JP7239349B2 - オフセット算出装置、オフセット補正装置及びオフセット算出方法 - Google Patents

オフセット算出装置、オフセット補正装置及びオフセット算出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7239349B2
JP7239349B2 JP2019036875A JP2019036875A JP7239349B2 JP 7239349 B2 JP7239349 B2 JP 7239349B2 JP 2019036875 A JP2019036875 A JP 2019036875A JP 2019036875 A JP2019036875 A JP 2019036875A JP 7239349 B2 JP7239349 B2 JP 7239349B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensor data
rotation
offset
determination
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019036875A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020139883A (ja
Inventor
孝之 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lapis Semiconductor Co Ltd
Original Assignee
Lapis Semiconductor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lapis Semiconductor Co Ltd filed Critical Lapis Semiconductor Co Ltd
Priority to JP2019036875A priority Critical patent/JP7239349B2/ja
Priority to US16/743,437 priority patent/US11378400B2/en
Priority to CN202010047238.5A priority patent/CN111623798B/zh
Publication of JP2020139883A publication Critical patent/JP2020139883A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7239349B2 publication Critical patent/JP7239349B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01CMEASURING DISTANCES, LEVELS OR BEARINGS; SURVEYING; NAVIGATION; GYROSCOPIC INSTRUMENTS; PHOTOGRAMMETRY OR VIDEOGRAMMETRY
    • G01C25/00Manufacturing, calibrating, cleaning, or repairing instruments or devices referred to in the other groups of this subclass
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01CMEASURING DISTANCES, LEVELS OR BEARINGS; SURVEYING; NAVIGATION; GYROSCOPIC INSTRUMENTS; PHOTOGRAMMETRY OR VIDEOGRAMMETRY
    • G01C25/00Manufacturing, calibrating, cleaning, or repairing instruments or devices referred to in the other groups of this subclass
    • G01C25/005Manufacturing, calibrating, cleaning, or repairing instruments or devices referred to in the other groups of this subclass initial alignment, calibration or starting-up of inertial devices
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01CMEASURING DISTANCES, LEVELS OR BEARINGS; SURVEYING; NAVIGATION; GYROSCOPIC INSTRUMENTS; PHOTOGRAMMETRY OR VIDEOGRAMMETRY
    • G01C19/00Gyroscopes; Turn-sensitive devices using vibrating masses; Turn-sensitive devices without moving masses; Measuring angular rate using gyroscopic effects
    • G01C19/56Turn-sensitive devices using vibrating masses, e.g. vibratory angular rate sensors based on Coriolis forces
    • G01C19/5776Signal processing not specific to any of the devices covered by groups G01C19/5607 - G01C19/5719

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Radar, Positioning & Navigation (AREA)
  • Remote Sensing (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Gyroscopes (AREA)

Description

本発明は、オフセット算出装置、オフセット補正装置及びオフセット算出方法に関する。
従来、ジャイロセンサにより検出した角速度に関するセンサデータに応じて回転状態を判定する場合に、精度よく回転状態を判定するため、センサデータに含まれるオフセットを除去する種々の方法が提案されている。例えば、無回転状態におけるセンサデータの平均値を求めてオフセット値とし、センサデータの出力をオフセット値を用いて補正する方法がある。
例えば、特許文献1に記載のオフセットドリフト補正装置は、ジャイロセンサを装備した移動体において、ジャイロセンサから出力される角速度の大きさに対する閾値を用いて移動体が回転状態か否かを判定する。また、ジャイロセンサの出力と適応フィルタの出力(推定オフセットレベル)との差(誤差値)を平均化し、無回転状態であると判断した場合にのみ、平均化した誤差値を用いて推定オフセットレベルを更新する。
特開平7-324941号公報
ところで、ジャイロセンサが搭載された装置においては、無回転状態であっても、歩行時や走行時等の移動状態にある場合には、一方向に振動が生じる場合がある。
図1には、無回転状態で移動状態にある場合にジャイロセンサから出力されるセンサデータの一例が示されている。(a1)及び(b1)はセンサデータである角速度の時間推移であり、(a2)及び(b2)は角速度の積分値である角度の時間推移である。(a1)に示すように、センサデータの振動に偏りがない場合は、(a2)に示すように角度の推移は一定となる。一方、移動状態によっては、(b1)に示すように、センサデータの振動の中心が偏る場合があり、この場合(b2)に示すように角度の推移はドリフトする。例えば、ズボンのポケットにジャイロセンサが搭載された装置を入れて歩行すると、直線上に歩行しても、ジャイロセンサのセンサデータの振動に偏りが生じる場合がある。
何れの場合においても、無回転状態で振動が生じることで、上記特許文献1では、例えば、短期間で移動体の回転状態を判定した場合に、無回転状態にもかかわらず回転状態と誤判定し、推定オフセットレベルが更新されないという問題がある。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、移動状態であっても、オフセット値を精度よく算出することを目的とする。
本発明に係るオフセット算出装置は、角速度センサから出力されるセンサデータに応じた数値の時系列データに対して導出された、互いに異なる複数の期間の各々による移動平均値に基づいて、前記角速度センサによるセンシング対象の回転状態を判定する判定部と、前記判定部によって前記センシング対象が無回転状態であると判定された期間に対応する前記センサデータに基づいて、前記センサデータのオフセット値を算出する算出部と、を備え、前記センサデータに応じた数値は、前記センサデータの移動平均の分散値に応じた数値である
本発明に係るオフセット算出方法は、角速度センサから出力されるセンサデータに応じた数値の時系列データに対して導出された、互いに異なる複数の期間の各々による移動平均値に基づいて、前記角速度センサによるセンシング対象の回転状態を判定し、前記センシング対象が無回転状態であると判定された期間に対応する前記センサデータに基づいて前記センサデータのオフセット値を算出し、前記センサデータに応じた数値は、前記センサデータの移動平均の分散値に応じた数値である
本発明によれば、移動状態であっても、オフセット値を精度よく算出することができる。
無回転状態で移動状態にある場合にジャイロセンサから出力されるセンサデータの一例を示す図である。 各実施形態に係るオフセット補正装置の構成の一例を示すブロック図である。 各実施形態に係るオフセット算出装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 第1の実施形態に係るオフセット算出装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る導出処理の一例を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る第1及び第2の回転判定処理の一例を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る導出処理並びに第1及び第2の回転判定処理の一例を示す図である。 第1の実施形態に係る第3の回転判定処理の一例を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る算出期間判定処理の一例を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る分散値の時間推移の一例を示す図である。 第2の実施形態に係るオフセット算出装置の機能的な構成の一例を示す機能ブロック図である。 第2の実施形態に係る面積計算処理の一例を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係るオフセット算出処理の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例を詳細に説明する。なお、各図面において同一又は対応する構成要素には同一の参照符号を付与している。
まず、図2を参照して、各実施形態に係るオフセット補正装置70の機能構成を説明する。図2に示すように、オフセット補正装置70は、オフセット算出装置10、ジャイロセンサ50及び補正部60を備える。ジャイロセンサ50から出力される角速度値に関するセンサデータがオフセット算出装置10及び補正部60に入力される。オフセット算出装置10から出力されるオフセット値が補正部60に入力される。オフセット補正装置70は、例えば、スマートフォン及びタブレットコンピュータ等の携帯端末装置に搭載される。
ジャイロセンサ50は、センシング対象の角速度を検出して、検出した角速度の大きさを示す角速度値をセンサデータとして出力する。ジャイロセンサ50は、例えば、特定の1軸の角速度値を検出するセンサであってもよいし、複数軸(2軸又は3軸)の角速度値の各々を検出するセンサであってもよい。ジャイロセンサ50は、1軸の角速度を検出するセンサである場合には、当該軸の角速度値をセンサデータとして出力する。また、複数軸の角速度を検出するセンサである場合には、軸毎の角速度値をセンサデータとして出力し、この場合、ジャイロセンサ50は、各軸の角速度を単一のデバイスで検出してもよいし、軸毎に異なるデバイスで検出してもよい。
オフセット算出装置10は、ジャイロセンサ50から出力されるセンサデータに重畳するオフセット量に相当するオフセット値を算出する。
補正部60は、オフセット算出装置10により算出されたオフセット値に基づいて、ジャイロセンサ50から出力されるセンサデータを補正する。なお、補正部60は、オフセット算出装置10とは異なるデバイスとは限らず、オフセット算出装置10と同一のデバイスによって構成されていてもよい。
次に、図3を参照して、本実施形態に係るオフセット算出装置10のハードウェア構成を説明する。図3に示すように、オフセット算出装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、一時記憶領域としてのメモリ12、入出力ポート13及び不揮発性の記憶部14を含む。CPU11、メモリ12、入出力ポート13及び記憶部14は、バス19に接続される。
記憶部14は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、及びフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体によって実現される。記憶媒体としての記憶部14には、判定処理プログラム15、算出処理プログラム16及び遅延処理プログラム17が記憶される。CPU11は、記憶部14から各プログラムを読み出してからメモリ12に展開し、展開した各プログラムを実行する。
[第1の実施形態]
図4を参照して、本実施形態に係るオフセット算出装置10の機能的な構成を説明する。図4に示すように、オフセット算出装置10は、判定部20、算出部30及び遅延部40を備える。CPU11が判定処理プログラム15を実行することで、判定部20として機能する。また、CPU11が算出処理プログラム16を実行することで、算出部30として機能する。また、CPU11が遅延処理プログラム17を実行することで、遅延部40として機能する。なお、図4には、オフセット算出装置10とともに使用されるジャイロセンサ50及び補正部60も示されている。
判定部20は、ジャイロセンサ50から出力されるセンサデータに応じた数値の時系列データに対して導出された、互いに異なる複数の期間の各々による移動平均値に基づいて、オフセット補正装置70の回転状態を判定する。また、判定部20は、導出部22、第1の回転判定部24、第2の回転判定部26及び第3の回転判定部28を備える。
導出部22は、ジャイロセンサ50から出力されるセンサデータに応じた数値の時系列データを導出する。具体的には、導出部22は、ジャイロセンサ50から出力されるセンサデータによって示される角速度の移動平均値Aを算出し、移動平均値Aの移動平均を更に算出することにより移動平均Bを算出する。導出部22は、移動平均値Aと移動平均値Bとの差分Cを二乗した数値Dの時系列データを導出する。
第1の回転判定部24は、導出部22によって導出された数値Dの時系列データに対して第1の期間による移動平均値を導出し、オフセット補正装置70が搭載された機器(例えば、スマートフォン及びタブレットコンピュータ等の携帯端末装置、以下、対象機器という)の回転状態を暫定的に判定し、暫定的な第1の回転判定結果を出力する。第1の期間とは、第1の回転判定部24が移動平均値を導出する際に用いる数値Dの時系列データのデータ区間の長さである。
第2の回転判定部26は、導出部22によって導出された数値Dの時系列データに対して第1の期間よりも長い期間である第2の期間による移動平均値を導出し、対象機器の回転状態を暫定的に判定し、暫定的な第2の回転判定結果を出力する。第2の期間とは、第2の回転判定部26が移動平均値を導出する際に用いる数値Dの時系列データのデータ区間の長さである。
第3の回転判定部28は、第1の回転判定結果及び第2の回転判定結果の組み合わせに基づいて、対象機器の回転状態を最終的に判定し、最終的な第3の回転判定結果を出力する。第3の回転判定部28は、第1の回転判定結果及び第2の回転判定結果の組み合わせに基づいて、対象機器が回転状態、無回転状態及び判定保留状態の何れかであると判定した結果を、第3の回転判定結果として出力する。
遅延部40は、センサデータを所定の遅延時間遅延させて出力する。所定の遅延時間とは、判定部20の各処理で生じる遅延時間(すなわち、導出部22にジャイロセンサ50からのセンサデータが入力されてから、第3の回転判定部28から第3の回転判定結果が出力されるまでの期間)に相当する時間である。すなわち、遅延部40は、判定部20の各処理で生じる遅延時間に合わせてジャイロセンサ50から出力されるセンサデータを遅延させており、遅延部40から出力されるセンサデータは、判定部20から出力される第3の回転判定結果の出力タイミングと同期している。
算出部30は、判定部20によって対象機器が無回転状態であると判定された期間に対応するセンサデータに基づいて、センサデータのオフセット値を算出する。すなわち、算出部30は、第3の回転判定結果が、対象機器が無回転状態であることを示す場合に、当該無回転状態であると判定された期間に対応するセンサデータに基づいてセンサデータのオフセット値を算出する。
また、算出部30は、第3の回転判定結果が、対象機器が所定期間継続して判定保留状態であることを示す場合に、当該判定保留状態であると判定された期間は、無回転状態であったと推定し、当該判定保留状態であると判定された期間に対応するセンサデータに基づいて、センサデータのオフセット値を事後的に算出する。また、算出部30は、第3の回転判定結果が、対象機器が判定保留状態であることを示す状態から所定期間内に無回転状態であることを示す状態に遷移した場合は、当該判定保留状態であると判定された期間は、無回転状態であったと推定し、当該判定保留状態であると判定された期間に対応するセンサデータに基づいてセンサデータのオフセット値を事後的に算出する。また、算出部30は、第3の回転判定結果が、対象機器が判定保留状態であることを示す状態から所定期間内に回転状態であることを示す状態に遷移した場合は、当該判定保留状態であると判定された期間は、回転状態であったと推定し、当該判定保留状態であると判定された期間に対応するセンサデータに基づくオフセット値を算出しないよう事後的に決定する。
算出部30は、遅延部40から出力される遅延したセンサデータを用いて、センサデータのオフセット値を算出する。すなわち、算出部30は、判定部20から出力される対象機器の回転状態の判定結果と、遅延部40から出力される遅延したセンサデータとに基づいて、センサデータのオフセット値を算出する。
次に、本実施形態に係る判定部20の作用を説明する。CPU11が判定処理プログラム15を実行することで、導出部22における導出処理、第1の回転判定部24における第1の回転判定処理、第2の回転判定部26における第2の回転判定処理、第3の回転判定部28における第3の回転判定処理が実行される。
まず、図5を参照して、本実施形態に係る導出処理を説明する。図5に示す導出処理は、例えば、ジャイロセンサ50から出力されたセンサデータを、オフセット算出装置10が受信した場合に実行される。
ステップS11で、導出部22は、ジャイロセンサ50から出力されるセンサデータに対して移動平均処理をし、移動平均値Aを導出する。ステップS12で、導出部22は、移動平均値Aに対して更に移動平均処理をし、移動平均値Bを導出する。ステップS13で、導出部22は、移動平均値Aと移動平均値Bの差分Cを導出する。ステップS14で、導出部22は、差分Cの二乗した数値Dを導出する。導出部22は、ステップS11からステップS14の処理を繰り返し実施することで、数値Dの時系列データを導出する。
次に、図6を参照して、本実施形態に係る第1の回転判定処理及び第2の回転判定処理を説明する。図6に示す第1及び第2の回転判定処理は、例えば、導出部22において数値Dの時系列データが導出された後に実行される。以下、図6における移動平均値Eについて、第1の回転判定処理においては移動平均値E1、第2の回転判定処理においては移動平均値E2と記載する。
まず、第1の回転判定処理について説明する。ステップS21で、第1の回転判定部24は、導出部22において導出した数値Dの時系列データに対して第1の期間による移動平均処理をし、移動平均値E1を導出する。
ステップS22で、第1の回転判定部24は、移動平均値E1と閾値Tとを比較する。閾値Tはあらかじめ設定した値である。移動平均値E1が閾値T以上である場合(ステップS22 Y)、第1の回転判定部24は、対象機器が回転状態の可能性があると判定し、暫定的な第1の回転判定結果をTRUE判定とする(ステップS23)。一方、移動平均値E1が閾値Tよりも小さい場合(ステップS22 N)、第1の回転判定部24は、対象機器が無回転状態の可能性があると判定し、暫定的な第1の回転判定結果をFALSE判定とする(ステップS24)。
第2の回転判定処理は、第2の回転判定部26が、上述した第1の回転判定処理と同様の処理を行い、第2の回転判定結果を導出するが、ステップS21において、第1の期間よりも長い第2の期間による移動平均処理をし、移動平均値E2を導出する。すなわち、移動平均値E2の導出に用いるデータ区間の長さは、移動平均値E1の導出に用いるデータ区間の長さより長い。なお、ステップS22における閾値Tは、上述した第1の回転判定処理と同じものである。
図7に、上述した導出処理並びに第1及び第2の回転判定処理の一例を示す。図7に示す時間は、例えば、導出処理の開始からの時間である。角速度は、ジャイロセンサ50から出力されるセンサデータの角速度値である。なお、図7には1秒毎の角速度値が示されているが、ジャイロセンサ50の測定間隔は1秒とは限らず、それ以外であってもよい。Aは導出処理のステップS11で導出部22が導出した移動平均値Aであり、Bは導出処理のステップS12で導出部22が導出した移動平均値Bであり、Cは導出処理のステップS13で導出部22が導出した差分Cであり、Dは導出処理のステップS14で導出部22が導出した数値Dである。E1は第1の回転判定処理のステップS21で第1の回転判定部24が導出した移動平均値E1であり、E2は第2の回転判定処理のステップS21で第2の回転判定部26が導出した移動平均値E2である。
まず、導出部22は、角速度の移動平均値Aを導出する(ステップS11)。移動平均値Aの導出に用いるデータ区間の長さは、例えば、5秒とする。移動平均値Aの導出に用いるデータ区間の長さは、長いほど回転状態の判定の精度が向上する一方で、遅延も大きくなる。
次に、導出部22は、移動平均値Aに対してさらに移動平均処理をし、移動平均値Bを導出する(ステップS12)。移動平均値Bの導出に用いるデータ区間の長さは、判定の精度を向上させるため、移動平均値Aの導出に用いるデータ区間の長さよりも長いことが好ましく、例えば、10秒とする。
次に、導出部22は、移動平均値Aと移動平均値Bの差分Cを導出する(ステップS13)。すなわち、差分Cは移動平均値Aの偏差である。次に、導出部22は、差分Cの二乗である数値Dを導出する(ステップS14)。
次に、第1の回転判定部24及び第2の回転判定部26は、それぞれ、数値Dの移動平均値E1及びE2を導出する(ステップS21)。すなわち、移動平均値E1及びE2は移動平均値Aの分散値である。分散値は、対象機器が回転状態である場合は大きく、無回転状態である場合は小さくなる特徴がある。移動平均値E1の導出に用いるデータ区間の長さは、判定の精度を向上させるため、移動平均値Bの導出に用いるデータ区間の長さよりも長いことが好ましく、例えば、20秒とする。また、移動平均値E2の導出に用いるデータ区間の長さは、例えば、30秒とする。
図10に、上述した第1及び第2の回転判定処理で導出した、移動平均値E1及びE2の時間推移の一例を示す。第1の回転判定処理において、時刻0~t1、時刻t2~t3及び時刻t5~t7の期間は、移動平均値E1が閾値Tよりも小さいので(ステップS22 N)、第1の回転判定部24は、第1の回転判定結果をFALSE判定として出力する(ステップS24)。一方、時刻t1~t2、時刻t3~t5及び時刻t7~t9の期間は、移動平均値E1が閾値T以上なので(ステップS22 Y)、第1の回転判定部24は、第1の回転判定結果をTRUE判定として出力する(ステップS23)。
移動平均値E1は移動平均値E2よりも移動平均値の導出に用いるデータ区間の長さが短いので、例えば、時刻t1~t2及び時刻t7~t9間のような一時的な振動による変動が大きく、第1の回転判定結果は、無回転状態にもかかわらずTRUE判定とされる誤判定が起こりやすいという課題がある。一方で、例えば、時刻t3~t4及び時刻t5~t6のように、移動平均値E1の時間推移は、移動平均値E2の時間推移に比べて遅延が少なく、回転状態の判定を高速に行うことができるという利点がある。
第2の回転判定処理において、時刻0~t4及び時刻t6以降の期間は、移動平均値E2が閾値Tよりも小さいので(ステップS22 N)、第2の回転判定部26は、第2の回転判定結果をFALSE判定として出力する(ステップS24)。一方、時刻t4~t6の期間は、移動平均値E2が閾値T以上なので(ステップS22 Y)、第2の回転判定部26は、第2の回転判定結果をTRUE判定として出力する(ステップS23)。
移動平均値E2は移動平均値E1よりも移動平均値の導出に用いるデータ区間の長さが長いので、例えば、時刻t3~t4及び時刻t5~t6のように、移動平均値E2の時間推移は、移動平均値E1の時間推移よりも遅延が大きく、第2の回転判定結果は、回転状態の判定に遅延が生じやすいという課題がある。一方で、移動平均値E2の時間推移においては、例えば、時刻t1~t2及び時刻t7~t9において移動平均値E1の時間推移において生じる一時的な振動は生じないので、第2の回転判定部26における回転状態の判定の精度は、第1の回転判定部24における回転状態の判定の精度よりも高いという利点がある。
このように、移動平均値の導出に用いるデータ区間の長さが互いに異なる第1の回転判定結果と第2の回転判定結果とでは、異なる性質をもつ。そこで、第3の回転判定部28では、第1の回転判定結果及び第2の回転判定結果の組み合わせに基づいて、最終的な回転状態の判定し、最終的な第3の回転判定結果を出力する。これにより、対象機器が移動状態であっても、精度よく当該機器の回転状態の判定を行うことが可能となる。
図8を参照して、本実施形態に係る第3の回転判定処理を説明する。図8に示す第3の回転判定処理は、例えば、第1の回転判定結果及び第2の回転判定結果の双方が導出された後に実行される。
ステップS31で、第3の回転判定部28は、第1の回転判定結果及び第2の回転判定結果の組み合わせを判定する。ステップS31で、第1の回転判定結果及び第2の回転判定結果の双方がFALSE判定である場合、ステップS32に移行する。ステップS32で、第3の回転判定部28は、オフセット補正装置70の回転状態が無回転状態であることを示す判定信号を第3の回転判定結果として出力する。
ステップS33で、第3の回転判定部28は、再度第1の回転判定結果及び第2の回転判定結果の組み合わせを判定し、ともにFALSE判定である場合は(ステップS33 Y)、ステップS32に戻る。一方、ステップS33で、第1の回転判定結果及び第2の回転判定結果の少なくとも一方がTRUE判定である場合は(ステップS33 N)、後述するステップS34に移行する。
ステップS31で、第1の回転判定結果及び第2の回転判定結果の一方がTRUE判定で、他方がFALSE判定である場合、第3の回転判定部28は、ステップS34に移行する。ステップS34で、第3の回転判定部28は、対象機器の回転状態の判定を保留し、判定保留状態を示す判定信号を第3の回転判定結果として出力する。
ステップS35で、第3の回転判定部28は、第2の回転判定結果がTRUE判定であるか否かを判定する。第2の回転判定結果がTRUE判定であった場合は(ステップS35 Y)、後述するステップS37に移行する。一方、第2の回転判定結果がFALSE判定であった場合は(ステップS35 N)、ステップS36に移行する。
ステップS36で、第3の回転判定部28は、第1の回転判定結果がFALSE判定であるか否かを判定する。第1の回転判定結果がFALSE判定であった場合は(ステップS36 Y)、ステップS32に移行する。一方、第1の回転判定結果がTRUE判定であった場合は(ステップS36 N)、ステップS34に戻る。
ステップS31で、第1の回転判定結果及び第2の回転判定結果の双方がTRUE判定である場合、第3の回転判定部28は、ステップS37に移行する。ステップS37で、CPU11は、オフセット補正装置70が回転状態であることを示す判定信号を第3の回転判定結果として出力する。
ステップS38で、第3の回転判定部28は、再度第1の回転判定結果及び第2の回転判定結果の組み合わせを判定し、ともにFALSE判定である場合は(ステップS38 Y)、ステップS32に移行する。一方、ステップS38で、第1の回転判定結果及び第2の回転判定結果の少なくとも一方がTRUE判定である場合は(ステップS38 N)、ステップS35に移行する。
次に、本実施形態に係る算出部30の作用を説明する。CPU11が算出処理プログラム16を実行することで、算出期間判定処理が実行される。
図9を参照して、本実施形態に係る算出期間判定処理を説明する。図9に示す算出期間判定処理は、例えば、第3の回転判定部28において第3の回転判定結果が出力された後に実行される。
ステップS41で、算出部30は、出力された第3の回転判定結果が、無回転状態、判定保留状態及び回転状態の何れの場合を示すものかを判定する。
ステップS41で、第3の回転判定結果が無回転状態を示すものである場合、ステップS42に移行する。ステップS42で、算出部30は、第3の回転判定結果として無回転状態を示す判定信号が出力されている期間である無回転判定期間について、オフセット値を算出する。
ステップS41で、第3の回転判定結果が回転状態を示すものである場合、算出部30は、算出期間判定処理を終了する。すなわち、第3の回転判定結果として回転状態を示す判定信号が出力されている期間である回転判定期間については、オフセット値の算出を行わないようにする。
ステップS41で、第3の回転判定結果が判定保留状態を示すものである場合、ステップS43に移行する。ステップS43で、算出部30は、最初に第3の回転判定結果として判定保留状態を示す判定信号が出力されてから、所定期間内に、第3の回転判定結果として回転状態を示す判定信号が出力されるか否かを判定する。すなわち、算出部30は、第3の回転判定部28から回転状態及び無回転状態の何れかを示す判定信号が出力されるか、所定期間が経過するまで待機する。所定期間は、予め定められた期間である。
ステップS43で、所定期間内に回転状態を示す判定信号が出力された場合は、算出部30は、算出期間判定処理を終了する。すなわち、第3の回転判定結果として判定保留状態を示す判定信号が出力されている期間である判定保留期間も回転状態であったと推定し、当該判定保留期間に対応するセンサデータに基づくオフセット値の算出を行わないようにする。
一方、ステップS43で、所定期間内に無回転状態を示す判定信号が出力された場合は、算出部30は、ステップS44に移行する。ステップS44で、算出部30は、判定保留期間及び無回転判定期間の各々について、オフセット値を算出する。すなわち、判定保留期間も無回転状態であったと推定し、判定保留期間及び無回転判定期間の各々についてオフセット値の算出を行うようにする。また、所定期間経過後も判定保留状態を示す判定信号が継続して出力され続けた場合も、ステップS44で、無回転状態を示す判定信号が出力された場合と同様の処理をする。
次に、図10を参照して、上述した第3の回転判定処理及び算出期間判定処理の一例を説明する。まず、例えば、時刻0~t1の期間のように移動平均値E1及びE2が推移する場合を説明する。時刻0で、第1の回転判定結果及び第2の回転判定結果の双方がFALSE判定であるので(ステップS31 F/F)、第3の回転判定部28は、無回転状態を示す判定信号を出力する(ステップS32)。その後、時刻0~t1の期間においても、第1の回転判定結果及び第2の回転判定結果の双方がFALSE判定であるので(ステップS33 Y)、第3の回転判定部28は、時刻0~t1の期間に亘り無回転状態を示す判定信号を出力し続ける(ステップS32)。判定信号が無回転状態を示すものであるので(ステップS41 無回転状態)、算出部30は、時刻0~t1の期間に対応するセンサデータに基づいてオフセット値を算出する(ステップS42)。
次に、例えば、時刻t1~t2の期間のように移動平均値E1及びE2が推移する場合を説明する。時刻t1で、第1の回転判定結果がTRUE判定となるので(ステップS33 N)、第3の回転判定部28は、判定保留状態を示す判定信号を出力する(ステップS34)。その後、時刻t1~t2の期間において、第2の回転判定結果がFALSE判定であり(ステップS35 N)、第1の回転判定結果がTRUE判定であるので(ステップS36 N)、第3の回転判定部28は、時刻t1~t2の期間に亘り判定保留状態を示す判定信号を出力し続ける(ステップS34)。
時刻t2で、第1の回転判定結果がFALSE判定となるので(ステップS36 Y)、第3の回転判定部28は、無回転状態を示す判定信号を出力する(ステップS32)。判定保留状態と判定した時刻t1から所定期間内に、無回転状態を示す判定信号が出力されたので(ステップS43 無回転状態に遷移)、算出部30は、判定保留期間t1~t2は無回転状態であったと推定し、時刻t1~t2に対応するセンサデータに基づいてオフセット値を算出する(ステップS44)。
次に、例えば、時刻t3~t5の期間のように移動平均値E1及びE2が推移する場合を説明する。時刻t3で、第1の回転判定結果がTRUE判定となるので(ステップS33 N)、第3の回転判定部28は、判定保留状態を示す判定信号を出力する(ステップS34)。その後、時刻t3~t4の期間において、第2の回転判定結果がFALSE判定であり(ステップS35 N)、第1の回転判定結果がTRUE判定であるので(ステップS36 N)、第3の回転判定部28は、時刻t3~t4の期間に亘り判定保留状態を示す判定信号を出力し続ける(ステップS34)。
時刻t4で、第2の回転判定結果がTRUE判定となるので(ステップS35 Y)、第3の回転判定部28は、回転状態を示す判定信号を出力する(ステップS37)。判定保留状態と判定した時刻t3から所定期間内に、回転状態を示す判定信号が出力されたので(ステップS43 回転状態に遷移)、算出部30は、判定保留期間t3~t4は回転状態であったと推定し、時刻t3~t4の期間に対応するセンサデータに基づくオフセット値の算出を行わないようにする。
その後、時刻t4~t5の期間においても、第1の回転判定結果及び第2の回転判定結果の双方がTRUE判定であるので(ステップS38 N)(ステップS35 Y)、第3の回転判定部28は、時刻t4~t5の期間に亘り回転状態を示す判定信号を出力し続ける(ステップS37)。したがって、算出部30は、時刻t4~t5の期間に対応するセンサデータに基づくオフセット値の算出を行わないようにする(ステップS41 回転状態)。
次に、例えば、時刻t5~t6の期間のように移動平均値E1及びE2が推移する場合を説明する。時刻t5で、第1の回転判定結果はFALSE判定となるが、第2の回転判定結果はTRUE判定であるので(ステップS38 N)(ステップS35 Y)、第3の回転判定部28は、回転状態を示す判定信号を出力し続ける(ステップS37)。したがって、算出部30は、時刻t5~t6の期間に対応するセンサデータに基づくオフセット値の算出を行わないようにする(ステップS41 回転状態)。
次に、例えば、時刻t7~t9の期間のように移動平均値E1及びE2が推移する場合を説明する。時刻t7で、第1の回転判定結果がTRUE判定となるので(ステップS33 N)、第3の回転判定部28は、判定保留状態を示す判定信号を出力する(ステップS34)。その後、時刻t7~t8の期間において、第2の回転判定結果がFALSE判定であり(ステップS35 N)、第1の回転判定結果がTRUE判定であるので(ステップS36 N)、第3の回転判定部28は、時刻t7~時刻t8の期間に亘り判定保留状態を示す判定信号を出力し続ける(ステップS34)。
時刻t8で、時刻t7から所定期間が経過する。時刻t8~t9においても、第2の回転判定結果がFALSE判定であり(ステップS35 N)、第1の回転判定結果がTRUE判定であるので(ステップS36 N)、第3の回転判定部28は、時刻t7~t9の期間に亘り判定保留状態を示す判定信号を出力し続ける(ステップS34)。時点t7から所定期間が経過した後も回転状態に遷移しないので(ステップS43 N)、算出部30は、判定保留期間t7~t9は無回転状態であったと推定し、時刻t7~t9の期間に対応するセンサデータに基づいてオフセット値を算出する(ステップS44)。
このように、本実施形態に係る第3の回転判定処理及び算出期間判定処理によれば、時刻t1~t2の期間で第1の回転判定結果のみがTRUE判定となったのは、一時的な振動によるものと判断し、その間は無回転状態であったと推定することができる。また、時刻t3~t4の期間で第1の回転判定結果のみがTRUE判定となったのは、第2の回転判定結果が第1の回転判定結果よりも遅延していることによるものと判断し、その間は回転状態であったと推定することができる。また、時刻t5~t6の期間で第2の回転判定結果のみがTRUE判定となったのは、第2の回転判定結果が第1の回転判定結果よりも遅延していること、又は一時的に第1の回転判定結果がFALSE判定となったことによるものと判断し、その間は回転状態であったと推定することができる。また、時刻t7~t9の期間で第1の回転判定結果のみがTRUE判定となったのは、移動状態で生じる振動に偏りが生じること等によるものと判断し、その間は無回転状態であったと推定することができる。
すなわち、算出部30は、対象機器が無回転状態であると推定された期間について、オフセット値を算出することができる。また、判定保留期間について、事後的に回転状態を判断し、オフセット値を算出するか否かを判定することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、判定部20が、ジャイロセンサ50から出力されるセンサデータに応じた数値の時系列データに対して導出された、互いに異なる複数の期間の各々による移動平均値に基づいて、ジャイロセンサ50によるセンシング対象の回転状態を判定し、算出部30が、判定部20によって対象機器が無回転状態であると判定された期間に対応するセンサデータに基づいて、センサデータのオフセット値を算出する。すなわち、移動平均値の導出に用いるデータ区間の長さが互いに異なる移動平均値に基づいて回転状態を判定するので、回転状態の判定を精度よく行うことができ、その結果、対象機器が移動状態であっても、オフセット値を精度よく算出することができる。
また、本実施形態によれば、対象機器が移動状態であっても、ジャイロセンサ50から出力されるセンサデータのみに基づいて回転状態を判定することができる。したがって、移動状態であるか否かを検出するための他のセンサ(例えば、加速度センサ及び地磁気センサ)がなくても、オフセット値を算出することができる。
なお、本実施形態では、第1の回転判定結果及び第2の回転判定結果の組み合わせに基づいて、回転状態を判定したが、これに限らない。例えば、移動平均値E1及びE2の導出に用いたデータ区間の長さとは異なる長さのデータ区間を用いてさらに分散値を導出し、閾値Tと比較することで、3以上の暫定的な回転判定結果の組み合わせに基づいて最終的な回転状態を判定してもよい。
また、本実施形態では、移動平均値E1及びE2、すなわちセンサデータの分散値に基づいて、回転状態を判定したが、これに限らない。例えば、分散値の代わりに、センサデータの短時間の平均と長時間の平均を導出し、その組み合わせに基づいて、回転状態を判定してもよい。
[第2の実施形態]
上述した第1の実施形態に係るオフセット算出装置10によれば、算出部30は、対象機器が無回転状態であると推定された期間に対応するセンサデータに対して移動平均処理し、移動平均値をオフセット値として出力するものである。この場合、無回転状態のセンサデータにおいて生じる振動が、図1(a1)のような振動であれば、精度よくオフセット値を検出することができる。しかしながら、無回転状態においてセンサデータに生じる振動が、図1(b1)のように偏った振動である場合、センサデータに対する移動平均値をオフセット値とすると、振動の偏りが新たなオフセットとなるという課題が生じる。そこで、第2の実施形態に係るオフセット算出装置10は、上記のセンサデータの振動の偏りを加味してオフセット値を算出するものとする。
図11を参照して、本実施形態に係るオフセット算出装置10の機能的な構成を説明する。本実施形態は、第1の実施形態と算出部30の機能的な構成が異なる。CPU11が算出処理プログラム16を実行することで、算出部30として機能する。その他の機能的な構成は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
算出部30は、センサデータの所定時間内における時間推移によって示される信号波形の波形部分の面積に応じた数値に基づいて、センサデータのオフセット値を算出する。
また、算出部30は、算出期間判定部31、面積計算部32及びオフセット算出部34を備える。算出期間判定部31は、第1の実施形態で説明した算出期間判定処理を実行する。面積計算部32は、センサデータの所定時間内における時間推移によって示される信号波形の正側の波形部分の面積と負側の波形部分の面積とを計算する。オフセット算出部34は、正側の波形部分の面積と負側の波形部分の面積との差分を、所定時間に応じた数値で除算することで、センサデータのオフセット値を算出する。すなわち、オフセット算出部34は、補正部60により補正されたセンサデータの所定時間内における時間推移によって示される信号波形の正側の波形部分の面積及び負側の波形部分の面積が同じになるように、センサデータのオフセット値を算出する。
次に、本実施形態に係る算出部30の作用を説明する。CPU11が算出処理プログラム16を実行することで、算出期間判定部31における算出期間判定処理、面積計算部32における面積計算処理、オフセット算出部34におけるオフセット算出処理が実行される。
まず、図12を参照して、本実施形態に係る面積計算処理を説明する。図12に示す面積計算処理は、例えば、算出期間判定部31が、オフセット値を算出する期間を決定した後に実行される。
ステップS51で、面積計算部32は、遅延部40から出力されるセンサデータの角速度値が0以上であるか否かを判定する。センサデータが0以上である場合(ステップS51 Y)、面積計算部32は、角速度値をプラス面積として加算し(ステップS52)、ステップS54に移行する。
一方、ステップS51で、センサデータの角速度値が0未満である場合(ステップS51 N)、面積計算部32は、角速度値をマイナス面積として加算し(ステップS53)、ステップS54に移行する。なお、マイナス面積は、オフセット算出処理における計算のため、絶対値で計算する。
ステップS54において、面積計算部32は、最初にステップS51の判定を行ってから所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過する前は、ステップS51~S53を繰り返す。所定時間は、オフセット値を算出するために最低限必要な積算数に応じた時間である。
所定時間が経過した場合は(ステップS54 Y)、ステップS55に移行し、面積計算部32は、プラス面積及びマイナス面積を出力する。
なお、面積を計算する場合に、角速度値に対し時間で積分しなくてもよい。オフセット算出処理でオフセット値を算出する場合に、面積を時間で微分することになるので、計算の簡略化のため、角速度値を積算するようにしてよい。
次に、図13を参照して、本実施形態に係るオフセット算出処理を説明する。図13に示すオフセット算出処理は、例えば、面積計算部32からプラス面積又はマイナス面積が出力された場合に実行される。
ステップS61において、オフセット算出部34は、プラス面積とマイナス面積との差分を計算し、その差分を、プラス面積及びマイナス面積を導出する際に実施した積算処理の積算数で除算する。この除算した値が、オフセット値となる。すなわち、オフセット値は、補正部60により補正されたセンサデータの所定時間内における時間推移によって示される信号波形のプラス面積とマイナス面積とが均等になるように算出した値である。
このように算出したオフセット値は、ジャイロセンサ50が持つオフセットに振動の偏りも加味して算出したものであるため、ジャイロセンサ50と振動の偏りの双方のキャリブレーションを同時に実施することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、算出部30は、対象機器が無回転状態であると推定された期間に対応するセンサデータの所定時間内における時間推移によって示される信号波形の波形部分の面積に応じた数値に基づいて、センサデータのオフセット値を算出する。これにより、無回転状態におけるセンサデータに偏りのある振動が生じる移動状態であっても、オフセット値を精度よく算出することができる。
なお、本実施形態では、オフセット値を算出するための数値として、センサデータの面積に応じた数値を用いることとしているが、これに限定されるものではない。例えば、プラス側の最大値と、マイナス側の最小値との平均を用いてもよい。
また、上記各実施形態では、角速度センサの一例としてジャイロセンサ50を用いたが、これに限らない。例えば、地磁気センサから出力されるセンサデータを用いて、センシング対象の回転状態を判定し、センサデータのオフセット値を算出してもよい。
10 オフセット算出装置
11 CPU
12 メモリ
13 入出力ポート
14 記憶部
15 判定処理プログラム
16 算出処理プログラム
17 遅延処理プログラム
20 判定部
22 導出部
24 第1の回転判定部
26 第2の回転判定部
28 第3の回転判定部
30 算出部
31 算出期間判定部
32 面積計算部
34 オフセット算出部
40 遅延部
50 ジャイロセンサ
60 補正部
70 オフセット補正装置

Claims (11)

  1. 角速度センサから出力されるセンサデータに応じた数値の時系列データに対して導出された、互いに異なる複数の期間の各々による移動平均値に基づいて、前記角速度センサによるセンシング対象の回転状態を判定する判定部と、
    前記判定部によって前記センシング対象が無回転状態であると判定された期間に対応する前記センサデータに基づいて、前記センサデータのオフセット値を算出する算出部と、
    を備え
    前記センサデータに応じた数値は、前記センサデータの移動平均の分散値に応じた数値である
    オフセット算出装置。
  2. 前記判定部は、
    前記センサデータに応じた数値の時系列データに対して導出された第1の期間による移動平均値に基づいて、前記センシング対象の回転状態を判定する第1の回転判定部と、
    前記センサデータに応じた数値の時系列データに対して導出された前記第1の期間よりも長い期間である第2の期間による移動平均値に基づいて、前記センシング対象の回転状態を判定する第2の回転判定部と、
    前記第1の回転判定部の判定結果及び前記第2の回転判定部の判定結果の組み合わせに基づいて、前記センシング対象の回転状態を判定する第3の回転判定部と、
    を備える請求項1に記載のオフセット算出装置。
  3. 前記第1の回転判定部の判定結果が無回転状態を示し、前記第2の回転判定部の判定結果が回転状態を示す場合、所定期間の経過後に前記センシング対象が回転状態又は無回転状態の何れかであると判定される
    請求項2に記載のオフセット算出装置。
  4. 前記算出部は、前記所定期間の経過後に前記センシング対象が無回転状態であると判定された場合、前記所定期間に対応する前記センサデータによって前記センサデータのオフセット値を算出する
    請求項3に記載のオフセット算出装置。
  5. 前記第3の回転判定部は、前記第1の回転判定部の判定結果及び前記第2の回転判定部の判定結果の組み合わせに基づいて、前記センシング対象が回転状態、無回転状態及び判定保留状態の何れかであると判定し、
    前記算出部は、前記第3の回転判定部の判定結果が、前記センシング対象が無回転状態であることを示す場合、及び前記所定期間継続して前記センシング対象が判定保留状態であることを示す場合に、前記センサデータのオフセット値を算出する
    請求項3又は請求項4に記載のオフセット算出装置。
  6. 前記算出部は、前記第3の回転判定部の判定結果が、前記センシング対象が判定保留状態であることを示す状態から前記所定期間内に無回転状態であることを示す状態に遷移した場合は、当該判定保留状態であると判定された期間に対応するセンサデータに基づいて前記センサデータのオフセット値を算出する
    請求項5に記載のオフセット算出装置。
  7. 前記センサデータを所定の遅延時間遅延させて出力する遅延部を更に含み、
    前記算出部は、前記遅延部から出力される遅延したセンサデータを用いて、前記センサデータのオフセット値を算出する
    請求項1から請求項6の何れか1項に記載のオフセット算出装置。
  8. 前記算出部は、前記センサデータの所定時間内における時間推移によって示される信号波形の波形部分の面積に応じた数値に基づいて、前記センサデータのオフセット値を算出する
    請求項1から請求項7の何れか1項に記載のオフセット算出装置。
  9. 前記算出部は、前記センサデータの前記所定時間内における時間推移によって示される信号波形の正側の波形部分の面積と負側の波形部分の面積との差分を、前記所定時間に応じた数値で除算することで、前記センサデータのオフセット値を算出する
    請求項8に記載のオフセット算出装置。
  10. 請求項8又は請求項9に記載のオフセット算出装置と、
    前記オフセット算出装置の前記算出部により算出された前記センサデータのオフセット値に基づいて、前記センサデータを補正する補正部と、
    を含み、
    前記算出部は、前記補正部により補正された前記センサデータの前記所定時間内における時間推移によって示される信号波形の正側の波形部分の面積及び負側の波形部分の面積が同じになるように、前記センサデータのオフセット値を算出する
    オフセット補正装置。
  11. 角速度センサから出力されるセンサデータに応じた数値の時系列データに対して導出された、互いに異なる複数の期間の各々による移動平均値に基づいて、前記角速度センサによるセンシング対象の回転状態を判定し、前記センシング対象が無回転状態であると判定された期間に対応する前記センサデータに基づいて前記センサデータのオフセット値を算出し、
    前記センサデータに応じた数値は、前記センサデータの移動平均の分散値に応じた数値である
    オフセット算出方法。
JP2019036875A 2019-02-28 2019-02-28 オフセット算出装置、オフセット補正装置及びオフセット算出方法 Active JP7239349B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019036875A JP7239349B2 (ja) 2019-02-28 2019-02-28 オフセット算出装置、オフセット補正装置及びオフセット算出方法
US16/743,437 US11378400B2 (en) 2019-02-28 2020-01-15 Offset calculation device, offset correction device, and offset calculation method
CN202010047238.5A CN111623798B (zh) 2019-02-28 2020-01-16 偏移计算装置、偏移修正装置以及偏移计算方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019036875A JP7239349B2 (ja) 2019-02-28 2019-02-28 オフセット算出装置、オフセット補正装置及びオフセット算出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020139883A JP2020139883A (ja) 2020-09-03
JP7239349B2 true JP7239349B2 (ja) 2023-03-14

Family

ID=72236630

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019036875A Active JP7239349B2 (ja) 2019-02-28 2019-02-28 オフセット算出装置、オフセット補正装置及びオフセット算出方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US11378400B2 (ja)
JP (1) JP7239349B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012048776A (ja) 2010-08-25 2012-03-08 Fuji Electric Co Ltd 再生ヘッドの非線形性評価方法
WO2014030346A1 (ja) 2012-08-22 2014-02-27 パナソニック株式会社 物理量センサ
WO2014185009A1 (ja) 2013-05-15 2014-11-20 旭化成株式会社 オフセット推定装置、方法、およびプログラム

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2711746B2 (ja) * 1990-03-31 1998-02-10 日本電気ホームエレクトロニクス株式会社 角速度計測装置
JPH07324941A (ja) 1994-06-02 1995-12-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd オフセットドリフト補正装置
JP2010015535A (ja) * 2008-06-02 2010-01-21 Sony Corp 入力装置、制御システム、ハンドヘルド装置及び校正方法
US9546883B2 (en) * 2011-11-11 2017-01-17 Qualcomm Incorporated Sensor auto-calibration

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012048776A (ja) 2010-08-25 2012-03-08 Fuji Electric Co Ltd 再生ヘッドの非線形性評価方法
WO2014030346A1 (ja) 2012-08-22 2014-02-27 パナソニック株式会社 物理量センサ
WO2014185009A1 (ja) 2013-05-15 2014-11-20 旭化成株式会社 オフセット推定装置、方法、およびプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
US20200278206A1 (en) 2020-09-03
JP2020139883A (ja) 2020-09-03
US11378400B2 (en) 2022-07-05
CN111623798A (zh) 2020-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20100106451A1 (en) Zero-Point Correction Apparatus and Method for an Angular Speed Sensor
KR102440358B1 (ko) 관성 기반 항법 장치 및 상대사전적분에 따른 관성 기반 항법 방법
US9785254B2 (en) System and method for improving orientation data
US7860651B2 (en) Enhanced inertial system performance
JP6745017B2 (ja) 歩行者推測航法用の技術
EP1593931A4 (en) DIFFERENCE CORRECTION METHOD FOR POSTURE DETERMINATION INSTRUMENT AND DISPLACEMENT MEASUREMENT INSTRUMENT
US8654077B2 (en) Apparatus and method for detecting tap
JPH09318382A (ja) 姿勢角検出装置及び方法
US10429207B2 (en) Pitch angular velocity correction value calculation device, attitude angle calculation device, and method for calculating pitch angular velocity correction value
EP3189303B1 (en) Pedestrian navigation devices and methods
JP7239349B2 (ja) オフセット算出装置、オフセット補正装置及びオフセット算出方法
CN111623798B (zh) 偏移计算装置、偏移修正装置以及偏移计算方法
US11085801B2 (en) Physical quantity measuring apparatus
CN108225368B (zh) 计步装置和计步方法
JP2012042285A (ja) ヨー角初期化異常判定装置及び方法
US20160245842A1 (en) Measurement apparatus, measurement method, and measurement system
US10436934B2 (en) Generation of estimation for earth's gravity for use in measuring motion of an object
JP2009264798A (ja) 速度検出装置、および傾斜角度算出装置
JP6344165B2 (ja) 電子機器および角速度情報出力プログラム
JP3791074B2 (ja) ナビゲーション装置
JP5145371B2 (ja) 慣性航法装置
KR20240074763A (ko) 위치 보정 장치
JPH10153443A (ja) ナビゲーション装置
JP2023064013A (ja) 角速度センサ
JP5914316B2 (ja) 方位測定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220829

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220906

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221107

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230131

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230302

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7239349

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150