JP2017055687A - 細胞培養床、細胞培養床の製造方法及び細胞培養方法 - Google Patents

細胞培養床、細胞培養床の製造方法及び細胞培養方法 Download PDF

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猛雄 福間
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裕実 岩瀬
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【課題】生体組織への移植に適した細胞群シートを作製することが可能な細胞培養床、細胞培養床の製造方法及び細胞培養方法を提供すること。【解決手段】本発明に係る細胞培養床は、金属酸化物からなり、第1の主面と、その反対側の第2の主面を有し、立体形状に形成され、上記第1の主面と上記第2の主面に連通する複数の貫通孔を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、生体組織の作製に利用可能な細胞培養床、細胞培養床の製造方法及び細胞培養方法に関する。
従来から、細胞培養は培地を満たしたシャーレ等の中で行われてきた。培地上で培養された細胞は二次元的に増殖し、シート状の細胞シートが得られる。また、細胞培養に適した培養床も開発されており、培養床を利用して細胞シートを作製することも行われている(例えば特許文献1及び2)。
特開2010−226975号公報 特開2010−187585号公報
一方、近年では、ES細胞やiPS細胞等の幹細胞の培養による生体組織の作製も研究されている。しかしながら、作製した細胞シートを生体組織に移植する場合、細胞シートが移植先の形状に合わず余剰を生じることが多い。また、余剰となった細胞は癌化する等の問題もあり改善が求められている。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、生体組織への移植に適した細胞シートを作製することが可能な細胞培養床、細胞培養床の製造方法及び細胞培養方法に関する。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る細胞培養床は、金属酸化物からなり、第1の主面と、その反対側の第2の主面を有し、立体形状に形成され、上記第1の主面と上記第2の主面に連通する複数の貫通孔を備える。
この構成によれば、培養対象の細胞を第1の主面に配置し、第2の主面を培養液に浸漬させることにより、貫通孔を介して培養液が第1の主面に均等に供給され、細胞の培養が促進される。また、細胞培養床が立体形状に形成されているため、当該立体形状に沿った形状を有する細胞シートを作製することが可能である。
上記金属酸化物は、酸化アルミニウムであってもよい。
金属アルミニウムの陽極酸化によって形成される酸化アルミニウムは、自己組織化により孔径数十〜数百nm程度の細孔を形成する。このため、この細孔を開口させることにより、細胞培養床として利用することが可能である。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る細胞培養床は、立体形状を有する金属箔の酸化により形成され、第1の主面と、その反対側の第2の主面を有し、上記第1の主面と上記第2の主面に連通する複数の貫通孔を備える。
金属箔は立体形状の形成が容易であるため、金属箔の段階で所定の立体形状を形成し、金属箔を酸化して金属酸化物とすることにより、立体形状を有する細胞培養床を得ることが可能である。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る細胞培養床の製造方法は、金属箔を立体形状に形成し、上記金属箔を酸性溶液中で陽極酸化して、複数の細孔を形成し、上記複数の細孔を開口させて複数の貫通孔を形成する。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る細胞培養方法は、金属酸化物からなり、第1の主面と、その反対側の第2の主面を有し、立体形状に形成され、上記第1の主面と上記第2の主面に連通する複数の貫通孔を備える細胞培養床を準備し、上記第1の主面に細胞を配置し、上記第2の主面を培養液に浸漬させ、上記細胞を培養する。
上記細胞培養床を準備するステップでは、移植対象の形状を計測し、計測された形状に応じて型を作製し、上記型を用いて金属箔を立体形状に形成し、上記金属箔を酸性溶液中で陽極酸化して、複数の細孔を形成し、上記複数の細孔を開口させて複数の貫通孔を形成し、上記細胞培養床を作製する。
以上のように本発明によれば、生体組織への移植に適した細胞シートを作製することが可能な細胞培養床、細胞培養床の製造方法及び細胞培養方法を提供することが可能である。
本発明の実施形態に係る細胞培養床の斜視図である。 同細胞培養床の断面図である。 同細胞培養床の拡大図である。 同細胞培養床の元となる金属箔の斜視図である。 同細胞培養床の元となる、立体形状に形成された金属箔の斜視図である。 同細胞培養床の製造方法を示す模式図である。 同細胞培養床の製造プロセスを示す模式図である。 同細胞培養床の製造プロセスを示す模式図である。 同細胞培養床を利用した細胞培養方法を示す模式図である。 同細胞培養床の利用方法を示す模式図である。
本発明の実施形態に係る細胞培養床について説明する。
[細胞培養床の構成]
図1は、本実施形態に係る細胞培養床100の斜視図であり、図2は細胞培養床100の断面図、図3は細胞培養床100の一部の斜視図である。
これらの図に示すように、細胞培養床100は立体形状に形成されている。細胞培養床100の厚みは80μm以上200μm以下程度であり、その大きさは数cm〜数十cm程度である。
細胞培養床100は凹部101を有し、凹部101によって立体形状に形成されている。なお、凹部101は細胞培養床100の立体形状の一例である。細胞培養床100の立体形状は、作製を所望する細胞シートの形状に応じて適宜変更可能であり、細胞培養床100は、湾曲面や凸部、凹凸構造等の各種立体形状を有するものとすることができる。
立体形状の大きさ(平坦面からの変形程度)は特に限定されないが、微視的な程度ではなく、少なくとも肉眼で視認可能な程度である。また、図1及び図2では、凹部101は細胞培養床100のうち一部に形成されているが、細胞培養床100の全体にわたって立体形状が形成されていてもよい。
図1及び図2に示すように、細胞培養床100の表裏面を第1主面101aと第2主面101bとする。図2及び図3に示すように細胞培養床100は、第1主面101aと第2主面101bに連通する複数の貫通孔102を有する。貫通孔102は、第1主面101aと第2主面101bに対して垂直方向(細胞培養床100の厚み方向)に伸長するが、同方向に対して多少傾斜する方向に伸長してもよい。なお、図1では貫通孔102の図示は省略されている。
貫通孔102の孔径は30nm以上250nm以下とすることができる。また、貫通孔102は、孔径が漸減するテーパー形状を有するものであってもよく、例えば、第1主面101aにおける孔径が80nm程度の場合、第2主面101bにおける孔径は50nm程度となるようなテーパー形状とすることができる。なお、図2及び図3における貫通孔102は模式的なものであり、細胞培養床100に対する比率やアスペクト比(孔長さ/孔径)は実際のものとは異なる。
貫通孔102は、細胞培養床100の元となる金属箔に対して陽極酸化を実施すると、金属酸化物の自己組織化作用によって形成される細孔を利用して形成することができ、この詳細については後述する。
細胞培養床100の構成材料は、陽極酸化によって自己組織化による細孔を形成することが可能な金属酸化物であり、典型的には酸化アルミニウム(Al)である。また、この他にもTa、Nb、Ti、Zr、Hf、Zn、W又はSbの酸化物を細胞培養床100の構成材料とすることができる。
[細胞培養床の製造方法]
細胞培養床100の製造方法について説明する。図4は、細胞培養床100の元となる金属箔200の斜視図である。金属箔200は、上述のような陽極酸化によって自己組織化による細孔が形成される金属からなる箔であり、一般的な金属箔を利用することができる。
まず、金属箔200を立体形状に加工する。図5は、立体形状に加工した金属箔200の斜視図であり、金属箔200に凹部201が形成されている。凹部201は立体形状の一例である。金属箔200の立体形状への加工方法は特に限定されない。例えば、所望する立体形状に沿った型を作製し、真空成型等によって金属箔200を型に押し当てて立体形状を形成することができる。
続いて、金属箔200に陽極酸化処理を施す。図6は、陽極酸化処理の態様を示す模式図である。同図に示すように、酸性電解液L中に金属箔200及び対向電極Eを浸漬させ、金属箔200及び対向電極Eの間に電源Pを接続する。
酸性電解液Lは、酸性の電解液であり、硫酸、シュウ酸又はマロン酸等の水溶液を利用することができる。電源PはDC(Direct Current)電源を利用することができる。電源Pによって、金属箔200と対向電極Eの間に電圧を印加すると、金属箔200の陽極酸化が生じる。なお、印加電圧は数十〜数百Vである。
図7及び図8は、陽極酸化及びその後の製造プロセスを示す模式図である。図7(a)は、金属材料S1からなる金属箔200の模式図である。金属箔200は上記のように、立体形状に形成されているが、ここでは立体形状の図示は省略する。
金属箔200を図6に示すように酸性電解液Lに浸漬させ、対向電極Eと金属箔200の間に所定の電圧を印加する。これにより、金属材料S1の陽極酸化が進行し、図7(b)に示すように、金属酸化物S2と自己組織化による細孔H1が形成される。さらに電圧の印加を継続すると、図7(c)に示すように金属箔200の大部分が金属酸化物S2となる。
続いて、図8(a)に示すように、残留する金属材料S1を除去する。金属材料S1は、酸性溶液による溶解によって除去することができる。例えば、金属材料S1がアルミニウムの場合、塩化銅塩酸溶液(塩化銅(II)濃度0.2mol/L、塩酸濃度6mol/L)に浸漬させることにより金属材料S1を除去することができる。
なお、反応熱によって塩化銅塩酸水溶液の温度が上昇するが、温度上昇に伴って反応性も上昇し、金属酸化物S2が溶解するため、塩化銅塩酸水溶液を水冷等によって保温することが望ましい。また、これ以外の方法によって残留する金属材料S1を除去してもよい。
続いて、図8(b)に示すように、細孔H1を開口し、貫通孔H2を形成する。細孔H1の開口は、酸又はアルカリによる溶解や、エッチングによって行うことができる。具体的には、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ性溶液や塩酸又はリン酸等の酸性水溶液に金属酸化物S2を浸漬させることにより、細孔H1を開口することができる。また、塩素系ガスによる反応性イオンエッチング(RIE)によって金属酸化物Sをエッチングし、貫通孔H2を形成してもよい。また、これ以外の方法によって細孔H1を開口してもよい。
以上のようにして、細胞培養床100が形成される。なお、金属箔200の立体的形状はそのまま細胞培養床100においても維持される。このため、金属箔200を任意の立体的形状に形成し、上記製造プロセスを施すことにより、任意の立体的形状を有する細胞培養床100を作製することが可能である。一方、陽極酸化によって形成される金属酸化物は柔軟性がほとんどなく、金属酸化物を生じさせた後に立体的形状に形成することは困難である。
なお、酸性電解液Lの種類や印加電圧によって、細孔H1(及び貫通孔H2)の孔径を調整することが可能である。具体的には濃度任意、温度任意の硫酸水溶液中で定電圧25Vを印加することにより、孔径25nm程度の細孔H1が形成され、濃度任意、温度任意のシュウ酸水溶液中で定電圧40Vを印加することにより、孔径30〜50nm程度の細孔H1が形成される。
また、濃度任意、温度任意のマロン酸水溶液中で定電圧100〜120Vを印加することにより、孔径100〜150nm程度の細孔H1が形成される。さらに、細孔H1の形成前に予め金属材料S1上に酸化皮膜を形成させてもよい。
具体的には、金属材料S1をホウ酸アンモニウム水溶液中に浸漬させ、定電圧を印加することにより、金属材料S1上に酸化皮膜が形成される。この後、上記各酸性電解液中で陽極酸化を施すことにより、細孔H1を形成することができる。この処理は、特に印加電圧が高い(100V程度以上)場合に金属材料S1の表面に生じるヤケと呼ばれる溶解反応を防止するために有効である。
[細胞培養床による細胞培養]
細胞培養床100を利用した細胞の培養方法について説明する。図9は細胞の培養方法を示す模式図である。図9(a)に示すように、細胞培養床100の第1主面101aに培養対象の細胞Cを載置する。細胞Cの種類は特に限定されないが、例えばES細胞やiPS細胞である。また、細胞培養床100の第2主面101bを培養液Bに浸漬させる。培養液Bの種類は特に限定されない。
そうすると、貫通孔102の毛細管現象によって培養液Bが貫通孔102内に染み込み、図9(b)に示すように、第1主面101aに到達する。細胞培養床100の全体にわたって貫通孔102が形成されているため、培養液Bは第1主面101aにおいて均等に染み出す。なお、細胞Cを細胞培養床100に載置する前に細胞培養床100を培養液Bに浸漬させてもよい。
この状態で培養を継続すると、図9(c)に示すように、細胞Cは増殖し、細胞群からなる細胞シートTが形成される。上記のように、細胞培養床100は凹部101のような立体形状が形成されているため、細胞シートTはその立体形状に沿って成長する。
細胞シートTを細胞培養床100から剥がすと、細胞培養床100に応じた形状を有する細胞シートTを得ることが可能である。また、貫通孔102によって第1主面101aに均等に培養液Bが供給されるため、培養液Bの供給量の差異による細胞成長の不均衡が生じす、細胞培養床100の立体形状に係わらずに良好に細胞シートTを作製することができる。なお、細胞培養床100が生物育成阻害要因を有しないことは、大腸菌培養試験によって確認されている。
以上のように、細胞培養床100を利用することにより、任意の立体形状を有する細胞シートTを作製することができる。細胞培養床100の立体形状は金属箔200の立体形状によって決まるため、予め移植対象(臓器等)の形状に合わせて金属箔200に立体形状を形成しておくことにより、移植が容易で、かつ余剰が生じない細胞シートTを作製することが可能である。
なお、上記説明では、培養液Bは貫通孔102による毛細管現象によって第1主面101aに供給されるとしたが、必ずしも毛細管現象によるものでなくてもよい。例えば、培養液Bから第2主面101bに対して液圧を印加してもよく、第1主面101a側を負圧にしてもよい。いずれであっても、貫通孔102を介して培養液Bが第1主面101aに供給されればよい。
[細胞培養床の利用方法]
細胞培養床100の利用方法について説明する。図10は、細胞培養床100の利用方法を示すフローチャートである。
同図に示すように、医療機関において、移植対象(臓器等)の画像測定が実施される(St101)。画像測定は例えば、CT(computed tomography)、MRI(magnetic resonance imaging)、超音波イメージング又はXP(X‐ray photograph)等によって行うことが可能であるが、移植対象の立体形状の測定が可能な測定方法であればよい。
測定されたデータは編集され(St102)、移植対象の立体形状データが作製される。編集は例えば、医療用ワークステーションによって実施することができる。立体形状データは工業機関に送られ、工業機関において編集(St201)がなされる。編集は例えば3DCAD(computer aided design)を利用して行われる。
続いて、工業機関は、造型を行い(St202)、移植対象の立体形状を作製する。造型は例えば、3Dプリンタによって行うことができる。この工程では、移植対象の全体の立体形状を造型してもよく、移植対象の一部の立体形状を造形してもよい。
続いて、工業機関は、前ステップで作製された型を利用して金属箔200の立体形状を形成する(St203)。立体形状の形成は例えば、負圧によって型に金属箔200を押圧する真空成型によって行うことができる。
続いて、工業機関は、細胞培養床100の作製を行う(St204)。細胞培養床100は上述のように、金属箔200に陽極酸化処理等を施すことによって作製することができる。
また、医療機関は、採取(St103)を実施する。採取では、移植対象の体細胞やDNA(deoxyribonucleic acid)等が採取される。これらの採取物は細胞培養機関に送られる。
細胞培養機関は、医療機関から遅れられた採取物を元に、培養対象の細胞を作成(St301)する。この作成では例えば、iPS細胞の初期化や分化がなされる。続いて細胞培養機関は培養対象の細胞を培養して増殖させ(St302)、さらに培養を継続して生体組織を形成する(St303)。細胞培養機関は、この細胞増殖や生体組織の形成に細胞培養床100を利用することが可能である。なお、細胞培養床100は、St302とSt303のいずれか一方又は両方で細胞培養床100を利用することができる。
上記のように、細胞培養床100の利用によって、立体形状に形成された細胞シートが得られる。作成された細胞シートは医療機関に送られ、医療機関によって移植対象に移植される(St204)。細胞シートは予め移植対象の立体形状に形成されているため、細胞シートの余剰が発生せず、移植に適している。
なお、ここに示した細胞培養床100の利用方法は一例であって、細胞培養床100は他の方法で利用されてもよい。
[実施例1]
0.3mol/Lシュウ酸水溶液中でアルミニウム板を陽極に、SUS304(ステンレス)板を陰極にして定電圧40Vを印加し、孔径50nm、細孔間隔100nm程度のポーラス構造を有したアルミナ(酸化アルミニウム)を形成した。ここで得られたポーラスアルミナは黄色を帯びた半透明であった。
[実施例2]
5.0mol/Lマロン酸水溶液中でアルミニウム板を陽極に、SUS304板を陰極にして定電圧115Vを印加し、孔径1000nm、細孔間隔250nm程度のポーラス構造を有したアルミナを形成した。ただし、アルミニウム板に何の処理もせずに115Vを印加すると局所的にヤケと呼ばれる溶解反応が起きてしまい、板の表面全体を陽極酸化する事はできなかった。この為、0.1mol/Lホウ酸アンモニウム水溶液中で123Vを印加する事により予めバリアの役目を果たす酸化皮膜を形成し、その後にマロン酸による処理を行う事で安定した陽極酸化が可能となった。ここで得られたポーラスアルミナは不透明の褐色であった。
[実施例3]
0.3mol/Lリン酸水溶液中でアルミニウム板を陽極に、SUS304板を陰極にして定電圧185Vを印加し、孔径150nm、細孔間隔460nm程度のポーラス構造を有したアルミナを形成した。但し、アルミニウム板に何の処理もせずに185Vを印加すると局所的にヤケと呼ばれる溶解反応が起きてしまい、板の表面全体を陽極酸化する事はできなかった。この為、0.1mol/Lホウ酸アンモニウム水溶液中で123Vを印加する事により予めバリアの役目を果たす酸化皮膜を形成し、その後にリン酸による処理を行う事で安定した陽極酸化が可能となった。ここで得られたポーラスアルミナは不透明の白色であった。
[実施例4]
0.3mol/Lシュウ酸水溶液中で、押し型に当てる等して予め突起や凹み等の立体的形状を形成したアルミニウム板を陽極に、SUS304板を陰極にして定電圧40Vを印加し、陽極酸化を行った。直径7.6cmのアルミニウム板を使用した場合、10000Cまでの印加で約100μmの厚みのアルミナが形成された。陽極酸化の後、表面にアルミナが形成されたアルミニウム板を、6mol/Lの塩酸に0.2mol/L程度となる様に塩化銅を溶解させた液に浸漬して余剰のアルミニウムを溶解除去した。得られたポーラスアルミナは予め与えられたアルミニウム板の立体的形状を維持した。
余剰のアルミニウムが付いていた面は細孔の先端となり、アルミナによって閉じられている。これを開口させる為に乾式または湿式にてエッチングを行った。乾式では塩素系のガス、主にBCL導入によるRIE(Reactive Ion Etching)にて処理を行った。湿式では水酸化ナトリウム水溶液、塩酸水溶液、又はリン酸水溶液を使用した。
RIEにて開口させたポーラスアルミナを、液体培地を満たした円筒の上に置き、更にその上へ薬包紙を置いた状態で暫く放置した。その後、薬包紙に液体培地の滲みが認められ、毛細管現象により液体培地が吸い上げられた事を確認した。"
100…細胞培養床
101…凹部
200…金属箔
201…凹部

Claims (6)

  1. 金属酸化物からなり、第1の主面と、その反対側の第2の主面を有し、立体形状に形成され、前記第1の主面と前記第2の主面に連通する複数の貫通孔を備える
    細胞培養床。
  2. 請求項1に記載の細胞培養床であって、
    前記金属酸化物は、酸化アルミニウムである
    細胞培養床。
  3. 立体形状を有する金属箔の酸化により形成され、第1の主面と、その反対側の第2の主面を有し、前記第1の主面と前記第2の主面に連通する複数の貫通孔を備える
    細胞培養床。
  4. 金属箔を立体形状に形成し、
    前記金属箔を酸性溶液中で陽極酸化して、複数の細孔を形成し、
    前記複数の細孔を開口させて複数の貫通孔を形成する
    細胞培養床の製造方法。
  5. 金属酸化物からなり、第1の主面と、その反対側の第2の主面を有し、立体形状に形成され、前記第1の主面と前記第2の主面に連通する複数の貫通孔を備える細胞培養床を準備し、
    前記第1の主面に細胞を配置し、前記第2の主面を培養液に浸漬させ、前記細胞を培養する
    細胞培養方法。
  6. 請求項5に記載の細胞培養方法であって、
    前記細胞培養床を準備するステップでは、
    移植対象の形状を計測し、
    計測された形状に応じて型を作製し、
    前記型を用いて金属箔を立体形状に形成し、
    前記金属箔を酸性溶液中で陽極酸化して、複数の細孔を形成し、
    前記複数の細孔を開口させて複数の貫通孔を形成し、前記細胞培養床を作製する
    細胞培養方法。
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