JP2017054873A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱膨張に起因する電極層の歪みを抑制する。【解決手段】保護絶縁膜20の内周縁21は、第1辺部分21a、第2辺部分21b、第3辺部分21c及び第4辺部分21dを有する。平面視したときに、第1範囲A1、第2範囲A2、第3範囲A3及び第4範囲A4が存在する。第1範囲A1は、第1辺部分21aの略全体を含む範囲であり、第1範囲A1では、層間絶縁膜22が第1辺部分21aと平行に伸びるストライプ状に配置され、かつ、第1辺部分の略全体がコンタクトホール24の直上に位置する。第2範囲A2〜第4範囲A4についても、それぞれ第2辺部分21b〜第4辺部分21dとの関係で同様である。【選択図】図1
Description
本明細書で開示される技術は、半導体装置に関する。
特許文献1に、半導体装置が記載されている。この半導体装置は、半導体基板と、半導体基板の上面(以下、基板上面ともいう)に沿って設けられた第1電極層と、基板上面の外周縁に沿って枠状に伸びており、その内周縁が第1電極層上において開口を画定する保護絶縁膜と、その開口から露出する第1電極層から保護絶縁膜に亘って積層された第2電極層とを備える。このような構成によると、保護絶縁膜によって半導体基板の周縁部分を保護することができる。
特許文献2にも、半導体装置が記載されている。この半導体装置は、半導体素子が形成された半導体基板と、基板上面に沿って設けられた電極層とを備える。半導体素子は、RC−IGBT(Reverse Conducting Insulated Gate Bipolar Transistor)であり、基板上面に設けられたトレンチ内に位置するゲート電極を有する。ゲート電極は、層間絶縁膜によって電極層から絶縁されている。層間絶縁膜は、トレンチの開口に合わせて設けられており、ゲート電極を覆うとともに、トレンチの間に位置する基板上面を露出するコンタクトホールを画定している。この半導体装置では、ゲート電極が配置されたトレンチがストライプ状(即ち、複数のトレンチが平行)に形成されている。このような構成によると、半導体基板に半導体素子の単位構造を高い密度で形成することができる。
半導体装置が動作して発熱すると、それぞれの構成要素が熱膨張し、その相互作用の結果、それぞれの構成要素内に歪み(応力)が生じる。また、半導体装置に接合された放熱ブロックやバスバーといった外部の部材の熱膨張も、半導体装置の構成要素に歪みを生じさせる。半導体装置の構成要素に生じる歪みは、例えばクラックの発生といった問題の要因となる。従って、半導体装置の構成要素に生じる歪みは、小さい方が好ましい。
半導体装置の構成要素に生じる歪みは、半導体装置の構成に応じて様々に相違する。例えば特許文献1に記載の半導体装置では、第1電極層に対して保護絶縁膜と第2電極層の両者が接触している。このような構成であると、保護絶縁膜が接触する範囲と第2電極層が接触する範囲との境界(即ち、保護絶縁膜の内周縁の位置)において、第1電極層に大きな歪みが局所的に生じやすい。即ち、保護絶縁膜の内周縁の近傍において、第1電極層に生じる歪みは極大化する傾向がある。一方、特許文献2に記載の半導体装置では、基板上面と電極層との間に、層間絶縁膜とコンタクトホールがストライプ状に形成されている。このような構成であると、電極層に生じる歪みは、層間絶縁膜が存在する位置で大きくなり、コンタクトホールが存在する位置で小さくなる。即ち、層間絶縁膜の近傍において、第1電極層に生じる歪みは極大化する傾向がある。
上述したことから、保護絶縁膜を有する半導体装置では、できる限り、保護絶縁膜の内周縁が、層間絶縁膜の直上に位置しない構成とすることが好ましい。即ち、保護絶縁膜の内周縁が層間絶縁膜の直上に位置すると、第1電極層において歪みが極大化する位置が重畳することになり、第1電極層に大きな歪みが生じるおそれがある。しかしながら、ゲート電極が配置されるトレンチをストライプ状に形成すると、保護絶縁膜の内周縁の多くの部分について、層間絶縁膜の直上に位置することが避けられない。例えば、保護絶縁膜の内周縁が方形状の開口を画定しているとする。この場合、保護絶縁膜の内周縁は、それぞれが直線状に伸びる4つの辺部分を有し、そのうちの少なくとも二つの辺部分は、ストライプ状のトレンチを横切る方向に伸びることになる。その結果、当該少なくとも二つの辺部分の直下には、その全長に亘って層間絶縁膜及びコンタクトホールが交互に存在することになり、層間絶縁膜の近傍において第1電極層の歪みがさらに極大化することが想定される。
従って、本明細書は、保護絶縁膜を有する半導体装置において、ゲート電極が配置されるトレンチをストライプ状に形成した場合でも、保護絶縁膜の内周縁が層間絶縁膜の直上に位置することを回避又は低減し得る技術を提供する。
本明細書が開示する半導体装置は、半導体素子が形成された半導体基板と、半導体基板の基板上面に沿って設けられているとともに半導体素子と電気的に接続された第1電極層と、基板上面の外周縁に沿って枠状に伸びているとともにその内周縁が前記第1電極層上において方形状の開口を画定する保護絶縁膜と、方形状の開口から露出する第1電極層から保護絶縁膜に亘って積層された第2電極層と、基板上面と第1電極層との間に設けられた層間絶縁膜とを備える。基板上面には、半導体素子のゲート電極が配置されたトレンチが形成されている。層間絶縁膜は、トレンチの開口に合わせて設けられており、ゲート電極を覆うとともにトレンチ間に位置する基板上面を露出するコンタクトホールを画定している。保護絶縁膜の内周縁は、それぞれが直線状に伸びる第1辺部分、第2辺部分、第3辺部分及び第4辺部分を有し、それらの辺部分が一連に接続されることによって前記した方形状の開口を画定している。この半導体装置では、基板上面に垂直な方向から平面視したときに、少なくとも第1範囲、第2範囲、第3範囲及び第4範囲が存在する。そして、nを1から4までの任意の整数としたときに、第n範囲は、第n辺部分の略全体を含む範囲であり、当該第n範囲では、層間絶縁膜が第n辺部分と平行に伸びるストライプ状に配置され、かつ、第n辺部分の略全体がコンタクトホールの直上に位置する。
上記した構成によると、方形状の開口を画定する保護絶縁膜の内周縁のうち、第1辺部分の周辺(即ち、第1範囲)では、ストライプ状の層間絶縁膜(即ち、トレンチ及びゲート電極)が第1辺部分と平行に配置されている。これにより、第1辺部分の略全体をコンタクトホールの直上に配置することができる。第2〜第4辺部分の各周辺(即ち、第2〜第4範囲)についても同様に、ストライプ状の層間絶縁膜(即ち、トレンチ及びゲート電極)が、それぞれ第2〜第4辺部分と平行に配置されており、これによって、第2〜第4辺部分の略全体をそれぞれコンタクトホールの直上に配置することができる。保護絶縁膜の内周縁の略全体について、当該内周縁が層間絶縁膜の直上に位置しないことから、第1電極層に大きな歪みが生じることを抑制することができる。
ここで、例えば第1辺部分の略全体とは、第1辺部分の全体又は大部分を意味し、第1辺部分の全体(全長)の90パーセント以上、より好ましくは95パーセント以上を意味する。第2辺部分〜第4辺部分についても同様である。また、保護絶縁膜の内周縁には、隣接する二つの辺部分を接続する四つの角部が存在するが、これらの角部は第1辺部分〜第4辺部分に含まれないものとする。なお、保護絶縁膜の内周縁の角部は、一定の長さに亘って円弧状に湾曲するもの(いわゆるR形状)であってもよい。
図面を参照して、実施例の半導体装置10を説明する。図1、図2に示すように、半導体装置10は、半導体基板12、上面電極18、保護絶縁膜20、層間絶縁膜22及び下面電極26を備える。上面電極18、保護絶縁膜20及び層間絶縁膜22は、半導体基板12の上面12a(以下、基板上面12aという)側に位置している。下面電極26は、半導体基板12の下面12b(以下、基板下面12bという)側に位置している。また、基板上面12a側には、ゲートパッド8aを含む複数の電極パッド8が設けられている。ここで、基板上面12a及び基板下面12bは、半導体基板12の互いに反対側に位置する二つの表面を、便宜的に区別して表現するものである。即ち、ここでいう基板上面12a及び基板下面12bが、半導体装置10の使用時において、必ずしも鉛直方向の上面及び下面になることを意味しない。
半導体基板12は、半導体材料で構成された基板であり、例えばシリコン(Si)や炭化ケイ素(SiC)を用いて構成することができる。半導体基板12には、半導体素子30が形成されている。基板上面12aには、半導体素子30のゲート電極46が配置されたトレンチ42が形成されている。半導体素子30は、トレンチゲート型の構造を有する半導体素子であるが、特定の種類の半導体素子に限定されない。半導体素子30は、例えばIGBT、RC−IGBT又はMOSFETといったパワー半導体素子であってよい。一例ではあるが、本実施例における半導体素子30はIGBTである。
図3を参照して、本実施例における半導体素子30(IGBT)の単位構造について説明する。図3に示すように、半導体素子30は、基板下面12b側から基板上面12a側に向かって順に、コレクタ領域32、バッファ領域34、ドリフト領域36、ボディ領域38及びエミッタ領域40を備える。また、前述したように、半導体素子30は、トレンチ42内に配置されたゲート電極46を備える。
コレクタ領域32は、p型の領域であり、基板下面12bに露出している。コレクタ領域32は、その不純物濃度が十分に高く、下面電極26と電気的に接続されている。バッファ領域34は、n型の領域であり、コレクタ領域32とドリフト領域36との間に位置している。ドリフト領域36は、n型の領域であり、バッファ領域34とボディ領域38との間に位置している。ドリフト領域36の不純物濃度は、バッファ領域34の不純物濃度よりも低い。ボディ領域38は、p型の領域であり、基板上面12aとドリフト領域36との間に位置している。ボディ領域38の不純物濃度は、コレクタ領域32の不純物濃度よりも低い。但し、ボディ領域38は基板上面12aに露出しており、その露出する表層部(コンタクト領域とも称される)では、不純物濃度がコレクタ領域32と同程度に高められている。それにより、ボディ領域38は、基板上面12aにおいて上面電極18と電気的に接続されている。エミッタ領域40は、n型の領域であり、基板上面12aに露出している。エミッタ領域40は、ボディ領域38によってドリフト領域36から隔てられている。エミッタ領域40の不純物濃度は、ドリフト領域36の不純物濃度よりも高く、基板上面12aにおいて上面電極18と電気的に接続されている。
ゲート電極46は、基板上面12aに設けられたトレンチ42内に位置している。ゲート電極46は、導電性材料で構成されており、例えばポリシリコンを用いて構成することができる。トレンチ42の下端はドリフト領域36に達している。図3に示す断面の位置では、複数のトレンチ42が、図3の紙面に対して垂直に伸びている。トレンチ42の内面とゲート電極46との間には、ゲート絶縁膜44が設けられている。ゲート絶縁膜44は、絶縁性材料で構成されており、例えば酸化シリコン(SiO2)を用いて構成することができる。ゲート電極46は、ゲート絶縁膜44を介して、ドリフト領域36、ボディ領域38及びエミッタ領域40に対向している。
層間絶縁膜22は、ゲート電極46を上面電極18から電気的に絶縁している。層間絶縁膜22は、トレンチ42の開口に合わせて設けられており、ゲート電極46を覆うとともに、コンタクトホール24を画定している。コンタクトホール24は、層間絶縁膜22が存在しない範囲であって、隣接する二つのトレンチ42の間に位置する基板上面12aを露出する。従って、平面視したときに、トレンチ42、ゲート電極46及び層間絶縁膜22の位置は互いに一致し、隣接する二つの層間絶縁膜22の間に、コンタクトホール24が位置する。一例ではあるが、層間絶縁膜22及びコンタクトホール24は、基板上面12aに酸化シリコン膜を広く形成し、それを部分的にエッチングすることによって形成することができる。
以上の構造により、本実施例における半導体素子(IGBT)30は、ノーマリーオフ型のパワートランジスタとして機能することができる。なお、半導体素子30の構成は適宜変更可能であり、上述した構成に限定されるものはない。
次に、図1から図3を参照して、基板上面12a側の構造について説明する。前述したように、基板上面12a側には、上面電極18、保護絶縁膜20及び層間絶縁膜22が設けられている。上面電極18は、第1電極層14と第2電極層16とを有する。
第1電極層14は、基板上面12aに沿って設けられており、半導体素子30と電気的に接続されている。より詳しくは、第1電極層14は、コンタクトホール24内の基板上面12aに露出するボディ領域38及びエミッタ領域40と、電気的に接続されている。一方、第1電極層14とゲート電極46との間は、層間絶縁膜22によって電気的に絶縁されている。第1電極層14は、金属材料を用いて構成することができ、その金属材料としては、例えばアルミニウム(Al)又はアルミニウムを主成分とするアルミニウム合金等が挙げられる。一例ではあるが、本実施例における第1電極層14には、シリコン(Si)を比較的に多く含むAl−Si系のアルミニウム合金が用いられている。
保護絶縁膜20は、絶縁性材料で構成されており、例えば樹脂材料を用いて構成することができる。一例ではあるが、本実施例における保護絶縁膜20には、ポリイミドが用いられている。保護絶縁膜20は、基板上面12aの周縁に沿って枠状に設けられている。保護絶縁膜20は、例えば半導体装置10の耐圧を維持する機能や、半導体装置10を異物の接触から保護する機能を有する。保護絶縁膜20の少なくとも一部(内側部分)は、第1電極層14上に積層されており、保護絶縁膜20の内周縁21は、第1電極層14上において開口を画定している。以下では、保護絶縁膜20の内周縁21が画定する開口を、単に保護絶縁膜20の開口と称することがある。保護絶縁膜20の断面形状は特に限定されないが、本実施例では、内周縁21側の部分がテーパー形状を有している。
図1によく示されるように、保護絶縁膜20の内周縁21は、方形状の開口を画定している。従って、保護絶縁膜20の内周縁21は、それぞれが直線状に伸びる第1辺部分21a、第2辺部分21b、第3辺部分21c及び第4辺部分21dと、それらを一連に接続する四つの角部21e、21f、21g、21hとを有する。なお、本実施例における保護絶縁膜20の開口は正方形状であり、第1辺部分21aと第3辺部分21cは互いに平行であり、第2辺部分21bと第4辺部分21dは互いに平行であり、かつ、第1辺部分21aと第2辺部分21bは互いに垂直である。なお、保護絶縁膜20の開口は、矩形状その他の方形(四角形)状であってもよい。また、角部21e、21f、21g、21hは、或る長さに亘って円弧状に湾曲するもの(いわゆるR形状)であってもよい。なお、各辺部分21a〜21dに、角部21e〜21hは含まれないものとする。
第2電極層16は、導電性材料で構成されており、保護絶縁膜20の開口から露出する第1電極層14から保護絶縁膜20に亘って積層されている。第2電極層16は、金属材料を用いて構成することができ、その金属材料としては、例えばニッケル(Ni)又はニッケルを主成分とする合金等が挙げられる。一例ではあるが、本実施例の第2電極層16には、ニッケルが用いられている。なお、第1電極層14と第2電極層16との間には、チタン(Ti)その他の導電性材料で構成される層が付加的に設けられてもよい。この場合、その付加的な層は、第2電極層16の一部と見なすことができる。
次に、主に図1を参照して、層間絶縁膜22の配列、及び、その配列と保護絶縁膜20の内周縁21との位置関係について説明する。なお、層間絶縁膜22に配列は、トレンチ42及びゲート電極46の配列に一致する。図1に示すように、本実施例の半導体装置10では、基板上面12aに垂直な方向から平面視したときに、層間絶縁膜22の配列に関して第1範囲A1、第2範囲A2、第3範囲A3及び第4範囲A4が存在する。第1範囲A1は、保護絶縁膜20の内周縁21の第1辺部分21aを含む範囲であり、概して、当該第1辺部分21aに近接する範囲といえる。この第1範囲A1では、層間絶縁膜22が第1辺部分21aと平行に伸びるストライプ状に配置され、かつ、第1辺部分21aがコンタクトホール24の直上に位置している(図3参照)。
第2範囲A2、第3範囲A3及び第4範囲A4についても同様である。第2範囲A2は、第2辺部分21bを含む範囲であって、第2範囲A2では、層間絶縁膜22が第2辺部分21bと平行に伸びるストライプ状に配置され、かつ、第2辺部分21bがコンタクトホール24の直上に位置している。第3範囲A3は、第3辺部分21cを含む範囲であって、第3範囲A3では、層間絶縁膜22が第3辺部分21cと平行に伸びるストライプ状に配置され、かつ、第3辺部分21cがコンタクトホール24の直上に位置している。そして、第4範囲A4は、第4辺部分21dを含む範囲であって、第4範囲A4では、層間絶縁膜22が第4辺部分21dと平行に伸びるストライプ状に配置され、かつ、第4辺部分21dがコンタクトホール24の直上に位置している。ここで、第1範囲A1〜第4範囲A4の間の境界は、層間絶縁膜22の内周縁21が画定する方形状の開口の対角線及びその延長線と一致する。
次に、図5を参照し、半導体装置10の使用例として、半導体装置10が組み込まれた半導体モジュール100について説明する。半導体モジュール100は、半導体装置10と、半導体装置10が封止された樹脂モールド102とを備える。さらに、半導体モジュール100は、第1放熱板104と放熱ブロック106と第2放熱板108とを備える。第1放熱板104、放熱ブロック106及び第2放熱板108は金属材料で構成されており、一例ではあるが銅で構成することができる。
第1放熱板104は、半導体装置10の上面電極18に放熱ブロック106を介して接合されている。第1放熱板104と放熱ブロック106との間、及び、放熱ブロック106と上面電極18との間は、それぞれはんだ110、111によって接合されている。第2放熱板108は、半導体装置10の下面電極26に接合されている。下面電極26と第2放熱板108との間は、はんだ112によって接合されている。図示省略するが、第1放熱板104と第2放熱板108の各々には、樹脂モールド102の外部へ伸びるリード(又はバスバー)が接続されている。これにより、第1放熱板104、放熱ブロック106及び第2放熱板108は、半導体装置10を外部の機器と電気的に接続する導電経路の少なくとも一部を構成する。
第1放熱板104は、樹脂モールド102の上面102aに露出しており、第2放熱板108は樹脂モールド102の下面102bに露出している。このような構成により、動作時に半導体装置10で発生する熱は、放熱ブロック106を介して第1放熱板104へ伝導して、あるいは第2放熱板108へ伝導して、半導体モジュール100の外部に放出される。即ち、半導体モジュール100は、両面冷却型のモジュール構造を有する。通常、半導体モジュール100は、樹脂モールド102の上面102a及び下面102bが冷却器に接触するように配置される。
半導体モジュール100が例えばハイブリッドカー等に搭載され、半導体装置10が動作して発熱すると、それぞれの構成要素が熱膨張する。それぞれの構成要素は、互いに異なる材料で構成されているので、互いに異なる線膨張係数を有する。従って、それぞれの構成要素は様々に熱膨張し、その相互作用の結果、それぞれの構成要素に歪み(応力)が生じる。また、半導体モジュール100の放熱ブロック106といった構成要素も熱膨張し、半導体装置10の構成要素に歪みを生じさせる。構成要素に生じる歪みは、例えばクラックの発生といった問題の要因となる。従って、半導体装置10の構成要素に生じる歪みは、小さい方が好ましい。特に、本実施例の半導体装置10では、第1電極層14を構成する材料(Al−Si系アルミニウム合金)の機械的強度(例えば引張り強度)が、第2電極層16を構成する材料(ニッケル)やはんだ111よりも低い。従って、仮にクラックが発生するとすれば、第1電極層14において発生するおそれが高い。
上記の点に関して、図5に示すように、本実施例の半導体装置10では、第1電極層14に保護絶縁膜20と第2電極層16の両者が接触している。このような構成であると、保護絶縁膜20が接触する範囲と第2電極層16が接触する範囲との境界(即ち、保護絶縁膜20の内周縁21の位置)において、第1電極層14に大きな歪みが局所的に生じやすい。即ち、第1電極層14の歪みは図5中の領域Yにおいて極大化する傾向がある。加えて、本実施例の半導体装置10では、基板上面12aと第1電極層14との間に、層間絶縁膜22とコンタクトホール24がストライプ状に形成されている。このような構成であると、第1電極層14に生じる歪みは、層間絶縁膜22が存在する位置で大きくなり、コンタクトホール24が存在する位置で小さくなる。即ち、第1電極層14の歪みは図5中の領域Xにおいても極大化する傾向がある。
仮に、図5に示す領域X、Yが重なると、第1電極層14により大きな歪みが生じ得る。この場合、例えば半導体装置10が過酷な熱履歴を長期に亘って経験したときなどに、第1電極層14においてクラックが発生することも考えられる。この点に関して、本実施例の半導体装置10では、保護絶縁膜20の内周縁21の各辺部分21a〜21dがコンタクトホール24の直上に配置されており、各辺部分21a〜21dの直下に層間絶縁膜22が存在しない(角部21e〜21hは除く)。従って、図5に示すように、歪みが極大化し得る領域X、Yが離れて位置するので、第1電極層14にクラックを誘発するような歪みが生じることを防止することができる。
上述したように、本実施例の半導体装置10では、基板上面12aに保護絶縁膜20が設けられているとともに、ゲート電極46が配置されるトレンチ42がストライプ状に形成されている。それにより、半導体基板12の周縁部が保護されるとともに、半導体素子30の単位構造を高い密度で形成することができる。ここで、保護絶縁膜20の内周縁21の第1辺部分21aの周辺(即ち、第1範囲A1)では、ストライプ状の層間絶縁膜22(即ち、トレンチ42及びゲート電極46)が、第1辺部分21aと平行に配置されている。これにより、第1辺部分21aの全てがコンタクトホール24の直上に配置することが可能となる。第2辺部分21b〜第4辺部分21dの各周辺(即ち、第2範囲A2〜第4範囲A4)についても同様であり、第2辺部分21b〜第4辺部分21dのそれぞれが全てコンタクトホール24の直上に配置されている。その結果、保護絶縁膜20の内周縁21(角部21e〜21hを除く)が、層間絶縁膜22の直上に位置しないので、第1電極層14に生じる歪みを抑制することができる。
以上、本技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば図6は、変形例の半導体装置10aを示す。図6に示すように、層間絶縁膜22(即ち、トレンチ42及びゲート電極46)は、基板上面12aにおいて渦巻き状に配置されてもよい。このような構成であっても、平面視したときに、層間絶縁膜22の配列に関して第1範囲A1、第2範囲A2、第3範囲A3及び第4範囲A4が存在する。第1範囲A1は、保護絶縁膜20の内周縁21の第1辺部分21aを含む範囲であり、この第1範囲A1では、層間絶縁膜22が第1辺部分21aと平行に伸びるストライプ状に配置され、かつ、第1辺部分21aがコンタクトホール24の直上に位置している。第2範囲A2、第3範囲A3及び第4範囲A4についても同様である。
なお、図6に示す変形例では、層間絶縁膜22が、保護絶縁膜20の内周縁21の第3辺部分21cの直下を横切っており、第3辺部分21cの直下には部分的に層間絶縁膜22が存在する。このように、限られた範囲では、保護絶縁膜20の内周縁21の直下に層間絶縁膜22が存在してもよい。具体的には、例えば内周縁21の全体(全長)の90パーセント以上、好ましくは95パーセント以上が、コンタクトホール24の直上に位置するとよい。あるいは、上述した半導体装置10のように、角部21e〜21hを除いて、内周縁21の全体がコンタクトホール24の直上に位置するとよい。
実施例の半導体装置10では、平面視したときに、半導体素子30が形成された領域(いわゆる素子領域)の略全体が、第1範囲A1〜第4範囲A4のいずれかに属すると理解される。しかしながら、他の変形例として、半導体装置10は、例えば保護絶縁膜20の内周縁21から離れた位置に、第1範囲A1〜第4範囲A4のいずれにも属さない一又は複数の範囲をさらに有してもよい。即ち、例えば保護絶縁膜20の内周縁21が画定する開口の中央部分に、第1範囲A1〜第4範囲A4とは異なる態様で層間絶縁膜22(即ち、トレンチ42及びゲート電極46)が配置された範囲を有してもよい。
本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10、10a:半導体装置
12:半導体基板
12a:基板上面
12b:基板下面
14:第1電極層
16:第2電極層
18:上面電極
20:保護絶縁膜
21:保護絶縁膜の内周縁
21a〜21d:上記内周縁の第1辺部分〜第4辺部分
22:層間絶縁膜
24:コンタクトホール
26:下面電極
30:半導体素子
42:トレンチ
44:ゲート絶縁膜
46:ゲート電極
100:半導体モジュール
A1、A2、A3、A4:第1範囲、第2範囲、第3範囲、第4範囲
12:半導体基板
12a:基板上面
12b:基板下面
14:第1電極層
16:第2電極層
18:上面電極
20:保護絶縁膜
21:保護絶縁膜の内周縁
21a〜21d:上記内周縁の第1辺部分〜第4辺部分
22:層間絶縁膜
24:コンタクトホール
26:下面電極
30:半導体素子
42:トレンチ
44:ゲート絶縁膜
46:ゲート電極
100:半導体モジュール
A1、A2、A3、A4:第1範囲、第2範囲、第3範囲、第4範囲
Claims (1)
- 半導体素子が形成された半導体基板と、
前記半導体基板の基板上面に沿って設けられているとともに、前記半導体素子と電気的に接続された第1電極層と、
前記基板上面の外周縁に沿って枠状に伸びているとともに、その内周縁が前記第1電極層上において方形状の開口を画定する保護絶縁膜と、
前記方形状の開口から露出する前記第1電極層から前記保護絶縁膜に亘って積層された第2電極層と、
前記基板上面と前記第1電極層との間に設けられた層間絶縁膜と、を備え、
前記基板上面には、前記半導体素子のゲート電極が収容されたトレンチが形成されており、
前記層間絶縁膜は、前記トレンチの開口に合わせて設けられており、前記ゲート電極を覆うとともに、前記トレンチの間に位置する前記基板上面を露出するコンタクトホールを画定しており、
前記保護絶縁膜の前記内周縁は、それぞれが直線状に伸びる第1辺部分、第2辺部分、第3辺部分及び第4辺部分を有し、それらの辺部分が一連に接続されることによって前記方形状の開口を画定しており、
前記基板上面に垂直な方向から平面視したときに、少なくとも第1範囲、第2範囲、第3範囲及び第4範囲が存在し、
1から4までの任意の整数nについて、前記第n範囲は前記第n辺部分の略全体を含む範囲であり、当該第n範囲では、前記層間絶縁膜が前記第n辺部分と平行に伸びるストライプ状に配置され、かつ、前記第n辺部分の略全体が前記コンタクトホールの直上に位置する、半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015176435A JP2017054873A (ja) | 2015-09-08 | 2015-09-08 | 半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015176435A JP2017054873A (ja) | 2015-09-08 | 2015-09-08 | 半導体装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017054873A true JP2017054873A (ja) | 2017-03-16 |
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ID=58317213
Family Applications (1)
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JP2015176435A Pending JP2017054873A (ja) | 2015-09-08 | 2015-09-08 | 半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2017054873A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2019208755A1 (ja) * | 2018-04-27 | 2020-12-10 | 三菱電機株式会社 | 半導体装置および電力変換装置 |
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2015
- 2015-09-08 JP JP2015176435A patent/JP2017054873A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2019208755A1 (ja) * | 2018-04-27 | 2020-12-10 | 三菱電機株式会社 | 半導体装置および電力変換装置 |
JP7218359B2 (ja) | 2018-04-27 | 2023-02-06 | 三菱電機株式会社 | 半導体装置および電力変換装置 |
US11915988B2 (en) | 2018-04-27 | 2024-02-27 | Mitsubishi Electric Corporation | Semiconductor device and power converter |
JP7446389B2 (ja) | 2018-04-27 | 2024-03-08 | 三菱電機株式会社 | 半導体装置および電力変換装置 |
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