JP2017053269A - 診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の暖機完了後においても、温度調整弁の診断を的確に行うことができる診断装置を提供する。【解決手段】診断装置であるECU10の診断部は、車両1のラジエータ36における排出冷却水の放熱量を減少させる放熱量減少制御を実行するとともに、放熱量減少制御の実行に基づいて排出冷却水の温度の上昇量が上昇閾値である閾値C2以上となった場合に、温度調整弁であるサーモスタット35が異常であると診断する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両の内燃機関に供給される冷却水の温度を調整する温度調整弁の診断装置に関する。
車両のエンジンは、その燃焼行程において発生する多量の燃焼熱によって高温になる。このため、車両には、エンジンを適温に維持する冷却装置が搭載される。このような冷却装置としては、循環流路によってエンジンに冷却水を供給するとともに、当該エンジンから排出された冷却水(以下、「排出冷却水」とも称する)をラジエータによって冷却するものが一般的となっている。
一方、エンジンの始動時においては、燃焼効率を高めるために、エンジンを暖機して適当な温度まで可及的速やかに昇温させることが要求される。暖機中は、排出冷却水をラジエータで冷却せずにエンジンに還流することで、エンジンの温度上昇を速めることが可能となる。このため、排出冷却水をラジエータに循環させる循環流路と、排出冷却水をラジエータに循環させずにエンジンに還流させるバイパス流路と、が設けられている。循環流路には、エンジンに供給する冷却水の温度を調整するために、温度調整弁が設けられている。エンジンの暖機や冷却を適切に行うために、この温度調整弁には高い信頼性が要求される。
下記特許文献1には、温度調整弁であるサーモスタットの診断を行う車両が記載されている。具体的には、当該車両が備える制御装置は、暖機中の排出冷却水の温度を実測するとともに、その実測温度と閾値との関係に基づいて、温度調整弁の異常の有無を診断する。そして、当該車両は、排出冷却水の実測温度が低下傾向を示している場合は、誤診断を生じるおそれがあるため、温度調整弁の診断を禁止している。
特開2015−78657号公報
温度調整弁の異常はエンジンの冷却に大きな影響を及ぼすため、その診断は暖機完了後も行うことが好ましい。上記従来技術では、排出冷却水の実測温度が低下傾向を示している場合に温度調整弁の診断を禁止している。エンジンの暖機が完了すると、温度調整弁の動作によって排出冷却水はラジエータを循環してエンジンに供給され、冷却水の温度は種々の原因に基づいて変動する。従って、単に排出冷却水の実測温度の変動に基づいて温度調整弁を診断しようとすると、温度調整弁の異常以外の原因によって排出冷却水の温度が低下する場合に、温度調整弁の診断を的確に行うことができない。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関の暖機完了後においても、温度調整弁の診断を的確に行うことができる診断装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る診断装置は、車両(1,1A)の内燃機関(20)に供給される冷却水の温度を調整する温度調整弁(35,35A)の診断装置であって、前記内燃機関から排出された冷却水である排出冷却水の温度を取得する水温取得部(11)と、前記排出冷却水の温度に基づいて前記温度調整弁の状態を診断する診断部(14)と、を備える。前記診断部は、前記車両のラジエータ(36)における前記排出冷却水の放熱量を減少させる放熱量減少制御を実行するとともに、前記放熱量減少制御の実行に基づいて前記排出冷却水の温度の上昇量が上昇閾値以上となった場合に、前記温度調整弁が異常であると診断する。
このように構成された診断装置では、ラジエータにおける排出冷却水の放熱量を減少させる放熱量減少制御を実行する。温度調整弁の異常によって排出冷却水がラジエータに供給されている場合は、このような放熱量減少制御を実行すると、排出冷却水の温度は上昇しようとする。本診断装置では、この排出冷却水の温度の上昇量が上昇閾値以上となった場合に、温度調整弁が異常であると診断する。したがって、本診断装置によれば、内燃機関の暖機完了後に排出冷却水の温度が低下する場合でも、温度調整弁の診断を的確に行うことが可能となる。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関の暖機完了後においても、温度調整弁の診断を的確に行うことができる診断装置を提供することにある。
第1実施形態に係る診断装置、及び当該診断装置が搭載された車両の構成を示す模式図である。 図1のECUを示す機能ブロック図である。 図1のエンジンの運転領域を示す説明図である。 図1のECUによる診断の許可又は保留の決定ロジックを示す説明図である。 図1のECUによる診断の許可又は保留の変化を示すタイムチャートである。 図1のECUが実行する処理を示すフローチャートである。 図1のECUが実行する放熱量減少制御及び放熱量増加制御を示す説明図である。 第2実施形態に係る診断装置、及び当該診断装置が搭載された車両の構成を示す模式図である。 図8の電動バルブの動作を示す説明図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
まず、図1を参照しながら、第1実施形態に係るECU10と、ECU10を搭載した車両1について説明する。車両1は、内燃機関であるエンジン20を動力源として搭載している。
エンジン20は、例えばガソリンを燃料とするレシプロエンジンである。エンジン20は、シリンダヘッド21と、シリンダブロック22と、を有している。エンジン20は、不図示の気筒を複数有している。各気筒は、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程、及び排気行程の各行程を繰り返し行うことによってトルクを発生させる。当該トルクは、エンジン20が有する不図示のクランク軸を介して出力され、車両1の走行に用いられる。
エンジン20の各気筒は、その吸気工程において、空気導入路23を介して外部から燃焼用の空気を吸引する。また、エンジン20の各気筒は、燃焼行程において内部で生成されたガスを、排気行程において排出ガス流路24に排出する。空気導入路23及び排出ガス流路24は、いずれも配管の内部に形成された空気の流路である。排出ガス流路24は、第1排出流路241と第2排出流路242とを有している。第2排出流路242は、第1排出流路241から分岐するとともに、その下流側で第1排出流路241に合流するように形成されている。これにより、第2排出流路242は、第1排出流路241に設けられているタービン51を迂回する流路となっている。
この他にも、車両1は、冷却装置30と、空調装置40と、過給機50と、を搭載している。
冷却装置30は、燃焼行程において多量の燃焼熱を発生させるエンジン20を冷却し、適温に維持する装置である。冷却装置30は、ウォータポンプ31と、エンジン冷却流路32と、循環流路33と、バイパス流路34と、ラジエータ36と、ラジエータファン37と、ラジエータシャッタ38を有している。
ウォータポンプ31は、冷却水を圧送する流体機械である。当該冷却水は、不凍液であるLLCを含有している。ウォータポンプ31は、エンジン20の出力の一部を、クランク軸を介して受けることで回転駆動する。ウォータポンプ31の回転駆動により、ウォータポンプ31の上流側から供給される冷却水は加圧されて下流側に供給される。
エンジン冷却流路32は、エンジン20の内部に形成された冷却水の流路である。例えば、シリンダブロック22の内部には、各気筒の周囲を包み込むようにエンジン冷却流路32が形成されている。
循環流路33は、配管の内部に形成された冷却水の流路である。当該配管は、その一端がエンジン冷却流路32の下流端に接続され、他端がウォータポンプ31に接続されている。これにより、循環流路33は、エンジン冷却流路32とともにエンジン20に冷却水を循環させる流路となっている。循環流路33は、エンジン冷却流路32の下流端から後述するラジエータ36まで延びる第1循環流路331と、ラジエータ36からウォータポンプ31まで延びる第2循環流路332と、を有している。
バイパス流路34は、配管の内部に形成された冷却水の流路である。当該配管は、第1循環流路331を形成する配管の途中にその一端が接続され、第2循環流路332を形成する配管の途中にその他端が接続されている。これにより、バイパス流路34は、第1循環流路331から分岐するとともに、ラジエータ36を迂回して第2循環流路332の途中に合流する流路となっている。
ラジエータ36は、循環流路33に設けられた熱交換器である。ラジエータ36は、いずれも不図示のチューブとコルゲートフィンとを有している。チューブは、内部に冷却水を流す金属製の管状部材である。コルゲートフィンは、金属製の板を折り曲げることで形成されている。ラジエータ36は、複数のコルゲートフィンと複数のコルゲートフィンとを交互に積層することで形成されている。
ラジエータファン37は、ラジエータ36に隣接して設けられた送風機である。ECU10が送信する制御信号を受信してラジエータファン37が回転駆動すると、矢印AFで示されるように、車両1の不図示のグリルを介して空気が取り込まれる。この空気は、ラジエータ36の隣り合うチューブ間を流れることでラジエータ36を通過し、当該チューブの内部を流れる冷却水と熱交換を行う。これにより、ラジエータ36を流れる冷却水の放熱が行われ、その温度が低下する。
ラジエータシャッタ38は、矢印AFで示される空気の流れ方向において、ラジエータ36よりも上流側に設けられている。ラジエータシャッタ38は、ECU10が送信する制御信号を受信し、その制御信号に基づいて開度を変更するように構成されている。ラジエータシャッタ38の開度を変更することによって、ラジエータ36を通過する空気の流量や、ラジエータ36において冷却水と空気との熱交換が行われる面積を変更することができる。
また、循環流路33を形成する配管からバイパス流路34を形成する配管が分岐する部分よりも下流側であって、ラジエータ36側には、サーモスタット35が配置されている。サーモスタット35は、不図示の弁体を内部に有している。サーモスタット35の内部の弁体は、その近傍の冷却水の温度に感応して移動するように構成されている。サーモスタット35は、当該弁体の移動によって閉状態と開状態とに切り替えられるように構成されている。そして、サーモスタット35は、冷却水の温度に基づいて、ラジエータ36を介してエンジン20に供給される冷却水の流量と、バイパス流路34を介してエンジン20に供給される冷却水の流量との比を調整する。
空調装置40は、車両1の車室内の温度調整を行う装置である。空調装置40は、冷媒を循環させる冷媒流路47を有している。また、空調装置40は、ヒータコア41と、エバポレータ42と、ブロア43と、コンプレッサ44と、コンデンサ45と、膨張弁46と、を有している。
ヒータコア41は、バイパス流路34の途中に設けられた熱交換器である。ヒータコア41は、いずれも不図示のチューブとコルゲートフィンとを有している。チューブは、内部に冷却水を流す金属製の管状部材である。コルゲートフィンは、金属製の板を折り曲げることで形成されている。ヒータコア41は、複数のコルゲートフィンと複数のコルゲートフィンとを交互に積層することで形成されている。
エバポレータ42は、冷媒流路47に設けられた熱交換器である。エバポレータ42は、冷媒を流す不図示の流路がその内部に形成されている。エバポレータ42は、その内部の流路を液相の冷媒が流れることによって、表面を流れる空気から熱を奪う。液相冷媒は、この奪った熱によって蒸発することで、エバポレータ42の表面を流れる空気の冷却が行われる。
ブロア43は、ヒータコア41及びエバポレータ42の近傍に設けられた送風機である。ECU10が送信する制御信号を受信してブロア43が回転駆動すると、車室内又は車外から空気が取り込まれ、ヒータコア41やエバポレータ42に供給される。この空気は、ヒータコア41やエバポレータ42を通過する際に熱交換を行い、その温度が調整される。温度調整されたこの空気は、車室内に供給される。
コンプレッサ44は、冷媒流路47に設けられた流体機械である。ECU10が送信する制御信号を受信してコンプレッサ44が回転駆動すると、エバポレータ42から排出された冷媒がコンプレッサ44によって圧縮される。この圧縮された冷媒は、さらに冷媒流路47の下流側に供給される。
コンデンサ45は、冷媒流路47に設けられた熱交換器である。また、コンデンサ45は、矢印AFで示される空気の流れ方向において、ラジエータ36よりも上流側に設けられている。コンデンサ45は、冷媒を流す不図示の流路がその内部に形成されている。コンプレッサ44によって圧縮され、下流側に供給された冷媒は、このコンデンサ45の内部の流路に供給される。当該流路を流れる冷媒は、矢印AFで示されるようにコンデンサ45を通過する空気と熱交換することによって放熱する。
膨張弁46は、冷媒流路47に設けられた弁機構である。膨張弁46は、コンデンサ45を通過してエバポレータ42に供給される冷媒を減圧する。
過給機50は、空気導入路23の空気を圧縮してエンジン20に供給する装置である。過給機50は、タービン51と、エアコンプレッサ52と、インタークーラ54と、ウェイストゲートバルブ55と、を有している。
タービン51は、流体が有するエネルギーを機械的動力に変換する原動機である。タービン51は、排出ガス流路24の第1排出流路241に設けられている。エンジン20の各気筒から排出された排出ガスが第1排出流路241を流れてタービン51を通過すると、当該排出ガスのエネルギーを利用してタービン51が回転する。
エアコンプレッサ52は、回転することによって流体を圧縮する流体機械である。エアコンプレッサ52は、空気導入路23に設けられている。エアコンプレッサ52は、シャフト53によってタービン51と連結されている。タービン51が第1排出流路241を流れる排出ガスのエネルギーを利用して回転すると、その回転トルクがシャフト53によってエアコンプレッサ52に伝達される。これにより、エアコンプレッサ52が回転し、空気導入路23内の空気を圧縮して下流側に供給する。
インタークーラ54は、空気導入路23のうちエアコンプレッサ52よりも下流側の部位に設けられた熱交換器である。インタークーラ54は、空気を流す不図示の流路がその内部に形成されている。エアコンプレッサ52によって圧縮されることで高温になった空気は、このインタークーラ54の内部の流路に供給される。当該流路を流れる空気は、インタークーラ54の外部を流れる空気と熱交換することで放熱し、その温度が低下する。
ウェイストゲートバルブ55は、流路の開閉を行う弁機構である。ウェイストゲートバルブ55は、排出ガス流路24の第2排出流路242に設けられている。ウェイストゲートバルブ55は、ECU10が送信する制御信号を受信し、その制御信号に基づいて開度を変更するように構成されている。ウェイストゲートバルブ55の開度を変更することによって、排出ガス流路24の第1排出流路241をタービン51側に流れる排出ガスの流量と、第1排出流路241から分流して第2排出流路242側に流れる排出ガスの流量と、の比を調整することができる。これにより、タービン51の回転数を制御し,安定した過給圧を得るとともに、タービン51を損傷から保護することができる。
引き続き図1を参照しながら、以上のように構成された冷却装置30、空調装置40、及び過給機50の動作について説明する。
<冷却装置30の動作について>
燃料の供給を受けてエンジン20が始動すると、燃焼行程において発生する多量の燃焼熱によってエンジン20の温度が徐々に上昇する。ウォータポンプ31は、クランク軸を介してエンジン20の出力を受け、回転駆動する。これにより、第2循環流路332の冷却水が加圧され、エンジン20のエンジン冷却流路32に供給される。
冷却水は、エンジン冷却流路32を流れる間に、シリンダヘッド21やシリンダブロック22と熱交換を行う。これにより、シリンダヘッド21やシリンダブロック22は熱を奪われて冷却される一方で、冷却水は受熱して温度が上昇する。
エンジン20が始動して間もない状態では、エンジン20の温度は比較的低いため、エンジン冷却流路32から排出されて第1循環流路331を流れる冷却水(以下、「排出冷却水」とも称する)の温度も比較的低いものとなる。この場合、サーモスタット35の弁体は、第1循環流路331を閉塞する位置に配置される。
これにより、排出冷却水は、ラジエータ36に供給されることなく、バイパス流路34を流れ、第2循環流路332に供給される。すなわち、エンジン20の温度が比較的低い状態では、冷却水はラジエータ36を迂回しながら循環する。この場合、排出冷却水はラジエータ36によって冷却されないため、エンジン20が冷却水によって過度に冷却することはない。したがって、エンジン20の始動時における暖機が冷却水によって阻害されることはない。
一方、エンジン20の温度が適温以上となった状態では、排出冷却水の温度も比較的高いものとなる。この場合、サーモスタット35の弁体は、第1循環流路331を開放する位置に配置される。
これにより、排出冷却水は、その一部がラジエータ36に供給され、残部がバイパス流路34を流れて第2循環流路332に供給される。すなわち、エンジン20が適温以上となった状態では、ラジエータ36に供給された一部の排出冷却水は冷却されるとともに、残部の排出冷却水はラジエータ36を迂回して流れる。これらの冷却水は、第2循環流路332において合流し、ウォータポンプ31によって加圧されて再びエンジン冷却流路32に供給される。
<空調装置40の動作について>
空調装置40が車両1の車室内の暖房を行う際は、車室内又は車外から取り込んだ空気を、まずエバポレータ42に通過させて冷却する。この冷却時に、空気に含まれる水蒸気が凝縮水となって除去されることで、当該空気の除湿が行われる。空調装置40は、この除湿された空気を次にヒータコア41に通過させ、ヒータコア41の内部を流れる高温の排出冷却水と熱交換させる。この熱交換によって温度上昇した空気が、不図示のダクトによって車両1の車室内に導かれることで、車室内の暖房が行われる。
一方、空調装置40が車両1の車室内の冷房を行う際は、エバポレータ42に通過させて冷却した空気を、ヒータコア41に通過させることなく、又は殆ど通過させることなく、車室内に導く。これにより、エバポレータ42において冷却された空気が車室内に供給され、車室内の冷房が行われる。
<過給機50の動作について>
前述したように、エンジン20から排出された排出ガスが通過することでタービン51が回転すると、それに伴ってエアコンプレッサ52が回転する。空気導入路23内の空気は、回転するエアコンプレッサ52によって圧縮されて高温高圧となり、空気導入路23の下流側に設けられているインタークーラ54に供給される。
インタークーラ54に供給された空気は、インタークーラ54の内部に形成された流路を流れる。当該流路を流れる空気は、インタークーラ54の外部を流れる空気と熱交換することで放熱し、その温度が低下する。このようにして温度が低下した高圧空気を空気導入路23によってエンジン20に供給し、燃料の燃焼に用いることで、その燃焼効率を高め、エンジン20の出力を向上させることができる。
続いて、図2を参照しながら、ECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)10について説明する。ECU10は、その一部又は全部が、アナログ回路で構成されるか、デジタルプロセッサとして構成される。いずれにしても、受信した信号に基づいて制御信号を出力する機能を果たすため、ECU10には機能的な制御ブロックが構成される。
図2は、ECU10を機能的な制御ブロック図として示している。尚、ECU10を構成するアナログ回路又はデジタルプロセッサに組み込まれるソフトウェアのモジュールは、必ずしも図2に示される制御ブロックのように分割されている必要はない。すなわち、実際のアナログ回路やモジュールは、図2に示される複数の制御ブロックの働きをするものとして構成されていても構わず、更に細分化されていても構わない。後述する処理を実行できるように構成されていれば、ECU10の内部の実際の構成は当業者が適宜変更できるものである。
ECU10は、水温センサ61、空燃比センサ62、クランク角センサ63及び外気温センサ64の各センサと電気的に接続されている。水温センサ61は、第1循環流路331に配置され(図1参照)、排出冷却水の温度Twに対応する信号を生成して送信するセンサである。空燃比センサ62は、排出ガス流路24に設けられ(図1参照)、排出ガスの酸素濃度に対応する信号を生成して送信するセンサである。クランク角センサ63は、エンジン20に取り付けられ(図1参照)、クランク軸の角度に対応する信号を生成して送信するセンサである。外気温センサ64は、車両1のうち外気に触れる部位に配置され(図1参照)、外気温に対応する信号を生成して送信するセンサである。
ECU10は、エンジン20、ラジエータファン37、ラジエータシャッタ38、ブロア43、コンプレッサ44、ウェイストゲートバルブ55、及び報知装置70の各車載機器とも電気的に接続されている。報知装置70は、車両1の乗員に対して種々の報知を行うための装置である。報知装置70は、例えば表示パネルやブザー等、公知の機器によって構成される。ECU10は、制御信号を送信することによって各車載機器の動作を制御する。
尚、本願において「電気的に接続」とは、信号線によって互いに接続された形態に限定されるものではなく、無線で互いに通信可能とされた形態をもその意味に含みうるものとする。
ECU10は、演算部11、記憶部12、カウンタ部13、及び診断部14を有している。
演算部11は、各車載機器の制御に必要となる種々の演算を行う部分である。具体的には、演算部11は、運転者による不図示のアクセルの踏み込みに応じて、エンジン20にトルクを発生させるための演算を行う。また、演算部11は、水温センサ61から受信する信号に基づいて所定の演算を行い、排出冷却水の温度を取得する。また、演算部11は、空燃比センサ62から受信する信号に基づいて所定の演算を行い、エンジン20の気筒内における空燃比や、気筒内に供給される空気の流量等を算出する。また、演算部11は、クランク角センサ63から受信する信号に基づいて所定の演算を行い、エンジン20の回転数を取得する。また、演算部11は、外気温センサ64から受信する信号に基づいて所定の演算を行い、外気温を取得する。また、演算部11は、後述するように、エンジン20の回転数等に基づいて、エンジン20から単位時間あたりに冷却水に伝達される熱量(以下、「受熱量」とも称する)を算出する。また、演算部11は、後述するように、外気温等に基づいて、単位時間あたりに冷却水から外部に放出される熱量(以下、「放熱量」とも称する)を算出する。
記憶部12は、種々の情報を記憶する部分である。記憶部12は、例えば不揮発性メモリによって構成される。記憶部12にはマップ等の情報が予め記憶されている。当該情報は演算部11によって読み出されて演算に用いられる。また、記憶部12は、演算部11の演算結果を記憶することができる。
カウンタ部13は、種々のカウントを行う部分である。例えば、カウンタ部13は、複数に区分されたエンジン20の運転領域のうち、エンジン20が特定の運転領域で運転した時間長等のカウントを行う。
診断部14は、サーモスタット35の診断を行う部分である。具体的には、診断部14は、サーモスタット35の弁体が正常に移動できず、前述した閉状態と開状態とを切り替えられない異常があるか否かの診断を行う。
図3は、エンジン20の回転数が横軸にプロットされ、エンジン20が取り込む空気の量が縦軸にプロットされた受熱量Qrcマップを図示している。当該受熱量Qrcマップは、ECU10の記憶部12に記憶されている。エンジン20が各回転数において取り込む空気量は、実線WOT(Wide Open throttle:スロットル弁の全開状態)で示される値が上限となる。
エンジン20が、実線Qrc1,Qrc2,Qrc0,Qrc3に沿って運転する場合、冷却水の受熱量QrcはそれぞれQrc1,Qrc2,Qrc0,Qrc3となる。受熱量Qrc1,Qrc2,Qrc0,Qrc3は、この順序で小さくなる値である。すなわち、図3に示されるマップでは、エンジン20が運転している領域が右上にあるほど、冷却水の受熱量Qrcは大きな値となる。また、図3に示されるマップは、エンジン20が取り込む空気量に代えて、エンジン20が発生させるトルクをその縦軸にプロットすることでも、同様のものを作成することができる。
ここで、冷却水の受熱量QrcがQrc0よりも大きな値となり、且つ実線WOTよりも小さな値となるA領域(すなわち、受熱量Qrc1,Qrc2が属する領域)でエンジン20が運転している場合、冷却水の受熱量Qrcは放熱量Qrdよりも大きくなる。この場合、その熱収支に基づいて、排出冷却水の温度が上昇する傾向がある。
これに対し、冷却水の受熱量QrcがQrc0よりも小さな値となり、且つ実線WOTよりも小さな値となるB領域(すなわち、受熱量Qrc3が属する領域)でエンジン20が運転している場合、冷却水の受熱量Qrcは放熱量Qrdよりも小さくなる。この場合、その熱収支に基づいて、排出冷却水の温度が低下する傾向がある。すなわち、受熱量Qrc0は、それを境として排出冷却水の温度が上昇又は低下に転じる閾値となる。
エンジン20がB領域で運転しており、排出冷却水の温度が低下している状態では、それがサーモスタット35の異常によるものか、又は、それ以外の原因によるものかの判別が困難となる。したがって、このような状態でサーモスタット35の診断を行うと、その診断結果が誤ったものとなる懸念が高まる。エンジン20がB領域で運転している頻度が高い場合は、サーモスタット35の診断を保留することが好ましい。
続いて、図4及び図5を参照しながら、サーモスタット35の診断の許可と保留の決定について説明する。
ECU10の演算部11(図2参照)は、図4に示されるように、エンジン20の回転数とエンジン20が取り込むと空気量とを、記憶部12に記憶された受熱量Qrcマップと照合する。これにより、そのエンジン20の運転状態における冷却水の受熱量Qrcが得られる。
また、ECU10の演算部11は、エンジン20の回転数を熱通過率hマップと照合する。熱通過率hは、冷却水から外気に伝達される熱を算出する際に用いられる定数である。熱通過率hは、循環流路33やバイパス流路34を形成する配管の材料特性や形状を考慮して予め実験的に同定されており、冷却水の流速と相関を有するものである。本実施形態では、冷却水を圧送するウォータポンプ31は、エンジン20の出力を受けて回転駆動するものであるから、冷却水の流速はエンジン20の回転数と相関を有する。したがって、ここでの熱通過率hマップは、エンジン20の回転数と、当該回転数における熱通過率hとを対応させたものとなっている。エンジン20の回転数を熱通過率hマップと照合することにより、熱通過率hが得られる。
さらに、演算部11は、外気温と冷却水の温度との差分である温度差ΔTを算出する。そして、演算部11は、この温度差ΔTと熱通過率hとを乗じることによって、冷却水の放熱量Qrdを得る。
ECU10は、以上のようにして得た冷却水の受熱量Qrcと、放熱量Qrdとの比較を行う。放熱量Qrdが受熱量Qrcよりも大きい場合、エンジン20は図3に示されるB領域で運転していることとなり、排出冷却水の温度が低下する傾向がある。
そして、ECU10は、エンジン20が運転している所定期間において、放熱量Qrdが受熱量Qrcよりも大きい状態になった時間Trdを算出するとともに、当該所定期間の時間長に対する時間Trdの比率を算出する。ECU10は、この比率が50%以上か否かを判断する。この比率が50%以上である場合、エンジン20が頻繁にB領域で運転しており、サーモスタット35の診断結果が誤ったものとなる懸念が大きいことから、ECU10の診断部14はサーモスタット35の診断を保留する。一方、所定期間の時間長に対する時間Trdの比率が50%に満たない場合、サーモスタット35の診断結果が誤ったものとなる懸念は小さいことから、ECU10の診断部14は診断を保留しない(すなわち、診断を許可する)。
図5には、サーモスタット35の診断の許可と保留との変化が、時間の変化とともに図示されている。ECU10のカウンタ部13(図2参照)は、時刻t0からのエンジン20の運転時間をカウントする。時刻t0から時刻t1の間は、エンジン20が図3に示されるB領域で運転することがないため、エンジン20が運転している時間長(図5で「全体」として示される線)に対する時間Trd(図5で「B領域」として示される線)の比率は50%に満たない。この場合、ECU10の診断部14は診断を保留しない(すなわち、診断を許可する)。
時刻t1で、例えばエンジン20において発生する新たな燃焼熱が少なくなると、冷却水の受熱量が減少し、エンジン20がB領域で運転する頻度が徐々に高まる。ECU10のカウンタ部13は、エンジン20がB領域で運転している時間Trdのカウントを開始する。
時刻t2で、エンジン20が運転している全体の時間長に対する時間Trdの比率が50%に達すると、ECU10の診断部14は診断を保留する。これにより、誤診断が生じる懸念が高い状況でのサーモスタット35の診断が保留される。すなわち、時刻t2以降のエンジン20の運転条件は、時刻t2までのエンジン20の運転条件よりも排出冷却水の温度が低下するものになっている。
続いて、図6及び図7を参照しながら、ECU10が実行する処理の流れについて説明する。図6は、エンジン20の暖機完了後に、ECU10が実行する処理を示したフローチャートである。尚、以下では簡便のため、詳細にはECU10の演算部11等が実行している処理も、総括してECU10が実行するものとして説明する。
まず、ECU10は、図6に示されるステップS1で、排出冷却水の温度Twが、予め定められた閾値Twcよりも低いか否かを判定する。排出冷却水の温度Twが当該閾値Twcよりも低くないと判定した場合、ECU10はステップS12の処理に進み、サーモスタット35は正常と診断する。一方、図7に示される時刻t3のように、排出冷却水の温度Twが閾値Twcよりも低いと判定した場合、ECU10は、図6に示されるステップS2の処理に進む。
次に、ECU10は、ステップS2で、エンジン20が図3に示されるB領域で運転している比率が50%以上か否かを判定する。当該比率が50%以上であると判定した場合、ECU10はステップS3の処理に進む。
次に、ECU10は、ステップS3で、サーモスタット35の診断を保留する。すなわち、前述したステップS2で、エンジン20が頻繁にB領域で運転しており、当該診断の結果が誤ったものとなる懸念が大きいと判定されたことから、ECU10は当該診断を保留する。
次に、ECU10は、ステップS4で、放熱量減少制御を実行する。この放熱量減少制御では、ラジエータ36における排出冷却水の放熱量を減少させるように車載機器を制御するものである。以下、この放熱量減少制御について説明する。
ECU10は、図7に破線で示されるように、時刻t4においてラジエータシャッタ38の開度をそれまでのDr2からDr1に変更する。開度Dr1は、開度Dr2よりも小さい値である。このように、放熱量減少制御においてラジエータシャッタ38の開度を減少させると、ラジエータ36を通過する空気の流量や、ラジエータ36において排出冷却水と空気との熱交換が行われる面積が減少する。
ラジエータ36を通過する空気の流量等が減少することで、ラジエータ36における排出冷却水と空気との熱交換が鈍化する。これにより、ラジエータ36における排出冷却水の放熱量が減少する。
ECU10がこのような放熱量減少制御を実行すると、循環流路33を流れる排出冷却水の温度Twが上昇しようとする。しかしながら、サーモスタット35が正常である場合は、排出冷却水の温度Twの上昇に感応してその内部の弁体が移動し、より多くの排出冷却水をラジエータ36に供給する。この結果、排出冷却水の温度Twは、図7に「正常」で示されるように、放熱量減少制御の実行を開始する時刻t4後も略一定に保たれる。したがって、時刻t4時点からの排出冷却水の温度変化|ΔTw|は略ゼロとなる。尚、排出冷却水の温度変化|ΔTw|は絶対値である。
これに対し、サーモスタット35が異常である場合は、放熱量減少制御を実行しても、その内部の弁体は適切に移動することができない。この結果、排出冷却水の温度Twは、図7に「異常1」で示されるように、放熱量減少制御の実行を開始する時刻t4後に上昇傾向を示す。したがって、時刻t4時点からの排出冷却水の温度変化|ΔTw|が増加する。
再び図6を参照しながら説明を続ける。ECU10は、ステップS5で、排出冷却水の温度変化|ΔTw|が、予め定められた閾値C1よりも小さいか否かを判定する。ECU10は、放熱量減少制御の実行を開始した時刻t4(図7参照)から、予め定められた時間が経過した時刻t5において、このステップS5の処理を実行する。排出冷却水の温度変化|ΔTw|が閾値C1よりも小さい場合、サーモスタット35の内部の弁体は、放熱量減少制御の実行に伴って適切に移動できる状態にあると推定できる。したがってこの場合、ECU10は、ステップS12の処理に進み、サーモスタット35は正常と診断する。
一方、図7の「異常1」で示されるように、時刻t4における排出冷却水の温度変化|ΔTw|が閾値C1よりも小さくないと判定した場合、ECU10は、ステップS6の処理に進む。
次に、ECU10は、ステップS6で、排出冷却水の温度変化|ΔTw|が、予め定められた閾値C2以上であるか否かを判定する。閾値C2は、前述した閾値C1よりも大きい値である。図7の「異常1」で示されるように、時刻t4における排出冷却水の温度変化|ΔTw|が閾値C2以上であるC3となっている場合、サーモスタット35の内部の弁体は、放熱量減少制御の実行に伴って適切に移動できない状態にある推定できる。したがってこの場合、ECU10は、ステップS10の処理に進み、サーモスタット35は異常と診断する。さらに、ECU10は、ステップS11で報知装置70を動作させ、車両1のユーザに点検等を促すことができる。
一方、ステップS6で、排出冷却水の温度変化|ΔTw|が閾値C2以上ではないと判定された場合(すなわち、C1<|ΔTw|<C2である場合)は、サーモスタット35が正常、異常のいずれの状態であるか明確に診断することが困難である。この場合、ECU10は、ステップS7の処理に進む。
次に、ECU10は、ステップS4で、放熱量増加制御を実行する。この放熱量増加制御では、ラジエータ36における排出冷却水の放熱量を増加させるように車載機器を制御するものである。以下、この放熱量増加制御について説明する。
ECU10は、図7に一点鎖線で示されるように、時刻t4においてラジエータシャッタ38の開度をそれまでのDr2からDr3に変更する。開度Dr3は、開度Dr2よりも大きい値である。このように、放熱量増加制御においてラジエータシャッタ38の開度を増加させると、ラジエータ36を通過する空気の流量や、ラジエータ36において排出冷却水と空気との熱交換が行われる面積が増加する。
ラジエータ36を通過する空気の流量等が増加することで、ラジエータ36における排出冷却水と空気との熱交換が促進される。これにより、ラジエータ36における排出冷却水の放熱量が増加する。
ECU10がこのような放熱量増加制御を実行すると、循環流路33を流れる排出冷却水の温度Twが低下しようとする。しかしながら、サーモスタット35が正常である場合は、排出冷却水の温度Twの低下に感応してその内部の弁体が移動し、ラジエータ36に供給する冷却水の流量を減少させる。この結果、排出冷却水の温度Twは、図7に「正常」で示されるように、放熱量増加制御の実行を開始する時刻t4後も略一定に保たれる。したがって、時刻t4時点からの排出冷却水の温度変化|ΔTw|は、略ゼロとなる。
これに対し、サーモスタット35が異常である場合は、放熱量増加制御を実行しても、その内部の弁体は適切に移動することができない。この結果、排出冷却水の温度Twは、図7に「異常2」で示されるように、放熱量増加制御の実行を開始する時刻t4後に低下傾向を示す。したがって、時刻t4時点からの排出冷却水の温度変化|ΔTw|が増加する。
再び図6を参照しながら説明を続ける。ECU10は、ステップS8で、排出冷却水の温度変化|ΔTw|が、予め定められた閾値C1よりも小さいか否かを判定する。ECU10は、放熱量増加制御の実行を開始した時刻t4(図7参照)から、予め定められた時間が経過した時刻t5において、このステップS5の処理を実行する。排出冷却水の温度変化|ΔTw|が閾値C1よりも小さい場合、サーモスタット35の内部の弁体は、放熱量減少制御の実行に伴って適切に移動できる状態にある推定できる。したがってこの場合、ECU10は、ステップS12の処理に進み、サーモスタット35は正常と診断する。
一方、図7の「異常2」で示されるように、時刻t4における排出冷却水の温度変化|ΔTw|が閾値C1よりも小さくないと判定した場合、ECU10は、ステップS9の処理に進む。
次に、ECU10は、ステップS9で、排出冷却水の温度変化|ΔTw|が、予め定められた閾値C2以上であるか否かを判定する。図7の「異常2」で示されるように、時刻t4における排出冷却水の温度変化|ΔTw|が閾値C2以上であるC3となっている場合、サーモスタット35の内部の弁体は、放熱量増加制御の実行に伴って適切に移動できない状態にあると推定できる。したがってこの場合、ECU10は、ステップS10の処理に進み、サーモスタット35は異常と診断する。さらに、ECU10は、ステップS11で報知装置70を動作させ、車両1のユーザに点検等を促すことができる。
一方、ステップS9で、冷却水の温度変化|ΔTw|が閾値C2以上ではないと判定された場合(すなわち、C1<|ΔTw|<C2である場合)は、サーモスタット35が正常、異常のいずれの状態であるか明確に診断することが困難である。この場合、ECU10は、ステップS3の処理に戻り、前述した処理を実行する。
以上説明したように、第1実施形態に係るECU10は、車両1のエンジン20に供給される冷却水の温度を調整するサーモスタット35の診断装置である。ECU10は、エンジン20から排出された冷却水である排出冷却水の温度Twを取得する演算部11と、排出冷却水の温度Twに基づいてサーモスタット35の状態を診断する診断部14と、を備える。診断部14は、車両1のラジエータ36における排出冷却水の放熱量を減少させる放熱量減少制御を実行するとともに、放熱量減少制御の実行に基づいて排出冷却水の温度の上昇量が上昇閾値であるC2以上となった場合に、サーモスタット35が異常であると診断する。
このように構成されたECU10では、ラジエータ36における排出冷却水の放熱量を減少させる放熱量減少制御を実行する。サーモスタット35の異常によって排出冷却水がラジエータ36に供給されている場合に、このような放熱量減少制御を実行すると、排出冷却水の温度Twは上昇しようとする。ECU10では、この排出冷却水の温度Twの上昇量(前述した冷却水の温度変化|ΔTw|に相当)が閾値C2以上となった場合に、サーモスタット35が異常であると診断する。したがって、ECU10によれば、エンジン20の暖機完了後に排出冷却水の温度Twが低下する場合でも、サーモスタット35の診断を的確に行うことが可能となる。
また、ECU10では、診断部14は、放熱量減少制御の実行後に、ラジエータ36における排出冷却水の放熱量を増加させる放熱量増加制御を実行するとともに、放熱量増加制御の実行に基づいて排出冷却水の温度Twの低下量が低下閾値である閾値C2以上となった場合に、サーモスタット35が異常であると診断する。
このように構成されたECU10では、ラジエータ36における排出冷却水の放熱量を増加させる放熱量増加制御を実行する。サーモスタット35の異常によってラジエータ36に排出冷却水が供給されている場合に、このような放熱量増加制御を実行すると、排出冷却水の温度Twは低下傾向を示す。ECU10では、この排出冷却水の温度Twの低下量(前述した冷却水の温度変化|ΔTw|に相当)が閾値C2以上となった場合に、サーモスタット35が異常であると診断する。したがって、ECU10によれば、エンジン20の暖機完了後に冷却水の温度Twが低下する場合でも、サーモスタット35の診断を的確に行うことが可能となる。
尚、第1実施形態に係るECU10では、上昇閾値及び低下閾値をいずれも閾値C2としている。しかしながら、上昇閾値及び低下閾値は必ずしも同一の値である必要はなく、エンジン20や冷却水の特性に応じて、互いに異なる値に設定してもよい。
また、ECU10では、診断部14は、放熱量減少制御の実行に基づく排出冷却水の温度Twの上昇量が上昇閾値であるC2以上ではない場合に、放熱量増加制御を実行する。
このように構成されたECU10では、放熱量減少制御を実行してもサーモスタット35が正常、異常のいずれの状態であるか明確に診断することが困難である場合に、放熱量増加制御を実行することができる。これにより、放熱量減少制御を実行した結果のみでサーモスタット35の診断が可能である場合は診断を迅速に完了させる一方で、放熱量減少制御を実行した結果のみでは明確な診断が困難である場合は、併せて放熱量増加制御も実行することによって診断の精度を向上させることができる。
また、排出冷却水の温度Twが閾値Twcよりも低くサーモスタット35の異常が疑われる状況であるにもかかわらず、仮に放熱量減少制御よりも先に放熱量増加制御を実行すると、排出冷却水の温度Twをさらに低下させてしまうおそれがある。この場合、エンジン20等は、排出冷却水の温度Twが低下することによる悪影響を大きく受けるおそれがある。これに対し、ECU10は、放熱量減少制御の実行に基づく排出冷却水の温度Twの上昇量が上昇閾値であるC2以上ではない場合に放熱量増加制御を実行するため、このような悪影響を抑制することができる。
また、ECU10では、診断部14は、放熱量増加制御及び放熱量減少制御の一方を実行した結果、排出冷却水の温度の上昇量又は低下量である|ΔTw|が第1閾値であるC2以上である場合は温度調整弁が異常であると診断する。また、診断部14は、排出冷却水の温度の上昇量又は低下量である|ΔTw|が閾値C2よりも小さく且つ第2閾値であるC1よりも大きい場合は、放熱量増加制御及び放熱量減少制御の他方を実行する。
このように構成されたECU10では、排出冷却水の温度の上昇量又は低下量である|ΔTw|が閾値C1よりも大きく且つ閾値C2よりも小さい状態であり、サーモスタット35が正常、異常のいずれの状態であるか明確に診断することが困難である場合に、放熱量増加制御及び放熱量減少制御の他方を実行することができる。これにより、放熱量減少制御の実行のみでサーモスタット35の診断が可能である場合は、診断を迅速に完了させるとともに、放熱量減少制御の実行のみでは明確な診断が困難である場合は、併せて放熱量増加制御も実行することで、診断の精度を向上させることができる。
また、ECU10では、診断部14は、ラジエータシャッタ38の開度を変更することによって、放熱量減少制御及び放熱量増加制御の少なくとも一方を実行する。
ラジエータシャッタ38の開度を変更することによって、ラジエータ36を通過する空気の流量や、ラジエータ36において排出冷却水と空気との熱交換が行われる面積を変更することができる。ECU10は、このラジエータシャッタ38の開度を変更することで、ラジエータ36における排出冷却水と空気との熱交換を鈍化又は促進させ、放熱量減少制御又は放熱量増加制御を実行することができる。
尚、本第1実施形態では、ECU10がラジエータシャッタ38の開度を変更することによって、放熱量減少制御及び放熱量増加制御を実行する場合について説明した。しかしながら、放熱量減少制御及び放熱量増加制御は、ラジエータシャッタ38の開度を変更するものに限られない。
例えば、ECU10は、ラジエータファン37の回転数を変更することによって、放熱量減少制御及び放熱量増加制御の少なくとも一方を実行してもよい。
この場合、ECU10は、図7に示されるように、放熱量減少制御においてラジエータファン37の回転数をNr2からNr1に変更する。回転数Nr1は、回転数Nr2よりも小さい値である。このようにECU10がラジエータファン37の回転数を減少させると、ラジエータ36を通過する空気の流量が減少し、ラジエータ36における排出冷却水と空気との熱交換が鈍化する。この結果、ラジエータ36における排出冷却水の放熱量を減少させることができる。
一方、放熱量増加制御においては、図7に示されるように、ECU10はラジエータファン37の回転数をNr2からNr3に変更する。回転数Nr3は、回転数Nr2よりも大きい値である。このようにECU10がラジエータファン37の回転数を増加させると、ラジエータ36を通過する空気の流量が増加し、ラジエータ36における排出冷却水と空気との熱交換が促進される。この結果、ラジエータ36における排出冷却水の放熱量を減少させることができる。
また、ECU10は、コンプレッサ44の回転数を変更することによって、放熱量減少制御及び放熱量増加制御の少なくとも一方を実行してもよい。
この場合、ECU10は、図7に示されるように、放熱量減少制御においてコンプレッサ44の回転数をNc2からNc3に変更する。回転数Nc3は、回転数Nc2よりも大きい値である。このようにECU10がコンプレッサ44の回転数を増加させると、コンプレッサ44によって圧縮されてコンデンサ45に供給される冷媒の温度が上昇する。したがって、図1に矢印AFで示されるようにコンデンサ45を通過する空気は、当該冷媒と熱交換を行うことで比較的高温になる。
前述したように、コンデンサ45は、矢印AFで示される空気の流れ方向において、ラジエータ36よりも上流側に設けられている。したがって、ラジエータ36では、その内部を流れる排出冷却水と、コンデンサ45を通過した比較的高温の空気との熱交換が行われる。この結果、ラジエータ36における排出冷却水の放熱量を減少させることができる。
一方、放熱量増加制御においては、図7に示されるように、ECU10はコンプレッサ44の回転数をNc2からNc1に変更する。回転数Nc1は、回転数Nc2よりも小さい値である。このようにコンプレッサ44の回転数を減少させると、コンプレッサ44によって圧縮されてコンデンサ45に供給される冷媒の温度が低下する。したがって、図1に矢印AFで示されるようにコンデンサ45を通過する空気は、当該冷媒と熱交換を行うことで比較的低温になる。
したがって、ラジエータ36では、その内部を流れる排出冷却水と、コンデンサ45を通過した比較的低温の空気との熱交換が行われる。この結果、ラジエータ36における排出冷却水の放熱量を増加させることができる。
また、ECU10は、ウェイストゲートバルブ55の開度を変更することによって、放熱量減少制御及び放熱量増加制御の少なくとも一方を実行してもよい。
この場合、ECU10は、図7に示されるように、放熱量減少制御においてウェイストゲートバルブ55の開度をDw2からDw1に変更する。開度Dw1は、開度Dw2よりも小さい値である。このようにECU10がウェイストゲートバルブ55の開度を減少させると、第1排出流路241から分流して第2排出流路242側に流れる排出ガスの流量が減少する。つまり、タービン51を通過する排出ガスの流量が増加する。このため、タービン51及びエアコンプレッサ52の回転数が増加し、エアコンプレッサ52によって圧縮されてインタークーラ54に供給される空気の温度が上昇する。したがって、図1に矢印AFで示されるようにインタークーラ54を通過する空気は、このエアコンプレッサ52によって圧縮された空気と熱交換を行うことで比較的高温になる。
前述したように、インタークーラ54は、矢印AFで示される空気の流れ方向において、ラジエータ36よりも上流側に設けられている。したがって、ラジエータ36では、その内部を流れる排出冷却水と、インタークーラ54を通過した比較的高温の空気との熱交換が行われる。この結果、ラジエータ36における排出冷却水の放熱量を減少させることができる。
一方、放熱量増加制御においては、図7に示されるように、ECU10はウェイストゲートバルブ55の開度をDw2からDw3に変更する。開度Dw3は、開度Dw2よりも大きい値である。このようにECU10がウェイストゲートバルブ55の開度を増加させると、第1排出流路241から分流して第2排出流路242側に流れる排出ガスの流量が増加する。つまり、タービン51を通過する排出ガスの流量が減少する。このため、タービン51及びエアコンプレッサ52の回転数が減少し、エアコンプレッサ52によって圧縮されてインタークーラ54に供給される空気の温度が低下する。したがって、図1に矢印AFで示されるようにインタークーラ54を通過する空気は、このエアコンプレッサ52によって圧縮された空気と熱交換を行うことで比較的低温になる。
したがって、ラジエータ36では、その内部を流れる排出冷却水と、インタークーラ54を通過した比較的低温の空気との熱交換が行われる。この結果、ラジエータ36における排出冷却水の放熱量を減少させることができる。
以上説明したラジエータシャッタ38の開度の変更、ラジエータファン37の回転数の変更、コンプレッサ44の回転数の変更、及びウェイストゲートバルブ55の開度の変更は、各々単独で実行してよいし、適宜組み合わせて実行してもよい。
続いて、第2実施形態に係るECU10Aについて、図8及び図9を参照しながら説明する。このECU10Aは、車両1Aに搭載され、温度調整弁である電動バルブ35Aの診断を行う電子制御装置である。車両1AやECU10Aのうち、第1実施形態に係る車両1やECU10と同一の構成については適宜同一の符号を付して、説明を省略する。
電動バルブ35Aは、バイパス流路34が第1循環流路331から分岐する部分に設けられている。電動バルブ35Aは、その内部に不図示の弁体を有している。当該弁体は、
電動バルブ35AがECU10Aから受信する制御信号に基づいて回転するように構成されている。
図9に示されるのは、電動バルブ35Aの特性を示すグラフである。グラフの横軸には、電動バルブ35Aの内部に設けられた弁体の、予め定められた基準位置からの回転角度がプロットされている。グラフの縦軸には、開口率、すなわち電動バルブ35Aの開度がプロットされている。電動バルブ35Aからバイパス流路34に向かう流路の開度の変化が線G10で示されている。また、電動バルブ35Aからラジエータ36側の第1循環流路331に向かう流路の開度の変化が線G20で示されている。
弁体の回転角度がd10よりも小さい場合は、バイパス流路34に向かう流路と、ラジエータ36側の第1循環流路331に向かう流路と、のいずれもが閉塞されている。
弁体の回転角度を増加させ、d10よりも大きくなると、バイパス流路34に向かう流路の開度のみが増加し始める。さらに回転角度がd20まで増加すると、バイパス流路34に向かう流路のみが全開状態となる。
さらに、回転角度がd30まで増加すると、ラジエータ36側の第1循環流路331に向かう流路の開度が増加し始める。このとき、バイパス流路34に向かう流路は全開状態のままである。回転角度がd40まで増加すると、バイパス流路34に向かう流路と、ラジエータ36側の第1循環流路331に向かう流路と、のいずれもが全開状態となる。
このように、第2実施形態に係るECU10Aでは、各流路の開度を能動的に変更することによって、エンジン20に供給する冷却水の温度をエンジン20の運転状態に基づいて微調整することができる。しかしながら、電動バルブ35Aの弁体の固着や、信号の送受信の不具合等により、弁体の回転角度がECU10Aから受信する信号に対応しないものとなる異常が生じ得る。ECU10Aは、以上説明したように動作する電動バルブ35Aの診断を行う。
ECU10Aは、電動バルブ35Aの診断において、前述した第1実施形態に係るECU10と同様に、図6及び図7に示される処理を実行する。つまり、放熱量減少制御や放熱量増加制御を実行するとともに、その際の排出冷却水の温度変化|ΔTw|に基づいて電動バルブ35Aの診断を行う。
尚、ECU10Aは、ラジエータ36への排出冷却水の供給を停止させる停止信号を電動バルブ35Aに送信した後に、前述した放熱量減少制御及び放熱量増加制御を実行する。つまり、ECU10Aは、弁体の回転角度がd30よりも小さくなるように電動バルブ35Aに制御信号を送信した後に、放熱量減少制御及び放熱量増加制御を実行する。
仮に弁体の回転角度がd30以上である場合では、電動バルブ35Aが正常であってもラジエータ36に排出冷却水が供給される。このような状態では、放熱量減少制御や放熱量増加制御を実行したことで排出冷却水の温度が変化しても、それが電動バルブ35Aの異常によるものか否かを判断することができない。
そこで、ECU10Aは、前述したように、弁体の回転角度がd30よりも小さくなるように電動バルブ35Aに制御信号を送信した後に、放熱量減少制御及び放熱量増加制御を実行する。このような制御信号を送信したにもかかわらず、その後の放熱量減少制御及び放熱量増加制御の実行によって排出冷却水の温度変化が生じている場合は、冷却水がラジエータ36に供給されてしまっていると推定できる。そして、ECU10Aは排出冷却水の温度変化|ΔTw|に基づいて、第1実施形態同様に電動バルブ35Aの状態を診断することができる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
1,1A:車両
10,10A:ECU(診断装置)
11:演算部(水温取得部)
12:記憶部
14:診断部
20:エンジン(内燃機関)
35:サーモスタット(温度調整弁)
35A:電動バルブ(温度調整弁)
36:ラジエータ
37:ラジエータファン
38:ラジエータシャッタ(シャッタ)
44:コンプレッサ
45:コンデンサ
50:過給機
51:タービン
52:エアコンプレッサ
54:インタークーラ
55:ウェイストゲートバルブ

Claims (9)

  1. 車両(1,1A)の内燃機関(20)に供給される冷却水の温度を調整する温度調整弁(35,35A)の診断装置であって、
    前記内燃機関から排出された冷却水である排出冷却水の温度を取得する水温取得部(11)と、
    前記排出冷却水の温度に基づいて前記温度調整弁の状態を診断する診断部(14)と、を備え、
    前記診断部は、前記車両のラジエータ(36)における前記排出冷却水の放熱量を減少させる放熱量減少制御を実行するとともに、前記放熱量減少制御の実行に基づいて前記排出冷却水の温度の上昇量が上昇閾値以上となった場合に、前記温度調整弁が異常であると診断する診断装置。
  2. 前記診断部は、前記放熱量減少制御の実行後に、前記ラジエータにおける前記排出冷却水の放熱量を増加させる放熱量増加制御を実行するとともに、前記放熱量増加制御の実行に基づいて前記排出冷却水の温度の低下量が低下閾値以上となった場合に、前記温度調整弁が異常であると診断する請求項1に記載の診断装置。
  3. 前記診断部は、前記放熱量減少制御の実行に基づく前記排出冷却水の温度の上昇量が前記上昇閾値以上ではない場合に、前記放熱量増加制御を実行する請求項2に記載の診断装置。
  4. 前記診断部は、前記放熱量増加制御及び前記放熱量減少制御の一方を実行した結果、
    前記排出冷却水の温度の上昇量又は低下量が第1閾値以上である場合は前記温度調整弁が異常であると診断し、
    前記排出冷却水の温度の上昇量又は低下量が前記第1閾値よりも小さく且つ第2閾値よりも大きい場合は、前記放熱量増加制御及び前記放熱量減少制御の他方を実行する請求項2又は3に記載の診断装置。
  5. 前記車両には、前記ラジエータに供給される空気の流路において前記ラジエータの上流側にシャッタ(38)が備えられており、
    前記診断部は、前記シャッタの開度を変更することによって、前記放熱量減少制御及び前記放熱量増加制御の少なくとも一方を実行する請求項2又は3に記載の診断装置。
  6. 前記車両には、前記ラジエータに供給される空気の流路において前記ラジエータの上流側に設けられるコンデンサ(45)と、冷媒を圧縮して前記コンデンサに供給するコンプレッサ(44)と、が備えられており、
    前記診断部は、前記コンプレッサの駆動状態を変更することによって、前記放熱量減少制御及び前記放熱量増加制御の少なくとも一方を実行する請求項2又は3に記載の診断装置。
  7. 前記車両には、回転駆動により前記ラジエータに空気を送り込むラジエータファン(37)が備えられており、
    前記診断部は、前記ラジエータファンの回転数を変更することによって、前記放熱量減少制御及び前記放熱量増加制御の少なくとも一方を実行する請求項2又は3に記載の診断装置。
  8. 前記車両には、前記内燃機関から排出された排出ガスを過給機(50)のタービン(51)に導く第1排出流路(241)と、前記タービンを迂回するように排出ガスを導く第2排出流路(242)と、前記第2排出流路を開閉するウェイストゲートバルブ(55)と、前記タービンとともに回転して前記内燃機関に燃焼用の空気を圧縮して供給するエアコンプレッサ(52)と、前記エアコンプレッサによって前記内燃機関に供給される空気を冷却するインタークーラ(54)と、が備えられており、
    前記診断部は、前記ウェイストゲートバルブの開度を変更することによって、前記放熱量減少制御及び前記放熱量増加制御の少なくとも一方を実行する請求項2又は3に記載の診断装置。
  9. 前記温度調整弁(35A)は、受信する信号に基づいて動作するように構成され、
    前記診断部は、前記ラジエータへの排出冷却水の供給を停止させる停止信号を前記温度調整弁に送信した後に、前記放熱量減少制御及び前記放熱量増加制御の少なくとも一方を実行する請求項2又は3に記載の診断装置。
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