JP2017055590A - 電源装置 - Google Patents

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Katahito Tamura
賢仁 田村
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Abstract

【課題】各電源出力端子に個別に最大供給電力を供給可能な電源容量を設けることなく、各負荷の最大消費電力を供給することのできる電源装置を提供する。
【解決手段】複数のDC−DCコンバータAm,Bnと、定常から一時的な電力低下が許容される負荷Laへの第1の電源出力端子OUTaと、一時的に定常よりも大電力を要する負荷Lbへの第2の電源出力端子OUTbと、所定コンバータを両端子に切替え接続するスイッチ回路SW0とを備え、各コンバータの最大出力合計は両端子の最大出力合計よりも小さく、両端子への要求出力がともに定常負荷範囲にあればスイッチ回路の所定コンバータを第1の電源出力端子に接続し、第2の電源出力端子への要求出力が端子のコンバータの最大出力の合計を超えると、所定コンバータを第2の電源出力端子に接続する切替え制御部PSと、各端子に対して接続されたコンバータ数の相数で駆動制御する駆動制御部とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数相で駆動されるDC−DCコンバータを備えた電源装置に関する。
DC−DCコンバータの出力容量を増大させるために、入出力間を並列に接続した複数のDC−DCコンバータを多相駆動することが行われる。例えば特許文献1には、3つのDC−DCコンバータを2π/3ずつ位相をずらして駆動する構成が記載されている。
特開2013−172566号公報
車両の電源装置のように、各種車載機器への電力供給を行うのに複数の電源出力端子が設けられる電源装置がある。これら車載機器の消費電力は経時的に変化し得るため、各電源出力端子からの最大供給電力は、それぞれに接続された負荷の最大消費電力以上である必要がある。しかし、電源出力端子ごとに、負荷の最大消費電力に対応できるように多相駆動構成などで容量を増大させたDC−DCコンバータを用意したのでは、電源装置を構築するコストが増大してしまう。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、複数の電源出力端子のそれぞれに個別に最大供給電力を供給可能な電源容量を設けることなく、各負荷の最大消費電力を供給することのできる低コストの電源装置を提供するものである。
上記課題を解決するために、本開示における第1の発明は、電源装置であって、複数のDC−DCコンバータと、被供給電力が定常負荷範囲にある状態から一時的に定常負荷範囲を下回ることが許容される第1の負荷が接続される第1の電源出力端子と、一時的に定常負荷範囲よりも大きな電力を要する第2の負荷が接続される第2の電源出力端子と、前記複数のDC−DCコンバータに含まれる一部の所定のDC−DCコンバータの出力端子を、前記第1の電源出力端子と前記第2の電源出力端子とのいずれか一方に接続するよう接続状態の切替えが可能なスイッチ回路と、を備え、前記複数のDC−DCコンバータのうちの前記所定のDC−DCコンバータ以外のDC−DCコンバータの出力端子は、DC−DCコンバータごとに定められるように前記第1の電源出力端子と前記第2の電源出力端子とのいずれか一方に接続されており、前記複数のDC−DCコンバータのそれぞれの最大出力の合計は、前記第1の電源出力端子および前記第2の電源出力端子のそれぞれの最大出力の合計よりも小さく、前記第1の電源出力端子および前記第2の電源出力端子のそれぞれに対する要求出力の情報が入力される切替え制御部であって、前記要求出力の情報に基づき、前記第1の電源出力端子に対する要求出力が前記第1の負荷の定常負荷範囲にあり、かつ、前記第2の電源出力端子に対する要求出力が前記第2の負荷の定常負荷範囲にある第1の場合には、前記スイッチ回路の接続状態を前記所定のDC−DCコンバータの出力端子を前記第1の電源出力端子に接続する第1の状態とし、前記第1の場合から前記第2の電源出力端子に対する要求出力が前記第2の電源出力端子に接続されているDC−DCコンバータの最大出力の合計を超える第2の場合への変化が生じると、前記スイッチ回路の接続状態を前記第1の状態から前記所定のDC−DCコンバータの出力端子を前記第2の電源出力端子に接続する第2の状態とするように、前記スイッチ回路の接続状態を制御する切替え制御部と、前記第1の電源出力端子および前記第2の電源出力端子のそれぞれに対して、前記切替え制御部によって制御された前記スイッチ回路の接続状態により接続されたDC−DCコンバータを、接続されたDC−DCコンバータ数に等しい相数で駆動制御する駆動制御部と、をさらに備えている。
この第1の発明による電源装置では、複数のDC−DCコンバータが第1の電源出力端子および第2の電源出力端子のそれぞれに振り分けられ、各DC−DCコンバータが割り当てられた電源出力端子に対して1相分の出力を分担する。そして、複数のDC−DCコンバータに含まれる所定のDC−DCコンバータの出力端子が、第1の電源出力端子と第2の電源出力端子との間で切替え接続されることにより、第1の電源出力端子と第2の電源出力端子との間で、相単位での電源容量の融通が行われる。所定のDC−DCコンバータとこれ以外のDC−DCコンバータとの組合せは、第1の電源出力端子および第2の電源出力端子のそれぞれにおける必要な出力電力の変化に合せて、適宜変更することが可能である。
所定のDC−DCコンバータの出力端子は、第1の電源出力端子に対する要求出力が第1の負荷の定常負荷範囲にあり、かつ、第2の電源出力端子に対する要求出力が第2の負荷の定常負荷範囲にある第1の場合には、スイッチ回路の接続状態が第1の状態となることにより、第1の電源出力端子に接続される。当該第1の場合から、第2の電源出力端子に対する要求出力が第2の電源出力端子に接続されているDC−DCコンバータの最大出力の合計を超える第2の場合への変化が生じると、スイッチ回路の接続状態が第1の状態から第2の状態へと切り替わることにより、所定のDC−DCコンバータの出力端子は第2の電源出力端子に接続される。第1の負荷の被供給電力が定常負荷範囲にある状態から一時的に定常負荷範囲を下回ることは許容され、かつ、第2の負荷が定常負荷範囲よりも大きい電力を要するのは一時的であることから、このように所定のDC−DCコンバータの出力端子を第1の電源出力端子から切り離して第2の電源出力端子に接続することが可能となる。
複数のDC−DCコンバータのそれぞれの最大出力の合計は、両電源出力端子のそれぞれの最大出力の合計よりも小さく、第2の電源出力端子の最大出力は第1の電源出力端子から所定のDC−DCコンバータが切り替え接続されることにより充足される。このように、本電源装置では、少なくとも第2の電源出力端子に専用に最大電力を供給可能な電源容量を設けずに済むので、回路規模が抑制される。以上により、複数の電源出力端子のそれぞれに個別に最大電力を供給可能な電源容量を設けることなく、各負荷の最大消費電力を供給することのできる低コストの電源装置を提供することができる。
また、本開示における第2の発明は、第1の発明における電源装置であって、前記第1の負荷はリチウムイオン電池であり、前記第2の負荷は電動パワーステアリング装置であり、前記第2の電源出力端子に対する要求出力の情報は、前記電動パワーステアリング装置への駐車時における据切操作と走行中における急な操舵とのいずれか一方である場合に、前記第2の電源出力端子に対する要求出力が前記第2の電源出力端子に接続されているDC−DCコンバータの最大出力の合計を超えることを示す。
この第2の発明による電源装置では、ドライバによる駐車時における据切操作または走行中における急な操舵があっても、電動パワーステアリング装置に十分な電力が供給される。したがって、電動パワーステアリング装置の機能が阻害されることがなく、違和感のない操作が保証される。
本発明の電源装置によれば、複数の電源出力端子のそれぞれに個別に最大電力を供給可能な電源容量を設けることなく、各負荷の最大消費電力を供給することのできる低コストの電源装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る電源装置の構成を示す回路ブロック図 本発明の一実施形態に係る電源装置のクロック信号の波形を示し、(a)は4相のクロック信号の波形図、(b)は3相のクロック信号の波形図 本発明の一実施形態に係る電源装置の出力電力の時間変化を示し、(a)は第1の電源出力端子からの出力電圧の時間変化を示すグラフ、(b)は第2の電源出力端子からの出力電圧の時間変化を示すグラフ 本発明の一実施形態に係る電源装置の動作手順を説明するフローチャート 本発明の一実施形態の変形例に係る電源装置の構成を示す回路ブロック図
[概要]
本発明の電源装置は、複数のDC−DCコンバータが第1の電源出力端子および第2の電源出力端子のそれぞれに振り分けられるように接続され、第2の電源出力端子の最大出力が、第1の電源出力端子に接続されていた所定のDC−DCコンバータが切り替え接続されることにより充足される構成である。第1の電源出力端子には、被供給電力が定常負荷範囲にある状態から一時的に定常負荷範囲を下回ることが許容される負荷が接続され、第2の電源出力端子には、一時的に定常負荷範囲よりも大きな電力を要する負荷が接続される。所定のDC−DCコンバータの出力端子は、第1の電源出力端子および第2の電源出力端子に対する要求出力がともに定常負荷範囲にある第1の場合には、第1の電源出力端子に接続される。当該第1の場合から、第2の電源出力端子に対する要求出力が第2の電源出力端子に接続されているDC−DCコンバータの最大出力の合計を超える第2の場合への変化が生じると、所定のDC−DCコンバータの出力端子は第2の電源出力端子に接続される。本電源装置では、少なくとも第2の電源出力端子に専用に最大電力を供給可能な電源容量を設けずに済むので、回路規模が抑制される。
以下、本発明が提供する電源装置の一実施形態について、図面を参照しながら順に説明する。
[電源システムの構成例]
図1に本実施形態に係る電源システムの構成を示す。当該電源システムは例えば車両に搭載され、直流電源1および電源装置2を備えている。
<直流電源>
直流電源1は、メインバッテリOBとオルタネータGとを備えている。メインバッテリOBとオルタネータGとは電源ラインLに並列に接続されている。メインバッテリOBは例えば鉛蓄電池からなる。車両電源のオン状態において、オルタネータGからの発電出力が、電源ラインLを介してメインバッテリOBに入力される。イグニションオンの状態において、メインバッテリOBの容量と、オルタネータGからの発電出力とにより、電源ラインLには直流の電源電圧Vsが出力される。
<電源装置>
電源装置2は、第1電源回路部Ua、第2電源回路部Ub、相数制御部(切替え制御部)PS、および、スイッチSW0を備えている。
第1電源回路部Uaおよび第2電源回路部Ubは、それぞれ定常負荷時の電力を出力する電源回路構成をなす。ここでは、第1電源回路部UaはサブバッテリLaを負荷(第1の負荷)とし、第2電源回路部Ubは電動パワーステアリング装置Lbを負荷(第2の負荷)とする。サブバッテリLaは、例えばリチウムイオン電池からなる。
第1電源回路部Uaは、m個(mは2以上の整数)のDC−DCコンバータA1〜Am、第1クロック分配器D1、スイッチSWa1、スイッチSWa2、および、電源出力端子OUTaを備えている。第2電源回路部Ubは、n個(nは2以上の整数)のDC−DCコンバータB1〜Bn、第2クロック分配器D2、および、電源出力端子OUTbを備えている。電源出力端子OUTaにはサブバッテリLaが接続され、電源出力端子OUTbには電動パワーステアリング装置Lbが接続される。電源装置2に備えられるこれら全てのDC−DCコンバータA1〜Am、B1〜Bnのそれぞれの最大出力の合計は、電源出力端子OUTaおよび電源出力端子OUTbのそれぞれの最大出力の合計よりも小さい。
DC−DCコンバータA1〜Amのそれぞれ、および、DC−DCコンバータB1〜Bnのそれぞれは、チョッパ方式などの通流率による昇降圧比の制御が可能なスイッチングコンバータで構成されている。DC−DCコンバータA1〜Amのそれぞれ、および、DC−DCコンバータB1〜Bnのそれぞれの電源入力端子INは、電源ラインLに接続されている。
第1電源回路部Uaにおいて、m−1個のDC−DCコンバータA1〜Am−1のそれぞれの出力端子Oは、電源出力端子OUTaに接続されている。これにより、DC−DCコンバータA1〜Am−1は、電源ラインLと電源出力端子OUTaとの間に並列に接続されている。第2電源回路部Ubにおいて、全てのDC−DCコンバータB1〜Bnのそれぞれの出力端子Oは、電源出力端子OUTbに接続されている。これにより、DC−DCコンバータB1〜Bnは、電源ラインLと電源出力端子OUTbとの間に並列に接続されている。このように、DC−DCコンバータAm以外のDC−DCコンバータの出力端子Oは、DC−DCコンバータごとに定められるように、電源出力端子OUTaと電源出力端子OUTbとのいずれか一方に接続されている。
DC−DCコンバータA1〜Am−1のそれぞれの位相制御端子CKは、第1クロック分配器D1の対応するクロック信号(後述)の出力端子に接続されている。DC−DCコンバータB1〜Bnのそれぞれの位相制御端子CKは、第2クロック分配器D2の対応するクロック信号(後述)の出力端子に接続されている。
DC−DCコンバータAmは、電源出力端子OUTaに対する要求出力qaがサブバッテリLaの定常負荷範囲にあり、かつ、電源出力端子OUTbに対する要求出力qbが電動パワーステアリング装置Lbの定常負荷範囲にある場合(第1の場合)に、DC−DCコンバータAmの出力端子Oが電源出力端子OUTaに接続されることにより、DC−DCコンバータA1〜Am−1と並列に組み合わされる。また、DC−DCコンバータAmは、上記第1の場合から、電源出力端子OUTbに対する要求出力qbが定常負荷範囲を超える所定の重負荷範囲となる場合(第2の場合)への変化が生じると、DC−DCコンバータAmの出力端子Oが電源出力端子OUTbに切替え接続されることにより、DC−DCコンバータB1〜Bnと並列に組み合わされる。
このように、電源装置2においては、DC−DCコンバータAmの出力端子Oが、電源出力端子OUTaと電源出力端子OUTbとの間で切替え接続されることにより、電源出力端子OUTaと電源出力端子OUTbとの間で、相単位での電源容量の融通が可能である。電源出力端子OUTaと電源出力端子OUTbとの間で切替え接続されるDC−DCコンバータを、上記例のようにDC−DCコンバータAmという1つの所定のコンバータに限らず、電源装置2が備える全DC−DCコンバータのうちの一部の所定のDC−DCコンバータとすることができる。
スイッチSW0は、DC−DCコンバータAmの出力端子Oに接続された第1スイッチ端子と、電源出力端子OUTbに接続された第2スイッチ端子とを備えている。スイッチSW0は、当該第1スイッチ端子と当該第2スイッチ端子との間の導通状態(オン状態)と遮断状態(オフ状態)とを切り替える。スイッチSWa1は、DC−DCコンバータAmの位相制御端子CKに接続された第1スイッチ端子と、第1クロック分配器D1のクロック信号Xmの出力端子に接続された第2スイッチ端子と、第2クロック分配器D2のクロック信号Yn+1の出力端子に接続された第3スイッチ端子とを備えている。スイッチSWa1は、当該第1スイッチ端子を、当該第2スイッチ端子に接続するか、当該第3スイッチ端子に接続するかを切り替えるセレクタである。スイッチSWa2は、DC−DCコンバータAmの出力端子Oに接続された第1スイッチ端子と、電源出力端子OUTaに接続された第2スイッチ端子とを備えている。スイッチSWa2は、当該第1スイッチ端子と当該第2スイッチ端子との間の導通状態(オン状態)と遮断状態(オフ状態)とを切り替える。
このように、スイッチSW0とスイッチSWa2とは、DC−DCコンバータAmの出力端子Oを電源出力端子OUTaと電源出力端子OUTbとのいずれか一方に接続するよう接続状態の切替えが可能なスイッチ回路を構成する。以下では、DC−DCコンバータAmの出力端子Oを電源出力端子OUTaに接続するスイッチ回路の接続状態を第1の状態とし、DC−DCコンバータAmの出力端子Oを電源出力端子OUTbに接続するスイッチ回路の接続状態を第2の状態とする。
スイッチSWa1は、当該スイッチ回路の接続状態にしたがって、DC−DCコンバータAmの位相制御端子CKを、第1の状態では第1クロック分配器D1のクロック信号Xmの出力端子に接続し、第2の状態では第2のクロック分配器D2のクロック信号Yn+1の出力端子に接続する。スイッチSW0とスイッチSWa2とは例えばリレー素子やスイッチング素子で構成され、スイッチSWa1は例えばマルチプレクサで構成される。図1において、DC−DCコンバータAmの出力端子Oと電源出力端子OUTaとが接続された状態(第1の状態)、および、DC−DCコンバータAmの位相制御端子CKと第1クロック分配器D1のクロック信号Xmの出力端子とが接続された状態を、スイッチSW0とスイッチSWa1とスイッチSWa2とのそれぞれに表記した実線の可動切片記号で示す。また、図1において、DC−DCコンバータAmの出力端子Oと電源出力端子OUTbとが接続された状態(第2の状態)、および、DC−DCコンバータAmの位相制御端子CKと第2クロック分配器D2のクロック信号Yn+1の出力端子とが接続された状態を、スイッチSW0とスイッチSWa1とスイッチSWa2とのそれぞれに表記した破線の可動切片記号で示す。
第1クロック分配器D1は、第1クロック分配器D1に接続されるDC−DCコンバータの駆動位相を制御する駆動位相制御部をなしている。スイッチ回路が第1の状態にある場合は、第1クロック分配器D1は、互いに2π/mずつ位相がずれたm相分のクロック信号X1〜Xmを生成して、クロック信号Xh(hは1≦h≦mの整数)を第h相となるDC−DCコンバータAhに入力する。スイッチ回路が第2の状態にある場合は、第1クロック分配器D1は、互いに2π/(m−1)ずつ位相がずれたm−1相分のクロック信号X1〜Xm−1を生成して、クロック信号Xi(iは1≦i≦m−1の整数)を第i相となるDC−DCコンバータAiに入力する。第1の状態では第2クロック分配器D2のクロック信号Yn+1の出力端子は使用されない。第2の状態では、第1クロック分配器D1のクロック信号Xmの出力端子は使用されない。
第2クロック分配器D2は、第2クロック分配器D2に接続されるDC−DCコンバータの駆動位相を制御する駆動位相制御部をなしている。第2クロック分配器D2にDC−DCコンバータB1〜Bnのみが接続される場合(すなわち、スイッチ回路が第1の状態にある場合)においては、第2クロック分配器D2は、互いに2π/nずつ位相がずれたn相分のクロック信号Y1〜Ynを生成して、クロック信号Yj(jは1≦j≦nの整数)を第j相となるDC−DCコンバータBjに入力する。第2クロック分配器D2にDC−DCコンバータB1〜BnおよびDC−DCコンバータAmが接続される場合(すなわち、スイッチ回路が第2の状態にある場合)においては、第2クロック分配器D2は、互いに2π/(n+1)ずつ位相がずれたn+1相分のクロック信号Y1〜Yn+1を生成して、クロック信号Yk(kは1≦k≦nの整数)を第k相となるDC−DCコンバータBkに入力するとともに、クロック信号Yn+1をDC−DCコンバータAmに入力する。
図2に、第1クロック分配器D1および第2クロック分配器D2によって生成される、互いに位相がずれたクロック信号の波形例を示す。図2(a)は、互いに2π/4ずつ位相がずれるように生成された4相分のクロック信号φ1〜φ4の波形を示す。図2(b)は、互いに2π/3ずつ位相がずれるように生成された3相分のクロック信号φ1〜φ3の波形を示す。m=4の場合に、例えば、図2(a)のクロック信号φ1〜φ4はクロック信号Xhに、図2(b)のクロック信号φ1〜φ3はクロック信号Xiに、それぞれ相当する。n=3の場合に、例えば、図2(b)のクロック信号φ1〜φ3はクロック信号Yjに、図2(a)のクロック信号φ1〜φ4はクロック信号Ykに、それぞれ相当する。
ここで、図2(a)と図2(b)との間で、スイッチング周波数およびデューティ比が等しい。デューティ比は、一般に各DC−DCコンバータ内で個別に調整され、例えば、DC−DCコンバータが同期整流式の場合に同期整流の所望のスイッチングタイミングにより決定される。また、デューティ比は、例えば、各DC−DCコンバータの通流比を表す。図2(a)と図2(b)との間で必ずしもスイッチング周波数は等しくなくてもよい。また、デューティ比は、例えば、電源出力端子OUTaおよび電源出力端子OUTbからの出力電圧を可変に制御する場合には、出力電圧に従って変化させられる。また、第1クロック分配器D1が生成するクロック信号のスイッチング周波数およびデューティ比と、第2クロック分配器D2が生成するクロック信号のスイッチング周波数およびデューティ比とは、それぞれ個別に定められる。図1の電源装置2において、DC−DCコンバータAmは、第1クロック分配器D1と第2クロック分配器D2とのそれぞれの駆動位相による駆動が可能な構成を有している。
第1クロック分配器D1および第2クロック分配器D2は、例えば、位相分割数が制御可能な発振ICにより構成される。
相数制御部PSは、電源装置2の外部から取得した、サブバッテリL1の要求出力qaを示す要求出力情報(要求出力の情報)QA、および、電動パワーステアリング装置L2の要求出力qbを示す要求出力情報(要求出力の情報)QBに応じて、第1クロック分配器D1および第2クロック分配器D2のそれぞれの駆動相数を決定する。そして、相数制御部PSは、決定した駆動相数に基づき、スイッチ回路およびスイッチSWa1の接続状態を指示する制御信号intによって、スイッチ回路の接続状態を第1の状態とするか第2の状態とするかを制御するとともに、スイッチ回路の接続状態に応じたスイッチSWa1の接続状態を制御する。さらに、相数制御部PSは、決定した駆動相数に基づき、第1クロック分配器D1および第2クロック分配器D2のそれぞれの駆動相数を、制御信号phによって制御する。
要求出力qaは、サブバッテリLaの図示しない充電制御部により算出され、要求出力情報QAとされて相数制御部PSに入力される。要求出力qbは、電動パワーステアリング装置Lbの図示しない制御部により算出され、要求出力情報QBとされて相数制御部PSに入力される。
図3に、負荷への出力電力の時間変化の一例を示す。図3(a)は電源出力端子OUTaからの出力電力Paの時間変化を示し、図3(b)は電源出力端子OUTbからの出力電力Pbの時間変化を示す。
時刻t1まではサブバッテリL1の要求出力qaおよび電動パワーステアリング装置L2の要求出力qbがともに定常負荷範囲の状態にある(第1の場合)。サブバッテリL1の定常負荷範囲は、例えば、第1電源回路部Uaにおいて、m−1相分のDC−DCコンバータA1〜Am−1のそれぞれが供給可能な最大電力の合計よりも大きく、m相分のDC−DCコンバータA1〜Amのそれぞれが供給可能な最大電力の合計以下の電力の範囲で表される。電動パワーステアリング装置L2の定常負荷範囲は、例えば、第2電源回路部Ubにおいて、n相分のDC−DCコンバータB1〜Bnのそれぞれが供給可能な最大電力の合計以下の電力の範囲で表される。
出力電力Pa(図3(a)中の時刻t1以前における実線)は要求出力qaに、出力電力Pb(図3(b)中の時刻t1以前における実線)は値qb1で表される要求出力qbに、それぞれほぼ一致する。このとき、要求出力qaは、電源出力端子OUTaへのm相分のDC−DCコンバータA1〜Amの合成出力により賄える電力である。すなわち、要求出力qaは、m相分のDC−DCコンバータA1〜Amのそれぞれの最大出力の合計である最大合計出力Pma(図3(a)中の時刻t1以前における破線)以下である。また、値qb1で表される要求出力qbは、電源出力端子OUTbへのn相分のDC−DCコンバータB1〜Bnの合成出力により賄える電力である。すなわち、値qb1で表される要求出力qbは、n相分のDC−DCコンバータB1〜Bnのそれぞれの最大出力の合計である最大合計出力Pmb(図3(b)中の時刻t1以前における破線)以下である。このとき、相数制御部PSは、要求出力qaおよび要求出力qbに応じて、スイッチ回路の接続状態を第1の状態に制御するとともに、第1クロック分配器D1を駆動相数mで、第2クロック分配器D2を駆動相数nで、それぞれ動作させる。
次に、時刻t1〜時刻t2の期間において、例えば電動パワーステアリング装置L2が、ドライバにより一時的に行われる駐車時の据切操作や走行中の急な操舵などによって、要求出力qbを値qb2に増加させたとする。このとき、値qb2は、n相分のDC−DCコンバータB1〜Bnの最大合計出力Pmbよりも大きく、DC−DCコンバータB1〜BnおよびDC−DCコンバータAmからなるn+1相分のDC−DCコンバータの最大合計出力Pmb(図3(b)中の時刻t1〜時刻t2における破線)以下であるとする。すなわち、値qb2の要求出力qbは、定常負荷状態よりも大きな電力を要するものであり、n相分のDC−DCコンバータによる出力電力では不足するが、n+1相分のDC−DCコンバータによる出力電力により賄うことができる、重負荷範囲にある(第2の場合)。また、サブバッテリL1には常時一定の充電動作が行われる必要はなく、定常負荷範囲の要求出力qaがなされていても、被供給電力が定常負荷範囲にある状態から一時的に定常負荷範囲を下回ることは許容される。このとき、相数制御部PSは、要求出力qaおよび要求出力qbに応じて、スイッチ回路の接続状態を第2の状態に制御するとともに、第1クロック分配器D1を駆動相数m−1で、第2クロック分配器D2を駆動相数n+1で、それぞれ動作させる。
時刻t2以降は、時刻t1までと同様に、要求出力qaおよび要求出力qbが定常負荷範囲の状態となる(第1の場合)。相数制御部PSは、要求出力qaおよび要求出力qbに応じて、スイッチ回路の接続状態を第1の状態に制御するとともに、第1クロック分配器D1を駆動相数mで、第2クロック分配器D2を駆動相数nで、それぞれ動作させる。
相数制御部PSは、例えば、電源装置2が備えるコンピュータにより構成される。
[電源装置が実行する制御の処理手順]
次に、図4のフローチャートを参照して、上記構成の電源装置2の相数制御部PSが実行する制御の処理手順を説明する。当該フローは、電源装置2が備えるコンピュータのプロセッサが当該コンピュータの記憶媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。なお、当該フローでは、サブバッテリL1が充電量不足に陥る事態は生じず、要求出力qaに基づく、スイッチ回路の第1状態から第2状態への移行を阻止する制御処理、および、第2状態から第1状態へ強制移行する制御処理は行われないものとする。
電源装置2には、イグニションオンにより電源投入がなされる。ステップS101において、相数制御部PSは、制御信号intによってスイッチ回路を、サブバッテリL1および電動ステアリング装置L2がともに定常負荷状態にある場合(第1の場合)に対応した第1の状態に制御する。このとき同時に、スイッチSWa1が、制御信号intによって第1の状態に応じた接続状態に制御される。また、相数制御部PSは、スイッチ回路を第1の状態に制御したことに伴い、制御信号phによって、第1クロック分配器D1を駆動相数mで、第2クロック分配器D1を駆動相数nで、それぞれ動作させる。
続くステップS102において、相数制御部PSは、取得した要求出力情報QBから、要求出力qbが電源出力端子OUTbに接続されたDC−DCコンバータの最大電力の合計を超える重負荷範囲にあるか否かを判定する。ステップS102において、要求出力qbが当該重負荷範囲にある(第2の場合)と判定された場合にはステップS103へ進み。要求出力qbが当該重負荷範囲にない(すなわち定常負荷範囲にある)と判定された場合にはステップS105へ進む。
ステップS103において、相数制御部PSは、制御信号intによってスイッチ回路を、電動ステアリング装置L2の重負荷状態に対応した第2の状態に制御する。このとき同時に、スイッチSWa1が、制御信号intによって第2の状態に応じた接続状態に制御される。また、相数制御部PSは、スイッチ回路を第2の状態に制御したことに伴い、制御信号phによって、第1クロック分配器D1を駆動相数m−1で、第2クロック分配器D2を駆動相数n+1で、それぞれ動作させる。ステップS103の次はステップS104へ進む。
ステップS104では、相数制御部PSは、イグニションオフの指示があるか否かを判定する。ステップS104においてイグニションオフの指示があれば当該フローは終了し、ステップS104においてイグニションオフの指示がなければステップS102に戻る。
ステップS105では、相数制御部PSは、スイッチ回路が第1の状態にあるか否かを判定する。ステップS105において、スイッチ回路が第1の状態にあると判定された場合にはステップS104に進み、スイッチ回路が第1の状態にないと判定された場合にはステップS101に進む。
[実施の形態の効果]
本実施形態に係る電源装置2によれば、複数のDC−DCコンバータA1〜Am、B1〜Bnが電源出力端子OUTaおよび電源出力端子OUTbのそれぞれに振り分けられ、各DC−DCコンバータが割り当てられた電源出力端子に対して1相分の出力を分担する。そして、複数のDC−DCコンバータA1〜Am、B1〜Bnに含まれる所定のDC−DCコンバータであるDC−DCコンバータAmの出力端子Oが、電源出力端子OUTaと電源出力端子OUTbとの間で切替え接続されることにより、電源出力端子OUTaと電源出力端子OUTbとの間で、相単位での電源容量の融通が行われる。DC−DCコンバータAmとこれ以外のDC−DCコンバータとの組合せは、電源出力端子OUTaおよび電源出力端子OUTbのそれぞれにおける必要な出力電力の変化に合せて、適宜変更することが可能である。
DC−DCコンバータAmの出力端子Oは、電源出力端子OUTaに対する要求出力qaおよび電源出力端子OUTbに対する要求出力qbがともに定常負荷範囲にある第1の場合は電源出力端子OUTaに接続される。当該第1の場合から、電源出力端子OUTbに対する要求出力qbが電源出力端子OUTbに接続されているDC−DCコンバータB1〜Bnのそれぞれの最大出力の合計を超える第2の場合への変化が生じると、DC−DCコンバータAmの出力端子は電源出力端子OUTbに接続される。電源出力端子OUTaに接続された第1の負荷の被供給電力が定常負荷範囲にある状態から一時的に定常負荷範囲を下回ることは許容され、かつ、電源出力端子OUTbに接続された第2の負荷が定常負荷範囲よりも大きい電力を要するのは一時的であることから、このようにDC−DCコンバータAmの出力端子Oを電源出力端子OUTaから切り離して電源出力端子OUTbに接続することが可能となる。
複数のDC−DCコンバータA1〜Am、B1〜Bnのそれぞれの最大出力の合計は、両電源出力端子OUTa、OUTbのそれぞれの最大出力の合計よりも小さく、電源出力端子OUTbの最大出力は電源出力端子OUTaからDC−DCコンバータAmが切り替え接続されることにより充足される。このように、電源装置2では、少なくとも電源出力端子OUTbに専用に最大電力を供給可能な電源容量を設けずに済むので、回路規模が抑制される。以上により、複数の電源出力端子のそれぞれに個別に最大電力を供給可能な電源容量を設けることなく、各負荷の最大消費電力を供給することのできる低コストの電源装置を提供することができる。
また、本実施形態に係る電源装置2によれば、ドライバによる駐車時における据切操作または走行中における急な操舵があっても、電動パワーステアリング装置Lbに十分な電力が供給される。したがって、電動パワーステアリング装置Lbの機能が阻害されることがなく、違和感のない操作が保証される。
[変形例]
図5に、本実施形態の変形例に係る電源システムの構成を示す。当該電源システムは、図1の電源システムの電源装置2を電源装置12に置き換えたものである。電源出力端子OUTaには第1の負荷LAが接続され、電源出力端子OUTbには第2の負荷LBが接続される。電源装置12は、2つの電源出力端子のいずれに対する要求出力が所定の重負荷範囲となっても、供給電力を定常負荷に対応した電力よりも減少させることが可能な他方の電源出力端子との間で、DC−DCコンバータの組み替えが可能な構成である。
電源装置12は、図1の電源装置2において、第1電源回路部Uaが第1電源回路部UAに、第2電源回路部Ubが第2電源回路部UBに、それぞれ変更された構成となっている。第1電源回路部UAは、第1電源回路部Uaにおいて第1クロック分配器D1が第1クロック分配器D10に変更された構成である。第2電源回路部UBは、第2電源回路部Ubにおいて第2クロック分配器D2が第2クロック分配器D20に変更され、さらにスイッチSWb1およびスイッチSWb2が追加された構成である。以下に、これらの変更および追加の詳細と、付随する接続関係の変更とについて説明する。
第1電源回路部UAの第1クロック分配器D10には、第1クロック分配器D1の機能にさらにクロック信号Xm+1を生成して出力する機能が付加されている。第1クロック分配器D10は、第1クロック分配器D1で取り得る駆動位相に加えて、第m+1相の駆動位相を取り得る。すなわち、第1クロック分配器D10は、駆動相数を、m−1、m、および、m+1の3通りに可変である。また、第2電源回路部Ubの第2クロック分配器D2は、第2クロック分配器D2で取り得る駆動位相に加えて、第n−1相の駆動位相を取り得る。すなわち、第2クロック分配器D20は、駆動相数を、n−1、n、および、n+1の3通りに可変である。
スイッチSWb1は、DC−DCコンバータBnの位相制御端子CKに接続された第1スイッチ端子と、第2クロック分配器D20のクロック信号Ynの出力端子に接続された第2スイッチ端子と、第1クロック分配器D10のクロック信号Xm+1の出力端子に接続された第3スイッチ端子とを備えている。スイッチSWb1は、当該第1スイッチ端子を、当該第2スイッチ端子に接続するか当該第3スイッチ端子に接続するかを切り替えるセレクタである。スイッチSWb2は、DC−DCコンバータBnの出力端子Oに接続された第1スイッチ端子と、電源出力端子OUTbに接続された第2スイッチ端子とを備えている。スイッチSWb2は、当該第1スイッチ端子と当該第2スイッチ端子との間の導通状態(オン状態)と遮断状態(オフ状態)とを切り替える。また、この場合に、スイッチSW0は、DC−DCコンバータAmの出力端子Oに接続された第1スイッチ端子と、DC−DCコンバータBnの出力端子Oに接続されるように接続状態が変更された第2スイッチ端子との間の導通状態(オン状態)と遮断状態(オフ状態)とを切り替える。
このようにして、電源装置12では、電源装置2で説明した重負荷状態となった電源回路部へのDC−DCコンバータの切り替え接続が、第1電源回路部UAと第2電源回路部UBとのいずれが重負荷状態となった場合にも可能である。また、一方の電源回路部が重負荷状態となる場合に、切替え接続されるDC−DCコンバータが切り離されるほうの電源回路部に接続された負荷が、動作を停止する場合があってもよい。また、第1電源回路部UAと第2電源回路部UBとに限らず、電源回路部は3つ以上備えられていてもよく、切替え接続されるDC−DCコンバータは、任意の複数の電源回路部の間で切替え接続されてもよい。
本発明は、車両に搭載される電源装置など、複数の負荷に電力を供給する電源装置に有用である。
1 直流電源
2、12 電源装置
A1〜Am、B1〜Bn DC−DCコンバータ
CK 位相制御端子
D1、D10 第1クロック分配器
D2、D20 第2クロック分配器
G オルタネータ
IN 電源入力端子
L 電源ライン
LA 第1の負荷
LB 第2の負荷
O 出力端子
OUTa、OUTb 電源出力端子
OB メインバッテリ
Pa、Pb 出力電力
Pma、Pmb 最大合計出力
PS 相数制御部
QA、QB 要求出力情報
qa、qb 要求出力
qb1、qb2 値
t1、t2 時刻
SW0、SWa1、SWa2、SWb1、SWb2 スイッチ
Ua、UA 第1電源回路部
Ub、UB 第2電源回路部
X1〜Xm+1、Y1〜Yn+1、φ1〜φ4 クロック信号
Vs 電源電圧

Claims (2)

  1. 複数のDC−DCコンバータと、
    被供給電力が定常負荷範囲にある状態から一時的に定常負荷範囲を下回ることが許容される第1の負荷が接続される第1の電源出力端子と、
    一時的に定常負荷範囲よりも大きな電力を要する第2の負荷が接続される第2の電源出力端子と、
    前記複数のDC−DCコンバータに含まれる一部の所定のDC−DCコンバータの出力端子を、前記第1の電源出力端子と前記第2の電源出力端子とのいずれか一方に接続するよう接続状態の切替えが可能なスイッチ回路と、
    を備え、
    前記複数のDC−DCコンバータのうちの前記所定のDC−DCコンバータ以外のDC−DCコンバータの出力端子は、DC−DCコンバータごとに定められるように前記第1の電源出力端子と前記第2の電源出力端子とのいずれか一方に接続されており、
    前記複数のDC−DCコンバータのそれぞれの最大出力の合計は、前記第1の電源出力端子および前記第2の電源出力端子のそれぞれの最大出力の合計よりも小さく、
    前記第1の電源出力端子および前記第2の電源出力端子のそれぞれに対する要求出力の情報が入力される切替え制御部であって、前記要求出力の情報に基づき、前記第1の電源出力端子に対する要求出力が前記第1の負荷の定常負荷範囲にあり、かつ、前記第2の電源出力端子に対する要求出力が前記第2の負荷の定常負荷範囲にある第1の場合には、前記スイッチ回路の接続状態を前記所定のDC−DCコンバータの出力端子を前記第1の電源出力端子に接続する第1の状態とし、前記第1の場合から前記第2の電源出力端子に対する要求出力が前記第2の電源出力端子に接続されているDC−DCコンバータの最大出力の合計を超える第2の場合への変化が生じると、前記スイッチ回路の接続状態を前記第1の状態から前記所定のDC−DCコンバータの出力端子を前記第2の電源出力端子に接続する第2の状態とするように、前記スイッチ回路の接続状態を制御する切替え制御部と、
    前記第1の電源出力端子および前記第2の電源出力端子のそれぞれに対して、前記切替え制御部によって制御された前記スイッチ回路の接続状態により接続されたDC−DCコンバータを、接続されたDC−DCコンバータ数に等しい相数で駆動制御する駆動制御部と、
    をさらに備えている、電源装置。
  2. 前記第1の負荷はリチウムイオン電池であり、
    前記第2の負荷は電動パワーステアリング装置であり、
    前記第2の電源出力端子に対する要求出力の情報は、前記電動パワーステアリング装置への駐車時における据切操作と走行中における急な操舵とのいずれか一方である場合に、前記第2の電源出力端子に対する要求出力が前記第2の電源出力端子に接続されているDC−DCコンバータの最大出力の合計を超えることを示す、
    請求項1に記載の電源装置。
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