JP2017054887A - ポリマー避雷器およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】曲げ荷重が与えられた際、頭部の変位を抑制し、非直線抵抗体の損傷を防止することができるポリマー避雷器およびその製造方法を提供する。
【解決手段】実施形態のポリマー避雷器10は、積層された非直線抵抗体20と、非直線抵抗体20の一方の端面に積層されたスペーサ30と、非直線抵抗体の他方の端面に積層されたスペーサ40と、スペーサ30に積層され外縁部に複数の貫通穴52を備える電極50と、スペーサ40に積層され外縁部に複数の貫通穴62を備える電極60とを備える。さらに、ポリマー避雷器10は、貫通穴52および貫通穴62に挿入されて電極50と電極60とを連結する絶縁ロッド90と、スペーサ30と電極50を結合する両ネジボルトと、スペーサ40と電極60とを密着させて連結する締結ボルト80と、非直線抵抗体20、絶縁ロッド90の周囲を覆う外皮110とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】実施形態のポリマー避雷器10は、積層された非直線抵抗体20と、非直線抵抗体20の一方の端面に積層されたスペーサ30と、非直線抵抗体の他方の端面に積層されたスペーサ40と、スペーサ30に積層され外縁部に複数の貫通穴52を備える電極50と、スペーサ40に積層され外縁部に複数の貫通穴62を備える電極60とを備える。さらに、ポリマー避雷器10は、貫通穴52および貫通穴62に挿入されて電極50と電極60とを連結する絶縁ロッド90と、スペーサ30と電極50を結合する両ネジボルトと、スペーサ40と電極60とを密着させて連結する締結ボルト80と、非直線抵抗体20、絶縁ロッド90の周囲を覆う外皮110とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、ポリマー避雷器およびその製造方法に関する。
送変電および配電の電力系統においては、落雷などの際に電力機器を過電圧から保護するため、避雷器が設置されている。近年、避雷器の中でも、外被材としてポリマー材料を使用した小型で軽量なポリマー避雷器が多く使用されている。
従来のポリマー避雷器においては、酸化亜鉛を主成分とする円板状の非直線抵抗体が複数枚積層され、その両端部に電極が備えられている。また、ポリマー避雷器における剛性を向上させるために、複数の絶縁ロッドを非直線抵抗体の周囲に配置している。この絶縁ロッドを用いて、非直線抵抗体を介して配置された電極間を締め付けて固定している。また、両電極側から圧縮荷重を非直線抵抗体に軸力を加えることで、非直線抵抗体の接触不良を防止している。
これらの構成物を総称して内部要素と呼んでいる。この内部要素の周囲には、絶縁樹脂であるポリマー材料による絶縁外皮が形成されている。このよに、外被がポリマー材料で構成されたポリマー避雷器では、碍子避雷器のように磁器容器の強度に依存することができない。そのため、従来のポリマー避雷器では、積層された非直線抵抗体とその周囲に配置された絶縁ロッドで避雷器の強度を維持している。
従来のポリマー避雷器では、上記したように、恒常的に強度の向上が求められる一方で、コストダウン、小型化、軽量化なども要求されている。この要求を実現するため、非直線抵抗体および絶縁ロッドを細径化することなどが検討されている。
しかしながら、このような細径化は、ポリマー避雷器の断面2次モーメントを減少させる。これによって、ポリマー避雷器に曲げ荷重が与えられた場合、ポリマー避雷器の頭部の変位が増大する。また、ポリマー避雷器の下部側(低圧側)に配置された非直線抵抗体においては、その外縁に応力が集中して損傷することがある。
本発明が解決しようとする課題は、曲げ荷重が与えられた際、頭部の変位を抑制し、非直線抵抗体の損傷を防止することができるポリマー避雷器およびその製造方法を提供することである。
実施形態のポリマー避雷器は、一枚または複数枚が積層された非直線抵抗体と、前記非直線抵抗体の軸方向の一方の端面に積層された第1のスペーサと、前記非直線抵抗体の軸方向の他方の端面に積層された第2のスペーサと、前記第1のスペーサの軸方向外側の端面に積層され、外縁部の同心円上に均等に形成された複数の第1の貫通穴を備える第1の電極と、前記第2のスペーサの軸方向外側の端面に積層され、前記第1の貫通穴に対応して、外縁部の同心円上に均等に形成された複数の第2の貫通穴を備える第2の電極とを備える。
さらに、ポリマー避雷器は、対向する前記第1の貫通穴および前記第2の貫通穴に挿入されて固定具によって固定され、前記第1の電極と前記第2の電極とを連結する円柱状の絶縁ロッドと、一端側に形成され、前記第1のスペーサの中央に設けられたメネジと螺合するスペーサ側オネジ、および他端側に形成され、前記第1の電極の中央に設けられたメネジと螺合する、前記スペーサ側オネジと反対向きの電極側オネジを備える両ネジボルトと、前記第2のスペーサと前記第2の電極とをそれぞれの当接面を密着させて連結する締結ボルトと、前記非直線抵抗体、前記第1のスペーサ、前記第2のスペーサおよび前記絶縁ロッドの周囲を覆う絶縁樹脂からなる外皮とを備える。
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態のポリマー避雷器10の断面を模式的に示した図である。図2は、第1の実施の形態のポリマー避雷器10における非直線抵抗体20の断面を模式的に示した図である。図3は、第1の実施の形態のポリマー避雷器10における電極50を軸方向外側から見たときの平面図である。図4は、図3のA−A断面を示す図である。図5は、図3のB−B断面を示す図である。
図1は、第1の実施の形態のポリマー避雷器10の断面を模式的に示した図である。図2は、第1の実施の形態のポリマー避雷器10における非直線抵抗体20の断面を模式的に示した図である。図3は、第1の実施の形態のポリマー避雷器10における電極50を軸方向外側から見たときの平面図である。図4は、図3のA−A断面を示す図である。図5は、図3のB−B断面を示す図である。
図1に示すように、ポリマー避雷器10は、非直線抵抗体20、スペーサ30、40、電極50、60、両ネジボルト70、締結ボルト80、絶縁ロッド90、固定具100および外皮110を備える。このポリマー避雷器10は、電極50、60間に設けられた非直線抵抗体20などの構成が外皮110によって覆われている。
非直線抵抗体20は、図2に示すように、例えば、焼結体21と、電極22、23と、絶縁層24とを備える。ポリマー避雷器10において、図1に示すように、例えば、複数の非直線抵抗体20が積層されている。この非直線抵抗体20は、正常な電圧が作用したときには絶縁性を有し、正常な電圧よりも高い異常電圧が作用したときには抵抗値が低下して導電性を有する。
焼結体21は、酸化亜鉛を主成分として形成されている。この焼結体21は、例えば、円板形状を有している。電極22は、焼結体21の一方の端面21aに形成され、電極23は、焼結体21の他方の端面21bに形成されている。電極22、23は、例えば、焼結体21の端面21a、21bにアルミニウムなどを溶射することで形成される。絶縁層24は、例えば、ガラスなどの無機絶縁物などを溶射や塗布することで形成される。
なお、ここでは、複数の非直線抵抗体20を積層した一例を示しているが、非直線抵抗体20は一つであってもよい。
複数積層された非直線抵抗体20において、非直線抵抗体20の軸方向の一方の端面には、スペーサ30が積層され、非直線抵抗体20の軸方向の他方の端面には、スペーサ40が積層されている。スペーサ30が積層された側が高圧側となり、スペーサ40が積層された側が低圧側(接地側)となる。なお、スペーサ30は、第1のスペーサとして機能し、スペーサ40は、第2のスペーサとして機能する。
ここで、非直線抵抗体20の軸方向とは、円板の中心を通る非直線抵抗体20の中心軸方向(図1では上下方向)である。換言すれば、例えば、図1に示すように、複数の非直線抵抗体20が積層された場合には、非直線抵抗体20の積層方向(図1では上下方向)に相当する。以下では、非直線抵抗体20の軸方向を、単に、軸方向と呼ぶ。
スペーサ30、40は、例えば、円柱形状である。スペーサ30、40の外径は、非直線抵抗体20の外径と等しい。スペーサ30、40は、金属などの導電性材料で構成されている。この導電性材料としては、特に限定されるものではないが、軽量化を図る観点から、アルミニウムなどを使用することが好ましい。
スペーサ30の中央には、図1に示すように、軸方向に貫通穴31が形成されている。この貫通穴31の内面には、メネジが形成されている。このメネジには、後述する両ネジボルト70における左ネジ部71のオネジが螺合している。
一方、スペーサ40の中央には、図1に示すように、電極60側の端面から非直線抵抗体20側(軸方向上側)に向かって円柱状の溝部41が形成されている。この溝部41の内面には、メネジが形成されている。このメネジには、後述する締結ボルト80のオネジが螺合している。
スペーサ30の軸方向外側の端面には、電極50が積層され、スペーサ40の軸方向外側の端面には、電極60が積層されている。電極50、60は、例えば、円柱形状である。電極50、60の外径は、非直線抵抗体20の外径よりも大きい。さらに、電極50、60の外径は、例えば、外皮110の円筒部(ヒダ部を除く)の外径よりも大きい。電極50、60は、金属などの導電性材料で構成されている。なお、電極50は、第1の電極として機能し、電極60は、第2の電極として機能する。
電極50の中央には、図1に示すように、軸方向に貫通穴51が形成されている。貫通穴51の内面には、メネジが形成されている。このメネジには、後述する両ネジボルト70における右ネジ部73のオネジが螺合している。すなわち、電極50とスペーサ30は、両ネジボルト70によって結合されている。
また、電極50の外縁部には、図1および図3に示すように、同心円上に均等に複数の貫通穴52が形成されている。この貫通穴52は、図3に示すように、例えば、軸方向に貫通する角穴で構成される。なお、貫通穴52は、第1の貫通穴として機能する。
貫通穴52は、図4に示すように、軸方向に垂直な断面積が軸方向外側に向かって増加するように形成されている。換言すると、貫通穴52は、軸方向に垂直な断面積が軸方向内側(図4では下側)に向かって減少するテーパ状に形成されている。具体的には、軸方向に垂直な断面における角穴の縦と横の幅は、それぞれ軸方向外側に行くに伴って増加するように形成されている。
ここで、両ネジボルト70は、導電性を有する金属材料などで構成されている。両ネジボルト70は、図1に示すように、左ネジ部71と、右ネジ部73と、中央部72とを備える。両ネジボルト70において、左ネジ部71と右ネジ部73とが、同軸上にあり、中央部72を介して軸方向に配置されている。なお、左ネジ部71は、スペーサ側オネジとして機能し、右ネジ部73は、電極側オネジとして機能する。
左ネジ部71は、スペーサ30の貫通穴31の内部に取り付けられる。左ネジ部71は、反時計方向に回転されることで、貫通穴31の内部において、非直線抵抗体20側に進む。
右ネジ部73は、電極50の貫通穴51の内部に取り付けられる。右ネジ部73は、左ネジ部71と反対な方向、つまり、時計方向に回転されることで、貫通穴51の内部において、非直線抵抗体20側に進む。
また、右ネジ部73の軸方向外側の端面73aには、例えば、レンチなどの締結工具を挿入するための溝穴74を備える。この溝穴74は、例えば、六角レンチを挿入可能な六角穴で構成される。そして、溝穴74に六角レンチを挿入して、六角レンチを回転させることで、例えば、非直線抵抗体20への圧縮荷重や、絶縁ロッド90への引張荷重などを調整する。
一方、電極60の中央には、図1に示すように、軸方向に貫通穴61が形成されている。貫通穴61は、例えば、内面にメネジが形成されているネジ部61aと、後述する締結ボルト80の頭部81を収容するために、外径を広げた座繰り部61bとを備える。なお、ネジ部61aは、座繰り部61bよりもスペーサ40側に形成されている。
ネジ部61aに形成されるメネジは、例えば、スペーサ40の溝部41のメネジと同方向に形成される。ネジ部61aのメネジには、締結ボルト80が螺合している。なお、ネジ部61aと座繰り部61bとの間の段差面61cに、締結ボルト80の頭部81の内面81aが接触する。
すなわち、電極60のネジ部61aのメネジを介してスペーサ40の溝部41のメネジに締結ボルト80を螺合することで、電極60とスペーサ40とが結合される。この際、電極60のスペーサ40側の端面63と、スペーサ40の電極60側の端面42とが密着されている。
ここで、締結ボルト80は、導電性を有する金属材料などで構成されている。頭部81の軸方向外側の端面81bには、例えば、レンチなどを挿入するための溝穴82を備える。この溝穴82は、例えば、六角レンチを挿入可能な六角穴で構成される。そして、溝穴82に六角レンチを挿入して、六角レンチを回転させることで、締結ボルト80を非直線抵抗体20側に進め、スペーサ40と電極60とを締結する。
また、電極60の外縁部には、電極50と同様に、同心円上に均等に複数の貫通穴62が形成されている。なお、貫通穴62の構成は、図示しないが、図3および図4に示された電極50の貫通穴52の構成と同じである。貫通穴62は、貫通穴52に対応して形成さている。具体的には、貫通穴62は、貫通穴52と同数形成され、貫通穴62と貫通穴52とはそれぞれ対向するように形成されている。なお、貫通穴62は、第2の貫通穴として機能する。
なお、電極50の貫通穴52および電極60の貫通穴62には、後に詳しく説明するが、絶縁ロッド90の端部を挟み込んで支持する固定具100が挿入されている。
電極50の貫通穴52、およびこれと対向する電極60の貫通穴62には、絶縁ロッド90が挿入され、電極50、60間を連結している。絶縁ロッド90は、例えば、円柱形状を有し、例えば、FRP(Fiber Reinforced Plastics)などの絶縁材料で構成される。
絶縁ロッド90は、図1および図3に示すように、非直線抵抗体20、スペーサ30、40の周囲を囲むように均等に複数配置されている。絶縁ロッド90の一方の端部91は、貫通穴52に挿入され、絶縁ロッド90の他方の端部92は、貫通穴62に挿入されている。
絶縁ロッド90の端部91、92は、図1に示すように、貫通穴52、62内で固定具100によって固定されている。それぞれの貫通穴52、62における、絶縁ロッド90の端部91、92の固定具100による固定方法は同じである。そのため、ここでは、絶縁ロッド90の端部91の固定について説明する。
固定具100は、図3〜図5に示すように、固定具片101と、固定具片102とからなる2分割構造で構成されている。固定具片101および固定具片102の側面形状は、貫通穴52の形状に対応した形状を有している。具体的には、固定具片101および固定具片102の断面形状は、図4および図5に示すように、楔形状であって、軸方向外側に向かって厚みが厚くなっている。すなわち、絶縁ロッド90を挟み込んだ固定具100は、図4および図5に示すように、軸方向外側に向かって軸方向に垂直な断面積が増加する形状である。
固定具100は、貫通穴52内に挿入され、貫通穴52の内面と、絶縁ロッド90の外周面との間に介在している。前述した両ネジボルト70を調整することで、絶縁ロッド90に引張力を与えることで、固定具片101と固定具片102との間に、絶縁ロッド90の端部91が締付けられ、絶縁ロッド90が固定される。
非直線抵抗体20、スペーサ30、40、および絶縁ロッド90の周囲には、図1に示すように、これらを覆うように絶縁樹脂からなる外皮110が形成されている。外皮110は、シリコーンゴムなどの絶縁性のポリマー樹脂をモールドすることによって形成される。外皮110の円筒部の外周面には、周方向に亘って外側に突出したヒダが、軸方向に所定の間隔をあけて複数形成されている。
次に、第1の実施の形態のポリマー避雷器10の製造方法について説明する。
図6は、第1の実施の形態のポリマー避雷器10の製造方法の工程を示すフロー図である。
まず、電極50とスペーサ30、および電極60とスペーサ40の結合を行う(ステップS10)。
電極50とスペーサ30を、両ネジボルト70で結合する。具体的には、電極50の貫通穴51の内面に形成されたメネジに、両ネジボルト70の右ネジ部73のオネジを螺合する。そして、スペーサ30の貫通穴31の内面に形成されたメネジに、両ネジボルト70の左ネジ部71のオネジを螺合する。このように、電極50とスペーサ30とを結合して一体化した結合体を形成する。
また、電極60とスペーサ40を、締結ボルト80で結合する。具体的には、電極60のネジ部61aとスペーサ40の溝部41とが軸方向に同軸上に位置するように、電極60とスペーサ40を配置する。続いて、締結ボルト80を電極60の座繰り部61bから挿入し、ネジ部61aのメネジに締結ボルト80のオネジを螺合する。締結ボルト80をさらに締め込み、ネジ部61aのメネジを介してスペーサ40の溝部41のメネジに締結ボルト80を螺合する。そして、電極60のスペーサ40側の端面63と、スペーサ40の電極60側の端面42とを密着させる。なお、端面63と端面42とは、隙間がないように密着されている。このように、電極60とスペーサ40とを結合して一体化した結合体を形成する。
続いて、非直線抵抗体20を設置する(ステップS11)。具体的には、一体化した結合体間に積層した非直線抵抗体20を挟み込む。この際、積層した非直線抵抗体20が互いに密着し、非直線抵抗体20とスペーサ30、40とが密着するように挟み込む。なお、非直線抵抗体20は、従来のポリマー避雷器に用いられている非直線抵抗体と同様に、公知の方法で製造される。
続いて、電極50の貫通穴52と、この貫通穴52に対向する、電極60の貫通穴62とに絶縁ロッド90を挿入する(ステップS12)。
続いて、2分割構造の固定具100を設置する(ステップS13)。具体的には、貫通穴52および貫通穴62のそれぞれに、軸方向外側から2分割構造の固定具100を挿入し、絶縁ロッド90の端部91、92を挟み込む。そして、例えば、油圧ジャッキなどの外部装置を用いて、固定具100を押し込む。これにより、固定具100が絶縁ロッド90の端部91、92を周囲から圧縮して締め付けるため、電極50、60と絶縁ロッド90とが、固定具100と間の摩擦力によって固定される。
続いて、両ネジボルト70による締め付けを行う(ステップS14)。上記したように、スペーサ30と電極50は、両ネジボルト70によって連結されている。スペーサ30には、両ネジボルト70の左ネジ部71が取り付けられている。これに対して、電極50には、両ネジボルト70の右ネジ部73が取り付けられている。
このため、両ネジボルト70に形成された溝穴74にレンチなどを差し込んで、両ネジボルト70を締め付ける(右ネジ部73を時計周りに回す)と、スペーサ30と電極50とが軸方向に沿って互いに離れる方向に移動する。その結果、積層された非直線抵抗体20には、軸方向に圧縮荷重が与えられ、絶縁ロッド90には、軸方向に引張荷重が与えられる。そのため、電極50、スペーサ30、絶縁ロッド90および積層された非直線抵抗体20が軸方向に強固に固定される。さらに、スペーサ30、40と非直線抵抗体20との間も密着する。
続いて、非直線抵抗体20、スペーサ30、40および絶縁ロッド90の周囲に外皮110を形成する(ステップS15)。具体的には、非直線抵抗体20、スペーサ30、40および絶縁ロッド90の周囲を覆うように、ポリマー樹脂でモールドする。
上記した工程を経ることで、第1の実施の形態のポリマー避雷器10が得られる。
上記したように、第1の実施の形態のポリマー避雷器10によれば、スペーサ40と電極60とを締結ボルト80によって結合することで、電極60の端面63と、スペーサ40の端面42とを密着させることができる。そのため、ポリマー避雷器10の頭部に曲げ荷重が与えられた場合でも、締結ボルト80に引張荷重が発生し、電極60と接触しているスペーサ40の外縁における応力が緩和される。これによって、電極60とスペーサ40との間に隙間が発生する、いわゆる口開きの発生が防止され、ポリマー避雷器10の頭部の変位を抑制することができる。
また、ポリマー避雷器10の頭部の変位が抑制されることで、スペーサ40に積層される非直線抵抗体20において、曲げ荷重によって発生する応力を緩和することができる。そのため、非直線抵抗体20の損傷を防止することができる。
さらに、スペーサ30、40は、高さ調整手段としても機能させることができる。これによって、例えば、高さを調整するための部材を別個に備える必要がないため、部品点数の削減により、製造コストを削減することができる。
(第2の実施の形態)
図7は、第2の実施の形態のポリマー避雷器11の断面を模式的に示した図である。なお、以下の実施の形態において、第1の実施の形態のポリマー避雷器10の構成と同一の構成部分には、同一の符号を付して、重複する説明を省略または簡略する。
図7は、第2の実施の形態のポリマー避雷器11の断面を模式的に示した図である。なお、以下の実施の形態において、第1の実施の形態のポリマー避雷器10の構成と同一の構成部分には、同一の符号を付して、重複する説明を省略または簡略する。
ここで、第2の実施の形態のポリマー避雷器11では、スペーサ40の端面42と接触する電極60の端面63の構成が、第1の実施の形態のポリマー避雷器10における電極60の端面63の構成と異なる。そのため、ここでは、この異なる構成について主に説明する。
図7に示すように、電極60のスペーサ40側の端面63に、スペーサ40の電極60側の端部43を嵌合する溝部64が形成されている。ここで、電極60のネジ部61aが締結ボルト80と適正に螺合するため、ネジ部61aは、軸方向に所定の長さに亘って形成される。そのため、溝部64は、上記したネジ部61aの長さを維持できる範囲で、深さ(軸方向の長さ)が設定される。
ここで、ポリマー避雷器11の製造方法においては、非直線抵抗体20を設置する工程(図6のステップS11)において、一体化した結合体間に積層した非直線抵抗体20を挟み込む際、電極60の溝部64にスペーサ40の端部43を嵌合する。その他の製造方法は、第1の実施の形態のポリマー避雷器10の製造方法と同じである。
第2の実施の形態のポリマー避雷器11によれば、電極60の溝部64に、スペーサ40の端部43を嵌合することで、スペーサ40が電極60と接触する接触面積が増加する。これによって、曲げ荷重が与えられた場合でも、スペーサ40が電極60と接触する接触面における応力集中が緩和され、スペーサ40の変形を抑制することができる。そのため、曲げ荷重が除かれた後において、ポリマー避雷器11における残留変位はほとんどない。
なお、第2の実施の形態においても、スペーサ40と電極60とを締結ボルト80によって結合することで得られる効果は、第1の実施の形態と同様に得られる。
(第3の実施の形態)
図8は、第3の実施の形態のポリマー避雷器12の断面を模式的に示した図である。
図8は、第3の実施の形態のポリマー避雷器12の断面を模式的に示した図である。
ここで、第3の実施の形態のポリマー避雷器12では、スペーサ40Aの構成が、第1の実施の形態のポリマー避雷器10におけるスペーサ40の構成と異なる。そのため、ここでは、この異なる構成について主に説明する。
図8に示すように、スペーサ40Aは、前述したスペーサ40と同様に、非直線抵抗体20の軸方向の他方の端面に積層される。このスペーサ40Aの外径は、非直線抵抗体20の外径よりも大きい。さらに、スペーサ40Aの外径は、非直線抵抗体20の周囲に配置された絶縁ロッド90の外周径よりも大きい。なお、スペーサ40Aを構成する材料などは、前述したスペーサ40と同じである。
このように、スペーサ40Aの外径が絶縁ロッド90の外周径よりも大きいため、スペーサ40Aを覆う外皮110の厚さは、他の部分の厚さよりも薄くなる。スペーサ40Aを覆う外皮110の厚さは、外部との絶縁を維持できる最小厚さまで薄くすることができる。換言すれば、スペーサ40Aの外径は、外皮110の厚さが最小厚さとなるまで大きくすることができる。
スペーサ40Aの中央には、前述したスペーサ40と同様に、電極60側の端面から非直線抵抗体20側(軸方向上側)に向かって円柱状の溝部41が形成されている。この溝部41の内面には、メネジが形成されている。このメネジには、締結ボルト80のオネジが螺合している。
また、スペーサ40Aの外縁部には、絶縁ロッド90を貫設する複数の貫通穴44が軸方向に形成されている。複数の貫通穴44は、同心円上に均等に形成されている。なお、貫通穴44は、第5の貫通穴として機能する。
ここで、ポリマー避雷器12の製造方法においては、電極50の貫通穴52と電極60の貫通穴62とに絶縁ロッド90を挿入する工程(図6のステップS12)において、スペーサ40Aの貫通穴44に絶縁ロッド90を挿入するとともに、貫通穴52と貫通穴62とにも絶縁ロッド90を挿入する。その他の製造方法は、第1の実施の形態のポリマー避雷器10の製造方法と同じである。
第3の実施の形態のポリマー避雷器12によれば、スペーサ40Aの外径を非直線抵抗体20の外径よりも大きく、さらに絶縁ロッド90の外周径よりも大きくすることで、ポリマー避雷器12の断面2次モーメントよりも大きくすることができる。これによって、ポリマー避雷器12の頭部に曲げ荷重が与えられた場合でも、ポリマー避雷器12の頭部の変位を抑制することができる。
なお、第3の実施の形態においても、スペーサ40と電極60とを締結ボルト80によって結合することで得られる効果は、第1の実施の形態と同様に得られる。
(第4の実施の形態)
図9は、第4の実施の形態のポリマー避雷器13の断面を模式的に示した図である。図10は、図9のC−C断面を示す図である。
図9は、第4の実施の形態のポリマー避雷器13の断面を模式的に示した図である。図10は、図9のC−C断面を示す図である。
ここで、第4の実施の形態のポリマー避雷器13では、スペーサ40Bの構成が、第1の実施の形態のポリマー避雷器10におけるスペーサ40の構成と異なる。また、第4の実施の形態のポリマー避雷器13では、絶縁板120を備える構成が、第1の実施の形態のポリマー避雷器10の構成とは異なる。ここでは、これらの異なる構成について主に説明する。
図9に示すように、スペーサ40Bは、前述したスペーサ40と同様に、非直線抵抗体20の軸方向の他方の端面に積層される。なお、スペーサ40Bを構成する材料などは、前述したスペーサ40と同じである。
スペーサ40Bは、非直線抵抗体20側の端部に小径部45を有している。この小径部45の外径は、非直線抵抗体20の外径よりも小さい。なお、小径部45を除くスペーサ40Bの外径は、非直線抵抗体20の外径と等しい。
ポリマー避雷器13は、図9および図10に示すように、スペーサ40Bの小径部45を貫設する貫通穴121および絶縁ロッド90を貫設する貫通穴122を備える円板状の絶縁板120を備える。図10に示すように、貫通穴121は、絶縁板120の中央に形成され、貫通穴122は、絶縁板120の外縁部に同心円上に均等に形成されている。なお、貫通穴121は、第3の貫通穴として機能し、貫通穴122は、第4の貫通穴として機能する。
絶縁板120は、電気絶縁性を有するエポキシ樹脂、フェノール樹脂(ベークライト)、繊維強化プラスチック(FRP)などの比較的機械的強度の高い樹脂類や、アルミナ(Al2O3)、窒化ケイ素(Si3N4)、炭化ケイ素(SiC)などのファインセラミックス類で構成されている。絶縁板120の厚さは、小径部45の厚さ(軸方向の長さ)よりも薄く構成されている。そのため、図9に示すように絶縁板120を設置した際、絶縁板120は、スペーサ40Bに接触し、非直線抵抗体20には接触しない。すなわち、小径部45の端部は、非直線抵抗体20に接触した状態が維持される。これによって、スペーサ40Bと非直線抵抗体20との間の導通は維持される。
絶縁板120と非直線抵抗体20との間の軸方向の隙間には、ポリマー樹脂が充填されている。このポリマー樹脂は、外皮110を形成する際、絶縁板120と非直線抵抗体20との間の隙間に充填される。
ここで、ポリマー避雷器13の製造方法においては、電極50、60とスペーサ30、40の結合する工程(図6のステップS10)後、非直線抵抗体20を設置する工程(図6のステップS11)の前に、絶縁板120を設置する。具体的は、絶縁板120の貫通穴121にスペーサ40Bの小径部45を貫設する。そして、絶縁板120を電極60側に移動して、スペーサ40Bに接触させる。
また、絶縁ロッド90を挿入する工程(ステップS12)において、貫通孔122に絶縁ロッド90を挿入するとともに、貫通穴52と貫通穴62とにも絶縁ロッド90を挿入する。その他の製造方法は、第1の実施の形態のポリマー避雷器10の製造方法と同じである。
第4の実施の形態のポリマー避雷器13によれば、スペーサ40Bの小径部45を貫設し、絶縁ロッド90を貫設する絶縁板120を備えることで、絶縁ロッド90の円周方向の動きを拘束することができる。これによって、ポリマー避雷器13の頭部に曲げ荷重が与えられた際、ポリマー避雷器13の捩れ方向の変形も抑制することができる。
なお、第4の実施の形態においても、スペーサ40と電極60とを締結ボルト80によって結合することで得られる効果は、第1の実施の形態と同様に得られる。
ここで、上記した実施の形態のポリマー避雷器10、11、12、13において、電極50の貫通穴52および電極60の貫通穴62の形状を角穴とした一例を示したが、この形状に限られるものではない。貫通穴52、62の形状は、例えば、円穴であってもよい。この場合においても、円穴における軸方向に垂直な断面積が軸方向外側に向かって増加するように形成されている。すなわち、縦断面(軸方向の断面)において、円穴は、逆円錐台形状を有する。なお、2分割構造の固定具100は、円穴の形状に合わせて形成される。
また、上記した実施の形態のポリマー避雷器10、11、12、13において、スペーサ40と電極60とを、頭部81を有する締結ボルト80によって結合した一例を示したが、この構成に限られるものではない。締結ボルトは、電極60の端面63と、スペーサ40の端面42とを密着させることができるものであればよい。
スペーサ40と電極60を結合する構成として、例えば、スペーサ30と電極50と結合する両ネジボルトを用いた構成と同様の構成を適用してもよい。なお、この場合、スペーサ40と電極60とを連結する両ネジボルトにおいては、図6を参照して説明した両ネジボルトによる締め付け(ステップS14)と同様の締め付け工程は実行しない。この締め付け工程を実行しないことで、電極60の端面63と、スペーサ40の端面42との密着が維持される。
(ポリマー避雷器における頭部の変位の評価)
ここで、実施の形態のポリマー避雷器において、頭部に曲げ方向の荷重(曲げ荷重)が与えられた場合でも、頭部の変位を抑制できることを具体的に説明する。
ここで、実施の形態のポリマー避雷器において、頭部に曲げ方向の荷重(曲げ荷重)が与えられた場合でも、頭部の変位を抑制できることを具体的に説明する。
ここでは、第1の実施の形態のポリマー避雷器10(図1参照)(試験モデル1)、第3の実施の形態のポリマー避雷器12(図8参照)(試験モデル2)を試験モデルとした。また、比較のため、第1の実施の形態のポリマー避雷器10において、スペーサ40と電極60とを締結ボルトで連結しないモデル(試験モデル3)についても試験を行った。なお、試験モデル3は、本実施の形態の構成を備えない比較例である。
ここで、試験モデル1〜試験モデル3において、非直線抵抗体20、電極50、スペーサ30、両ネジボルト70の材質やサイズなどの仕様を同じとした。また、いずれの試験モデルにおいても、非直線抵抗体20の積層枚数も同じとした。
試験モデル1、2については、締結ボルト80を備えているため、電極60には、貫通穴61を形成し、スペーサ40には、溝部41を形成した。一方、試験モデル3については、締結ボルト80を備えていないため、電極60の貫通穴61およびスペーサ40の溝部41は形成しなかった。なお、電極60およびスペーサ40について、いずれの試験モデルにおいても、材質や軸方向長さなどの仕様を同じとした。試験モデル1〜試験モデル3の全長を1.5mとした。
表1には、非直線抵抗体20の外径に対するスペーサ40の外径の比(スペーサの外径/非直線抵抗体の外径)を示している。試験モデル2においては、スペーサ40の外径が非直線抵抗体20の外径よりも大きいため、外径の比は1を超えている。
また、試験モデル1〜試験モデル3を製造する際、両ネジボルト70による締め付け工程(図6のステップS14)において、積層された非直線抵抗体20に35kNの初期荷重を与えるとともに、絶縁ロッド90に初期引張荷重を与えた。
ここで、図11は、試験モデルの頭部の変位を説明するための模式図である。評価試験では、各試験モデルの頭部(電極50)に対して、曲げ方向(図11のX軸方向)に2000Nの荷重(曲げ荷重)を与えた場合について、数値解析を行い、頭部の変位を算出した。
図11に示すように、頭部が変位していない状態(荷重を与えない状態)における電極50の軸方向外側の端面の中心の位置をPとする。そして、荷重を与え頭部が最大変位したときのPのX軸方向の変位をLとする。
表1では、試験モデル3における変位Lを1として、試験モデル1、2における変位Lを変位率で示している。例えば、変位率が1よりも小さい場合には、変位Lが試験モデル3における変位Lよりも小さいことを示す。
表1に示すように、試験モデル1の変位率は、0.74である。このことから、スペーサ40と電極60とを締結ボルト80によって結合して、電極60の端面63と、スペーサ40の端面42とを密着させることで、頭部の変位を抑制できることがわかる。
試験モデル2の変位率は、0.65である。このことから、スペーサ40と電極60とを締結ボルト80によって結合し、さらにスペーサ40の外径を非直線抵抗体20の外径よりも大きくすることで、頭部の変位をさらに抑制できることがわかる。
なお、表1には示していないが、第2の実施の形態のポリマー避雷器11(図7参照)、第4の実施の形態のポリマー避雷器13(図9参照)においても、変位率は1を下回る結果が得られている。
以上説明した実施形態によれば、曲げ荷重が与えられた際、頭部の変位を抑制し、非直線抵抗体の損傷を防止することが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10,11,12,13…ポリマー避雷器、20…非直線抵抗体、21…焼結体、21a,21b…端面、22,23,50,60…電極、24…絶縁層、30,40,40A,40B…スペーサ、31,44,51,52,61,62,121,122…貫通穴、41,64…溝部、42,63,73a,81b…端面、43,91,92…端部、45…小径部、61a…ネジ部、61b…座繰り部、61c…段差面、70…両ネジボルト、71…左ネジ部、72…中央部、73…右ネジ部、74,82…溝穴、80…締結ボルト、81…頭部、81a…内面、90…絶縁ロッド、100…固定具、101,102…固定具片、110…外皮、120…絶縁板。
Claims (8)
- 一枚または複数枚が積層された非直線抵抗体と、
前記非直線抵抗体の軸方向の一方の端面に積層された第1のスペーサと、
前記非直線抵抗体の軸方向の他方の端面に積層された第2のスペーサと、
前記第1のスペーサの軸方向外側の端面に積層され、外縁部の同心円上に均等に形成された複数の第1の貫通穴を備える第1の電極と、
前記第2のスペーサの軸方向外側の端面に積層され、前記第1の貫通穴に対応して、外縁部の同心円上に均等に形成された複数の第2の貫通穴を備える第2の電極と、
対向する前記第1の貫通穴および前記第2の貫通穴に挿入されて固定具によって固定され、前記第1の電極と前記第2の電極とを連結する円柱状の絶縁ロッドと、
一端側に形成され、前記第1のスペーサの中央に設けられたメネジと螺合するスペーサ側オネジ、および他端側に形成され、前記第1の電極の中央に設けられたメネジと螺合する、前記スペーサ側オネジと反対向きの電極側オネジを備える両ネジボルトと、
前記第2のスペーサと前記第2の電極とをそれぞれの当接面を密着させて連結する締結ボルトと、
前記非直線抵抗体、前記第1のスペーサ、前記第2のスペーサおよび前記絶縁ロッドの周囲を覆う絶縁樹脂からなる外皮と
を具備することを特徴とするポリマー避雷器。 - 前記非直線抵抗体が円板形状を有し、
前記第2のスペーサが円柱形状を有し、
前記非直線抵抗体の外径と前記第2のスペーサの外径が等しいことを特徴とする請求項1記載のポリマー避雷器。 - 前記第2の電極における前記第2のスペーサ側の端面に、前記第2のスペーサの端部を嵌合する溝部を備えることを特徴とする請求項2記載のポリマー避雷器。
- 前記第2のスペーサの前記非直線抵抗体側の端部が、前記非直線抵抗体の外径よりも小さく構成され、
前記非直線抵抗体側の端部を貫設する第3の貫通穴および前記絶縁ロッドを貫設する複数の第4の貫通穴を備える円板状の絶縁板をさらに備えることを特徴とする請求項2記載のポリマー避雷器。 - 前記非直線抵抗体が円板形状を有し、
前記第2のスペーサが円柱形状を有し、
前記第2のスペーサの外径が、前記非直線抵抗体の外径よりも大きいことを特徴とする請求項1記載のポリマー避雷器。 - 前記第2のスペーサの外径が、前記非直線抵抗体の周囲に配置された前記絶縁ロッドの外周径よりも大きく構成され、
前記第2のスペーサの外縁部に、前記絶縁ロッドを貫設する複数の第5の貫通穴を備えることを特徴とする請求項5記載のポリマー避雷器。 - 前記第1の貫通穴および前記第2の貫通穴における前記非直線抵抗体の軸方向に垂直な断面積が、前記非直線抵抗体の軸方向外側に向かって増加し、
前記固定具が、2分割構造で構成され、前記第1の貫通穴および前記第2の貫通穴に挿入され、前記絶縁ロッドの端部を挟み込んでいることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載のポリマー避雷器。 - 一枚または複数枚が積層された非直線抵抗体と、
前記非直線抵抗体の軸方向の一方の端面に積層された第1のスペーサと、
前記非直線抵抗体の軸方向の他方の端面に積層された第2のスペーサと、
前記第1のスペーサの軸方向外側の端面に積層され、外縁部の同心円上に均等に形成された複数の第1の貫通穴を備える第1の電極と、
前記第2のスペーサの軸方向外側の端面に積層され、前記第1の貫通穴に対応して、外縁部の同心円上に均等に形成された複数の第2の貫通穴を備える第2の電極と、
一端側に形成され、前記第1のスペーサの中央に設けられたメネジと螺合するスペーサ側オネジ、および他端側に形成され、前記第1の電極の中央に設けられたメネジと螺合する、前記スペーサ側オネジと反対向きの電極側オネジを備える両ネジボルトと、
前記第2のスペーサと前記第2の電極とを連結する締結ボルトと、
前記第1の電極と前記第2の電極とを連結する絶縁ロッドと、
前記非直線抵抗体、前記第1のスペーサ、前記第2のスペーサおよび前記絶縁ロッドの周囲を覆う絶縁樹脂からなる外皮と
を備えるポリマー避雷器の製造方法であって、
前記両ネジボルトによって前記第1の電極と前記第1のスペーサとを結合する工程と、
前記締結ボルトによって、前記第2のスペーサと前記第2の電極とをそれぞれの当接面を密着させて連結する工程と、
前記第1のスペーサと前記第2のスペーサとの間に前記非直線抵抗体を挟み込む工程と、
前記第1の電極の前記第1の貫通穴と前記第2の電極の前記第2の貫通穴とに前記絶縁ロッドを挿入する工程と、
前記非直線抵抗体の軸方向に垂直な断面積が前記非直線抵抗体の軸方向外側に向かって増加する前記第1の貫通穴および前記第2の貫通穴のそれぞれに、2分割構造の固定具を挿入し、前記絶縁ロッドの端部を挟み込んで前記絶縁ロッドを固定する工程と、
前記両ネジボルトを結合側と反対方向に回し、前記非直線抵抗体に圧縮荷重を与えるとともに、前記絶縁ロッドに引張荷重を与える工程と、
前記非直線抵抗体、前記第1のスペーサ、前記第2のスペーサおよび前記絶縁ロッドの周囲に絶縁樹脂をモールドして前記外皮を形成する工程と
を備えることを特徴とするポリマー避雷器の製造方法。
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JP2015176927A JP2017054887A (ja) | 2015-09-08 | 2015-09-08 | ポリマー避雷器およびその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2021140593A1 (ja) * | 2020-01-08 | 2021-07-15 | 株式会社 東芝 | ポリマー形避雷器 |
-
2015
- 2015-09-08 JP JP2015176927A patent/JP2017054887A/ja active Pending
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WO2021140593A1 (ja) * | 2020-01-08 | 2021-07-15 | 株式会社 東芝 | ポリマー形避雷器 |
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