JP2017053811A - 角速度センサ補正装置および角速度センサ補正方法 - Google Patents

角速度センサ補正装置および角速度センサ補正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】短期間であっても角速度の導出精度を向上させる技術を提供する。【解決手段】温度傾き算出部72は、温度センサからの温度をもとに温度の傾きを算出するとともに、当該温度の傾きをもとに平均温度を算出する。オフセット傾き算出部76は、温度の傾きと平均温度と、角速度センサの仮のオフセット値をもとに、オフセット値の傾きを算出する。補正値算出部78は、オフセット値の傾きと、温度の傾きとをもとに、角速度センサのオフセット値を算出する。【選択図】図3

Description

本発明は、角速度センサ補正技術に関し、特に角速度センサからの出力を補正する角速度センサ補正装置および角速度センサ補正方法に関する。
車両用ナビゲーション装置では、一般的に、自立航法から算出された位置と、GPS(Global Positioning System)から算出された位置とが合成されることによって、最適な位置が推定される。自立航法では、車両の速度を示す速度パルスと、角速度センサによって計測された車両の旋回角速度とをもとに、前回の測位位置を更新することによって、現在の位置が算出される。このような方式のナビゲーション装置によれば、GPS衛星からの電波の受信が困難なトンネル、地下駐車場や高層ビルの谷間であっても、自立航法によって自車位置の導出が可能である。車両の旋回による角速度ωは、次の式によって導出される。
ω=(Vout−Voffset)/S ・・・(1)
ここで、Voutは、角速度センサの出力電圧であり、Voffsetは、角速度センサのオフセット値、S(mV/deg/sec)は、角速度センサの感度係数である。
角速度を正確に求めるためには、角速度センサのオフセット値と、感度係数を正確に求める必要がある。角速度センサの感度係数は、一般的に角速度センサの個体差や角速度センサの車両への取り付け角度により異なる。また、オフセット値は温度変化によって変化する可能性がある。つまり、オフセット値は、車両用ナビゲーション装置に使用される基板等の発熱や、車両用ナビゲーション装置が車両のダッシュボード等に取り付けられた場合の車両エンジン等の発熱による温度変化の影響を受ける。従来、角速度センサのオフセット値は、角速度が「0」になる車両停止時や直進走行時の角速度センサからの出力電圧を用いて補正されていた。しかしながら、高速道路の走行や、交通量の少ない地域における長時間の走行等、車両の停止頻度が少ないケースでは、角速度センサのオフセット値を定期的に補正することが困難になり、オフセット値の精度が悪化しやすくなる。正確に角速度センサからの出力電圧が「0」になるような直進走行時のオフセット値補正についても、道路形状やドライバの運転状況に左右されやすいので、定期的に行うことが困難になる。また、角速度センサの感度係数は、単位期間内での方位変化量と、角速度センサの出力電圧とから導出される。そのため、式(1)から明らかなように、角速度センサの感度係数は、オフセット値の誤差の影響を受ける。
直進走行以外の走行中であっても角速度センサのオフセット値および感度係数を補正する技術が提案されている。そこでは、所定期間の角速度センサの出力電圧の平均値と、その平均値が算出される期間の車両の方位変化量をもとに、角速度センサのオフセット値および感度係数が補正されている。具体的に説明すると、角速度センサのオフセット値Voffsetは、次のように導出される。
Voffset=1/n・ΣVout−1/Δt・Δθ/n・S ・・・(2)
ここで、nは、角速度センサの出力電圧のサンプル数であり、Δt(sec)は、サンプリング間隔であり、Δθ(deg)は、方位変化量である。方位変化量は、GPS衛星から取得したGPS方位、あるいは地図データをもとに求められる。また、角速度センサの感度係数については、補正されたオフセット値の変化量が小さい、つまり安定した状態において、次のように導出される。
S=(1/n・ΣVout − Voffset)・n/Δθ・Δt ・・・(3)
ここで、Voffsetは、補正されたオフセット値の変化量が小さいような安定した状態において、既知であり定数とされる(例えば、特許文献1参照)。
また、屋内の走行等においてGPS衛星からの電波を受信できないような状況であっても、角速度センサのオフセット値を補正する技術が提案されている。そこでは、温度センサから計測された温度とオフセット値との関係を関数で近似することで、観測された温度近傍のオフセット値の傾きを算出している。具体的に説明すると、オフセット値の傾きをもとに、温度が変動したときのオフセット補正値ΔVoffsetを次のように導出している。
ΔVoffset=β・(Tnow − Told) ・・・(4)
ここで、β(mV/℃)はオフセットの傾き、Tnowは今回の観測温度、Toldは前回の観測温度である。前回の温度を観測したときのオフセット値にオフセット補正値を加算することで、今回のオフセット値を導出している(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−330454号公報 特開2009−192495号公報
このような状況下において、オフセット値の補正頻度を高くした場合、温度センサの分解能が十分でないと、真のオフセット値に追随するのに時間を要する可能性がある。例えば、温度センサの分解能が0.1℃であった場合、式(4)におけるTnowとToldの差分値が0.1℃以上にならなければオフセット補正値が検出できないので、車両内の温度が微小に上昇する状況等では、補正するまでに時間を要するようになる。周辺温度が緩やかに変動するような状況であっても角速度の導出精度を高めるためには、角速度センサのオフセット値を短期間で高精度に導出することが要求される。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、短期間であっても角速度の導出精度を向上させる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の角速度センサ補正装置は、GPS衛星からの信号をもとに測位された対象物の測位データと、角速度センサから出力された対象物の角速度と、温度センサから出力された対象物の温度とを取得する取得部と、取得部において取得した測位データと角速度とをもとに、角速度センサの仮のオフセット値を導出するオフセット値導出部と、オフセット値導出部において導出した角速度センサの仮のオフセット値と、取得部において取得した温度とをもとに、角速度センサのオフセット値を導出するオフセット値補正部とを備える。オフセット値補正部は、取得部において取得した温度をもとに温度の傾きを算出するとともに、当該温度の傾きをもとに平均温度を算出する温度傾き算出部と、温度傾き算出部において算出した温度の傾きと平均温度と、オフセット値導出部において導出した角速度センサの仮のオフセット値をもとに、オフセット値の傾きを算出するオフセット傾き算出部と、オフセット傾き算出部において算出したオフセット値の傾きと、温度傾き算出部において算出した温度の傾きとをもとに、角速度センサのオフセット値を算出する補正値算出部とを備える。
本発明の別の態様は、角速度センサ補正方法である。この方法は、GPS衛星からの信号をもとに測位された対象物の測位データと、角速度センサから出力された対象物の角速度と、温度センサから出力された対象物の温度とを取得するステップと、取得した測位データと角速度とをもとに、角速度センサの仮のオフセット値を導出するステップと、導出した角速度センサの仮のオフセット値と、取得した温度とをもとに、角速度センサのオフセット値を導出するステップとを備える。オフセット値を導出するステップは、取得した温度をもとに温度の傾きを算出するとともに、当該温度の傾きをもとに平均温度を算出するステップと、算出した温度の傾きと平均温度と、導出した角速度センサの仮のオフセット値をもとに、オフセット値の傾きを算出するステップと、算出したオフセット値の傾きと、算出した温度の傾きとをもとに、角速度センサのオフセット値を算出するステップとを備える。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、短期間であっても角速度の導出精度を向上できる。
本発明の実施例に係る角速度算出装置の構成を示す図である。 図1のオフセット値演算部の構成を示す図である。 図2のオフセット値温度特性補正部の構成を示す図である。 図3の温度記憶部において記憶されるテーブルのデータ構造を示す図である。 図3の温度傾き算出部における処理の概要を示す図である。 図3の温度特性記憶部において記憶されるテーブルのデータ構造を示す図である。 図3のオフセット傾き算出部における処理の概要を示す図である。 図1の角速度算出装置によるオフセット値の導出手順を示すフローチャートである。
本発明を具体的に説明する前に、まず概要を述べる。本発明の実施例は、車両等に搭載され、車両の旋回による角速度を導出する角速度算出装置に関する。角速度算出装置は、角速度センサからの出力電圧に対して、オフセット値と感度係数とを使用しながら、角速度を導出する。角速度の精度を向上させるためには、オフセット値と感度係数の精度を向上させる必要がある。オフセット値の精度は、GPS衛星からの信号での更新によって向上する。また、GPS衛星からの信号を受信できない場合であっても、温度センサにおいて測定した温度によって、オフセット値は更新される。その際、温度変化が緩やかであっても、短期間かつ高精度にオフセット値を更新することが望まれる。これに対応するために本実施例に係る角速度算出装置は、温度に対するオフセット値の傾きと、時間に対する温度の傾きとを乗算してオフセット値を導出する。また、既に導出した温度の傾きをもとに、次の温度の傾きを導出するための期間を調節する。
図1は、本発明の実施例に係る角速度算出装置100の構成を示す。角速度算出装置100は、測定部10、パラメータ演算部12、角速度変換部14を含む。また、測定部10は、GPS測位部20、有効性判定部22、温度センサ24、角速度センサ26を含み、パラメータ演算部12は、オフセット値演算部28、感度係数演算部30を含む。さらに信号として、GPS測位データ200、角速度データ202、温度データ204、オフセット値206、感度係数208が含まれる。
GPS測位部20は、図示しないGPS衛星からの信号を受信して、GPS測位データ200を算出する。GPS測位データ200には、経緯度、車両の高度であるGPS高度、移動速度であるGPS速度、車両の方位であるGPS方位、PDOP(Position Dilution Precision)、捕捉衛星数等が含まれる。ここで、PDOPは、GPS測位データ200におけるGPS衛星位置の誤差が受信点位置にどのように反映されるかの指標であり、測位誤差に相当する。なお、GPS測位データ200には、これら以外の値が含まれていてもよい。また、GPS測位データ200の算出は、公知の技術によってなされればよいので、ここでは説明を省略する。また、GPS測位部20は、GPS測位データ200をサンプリング間隔ごとに、つまり周期的に算出する。GPS測位部20は、GPS測位データ200を有効性判定部22へ逐次出力する。
有効性判定部22は、GPS測位部20からのGPS測位データ200を逐次入力する。有効性判定部22は、GPS測位データ200から、GPS測位データ200それぞれの有効性を判定する。例えば、有効性判定部22は、PDOPの値が第1のしきい値以下であり、かつGPS速度が第2のしきい値以上である場合に、それらに対応したGPS方位が有効であると判定する。また、有効性判定部22は、上記の条件が満たされない場合に、対応したGPS方位が無効であると判定する。これは、一般的にPDOPの値が大きい場合やGPS速度が小さい場合に、GPS方位の精度が低くなる傾向があるからである。さらに具体的に説明すると、PDOPの値が6以下であり、かつGPS速度が20km/h以上である場合に、有効性判定部22は、GPS方位の有効性をフラグで表す。
また、有効性判定部22は、GPS速度が第3のしきい値以上である場合に、当該GPS速度が有効であると判定する。ここで、第3のしきい値は、第2のしきい値と同じでもよい。このような処理の結果、有効性判定部22は、GPS測位データ200に含まれたGPS方位等の各値に対して、有効あるいは無効が示されたフラグを付加する(以下、フラグが付加されたGPS測位データ200もまた「GPS測位データ200」という)。有効性判定部22は、オフセット値演算部28、感度係数演算部30へGPS測位データ200を逐次出力する。
温度センサ24は、例えば、半導体温度センサ等に相当し、角速度センサ26の内部、あるいは近傍に設置される。つまり、温度センサ24は、角速度センサ26の温度またはその周囲の温度を検出する。検出された温度は、例えば、温度に比例した0V〜5Vのアナログ信号として出力される。温度センサの電圧値は、図示しないAD(Analog to Digital)変換装置によって、例えば、サンプリング間隔100msecでAD変換され、その結果のデジタル信号が出力される。当該デジタル信号は、出力電圧に相当し、以下では、温度データ204という。なお、温度センサ24として、公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。温度センサ24は、オフセット値演算部28へ温度データ204を逐次出力する。
角速度センサ26は、例えば、振動ジャイロ等のジャイロ装置に相当し、車両の進行方向の変化を車両の相対的な角度変化として検出する。つまり、角速度センサ26は、車両の旋回角速度を検出する。検出された角速度は、例えば、0V〜5Vのアナログ信号として出力される。その際、時計回りの旋回に対応した正の角速度は5V側への2.5Vからの偏差電圧として出力され、反時計回りの旋回に対応した負の角速度は0V側への2.5Vからの偏差電圧として出力される。また、2.5Vは、角速度のオフセット値、つまり零点であり、温度等の影響を受けドリフトする。
また、2.5Vからの角速度の偏差程度である感度係数(mV/deg/sec)は、水平な状態において許容誤差内に収まる所定の値として定められている。この許容誤差原因は、ジャイロ装置の個体差や経年変化、温度による影響等である。ジャイロ装置の電圧値は、図示しないAD変換装置によって、例えば、サンプリング間隔100msecでAD変換され、その結果のデジタル信号が出力される。当該デジタル信号は、前述の出力電圧に相当し、以下では、角速度データ202という。なお、ジャイロ装置として、公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。角速度センサ26は、オフセット値演算部28、感度係数演算部30、角速度変換部14へ角速度データ202を出力する。
オフセット値演算部28は、有効性判定部22からのGPS測位データ200、温度センサ24からの温度データ204、角速度センサ26からの角速度データ202を入力する。また、オフセット値演算部28は、感度係数演算部30から感度係数208も入力する。オフセット値演算部28は、GPS測位データ200、角速度データ202、温度データ204、感度係数208とをもとに、角速度センサ26のオフセット値(以下、「オフセット値206」という)を算出する。なお、オフセット値演算部28での処理の詳細は後述する。オフセット値演算部28は、感度係数演算部30、角速度変換部14へオフセット値206を出力する。
感度係数演算部30は、有効性判定部22からのGPS測位データ200、角速度センサ26からの角速度データ202を入力する。また、感度係数演算部30は、オフセット値演算部28からオフセット値206も入力する。感度係数演算部30は、GPS測位データ200、角速度データ202、オフセット値206とをもとに、角速度センサ26の感度係数(以下、前述の「感度係数208」という)を算出する。具体的に説明すると、感度係数導出部90は、GPS測位データ200においてGPS方位が有効であると示されている場合、次のように、GPS方位のサンプリング間隔における角速度センサ26の仮の感度係数を算出する。
Gsensitivity=(1/n・ΣGout−Goffset)/Δθ ・・・(5)
ここで、Goffsetは、オフセット値演算部28から入力されるが、角速度算出装置100の起動直後などのような状態において、オフセット値206が未だ算出されていないこともありえる。そのような場合、感度係数演算部30は、ジャイロ装置の仕様によって決定されるオフセット値206を初期値として使用する。また、式(5)には、Δθによる除算が含まれるので、Δθが所定値以上であるときに感度係数を算出する。Δθの値が所定値以下であるときは、感度係数導出部80は、直前に補正した感度係数を出力する。感度係数演算部30は、仮の感度係数に対してフィルタリング処理等を実行することによって、感度係数208を導出する。なお、感度係数演算部30は、仮の感度係数をそのまま感度係数208としてもよい。感度係数演算部30は、感度係数208を角速度変換部14へ出力する。
角速度変換部14は、角速度センサ26からの角速度データ202、オフセット値演算部28からのオフセット値206、感度係数演算部30からの感度係数208を入力する。角速度変換部14は、角速度データ202、オフセット値206、感度係数208をもとに、前述の式(1)を計算することによって、車両の角速度ωを算出する。角速度変換部14は、角速度ωを出力する。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
図2は、オフセット値演算部28の構成を示す。オフセット値演算部28は、状態推定部40、状態別オフセット値導出部42、オフセット温度特性補正部44を含む。また、状態推定部40は、停止推定部50、直進走行推定部52、非直進走行推定部54を含み、状態別オフセット値導出部42は、停止時オフセット値導出部56、直進走行時オフセット値導出部58、非直進走行時オフセット値導出部60を含む。さらに信号として、仮オフセット値212、走行状態情報214が含まれる。
状態推定部40は、GPS測位データ200、角速度データ202を入力する。状態推定部40は、停止推定部50、直進走行推定部52、非直進走行推定部54において、車両の走行状態を推定する。ここでは、車両の走行状態として、GPS測位データ200に含まれるGPS速度が有効であった場合、車両が停止あるいは直進している状態であるか、残りの状態、つまり非直進走行している状態であるかを推定する。また、GPS測位データ200に含まれるGPS速度が無効であった場合、走行状態推定不能とする。状態推定部40は、判定結果を走行状態情報214としてオフセット温度特性補正部44へ出力する。
停止推定部50は、図示しない有効性判定部22において有効であると判定されたGPS測位データ200を取得する。また、停止推定部50は、GPS測位データ200からGPS速度を抽出し、GPS速度が「0」であるかを確認する。一方、停止推定部50は、所定期間内における角速度データ202の分散値を計算し、分散値と第4のしきい値とを比較する。停止推定部50は、GPS速度が0であり、かつ分散値が第4のしきい値よりも小さい場合に、車両が停止状態であると判定する。前述のごとく、GPS速度が小さい場合、その精度は低くなる傾向があるが、停止推定部50は、角速度データ202の分散値を併せて使用することによって停止と判断する。ここで、所定期間は、例えば、GPS速度のサンプリング間隔である1secとされる。所定期間において、角速度データ202の分散値が小さいときは、車両の揺れ等がない安定した状態であると推定される。停止推定部50は、停止状態ではないと判定した場合、その旨を非直進走行推定部54へ出力する。
直進走行推定部52は、図示しない有効性判定部22において有効であると判定されたGPS測位データ200を取得する。また、直進走行推定部52は、GPS測位データ200からGPS方位を抽出し、GPS方位の所定期間にわたる変化(以下、「GPS方位変化」という)を導出する。さらに、直進走行推定部52は、GPS方位変化が「0」であるかを確認する。また、直進走行推定部52は、所定期間における角速度データ202の分散値を計算し、分散値と第5のしきい値とを比較する。なお、第5のしきい値は、第4のしきい値と同一であってもよい。ここで、所定期間は、例えば、GPS方位変化が連続して0であるような期間に設定される。
直進走行推定部52は、GPS方位変化が0であり、かつ分散値が第5のしきい値よりも小さい場合に、車両が直進走行状態であると判定する。所定期間において、角速度データ202の分散値が小さいときは、微妙な蛇行等の影響がない直進走行状態であると推定される。なお、ドライバの運転状況や道路形状によるが、例えば、市街地等において、直進走行状態の検出頻度は、一般的に、停止推定部50による停止状態の判定よりも少なく、その期間は数秒間程度である。直進走行推定部52は、直進走行状態ではないと判定した場合、その旨を非直進走行推定部54へ出力する。ここで、停止推定部50において停止状態と判定され、直進走行推定部52において直進走行状態であると判定された場合、停止推定部50の判定結果が優先される。
非直進走行推定部54は、停止推定部50から、停止状態ではない旨を入力し、かつ直進走行推定部52から、直進走行状態ではない旨を入力した場合、車両が非直進走行状態であると判定する。
状態別オフセット値導出部42は、GPS測位データ200、角速度データ202、感度係数208を入力する。状態別オフセット値導出部42は、状態推定部40において推定した車両の走行状態に応じて、角速度センサ26の仮オフセット値212を逐次導出する。ここで、停止推定部50において停止状態と判定された場合、停止時オフセット値導出部56が角速度データ202をもとに仮オフセット値212を逐次導出する。また、直進走行推定部52において直進走行状態と判定された場合、直進走行時オフセット値導出部58が角速度データ202をもとに仮オフセット値212を逐次導出する。
また、直進走行時オフセット値導出部58において非直進走行状態と判定された場合、非直進走行時オフセット値導出部60がGPS測位データ200、角速度データ202、感度係数208をもとに仮オフセット値212を逐次導出する。つまり、車両の走行状態に応じて停止時オフセット値導出部56から非直進走行時オフセット値導出部60は、GPS測位データ200、角速度データ202等の組合せを変更しながら、仮オフセット値212を導出する。
停止時オフセット値導出部56は、停止状態と判定された場合に、角速度データ202をもとに、角速度センサ26の仮オフセット値212を逐次導出する。具体的に説明すると、停止時オフセット値導出部56は、停止時に車両の旋回角速度が「0」になることを利用し、角速度データ202の平均値を仮オフセット値212として算出する。直進走行時オフセット値導出部58は、直進走行状態と判定された場合に、角速度データ202をもとに、角速度センサ26の仮オフセット値212を逐次導出する。具体的に説明すると、ここでも車両の旋回角速度が0であるので、直進走行時オフセット値導出部58は、角速度データ202の平均値を仮オフセット値212として算出する。
非直進走行時オフセット値導出部60は、非直進走行状態であると判定された場合に、GPS測位データ200中のGPS方位、角速度データ202、感度係数208とをもとに、例えば、GPS方位のサンプリング間隔における仮オフセット値212を逐次導出する。ここで、仮オフセット値212は、次のように導出される。
Goffset=1/n・ΣGout−Δθ・Gsensitivity ・・・(6)
ここで、nは、GPS方位のサンプリング間隔における角速度データ202のサンプル数であり、ΣGout(mV)は、GPS方位のサンプリング間隔における角速度データ202の合計値である。また、Δθ(deg)は、GPS方位変化量であり、Gsensitivity(mV/deg/sec)は、感度係数208である。なお、Goutは、式(1)のVoutに対応し、Gsensitivityは、式(1)のSに対応する。
感度係数208は、通常、図示しない感度係数演算部30から入力されるが、角速度算出装置100の起動直後などのような状態において、感度係数208が未だ算出されていないこともありえる。そのような場合、非直進走行時オフセット値導出部60は、図示しないジャイロ装置の仕様によって決定される感度係数208を初期値として使用する。また、非直進走行時オフセット値導出部60は、前回の走行終了時に感度係数演算部30からの感度係数208を記憶しておき、初期値として使用してもよい。
オフセット温度特性補正部44は、温度データ204を逐次入力する。また、状態推定部40が出力した走行状態情報214と、状態別オフセット値導出部42において逐次導出した仮オフセット値212を入力する。オフセット温度特性補正部44は、走行状態情報214が走行状態推定不能以外である場合に、状態別オフセット値導出部42において導出した仮オフセット値212をオフセット値206として出力する。オフセット温度特性補正部44は、状態推定部40において走行状態推定が不能である場合に、仮オフセット値212と、取得部において取得した温度データ204とをもとに、オフセット値206を導出する。以下では、図3を使用しながら、オフセット温度特性補正部44での処理を説明する。
図3は、オフセット温度特性補正部44の構成を示す。オフセット温度特性補正部44は、温度記憶部70、温度傾き算出部72、温度特性記憶部74、オフセット傾き算出部76、補正値算出部78を含む。温度記憶部70は、温度データ204を逐次入力し、図示しないマイクロコンピュータ等に備わっている計時機能から取得される起動後の経過時間とを関連付けて、リングバッファ等に記憶する。図4は、温度記憶部70において記憶されるテーブルのデータ構造を示し、経過時間と温度データ204との関係を示している。図示のごとく、サンプル番号欄300、時間欄302、温度欄304が含まれる。時間欄302には、温度記憶部70が温度データ204を入力した経過時間を記憶する。また、温度欄304には、入力した温度データ204を記憶する。温度記憶部70は、記憶した時間と温度データ204を温度傾き算出部72へ出力する。
温度傾き算出部72は、温度記憶部70から入力した時間と温度データ204に対し、関数近似し、温度の傾きを算出する。ここでは、時間をX軸、温度をY軸として、最小二乗法を用いて一次関数で近似する方法を説明する。最小二乗法を適用すると、温度の傾きγT(℃/sec)、切片αT(℃)は次のように算出される。
Figure 2017053811
Figure 2017053811
ここで、添え字の「n」は図4に示すサンプル番号、taは最小二乗法を適用させるサンプル数、t(sec)、T(℃)はそれぞれ図4に示す時間、温度である。また、taは次のように算出される。
ta=[Tc/|γTn−1|・fs] ・・・(9)
Tc(℃)は温度であり、例えば温度センサ24の分解能より大きな値である0.3℃等である。fs(Hz)は温度センサ24のサンプリング周波数である。角速度算出装置100の起動直後等、γTn−1が算出されていない場合や、温度の傾きγTn−1の絶対値が大きくサンプル数taが小さくなる場合は、taとして所定の値、例えば、10サンプルとする。また、温度の傾きγTn−1が0に近づくとtaが無限大に近づくため、γTn−1の絶対値が、例えば、0.03(℃/sec)以下の場合は、taを所定の値、例えば、100サンプルとする。このようにして、式(9)から、前回算出した温度の傾きγTn−1に基づいて、温度変化がTcに達するまでのサンプル数が求められる。
図5は、温度傾き算出部72における処理の概要を示す。図5に示すように、時間T2において、時間T1よりも温度の傾きが小さくなっている。式(9)により、時間T1での傾きは期間Td1内に含まれるサンプルから算出され、時間T2では、期間Td1よりも大きい期間Td2内に含まれるサンプルから算出される。ここで、期間Tdは、温度の傾きを算出する場合の期間であり、サンプル数taをサンプリング周波数fs(Hz)で除算することによって導出される。このように、温度傾き算出部72は、既に算出した温度の傾きをもとに、次に温度の傾きを算出する場合の期間を調節する。図3に戻る。
さらに、温度傾き算出部72は、時間に対する温度T(t)を次のように算出する。
T(t)=γT・t+αT ・・・(10)
温度傾き算出部72は、算出した温度T(t)と温度の傾きγTとを温度特性記憶部74へ出力する。また、温度の傾きγTを補正値算出部78へ、温度T(t)をオフセット傾き算出部76へ出力する。
温度特性記憶部74は、仮オフセット値212、走行状態情報214、温度T(t)、温度の傾きγTとを逐次入力し、オフセットの温度特性テーブルを生成し、記憶する。図6は、温度特性記憶部74において記憶されるテーブルのデータ構造を示す。図示のごとく、温度範囲欄400、有効フラグ欄402、平均温度欄404、平均オフセット値欄406が含まれる。まず、温度特性記憶部74は、平均温度欄404、平均オフセット値欄406をサンプリングする間隔を算出する。サンプリング間隔tb(sec)は、次のように計算される。
tb=Td/|γT| ・・・(11)
ここで、Td(℃)は温度範囲欄400の温度範囲である。図6に示した例では、式(10)のTdに温度範囲欄400の温度範囲0.5(℃)を設定してサンプリング間隔を算出する。サンプリング間隔tbが仮オフセット値212のサンプリング間隔より小さくならないよう、温度の傾きγTの絶対値の上限を設定する。例えば、仮オフセット値212のサンプリング間隔が1(sec)の場合、温度の傾きγTの絶対値の上限値を0.5(℃/sec)とする。また、温度の傾きγTの下限値として、例えば、仮オフセット値212のサンプリング間隔が50以上にならないよう、0.01(℃/sec)とする。
次に、温度特性記憶部74は、式(11)を用いて算出したサンプリング間隔tbにおいて、温度T(t)を統計処理するとともに、仮オフセット値212を統計処理する。詳細に説明すると、温度特性記憶部74は、サンプリング間隔tbにおいて入力した温度T(t)に対して加重平均等の処理を行うとともに、仮オフセット値212に対しも加重平均等の処理を行う。入力した走行状態情報214が複数であれば、加重平均の際の重み係数は、走行状態情報214が停止状態あるいは直進走行状態であった場合に「0.8」にされ、非直進走行状態の場合に「0.2」にされ、走行状態推定不能の場合に「0」にされ、それぞれの平均値が算出される。入力した走行状態情報214が、停止状態あるいは直進走行状態、または、非直進走行状態のいずれかであった場合は、平均化処理が実行される。
温度特性記憶部74は、温度範囲欄400から算出した温度T(t)に対応する行を探索し、有効フラグ欄402が0であれば1へ変更して、温度T(t)を平均温度欄404へ、仮オフセット値212を平均オフセット値欄406へ記憶する。有効フラグ欄402が1であった場合は、温度特性記憶部74は、算出したT(t)と、平均温度欄404に記憶されている平均温度とを平均化し、これを新たな平均温度として、平均温度欄404に記憶する。そのため、温度傾き算出部72、温度特性記憶部74は、温度の傾きをもとに平均温度を算出するといえる。また、温度特性記憶部74は、仮オフセット値212と、平均オフセット値欄406に記憶されている平均オフセット値とを平均化し、これを新たな平均オフセット値として、平均オフセット値欄406に記憶する。温度特性記憶部74は、温度特性テーブルをオフセット傾き算出部76へ出力する。
オフセット傾き算出部76は、温度傾き算出部72から温度T(t)を入力するとともに、温度特性記憶部74から温度特性テーブルを入力する。オフセット傾き算出部76は、温度T(t)におけるオフセット傾きを算出する。具体的に説明すると、オフセット傾き算出部76は、温度特性テーブルの温度範囲欄400を参照し、温度T(t)を中心とした所定範囲内、例えばT(t)±2の範囲において、有効フラグ欄402が「1」である温度範囲を特定する。また、オフセット傾き算出部76は、特定した温度範囲における平均温度と平均オフセット値を取得する。
さらに、オフセット傾き算出部76は、平均温度と平均オフセット値を関数近似してオフセット傾きを算出する。ここでは、平均温度をX軸、平均オフセット値をY軸として、最小二乗法を用いて一次関数で近似する方法を説明する。最小二乗法を適用すると、オフセット傾きγG(mV/℃)は次のように算出される。
Figure 2017053811
ここで、mは有効フラグ欄402が1である平均温度と平均オフセット値の数に相当し、オフセット傾き算出部76は、mがしきい値3以上の場合に関数近似を実行する。Ta(℃)は平均温度欄404の平均温度、Ofsは平均オフセット値欄406の平均オフセット値である。つまり、オフセット傾き算出部76は、温度傾き算出部72において算出した温度の傾きと平均温度と、オフセット値導出部において導出した仮オフセット値212をもとに、オフセット値の傾きを算出する。
図7は、オフセット傾き算出部76における処理の概要を示す。これは、オフセット傾き算出部76が算出したオフセット傾きの一例を示す。入力した平均温度T(t)がK1であったとき、K1±Kd範囲内において関数近似し、オフセット傾きを算出している。図3に戻る。オフセット傾き算出部76は、式(12)から算出したオフセット傾きγGを補正値算出部78へ出力する。
補正値算出部78は、仮オフセット値212、走行状態情報214、温度の傾きγT、オフセット傾きγGを入力し、オフセット値を算出する。ここで、補正値算出部78は、走行状態情報214が停止状態、直進走行状態、非直進走行状態である場合は、仮オフセット値212をオフセット値206として出力する。一方、補正値算出部78は、走行状態情報214が走行状態推定不能である場合、次のように、オフセット傾きγGと温度の傾きγTとをもとに、オフセット値206を算出する。
Goffset(n)=Goffset(n−1)+γG・γT・tc ・・・(13)
ここで、tc(sec)は補正値算出部78がオフセット値を算出する間隔であり、例えば、1(sec)等である。
以上の構成による角速度算出装置100の動作を説明する。図8は、角速度算出装置100によるオフセット値の導出手順を示すフローチャートである。状態推定部40は、車両の走行状態を推定する(S10)。走行状態推定不能であれば(S12のY)、オフセット温度特性補正部44は、温度傾き、オフセット傾きをもとに、オフセット値206を算出する(S14)。一方、走行状態推定不能でなければ(S12のN)、オフセット温度特性補正部44は、仮オフセット値212をオフセット値206として出力する(S16)。
本発明の実施例によれば、温度データに対して関数近似して得られた温度の傾きから温度差分値を導出し、その温度差分値に基づいてオフセット値を導出するようにしたので、オフセット値のドリフトに精度よく追随できる。さらに、温度データを関数近似する際に、過去に導出した温度の傾きに基づいて関数近似する範囲を決定するようにしたので、温度差分値を精度よく導出できる。また、温度特性テーブルを生成する際に、温度データに対して関数近似して得られた温度の傾きから温度特性データをサンプリングする間隔を導出するようにしたので、処理を簡潔にでき、温度データに対して関数近似して得られた温度から温度特性データを生成するようにしたので、温度特性を精度良く導出できる。さらに、走行状態に基づいて温度特性データの重み付けを決定するようにしたので、温度特性を精度良く導出できる。
また、オフセット値に対して関数近似してオフセット傾きを算出する際に、温度データに対して関数近似して得られた温度に基づいて関数近似する間隔を決定するようにしたので、精度よくオフセット傾きを導出でき、オフセット値の補正を精度よく行うことができる。また、角速度センサの温度の傾きに基づいて、センサ温度に関数近似を実行する期間を変更するようにしたので、温度および温度差分値を精度良く導出でき、角速度センサのオフセット補正処理精度を向上できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例において、状態推定部40は、車両の走行状態判定として、GPS測位データ200に含まれたGPS速度を使用して、停止状態を判定している。しかしながらこれに限らず例えば、状態推定部40は、図示しないパルス検出部からの車両の車速パルス信号を入力し、車速パルスをもとに停止状態を判定してもよい。ここで、パルス検出部は、図示しない速度センサに接続されており、速度センサは、ドライブシャフトの回転に対応して回転するスピードメータケーブルの中間に設置され、ドライブシャフトの回転に伴った車速パルス信号を出力する。本変形例によれば、さまざまな手段によって車両の速度を測定できる。
本発明の実施例において、有効性判定部22は、GPS測位データ200の有効性を判定するために、PDOPを使用している。しかしながらこれに限らず例えば、有効性判定部22は、GDOP(Geometric Dilution Of Precision)、HDOP(Horizontal Dilution Of Precision)等や、これらの組合せを使用してもよい。本変形例によれば、さまざまなパラメータを判定に使用できる。
10 測定部、 12 パラメータ演算部、 14 角速度変換部、 20 GPS測位部、 22 有効性判定部、 24 温度センサ、 26 角速度センサ、 28 オフセット値演算部、 30 感度係数演算部、 40 状態推定部、 42 状態別オフセット値導出部、 44 オフセット温度特性補正部、 50 停止推定部、 52 直進走行推定部、 54 非直進走行推定部、 56 停止時オフセット値導出部、 58 直進走行時オフセット値導出部、 60 非直進走行時オフセット値導出部、 70 温度記憶部、 72 温度傾き算出部、 74 温度特性記憶部、 76 オフセット傾き算出部、 78 補正値算出部、 100 角速度算出装置。

Claims (4)

  1. GPS衛星からの信号をもとに測位された対象物の測位データと、角速度センサから出力された対象物の角速度と、温度センサから出力された対象物の温度とを取得する取得部と、
    前記取得部において取得した測位データと角速度とをもとに、前記角速度センサの仮のオフセット値を導出するオフセット値導出部と、
    前記オフセット値導出部において導出した前記角速度センサの仮のオフセット値と、前記取得部において取得した温度とをもとに、前記角速度センサのオフセット値を導出するオフセット値補正部とを備え、
    前記オフセット値補正部は、
    前記取得部において取得した温度をもとに温度の傾きを算出するとともに、当該温度の傾きをもとに平均温度を算出する温度傾き算出部と、
    前記温度傾き算出部において算出した温度の傾きと平均温度と、前記オフセット値導出部において導出した前記角速度センサの仮のオフセット値をもとに、オフセット値の傾きを算出するオフセット傾き算出部と、
    前記オフセット傾き算出部において算出したオフセット値の傾きと、前記温度傾き算出部において算出した温度の傾きとをもとに、前記角速度センサのオフセット値を算出する補正値算出部とを備えることを特徴とする角速度センサ補正装置。
  2. 前記温度傾き算出部は、既に算出した温度の傾きをもとに、次に温度の傾きを算出する場合の期間を調節することを特徴とする請求項1に記載の角速度センサ補正装置。
  3. 前記取得部において取得した測位データと角速度とをもとに、対象物の状態を推定する状態推定部をさらに備え、
    前記オフセット値補正部は、前記状態推定部において状態推定が不能である場合に、前記補正値算出部において算出した前記角速度センサのオフセット値を出力し、前記状態推定部において状態推定が不能以外である場合に、前記オフセット値導出部において導出した前記角速度センサの仮のオフセット値を、前記角速度センサのオフセット値として出力することを特徴とする請求項1に記載の角速度センサ補正装置。
  4. GPS衛星からの信号をもとに測位された対象物の測位データと、角速度センサから出力された対象物の角速度と、温度センサから出力された対象物の温度とを取得するステップと、
    取得した測位データと角速度とをもとに、前記角速度センサの仮のオフセット値を導出するステップと、
    導出した前記角速度センサの仮のオフセット値と、取得した温度とをもとに、前記角速度センサのオフセット値を導出するステップとを備え、
    前記オフセット値を導出するステップは、
    取得した温度をもとに温度の傾きを算出するとともに、当該温度の傾きをもとに平均温度を算出するステップと、
    算出した温度の傾きと平均温度と、導出した前記角速度センサの仮のオフセット値をもとに、オフセット値の傾きを算出するステップと、
    算出したオフセット値の傾きと、算出した温度の傾きとをもとに、前記角速度センサのオフセット値を算出するステップとを備えることを特徴とする角速度センサ補正方法。
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