以下、実施形態の無線局、探索支援装置、無線アクセスポイント、探索支援方法及び探索支援プログラムを、図面を参照して説明する。
なお、以下に示す各図において、同一構成については同一の符号を付して説明を省略する。
先ず、図1を用いて、探索支援システムの構成を説明する。図1は、実施形態の探索支援システムの構成を例示する図である。
図1において、本実施形態における探索支援システム1000は、探索支援装置100、無線タグ200、無線局300及びアクセスポイント600を含む。
探索支援装置100は、無線タグ200が取付けられている物品の探索を支援する装置である。探索支援装置100は、通信ユニット1及び携帯情報端末2を含む。本実施例では、通信ユニット1と携帯情報端末2とは、分離可能なハードウェアによって構成され、通信可能に接続される場合を例示する。通信ユニット1と携帯情報端末2とは、ハードウェアで構成されてもよい。
通信ユニット1は、無線タグ200と無線通信をして、無線タグ200のタグIDを読取る。通信ユニット1は、無線タグ200に対して、タグIDの送信動作をさせるための所定の電波を送信する。通信ユニット1は、所定の電波の送信によってタグIDの送信動作をした無線タグ200からタグIDを読取る。
通信ユニット1は、本体1a、ホルダ1b及びグリップ1cを含む。本体1aは、携帯情報端末2と通信可能に接続されて、携帯情報端末2とデータの送受信を行う。本体1aの一の面には、無線タグ200と無線通信を行うための指向性アンテナが配される。ホルダ1bは、携帯情報端末2を着脱可能に保持する。グリップ1cは、探索支援装置100の使用者(以下、「使用者」という。)によって把持される。使用者がグリップ1cを把持すると、指向性アンテナが配された本体1aの面(アンテナ面)は使用者の前方方向になる。
探索支援装置100の携帯情報端末2は、無線局300及びアクセスポイント600と無線通信を行う。携帯情報端末2は、通信ユニット1との通信において。無線局300及びアクセスポイント600との間で使用する無線通信を用いてもよい。
探索支援装置100は任意の通信規格の無線通信を使用することができる。探索支援装置100が通信可能な通信距離は、使用する無線通信の通信規格によって異なる。本実施形態においては、例えば通信距離が70m程度の無線通信を使用するものとする。使用する無線通信の通信規格としては、例えば、Bluetooth(登録商標)を用いることができる。
携帯情報端末2には、例えば、スマートフォン又はタブレット型コンピュータ等の装置を利用することができる。携帯情報端末2は、タッチパネル23を有する。携帯情報端末2は、タッチパネル23が使用者によって操作が可能なようにホルダ1bによって保持される。携帯情報端末2がホルダ1bによって保持された状態で、使用者がグリップ1cを把持すると、タッチパネル23は使用者の方向を向く。使用者は、グリップ1cを把持してタッチパネル23を視認可能な状態で、アンテナ面を無線タグ200の方向に向けて、無線タグ200のタグIDを読取ることができる。また、使用者は、グリップ1cを把持した状態のままで、タッチパネル23の操作をすることができる。
携帯情報端末2は、無線通信を介して、特定の無線局300に対して、音、光又は振動のうち少なくとも一の出力による通知の動作を実行させる所定の指示を送信することができる。使用者は、タッチパネル23を操作することにより、所定の指示を送信する特定の無線局300を選択できるようにしてもよい。なお、所定の指示に対する無線局300の動作の詳細は後述する。
無線タグ200は、探索支援装置100の通信ユニット1と無線通信をして、無線タグを識別するタグIDを無線通信によって送信する。無線タグ200は、探索の対象となる物品に取付けられる。図1では無線タグ200は、無線タグ200−1、200−2及び(図示しない)200−3の3つが3つの物品に取付けられていることを示している。しかし、無線タグ200の数はこれに限定されず、図示しない他の物品に取付けられていてもよい。本実施形態では、無線タグ200−1〜200−3の別を問わないときには「無線タグ200」と記載する。
無線タグ200は、それぞれの無線タグを識別するタグIDを有している。無線タグ200は、通信ユニット1から所定の電波を受けると、所定の電波をエネルギー源としてタグIDを送信する送信動作をする。無線タグ200には、例えば、RFID(radio frequency identifier)タグを利用することができる。無線タグ200が、受けた所定の電波をエネルギー源として動作するパッシブタイプの無線タグである場合、無線タグ200の信可能距離は数m程度である。本実施形態では、無線タグ200の通信可能距離は5m程度であるものとして説明する。なお、無線タグ200は各種の規格のものを適宜に用いることができる。無線タグ200の通信可能距離は各種の規格によって異なる。
本実施形態では、無線タグ200が取付けられた物品は、通函や搬送用パレット等の物品を載置して運搬可能な荷役台309に載置されて移動され得る場合を示している。探索支援装置100によって無線タグ200のタグIDを読取る場合、探索支援装置100と無線タグ200との距離は約5m以内である必要がある。物品が荷役台309によって移動された場合、使用者は、探索支援装置100と無線タグ200との距離が5m以内になるように探索支援装置100を持って移動しなくてはならない。しかし、物品が移動されて物品が所在する位置が不明になると、無線タグ200のタグIDを読取ることができなくなる。特に多数の物品が広い倉庫内に収納されているような状況においては、目視で探索対象の物品を探して5m以内に近づくことが困難になる場合があった。また、物品の保管場所を記録して管理する場合、物品が移動された場合には物品の保管場所を常に更新して記録する必要があり管理が煩雑となる。また、物品の保管場所の記録に不備が有った場合、物品が所在する位置が不明となってしまう場合があった。
無線局300は、探索支援装置100及びアクセスポイント600と無線通信を行う。本実施形態において使用する無線通信の通信距離は、無線タグ200の通信距離に比べて長いものとする(通信範囲、セル又はカバレッジエリアが広いともいう。)。
無線局300は、例えば、荷役台309毎に取付けられる。図1では無線局300が1つである場合を例示しているが、荷役台309が複数存在する場合は、無線局300も複数存在することになる。物品が荷役台309に載置された状態で移動された場合には、無線局300の位置は、常に物品が所在する位置と同じ(略同一)になる。荷役台309毎に取付けられたそれぞれの無線局300は、ほぼ同じ電波強度で無線通信を行うものとする。
無線局300は、所定の時間間隔で無線通信を介して識別情報(「ビーコン信号」又は「ID」ともいう。)を発信する。本実施形態では、所定の時間間隔で無線通信を介して識別情報を発信するモードを「無線送信モード」という。無線局300は、無線送信モードにおいて、所定の時間間隔で識別情報を発信する無線標識(ビーコン)として動作する。所定の時間間隔は、例えば100ms又は350ms等の間隔である。
無線送信モードにおいて無線局300が発信する識別情報は、無線局を識別する1又は2以上のデータの組み合わせとすることができる。識別情報は、例えば、無線局を一意に特定する特定IDと、第1の整数と第2の整数の組み合わせであってもよい。但し、特定IDは、複数の無線局で共有してもよく、その場合第1の整数及び第2の整数によって特定の無線局を特定することができる。なお、無線通信にBluetoothの通信規格を用いたビーコン信号を用いる場合、特定IDとしてUUID(Universally Unique Identifier)、第1の整数としてmajor値、第2の整数としてminor値を用いてもよい。また、識別情報は、識別情報を発信する無線周波数等、ビーコン信号自体の属性が異なるものであってもよい。
なお、無線送信モードにおいて無線局300から識別情報を取得する場合、探索支援装置100及びアクセスポイント600は無線局300とのペアリングは不要である。ペアリングは、例えば、無線通信を行う2つの装置において、一方の装置を探索可能状態として、他方の装置から探索可能状態となっている装置を探索し、同一の認証鍵を双方の装置に入力することによってお互いを特定する手順である。従って、無線送信モードにおいて無線局300の識別情報は、ペアリングをしていない装置によって読取ることが可能となる。
また、無線局300は、無線通信を介して所定の指示を取得したときには、図2を用いて後述する、音、光又は振動のうち少なくとも一の出力による通知の動作を実行する通知回路を動作させる。無線局300は、音、光又は振動のうち少なくとも一の出力が可能な通知部を有するものとする。本実施形態では、通知回路に通知の動作を実行させるモードを「実行モード」という。無線局300は、無線通信を介して所定の指示を取得したときには、モードを無線送信モードから実行モードに切替える。本実施形態では、実行モードにおいて、音、光又は振動のうち少なくとも一の出力による通知の動作を実行する場合を例示する。しかし、実行モードにおいては、他の動作を実行するようにしてもよい。なお、実行モードで動作させるためには、無線局300は無線通信の相手とペアリングする必要がある。
無線送信モード及び実行モードを含む無線局300の動作の詳細は図16を用いて後述する。
アクセスポイント600は、探索支援装置100及び無線局300と無線通信を行う。アクセスポイント600は、探索支援装置100又は無線局300等の無線通信装置からの無線通信によるアクセスを可能にする。図1においては、アクセスポイント600−1〜600−3の3つのアクセスポイントが探索支援装置100によって物品の所在を検索する所定の空間(以下、「探索対象エリア」という。)に配置されていることを例示している。しかし、アクセスポイントの数は3つに限定されるものでは無く、2つ以下又は4以上であってもよい。本実施形態では、アクセスポイント600−1〜600−3の別を問わないときには「アクセスポイント00」と記載する。アクセスポイント600は、検索対象エリアに複数配置されて、通信距離(通信範囲)に存在する無線通信装置からの無線通信アクセスを可能にする。本実施形態においては、複数のアクセスポイントの無線通信を行うための識別情報は同一のものを使用する。無線通信を行うためのIDを同一にすることによって、無線通信装置は、いずれのアクセスポイント600とも通信が可能になる。検索対象エリアに配置された複数のアクセスポイント600は、お互いに通信可能に接続される等により探索支援装置100又は無線局300に関する情報を共有できるものとする。従って、アクセスポイント600は、探索支援装置100又は無線局300が検索対象エリアの中で移動してアクセス先のアクセスポイント600を切替えて無線通信をした場合であっても探索支援装置100又は無線局300に関する情報を共有することができる。
また、アクセスポイント600は、アクセスされた無線通信装置(探索支援装置100又は無線局300)の位置を測定する。アクセスポイント600は、アクセスされた無線通信装置から送信された無線通信の電波強度に応じて、無線通信装置との距離を測定することができる。電波強度は、例えば無線信号のRSSI(Received Signal Strength Indication)によって測定することができる。例えば、電波強度に応じて、無線通信装置との距離を3段階の距離(遠距離、中距離、近距離)に分類して測定してもよい。また、アクセスポイント600が探索対象エリアに複数設置されている場合は、それぞれのアクセスポイント600で測定された無線通信装置との距離に基づき無線通信装置の位置を測定(推定)することができる。測定される位置は、例えば、平面的な位置(X,Y座標の2次元で表される位置)であってもよいし、立体的な位置(X、Y、Z座標の3次元で表される位置)であってもよい。例えば、荷役台309が立体的な多段ラックで保管される場合、平面的な位置(X,Y座標)に加えて高さ(Z座標)が測定できれば、荷役台309がラックの何段目に保管されているかを測定することができる。
例えば、無線局300がアクセスポイント600−1〜600−3の3つアクセスポイントから距離を測定された場合を考える。無線局300の位置は、3つのアクセスポイントでそれぞれ測定(3点測位)された距離に基づき算出することができる。従って、3つのアクセスポイントで測定された距離のデータは1ヶ所に集められることで位置を算出することができる。本実施形態において、探索対象エリアに複数配置されたそれぞれのアクセスポイント600はそれぞれ接続されて、集められた距離のデータに基づきいずれかのアクセスポイントにおいて位置の算出を実行するものとする。
なお、上記は、複数のアクセスポイント600からの距離に基づき無線局300の位置を算出する方法を説明したが、例えば、無線通信装置との距離が一番近いアクセスポイント600の位置を無線通信装置の位置として測定するものであってもよい。
また、アクセスポイント600が位置を算出する代わりに、アクセスポイント600が通信可能なサーバにおいて位置を算出してもよい。
探索支援装置100の位置の算出は、無線局300の位置の算出と同じ方法によって行うことができる。例えば、探索支援装置100を無線局300の無線送信モードと同様の状態にしてビーコン信号を送出させるようにしてもよい。アクセスポイント600は、探索対象エリアにある無線局300の位置と探索支援装置100の位置を同時に測定するようにしてもよい。
アクセスポイント600は、測定した位置に基づく探索支援装置100又は無線局300の位置情報を探索支援装置100に送信することができる。探索支援装置100は、自装置の位置情報を取得することにより、自装置の現在位置を知ることができる。また、探索支援装置100は、検索対象の無線局300の位置情報を取得することにより、検索対象の無線局の現在位置を知ることができる。アクセスポイント600は、測定した無線局300の位置情報を予め記録しておき、探索支援装置100からの要求に応じて記録した位置情報を送信するようにしてもよい。
また、図1においては、探索支援装置100は、通信ユニット1と携帯情報端末2が組み合わされて使用させる場合を説明したが、通信ユニット1と携帯情報端末2は分離した状態で使用されてもよい。
また、携帯情報端末2は、通信ユニット1と別個に購入等されたものを組み合わせて使用してもよい。
次に、図2を用いて、探索支援システム1000の機能構成を説明する。図2は、実施形態の探索支援システム1000のハードウェア構成を例示するブロック図である。
図2において、本実施形態における探索支援システム1000は、探索支援装置100、無線タグ200、無線局300、アクセスポイント600、及び通信ネットワーク400を介して接続されたサーバ500を含む。
探索支援装置100は、通信ユニット1及び携帯情報端末2を含む。通信ユニット1は、プロセッサ11、メモリ12、送受信回路13、測定回路15、通信回路16及びシステム伝送路17を含む。携帯情報端末2は、プロセッサ21、メモリ22、タッチパネル23、センサ24、送受信回路25、通信回路26、システム伝送路27及び測定回路28を含む。無線局300は、プロセッサ31、メモリ32、送受信回路36、通知回路39及びシステム伝送路37を含む。アクセスポイント600は、プロセッサ61、メモリ62、送受信回路65、通信回路66及びシステム伝送路67を含む。
通信ユニット1において、プロセッサ11、メモリ12、送受信回路13、測定回路15及び通信回路16は、システム伝送路17によって接続される。プロセッサ11及びメモリ12は、システム伝送路17によって接続されることによって、通信ユニット1を制御するためのコンピュータを構成する。
プロセッサ11は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、通信ユニット1の各部を制御する。
メモリ12は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含んでいてもよい。メモリ12の不揮発性のメモリ領域は、例えば、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。メモリ12は、プロセッサ11が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域に記憶してもよい。メモリ12の揮発性のメモリ領域は、例えば、プロセッサ11によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用される。メモリ12としては、半導体メモリを用いることができる。しかし、メモリ12として、HDD(Hard Disc Drive)等、他の種類の記憶デバイスを用いても良い。
送受信回路13は、無線タグ200を動作させるための電波を放射して、送受信回路13は、無線タグ200が送信した無線信号を受信する通信デバイスの一例である。送受信回路13は、受信した無線信号からタグIDを抽出して読取ることができる。送受信回路13は、電波の放射によって複数の無線タグ200からの無線信号を受信した場合、受信した無線信号に含まれる複数のタグIDを読取る。例えば、同じ荷役台309に複数の物品が載置されている場合、複数の物品に取付けられた無線タグ200を一度の読取り操作で読取ることができる。送受信回路13は、受信した無線信号を読取ったタグIDと共に、測定回路15に送信してもよい。なお、送受信回路13は、指向性アンテナを含んでいてもよい。指向性アンテナを用いることにより、特定の方向に対して放射する電波の強度を集中させることができると共に、特定の方向からの電波の受信感度(利得)を向上させることができる。例えば、図1で説明した本体1aのアンテナ面と垂直方向を特定の方向とすると、使用者は、無線タグ200の方向にアンテナ面を向けることにより、特定の方向にある無線タグ200のタグIDのみを読取ることが可能となる。なお、指向性アンテナの指向性は、用いるアンテナの仕様によって適宜選択することができる。
測定回路15は、送受信回路13から取得した無線信号に基づき、受信強度を測定する。測定回路15は、測定した受信強度を、例えば、タグIDとともにメモリ12に記憶して、プロセッサ11から読取り可能にする。
通信回路16は、携帯情報端末2の送受信回路25と通信を行う。本実施形態において通信回路16は、探索支援装置100が無線局3300及びアクセスポイント600との通信で使用する無線通信で送受信回路25との通信を行うものとする。これにより、携帯情報端末2を保持するホルダ1bには、通信回路16と送受信回路25を接続する通信用の配線を設ける必要が無くなる。また、携帯情報端末2に通信回路16との通信をする機能を追加する必要が無くなる。
システム伝送路17は、プロセッサ11、メモリ12、送受信回路13、測定回路15及び通信回路16を接続する。システム伝送路17は、アドレスバス、データバス及び制御信号線等を含んでいてもよい。
携帯情報端末2において、プロセッサ21、メモリ22、タッチパネル23、センサ24、送受信回路25、通信回路26及び測定回路28は、システム伝送路27によって接続される。プロセッサ21及びメモリ22は、システム伝送路27によって接続されることによって、携帯情報端末2を制御するためのコンピュータを構成する。
プロセッサ21は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、携帯情報端末2の各部を制御する。
メモリ22は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含んでいてもよい。メモリ22の不揮発性のメモリ領域は、例えば、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。メモリ22は、プロセッサ21が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域に記憶してもよい。メモリ22の揮発性のメモリ領域は、例えば、プロセッサ21によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用される。メモリ22としては、半導体メモリを用いることができる。しかし、メモリ12として、HDD等、他の種類の記憶デバイスを用いても良い。
タッチパネル23は、探索支援装置100の入力デバイス及び表示デバイスとして機能する。使用者は、タッチパネル23を操作又は視認することにより探索支援装置100の様々な機能を使用することができる。
センサ24は、携帯情報端末2の状態を検出する。センサ24は、例えば、加速度センサ、磁気センサである。加速度センサは、携帯情報端末2の傾きを検出する。磁気センサは携帯情報端末2の方向を検出する。携帯情報端末2がホルダ1bによって保持されているときには、アンテナ面の方向は携帯情報端末2の方向と同じである。従って、磁気センサによって検出される方向は、アンテナ面の方向を示すことになる。
送受信回路25は、通信ユニット1の通信回路16、無線局300の送受信回路36、及びアクセスポイント600の送受信回路65と無線通信を行う。
送受信回路25は、無線局300が発信するビーコン信号を受信する。送受信回路25は、受信したビーコン信号に基づき、無線局300の識別情報を取得する。送受信回路25は、取得した無線局300の識別情報を、例えばメモリ22に記憶して、プロセッサ21から読出し可能にする。なお、送受信回路25は、取得した無線局300の識別情報が所定の値である場合にのみ、識別情報をメモリ22に記憶するようにしてもよい。
また、送受信回路25は、受信したビーコン信号を読取ったタグIDと共に、測定回路28に送信してもよい。
また、送受信回路25は、送受信回路36に対して、所定の指示を送信することができる。所定の指示は、例えば、上述した無線局300を無線送信モードから実行モードに切替えて、音、光又は振動のうち少なくとも一の出力による通知の動作を実行させるものである。
また、送受信回路25は、送受信回路65に対して、自装置の位置情報を取得する要求をすることができる。取得された自装置の位置情報は、タッチパネル23に表示することができる。
通信回路26は、通信ネットワーク400を介したデータ通信を行う。通信ネットワーク400は、例えばモバイルネットワークである。通信回路26は、通信ネットワーク400を介して、例えばサーバ500と通信することができる。
システム伝送路27は、プロセッサ21、メモリ22、タッチパネル23、センサ24、送受信回路25、通信回路26及び測定回路28を接続する。システム伝送路27は、アドレスバス、データバス及び制御信号線等を含んでいてもよい。
測定回路28は、送受信回路25から取得したビーコン信号に基づき、受信強度を測定する。測定回路28は、測定した受信強度を、例えば、無線局300の識別情報と共にメモリ22に記憶して、プロセッサ11から読取り可能にする。
無線局300において、プロセッサ31、メモリ32、送受信回路36及び通知回路39は、システム伝送路37によって接続される。プロセッサ31及びメモリ32は、システム伝送路37によって接続されることによって、無線局300を制御するためのコンピュータを構成する。
プロセッサ31は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、無線局300の各部を制御する。
メモリ32は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含んでいてもよい。メモリ32の不揮発性のメモリ領域は、例えば、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。メモリ32は、プロセッサ31が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域に記憶してもよい。メモリ32の揮発性のメモリ領域は、例えば、プロセッサ31によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用される。メモリ32としては、半導体メモリを用いることができる。しかし、メモリ32として、他の種類の記憶デバイスを用いても良い。
送受信回路36は、携帯情報端末2の送受信回路25及びアクセスポイント600の送受信回路65と無線通信を行う。送受信回路36は、無線送信モードにおいて、所定の時間間隔でビーコン信号を発信する。無線送信モードにおいて無線局300が発信するビーコン信号の詳細は上述した通りである。
システム伝送路37は、プロセッサ31、メモリ32、送受信回路36及び通知回路39を接続する。システム伝送路37は、アドレスバス、データバス及び制御信号線等を含んでいてもよい。
通知回路39は、実行モードにおいて、通知手段を制御する。通知手段は、音を出力する装置、光を出力する装置又は振動を出力する装置である。音を出力する装置は、例えば、スピーカを含む音響装置である。光を出力する装置は、例えば、LEDを含むLED駆動装置である。また、振動を出力する装置は、バイブレータを含む振動発生装置である。通知回路39は、通知手段に対して、音、光又は振動のうち少なくとも一の出力による通知の動作を実行させる。
プロセッサ31は、通知回路39に対して、音、光又は振動のうち少なくとも一の出力による通知の動作を選択して実行させる。通知の動作を選択することにより、通知の動作の態様が変化する。例えば、通知の動作を実行させる指示を送信する探索支援装置100が複数ある場合、無線局300の通知の動作が常に同じ態様であった場合、無線局300の通知の動作がどの探索支援装置100から指示されたものかが判らなくなる場合がある。探索支援装置100毎に通知の動作の態様を変化させれば、通知の動作がどの探索支援装置100から送信された通知の動作を実行させる指示に基づくものかの判別が容易になる。
例えば、通知の動作を実行させる指示に探索支援装置100毎に設定される動作パターンの情報を含ませて、探索支援装置100から送信するようにしてもよい。その場合、無線局300の通知回路39は、複数の動作パターンを予め用意しておく。プロセッサ31は、通知の動作を実行させる指示を受信したときに、その指示に含まれる動作パターンの情報を確認する。プロセッサ31は、指示に含まれる動作パターンの情報に基づき、通知回路39に対して予め用意された動作パターンの中から1の動作パターンを選択して実行させる。このように、通知の動作の態様が変化させることができる。
通知の動作の態様を変化させるものとしては、例えば、スピーカから出力される音の出力パターン(音色、音の間隔、音量等)を選択するものであってもよい。また、通知の動作の態様を変化させるものとして、LEDから出力される光のパターン(発光色、発光パターン、輝度等)を選択するものであってもよい。また、通知の動作の態様を変化させるものとして、バイブレータの振動のパターン(振動周波数、振動間隔、振動の大きさ等)を選択するものであってもよい。
例えば、通知回路39は、ある探索支援装置100からの通知動作の指示に対して連続音による通知動作を実行する。また、通知回路39は、他の探索支援装置100からの通知動作の指示に対して断続音による通知動作を実行する。探索支援装置100を操作する使用者は、通知動作の態様の違いによって、探索している無線局300を識別することが可能となる。また、騒音の大きい倉庫において使用者は、探索支援装置100の設定により音量を大きくするとともに光量を大きくした報知動作を指示してもよい。
プロセッサ31は、送受信回路36を介して所定の指示を取得したときには、無線送信モードから実行モードにモードを切替えて、通知回路39による通知動作を実行させる。
アクセスポイント600において、プロセッサ61、メモリ62、送受信回路65、通信回路66及び測定回路68は、システム伝送路67によって接続される。プロセッサ61及びメモリ62は、システム伝送路67によって接続されることによって、アクセスポイント600を制御するためのコンピュータを構成する。
プロセッサ61は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、携帯情報端末2の各部を制御する。
メモリ62は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含んでいてもよい。メモリ62の不揮発性のメモリ領域は、例えば、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。メモリ62は、プロセッサ61が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域に記憶してもよい。メモリ62の揮発性のメモリ領域は、例えば、プロセッサ61によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用される。メモリ62としては、半導体メモリを用いることができる。しかし、メモリ62として、HDD等、他の種類の記憶デバイスを用いても良い。
送受信回路65は、携帯情報端末2の送受信回路25及び無線局300の送受信回路36と無線通信を行う。
送受信回路65は、無線局300が発信するビーコン信号を受信する。送受信回路65は、受信したビーコン信号に基づき、無線局300の識別情報を取得する。送受信回路65は、取得した無線局300の識別情報を、例えばメモリ62に記憶して、プロセッサ61から読出し可能にする。なお、送受信回路65は、取得した無線局300の識別情報が所定の値である場合にのみ、識別情報をメモリ22に記憶するようにしてもよい。
また、送受信回路65は、受信したビーコン信号を読取ったタグIDと共に、測定回路68に送信してもよい。
また、送受信回路65は、携帯情報端末2の送受信回路25から受信した無線信号を送受信回路25の識別情報と共に測定回路68に送信してもよい。また、送受信回路65は、無線局300の送受信回路36から受信したビーコン信号を無線局300の識別情報と共に測定回路68に送信してもよい。
システム伝送路67は、プロセッサ61、メモリ62、送受信回路65、通信回路66及び測定回路68を接続する。システム伝送路67は、アドレスバス、データバス及び制御信号線等を含んでいてもよい。
測定回路68は、送受信回路65から取得した無線信号(ビーコン信号を含む)の受信強度を測定する。測定回路68は、送受信回路65から取得した無線信号の受信強度から、携帯情報端末2又は無線局300の位置を算出してもよい。
測定回路68は、測定した受信強度又は受信強度から算出した位置の位置情報を、例えば、無線局300の識別情報又は携帯情報端末2の識別情報と共にメモリ62に記憶して、プロセッサ61から読取り可能にする。
プロセッサ61は、受信強度又は位置情報を、無線局300の識別情報又は携帯情報端末2の識別情報と共にサーバ500に送信してもよい。
また、送受信回路65は、送受信回路25から、送受信回路25の位置情報の取得要求を受信することができる。受信した位置情報の取得要求に対して、送受信回路65は、測定された位置情報を送受信回路25に対して送信する。
通信回路66は、通信ネットワーク400を介したデータ通信を行う。通信回路66は、通信ネットワーク400を介して、例えばサーバ500と通信することができる。
システム伝送路67は、プロセッサ61、メモリ62、送受信回路65、通信回路66及び測定回路68を接続する。システム伝送路67は、アドレスバス、データバス及び制御信号線等を含んでいてもよい。
サーバ500は、携帯情報端末2及びアクセスポイント600と通信ネットワーク400を介して通信する。サーバ500は、記憶デバイスを有するものとする。サーバ500は、携帯情報端末2及びアクセスポイント600から受信した情報を記憶デバイスに記憶する。また、サーバ500は、記憶した情報を携帯情報端末2及びアクセスポイント600に送信する。サーバ500が記憶する情報は、例えば、携帯情報端末2及び無線局300の位置情報である。また、サーバ500が記憶する情報は、無線局300と無線タグ200の関連付け情報(「関連付けデータ」ともいう。)であってもよい。
次に、図3を用いて、無線局の位置情報について説明する。図3は、実施形態の無線局の位置情報を例示する図である。
図3において、無線局の位置情報は、フィールド項目が「無線局ID」及び「位置情報」が関連付けられたデータレコードの集合である。無線局IDは、上述した無線局300の識別情報である。図3では、無線局IDを「WS1」、「WS2」と表している。また、位置情報は、無線局300の位置を表している。位置情報で例示された、(X:Y:Z)の座標値は、探索対象エリア内の所定の基準点からの距離を3次元で表現したものである。例えば、XYZの値が(m)であったとすると、WS1は、基準点からX方向に100m、Y方向に200m、Z方向(高さ方向)に10mの位置にあることを示す。なお、図3では、位置情報をXYZ座標で表現される3次元で記録する場合を説明したが、位置情報はXY座標で表現される2次元(平面上の位置)、X座標で表現される1次元(線上の位置)で記録されてもよい。
なお、位置情報の表現形式はXYZ座標に限定されない。例えば、探索対象エリア内が所定の区分によって区分けされている場合、位置情報の表現形式に区分の情報を用いることができる。また、位置情報の表現形式に使用者がそのままでは認識できない暗号化された情報を用いてもよい。
また、本実施形態では、無線局の位置情報はサーバ500に記録されるものとするが、記録場所はサーバ500には限定されない。例えば、携帯情報端末2のメモリ22、又はアクセスポイント600のメモリ62に記録してもよい。
記録された無線局の位置情報は更新することができる。無線局の位置情報の更新方法は後述する。
次に、図4を用いて、無線局と無線タグの関連付けデータを説明する。図4は、実施形態の無線局と無線タグの関連付けデータを例示する図である。
図4において、無線局と無線タグの関連付けデータは、フィールド項目が「タグID」及び「無線局ID」が関連付けられたデータレコードの集合である。タグIDは、上述した無線タグ200のタグIDである。図4では、タグIDを「TG1」、「TG2」〜「TG5」と表している。無線局IDは図3における無線局IDと同じである。
例えば、無線局IDが「WS1」の無線局300に対しては、「TG1」、「TG2」及び「TG3」の3つの無線タグ200が関連付けられている。また、「WS2」に対しては、「TG4」及び「TG5」の2つが関連付けられている。
なお、本実施形態では、無線局と無線タグの関連付けデータはサーバ500に記録されるものとするが、記録場所はサーバ500には限定されない。例えば、携帯情報端末2のメモリ22、又はアクセスポイント600のメモリ62に記録してもよい。
記録された無線局と無線タグの関連付けデータは更新することができる。無線局の位置情報の更新方法は後述する。
次に、図5及び図6を用いて、探索支援装置の動作を説明する。図5及び図6は、実施形態の探索支援装置の動作を例示するフローチャートである。
使用者によるタッチパネル23での操作により探索支援のための制御処理の実行が指示されると、プロセッサ21はメモリ22に記憶された制御プログラムに従って図5及び図6に示す制御処理を開始する。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
図5に示すAct1において、プロセッサ21は、タッチパネル23においてホーム表示を開始する。ホーム表示は、実行すべき処理の指定を使用者に促す画像を表示するものである。ホーム表示には、対象無線タグの指定を受付けるためのGUI(graphical user interface)と、登録開始を指示するためのボタンとを含む。対象無線タグとは、探索の対象とする物品に取付けられた無線タグ200である。上記のGUIは例えば、対象無線タグのタグIDの入力欄と決定ボタンとを含むものである。あるいは上記のGUIは例えば、タグIDのリストから1つのタグIDを選択するものとしても良いし、タグIDと物品名が別途関連付けられている場合は物品名を選択するものとしても良いし、タグIDとその物品名が関連付けられておりさらにその物品を必要とする工程が別途関連付けられている場合は工程名を選択するものとしても良い。
Act2においてプロセッサ21は、対象無線タグの指定がなされたか否かを判断する。そしてプロセッサ21は、当該指定がなされていないためにNoと判断したならば、Act3へと処理を進める。
Act3においてプロセッサ21は、登録開始が指示されたか否かを判断する。そしてプロセッサ21は、当該指示がなされていないためにNoと判断したならば、Act4へと処理を進める。
Act4においてプロセッサ21は、対象無線タグの指定及び登録開始の指示とは他の指示がなされたか否かを判断する。そしてプロセッサ21は、当該指示がなされていないためにNoと判断したならば、Act2へと戻る。
以上のようにAct2〜Act4においてプロセッサ21は、対象無線タグの指定、登録開始の指示及びその他の指示のいずれかがなされるのを待ち受ける。ここでプロセッサ21は、その他の指示が使用者により行われたためにAct4にてYesと判断したならば、その指示に応じた処理に移行する。この場合の処理についての説明は省略する。
使用者は、探索エリア内のある場所を物品の新たな保管場所とする場合、その場所に無線タグ200を取付けた状態の物品を設置する。次に、使用者は、登録開始を指示するボタンにタッチする。プロセッサ21は、上記のタッチがタッチパネル23で検出されると、Act3にてYesと判断し、Act5へと処理を進める。
Act5においてプロセッサ21は、無線タグ200及び無線局300をスキャンする。
プロセッサ21は、送受信回路25,通信回路16を介してプロセッサ11に対して無線タグ200のスキャンを要求する。この要求に応じてプロセッサ11は、送受信回路13から通信可能な全ての無線タグ200をスキャンする。つまりプロセッサ11は、送受信回路13の通信距離内にある全ての無線タグ200のタグIDを収集する。この無線タグ200のスキャンは、既存の無線タグシステムで行われているのと同様な動作により行うことができる。プロセッサ11は、収集したタグIDを、通信回路16を介してプロセッサ21へと送信する。プロセッサ21は、通信距離内にある通信可能な無線タグ200のタグIDを取得することができる。
また、プロセッサ21は、送受信回路25に対して、スキャンモードにおける無線局300のスキャンを要求する。プロセッサ21は、送受信回路25で受信される全てのビーコン信号のそれぞれから無線局IDを収集する。
測定回路28は、それぞれの無線局から受信したビーコン信号の受信強度を測定する。プロセッサ21は、測定回路28によって測定されたそれぞれの無線局から受信したビーコン信号の受信強度を取得する。
また、プロセッサ21は、収集したタグIDの情報を、通信回路66を介してサーバ500に送信する。サーバ500は、送信されたタグIDの情報の情報に基づき、そのタグIDが関連付けられている無線局の関連付け情報を探索支援装置100に送信する。探索支援装置100のプロセッサ21は、送信された関連付け情報に基づき、タグIDと無線局300とを関連付けることがえきる。
Act6においてプロセッサ21は、タッチパネル23において一覧表示の表示を開始し、関連付けの対象とする無線タグと無線局の選択を受付ける。
ここで、図7を用いて、タッチパネル23に表示される一覧表示を説明する。図7は、実施形態の一覧表示を例示する図である。
図7において、一覧表示には、案内テキストT11、リストL11,リストL12、並びに、ボタンB11,ボタンB12,ボタンB13及びボタンB14を含む。
リストL12は、候補無線局の一覧である。候補無線局の一覧は、Act5において収集された無線局のIDを示す。候補無線局の一覧に表示される無線局のIDは、例えば、測定回路28で測定された受信強度が一定の数値以上であるものであってもよい。プロセッサ21は、受信強度が一定の数値以上であるものを受信強度の順序で候補無線局としてリストL12に表示することができる。リストL12は、無線局のIDとビーコン信号の受信強度とが対応付けられて表示される場合を例示している。
使用者は、リストL12によって一覧表示された無線局を、タッチパネル23をタッチすることによって選択することができる。リストL12において無線局を選択した状態で、使用者はボタンB13を押下することができる。ボタンB13は、音と光の出力で無線局300の通知回路39を通知動作させる指示を出力するためのボタンである。リストL12において選択された無線局300は、ボタンB13に対応して、通知動作を実行する。従って、使用者は、選択した無線局300を音と光の出力による通知によって識別して検索対象の物品の所在を確認することができる。通知動作を実行中の無線局300は、ボタンB13を再度押下することにより通知動作を終了する。使用者は、無線局300を識別したときには、再度ボタンB13を押下することで無線局300の通知動作を停止させることができる。本実施形態では、ボタンB13を再度押下することにより、無線局300は、実行モードから無線送信モードに切替わるものとする。
なお、リストL12に表示される無線局は複数を選択できるようにしてもよい。複数の無線局が選択された状態でボタンB13が押下された場合、選択された無線局が全て通知動作を実行するようにしてもよい。また、リストL12に表示される無線局を選択しない状態でボタンB13が押下された場合、リストL12に表示された全ての無線局が全選択されたものとして通知動作を実行するようにしてもよい。
また、リストL12に表示される無線局が複数を選択された状態(全選択を含む)においてボタンB14が押下された場合、選択された無線局300は、所定の時間間隔で、又は、使用者による明示的な操作によって、順番に通知動作を実行してもよい。
また、複数の無線局300に対して通知動作を実行させる場合、無線局300毎に音を変える等の通知動作の態様を変更するようにしてもよい。
使用者は、リストL12に表示されている複数の無線局のIDと、それぞれの無線局300の所在を確認することができる。
リストL11は、「選択」、「登録」、「タグID」及び「無線局ID」の項目を表示する。リストL11に表示されるタグIDは、Act5において収集された無線タグ200のタグIDである。「登録」及び「無線局ID」は、タグIDが無線局に関連付けられているか否かを示す。タグIDが無線局に関連付けられているか否かは、サーバ500から送信された関連付け情報に基づき判断することができる。「登録」が「有」の場合、タグIDは無線局に関連付けられており、「無線局ID」の項目に関連付けられている無線局ID(無線局300の識別情報)が表示される。一方、「登録」が「無」の場合、タグIDは無線局に関連付けられておらず、「無線局ID」の項目は空白が表示される。
「選択」の項目は、チェックボックスである。チェックボックスは、関連付け情報を登録するタグIDを選択するものである。チェックボックスの初期状態は、チェック状態及び無チェック状態のいずれとしても良い。使用者は、リストL11の表示を確認し、関連付けを更新すべきタグIDのチェックボックスをタッチしてチェック状態とする。プロセッサ21は、チェック状態となったタグIDを反転表示としてもよい。
再び図5のフローチャートの説明に戻る。
Act7においてプロセッサ21は、終了指示がなされたか否かを判断する。そしてプロセッサ21は、当該指示がなされていないためにNoと判断したならば、Act8へと処理を進める。
Act8においてプロセッサ21は、登録指示がなされたか否かを判断する。そしてプロセッサ21は、当該指示がなされていないためにNoと判断したならば、Act7へと戻る。プロセッサ21は、Act7及びAct8においては、終了指示又は登録指示がなされるのを待ち受ける。
使用者は、図7で説明したチェックボックスの中で関連付け情報を更新する全てのチェックボックスをチェック状態にした後に、ボタンB11を押下する。ボタンB11は、関連付けの更新実行を指示するためのボタンである。プロセッサ21は、ボタンB11へのタッチがタッチパネル23にて検出されたことに応じて、Act8にてYesと判断し、Act9へと処理を進める。
Act9においてプロセッサ21は、関連付け情報を更新する。例えば、プロセッサ21は、関連付けデータの更新を要求するための要求データを生成し、これを通信回路26からサーバ500に宛てて通信ネットワーク400へと送信する。プロセッサ21は、チェック状態であるチェックボックスが配置された選択セルと同行のタグIDセルに表したタグIDを更新の対象として要求データに含める。
なお、無線局IDは、Act5のスキャンによって取得された無線局のIDが表示されている。しかし、複数の無線局300が近くの位置に存在する場合、無線タグIDが誤った無線局IDと共に表示されていることもある。その場合、無線局ID又はタグIDは使用者によって任意に変更ができるものとする。例えば、上述した報知動作によって無線局300の所在を確認をして、無線局300と無線タグ200の組み合わせを確認した場合、使用者は無線局ID又はタグIDを変更して、正しい組み合わせで関連付けを登録することができるものとする。例えば、リストL12に表示されたいずれかの無線局を無線局IDに設定できるようにしてもよい。
要求データが通信ネットワーク400を介してサーバ500へと伝送されると、サーバ500は、この要求データに従って関連付けデータを更新する。例えば、サーバ500は、要求データに含まれたタグIDが関連付けデータに既に含まれているならば、そのタグIDと同じデータレコードに含まれた無線局IDを要求データに含まれた無線局IDに書き換える。またサーバ500は、要求データに含まれたタグIDが関連付けデータに含まれていないならば、そのタグIDと要求データに含まれた無線局IDとを記述した新たなデータレコードを関連付けデータに追加する。
なお、無線タグ200の位置は、上述した無線局300と関連付けを用いずに他の方法で登録することができる。図12を用いて、無線タグの他の位置情報を説明する。図12は、実施形態の無線タグの他の位置情報を例示する図である。
図12において、無線タグ200の位置情報は、「タグID」及び「位置情報」の項目を含むレコードの集合である。位置情報は、タグIDが認識された時点での探索支援装置100の算出された位置として設定することができる。さらに、その時点でセンサ24から得られた情報を付加することもできる。例えば、センサ24が磁気センサであった場合に、携帯情報端末2の方位角を得ることができる。位置情報として、測定された探索支援装置の位置情報と、探索支援装置100が検出した無線タグ200の方位角によって無線タグ200の位置を特定するようにしてもよい。位置情報にセンサ24から得られた情報を付加することによって、より正確な無線タグ200の位置を記録することができる。
再び図5のフローチャートの説明に戻る。
Act10においてプロセッサ21は、関連付けデータの更新結果を反映するように、一覧表示を更新する。そしてプロセッサ21はこののち、Act7及びAct8の待ち受け状態に戻る。
使用者は、一覧表示を確認し、関連付けデータの更新の必要が無いと判断したならば、ボタンB12にタッチする。ボタンB12は、関連付けデータの更新の終了を指示するためのボタンである。プロセッサ21は、ボタンB12へのタッチがタッチパネル23にて検出されたことに応じて、Act7にてYesと判断し、Act1へと戻る。
Act2において、使用者は物品の探索を行う場合、探索支援装置100がホーム表示状態であるときに、対象無線タグのタグIDを入力し、決定ボタンを押下する。検索対象には、物品名や工程名を入力欄に入力するようにしてもよい。プロセッサ21は、決定ボタンが押下されると、Act2にてYesと判断し、図6中のAct11へと処理を進める。プロセッサ21はこれ以降の処理においては、入力欄に入力された内容に関連付けられているタグIDを対象IDとする。対象IDで識別される対象無線タグは、探索対象である。
Act11においてプロセッサ21は、タッチパネル23における第1の案内表示を開始する。
次に、図8を用いて、実施形態の第1の案内表示を説明する。図8は、実施形態の第1の案内表示を例示する図である。
図8において、第1の案内表示は、案内テキストT21、リストL21、地図表示M21及びボタンB21を含む。
案内テキストT21は、対象無線タグを探索中であることを使用者に知らせるものである。リストL21は、探索対象として物品名や工程名を指定された際に、対象となる無線タグが複数ある場合に、その一覧を表示し選択可能なリストである。地図表示M21は、使用者が現在居る場所を、地図上に表示して使用者に知らせるものである。ボタンB21は、探索の終了を指示するためのボタンである。
再び図6のフローチャートの説明に戻る。
Act12においてプロセッサ21は、探索の終了が指示されたか否かを判断する。そしてプロセッサ21は、当該指示がなされていないためにNoと判断したならば、Act13へと処理を進める。
Act13においてプロセッサ21は、無線タグ200をスキャンする。具体的にはプロセッサ21は、送受信回路25,通信回路16を介してプロセッサ11に対して無線タグ200のスキャンを要求する。この要求に応じてプロセッサ11は、送受信回路13を駆動し、通信可能な全ての無線タグ200をスキャンする。つまりプロセッサ11は、通信可能な全ての無線タグ200のタグIDを収集する。この無線タグ200のスキャンは、既存の無線タグシステムで行われているのと同様な動作により行うことができる。
Act14においてプロセッサ21は、上記のスキャンによりタグIDが1つでも得られたか否かを判断する。そしてプロセッサ21は、タグIDが1つも得られていなかったためにNoと判断したならば、Act12へと戻る。
以上のようにAct12〜Act14においてプロセッサ21は、探索の終了が指示されるか、あるいはタグIDが得られるまで、無線タグ200のスキャンを繰り返す。そしてプロセッサ21は、タグIDが受信されたためにAct14にてYesと判断したならば、Act15へと処理を進める。
Act15においてプロセッサ21は、得られたタグIDの中に対象IDが有るか否かを判断する。そしてプロセッサ21は、対象IDが無いためにNoと判断したならば、Act16へと処理を進める。
Act16においてプロセッサ21は、関連付けデータにて対象IDに対する無線局IDの関連付けがあるか否かを判断する。
例えば、プロセッサ21は、対象IDを含んだ問合わせデータを生成し、これを通信回路26からサーバ500に宛てて通信ネットワーク400へと送信する。
問合わせデータが通信ネットワーク400を介してサーバ500へと伝送されると、サーバ500は、この問合わせデータに含まれた対象IDに関連付けられた無線局IDを関連付けデータから抽出する。続いてサーバ500は、場所データにて、上記の抽出した無線局IDが含まれるデータレコードに記述された位置情報を判断する。そしてサーバ500は、判断した位置情報を通知するための通知データを、携帯情報端末2に宛てて通信ネットワーク400へと送信する。しかし、対象IDに対して無線局IDが関連付けられていない場合もある。また、対象IDに関連付けられた無線局IDが場所データに記述されていない場合もある。プロセッサ21は、これらの場合には、位置情報が不明であることを通知するための通知データを、携帯情報端末2に宛てて通信ネットワーク400へと送信する。
通知データが通信ネットワーク400を介して携帯情報端末2へと伝送されると、この通知データを通信回路26が受信し、プロセッサ21へと与える。プロセッサ21は、位置情報が通知データに示されているならば、Act16にてYesと判断し、Act17へと処理を進める。
Act17においてプロセッサ21は、タッチパネル23における第2の案内表示を開始する。なおプロセッサ21は、これ以前に第2の案内表示を既に行っていた場合には、それを継続する。またプロセッサ21は、これ以前に第2の案内表示以外の案内表示を行っていた場合には、第2の案内表示は終了する。
次に。図9を用いて、第2の案内表示を説明する。図9は、実施形態の第2の案内表示を例示する図である。
図9において、第2の案内表示には、案内テキストT31,T32、リストL31、地図表示M31、及びボタンB31、B32を含む。
案内テキストT31は、対象無線タグが探索範囲外にあることを使用者に知らせるものである。案内テキストT32は、対象無線タグを探索するために移動すべき場所を使用者に知らせるものである。
案内テキストT32は、通知データに示された位置情報を含む。リストL31は、探索対象として物品名や工程名を指定された際に、対象となる無線タグが複数ある場合に、その一覧を表示し選択可能なリストである。
地図表示M31は、使用者の現在位置と移動すべき移動先位置を、地図上に表示して使用者に知らせるものである。地図表示は拡大縮小や回転によって、使用者が認識しやすい表示が可能である。現在位置や移動先位置が表示範囲に含まれない場合であっても、その方向が分かるようなインジケータの表示をしてもよい。また、現在位置から移動先位置までのルートを表示して移動を補助してもよい。さらに位置情報に方位角情報が含まれている場合には、その方位を地図上に表示してもよい。
ボタンB31は、探索の終了を指示するためのボタンである。ボタンB32は、対象無線タグに関連付けられている無線局300の通知回路39を通知動作させるための指示するためのボタンである。
探索支援装置100は、無線局300と通信可能な範囲になってから通知回路39を通知動作させてもよい。探索支援装置100の位置は、上述の通りアクセスポイント600によって測位される。探索支援装置100は、無線局300と通信可能な範囲になったことをタッチパネル23の表示によって知ることができる。また、アクセスポイント600から、探索支援装置100が無線局300と通信可能な範囲になったことを探索支援装置100に通知するようにしてもよい。探索支援装置100は、無線局300と通信可能な範囲になったときに、自動で、又は使用者の操作によって通知回路39を通知動作させるための指示を出力してもよい。この場合、探索支援装置100の携帯情報端末2は、アクセスポイント600と通信して測位可能な情報を送る状態から、無線局300と通信して通知モードを制御する状態へと、自動で、又は使用者の操作によって変化する。
使用者は、第2の案内表示を目視し、案内テキストT32に示された位置情報の場所へと移動する。また、探索支援装置100が、他の携帯情報端末(例えばウェアラブル端末)と連動している場合には、そのウェアラブル端末が持つ通知機能(分岐点でバイブレーション機能や音声ガイダンスによる使用者を誘導するための通知機能)に従って移動先位置まで移動することができる。移動先位置は、無線局300の現在位置である。しかし、移動先位置は、物品の移動によって変更されてしまう場合がある。本実施形態においては、移動された無線局300の位置情報を測位することができるので、使用者は物品の探索が容易になる。
再び図6のフローチャートの説明に戻る。
Act16において、プロセッサ21は、通知データが、設置場所が不明であることを通知するものであったならば、Act16にてNoと判断し、Act18へと処理を進める。
Act18においてプロセッサ21は、タッチパネル23における第3の案内表示を開始する。なおプロセッサ21は、これ以前に第3の案内表示を既に行っていた場合には、それを継続する。またプロセッサ21は、これ以前に第3の案内表示以外の案内表示を行っていた場合には、第3の案内表示は終了する。
次に、図10を用いて、第3の案内表示を説明する。図10は、実施形態の第3の案内表示を例示する図である。
図10において、第3の案内表示には、案内テキストT41,T42、リストL41、地図表示M41、及びボタンB41を含む。
案内テキストT41は、対象無線タグが探索範囲外にあることを使用者に知らせるものである。案内テキストT42は、探索対象の物品が保管された場所の付近へと移動すべきであることを使用者に知らせるものである。リストL41は、探索対象として物品名や工程名を指定された際に、対象となる無線タグが複数ある場合に、その一覧を表示し選択可能なリストである。地図表示M41は、使用者が現在居る場所を、地図上に表示して使用者に知らせるものである。ボタンB41は、探索の終了を指示するためのボタンである。
使用者は、第3の案内表示を目視したならば、第3の案内表示の地図を参照して探索対象の物品が保管された場所の付近へと移動する。
再び図6のフローチャートの説明に戻る。
プロセッサ21は、探索支援装置100が対象無線タグの通信エリア内に位置しているために対象IDが受信されているならば、Act15にてYesと判断し、Act19へと処理を進める。
Act19において、プロセッサ21は、距離及び向きを推定する。ここでプロセッサ21が推定する距離は、探索支援装置100から対象無線タグまでの距離である。プロセッサ21が推定する向きは、探索支援装置100の現在位置に対する対象無線タグの存在位置の向きである。プロセッサ21は、対象IDが受信された際に測定回路15によって測定された受信強度と、対象IDが受信された際にセンサ24により検出された探索支援装置100の向きとを参照する。プロセッサ21は、参照した受信強度と探索支援装置100の向きに基づき、距離及び向きを推定する。距離及び向きの推定には従来公知の技術を用いてもよい。
Act20において、プロセッサ21は、タッチパネル23における第4の案内表示を開始する。なおプロセッサ21は、これ以前に第4の案内表示を既に行っていた場合には、それを継続する。またプロセッサ21は、これ以前に第4の案内表示以外の案内表示のいずれかを行っていた場合には、第4の案内表示は終了する。
次に、図11を用いて、第4の案内表示を説明する。図11は、実施形態の第4の案内表示を例示する図である。
図11において、第4の案内表示には、チャートC51及びボタンB51を含む。
チャートC51は、探索支援装置100の現在位置を中心として、対象無線タグの相対的な位置をPPI(plan position indicator)方式により表す。チャートC51中の黒点は、対象無線タグの位置を表す。第4の案内表示において、チャートC51中の黒点は、探索支援装置100の移動に伴って位置が変化する。ボタンB51は、探索の終了を指示するためのボタンである。
再び図6のフローチャートの説明に戻る。
Act21において、プロセッサ21は、Act13で得られたタグIDの中に対象ID以外のタグIDが有るか否かを判断する。プロセッサ21は、対象ID以外のタグIDが得られていないためにNoと判断したならば、Act12〜Act14の待ち受け状態へ処理を戻す。しかし、プロセッサ21は、対象ID以外のタグIDが得られているならば、Act22へと処理を進める。なおプロセッサ21は、Act17又はAct18で第2又は第3の案内表示を開始した後においても、Act22へと処理を進める。
Act22において、プロセッサ21は、学習機能が有効に設定されているか否かを判断する。学習機能は、プロセッサ21による別途の設定処理において、探索支援装置100の管理者などによる指示に従って有効/無効が設定される。プロセッサ21は、学習機能が有効に設定されているためにYesと判断したならば、Act23へと処理を進める。
Act23において、プロセッサ21は、探索支援装置100の現在位置における近隣の無線局300を検索する。例えば、プロセッサ21は、送受信回路25を介して無線局300のスキャンを要求する。無線局300がスキャンされることによって、プロセッサ21は、送受信回路25で受信される全てのビーコン信号のそれぞれから無線局IDを収集することができる。プロセッサ21は、それぞれのビーコン信号について測定回路28で測定された受信強度に基づいて、学習させる関連付け対象の候補となる無線局を選出する。プロセッサ21は、以下に示す手順と表示を行うことで、使用者が指示した無線局300の無線局IDをタグIDと関連付けることを学習させることができる。
Act24において、プロセッサ21は、関連付け対象の無線局300が有ったか否かを判断する。プロセッサ21は、使用者による関連付け対象の無線局300の無線局IDの登録の指示を受けたためにYesと判断したならば、Act25へと処理を進める。
Act25において、プロセッサ21は、関連付けデータの更新処理を行う。例えば、プロセッサ21は、要求データを生成する。要求データには、Act13で得られたタグIDの内、対象ID以外のタグIDと、関連付けを指示された無線局300の無線局IDとを含む。プロセッサ21は、生成した要求データを通信回路26からサーバ500に送信する。
要求データが通信ネットワーク400を介してサーバ500へと伝送されると、サーバ500は、要求データに従って上述のように関連付けデータを更新する。
関連付けデータは、探索処理における探索対象ではない無線タグ200のタグIDの受信状況と、ビーコン信号の受信状況とに基づいて更新することができる。
なおプロセッサ21は、学習機能が無効に設定されているためにAct22にてNoと判断した場合は、Act25における更新処理をパスする。プロセッサ21は、更新処理をパスして、Act12〜Act14の待ち受け状態に処理を戻す。プロセッサ21は、関連付け対象の無線局300が指定されなかったためにAct24にてNoと判断した場合にも、Act25における更新処理をパスする。プロセッサ21は、上記の選出した最大値が予め定めた制限値未満である場合には、近隣の無線局300は無いとしてAct24でNoと判断するようにしても良い。
使用者は、探索を終了する場合には、その時点での案内表示に含まれるボタンB12,B21,B31,B41,B51のいずれかのボタンを押下する。いずれかのボタンを押下を検出すると、プロセッサ21は、Act12にてYesと判断し、図5中のAct1へと処理を戻す。
以上のように、探索支援装置100は、使用者に対して、第2の案内表示により、対象無線タグを探索するために移動すべき場所を案内する。第2の案内表示による案内が行われるのは、探索支援装置100が、対象無線タグの通信エリア外に位置しており、かつ対象IDの関連付けデータでの関連付けが済んでいる場合である。第2の案内により使用者は、第4の案内表示による案内を受けるためにどの位置へと移動すれば良いかを認識することができる。
探索支援装置100は、対象無線タグの通信エリア内に位置していれば、使用者に対して、第4の案内表示を行う。第4の案内表示は、探索支援装置100の現在位置に対する対象無線タグの相対的な位置を案内する。第4の案内により、使用者は、対象無線タグの位置、すなわち探索対象の物品の位置を認識することができる。
無線タグ200の通信エリアが半径5mであるとすると、例えば大規模な工場の敷地内においては、無線タグ200の通信エリアは極めて小さい範囲となる。しかし、探索支援装置100によれば、使用者は先ず、第2の案内表示に従って、指定された場所へと移動すれば良い。その後に使用者は、第4の案内表示に従って、探索対象の物品の位置を特定することができる。
以上のようにして、探索支援装置100は、無線タグ200の通信エリア外からの物品の探索を支援することができる。
また、探索支援装置100は、登録のための処理が起動されている場合、同じ場所において取得することができるタグIDと無線局IDとを関連付けることができる。無線局IDとを関連付けることによって、探索支援装置100は、関連付けデータを更新させることができる。従って、探索支援装置100は、無線タグ200を取付けた物品を新たに探索支援の対象として追加する場合に関連付けデータの更新に関わる使用者の負担を小さくできる。また、探索支援装置100は、無線タグ200を取付けた物品の保管場所を変更した場合、関連付けデータの更新に関わる使用者の負担を小さくできる。
また、対象無線タグの探索支援のための処理を実行している最中に、探索支援装置100は、対象ID以外のタグID(「対象外タグID」という。)を受信する場合がある。探索支援装置100は、対象外タグIDを受信した場合、関連付けデータを更新させてもよい。例えば、探索支援装置100は、受信した対象外タグIDと、その位置で受信したビーコン信号の無線局IDとを取得する。探索支援装置100は、取得した対象外タグIDと無線局IDに基づき、関連付けデータを更新させることができる。これにより、新たに保管された物品又は保管位置が変更された物品についての関連付けの登録・修正を効果的に行うことができる。
次に、図13を用いて、探索支援装置の機能構成を説明する。図13は、実施形態の探索支援装置の機能構成を例示するブロック図である。
図13において、物品の探索を支援する探索支援装置100は、アプリケーション101と、無線処理部102、操作表示部103及び無線タグ読取部104を含む。アプリケーション101は、識別コード記憶部1011、取得部1012、送信部1013及び関連付け部1014を含む。無線処理部102は、無線プロファイル1021、無線コア1022、無線ドライバ1023、及び無線アンテナ1024を含む。
識別コード記憶部1011は、物品に取付けられた無線タグ200の識別コードを記憶する。取得部1012は、物品と共に移動される無線局300から無線通信を介して所定の時間間隔で発信される識別情報を取得する。送信部1013は、無線通信を介して、無線局300に対して、音、光又は振動のうち少なくとも一の出力による通知の動作を実行させる指示を送信する。関連付け部1014は、識別情報を取得した無線局300と識別コード記憶部1011に記憶された識別コードとを関連付ける。
なお、アプリケーション101の識別コード記憶部1011、取得部1012、送信部1013及び関連付け部1014は、探索支援装置100のプロセッサ21によって実行されるプログラムによって実現することができる。アプリケーション101は、探索支援装置100のメモリ22に最初からインストールされたプリインストールプログラムであってもよい。アプリケーション101は、光ディスク等の記憶媒体に記憶されたデータに基づきインストールされるプログラムであってもよい。また、アプリケーション101は、通信を介して所得されるプログラムをインストールしたものであってもよい。
無線処理部102は、例えば、送受信回路25において利用される無線通信の通信規格に基づく通信を実行する。無線プロファイル1021は、利用される無線規格において利用される機器の種類毎に策定されたプロトコルの標準である。無線処理部102は、所定の無線プロファイルに基づき無線通信を行うことができる。
無線コア1022は、例えば、無線通信を制御するプログラムを実装するためのフレームワークである。プログラムに無線コア1022を利用することにより、無線規格に対応した通信制御プログラムを容易に実装することが可能となる。
無線ドライバ1023は、例えば、無線アンテナ1024を利用するためのデバイスドライバである。無線処理部102は、無線ドライバ1023を利用して無線アンテナ1024を介した無線の送受信を行うことができる。
なお、無線処理部102の機能は、携帯情報端末2が予め有するものであってもよい。
次に、図14を用いて、無線局の機能構成を説明する。図14は、実施形態の無線局の機能構成を例示するブロック図である。
図14において、無線局300は、通知部301、無線通信部302、制御部303を含む。通知部301は、音、光又は振動のうち少なくとも一の出力による通知の動作を実行する。無線通信部302は、無線通信を行う。制御部303は、無線通信部302を介して所定の時間間隔で識別情報を発信する無線送信モードと、通知部301に通知の動作を実行させる実行モードとを切替える。制御部303は、無線通信部302を介して所定の指示を取得したときに無線送信モードから実行モードに切替える。制御部303は、所定の指示に応じて通知の動作の態様を変化させる。
次に、図15を用いて、アクセスポイントの機能構成を説明する。図15は、実施形態のアクセスポイントの機能構成を例示するブロック図である。
図15において、アクセスポイント600は、無線通信部601、取得部602、位置測定部603及び位置情報送信部604を含む。無線通信部601は、物品の探索を支援する探索支援装置100から無線通信のアクセスを受付ける。取得部602は、物品と共に移動される無線局300から無線通信を介して所定の時間間隔で発信される識別情報を取得する。位置測定部603は、無線局300の位置を測定する。位置情報送信部604は、測定した位置に基づく位置情報を、探索支援装置100に送信する。
次に、図16を用いて、無線局の動作を説明する。図16は、実施形態の無線局の動作を例示するフローチャートである。図16に示す動作は、図2のプロセッサ31がメモリ32に記憶されたプログラムを実行することによって実行することができる。図16に示すフローチャートは、プロセッサ31が実行するプログラムの一部であり、繰り返し実行されるサブルーチンとして説明する。なお、以下の説明においては図2を適宜参照するものとする。
図16において、Act111〜Act112は、無線送信モードにおける動作である。Act111において、プロセッサ31は、所定の時間が経過したか否かを判断する(Act111)。所定の時間は、例えば350msである。所定の時間間隔は、予め定められた値に切替えできるようにしてもよい。例えば、時間間隔を100ms、350ms又は1000msで切替えできるようにする。時間間隔が長くなると、無線送信モードにおける無線局300の消費電力を低減させることができる。
所定の時間が経過したと判断した場合(Act111;Yes)、プロセッサ31は、Act112に処理を進める。Act112において、プロセッサ31は、無線局300の識別情報(ビーコン信号)を送受信回路36から発信する。Act112を実行した後、プロセッサ31は、Act113に処理を進める。
一方、所定の時間が経過していないと判断した場合(Act111;No)、プロセッサ31は、Act113に処理を進める。すなわち、無線局300は、所定の時間間隔で識別情報を発信することになる。
Act113において、プロセッサ31は、通知開始の指示がされたか否かを判断する。通知開始の指示は、送受信回路36を介して探索支援装置100から送信されるものとする。通知開始の指示がされていないと判断した場合(Act113;No)、プロセッサ31は、図16の処理を終了する。一方、通知開始の指示がされたと判断した場合(Act113;Yes)、プロセッサ31は、Act114に処理を進める。
Act114において、プロセッサ31は、モードを無線送信モードから実行モードに切替える。Act114〜Act120は、実行モードにおける動作である。なお、図16においては、探索支援装置100から通知開始指示がされたときにモードを切替える場合を説明するが、モードの切替えの契機はこれに限定されない。例えば、通知開始の動作を含まない他の指示によってモードを切替えてもよい。また、無線局300にスイッチを設けて、スイッチの切替えによってモードを切替えてもよい。Act114を実行した後、プロセッサ31は、Act115に処理を進める。
Act115において、プロセッサ31は、通知動作を選択する。本実施形態において通知回路39による通知動作は複数の動作態様が可能であるものとする。通知動作は、通知開始の指示に含まれる情報に基づき選択されるものとする。通知動作を選択することにより、プロセッサ31は、通知の動作の態様を変化させて探索支援装置100から識別しやすくすることができる。Act115を実行した後、プロセッサ31は、Act116に処理を進める。
Act116において、プロセッサ31は、Act115において選択した通知動作を通知回路39が開始するように制御する。通知回路39は選択された動作態様で通知動作を実行する。通知動作には、音、光又は振動のうち少なくとも一の出力による通知を含む。使用者は、通知された音、光又は振動のうち少なくとも一の出力を認識し、無線局300の位置を把握することが可能となる。Act116を実行した後、プロセッサ31は、Act117に処理を進める。
Act116において、プロセッサ31は、通知終了の指示があったか否かを判断する。通知終了の指示は、通知開始の指示と同様に、送受信回路36を介して探索支援装置100から送信されるものとする。但し、通知終了の指示は、通知動作が開始されてから所定の時間が経過したときにタイマ等の計時手段によってされるものであってもよい。また、通知終了の指示は、無線局300の押しボタンスイッチ等の操作手段を使用者が操作することによってされるものであってもよい。通知終了の指示が無いと判断した場合(Act117;No)、プロセッサ31は、通知終了の指示があるまでAct117の処理を繰り返す。一方、通知終了の指示があったと判断した場合(Act117;Yes)、プロセッサ31は、Act118に処理を進める。
Act118において、プロセッサ31は、通知回路39が通知動作を終了するように制御する。Act118を実行した後、プロセッサ31は、Act119に処理を進める。
Act119において、プロセッサ31は、Act113と同様に、再び通知開始の指示がされたか否かを判断する。通知開始の指示がされたと判断した場合(Act119;Yes)、プロセッサ31は、再びAct115に処理を進める。一方、通知開始の指示がされていないと判断した場合(Act119;No)、プロセッサ31は、再びAct115に処理を進める。一方、通知開始の指示がされていないと判断した場合(Act119;No)、プロセッサ31は、Act120に処理を進める。
Act120において、プロセッサ31は、実行モード終了の指示があったか否かを判断する。実行モード終了の指示は、通知開始の指示と同様に、送受信回路36を介して探索支援装置100から送信されるものとする。但し、実行モード終了の指示は、通知動作が開始されてから所定の時間が経過したときにタイマ等の計時手段によってされるものであってもよい。また、実行モード終了の指示は、無線局300のスイッチの切替え操作等によってされるものであってもよい。実行モード終了の指示が無いと判断した場合(Act120;No)、プロセッサ31は、実行モード終了の指示があるまでAct119〜Act120の処理を繰り返す。一方、実行モード終了の指示があったと判断した場合(Act120;Yes)、プロセッサ31は、Act121に処理を進める。
Act121において、プロセッサ31は、モードを実行モードから無線通信モードに切替える。すなわち、本実施形態においては、実行モードになった場合には、実行モード終了の指示があるまで実行モードを維持するものとする。実行モードを維持している間、無線局300は無線通信モードの動作を停止する。
Act121を実行した後、プロセッサ31は、図16の処理を終了する。
なお、本実施形態における無線局300は、実行モードにおいて通知回路39による通知動作の実行を行う場合を例示したが、実行モードにおいて他の動作を実行するものであってもよい。例えば、実行モードにおいて、無線通信を介して所定のデータを送受信するものであってもよい。
また、本実施形態における無線局300は、無線通信モードと実行モードの2つのモードを有する場合を説明した。しかし、モードの数はこれに限定されず、3以上のモードを有するものであってもよい。無線局300は、例えば、所定の時間帯はビーコン信号の発信を停止する停波モードを有するものであってもよい。また、無線局300は、内蔵する電池の残量が少なくなったときに省電力の状態に移行する省電力モードを有するものであってもよい。
また、本実施形態における無線局300は、モードを切替える所定の指示によって無線送信モードと実行モードとを切替える場合を例示した。しかし、モードの切替えはこれに限定されない。例えば、所定の時間間隔でモードが切替わるようにしてもよい。
本実施形態の無線局は、通知部と、無線通信部と、制御部とを含むことにより、所在が不明の物品の探索を支援することができる。
また、本実施形態の探索支援装置は、記憶部と、取得部と、送信部と、関連付け部とを含むことにより、所在が不明の物品の探索を支援することができる。
また、本実施形態の無線アクセスポイントは、無線通信部と、取得部と、位置測定部と、位置情報送信部とを含むことにより、所在が不明の物品の探索を支援することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
例えば、上記説明した実施形態に係る各機能は、上記説明した機能を有する限り、複数の図示した機能ブロックを1の機能ブロックにまとめて実装してもよい。また、図示した1の機能ブロックを複数の機能ブロックとして分割して実装してもよい。また、それぞれの機能ブロックの一部又は全部をハードウェアによって構成するようにしてもよい。また、それぞれの機能ブロックの一部又は全部をLSIによって実装されるファームウエアで実現してもよい。LSIには、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)を含んでいてもよい。
また、上述した実施形態に係る装置は、コンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、各機能ブロックの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録する。この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することで実現してもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体のことをいう。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置を含む。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、短時間の間、動的にプログラムを保持するものを含んでいてもよい。短時間の間、動的にプログラムを保持するものは、例えば、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線である。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」には、サーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。また、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。また、上記プログラムは、プログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。プログラマブルロジックデバイスは、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)である。
以上の各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
音、光又は振動のうち少なくとも一の出力による通知の動作を実行する通知ステップと、
無線通信を行う無線通信ステップと、
前記無線通信ステップにおいて所定の時間間隔で識別情報を発信する無線送信モードと、前記通知ステップにおいて前記通知の動作を実行させる実行モードとを切替える制御ステップと
を含み、
前記制御ステップにおいて、前記無線通信ステップにおいて所定の指示を取得したときに前記無線送信モードから前記実行モードに切替える、無線局の制御方法。
(付記2)
前記制御ステップにおいて、前記所定の指示に応じて前記通知の動作の態様を変化させる、付記1に記載の無線局の制御方法。
(付記3)
音、光又は振動のうち少なくとも一の出力による通知の動作を実行する通知処理と、
無線通信を行う無線通信処理と、
前記無線通信処理において所定の時間間隔で識別情報を発信する無線送信モードと、前記通知処理において前記通知の動作を実行させる実行モードとを切替える制御処理と
をコンピュータに実行させるための無線局の制御プログラムであって、
前記制御処理において、前記無線通信処理において所定の指示を取得したときに前記無線送信モードから前記実行モードに切替える、無線局の制御プログラム。
(付記4)
前記制御処理において、前記所定の指示に応じて前記通知の動作の態様を変化させる、付記3に記載の無線局の制御プログラム。
(付記5)
物品の探索を支援する探索支援装置から無線通信のアクセスを受付ける無線通信ステップと、
物品と共に移動される無線局から無線通信を介して所定の時間間隔で発信される識別情報を取得する取得ステップと、
前記無線局の位置を測定する位置測定ステップと、
測定した前記位置に基づく位置情報を、前記探索支援装置に送信する位置情報送信ステップと
を含む、無線アクセスポイントの制御方法。
(付記6)
物品の探索を支援する探索支援装置から無線通信のアクセスを受付ける無線通信処理と、
物品と共に移動される無線局から無線通信を介して所定の時間間隔で発信される識別情報を取得する取得処理と、
前記無線局の位置を測定する位置測定処理と、
測定した前記位置に基づく位置情報を、前記探索支援装置に送信する位置情報送信処理と
をコンピュータに実行させるための無線アクセスポイントの制御プログラム。