチペレットを得る。
次に、得られたマスターバッチペレット20.0重量部とポリエチレン80.0重量部とを、攪拌混合する。次に、得られた混合物から、加工温度220℃にて、インジェクション成形加工によって、格子状の成形品であるネットN7を得る。なお、ネットN7においては、空隙部が、縦約2.0mm且つ横約3.5mmとなるようにし、また、空隙部と空隙部との間が、約2.5mmとなるようにする。これにより、害虫防除ネットを得る。
[実施例10]
実施例1と同じネットN1を得る。
一方、ピリプロキシフェン5.0重量部と、プロピレングリコール3.0重量部とを、アルコール92.0重量部に溶解して、スプレー液S1を得る。
そして、ネットN1に、スプレー液S1をスプレーし、24時間風乾させる。これにより、害虫防除ネットを得る。
[実施例11]
ピリプロキシフェンに代えてメトプレンを用い、その他は実施例10と同様にする。これにより、害虫防除ネットを得る。
[実施例12]
実施例4と同じネットN2を得る。
一方、実施例10と同じスプレー液S1を得る。
そして、ネットN2に、スプレー液S1をスプレーし、24時間風乾させる。これにより、害虫防除ネットを得る。
[実施例13]
実施例5と同じネットN3を得る。
一方、実施例10と同じスプレー液S1を得る。
そして、ネットN3に、スプレー液S1をスプレーし、24時間風乾させる。これにより、害虫防除ネットを得る。
次に、実施例1及び実施例2の害虫防除ネットを用いて、次のような試験を行った。なお、比較のために、次のような比較例1のネットも作製した。
[比較例1]
ポリエチレンから、加工温度240℃にて、モノフィラメントを紡糸して樹脂糸を作製した。そして、得られた樹脂糸を、多数の網目を形成するように、編んで、ネットを作製した。なお、網目の大きさは、6.45cmあたりのホールの数が100個になるように設定した。
[試験例1]
実施例1のネットを10×10cmに切り取り、そのネットに直径9cmのプラスチックシャーレの蓋を被せて、試験空間を構成した。そして、ガンビエハマダラカ(Anopheles gambiae)の雌成虫を、上記試験空間に放し、ネットに3分間接触させた。
一方、比較例1のネットも、同様に用いた。
その後、上記雌成虫を21×21×28cmの飼育用ケージの中に放し、上記雌成虫に吸血源動物を与えて吸血させた。そして、完全に吸血した40匹の上記雌成虫を取り出して、個体ごとに飼育し、産卵した個体の割合及び1個体あたりの平均産卵数を、調査した。その結果を表1に示す。
Figure 2012010640
[試験例2]
実施例1のネットを10×10cmに切り取り、そのネットに直径9cmのプラスチックシャーレの蓋を被せて、試験空間を構成した。そして、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)の雌成虫を、上記試験空間に放し、ネットに3分間接触させた。
一方、比較例1のネットも、同様に用いた。
その後、上記雌成虫を21×21×28cmの飼育用ケージの中に放し、上記雌成虫に吸血源動物を与えて吸血させた。そして、完全に吸血した30匹の上記雌成虫を取り出して、個体ごとに飼育し、産卵した個体の割合、1個体あたりの平均産卵数、及び卵の孵化率を、調査した。その結果を表2に示す。
Figure 2012010640
[試験例3]
まず、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)の雌成虫を21×21×28cmの飼育用ケージの中に放し、上記雌成虫に吸血源動物を与えて吸血させた。一方、実施例1のネットを10×10cmに切り取り、そのネットに直径9cmのプラスチックシャーレの蓋を被せて、試験空間を構成した。そして、完全に吸血した30匹の上記雌成虫を、上記ケージの中から取り出して、上記試験空間に放し、ネットに3分間接触させた。
一方、比較例1のネットも、同様に用いた。
そして、上記雌成虫を上記試験空間から取り出して、個体ごとに飼育し、産卵した個体の割合、1個体あたりの平均産卵数、及び卵の孵化率を、調査した。その結果を表3に示す。
Figure 2012010640
[試験例4]
実施例1のネットを10×10cmに切り取り、そのネットに直径9cmのプラスチックシャーレの蓋を被せて、試験空間を構成した。そして、ガンビエハマダラカ(Anopheles gambiae)の雌成虫を、上記試験空間に放し、ネットに3分間接触させた。
一方、比較例1のネットも、同様に用いた。
その後、上記雌成虫を21×21×28cmの飼育用ケージの中に放し、上記雌成虫に吸血源動物を与えて吸血させた。そして、完全に吸血した雌成虫だけを取り出して、別の飼育ケージに入れ、その後のハマダラカの生存率を調査した。なお、プラスチックシャーレ(直径9cm、深さ2cm)に、湿らせたろ紙を置き、これを産卵カップとした。この産卵カップを、吸血の2日後に上記ケージ内に入れて産卵させ、その翌日に取り出した。吸血を7日置きに行い且つ吸血の2日後に産卵カップを入れるという、サイクルを、繰り返した。その結果を表4に示す。
Figure 2012010640
[試験例5]
実施例1のネットを10×10cmに切り取り、そのネットに直径9cmのプラスチックシャーレの蓋を被せて、試験空間を構成した。そして、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)の雌成虫を、上記試験空間に放し、ネットに3分間接触させた。
一方、実施例2のネット及び比較例1のネットも、同様に用いた。
その後、上記雌成虫を21×21×28cmの飼育用ケージの中に放し、上記雌成虫に吸血源動物を与えて吸血させた。そして、完全に吸血した雌成虫だけを取り出して、別の飼育ケージに入れ、その後のネッタイシマカの生存率を調査した。なお、プラスチックカップ(直径9.5cm、深さ4.5cm)の内側に、ろ紙を貼り付けて、少量の水を入れ、これを産卵カップとした。この産卵カップを、吸血の2日後に上記ケージ内に入れて産卵させ、その翌日に取り出した。吸血を7日置きに行い且つ吸血の2日後に産卵カップを入れるという、サイクルを、繰り返した。その結果を表5に示す。
Figure 2012010640
[試験例6]
試験例5において、生存個体数に対する吸血個体の割合を求めた。その結果を表6に示す。
Figure 2012010640
[試験例7]
試験例5において、生存個体あたりの平均産卵数を求めた。その結果を表7に示す。
Figure 2012010640
[試験例8]
網室(270×270cm、高さ227cm)内に、成虫の餌場、休息場所、及び幼虫発生場所(産卵場所)として、1.2リットルの水を入れた容器を10個設置した。そして、網室内に、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)の雌成虫100匹と雄成虫100匹とを放した。一方、実施例1のネットを用い、一辺50cmの小型の蚊帳を作製した。その蚊帳には、人工的な孔を開けた。そして、その蚊帳を網室内に設置し、蚊帳の中に、吸血源動物としてのマウスを、所定日に入れた。このような網室を3個用いた。
一方、比較例1のネットも、3個の網室で同様に用いた。
そして、所定日にマウスに留まった雌成虫の数の平均値を求めた。その結果を表8に示す。
Figure 2012010640
[試験例9]
試験例8において、所定日に各網室内の8個の幼虫発生場所(産卵場所)に産卵された卵数を数え、産卵場所1個あたりの平均産卵数を求めた。その結果を表9に示す。
Figure 2012010640
[試験例10]
試験例8において、所定日に得られた卵を実験室に持ち帰り、その孵化率を求めた。反復は、各網室から幼虫発生場所2個ずつとした。その結果を表10に示す。
Figure 2012010640
[試験例11]
試験例8において、所定日に幼虫発生場所に出現した蛹の数を数え、幼虫発生場所1個あたりの蛹数を調査した。反復は、各網室から幼虫発生場所8個ずつとした。その結果を表11に示す。
Figure 2012010640
本発明の害虫防除ネットは、優れた害虫防除効力を発揮できるので、産業上の利用価値が大である。
1 糸 3 網目

Claims (8)

  1. 昆虫成長制御剤がネットの形態の担体に保持されていることを特徴とする害虫防除ネット。
  2. 昆虫成長制御剤が、ピリプロキシフェン又はメトプレンである、請求項1記載の害虫防除ネット。
  3. 上記担体が、樹脂を主成分としてできている、請求項1又は2に記載の害虫防除ネット。
  4. 上記担体による昆虫成長制御剤の表面保持量が、0.1〜3000mg/mである、請求項1〜3のいずれか一つに記載の害虫防除ネット。
  5. 上記担体による昆虫成長制御剤の表面保持量が、1〜500mg/mである、請求項1〜4のいずれか一つに記載の害虫防除ネット。
  6. 昆虫成長制御剤が、上記担体に混合されている、請求項1〜5のいずれか一つに記載の害虫防除ネット。
  7. 昆虫成長制御剤が、上記担体の表面にコーティングされている、請求項1〜6のいずれか一つに記載の害虫防除ネット。
  8. ネットが、蚊帳である、請求項1〜7のいずれか一つに記載の害虫防除ネット。
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