JP2017053585A - 冷凍システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧縮機10、凝縮器、室内用膨張弁17、蒸発器により冷媒回路を構成するとともに、蒸発器により冷却される複数のショーケースを備え、圧縮機10の低圧側圧力および設定圧力に基づいて圧縮機10の容量を制御するとともに、第1の周期でショーケースの温度と設定温度との偏差に基づいて設定圧力を変更する制御部31を備えた冷凍システムにおいて、制御部31は、第1の周期より長い第2の周期の範囲で、第1の周期で取得した偏差を積算してシステム偏差積算値を求め、システム偏差積算値が予め設定されたシステム管理値を超えた場合に、システム異常と判断する。
【選択図】図2
Description
本発明は、前記した事情に鑑みてなされたものであり、システムの異常を適正に判断することのできる冷凍システムを提供することを目的とするものである。
図1は、本発明に係る冷凍システムの実施形態を示す冷凍サイクルの回路図である。
冷凍システムは、室外に設置される冷凍機1と、例えば、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの店舗施設に設置される室内ユニット2とを備えている。室内ユニット2には、被冷却空間としての複数のショーケース3が設置されている。
また、冷凍機1は、凝縮器11と、室外用ファン12とを備えている。
そして、圧縮機10から凝縮器11を経て送られる冷媒は、冷媒配管19を介して、室内ユニット2の室内用電磁弁18および室内用膨張弁17を介して蒸発器15に送られ、再び、冷媒配管19を介して圧縮機10に戻されるサイクルとされている。
冷凍機1の外部には、外気温を検出する外気温センサ23が設けられている。
図2は本発明の冷凍システムの制御構成を示すブロック図である。図2に示すように、統合コントローラ30は、所定の制御や演算処理などを総括して行うための制御部31と、所定の情報を記憶する記憶部32と、報知部33と、を備えている。
制御部31は、冷凍機1の低圧センサ20、高圧センサ21、吐出温度センサ22、外気温センサ23からの情報を取得する冷凍機情報取得部34と、ショーケース3の庫内温度センサ24、入口温度センサ25、出口温度センサ26からの情報を取得するショーケース情報取得部35とを備えており、制御部31は、これら冷凍機情報取得部34およびショーケース情報取得部35で取得した情報に基づいてシステムの状態を判断するように構成されている。
さらに、制御部31は、システムの状態を判断し、その判断の結果に基づいて、システムの運転条件を設定して、冷凍機1およびショーケース3に出力する設定条件出力部37を備えている。
また、記憶部32は、履歴記憶部36を備えている。記憶部32には、例えば、後述するシステム管理値や個別管理値などの情報が記憶されている。
また、冷凍機制御部38は、冷凍機出力部40から出力される低圧センサ20、高圧センサ21、吐出温度センサ22および外気温センサ23の検出値を統合コントローラ30の冷凍機情報取得部34に送るように構成されている。
冷凍機制御部38は、冷凍機出力部40の低圧センサ20、高圧センサ21、吐出温度センサ22および外気温センサ23から出力される検出値および設定条件出力部37から送られる設定条件に基づいて、圧縮機10および室外用ファン12の動作を制御するように構成されている。
また、ショーケース制御部39は、ショーケース出力部41から出力される庫内温度センサ24、入口温度センサ25および出口温度センサ26の検出値を統合コントローラのショーケース情報取得部35に送るように構成されている。
ショーケース制御部39は、ショーケース出力部41の庫内温度センサ24、入口温度センサ25および出口温度センサ26から出力される検出値および設定条件出力部37から送られる設定条件に基づいて、室内用ファン16および室内用膨張弁17の動作を制御するように構成されている。
そして、制御部31は、前述の各検出値に基づいて、システムの情報を判断し、判断結果に基づいてシステムの運転条件を設定し、設定条件出力部37により、冷凍機制御部38およびショーケース制御部39に送る。冷凍機制御部38およびショーケース制御部39は、設定条件出力部37から送られる設定条件に基づいて、ショーケース3の庫内温度が設定温度となるように、圧縮機10、室外用ファン12、室内用ファン16および各室内用膨張弁17を駆動制御するものである。
ショーケース情報取得部35は、例えば、10秒間隔など所定の周期で庫内温度センサ24により、ショーケース3の庫内温度を取得するものである。
制御部31は、取得した温度情報に基づいて、第1の周期ごとに移動平均温度TPを求める。ここで、第1の周期は、任意に設定することができるものであるが、例えば、15分とされる。また、移動平均温度TPを求めるのは、例えば、商品陳列のためにショーケース3の扉が開かれた状態とされた場合など、外乱による温度変化を取り除くためである。
そして、制御部31は、移動平均温度TPと設定温度TSとの差である偏差温度e(e=TPA−TS)を算出する。
図4は、偏差温度eの変動の例を示す説明図である。図4に示すように、偏差温度eは、15分間の移動平均温度を算出するものであるため、偏差温度eの変動はかなり小さいものとなる。
そして、制御部31は、偏差温度eに基づいて、圧縮機10の低圧側の設定圧力を変更するように制御する。
この偏差温度eは、各ショーケース3ごとに求めるようになっている。
そのため、本実施形態においては、制御部31は、第1の周期より長い第2の周期で、下記式に示すように、前述の各ショーケース3における偏差温度eを積算したショーケース3ごとの個別偏差e’xを算出する。
e’1=前の周期の偏差温度積算値e’1+偏差温度e1
e’2=前の周期の偏差温度積算値e’2+偏差温度e2
ここで、第2の周期とは、ショーケース3のデフロスト終了後のプルダウン運転終了時からデフロスト開始時までの時間内で任意に設定することができる周期である。例えば、1時間、2時間など任意に設定することができるものであり、最大で、プルダウン運転終了時からデフロスト開始時までの時間となる。
システム偏差E=e1+e2+…+ex
システム偏差積算値E’=前の周期のシステム偏差積算値e’+システム偏差E
=e’1+e’2+e’3+…+e’x
そして、制御部31は、このシステム偏差積算値e’があらかじめ設定されたシステム管理値βを超えたか否かを判断し、システム偏差積算値E’がシステム管理値βを超える現象が検知された場合に、同一の冷媒配管19内におけるシステム全体の異常と判断するように構成されている。
例えば、図5に示す場合において、制御部31は、システム偏差積算値E’がシステム管理値の上限(+β)を超えた場合には、システム全体として冷えが悪い傾向にあり、システム偏差積算値E’がシステム管理値の下限(−β)未満の場合には、システム全体として冷えすぎの傾向にあるとして異常と判断するものである。
制御部31は、システム全体が異常であると判断した場合には、報知部33により、異常である旨を報知するように構成されている。
まず、第2の周期で、システム偏差積算値と個別偏差積算値で判断する場合について説明する。
図7は、システム偏差積算値とシステム管理値との関係および個別偏差積算値と個別管理値との関係に基づいてシステム全体およびショーケース3ごとの状態の指標を示す説明図である。なお、図7において、記載されている指標は、一例にすぎず、システム構成、制御プログラムなどによって変動するものである。
例えば、システム偏差積算値E’が±βの範囲にある場合で、個別偏差積算値e’1〜e’4が全て±αの範囲内の場合、システム全体として正常であると判断することができる。
また、システム偏差積算値E’が−β未満の場合で、個別偏差積算値e’1〜e’4が全て±αの範囲内の場合、システム全体として冷えすぎの傾向にあると判断することができる。
システム偏差積算値E’が+βを超える場合で、個別偏差積算値e’1〜e’4が全て±αの範囲内の場合、システム全体として冷えが悪い傾向にあると判断することができる。
システム偏差積算値E’が−β未満の場合で、個別偏差積算値e’1〜e’4が−α未満のものと±αの範囲内のものである場合、個別偏差積算値が−α未満のケースは冷えすぎであると判断することができる。
システム偏差積算値E’が+βを超える場合で、個別偏差積算値e’1〜e’4が−α未満のものと±αの範囲内のものである場合、個別偏差積算値が±αの範囲内のケースに冷えが悪い傾向にあるものがあると判断することができる。
システム偏差積算値E’が−β未満の場合で、個別偏差積算値e’1〜e’4が+αを超えるものと±αの範囲内のものである場合、個別偏差積算値が+αを超えるケースは冷えが悪いと判断することができる。この場合には、+αを超えるケースがなんらかの影響を及ぼし、他のケースを冷えすぎにさせている可能性が高い。
システム偏差積算値E’が+βを超える場合で、個別偏差積算値e’1〜e’4が+αを超えるものと±αの範囲内のものである場合、システム全体として冷えが悪い傾向にあると判断することができる。
システム偏差積算値E’が−β未満の場合で、個別偏差積算値e’1〜e’4が−α未満のものや+αを超えるものが混在する場合、個別偏差積算値が+αを超えるケースは冷えが悪く、このケースがなんらかの影響を及ぼし、システム全体を冷えすぎにさせている可能性が高い、と判断することができる。
システム偏差積算値E’が+βを超える場合で、個別偏差積算値e’1〜e’4が−α未満のものや+αを超えるものが混在する場合、システム全体として冷えが悪い傾向にあると判断することができる。
e’’1=前の周期の偏差温度積算値e’’1+偏差温度e1
e’’2=前の周期の偏差温度積算値e’’2+偏差温度e2
ここで、第3の周期とは、第1の周期より長く第2の周期以下の周期であり、適宜設定されるものであり、第2の周期と同一であってもよい。
そして、制御部31は、第3の周期の個別偏差積算値e’’nと、ショーケース3ごとに設定された個別管理値α’とを比較し、個別管理値α’を超える現象が検知された場合や、所定の回数連続して超える現象が発生した場合に、当該ショーケース3が以上であると判断するように構成されている。
また、第3の周期での個別偏差積算値e’’をそれぞれ求めることにより、各ショーケース3ごとに必要な調整方法を判定することが可能になる。
本実施形態においては、冷蔵・冷凍用サイクルにおいては、圧縮機10を駆動させることにより、高圧冷媒を室外熱交換器に送り、この室外熱交換器により外気と熱交換して凝縮された冷媒は、ショーケース3の室内用膨張弁17により減圧された後、蒸発器15に送られる。この冷媒は、蒸発器15によりショーケース3の庫内空気と熱交換してショーケース3の庫内を冷却した後、圧縮機10に戻される。
本実施形態においては、冷凍システムを運転している場合には、ショーケース制御部39によりショーケース3ごとに庫内温度が制御されている。ショーケース制御部39により、所定の設定温度に基づいて、ショーケース3ごとに庫内温度制御を開始すると、まず、庫内温度センサ24により庫内温度を検出し、ショーケース制御部39を介してショーケース情報取得部35により各ショーケース3の庫内温度を取得する(ST1)。
制御部31は、庫内温度の移動平均温度TPAに基づいて、ショーケース3ごとの偏差温度eを算出する(ST4)。
さらに、制御部31は、同一の冷媒配管19内におけるすべてのショーケース3のシステム偏差Eおよびシステム偏差積算値E’を算出する(ST7)。
そして、制御部31は、偏差温度の履歴を履歴記憶部36に記憶させる(ST8)。
また、制御部31は、個別偏差積算値e’’nが個別管理値±αの範囲にあるか否かを判断し(ST11)、個別偏差積算値e’’nが個別管理値+αを超えた場合または個別管理値−α未満の場合に(ST11:YES)、異常であると判断し、報知部33により、報知させるようになっている(ST12)。
また、第2の周期は、デフロスト運転後のプルダウン運転が終了した時から次のデフロスト運転が開始されるまでの期間内で設定されるので、デフロスト運転およびプルダウン運転を除いた期間で安定してシステム偏差積算値を得ることができる。
さらに、制御部31により、システム異常と判断した場合に、その旨を報知する報知部33を備えているので、システム全体またはショーケース3ごとの状態を把握して報知部33により報知することにより、例えば、技術者などに異常の原因などあらかじめ知らせることができ、作業効率を高めることが可能となる。
また、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々変更が可能である。
2 室内ユニット
3 ショーケース
10 圧縮機
11 凝縮器
12 室外用ファン
15 蒸発器
16 室内用ファン
17 室内用膨張弁
18 室内用電磁弁
19 冷媒配管
20 低圧センサ
21 高圧センサ
22 吐出温度センサ
23 外気温センサ
24 庫内温度センサ
25 入口温度センサ
26 出口温度センサ
30 コントローラ
31 制御部
32 記憶部
33 報知部
34 冷凍機情報取得部
35 ショーケース情報取得部
37 設定条件出力部
38 冷凍機制御部
39 ショーケース制御部
Claims (5)
- 圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器により冷媒回路を構成するとともに、前記蒸発器により冷却される複数の被冷却空間を備え、
前記圧縮機の低圧側圧力および設定圧力に基づいて前記圧縮機の容量を制御するとともに、第1の周期で前記被冷却空間の温度と設定温度との偏差に基づいて前記設定圧力を変更する制御部を備えた冷凍システムにおいて、
前記制御部は、前記第1の周期より長い第2の周期の範囲で、前記第1の周期で取得した偏差を積算してシステム偏差積算値を求め、前記システム偏差積算値が予め設定されたシステム管理値を超えた場合に、システム異常と判断することを特徴とする冷凍システム。 - 前記第2の周期は、デフロスト運転後のプルダウン運転が終了した時から次のデフロスト運転が開始されるまでの期間内で設定されることを特徴とする請求項1に記載の冷凍システム。
- 前記制御部は、前記第1の周期より長く前記第2の周期以下の第3の周期の範囲で、前記第1の周期で取得した前記被冷却空間ごとの個別偏差を積算して個別偏差積算値を求め、前記個別偏差積算値が予め設定された個別管理値を超えた場合に、当該被冷却空間のシステム異常と判断することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷凍システム。
- 前記制御部が、システム異常と判断した場合に、その旨を報知する報知部を備えていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の冷凍システム。
- 前記制御部は、前記個別偏差積算値が前記個別管理値を超えた状態が所定の回数続いた場合に、システム異常と判断することを特徴とする請求項3に記載の冷凍システム。
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