JP2603766B2 - 方位検出方法および方位検出装置 - Google Patents
方位検出方法および方位検出装置Info
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ャイロ、機械式ジャイロ、振動ジャイロ、ガスレートジ
ャイロなどの旋回角速度センサにより車両などの移動体
における方位を検出するための方位検出方法および方位
検出装置に関するものである。
の移動体において、その進行方向などの所定の方位を検
出するために、旋回角速度センサが広く適用されてい
る。この旋回角速度センサからの出力信号には適当な処
理が施され、車両等の移動に伴って生じる方位変化量Δ
θが所定のサンプリング周期毎に求められて、車両等の
現在方位データが作成される。
量Δθのサンプリング時点で求められた方位θ0 と、方
位変化量Δθとを用いて、 θ=θ0 +Δθ ・・・・ (1) として得られる。このようにして得られた現在方位θ
は、車両等の現在位置の算出などのために用いられる。
すなわち、たとえば車両において車速センサの出力など
から求めた所定時間毎の走行距離ΔLと、上記の現在方
位θとによって、車両の移動量の東西方向成分Δx(=
ΔL× cosθ)と南北方向成分Δy(=ΔL× sinθ)
とが求められる。この車両の移動量の各成分を、従前の
車両位置データ(Px′,Py′)の各成分に加算する
ことによって、現在の車両位置データ(Px,Py)が
得られる。このような移動体の位置検出技術は、推測航
法などと呼ばれている。
や直線走行中のように、センサ出力が零であるべきとき
でも、温度や湿度の影響のために幾らかのオフセット出
力が発生するという傾向がある。このオフセット出力
は、車両の振動などにより生じる一般のノイズ成分とは
異なって充分に長い時間の検出によっても除去すること
はできず、時間とともに累積されるという性質を有して
いる。このオフセット出力が累積されたときには、検出
された現在方位θには大きな誤差が含まれることになっ
て、車両の現在位置の検出が不正確になる。
出力をセンサ出力から差し引いて現在方位θを検出する
ことが従来から提案されている。たとえば特公昭58−
39360号公報には、車両が信号などで停止している
期間の旋回角速度センサの出力がオフセットそのもので
あることを利用した技術が開示されている。すなわち、
車両が停止している期間中の旋回角速度センサの出力か
らオフセットを検出し、この検出されたオフセットを走
行中の旋回角速度センサ出力から差し引くことによりオ
フセット補正を実現している。また、たとえば特開昭6
3−182519号公報には、直線走行中の旋回角速度
センサの出力を利用して、同様なオフセット補正を行う
技術が開示されている。この開示技術では、車両が走行
中の道路が直線道路であることを道路地図データから識
別して、この直線道路走行中の旋回角速度センサ出力に
基づいて、オフセットの検出が行われている。
速度センサのオフセットは、車両が停止しているか移動
しているかにかかわらず、温度や湿度の変動によってド
リフトするという性質を有している。このため、停止中
や直線道路走行中に求めた一定のオフセット値により、
走行中の旋回角速度センサ出力の補正を行っても、上記
のドリフトのためにオフセット補正後の値には誤差が含
まれることになる。
頻繁に走行する場合には、ドリフトが小さいうちに補正
に用いるオフセット値を更新できるから、上記の問題は
比較的少ないが、たとえば高速道路を走行する場合のよ
うに、車両が発進してから停止するまでの時間が長い場
合などには、ドリフトが大きくなってしまい、方位検出
の精度が極めて劣化し、ひいては車両の現在位置の検出
が不正確になってしまう。
題を解決し、旋回角速度センサのオフセット補正を良好
に行って、正確な方位検出を可能にした方位検出方法お
よび方位検出装置を提供することである。
の方位検出方法が適用される方位検出装置の原理的な構
成を示すブロック図である。この方位検出装置は、車両
その他の移動体に搭載されて当該移動体の方位を検出す
るものであり、移動体の旋回角速度を検出する旋回角速
度センサ21と、この旋回角速度センサ21の出力に含
まれているオフセットを補正する補正手段22とを備え
ており、この補正手段22の出力に基づいて移動体の方
位の検出が行われる。
オフセットは、温度や湿度その他の影響により時間的に
変動する。このため、補正手段22における補正量であ
るオフセット値は、オフセット更新手段23により更新
される。オフセット値の更新のために、所定の人工衛星
24からの電波を受信して移動体の方位を検出する方位
検出手段25が備えられている。この方位検出手段25
は、たとえば移動体の移動に伴うドップラー効果によっ
て人工衛星24からの受信電波の周波数が変動すること
を利用して方位の検出を行うものであってもよく、それ
以外の方法で方位の検出を行うものであってもよい。
は、精度判定手段26により、所定の精度以上であるか
どうか判定される。この精度判定手段26は、たとえば
人工衛星24からの電波の受信状況と、移動体の速さを
検出する速度センサ27の出力が所定値以上であるかど
うかとに基づいて、上記の判定を行う。すなわち、ドッ
プラー効果を利用した方位検出が行われるときには、受
信周波数の変化は移動体の移動速度が速いほど顕著に現
れ、誤差の影響を排除して、高精度で方位の検出を行え
る。
手段28に与えられ、移動体が移動中か停止しているか
が判定される。この判定結果は、オフセット更新手段2
3に与えられるほか、移動体が連続して移動している時
間を計測する移動時間計測手段29にも与えられる。精
度判定手段26において方位検出手段25における方位
検出精度が所定の精度以上であると判定されると、この
時の検出方位が第1の検出方位として第1の記憶手段3
1に記憶される。この第1の記憶手段31に第1の検出
方位が記憶された後、移動時間計測手段29で所定時間
が計測されたとき、すなわち、移動体が所定時間にわた
って連続して移動した場合には、それ以後に精度判定手
段26が方位検出手段25の方位検出精度が所定値以上
であると判定したタイミングで、方位検出手段31の出
力が、第2の検出方位として第2の記憶手段32に記憶
される。なお、第1の記憶手段31と第2の記憶手段3
2とは、別個のメモリ素子で構成されてもよく、また同
一のメモリ素子の異なる記憶領域を用いて構成されても
よい。
にそれぞれ記憶された第1の検出方位および第2の検出
方位は第1の方位変化量検出手段41に与えられる。こ
の第1の方位変化量検出手段は41は、たとえば第1の
検出方位と第2の検出方位との差から、第1の方位変化
量を求める。一方、補正手段22の出力は、第2の方位
変化量検出手段42に与えられている。この第2の方位
変化量検出手段42は、補正手段22の出力を累積する
ことにより、第1の方位変化量に対応した第2の方位変
化量を検出するものである。すなわち、第2の方位変化
量検出手段42は、第1の記憶手段31が第1の検出方
位を記憶したタイミングで補正手段22の出力を累積し
始め、第2の記憶手段32が第2の検出方位を記憶する
タイミングで累積を停止して、そのときの累積値を第2
の方位変化量としてオフセット更新手段23に与える。
補正手段22の出力はオフセット補正後の旋回角速度セ
ンサ21の出力であるから、その累積値は方位変化量と
なる。
化量検出手段41と第2の方位変化量検出手段42とか
らそれぞれ与えられる第1および第2の方位変化量に基
づいて新たなオフセット値を算出する。第1の方位変化
量は、移動時間計測手段29で計測される所定時間以上
の時間間隔で検出される高精度の検出方位に基づいて求
められているから、この第1の方位変化量は真の値に極
めて近い値となる。一方、第2の方位変化変化量はオフ
セット補正後の旋回角速度センサ21の出力を累積した
ものであるから、走行中に生じたオフセットのドリフト
量が累積されている。したがって、たとえば第2の方位
変化量から第1の方位変化量を減じることによりオフセ
ットドリフト量の累積値が求まることになる。この累積
値から、オフセットドリフト量が判れば、これに基づい
て新たなオフセット値を求めることができる。この新た
なオフセット値はライン35から補正手段22に与えら
れる。オフセット値の更新の後には、ライン37からの
信号により第1の記憶手段31および第2の記憶手段3
2の各記憶内容がクリアされる。
は、オフセット補正前の旋回角速度センサ21のそのま
まの出力が累積されてもよい。この場合には、検出され
る第2の方位変化量は、真の方位変化量に、オフセット
ドリフト量を含むオフセットが累積されたものとなる。
したがって、たとえば第1の方位変化量を第2の方位変
化量から減じることよって、オフセットドリフト量を含
むオフセットの累積値が求まるから、これに基づいて新
たなオフセット値を求めることができる。
は、移動時間計測手段29で計測される所定時間以上の
時間にわたって累積されたものであるから、たとえば移
動体の振動などのようなオフセットドリフト量以外のノ
イズ成分は、長時間の累積により相殺される。これによ
り、オフセット値が正確に求まることになる。なお、移
動/停止判定手段28において移動体が停止していると
判定されたときには、オフセット更新手段23におい
て、ライン36から与えられる補正手段22の出力に基
づいてオフセット値の更新を行うようにしてもよい。す
なわち、移動体が停止しているときの補正手段22の出
力は、オフセットドリフト量そのものであるから、これ
に基づき新たなオフセット値を求めることができる。こ
のように移動体が停止したときには、補正手段22の出
力に基づいてオフセット値の更新を行うのは、人工衛星
24からの電波を利用してオフセット値を求めるより
も、直接的かつ正確にオフセット値が求まるからであ
る。このような停止中におけるオフセット値の更新は、
オフセット補正前の旋回角速度センサ21の直接の出力
に基づいて行うこともできる。すなわち、停止中におけ
る旋回角速度センサ21の出力は、オフセットそのもの
であるから、これに基づいて新たなオフセット値を得る
ことができる。
明する。図2は本発明の一実施例の車両方位検出方法を
実施するためのナビゲーション装置の基本的な構成を示
すブロック図である。このナビゲーション装置は移動体
である車両に搭載されて用いられ、車両の旋回角速度を
検出する旋回角速度センサであるジャイロ1と、車輪の
回転速度などの検出により車両の速さを検出する車速セ
ンサ2とを有し、これらの出力が与えられる位置検出部
3では、いわゆる推測航法などによって車両の現在位置
が推定される。この位置検出部3には、ジャイロ1の出
力中に含まれるオフセット値を記憶するオフセットメモ
リ11が接続されており、現在位置の推定には、ジャイ
ロ1の出力からオフセット値を差し引いて補正した値が
用いられる。位置検出部3は、CPUなど(図示せず)
から構成されており、ワークエリアとして機能するメモ
リ15や、車両の連続走行時間を計測するための連続走
行カウンタ16とを内部に有している。ジャイロ1に
は、光ファイバジャイロ、機械式ジャイロ、振動ジャイ
ロおよびガスレートジャイロなどの各種のものを用いる
ことができる。
推定位置データは、CPU(中央処理装置)などで構成
された制御部4に与えられる。制御部4は、CD−RO
Mなどで構成された道路地図メモリ5から上記推定位置
データに対応する地域の道路地図をメモリドライブ6を
介して読み出し、この道路地図とともに上記推定位置を
CRTなどの表示部7に表示する。この表示部7に関連
してキー入力部などを備えたコンソール8が設けられて
おり、各種の指示入力操作を行うことができる。
もに、車両の進行方位(以下「車両の方位」という)を
表す方位データも、制御部4に与えられ、表示部7では
車両の方位も同時に表示される。位置検出部3には、方
位検出手段であるGPS(Grobal Positioning Syste
m)受信機9が接続されている。このGPS受信機9
は、地球の周りの所定軌道を周回して時間情報などを放
射するGPS衛星10a〜10dからの電波の伝搬遅延
時間を測定して車両の現在位置を検出し、この検出され
た位置データを位置検出部3に与える。また、このGP
S受信機9は、車両の方位を示す方位情報をも位置検出
部3に与えるものである。すなわち、車両が移動する
と、ドップラー効果のためにGPS衛星10a〜10d
からの電波の受信周波数が車速に応じて変動する。した
がって、各衛星10a〜10dからの受信電波の周波数
を監視すれば、車両の方位が検出され、この検出された
方位が位置検出部3に与えられる。ドップラー効果によ
る受信周波数の変化は、車速が速いほど顕著に現れるか
ら、車速が速いほど方位検出精度は高くなる。
衛星10a〜10dのうち3個の衛星からの電波が受信
できれば、高度を除くいわゆる2次元測位が可能であ
り、4個の衛星からの電波が受信できれば高度を含めた
3次元測位が可能である。GPS受信機9は、2次元測
位が行われているか、それとも3次元測位が行われてい
るか、またはいずれの測位も不可能な状態であるのかを
示す情報を位置検出部3に与えている。いずれの測位も
不可能な状態とは、ビルの影などを車両が走行中の場合
のように、2個以下のGPS衛星からの電波のみが受信
されるに過ぎないか、いずれの衛星からの電波も受信で
きない場合である。
推測航法と、この推測航法により得た推定位置とメモリ
ドライブ6を介して道路地図メモリ5から読み出された
道路地図とのマッチングをとる地図マッチング法とを併
用して行われる。この地図マッチング法は、車両の現在
位置は必ず道路上の一点であることを利用して、推定位
置を道路地図上の位置に補正する技術である。
位の検出について詳述する。車両の方位の検出は、上述
のように専らジャイロ1の出力に基づいて行われる。ジ
ャイロ1の出力には、車両の旋回角速度が零のときの出
力であるオフセットが含まれている。このオフセット値
はオフセットメモリ11に記憶されており、位置検出部
3は、ジャイロ3の出力からオフセット11に記憶され
たオフセットを差し引くことによりオフセット補正を行
い、このオフセット補正の結果得られた値を累積するこ
とによって、車両の方位変化量を検出する。したがっ
て、初期方位をコンソール8などから与えたり、GPS
受信機9から与えられる方位情報を初期値として使用し
たりすることにより、車両の方位が検出されることにな
る。
よりドリフトするという性質を有しているため、オフセ
ットメモリ11に記憶された一定のオフセット値を常時
使用することとすると、上記ドリフトによる誤差が累積
されて検出方位に大きな誤差を生じさせてしまう。この
ため、ドリフト量を補正した正しいオフセット値を適宜
検出して、この新しいオフセット値によりオフセット補
正を行うことが必要である。このようなオフセット値の
更新は、できる限り短い時間間隔で行われることが好ま
しく、長時間にわたって一定のオフセット値を用いる
と、検出方位に大きな誤差を生じさせることになりかね
ない。
停止中の真の旋回角速度は零であるから、この停止中の
ジャイロ1の出力を従前のオフセット値OF(N-1) で補
正した値は、オフセットドリフト量ΔOFそのものとな
る。このため、位置検出部3は車両が停止するたび毎に
オフセット補正されたジャイロ1の出力に基づいて、オ
フセットドリフト量ΔOFを検出し、このオフセットド
リフト量ΔOFを補正した新たなオフセット値OF(N)
を求め、オフセットメモリ11の記憶値を新たなオフセ
ット値OF(N) に更新する。
は、車両の連続走行時間が長くなるから、車両の走行中
でもオフセット値を新たな値に更新することが必要とな
る。図3は、連続走行時間が長くなった場合におけるオ
フセット値の更新のための処理を説明するためのフロー
チャートである。位置検出部3は内部にCPUなどを含
むものであり、オフセット値の補正はソフトウェア処理
により実現される。ステップs1では、車速センサ2の
出力に基づき、車両が走行中であるかどうかが判断さ
れ、車両が停止した場合にはリターンして上記の車両が
停止したときのオフセット値の更新処理が行われる。
いて、GPS受信機9からの測位精度を示す情報と、車
速センサ2で検出される車速とに基づいて、GPS受信
機9からの方位情報の精度が所定の精度以上であるかど
うかが判断される。この所定の精度とは、GPS受信機
9で3次元測位が行われており、かつ、車速が所定値V
以上であることを意味する。車速が所定値V以上である
ことを条件としているのは、上記のように方位の検出が
ドップラー効果を利用しているからである。したがっ
て、方位情報の精度が所定の精度に満たない場合とは、
たとえば、ビル街などを走行している場合のように、G
PS衛星10a〜10dからの電波の受信状況が悪く、
2次元測位のみが可能な場合や、測位が不可能な場合な
どである。また、車速センサ2で検出される車速が所定
値Vに満たない場合にも精度が悪いものと判断される。
高速道路走行中におけるオフセット補正を主眼に考える
とすれば、上記所定値Vは、たとえば60〜80(km/
h)程度に選ばれてもよい。たとえば、車速が50(km/
h)であれば方位検出誤差は6度程度であり、車速が1
00(km/h)であれば方位検出誤差は1度程度である。
以上でないと判断されたときには、リターンして、ステ
ップs1からの処理が繰り返される。ステップs2で方
位検出精度が所定の精度以上であると判断されると、ス
テップs3において、GPS受信機9からの方位情報
が、第1の検出方位d1として、位置検出部3の内部の
メモリ15の所定の記憶領域に記憶される。
るかどうかが判断され、走行中でなければステップs1
3に進み、走行中であるときには、ステップs5に進ん
で、連続走行時間を測定するための連続走行カウンタ1
6の計数値Cがインクリメントされる。そして、ステッ
プs6ではジャイロ1の出力が累積される。この累積さ
れるジャイロ1の出力は、オフセットメモリ11に記憶
されたオフセット値に基づくオフセット補正がされた後
のものである。
の計数値Cが、所定時間T(たとえば300秒)に対応
した所定値M以上であるかどうかが判断される。連続走
行カウンタ16の計数値Cが所定値M未満であればステ
ップs4に戻り、計数値Cが所定値M以上のときにはス
テップs8に進む。ステップs8では、ステップs2の
場合と同様にして、GPS受信機9からの方位情報の精
度が所定の精度以上であるかどうかが判断され、所定の
精度に満たない場合には、ステップs4に戻る。
位情報の精度が所定の精度以上であると判断されると、
ステップs9において、このときのGPS受信機9から
の方位情報が第2の検出方位d2としてメモリ15の所
定の記憶領域に記憶される。また、第2の検出方位d2
の記憶に伴って、ジャイロ1の出力(オフセット補正後
の値)の累積が停止される。
9で記憶した第2の検出方位d1から、ステップs3で
記憶した第1の検出方位d2を減じることによって、上
記所定時間T以上の時間間隔で検出された方位の差が求
められる。この値は、上記所定時間T以上の時間間隔に
おける車両の方位変化量ΔD1となる。この方位変化量
ΔD1が第1の方位変化量に対応する。この第1の方位
変化量ΔD1は、GPS受信機9からの方位情報の精度
が高いときの検出方位に基づいているから、精度の高い
値となっている。
ジャイロ1のオフセット補正後の出力の積算値は第2の
方位変化量ΔD2となる。この第2の方位変化量ΔD2
には、湿度や温度の変化などに起因するオフセットのド
リフト量ΔOFの積算値Σが含まれている。一方、上記
所定時間T以上の時間にわたってジャイロ1のオフセッ
ト補正後の出力を累積していることにより、車両の走行
中の振動などに起因するノイズ成分はほぼ相殺されてい
る。したがって、ジャイロ1の出力のオフセット補正後
の値を累積して得た第2の方位変化量ΔD2とGPS受
信機9からの方位情報により得た第1の方位変化量ΔD
1との差は、上記所定時間T以上の時間間隔におけるド
リフト量ΔOFの積算値Σに対応する。
時間間隔で行われることが好ましく、そのためには所定
時間Tをできるだけ短くする必要がある。しかし、走行
中の振動によるノイズなどの除去を考えた場合には、所
定時間Tは、上記のように300秒程度に選ぶのが適当
である。ステップs11では、上記2つの方位変化量Δ
D1,ΔD2からドリフト量ΔOFの積算値Σが求めら
れ、さらにこの積算値Σに基づいてドリフト量ΔOFが
演算される。このドリフト量ΔOFの演算は、図4に示
すように、前回のオフセット値の補正時(時刻t1)に
おけるオフセットドリフト量ΔOFが零であるとし、こ
の時点からオフセットドリフト量ΔOFが時間の経過に
比例して単調に増加したものと仮定して行われる。すな
わち、積算値Σは、図4において斜線を付した領域の面
積に対応するから、オフセットドリフト量ΔOFは、下
記第(2) 式に基づいて算出される。
ものとし、時刻t1は、ステップs3において最初にG
PS受信機9からの方位情報が記憶された時刻であり、
時刻t2は、ステップs9において2番目に方位情報が
記憶された時刻である。時間間隔ΔTは、連続走行カウ
ンタ16において車両が所定時間Tにわたって連続走行
状態であることが検出された後、さらに方位検出精度が
所定の精度以上であると判定される時点までの時間とな
るから、所定時間T以上の時間となる。
フト量ΔOFは下記第(3) 式により得られることにな
る。
1から前回のオフセット値OF(N-1) が読み出され、こ
のオフセット値OF(N-1)に基づいて、新たなオフセッ
ト値OF(N) が算出される。この新たなオフセット値O
F(N) がオフセットメモリ11に記憶されることにな
る。新たなオフセット値OF(N) は、単純に、 OF(N) =OF(N-1) +ΔOF ・・・・ (4) として算出してもよいが、本実施例では、下記第(5) 式
に従って新たなオフセット値OF(N) の算出が行われ
る。
を更新することによって、より確実性の高いオフセット
値の更新が実現できる。すなわち、上記のようにオフセ
ット値の更新は、オフセットドリフト量ΔOFが図4に
示すように直線的に変化すると仮定して行われている
が、実際のオフセットドリフト量ΔOFの時間変化は複
雑であり、たとえば図5に示すような変化を示す場合も
ある。このため、真のオフセットドリフト量ΔOFと、
上記の第(2) 式および第(3) 式に従って得られるオフセ
ットドリフト量ΔOFとの間には大きな差が生じる場合
がある。このような真の値から大きくはずれた計算値を
そのまま用いてオフセット値OFを更新すると、オフセ
ット値の更新のたび毎にオフセット値OFを大き過ぎる
値に更新したり、また逆に小さ過ぎる値に更新したりす
る動作を繰り返すこととなる。このような状態から、も
しも地図とのマッチングがとれなくなったときには、車
両が停車するまで誤ったオフセット値OFによりオフセ
ット補正が行われることとなり、連続走行中に何ら処理
をしないよりも現在位置の検出に大きな誤差を生じさせ
てしまうおそれがある。
ΔOFを用いて更新したオフセット値OFには大きな誤
差が含まれることになるから、このような大きな誤差を
含むオフセット値OF(N) をもとに更新される次回のオ
フセット値OF(N+1) が正しい値に更新される保証はな
い。このため、上記のようにフィルタをかけた方がより
確実性の高いオフセット値の更新が実現できるのであ
る。
の結果、Kの値は、0.4〜0.6程度が適当であると
考えられる。Kの値を0.1〜0.3とすると、オフセ
ットの更新量が小さくなるため、走行中におけるキャリ
ブレーションの効果が小さくなる。また、Kの値を0.
7以上とすると、オフセット値が大きくなり過ぎたり小
さくなり過ぎたりして、却って方位検出誤差が大きくな
る。
が行われた後は、ステップs13において、連続走行カ
ウンタ16の計数値Cがクリアされ、さらにジャイロ1
のオフセット補正後の出力の積算値がクリアされる。同
時に、メモリ15に記憶した上記第1および第2の検出
方位d1,d2がクリアされる。以上のように本実施例
によれば、車両が所定時間T以上にわたって連続走行し
ている場合には、GPS受信機9からの精度の高い方位
情報を用いて所定時間T以上の時間間隔における方位変
化量ΔD1を検出し、その一方でジャイロ1のオフセッ
ト補正後の出力を積算して方位変化量ΔD2を検出して
いる。そして、2つの方位変化量ΔD1,ΔD2に基づ
いてオフセットドリフト量ΔOFが求められ、このオフ
セットドリフト量ΔOFを用いてオフセット値OFが更
新される。このようにして、車両が長時間連続走行する
場合であっても、走行中にオフセット値の更新を行わせ
ることができるようになり、たとえば高速道路走行中の
場合でもジャイロ1の出力に基づいて検出された車両の
方位に大きな誤差を生じさせることを防ぐことができ
る。これにより、車両の位置検出精度の向上にも寄与す
ることができ、車両の現在位置や車両の進行方向を正確
に表示器7に表示させることができるようになる。ま
た、前述の特開昭63−182519号公報に開示され
た先行技術のように直線道路を走行していなくても、オ
フセット値の更新を行える。
止時のジャイロ1の出力に基づいてオフセット値OFが
更新される。これは、GPS受信機9からの方位情報を
用いてオフセット値を求めるよりも、直接的かつ正確に
オフセットを求めることができるからである。次に、本
発明の他の実施例について説明する。上記の第1の実施
例では、ジャイロ1の出力をオフセット補正し、このオ
フセット補正後の値を積算して得た第2の方位変化量Δ
D2を、GPS受信機9からの方位情報に基づいて得た
第1の方位変化量ΔD1と比較してオフセットドリフト
量ΔOFを算出している。これに対して、本実施例で
は、オフセット補正前のジャイロ1の出力が積算され
る。このオフセット補正前のジャイロ1の出力の積算値
と、GPS受信機9からの方位情報により算出した方位
変化量ΔD1との差は、オフセットドリフト量ΔOFを
含んだオフセットの積算値となる。したがって、たとえ
ば図6に示すようにオフセットが時間の経過に伴って直
線的にドリフトしたと仮定すると、オフセットの積算値
Sは、図6において斜線を付した領域の面積に対応す
る。したがって、
は、上記積算値Sと、オフセットメモリ11に記憶され
ている前回のオフセット値OF(N-1) とから、下記第
(7) 式により得られることになる。
場合と同様に、連続走行時間が所定時間T以上となった
ときには、車両の走行中であってもオフセット値を正し
い値に更新して、車両の方位を正確に検出することがで
きる。なお、本発明は上記の実施例に限定されるもので
はない。たとえば、上記の実施例では、車両の方位を検
出するナビゲーション装置に適用された例を説明した
が、本発明は船舶や航空機などの他の移動体における方
位の検出のために広く用いることができるものである。
その他本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更を施
すことが可能である。
び方位検出装置によれば、移動体が長時間にわたって連
続して移動し続ける場合であっても、旋回角速度センサ
の出力に含まれるオフセットの変動を適宜検出して、従
前のオフセット値を正しいオフセット値に更新すること
ができる。これにより、旋回角速度センサのオフセット
補正を良好に行って方位検出精度を格段に向上すること
ができる。
置の原理的な構成を示すブロック図である。
ナビゲーション装置の基本的な構成を示すブロック図で
ある。
めのフローチャートである。
めの図である。
図である。
ある。
位変化量検出手段、第2の方位変化量検出手段、オフセ
ット更新手段) 4 制御部 5 道路地図メモリ 9 GPS受信機(方位検出手段) 10a,10b,10c,10d GPS衛星 11 オフセットメモリ 15 メモリ(第1の記憶手段、第2の記憶手段) 16 連続走行カウンタ
Claims (5)
- 【請求項1】移動体の旋回角速度を検出する旋回角速度
センサの出力に含まれているオフセットを補正し、この
オフセット補正後の旋回角速度センサの出力に基づいて
移動体の方位を検出する方位検出方法において、所定の
人工衛星からの電波に基づいて移動体の方位を検出し、
この方位検出精度が所定の精度以上であるときの上記人
工衛星からの電波に基づく検出方位を第1の検出方位と
し、この第1の検出方位を検出した後、移動体が所定時
間にわたって連続して移動しているかどうかを判定し、
移動体が上記所定時間にわたって連続して移動している
と判定した以後であって、上記人工衛星からの電波に基
づく方位検出精度が所定の精度以上である時の上記人工
衛星からの電波に基づく検出方位を第2の検出方位と
し、上記第1の検出方位と第2の検出方位とから第1の
方位変化量を検出し、この第1の方位変化量に対応する
期間における上記オフセット補正後またはオフセット補
正前の旋回角速度センサの出力の累積値を第2の方位変
化量として検出し、上記第1の方位変化量および第2の
方位変化量に基づいてオフセット補正のためのオフセッ
ト値を更新することを特徴とする方位検出方法。 - 【請求項2】移動体が停止したときには、停止中におけ
る上記オフセット補正前またはオフセット補正後の上記
旋回角速度センサの出力に基づいてオフセット値を更新
することを特徴とする請求項1記載の方位検出方法。 - 【請求項3】移動体の旋回角速度を検出する旋回角速度
センサと、この旋回角速度センサの出力に含まれている
オフセットを補正する補正手段とを有し、この補正手段
の出力に基づいて移動体の方位を検出する方位検出装置
において、所定の人工衛星からの電波に基づいて移動体
の方位を検出する方位検出手段と、この方位検出手段に
おける方位検出精度が所定の精度以上であるかどうかを
判定する精度判定手段と、方位検出精度が所定の精度以
上であるときの上記方位検出手段の検出方位を第1の検
出方位として記憶する第1の記憶手段と、この第1の検
出方位が検出された後、移動体が所定時間以上連続して
移動しているかどうかを判定する手段と、上記第1の検
出方位の検出後上記所定時間にわたって移動体が連続し
て移動していると判定された以後であって方位検出精度
が所定精度以上である時の上記方位検出手段の検出方位
を第2の検出方位として記憶する第2の記憶手段と、上
記第1の検出方位と第2の検出方位とから第1の方位変
化量を検出する第1の方位変化量検出手段と、この第1
の方位変化量検出手段で検出された第1の方位変化量に
対応する期間における上記補正手段または旋回角速度セ
ンサの出力の累積値を第2の方位変化量として検出する
第2の方位変化量検出手段と、上記第1の方位変化量と
第2の方位変化量とに基づいて上記補正手段におけるオ
フセット値を更新するオフセット更新手段とを含むこと
を特徴とする方位検出装置。 - 【請求項4】上記方位検出手段は、移動体の移動に伴う
ドップラー効果により生じる受信電波の周波数の変化に
基づいて移動体の方位を検出するものであり、上記精度
判定手段は、人工衛星からの電波の受信状況と、移動体
の速さが所定値以上かどうかとに基づいて方位検出精度
の良否を判定するものであることを特徴とする請求項3
記載の方位検出装置。 - 【請求項5】移動体が停止したときに、停止中における
上記オフセット補正前の旋回角速度センサの出力または
上記補正手段の出力に基づいてオフセット値を更新する
手段をさらに含むことを特徴とする請求項3記載の方位
検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11872191A JP2603766B2 (ja) | 1991-05-23 | 1991-05-23 | 方位検出方法および方位検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11872191A JP2603766B2 (ja) | 1991-05-23 | 1991-05-23 | 方位検出方法および方位検出装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04346023A JPH04346023A (ja) | 1992-12-01 |
JP2603766B2 true JP2603766B2 (ja) | 1997-04-23 |
Family
ID=14743442
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11872191A Expired - Lifetime JP2603766B2 (ja) | 1991-05-23 | 1991-05-23 | 方位検出方法および方位検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2603766B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3423418B2 (ja) * | 1994-06-30 | 2003-07-07 | 松下電器産業株式会社 | 移動体旋回角度算出装置 |
JP2012073091A (ja) * | 2010-09-28 | 2012-04-12 | Nomura Research Institute Ltd | 地図表示装置が地図データを処理するためのコンピュータプログラム、地図表示装置及び方法 |
-
1991
- 1991-05-23 JP JP11872191A patent/JP2603766B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04346023A (ja) | 1992-12-01 |
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