JP2009264798A - 速度検出装置、および傾斜角度算出装置 - Google Patents
速度検出装置、および傾斜角度算出装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】車速パルス信号を用いずに移動体の速度情報を検出可能な速度検出装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る速度検出装置は、移動体の等速度走行状態を速度情報として検出する速度検出装置であって、移動体の進行方向の加速度を検出する加速度検出部と、加速度検出部において検出された加速度が所定時間以上一定になる第1状態を等速度走行状態として検出する等速度検出部とを備え、所定時間は、第1状態が等加速度走行状態となる確率よりも第1状態が等速度走行状態となる確率の方が高くなるように設定された時間であることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係る速度検出装置は、移動体の等速度走行状態を速度情報として検出する速度検出装置であって、移動体の進行方向の加速度を検出する加速度検出部と、加速度検出部において検出された加速度が所定時間以上一定になる第1状態を等速度走行状態として検出する等速度検出部とを備え、所定時間は、第1状態が等加速度走行状態となる確率よりも第1状態が等速度走行状態となる確率の方が高くなるように設定された時間であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、速度検出装置、速度検出方法および速度検出プログラム、並びに、傾斜角度算出装置、傾斜角度算出方法および傾斜角度算出プログラムに関し、より特定的には、移動体の速度情報を検出する速度検出装置、速度検出方法および速度検出プログラム、並びに、移動体の速度情報を用いて移動体の傾斜角度を算出する傾斜角度算出装置、傾斜角度算出方法および傾斜角度算出プログラムに関する。
近年、車両に搭載され、出発地から目的地までの推奨経路に従って案内を行うナビゲーション装置が広く普及している。このナビゲーション装置では、トンネル、市街地、高架下等においてGPS(Global Positioning System)受信機が衛星からの電波を受信できない場合、加速度センサ、角速度センサおよび速度センサを含む自立センサと、走行速度に応じてパルス周期が変化する車速パルス信号とを用いて、現在位置を算出する。そして、水平面を基準とした2次元の地図上に現在位置を表示することが一般的である。
しかしながら、車両が傾斜道路を走行するときの実際の移動距離は、2次元地図上に表示される現在位置の移動距離よりも長くなる。従って、水平面を基準とした2次元の地図上に正確な現在位置を表示するためには、走行する車両の傾斜角度を算出し、算出した傾斜角度を用いて実際の移動距離を2次元地図上の移動距離に変換する必要がある。
これを実現する第1の従来技術として、自立センサおよび車速パルス信号を用いて車両に加わる加速度を算出し、算出した加速度を用いて車両の傾斜角度を算出する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。より具体的には、図12に示すように、車両1に設けられた加速度センサ21を用いて車両進行方向の加速度Axを検出し、車速パルス信号から検出される車両1の速度情報を時間で1回微分することによって、車両1の移動に伴う加速度Accを算出する。重力加速度Gの進行方向成分の加速度をAgとすると、車両進行方向の加速度Axは、ベクトル換算でAx=Acc+Agと表され、加速度Agは、Ag=Ax−Accと表される。また、車両1の傾斜角度をθとすると、sinθ=Ag/G=(Ax−Acc)/Gと表される。このため、加速度Ax、Accを算出すれば、車両1の傾斜角度θを算出することができることがわかる。その後、算出した車両1の傾斜角度θを用いて、図13に示すように、実際の移動距離dにcosθを乗算すれば、実際の移動距離を2次元地図上の移動距離に変換することができる。
また、車両の傾斜角度を算出する第2の従来技術として、車両が一定速度で走行している状態(以下、等速度走行状態と称す)での車速を車速パルス信号を用いて検出し、検出した車速を用いて車両の傾斜角度θを算出する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−253352号公報
特開平8−327378号公報
しかしながら、PND(Personal/Portable Navigation Device)のようなポータブル型のナビゲーション装置は、通常、車外へ持ち運び可能に構成されるので、その構成上、車速パルス信号の出力と簡易には接続できす、車速パルス信号を得ることが難しい。さらに、ポータブル型のナビゲーション装置は、車外で利用される場合もあり、車速パルス信号が全く得られないこともある。
このため、上記第1の従来技術では、ポータブル型のナビゲーション装置に適用した場合、車両の移動に伴う加速度Accが算出できず、車両の傾斜角度を算出できなかった。また、上記第2の従来技術においても、等速度走行状態の検出や、等速度走行状態における車速の検出ができず、車両の傾斜角度を算出できなかった。
このように、上記第1および第2の従来技術では、車速パルス信号を用いて車両の速度情報を検出しているが故に、車速パルス信号が得られないポータブル型のナビゲーション装置に適用することはできなかった。
それ故、本発明は、従来の問題を解決するためになされたものであり、車速パルス信号を用いずに移動体の速度情報を検出可能な速度検出装置、並びに、検出した移動体の速度情報を利用して移動体の傾斜角度を精度よく算出可能な傾斜角度算出装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明に係る速度検出装置は、移動体の等速度走行状態を速度情報として検出する速度検出装置であって、移動体の進行方向の加速度を検出する加速度検出部と、加速度検出部において検出された加速度が所定時間以上一定になる第1状態を等速度走行状態として検出する等速度検出部とを備え、所定時間は、第1状態が等加速度走行状態となる確率よりも第1状態が等速度走行状態となる確率の方が高くなるように設定された時間であることを特徴とする。
以上の構成により、車速パルス信号を用いずに移動体の等速度走行状態を精度よく検出することができる。
好ましくは、等速度検出部は、さらに、第1状態における加速度の値に応じた所定の許容範囲内で加速度が一定になる第2状態を等速度走行状態として検出するとよい。
なお、一定になる加速度は、加速度検出部の雑音成分に応じた範囲で変動していてもよいし、所定時間は、2秒以上であってもよい。
また本発明は、傾斜角度算出装置にも向けられており、本発明に係る傾斜角度算出装置は、移動体の等速度走行状態を示す速度情報を用いて当該移動体の傾斜角度を算出する傾斜角度算出装置であって、移動体の進行方向の加速度を検出する加速度検出部と、加速度検出部において検出された加速度が所定時間以上一定になる第1状態を等速度走行状態として検出する等速度検出部と、等速度検出部において検出された等速度走行状態における加速度に基づいて、傾斜角度を算出する傾斜角度算出部とを備え、所定時間は、第1状態が等加速度走行状態となる確率よりも第1状態が等速度走行状態となる確率の方が高くなるように設定された時間であることを特徴とする。
以上の構成により、等速度検出部において、車速パルス信号を用いずに移動体の等速度走行状態が精度よく検出されるので、傾斜角度を精度よく算出することができる。
好ましくは、傾斜角度算出部は、等速度検出部において検出された等速度走行状態における加速度の平均値を移動体の重力加速度で除算した結果を逆正弦関数で演算処理することにより、傾斜角度を算出するとよい。
また好ましくは、進行方向に対し垂直な移動体の側方向を軸として当該軸回りの角速度を検出する角速度検出部と、角速度検出部において検出された角速度を時間積分して傾斜角度の変化量を算出する角速度積分部と、等速度検出部において等速度走行状態が検出されたとき、検出された等速度走行状態における加速度に基づいて傾斜角度の推定値を算出する推定値算出部と、傾斜角度算出部において設定される傾斜角度の初期値を、推定値算出部において算出された推定値に補正する傾斜角度補正部とをさらに備え、傾斜角度算出部は、傾斜角度補正部において補正された傾斜角度の初期値と、角速度積分部において算出された傾斜角度の変化量とを加算することにより、傾斜角度を算出するとよい。
この場合においてさらに、角速度検出部において検出された角速度を所定の角速度補正値を用いて補正し、補正した角速度を角速度積分部へ出力する角速度補正部をさらに備え、角速度補正部は、所定の角速度補正値を、推定値算出部において算出された推定値と傾斜角度算出部において算出された傾斜角度との差分値に応じた値に更新するとよい。
また好ましくは、進行方向に対し垂直な移動体の側方向を軸として当該軸回りの角速度を検出する角速度検出部と、角速度検出部において検出された角速度を所定の角速度補正値を用いて補正する角速度補正部と、角速度補正部において補正された角速度を時間積分して傾斜角度の変化量を算出する角速度積分部と、等速度検出部において等速度走行状態が検出されたとき、検出された等速度走行状態における加速度に基づいて傾斜角度の推定値を算出する推定値算出部と、傾斜角度算出部は、前回算出した傾斜角度を初期値として、当該初期値と角速度積分部において算出された傾斜角度の変化量とを加算することにより、傾斜角度を算出しており、角速度補正部は、所定の角速度補正値を、推定値算出部において算出された推定値と傾斜角度算出部において算出された傾斜角度との差分値に応じた値に更新するとよい。
なお、推定値算出部は、等速度検出部において検出された等速度走行状態における加速度の平均値を移動体の重力加速度で除算した結果を逆正弦関数で演算処理することにより、傾斜角度の推定値を算出するようにしてもよい。
また本発明は、速度検出方法にも向けられており、本発明に係る速度検出方法は、移動体の等速度走行状態を速度情報として検出する速度検出方法であって、移動体の進行方向の加速度を検出する加速度検出ステップと、加速度検出ステップにおいて検出された加速度が所定時間以上一定になる第1状態を等速度走行状態として検出する等速度検出ステップとを含み、所定時間は、第1状態が等加速度走行状態となる確率よりも第1状態が等速度走行状態となる確率の方が高くなるように設定された時間であることを特徴とする。
また本発明は、速度検出プログラムにも向けられており、本発明に係る速度検出プログラムは、移動体の等速度走行状態を速度情報として検出する速度検出処理をコンピュータに実行させるための速度検出プログラムであって、移動体の進行方向の加速度を検出する加速度検出ステップと、加速度検出ステップにおいて検出された加速度が所定時間以上一定になる第1状態を等速度走行状態として検出する等速度検出ステップとを、コンピュータに実行させ、所定時間は、第1状態が等加速度走行状態となる確率よりも第1状態が等速度走行状態となる確率の方が高くなるように設定された時間であることを特徴とする、速度検出プログラムである。
また本発明は、傾斜角度算出方法にも向けられており、本発明に係る傾斜角度算出方法は、移動体の等速度走行状態を示す速度情報を用いて当該移動体の傾斜角度を算出する傾斜角度算出方法であって、移動体の進行方向の加速度を検出する加速度検出ステップと、加速度検出ステップにおいて検出された加速度が所定時間以上一定になる第1状態を等速度走行状態として検出する等速度検出ステップと、等速度検出ステップにおいて検出された等速度走行状態における加速度に基づいて、傾斜角度を算出する傾斜角度算出ステップとを含み、所定時間は、第1状態が等加速度走行状態となる確率よりも第1状態が等速度走行状態となる確率の方が高くなるように設定された時間であることを特徴とする。
また本発明は、傾斜角度算出プログラムにも向けられており、本発明に係る傾斜角度算出プログラムは、移動体の速度情報である等速度走行状態を利用して移動体の傾斜角度を算出する傾斜角度算出処理をコンピュータに実行させる傾斜角度算出プログラムであって、移動体の進行方向の加速度を検出する加速度検出ステップと、加速度検出ステップにおいて検出された加速度が所定時間以上一定になる第1状態を等速度走行状態として検出する等速度検出ステップと、等速度検出ステップにおいて検出された等速度走行状態における加速度に基づいて、傾斜角度を算出する傾斜角度算出ステップとを、コンピュータに実行させ、所定時間は、第1状態が等加速度走行状態となる確率よりも第1状態が等速度走行状態となる確率の方が高くなるように設定された時間であることを特徴とする、傾斜角度算出プログラムである。
本発明によれば、車速パルス信号を用いずに移動体の速度情報を検出可能な速度検出装置、並びに、検出した移動体の速度情報を利用して移動体の傾斜角度を精度よく算出可能な傾斜角度算出装置を提供することができる。
(実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る速度検出装置および傾斜角度算出装置について具体的に説明する。なお、本実施形態では、速度検出装置および傾斜角度算出装置を備えるナビゲーション装置が、例えば移動体である自動車などの車両に搭載される場合を例に挙げて説明する。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る速度検出装置および傾斜角度算出装置について具体的に説明する。なお、本実施形態では、速度検出装置および傾斜角度算出装置を備えるナビゲーション装置が、例えば移動体である自動車などの車両に搭載される場合を例に挙げて説明する。
まず図1を参照して、本発明の実施形態に係る速度検出装置および傾斜角度算出装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る速度検出装置2および傾斜角度算出装置3の構成を示すブロック図である。
<速度検出装置2の構成>
図1において、速度検出装置2は、車両の等速度走行状態を速度情報として検出する装置であり、加速度センサ21と等速度検出部22とを備える。
図1において、速度検出装置2は、車両の等速度走行状態を速度情報として検出する装置であり、加速度センサ21と等速度検出部22とを備える。
加速度センサ21は、車両進行方向の加速度を検出する加速度検出部であり、例えば圧電型やサーボ型等の加速度検出装置によって構成されている。加速度センサ21は、図2に示すように、車両座標系におけるXb軸方向の加速度を検出する。図2は、車両座標系を示した図である。図2において、Xb軸は車両1の進行方向を示す軸であり、Yb軸は車両1の右側方向を示す軸であり、Zb軸はXb−Yb軸平面に対して垂直下方向を示す軸である。そしてこれらXb軸、Yb軸、Zb軸からなる座標系を、車両座標系とする。加速度センサ21で検出された加速度は、車両進行方向の加速度であり、図12に示した加速度Axと同じものである。加速度センサ21で検出された加速度Axは、等速度検出部22へ出力される。
等速度検出部22は、加速度センサ21からの加速度Axを蓄積し、蓄積した加速度Axに基づいて、車両の等速度走行状態を検出する。検出結果は、傾斜角度算出装置3へ出力される。
ここで、本発明者は、図3に示すように、一般的な傾斜道路が傾斜角度一定である複数の所定区間で構成されていることを新たに発見した。図3は、車両1が一般的な傾斜道路4を走行している様子と、そのときの加速度Axの時間特性の一例を示した図である。図3の例では、傾斜道路4は、位置X1から位置X2までの第1区間、位置X2から位置X3までの第2区間、位置X3から位置X4までの第3区間で構成されている。第1区間における傾斜角度はθ1で一定となり、第2区間における傾斜角度はθ2で一定となり、第3区間における傾斜角度はθ1で一定となっている。
加速度センサ21が検出する加速度Axは、車両の移動に伴う加速度Accと、重力加速度Gの進行方向成分の加速度Ag(=Gsinθ)のベクトル和(Acc+Ag)で表される。そして車両の走行状態が等速度走行状態であるとき、加速度Accは「0」となるため、加速度Axは、加速度Agのみとなる。したがって、上記発見により、第1区間で車両の走行状態が等速度走行状態になったとき、加速度Axと等しくなる加速度AgがGsinθ1で一定になることがわかる。同様に、車両の走行状態が等速度走行状態であるとき、第2区間では、加速度AgがGsinθ2で一定となり、第3区間では、加速度AgがGsinθ1で一定となることがわかる。このため、図3に示す加速度Axの時間特性の一例に示すように、S1が第1区間における車両の等速度走行状態を示し、S2が第2区間における車両の等速度走行状態を示し、S3が第3区間における車両の等速度走行状態を示すことがわかる。
また、本発明者は、傾斜道路の隣り合う所定区間の傾斜角度の差は小さく、その差は1[deg]未満であることを新たに発見した。図3の例でいえば、傾斜角度θ1と傾斜角度θ2との差が1[deg]未満となっている。
また、本発明者は、通常、車両の等速度走行状態は、所定時間以上継続することがあるが、車両の等加速度走行状態は、当該所定時間以上は継続しないことを新たに発見した。所定時間は、例えば5[sec]以上である。
等速度検出部22の検出処理は、これらの発見に基づいて構築されたものである。具体的な等速度検出部22の検出処理については、後述する。
<傾斜角度算出装置3の構成>
図1において、傾斜角度算出装置3は、角速度センサ31と、角速度補正部32と、角速度積分部33と、傾斜角度算出部34と、推定値算出部35と、推定値格納部36と、傾斜角度補正部37とを備える。
図1において、傾斜角度算出装置3は、角速度センサ31と、角速度補正部32と、角速度積分部33と、傾斜角度算出部34と、推定値算出部35と、推定値格納部36と、傾斜角度補正部37とを備える。
角速度センサ31は、角速度を検出する角速度検出部であり、例えば振動ジャイロや光ファイバジャイロ等のジャイロ装置によって構成される。角速度センサ31は、少なくともYb軸回りの角速度を検出する。以下では、角速度センサ31で検出された角速度をWyとする。角速度Wyは、常に角速度補正部32へ出力されている。
角速度補正部32は、式(1)に示すように、角速度センサ31からの角速度Wyに角速度補正値αを加え、角速度Wyを^Wyに補正する。これにより、角速度^Wyは、角速度センサ31の固有の誤差が補正された真の角速度Wyの推定値となる。角速度^Wyは、常に角速度積分部33へ出力されている。なお、添え字である「^」は、図面上では対象記号の上に記載しているが、本明細書上(数式は除く)では都合上、対象記号の前に記載している。
また角速度補正部32は、傾斜角度補正部37から傾斜角度の誤差δθと傾斜角度の補正時間kとが出力されたとき、式(2)に基づいて角速度補正値αを算出する。角速度補正部32は、式(1)で用いる角速度補正値αを、算出した角速度補正値αに更新する。なお、傾斜角度の誤差δθと傾斜角度の補正時間kの詳細は、後述する。
角速度積分部33は、式(3)に示すように、角速度補正部32からの角速度^Wyを更新時間Δt毎に更新時間Δtで時間積分して、傾斜角度の変化量Δθを算出する。変化量Δθは、傾斜角度算出部34へ出力される。
推定値算出部35は、等速度検出部22で等速度走行状態が検出される度に、式(5)に示すように、等速度検出部22に蓄積された加速度Axに基づいて、傾斜角度推定値^θを算出する。なお、式(5)において、|Ax|は、例えば、検出された等速度走行状態が継続していた時間内に等速度検出部22に蓄積された加速度Axの平均値である。また、|G|は、車両の重力加速度Gのスカラー値である。
また推定値格納部36には、推定値算出部35で算出された傾斜角度推定値^θとフラグとが関連づけられて格納されている。推定値算出部35は、算出した傾斜角度推定値^θを推定値格納部36に格納する、または、推定値格納部36に格納された傾斜角度推定値^θを、算出した傾斜角度推定値^θに更新する。推定値算出部35は、傾斜角度推定値^θを格納又は更新したとき、推定値格納部36のフラグを立てる、つまりオンさせる。
傾斜角度補正部37は、傾斜角度算出部34に設定されている傾斜角度の初期値θ0を補正するために、推定値格納部36を参照してフラグのオン/オフを更新時間Δt毎に確認する。フラグがオンである場合、傾斜角度補正部37は、初期値θ0を、推定値格納部36に格納された傾斜角度推定値^θに補正する。一方、フラグがオフである場合、傾斜角度補正部37は、初期値θ0を、傾斜角度算出部34が算出した傾斜角度θに設定する。
また傾斜角度補正部37は、フラグがオンである場合、式(6)に示すように、傾斜角度算出部34が算出した傾斜角度θと、推定値格納部36に格納された傾斜角度推定値^θとを用いて、傾斜角度の誤差δθを算出する。
また傾斜角度補正部37は、算出した傾斜角度の誤差δθと、傾斜角度の補正時間kを角速度補正部32へ出力する。その後、傾斜角度補正部37は、推定値格納部36のフラグをオフさせる。補正時間kは、傾斜角度補正部37が初期値θ0を傾斜角度推定値^θに補正した第1タイミングから、第1タイミングの次に傾斜角度補正部37が初期値θ0を傾斜角度推定値^θに補正した第2タイミングまでの時間を示す。
<速度検出装置2の処理動作>
図4を参照して、速度検出装置2の速度情報検出処理について説明する。図4は、速度検出装置2の速度情報検出処理の流れを示したフローチャートである。
図4を参照して、速度検出装置2の速度情報検出処理について説明する。図4は、速度検出装置2の速度情報検出処理の流れを示したフローチャートである。
図4において、速度検出装置2の速度情報検出処理が開始すると、等速度検出部22は、加速度センサ21で検出された加速度Axを例えば10[ms]でサンプリングしながら蓄積する(ステップS11)。ステップS11の次に、等速度検出部22は、第1所定時間δt1以上、加速度Axを蓄積したか否かを判定する(ステップS12)。第1所定時間δt1は、例えば1[sec]である。第1所定時間δt1以上蓄積した場合(ステップS12でYes)、処理はステップS13へ進む。
ステップS13において、等速度検出部22は、第1所定時間δt1の間、加速度Axが一定であったか否かを判断する。具体的には、等速度検出部22は、現在のタイミングから第1所定時間δt1だけ過去に溯ったタイミングまでの間に蓄積した加速度Axのすべてのサンプリングデータが、許容値L1の範囲内であるか否かを判断する。許容値L1は、例えば加速度センサ21に含まれる雑音成分のピークトゥピークである。このような許容値L1を用いて、ステップS13の処理を行うことにより、加速度Axが一定であることを検出できる。加速度Axが一定であった場合(ステップS13でYes)、処理はステップS14へ進む。一方、加速度Axが一定でなかった場合(ステップS13でNo)、ステップS18において、蓄積していた加速度Axがリセットされた後、処理はステップS11へ戻る。なお、ステップS13の処理の様子を図5に示す。図5に示すように、ステップS13でYesと判定されるタイミングは、T2、T4、T6、T8となる。T1は、T2から第1所定時間δt1だけ過去に溯ったタイミングであり、T3は、T4から第1所定時間δt1だけ過去に溯ったタイミングであり、T5は、T6から第1所定時間δt1だけ過去に溯ったタイミングであり、T7は、T8から第1所定時間δt1だけ過去に溯ったタイミングである。
このように、ステップS13の処理は、図3で説明したように、車両の走行状態が等速度走行状態であるとき、加速度Axが加速度Agと等しくなり、加速度Agは一定となることを利用したものである。
しかしながら、車両の走行状態が等加速度走行状態(図5のS4)であるとき、車両の移動に伴う加速度Accが「0」以外の値で一定となり、加速度Axも一定となる。このため、等速度走行状態を検出する頻度を多くするために、第1所定時間δt1をより短時間に設定していくと、誤って等加速度状態を検出してしまう可能性がある。そこで、「車両の等速度走行状態は、所定時間(例えば5[sec])以上継続することがあるが、車両の等加速度走行状態は、当該所定時間以上は継続しないこと」を利用して、この所定時間に相当する第2所定時間δt2を導入し、以降のステップS14〜S17の処理を行う。
ステップS14において、等速度検出部22は、現在のタイミングから第2所定時間δt2を第1所定時間δt1で減算した時間(δt2−δt1)だけ経過する前に、加速度Axが許容値L1の範囲外になるか否かを判定する。
加速度Axが許容値L1の範囲内である場合(ステップS14でNo)、蓄積した第2所定時間δt2分の加速度Axから基準値を算出して更新した後(ステップS15)、車両の等速度走行状態を検出する(ステップS16)。基準値は、例えば蓄積した第2所定時間δt2分の加速度Axの平均値である。上述したように、加速度Axが一定となる状態が第2所定時間δt2以上継続するのは、等速度走行状態だけである。よって、ステップS14の処理により、車両の等速度走行状態のみを検出することができる。図6は、ステップS14以降の処理の様子を示した図である。図6に示すように、ステップS14でNoと判定されるタイミングは、Ta1、Ta3となる。ステップS16の次に、蓄積していた加速度Axはリセットされ(ステップS18)、処理はステップS11へ戻る。
加速度Axが許容値L1の範囲外である場合(ステップS14でYes)、等速度検出部22は、加速度Axが許容値L1の範囲内であった間の加速度Axの平均値が許容値L2の範囲内であるか否かを判定する(ステップS17)。許容値L2は、ステップS15で算出された基準値に基づいて決定される。上述したように、一般的な傾斜道路では、隣り合う所定区間の傾斜角度の差は小さく、その差は1[deg]未満である。これを利用して、許容値L2は、例えば式(7)に示すように決定される。なお、eは、ステップS15で算出された基準値であり、|Ax|は、加速度Axが許容値L1の範囲内であった間の加速度Axの平均値である。
許容値L2の範囲内である場合(ステップS17でYes)、処理はステップS16へ進み、車両の等速度走行状態が検出される。許容値L2の範囲外である場合(ステップS17でNo)、ステップS18において、蓄積していた加速度Axがリセットされた後、処理はステップS11へ戻る。図6では、ステップS17でYesと判定されるタイミングは、Ta2となる。このように、許容値L2を用いてステップS17の処理を行うことにより、等加速度走行状態(図6のS4)は検出されず、等速度走行状態(図6のS2)がさらに検出されることになり、車両の等速度走行状態を精度よく検出することができる。
このように、等速度検出部22は、等加速度走行状態の継続時間より大きな第2所定時間δt2以上加速度Axが一定になる状態を、等速度走行状態として検出する。また、等速度検出部22は、検出した等速度走行状態における加速度Axの平均値に応じた許容値L2内で加速度Axが一定になる状態を、等速度走行状態としてさらに検出する。これにより、速度検出装置2は、車速パルス信号を用いずに車両の等速度走行状態を精度よく検出することができる。
<傾斜角度算出装置3の処理動作>
図7を参照して、傾斜角度算出装置3の傾斜角度推定値算出処理について説明する。図7は、傾斜角度算出装置3の傾斜角度推定値算出処理の流れを示したフローチャートである。
図7を参照して、傾斜角度算出装置3の傾斜角度推定値算出処理について説明する。図7は、傾斜角度算出装置3の傾斜角度推定値算出処理の流れを示したフローチャートである。
図7において、推定値算出部35は、等速度検出部22で等速度走行状態が検出されたか否かを判定する(ステップS21)。等速度走行状態が検出されたとき(ステップS21でYes)、推定値算出部35は、検出された等速度走行状態が継続していた時間内に等速度検出部22に蓄積された加速度Axの平均値|Ax|を算出する(ステップS22)。ステップS22の次に、推定値算出部35は、式(5)に基づいて、傾斜角度推定値^θを算出する(ステップS23)。ステップS23の次に、推定値算出部35は、算出した傾斜角度推定値^θを推定値格納部36に格納する、または、推定値格納部36に格納された傾斜角度推定値^θを、算出した傾斜角度推定値^θに更新する(ステップS24)。ステップS24の次に、推定値算出部35は、推定値格納部36のフラグをオンさせる(ステップS25)。ステップS25の後、処理はステップS21へ戻る。
このように、傾斜角度算出装置3の傾斜角度推定値算出処理は、等速度検出部22で等速度走行状態が検出される度に行われる。
次に、図8を参照して、傾斜角度算出装置3の傾斜角度補正処理について説明する。図8は、傾斜角度算出装置3の傾斜角度補正処理の流れを示したフローチャートである。
図8において、傾斜角度算出装置3の傾斜角度補正処理が開始すると、角速度積分部33は、更新時間Δt経過したか否かを判定する(ステップS31)。更新時間Δt経過した場合(ステップS31でYes)、角速度積分部33は、式(3)に基づいて角速度補正部32からの角速度^Wyを更新時間Δtで時間積分して、傾斜角度の変化量Δθを算出する(ステップS32)。ステップS32の次に、傾斜角度算出部34は、式(4)に基づいて、設定された初期値θ0に角速度積分部33からの変化量Δθを加え、傾斜角度θを算出する(ステップS33)。ステップS33の次に、傾斜角度補正部37は、推定値格納部36を参照してフラグのオンしているか否かを判定する(ステップS34)。
フラグがオンしている場合(ステップS34でYes)、傾斜角度補正部37は、傾斜角度算出部34に設定された初期値θ0を、推定値格納部36に格納された傾斜角度推定値^θに補正する(ステップS35)。ステップS35の次に、傾斜角度補正部37は、式(6)に基づき、ステップS33で算出した傾斜角度θと、推定値格納部36に格納された傾斜角度推定値^θとを用いて、傾斜角度の誤差δθを算出する(ステップS36)。ステップS36の次に、傾斜角度補正部37は、算出した傾斜角度の誤差δθと、傾斜角度の補正時間kを角速度補正部32へ出力する(ステップS37)。ステップS37の次に、傾斜角度補正部37は、推定値格納部36のフラグをオフさせる(ステップS38)。ステップS38の次に、角速度補正部32は、ステップS37で出力された傾斜角度の誤差δθと傾斜角度の補正時間kとを式(2)に代入して角速度補正値αを算出することにより、角速度補正値αを更新する(ステップS39)。その後、処理はステップ31へ戻る。
一方、フラグがオフしている場合(ステップS34でNo)、傾斜角度補正部37は、傾斜角度算出部34に設定された初期値θ0を、ステップS33で算出した傾斜角度θに設定する(ステップS40)。その後、処理はステップ31へ戻る。
図9は、傾斜角度算出装置3の傾斜角度補正処理を行って傾斜角度を補正した場合と、傾斜角度を補正しない場合の傾斜角度算出装置3で生じる傾斜角度の誤差の時間的特性を示した図である。図9のTa1〜Ta4は、速度検出装置2の等速度検出部22が等速度走行状態を検出するタイミングを示している。図9のΔtは、傾斜角度算出装置3の傾斜角度補正処理の更新時間である。図9では、推定値格納部36のフラグのオン/オフの様子が示されている。
図9に示すように、傾斜角度を補正しない場合、傾斜角度の誤差は、時間の経過とともに増大していく、つまり累積的に増大する。これは、角速度センサ31の出力に、装置固有のバイアス(一定値の部分)あるいはドリフト(温度変化等で出力に余分なオフセットが印加される現象)による誤差が含まれるためである。
これに対し、傾斜角度算出装置3の傾斜角度補正処理では、更新時間Δt毎に、角速度補正値αで補正した角速度を時間積分した値を初期値に加えることにより、車両の傾斜角度を算出している。そして、等速度走行状態が検出されたタイミング(Ta1〜Ta4)でフラグがオンした場合には、初期値を、推定値格納部36に格納された傾斜角度推定値^θに補正している。これにより、傾斜角度の誤差は累積的に増大せず、傾斜角度を精度よく算出することができる。また、角速度センサ自体の誤差を角速度補正値αで補正しているので、傾斜角度を補正した後の誤差の増加度合い(つまり傾き)を小さくすることができる。したがって図9に示すように、Ta1〜Ta2間の誤差の傾き、Ta2〜Ta3間の誤差の傾き、Ta3〜Ta4間の誤差の傾きのそれぞれが、Ta1以前の誤差の傾きよりも小さくなっている。
ここで、傾斜角度の誤差の累積的な増大を抑えるために、GPS(Global Positioning System)受信機の出力を用いることも考えられる。しかしながら、この方法では、車両のヨー方向に係る角速度センサのバイアスあるいはドリフトを補正することはできても、車両のピッチ方向の補正を精度よく行うことは難しい。このため、傾斜角度の累積的な増大を抑えることは難しい。
また、傾斜角度の誤差の累積的な増大を抑えるために、加速度センサにより検出した車両進行方向の加速度Axを、所定のカットオフ周波数を有するローパスフィルタで処理することにより、重力加速度の進行方向成分の加速度Agを推定する従来技術も存在している。この従来技術では、角速度センサの角速度から算出された傾斜角度を、推定した加速度Agから求められる傾斜角度で補正している。
図10は、上記従来技術で傾斜角度を補正した場合と、傾斜角度を補正しない場合の傾斜角度算出装置で生じる傾斜角度の誤差の時間的特性を示した図である。図9で説明した通り、傾斜角度を補正しない場合、傾斜角度の誤差は累積的に増大する。しかしながら、傾斜角度を補正した場合、推定タイミングTb1〜Tb4毎に、推定した加速度Agから求められる傾斜角度で傾斜角度が補正されるので、傾斜角度の誤差が抑えられていることがわかる。
しかしながら、上記従来技術を適用した傾斜角度算出装置では、重力加速度の進行方向成分の加速度Agが、車両進行方向の加速度Axをローパスフィルタで処理することにより推定されている。このため、加速度Agの推定精度はローパスフィルタでのフィルタ処理に依存することになる。すなわち、加速度Axには、車両の移動に伴う加速度Accが含まれるため、その加速度Accをフィルタ処理で完全に取り除き、重力加速度成分の加速度Agのみを抽出する必要がある。ところが、車両の移動に伴う加速度Accは、ユーザの運転操作によって大きく変化する。このため、加速度Accの変化に合わせたフィルタの設計は、複雑かつ困難であり、加速度Axから加速度Accを容易に完全に取り除くことができない。このため、上記従来技術を適用した傾斜角度算出装置では、図10に示すように、推定した加速度Agを用いて傾斜角度を補正しても、傾斜角度の誤差は、加速度Agの推定誤差以下にはならないという問題がある。
一方、本発明の実施形態に係る傾斜角度算出装置3では、図9に示したように、傾斜角度の誤差をほぼ「0」に補正することができる。さらに、傾斜角度算出装置3では、角速度センサ自体の誤差を角速度補正値αで補正しているので、傾斜角度を補正した後の誤差の増加度合いを小さくすることができる。
以上のように、本実施形態に係る速度検出装置2によれば、車速パルス信号を用いずに車両の等速度走行状態を精度よく検出することができる。また、本実施形態に係る傾斜角度算出装置3によれば、傾斜角度を精度よく算出することができるとともに、傾斜角度を補正した後の誤差の増加度合いを小さくすることができる。さらに、本実施形態に係る速度検出装置2および傾斜角度算出装置3によれば、ナビゲーション装置がポータブル型であっても、車両の等速度走行状態を精度よく検出することができるとともに、検出した車両の等速度走行状態を利用して傾斜角度を精度よく算出することができる。
なお、上述では、第2所定時間δt2を等加速度走行状態の継続時間より大きな時間(例えば5秒)以上としたが、これに限定されない。第2所定時間δt2は、少なくとも、図4のステップS14で判定する加速度Ax一定の状態が実際に等加速度走行状態となる確率よりも、等速度走行状態となる確率の方が高くなるように設定された時間であればよい。これにより、第2所定時間δt2を用いない場合と比べて、等速度走行状態をより精度よく検出することができる。図11は、第2所定時間δt2を用いた等速度走行状態判定の正解判定率を示した図である。正解判定率は、図4のステップS14で判定する加速度Ax一定の状態が実際に等速度走行状態となる確率を示す。正解判定率が50%より高いとき、加速度Ax一定の状態が実際に等加速度走行状態となる確率よりも等速度走行状態となる確率の方が高くなる。よって図11でいえば、第2所定時間δt2は例えば2秒以上に設定されてもよい。第2所定時間δt2が2秒以上に設定された場合、等加速度走行状態が誤って検出される可能性が出てくるが、図4のステップS16で等速度走行状態と検出される時間間隔が短くなるので、実用上は問題ない。なお、図11に示すように、第2所定時間δt2が3秒以上に設定された場合、正解判定率がほぼ100%になっている。よって、3秒以上は、等加速度走行状態の継続時間より大きな時間であるといえ、第2所定時間δt2が3秒以上であれば、車速パルス信号を用いる場合と同等の精度で車両の等速度走行状態を検出することができるようになる。
なお、上述した図8の処理動作では、フラグがオンしている場合(ステップS34でYes)、ステップS35において自動的に、傾斜角度の初期値θ0が傾斜角度推定値^θに補正されていたが、これに限定されない。例えば、傾斜角度の誤差δθが所定角度未満である場合、傾斜角度の初期値θ0がステップS33で算出された傾斜角度θに設定されてもよい。つまり、傾斜角度の誤差δθが所定角度未満である場合、ステップS40へ進むようにしてもよい。所定角度は例えば1[deg]である。また例えば、ステップS35において傾斜角度の初期値θ0が傾斜角度推定値^θに補正されてから所定時間経過する前にフラグが再度オンした場合、ステップS33で算出された傾斜角度θに誤差はないとして、ステップS40へ進むようにしてもよい。所定時間は例えば1[sec]である。
なお、上述した図8の処理動作では、角速度補正部32は、式(2)に基づいて角速度補正値αを算出していたが、傾斜角度の誤差δθと傾斜角度の補正時間kに基づいて角速度補正値αを学習するようにしてもよい。この場合、図9で示したTa2〜Ta3間の誤差の傾きがTa1〜Ta2間の傾きよりも小さくなり、Ta3〜Ta4間の誤差の傾きがTa2〜Ta3間の傾きよりも小さくなる。
なお、上述では、傾斜角度算出装置3が角速度センサ31を用いた処理動作を行っていたが、これに限定されない。例えば、推定値算出部35において算出された傾斜角度推定値^θそのものを傾斜角度θとして算出してもよい。この場合、傾斜角度算出装置3は、推定値算出部35と同等の機能を有する傾斜角度算出部(図示なし)のみ備えていればよい。この構成では、等速度走行状態が頻繁に検出可能な状況において傾斜角度θを精度よく算出することができる。またこの構成では、角速度センサ31などの構成部を削減できるので、傾斜角度算出装置3の低コスト化を実現できる。なお、等速度走行状態の検出タイミング間の時間が長い場合には、傾斜角度が大きく変化している可能性が高い。このような場合、上記構成においてさらに、所定時間をトリガとし、等速度走行状態の検出タイミング間の時間が所定時間よりも長い場合のみ、角速度センサ31を用いた処理動作を行うようにしてもよい。
なお、以上に説明した速度情報検出処理、傾斜角度推定値算出処理、傾斜角度算出処理は、一般的なコンピュータシステム等の情報処理装置で実現可能である。この場合、上述した速度情報検出処理、傾斜角度推定値算出処理、傾斜角度算出処理をコンピュータに実行させるプログラムを所定の情報記録媒体に格納し、当該情報記録媒体に格納されたプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、これらの処理が実現される。また、推定値格納部36は、例えば情報処理装置内のハードディスク内で構成されてもよいし、情報処理装置内のメモリや情報処理装置外の他の記録媒体で構成されてもよい。また、上記プログラムを格納する情報記録媒体は、例えば、ROMまたはフラッシュメモリのような不揮発性半導体メモリやCD−ROM、DVD、あるいはそれらに類する光学式ディスク状記録媒体である。また、プログラムを他の媒体や通信回線を通じて上記情報処理装置に供給してもかまわない。
本発明に係る速度検出装置および傾斜角度算出装置は、車速パルス信号を用いずに移動体の速度情報を検出し、検出した速度情報を利用して移動体の傾斜角度を精度よく算出可能であり、車両に搭載されるナビゲーション装置等に適用される。
1 車両
2 速度検出装置
21 加速度センサ
22 等速度検出部
3 傾斜角度算出装置
31 角速度センサ
32 角速度補正部
33 角速度積分部
34 傾斜角度算出部
35 推定値算出部
36 推定値格納部
37 傾斜角度補正部
4 傾斜道路
2 速度検出装置
21 加速度センサ
22 等速度検出部
3 傾斜角度算出装置
31 角速度センサ
32 角速度補正部
33 角速度積分部
34 傾斜角度算出部
35 推定値算出部
36 推定値格納部
37 傾斜角度補正部
4 傾斜道路
Claims (17)
- 移動体の等速度走行状態を速度情報として検出する速度検出装置であって、
前記移動体の進行方向の加速度を検出する加速度検出部と、
前記加速度検出部において検出された加速度が所定時間以上一定になる第1状態を前記等速度走行状態として検出する等速度検出部とを備え、
前記所定時間は、前記第1状態が等加速度走行状態となる確率よりも前記第1状態が前記等速度走行状態となる確率の方が高くなるように設定された時間であることを特徴とする、速度検出装置。 - 前記等速度検出部は、さらに、前記第1状態における加速度の値に応じた所定の許容範囲内で前記加速度が一定になる第2状態を前記等速度走行状態として検出することを特徴とする、請求項1に記載の速度検出装置。
- 一定になる前記加速度は、前記加速度検出部の雑音成分に応じた範囲で変動していることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の速度検出装置。
- 前記所定時間は、2秒以上であることを特徴とする、請求項1に記載の速度検出装置。
- 移動体の等速度走行状態を示す速度情報を用いて当該移動体の傾斜角度を算出する傾斜角度算出装置であって、
前記移動体の進行方向の加速度を検出する加速度検出部と、
前記加速度検出部において検出された加速度が所定時間以上一定になる第1状態を前記等速度走行状態として検出する等速度検出部と、
前記等速度検出部において検出された等速度走行状態における前記加速度に基づいて、前記傾斜角度を算出する傾斜角度算出部とを備え、
前記所定時間は、前記第1状態が等加速度走行状態となる確率よりも前記第1状態が前記等速度走行状態となる確率の方が高くなるように設定された時間であることを特徴とする、傾斜角度算出装置。 - 前記等速度検出部は、さらに、前記第1状態における加速度の値に応じた所定の許容範囲内で前記加速度が一定になる第2状態を前記等速度走行状態として検出することを特徴とする、請求項5に記載の傾斜角度算出装置。
- 一定になる前記加速度は、前記加速度検出部の雑音成分に応じた範囲で変動していることを特徴とする、請求項5または請求項6に記載の速度検出装置。
- 前記所定時間は、2秒以上であることを特徴とする、請求項5に記載の速度検出装置。
- 前記傾斜角度算出部は、前記等速度検出部において検出された等速度走行状態における前記加速度の平均値を前記移動体の重力加速度で除算した結果を逆正弦関数で演算処理することにより、前記傾斜角度を算出することを特徴とする、請求項5に記載の傾斜角度算出装置。
- 前記進行方向に対し垂直な前記移動体の側方向を軸として当該軸回りの角速度を検出する角速度検出部と、
前記角速度検出部において検出された角速度を時間積分して前記傾斜角度の変化量を算出する角速度積分部と、
前記等速度検出部において等速度走行状態が検出されたとき、検出された等速度走行状態における前記加速度に基づいて前記傾斜角度の推定値を算出する推定値算出部と、
前記傾斜角度算出部において設定される傾斜角度の初期値を、前記推定値算出部において算出された推定値に補正する傾斜角度補正部とをさらに備え、
前記傾斜角度算出部は、前記傾斜角度補正部において補正された傾斜角度の初期値と、前記角速度積分部において算出された前記傾斜角度の変化量とを加算することにより、前記傾斜角度を算出することを特徴とする、請求項5に記載の傾斜角度算出装置。 - 前記角速度検出部において検出された角速度を所定の角速度補正値を用いて補正し、補正した角速度を前記角速度積分部へ出力する角速度補正部をさらに備え、
前記角速度補正部は、前記所定の角速度補正値を、前記推定値算出部において算出された推定値と前記傾斜角度算出部において算出された傾斜角度との差分値に応じた値に更新することを特徴とする、請求項10に記載の傾斜角度算出装置。 - 前記進行方向に対し垂直な前記移動体の側方向を軸として当該軸回りの角速度を検出する角速度検出部と、
前記角速度検出部において検出された角速度を所定の角速度補正値を用いて補正する角速度補正部と、
前記角速度補正部において補正された角速度を時間積分して前記傾斜角度の変化量を算出する角速度積分部と、
前記等速度検出部において等速度走行状態が検出されたとき、検出された等速度走行状態における前記加速度に基づいて前記傾斜角度の推定値を算出する推定値算出部と、
前記傾斜角度算出部は、前回算出した傾斜角度を初期値として、当該初期値と前記角速度積分部において算出された前記傾斜角度の変化量とを加算することにより、前記傾斜角度を算出しており、
前記角速度補正部は、前記所定の角速度補正値を、前記推定値算出部において算出された推定値と前記傾斜角度算出部において算出された傾斜角度との差分値に応じた値に更新することを特徴とする、請求項5に記載の傾斜角度算出装置。 - 前記推定値算出部は、前記等速度検出部において検出された等速度走行状態における前記加速度の平均値を前記移動体の重力加速度で除算した結果を逆正弦関数で演算処理することにより、前記傾斜角度の推定値を算出することを特徴とする、請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の傾斜角度算出装置。
- 移動体の等速度走行状態を速度情報として検出する速度検出方法であって、
前記移動体の進行方向の加速度を検出する加速度検出ステップと、
前記加速度検出ステップにおいて検出された加速度が所定時間以上一定になる第1状態を前記等速度走行状態として検出する等速度検出ステップとを含み、
前記所定時間は、前記第1状態が等加速度走行状態となる確率よりも前記第1状態が前記等速度走行状態となる確率の方が高くなるように設定された時間であることを特徴とする、速度検出方法。 - 移動体の等速度走行状態を速度情報として検出する速度検出処理をコンピュータに実行させるための速度検出プログラムであって、
前記移動体の進行方向の加速度を検出する加速度検出ステップと、
前記加速度検出ステップにおいて検出された加速度が所定時間以上一定になる第1状態を前記等速度走行状態として検出する等速度検出ステップとを、前記コンピュータに実行させ、
前記所定時間は、前記第1状態が等加速度走行状態となる確率よりも前記第1状態が前記等速度走行状態となる確率の方が高くなるように設定された時間であることを特徴とする、速度検出プログラム。 - 移動体の等速度走行状態を示す速度情報を用いて当該移動体の傾斜角度を算出する傾斜角度算出方法であって、
前記移動体の進行方向の加速度を検出する加速度検出ステップと、
前記加速度検出ステップにおいて検出された加速度が所定時間以上一定になる第1状態を前記等速度走行状態として検出する等速度検出ステップと、
前記等速度検出ステップにおいて検出された等速度走行状態における前記加速度に基づいて、前記傾斜角度を算出する傾斜角度算出ステップとを含み、
前記所定時間は、前記第1状態が等加速度走行状態となる確率よりも前記第1状態が前記等速度走行状態となる確率の方が高くなるように設定された時間であることを特徴とする、傾斜角度算出方法。 - 移動体の速度情報である等速度走行状態を利用して移動体の傾斜角度を算出する傾斜角度算出処理をコンピュータに実行させる傾斜角度算出プログラムであって、
前記移動体の進行方向の加速度を検出する加速度検出ステップと、
前記加速度検出ステップにおいて検出された加速度が所定時間以上一定になる第1状態を前記等速度走行状態として検出する等速度検出ステップと、
前記等速度検出ステップにおいて検出された等速度走行状態における前記加速度に基づいて、前記傾斜角度を算出する傾斜角度算出ステップとを、前記コンピュータに実行させ、
前記所定時間は、前記第1状態が等加速度走行状態となる確率よりも前記第1状態が前記等速度走行状態となる確率の方が高くなるように設定された時間であることを特徴とする、傾斜角度算出プログラム。
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Cited By (2)
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CN102193000A (zh) * | 2010-02-05 | 2011-09-21 | 哈曼贝克自动系统股份有限公司 | 机动车的系统与确定加速度的方法 |
JP2013095306A (ja) * | 2011-11-02 | 2013-05-20 | Yupiteru Corp | 自転車用電子システム及びプログラム |
-
2008
- 2008-04-22 JP JP2008111845A patent/JP2009264798A/ja active Pending
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