JP2017052917A - ブロックポリイソシアネート組成物、一液型コーティング組成物、塗膜、及び塗装物品 - Google Patents

ブロックポリイソシアネート組成物、一液型コーティング組成物、塗膜、及び塗装物品 Download PDF

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Abstract

【課題】低温硬化性を保持しつつ、塗膜を積層した際に上層塗膜との密着性に優れ、かつ、ポリオールとの相溶性にも優れるブロックポリイソシアネート組成物を提供する。
【解決手段】脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートより誘導されたポリイソシアネートと、ブロック剤と、から得られるブロックポリイソシアネートを含み、当該ブロック剤は、マロン酸ジエステル化合物を含み、イソシアネート−マロン酸ジエステル結合構造の総量に対する特定のメタンテトラカルボニル構造の比率が、0.5モル%以上10モル%以下である、ブロックポリイソシアネート組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ブロックポリイソシアネート組成物、一液型コーティング組成物、塗膜、及び塗装物品に関する。
ポリイソシアネートは、メラミン系硬化剤と共に、熱架橋型の硬化剤として焼付塗料用に広く使用されている。近年、メラミン系硬化剤を使用した場合にホルマリンが発生することが指摘されており、地球環境、安全、衛生等の観点から、ブロック剤によりブロックされたポリイソシアネート(ブロックポリイソシアネート)が注目されている。
ブロックポリイソシアネートのブロック剤としては、従来、オキシム類、フェノール類、アルコール類、ラクタム類が知られている。
焼付け温度の低温化を可能としたブロックポリイソシアネート組成物としては、マロン酸ジエステルをブロック剤とするブロックポリイソシアネート組成物(例えば、特許文献1参照)、マロン酸ジエチルとアセト酢酸エチルとをブロック剤とするブロックポリイソシアネート組成物(例えば、特許文献2及び3参照)等が提案されている。
特開昭57−121065号公報 特開平8−225630号公報 特開平9−255915号公報
しかしながら、従来のブロック剤を使用して形成されたブロックポリイソシアネート組成物は、一般に140℃以上の高い焼付け温度を必要とするため、エネルギーコストが非常に大きくなる。また、耐熱性の低いプラスチックへの加工には、高温焼付けが必要なブロックポリイソシアネート組成物は使用することができないという制限がある。
また、自動車の新車塗装等の用途では、従来のブロックポリイソシアネート組成物を使用した塗膜層に、さらに、クリヤ層のような塗膜を積層する場合がある。このような場合に用いるブロックポリイソシアネート組成物として、100℃以下の温度で架橋塗膜を形成可能であり、かつ、積層した際の密着性が良好なブロックポリイソシアネート組成物が望まれている。
一方で、特許文献1〜3に開示されたブロックポリイソシアネート組成物は、100℃以下の温度で、架橋塗膜を形成可能であるが、これらのブロックポリイソシアネート組成物を使用した塗膜層に、さらに塗膜を積層した際の密着性に更なる課題を有している。また、これらのブロックポリイソシアネート組成物を用いた場合、一部のポリオールとの相溶性が不足する場合もある。
そこで、本発明は、低温硬化性を保持しつつ、塗膜を積層した際に上層塗膜との密着性に優れ、かつ、ポリオールとの相溶性にも優れるブロックポリイソシアネート組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究した結果、驚くべきことに、ある特定のイソシアネート−マロン酸ジエステル結合構造を特定範囲の比率で含有するブロックポリイソシアネート組成物が、低温硬化性を保持しつつ、上層塗膜との密着性を格段に向上し、ポリオールとの相溶性にも優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の構成を有する。
[1]
脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートより誘導されたポリイソシアネートと、ブロック剤と、から得られるブロックポリイソシアネートを含み、
前記ブロック剤は、マロン酸ジエステル化合物を含み、
イソシアネート−マロン酸ジエステル結合構造の総量に対する下記式(I)で示されるメタンテトラカルボニル構造の比率が、0.5モル%以上10モル%以下である、ブロックポリイソシアネート組成物。
Figure 2017052917
(式(I)中、R1及びR2は、各々独立に、炭素数1〜8個のアルキル基、フェニル基、又はベンジル基を示す。)
[2]
前記ブロック剤は、前記マロン酸ジエステル化合物以外のブロック剤をさらに含む、[1]に記載のブロックポリイソシアネート組成物。
[3]
前記ブロック剤において、前記マロン酸ジエステル化合物以外のブロック剤に対する前記マロン酸ジエステル化合物のモル比が、1.0以上である、[2]に記載のブロックポリイソシアネート組成物。
[4]
1価アルコール化合物をさらに含み、
前記ブロックポリイソシアネート組成物のブロックポリイソシアネート基に対する前記1価アルコール化合物のモル比が、0.2以上10以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載のブロックポリイソシアネート組成物。
[5]
[1]〜[4]のいずれかに記載のブロックポリイソシアネート組成物と、ポリオールと、を含む一液型コーティング組成物。
[6]
[5]に記載の一液型コーティング組成物により形成された塗膜。
[7]
[5]に記載の一液型コーティング組成物により塗装された塗装物品。
本発明に係るブロックポリイソシアネート組成物によれば、低温硬化性を保持しつつ、上層塗膜との密着性に優れ、かつ、ポリオールとの相溶性にも優れる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
〔ブロックポリイソシアネート組成物〕
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物は、脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートかなる群より選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートより誘導されたポリイソシアネートと、ブロック剤と、から得られるブロックポリイソシアネートを含む。また、上記ブロック剤は、マロン酸ジエステル化合物を含む。さらに、上記ブロックポリイソシアネート組成物は、イソシアネート−マロン酸ジエステル結合構造の総量(100モル%)に対する下記式(I)で表されるメタンテトラカルボニル構造の比率が0.5モル%以上10モル%以下である。
Figure 2017052917
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物には、下記式(I)で示されるメタンテトラカルボニル構造を有する。
Figure 2017052917
式(I)中のR1、及びR2は、各々独立に、炭素数1〜8個のアルキル基、フェニル基、又はベンジル基を示す。R1、及びR2は同一でも構わないし、異なっていても構わない。R1、及びR2が、各々独立に、炭素数8以下のアルキル基、フェニル基、又はベンジル基を示すメタンテトラカルボニル構造であることで、有効NCO含有率の低下が抑制されるとともに、塗料としたときの主剤等との相溶性を良好にすることができる傾向にあり、好ましい。これらの中でも、R1、及びR2は、各々独立に炭素数1〜8のアルキル基を示すメタンテトラカルボニル構造であることが好ましく、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基を示すメタンテトラカルボニル構造であり、さらに好ましくはエチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基を示すメタンテトラカルボニル構造である。
ブロックポリイソシアネート組成物は、イソシアネート−マロン酸ジエステル結合構造の総量(100モル%)に対する上記式(I)で示されるメタンテトラカルボニル構造の比率は、0.5モル%以上10モル%以下である。当該比率の下限値は、0.7モル%であることが好ましく、より好ましくは1.0モル%であり、さらに好ましくは1.5モル%であり、さらにより好ましくは2.0モル%である。当該比率の上限値は、8.0モル%であることが好ましく、より好ましくは6.0モル%であり、さらに好ましくは5.0モル%であり、さらにより好ましくは4.0モル%である。当該比率が0.5モル%以上であることにより、本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物を使用した塗膜層に、さらに、塗装した上層塗膜との密着性を発現することができ、また、当該比率が10モル%以下であることにより、ポリオールとの相溶性を維持することができる。当該比率は、後述する実施例に記載の方法により測定できる。
イソシアネート−マロン酸ジエステル結合構造とは、イソシアネート基とマロン酸ジエステルとが化学結合した構造を示し、例えば、メタントリカルボニル構造(ケト体、エノール体)、メタンテトラカルボニル構造が挙げられる。
本実施形態において、式(I)で示されるメタンテトラカルボニル構造を特定範囲量含有することにより、低温硬化性だけでなく、上層塗膜との密着性を発現し、かつ、ポリオールとの相溶性も優れるブロックポリイソシアネート組成物が得られたことは驚くべきであった。
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物は、1価アルコール化合物をさらに含むことが好ましい。また、ブロックポリイソシアネート組成物において、ブロックポリイソシアネート組成物のブロックポリイソシアネート基に対する1価アルコール化合物のモル比は、0.2以上10以下であることがより好ましい。
上記1価アルコール系化合物としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族、脂環族、芳香族等の1価アルコール系化合物が挙げられ、その中でも脂肪族の1価アルコール系化合物であることが好ましい。脂肪族の1価アルコール化合物は、特に限定されないが、炭素数1〜20の1価アルコール系化合物であることがより好ましい。炭素数1〜20の1価アルコール系化合物としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、2−エチル−1−プロパノール、n−アミルアルコール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール等の飽和アルコール;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、3,6−ジオキサ−1−ヘプタノール等のエーテルアルコールが挙げられる。
ブロックポリイソシアネート組成物に含まれるブロックイソシアネート基に対する1価アルコール系化合物のモル比は、0.2以上10以下であることがより好ましい。当該モル比の下限値は、0.4であることがさらに好ましく、さらにより好ましくは0.7であり、よりさらに好ましくは1.0である。また、当該モル比の上限値は、7.0であることがさらに好ましく、よりさらに好ましくは5.0であり、さらにより好ましくは3.0である。当該モル比が0.2以上であること、一液型コーティング組成物としたときの貯蔵安定性を確保することができる傾向にあり、当該モル比が10以下であることで、有効NCO含有率の低下を抑制することができる傾向にある。
ブロックポリイソシアネート組成物の固形分濃度は、特に限定されないが40質量%以上80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは50質量%以上70質量%以下である。固形分濃度が40質量%以上であることにより焼付時の揮発量を減少できる傾向にあり、固形分濃度が80質量%以下であることによりブロックポリイソシアネート組成物を配合する際の作業性を良好とすることができる傾向にある。固形分濃度が40質量%以上80質量%以下であるポリイソシアネートを得るためには、ブロックポリイソシアネート組成物合成前後に、当該固形分濃度となるように、溶剤を添加すればよい。固形分濃度は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
ブロックポリイソシアネート組成物の有効NCO含有率は、特に限定されないが、固形分の総量(100質量%)に対して、8.0質量%以上20質量%以下であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上15質量%以下である。有効NCO含有率が固形分の総量(100質量%)に対して、8.0質量%以上であることにより焼付後の架橋密度を良好に維持できる傾向にあり、有効NCO含有率が20質量%以下であることにより焼付後塗膜の平滑性を確保するとなる傾向にある。固形分の総量(100質量%)に対して、有効NCO含有率が8.0質量%以上20質量%以下であるブロックポリイソシアネート組成物を得るためには、例えば、NCO含有率が15質量%以上25質量%以下のポリイソシアネートを原料とすればよい。有効NCO含有率は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
<ポリイソシアネート>
本実施形態のポリイソシアネートは、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートより誘導される。
脂肪族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、炭素数4.0以上30以下のものが好ましく、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HDI」と記載する。)、2,2,4−トリメチル−1,6−ジイソシアナトヘキサン、リジンジイソシアネートが挙げられる。これらの中でも、工業的入手のしやすさからHDIがより好ましい。脂肪族ジイソシアネートは、単独で使用してもいいし、2種以上を併用しても構わない。
脂環族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、炭素数8.0以上30以下のものが好ましく、例えば、イソホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」と記載する。)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネートが挙げられる。これらの中でも、耐候性及び工業的入手の容易さから、IPDIがより好ましい。脂環族ジイソシアネートは単独で使用してもいいし、2種以上を併用しても構わない。
上述のジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、上記脂肪族ジイソシアネート及び/又は上記脂環族ジイソシアネートに、ビウレット結合、尿素結合、イソシアヌレート結合、ウレトジオン結合、ウレタン結合、アロファネート結合、オキサジアジントリオン結合等を形成することにより製造されるジイソシアネートの2〜20量体のオリゴマーが挙げられる。ビウレット結合を有するポリイソシアネートは、例えば、水、t−ブタノール、尿素等のいわゆるビウレット化剤とジイソシアネートとを、ジイソシアネートのイソシアネート基に対するビウレット化剤のモル比を約1/2〜約1/100で反応させた後、未反応ジイソシアネートを除去精製して得られる。イソシアヌレート結合を有するポリイソシアネートは、例えば、触媒等により環状3量化反応を行い、転化率が約5〜約80質量%になった時に反応を停止し、未反応ジイソシアネートを除去精製して得られる。この際に、1,3−ブタンジオール、トリメチロールプロパン等の1〜6価のアルコール化合物を併用することができる。
上記イソシアヌレート結合を有するポリイソシアネートを製造する際の触媒としては、一般に塩基性を有するものが好ましい。このような触媒の例としては、
(1)テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドや、例えば、酢酸、カプリン酸等の有機弱酸塩、
(2)トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム等のヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドや、例えば酢酸、カプリン酸等の有機弱酸塩、
(3)アルキルカルボン酸の例えば錫、亜鉛、鉛等のアルキル金属塩、
(4)ナトリウム、カリウム等の金属アルコラート、
(5)ヘキサメチルジシラザン等のアミノシリル基含有化合物、
(6)マンニッヒ塩基類、
(7)第3級アミン類とエポキシ化合物との併用、
(8)トリブチルホスフィン等の燐系化合物
が挙げられ、これらの2種以上を併用してもよい。
上記触媒が塗料又は塗膜物性に悪影響を及ぼす可能性がある場合には、該触媒を酸性化合物等で中和することが好ましい。この場合の酸性化合物としては、特に限定されないが、例えば、塩酸、亜燐酸、燐酸等の無機酸;メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸メチルエステル、p−トルエンスルホン酸エチルエステル等のスルホン酸又はその誘導体;燐酸エチル、燐酸ジエチル、燐酸イソプロピル、燐酸ジイソプロピル、燐酸ブチル、燐酸ジブチル、燐酸2−エチルヘキシル、燐酸ジ(2−エチルヘキシル)、燐酸イソデシル、燐酸ジイソデシル、オレイルアシッドホスフェート、テトラコシルアシッドホスフェート、エチルグリコールアシッドホスフェート、ピロリン酸ブチル、亜燐酸ブチルが挙げられ、これらの2種以上を併用してもよい。
ウレタン結合を有するポリイソシアネートは、例えば、トリメチロールプロパン等の2〜6価のアルコール系化合物とジイソシアネートとを、ジイソシアネートのイソシアネート基に対するアルコール系化合物の水酸基のモル比を約1/2〜約1/100で反応させた後、未反応ジイソシアネートを除去精製し得られる。
ポリイソシアネートの数平均分子量は、特に限定されないが、500以上1500以下であることが好ましく、より好ましくは600以上1300以下である。数平均分子量が500以上であることにより焼付後塗膜の柔軟性を良好に確保できる傾向にあり、数平均分子量が1500以下であることにより焼付後塗膜の架橋密度を良好に確保できる傾向にある。数平均分子量が500以上1500以下であるポリイソシアネートを得るためには、例えば、イソシアヌレート化反応の添加率を5.0質量%〜80質量%とすればよい。数平均分子量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
ポリイソシアネートの粘度は、特に限定されないが、100mPa・s以上100,000mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは300mPa・s以上50,000mPa・s以下である。粘度が100mPa・s以上であることにより焼付時の架橋性を良好に確保することができる傾向にあり、粘度が100,000mPa・s以下であることにより焼付後の塗膜平滑性を良好に維持できる傾向にある。粘度が100mPa・s以上100,000mPa・s以下であるポリイソシアネートを得るためには、適度な転化率で適宜2〜6価のアルコール系化合物を使用する方法等が挙げられる。粘度は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
ポリイソシアネートのイソシアネート含有量は、特に限定されないが、固形分の総量(100質量%)に対して、15質量%以上25質量%以下であることが好ましく、より好ましくは17質量%以上24質量%以下である。イソシアネート含有量が15質量%以上であることにより焼付後の塗膜の架橋密度を確保するとなる傾向にあり、イソシアネート含有量が25質量%以下であることにより焼付後塗膜の柔軟性を確保するとなる傾向にある。イソシアネート含有量が固形分の総量(100質量%)に対して、15質量%以上25質量%以下であるポリイソシアネートを得るためには、適度な転化率で適宜2〜6価のアルコール系化合物を使用する方法等が挙げられる。イソシアネート含有量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
ポリイソシアネートのHDIモノマー濃度は、特に限定されないが、好ましくは2.0質量%以下であり、より好ましくは1.0質量%以下であり、さらに好ましくは0.7質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.5質量%以下である。HDIモノマー濃度が2.0質量%以下であると、取り扱い時の危険性を一層低減でき、かつ、塗料組成物としたときの硬化性を一層向上させることができる傾向にある。HDIモノマー濃度が2.0質量%以下であるポリイソシアネートを得るためには、ポリイソシアネート製造後に、薄膜蒸発感、抽出等で除去すればよい。HDIモノマー濃度は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
これらのポリイソシアネートから選ばれる1種又は2種以上から形成されたポリイソシアネートのイソシアネート基平均数は、2.0以上20以下であることが好ましい。イソシアネート基平均数の下限値は、2.3であることがより好ましく、さらに好ましくは2.5、さらにより好ましくは3.0である。イソシアネート基平均数の上限値は、15であることがより好ましく、さらに好ましくは10である。このイソシアネート基平均数が2.0以上であることによって、架橋性が向上し、ブロックポリイソシアネートとした際に、低温硬化性を発現することができる傾向にある。一方、このイソシアネート基平均数が20以下であることによって、粘度が高くなりすぎることを抑制し、作業性の良好なポリイソシアネートを得ることができる傾向にある。
イソシアネート基平均数は下記式により求められる。下記式における数平均分子量及びイソシアネート基質量%は、上述した数平均分子量及びイソシアネート含有量(質量%)である。
Figure 2017052917
<ブロック剤>
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物において、そのブロック剤は、マロン酸ジエステル化合物を含む。マロン酸ジエステル化合物は、下記式(II)で示されるものであることが好ましい。
式(II)中、R3、及びR4は、各々独立に炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基、又はベンジル基を示す。R3、及びR4は同一であっても、異なっていても構わないが、入手の容易さから、同一であることが好ましい。R3、及びR4が炭素数8以下のアルキル基を示すマロン酸ジエステル化合物であることによって、有効NCO含有率の低下を抑制すると共に、塗料としたときの主剤等との相溶性の悪化を抑制することができる傾向にある。これらの中でも、炭素数1〜8のアルキル基を示すマロン酸ジエステル化合物であることがより好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜4のアルキル基を示すマロン酸ジエステル化合物であり、さらに好ましくはメチル基又はエチル基を示すマロン酸ジエステル化合物であり、さらにより好ましくは、エチル基を示すマロン酸ジエステル化合物である。ここで有効NCO含有率とは、ブロックポリイソシアネート組成物の総量(100質量%)に対して、潜在的に存在するイソシアネート含有量(質量%)である。
Figure 2017052917
式(II)中、R3、及びR4は、各々独立に、炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基、又はベンジル基を示す。
マロン酸ジエステル化合物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジn−プロピル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジn−ブチル、マロン酸ジイソブチル、マロン酸ジt−ブチル、マロン酸メチルt−ブチルエステル、マロン酸ジn−ヘキシル、マロン酸ジ2−エチルヘキシル、マロン酸ジフェニル、及びマロン酸ジベンジルが挙げられる。その中でも、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジn−プロピル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジn−ブチル、マロン酸ジイソブチル、マロン酸ジt−ブチル、マロン酸メチルt−ブチルエステル、マロン酸ジn−ヘキシル、及びマロン酸ジ2−エチルヘキシルが好ましい。より好ましくは、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジn−プロピル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジn−ブチル、マロン酸ジイソブチル、マロン酸ジt−ブチル、及びマロン酸メチルt−ブチルエステルであり、さらに好ましくは、マロン酸ジメチル、及びマロン酸ジエチルであり、さらにより好ましくは、マロン酸ジエチルである。上記に示したマロン酸ジエステルは、単独で用いることもできるし、2種以上を併用して使用することもできる。
本実施形態のブロック剤は、上記マロン酸ジエステル化合物以外のブロック剤(以下、「その他のブロック剤」ともいう。)をさらに含んでもよい。その他のブロック剤は、特に限定されないが、活性水素を分子内に1個有する化合物であることが好ましい。活性水素を分子内に1個有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、マロン酸ジエステル化合物以外の活性メチレン系、メルカプタン系、酸アミド系、酸イミド系、イミダゾール系、尿素系、オキシム系、アミン系、イミド系、ピラゾール系の化合物が挙げられる。
より具体的なその他のブロック剤として、
(1)マロン酸ジエステル化合物以外の活性メチレン系;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、イソブタノイル酢酸メチル、イソブタノイル酢酸エチル等のβケトエステル化合物、アセチルアセトン等、
(2)メルカプタン系;ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等、
(3)酸アミド系;アセトアニリド、酢酸アミド、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム等、
(4)酸イミド系;コハク酸イミド、マレイン酸イミド等、
(5)イミダゾール系;イミダゾール、2−メチルイミダゾール等、
(6)尿素系;尿素、チオ尿素、エチレン尿素等、
(7)オキシム系;ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム(MEKO)、シクロヘキサノンオキシム等、
(8)アミン系;ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾール、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、イソプロピルエチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ(2−ブチルアミン)、ジ(t−ブチル)アミン、ジシクロヘキシルアミン、N−t−ブチルシクロヘキシルアミン、2−メチルピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等、
(9)イミン系;エチレンイミン、ポリエチレンイミン等、
(10)ピラゾール系;ピラゾール、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール等
が挙げられる。
好ましいその他のブロック剤は、特に限定されないが、オキシム系、アミン系、酸アミド系、マロン酸ジエステル化合物以外の活性メチレン系、ピラゾール系のブロック剤から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは、オキシム系、マロン酸ジエステル化合物以外の活性メチレン系、ピラゾール系のブロック剤から選ばれる少なくとも1種であり、さらに好ましくは、マロン酸ジエステル化合物以外の活性メチレン系のブロック剤の中から選ばれる少なくとも1種であり、さらにより好ましくは、アセト酢酸エステルである。
本実施形態のブロック剤において、マロン酸ジエステル化合物以外のブロック剤に対するマロン酸ジエステル化合物のモル比は、特に限定はされないが、1.0以上であることが好ましい。当該モル比の下限値は、1.0であることが好ましく、より好ましくは1.5であり、さらに好ましくは2.0であり、さらにより好ましくは3.0である。また、当該モル比の上限値は、50であることがより好ましく、さらに好ましくは33であり、さらにより好ましくは20であり、よりさらに好ましくは10である。下限値が1.0以上であることにより、より低温硬化性を良好とすることができる傾向にあり、上限値が50以下であることにより、低温時の結晶性をより抑制することができる傾向にある。
〔ブロックポリイソシアネート組成物の製造方法〕
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物の製造方法について説明する。本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物の製造方法は、例えば、大きく分類して、2つの製造方法が挙げられる(以下、「製造方法1」及び「製造方法2」と称する。)。
まず、製造方法1は、脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートより誘導されたポリイソシアネートと、下記式(II)で示されるマロン酸ジエステル化合物と、必要に応じてマロン酸ジエステル化合物以外のブロック剤と、からブロックポリイソシアネートを製造する段階で、下記式(I)で示されるメタンテトラカルボニル構造を同時に形成し、ブロックポリイソシアネート組成物を製造する方法である。
一方、製造方法2は、脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートより誘導されたポリイソシアネートと、マロン酸ジエステル化合物と、必要に応じてマロン酸ジエステル化合物以外のブロック剤と、から製造されたブロックポリイソシアネートに対して、下記式(I)で示されるメタンテトラカルボニル構造を多く含有するブロックポリイソシアネートを別途、混合し、ブロックポリイソシアネート組成物を製造する方法である。
Figure 2017052917
式(I)中、R1、及びR2は、各々独立に、炭素数1〜8個のアルキル基、フェニル基、又はベンジル基を示す。)
Figure 2017052917
式(II)中、R3、及びR4は、各々独立に、炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基、又はベンジル基を示す。
<製造方法1>
製造の簡便さから、製造方法1がより好ましい。以下に製造方法1について、より詳細に説明する。
製造方法1は、脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートより誘導されたポリイソシアネートと、マロン酸ジエステル化合物と、必要に応じてマロン酸ジエステル化合物以外のブロック剤とを反応させ、ブロックポリイソシアネートを得る第1工程と、それに続き、当該ブロックポリイソシアネートとモノアルコールとをエステル交換反応をさせる第2工程と、の少なくとも2つの工程を有する。
製造方法1の第1工程について説明する。さらに製造方法1の第1工程において、ブロック剤としてマロン酸ジエステル化合物以外のブロック剤を含む場合について説明する。マロン酸ジエステル化合物以外のブロック剤に対するマロン酸ジエステル化合物のモル比として、特に限定されないが、そのモル比の下限値は、1.0であることが好ましく、より好ましくは1.5であり、さらに好ましくは2.0であり、さらにより好ましくは3.0である。また、そのモル比の上限値は、50であることが好ましく、より好ましくは33であり、さらに好ましくは20であり、さらにより好ましくは10である。そのモル比の下限値が1.0以上であることにより、より低温硬化性を良好とすることができる傾向にあり、そのモル比の上限値が50以下であることにより、低温時の結晶性をより抑制することができる傾向にある。
製造方法1の第1工程におけるマロン酸ジエステル化合物は、上述した式(II)で示される化合物である。式(II)中、R3、及びR4は、各々独立に、炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基、又はベンジル基を示す。R3、R4は同一であっても、異なっていても構わないが、入手の容易さから、R3とR4は同一であることが好ましい。R3、及びR4が、各々独立に、炭素数8以下のアルキル基であることによって、有効NCO含有率の低下を抑制すると共に、塗料としたときの主剤等との相溶性の悪化を抑制することができる傾向にある。これらの中でも、R3、及びR4が、各々独立に、炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましく、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、さらに好ましくはメチル基及びエチル基であり、さらにより好ましくは、エチル基である。ここで有効NCO含有率とは、ブロックポリイソシアネート組成物の総量(100質量%)に対して潜在的に存在するイソシアネート基の含有量(質量%)である。
マロン酸ジエステルの具体例としては、特に限定されないが、例えば、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジn−プロピル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジn−ブチル、マロン酸ジイソブチル、マロン酸ジt−ブチル、マロン酸メチルt−ブチルエステル、マロン酸ジn−ヘキシル、マロン酸ジ2−エチルヘキシル、マロン酸ジフェニル、及びマロン酸ジベンジルが挙げられる。その中でも、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジn−プロピル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジn−ブチル、マロン酸ジイソブチル、マロン酸ジt−ブチル、マロン酸メチルt−ブチルエステル、マロン酸ジn−ヘキシル、及びマロン酸ジ2−エチルヘキシルが好ましく、より好ましくは、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジn−プロピル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジn−ブチル、マロン酸ジイソブチル、マロン酸ジt−ブチル、及びマロン酸メチルt−ブチルエステルであり、さらに好ましくは、マロン酸ジメチル、及びマロン酸ジエチルであり、さらにより好ましくは、マロン酸ジエチルである。上記に示したマロン酸ジエステルは、単独で用いることもできるし、2種以上を併用して使用することもできる。
製造方法1の第1工程におけるマロン酸ジエステル化合物以外のブロック剤(以下、「その他のブロック」ともいう。)は、特に限定されないが、活性水素を分子内に1個有する化合物であることが好ましい。活性水素を分子内に1個有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、マロン酸ジエステル化合物以外の活性メチレン系、メルカプタン系、酸アミド系、酸イミド系、イミダゾール系、尿素系、オキシム系、アミン系、イミド系、ピラゾール系化合物が挙げられる。
より具体的なその他のブロック剤として、
(1)マロン酸ジエステル化合物以外の活性メチレン系;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、イソブタノイル酢酸メチル、イソブタノイル酢酸エチル等のβケトエステル化合物、アセチルアセトン等、
(2)メルカプタン系;ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等、
(3)酸アミド系;アセトアニリド、酢酸アミド、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム等、
(4)酸イミド系;コハク酸イミド、マレイン酸イミド等、
(5)イミダゾール系;イミダゾール、2−メチルイミダゾール等、
(6)尿素系;尿素、チオ尿素、エチレン尿素等、
(7)オキシム系;ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等、
(8)アミン系;ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾール、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、イソプロピルエチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ(2−ブチルアミン)、ジ(t−ブチル)アミン、ジシクロヘキシルアミン、N−t−ブチルシクロヘキシルアミン、2−メチルピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等、
(9)イミン系;エチレンイミン、ポリエチレンイミン等、
(10)ピラゾール系;ピラゾール、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール等
が挙げられる。
好ましいその他のブロック剤としては、特に限定されないが、オキシム系、アミン系、酸アミド系、マロン酸ジエステル化合物以外の活性メチレン系、ピラゾール系のブロック剤から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは、オキシム系、マロン酸ジエステル化合物以外の活性メチレン系、ピラゾール系のブロック剤から選ばれる少なくとも1種であり、さらに好ましくは、マロン酸ジエステル化合物以外の活性メチレン系のブロック剤の中から選ばれる少なくとも1種であり、さらにより好ましくは、アセト酢酸エステルである。
製造方法1の第1工程において、ポリイソシアネートに対して、マロン酸ジエステル化合物及びマロン酸ジエステル化合物以外のブロック剤は、同時に反応させてもいいし、どちらかのブロック剤を先に当該ポリイソシアネートに対して反応させた後、もう一方のブロック剤を反応させても構わない。
本実施形態におけるブロック化反応(ポリイソシアネートとブロック剤との反応)は、ポリイソシアネートの全てのイソシアネート基をブロック化するよう反応させることが好ましい。その観点から、ポリイソシアネートにおけるイソシアネート基に対するブロック剤のモル比((ブロック剤の合計モル数)/(ポリイソシアネートにおけるイソシアネート基のモル数))は、1.0以上1.5以下であることが好ましい。当該モル比の下限値は、1.015であることがより好ましく、さらに好ましくは1.030であり、さらにより好ましくは1.045である。また、当該モル比の上限値は、1.35であることがより好ましく、さらに好ましくは1.20であり、さらにより好ましくは1.10である。当該モル比の下限値を1.0とすることで、ブロックポリイソシアネートの低温硬化性をより発現することができる傾向にあり、当該モル比の上限値を1.5以下とすることで、塗装後の乾燥性の低下を抑制することができる傾向にある。
第1工程の反応は、溶剤の存在の有無に関わらず行うことができる。溶剤を用いる場合、イソシアネート基に対して不活性である溶剤を用いるのが好ましい。その溶剤としては特に限定されないが、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸セロソルブ等のエステル類;プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶剤の群から目的及び用途に応じて適宜、溶剤を選択して使用することができる。これらの溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第1工程のブロック化反応に際しては、反応触媒を使用することができる。具体的な反応触媒としては、特に限定されないが、例えば、錫、亜鉛、鉛等の有機金属塩;金属アルコラート;3級アミンが挙げられる。
本実施形態のメタンテトラカルボニル構造の生成量を確保するため、上記反応触媒は、時間をかけて、連続添加することが好ましい。滴下に有する時間としては、2.0分以上120分以下であることが好ましい。その時間の下限値は、3.0分であることがより好ましく、さらに好ましくは5.0分であり、さらにより好ましくは7.0分である。その時間の上限値は、90分であることがより好ましく、さらに好ましくは60分であり、さらにより好ましくは30分である。その時間の下限値を2.0分以上とすることで、メタンテトラカルボニル構造の生成量を多くすることで本実施形態の範囲に調整することが容易となる傾向にあり、その時間の上限値を120分以下とすることで、メタンテトラカルボニル構造の生成量が多くなりすぎず本実施形態の範囲に容易に調整することができ、さらに反応時間延長を抑制することができる傾向にある。
用いた反応触媒が塗料又は塗膜物性に悪影響を及ぼす可能性がある場合には、該反応触媒を酸性化合物等で失活させることが好ましい。この場合の酸性化合物としては、特に限定されないが、例えば、塩酸、亜燐酸、燐酸等の無機酸;メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸メチルエステル、p−トルエンスルホン酸エチルエステル等のスルホン酸又はその誘導体;燐酸モノエチル、燐酸ジエチル、燐酸モノイソプロピル、燐酸ジイソプロピル、燐酸モノブチル、燐酸ジブチル、燐酸モノ(2−エチルヘキシル)、燐酸ジ(2−エチルヘキシル)、燐酸モノイソデシル、燐酸ジイソデシル、オレイルアシッドホスフェート、テトラコシルアシッドホスフェート、エチルグリコールアシッドホスフェート、ピロリン酸ブチル、亜燐酸ブチルが挙げられる。これらの酸性化合物は、2種以上を併用してもよい。
第1工程の反応温度は、一般に−20℃以上150℃以下で行うことが好ましく、より好ましくは0℃以上100℃以下であり、さらに好ましくは40℃以上80℃以下である。反応温度を150℃以下で反応を行うことによって副反応を抑制することができる傾向にあり、反応温度を−20℃以上で反応を行うことによって反応速度を高く維持することができる傾向にある。
次に、製造方法1の第2工程について説明する。第2工程は、第1工程で得られたブロックポリイソシアネートと、1価アルコール化合物とを反応させる工程である。
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物は、ポリオール、ポリアミン及びアルカノールアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種と配合した際の貯蔵安定性を向上させるために、本実施形態におけるブロックポリイソシアネート組成物と、1価アルコール化合物とを混合して反応させる工程として、第2工程を実施することが好ましい。
第2工程の混合温度は、−20℃以上150℃以下で行うことが好ましく、より好ましくは0℃以上100℃以下であり、さらに好ましくは40℃以上80℃以下である。混合温度を150℃以下で反応を行うことによって副反応を抑制することができる傾向にあり、また、混合温度を−20℃以上で反応を行うことによって混合時間を短くすることができる傾向にある。
<製造方法2>
製造方法2は、例えば、製造方法1の第1工程及び第2工程と同様の工程により得られたブロックポリイソシアネートに対して、第3工程として、メタンテトラカルボニル構造含有比率の高い、別途製造して得られたブロックポリイソシアネートを混合し、得られるブロックポリイソシアネート組成物全体のメタンテトラカルボニル構造含有比率を調整する方法である。
別途製造して得られたメタンテトラカルボニル構造含有比率の高いブロックポリイソシアネートは、ポリイソシアネートのイソシアネート基に対してマロン酸ジエステル化合物のモル比を0.5以上0.9以下で製造方法1の第1工程と同様の工程を行うことにより製造できる。当該モル比の下限値は、0.55であることがより好ましく、さらに好ましくは0.60であり、さらにより好ましくは0.65である。また、当該モル比の上限値は、0.85であることがより好ましく、さらに好ましくは0.80であり、さらにより好ましくは0.75である。当該モル比の下限値を0.5以上とすることで、反応途中のゲル化を抑制することができる傾向にあり、当該モル比の上限値を1.0以下とすることで、メタンテトラカルボニル構造の生成量を多くすることができる傾向にある。
また、メタンテトラカルボニル構造比率の高いブロックポリイソシアネートもポリイソシアネートとマロン酸ジエステル化合物との反応後に、製造方法1の第2工程と同様の工程として1価アルコール化合物を混合して反応させることが好ましい。
メタンテトラカルボニル構造含有比率の高いブロックポリイソシアネートに使用されるポリイソシアネートのイソシアネート基平均数は、1.0以上4.0以下であることが好ましい。イソシアネート基平均数の下限値は、1.5であることがより好ましく、さらに好ましくは、1.7であり、さらにより好ましくは1.9である。イソシアネート基平均数の上限値は、3.0であることがより好ましく、さらに好ましくは2.5であり、さらにより好ましくは2.0である。イソシアネート基平均数の下限値が1.0以上であることにより、メタンテトラカルボニル構造の生成比率を高めることができる傾向にあり、イソシアネート基平均数の上限値が4.0以下であることで、メタンテトラカルボニル構造製造時のゲル化を抑制することができる傾向にある。
また、メタンテトラカルボニル構造含有比率の高いブロックポリイソシアネート製造時に使用されるマロン酸ジエステル化合物、及び1価アルコール化合物は、上記の製造工程1で記載した化合物と同様のものが使用できる。
第3工程の混合温度は、−20℃以上150℃以下で行うことが好ましく、より好ましくは0℃以上100℃以下であり、より好ましくは40℃以上80℃以下である。混合温度を150℃以下で混合することによって副反応を抑制することができる傾向にあり、−20℃以上で混合することによって混合時間を短くすることができる傾向にある。
〔一液型コーティング組成物〕
本実施形態の一液型コーティング組成物は、本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物と、ポリオール、ポリアミン及びアルカノールアミンの少なくとも1種とを含む。また、一液型コーティング組成物は、少なくともポリオールを含むことが好ましい。一液型コーティング組成物の貯蔵安定性を向上するために、本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物は、上述した1価アルコール化合物をさらに含むことが好ましい。
ブロックポリイソシアネート組成物は、ポリオール、ポリアミン及びアルカノールアミンの少なくとも1種と共に一液型コーティング組成物の主要構成成分であることが好ましい。
ポリオールの具体例としては、特に限定されないが、例えば、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、フッ素ポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオールが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸のカルボン酸の群から選ばれる二塩基酸の単独又は混合物と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリンの群から選ばれた多価アルコールの単独又は混合物との縮合反応によって得られるポリエステルポリオール、及び、多価アルコールを用いたε−カプロラクトンの開環重合により得られるポリカプロラクトン類が挙げられる。
アクリルポリオールは、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシル基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体の単独又は混合物と、これと共重合可能な他のエチレン性不飽和結合含有単量体の単独又は混合物とを共重合させることにより得られる。
ポリエーテルポリオール類としては、特に限定されないが、例えば、多価ヒドロキシ化合物の単独又は混合物に、リチウム、ナトリウム、カリウム等の水酸化物、アルコラート、アルキルアミン等の強塩基性触媒を使用して、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの単独又は混合物を付加して得られるポリエーテルポリオール類;エチレンジアミン類等の多官能化合物にアルキレンオキサイドを反応させて得られるポリエーテルポリオール類;これらポリエーテルポリオール類を媒体としてアクリルアミド等を重合して得られるいわゆるポリマーポリオール類が挙げられる。
ポリオレフィンポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、水酸基を2個以上有するポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、及び水素添加ポリイソプレンが挙げられる。ポリオールの統計的1分子が持つ水酸基数(水酸基平均数)は、2.0以上であることが好ましい。ポリオールの水酸基平均数が2.0以上であることによって、得られた塗膜の架橋密度の低下を抑制することができる傾向にある。
フッ素ポリオールは分子内にフッ素を含むポリオールであり、特に限定されないが、例えば、特開昭57−34107号公報、特開昭61−275311号公報で開示されているフルオロオレフィン、シクロビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、モノカルボン酸ビニルエステル等の共重合体が挙げられる。
ポリカーボネートポリオール類としては、特に限定されないが、例えば、ジメチルカーボネート等のジアルキルカーボネート、エチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート、ジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネート等の低分子カーボネート化合物と、上述のポリエステルポリオールに用いられる低分子ポリオールとを、縮重合して得られるものが挙げられる。
ポリウレタンポリオールは、特に限定されないが、例えば、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させることにより得ることができる。
ポリオールの樹脂あたりの水酸基価は、10mgKOH/樹脂g以上300mgKOH/樹脂g以下であることが好ましい。樹脂あたりの水酸基価が10mgKOH/樹脂g以上であることによって、架橋密度が減少することを抑制し、本実施形態の目的とする物性を十分に達成することができる傾向にある。一方、樹脂あたりの水酸基価が300mgKOH/樹脂g以下であることによって、架橋密度が過度に増大することを抑制し、塗膜の機械的物性を高度に維持することができる傾向にある。
ポリオールの樹脂あたりの酸価は、5.0mgKOH/樹脂g以上150mgKOH/樹脂g以下であることが好ましく、より好ましくは8.0mgKOH/樹脂g以上120mgKOH/樹脂g以下であり、さらに好ましくは10mgKOH/樹脂g以上100mgKOH/樹脂g以下である。酸価が5.0mgKOH/樹脂g以上であることにより、水分散性を高く保つことができる傾向にあり、150mgKOH/樹脂g以下であることにより、塗膜の耐水性の低下を抑制することができる傾向にある。
上で列挙したポリオールの中でも、アクリルポリオール、及びポリエステルポリオールがより好ましい。ポリオールを用いる場合の塗料組成物において、ブロックイソシアネート基とポリオールの水酸基の当量比は、好ましくは10:1〜1:10に設定される。
ここでのポリアミンとしては、1級アミノ基又は2級アミノ基を1分子中に2個以上有するものが用いられるものが好ましく、その中でも、1分子中に3個以上有するものがより好ましい。
また、ここでのアルカノールアミンとは、1分子中に、アミノ基と水酸基を有する化合物を意味する。アルカノールアミンとしては、特に限定されないが、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、モノ−、ジ−(n−またはイソ−)プロパノールアミン、エチレングリコール−ビス−プロピルアミン、ネオペンタノールアミン、及びメチルエタノールアミンが挙げられる。
本実施形態の一液型コーティング組成物に、公知のメラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂を含有させることもできる。また、上述したポリオールがカルボキシル基を有する場合には、オキサゾリン基含有化合物、及びカルボジイミド基含有化合物を含有させることができる。また、上述したポリオールがカルボニル基を有する場合には、ヒドラジド基含有化合物、セミカルバジド基含有化合物を含有させることができる。これらの化合物は単独で配合するだけでなく、2種以上の化合物を配合することもできる。
本実施形態の一液型コーティング組成物は、必要に応じて、酸化防止剤として例えばヒンダードフェノール等、紫外線吸収剤として例えばベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン等、顔料として例えば、酸化チタン、カーボンブラック、インジゴ、キナクリドン、パールマイカ等、金属粉顔料として例えばアルミ等、レオロジーコントロール剤として例えばヒドロキシエチルセルロース、尿素化合物、マイクロゲル等、硬化促進剤として例えば、錫化合物、亜鉛化合物、アミン化合物等を含んでもよい。
〔塗装物品〕
本実施形態の塗装物品は、本実施形態の一液型コーティング組成物により塗装される。例えば、本実施形態の一液型コーティング組成物により、ロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、静電塗装、ベル塗装等により、鋼板、表面処理鋼板等の金属及びプラスチック、無機材料等の素材に、プライマー、中塗り、又は上塗りとして好適に塗装され、塗装物品が得られる。この一液型コーティング組成物は、さらに防錆鋼板を含むプレコートメタル、自動車塗装、プラスチック塗装等に、美粧性、耐候性、耐酸性、防錆性、耐チッピング性、密着性等を付与するために好適に用いられる。また、一液型コーティング組成物は、接着剤、粘着剤、エラストマー、フォーム、表面処理剤等のウレタン原料としても有用である。
〔塗膜〕
本実施形態の塗膜は、本実施形態の一液型コーティング組成物により形成される。即ち、本実施形態の一液型コーティング組成物は、ロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、静電塗装、ベル塗装等により塗装後、焼付け工程を経て、本実施形態の塗膜を形成することができる。この塗膜の形成に用いられる一液型コーティング組成物(塗料組成物)は、焼付け工程を経て、架橋塗膜を形成させることが好ましい。一液型コーティング組成物の硬化後の架橋塗膜は、ブロック化反応前のポリイソアネート由来のウレタン結合だけでなく、ブロックイソシアネート基由来のアミド結合、エステル結合等の極性基を有する。そのため、本実施形態の一液型コーティング組成物から形成された架橋塗膜は、一般的なウレタン架橋塗膜の特徴である耐薬品性、耐熱性、耐水性等に加え、積層塗装又はリコートを行う場合に、層間での水素結合等が可能となり、層間の密着性に優れる。焼付け工程後、架橋構造が完全に形成されていない塗膜においても、上記の極性基を有するため、積層塗装又はリコート時に、密着性に優れる点は架橋塗膜と同様に優れている。
また、自動車の新車ラインの塗装のように、数層の塗液をウェットオンウェットで積層する場合、本実施形態の塗料組成物中又は硬化後の架橋塗膜中に有機アミン化合物が存在するため、下層又は上層の架橋反応の触媒として働く可能性もある。
以下に、実施例に基づいて本実施形態を更に詳細に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。まず、各種物性の測定・評価方法について説明する。
(物性1)数平均分子量
ポリイソシアネートの数平均分子量は、下記の装置を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下、「GPC」という。)測定によるポリスチレン基準の数平均分子量で求めた。
装置:東ソー社製「HLC−8120GPC」(商品名)
カラム:東ソー社製「TSKgel SuperH1000」(商品名)×1本
「TSKgel SuperH2000」(商品名)×1本
「TSKgel SuperH3000」(商品名)×1本
キャリアー:テトラハイドロフラン
検出方法:示差屈折計
また、ポリオールの数平均分子量は、下記のGPC測定によるポリスチレン基準の数平均分子量で求めた。
装置:東ソー社製「HLC−8120GPC」(商品名)
カラム:東ソー社製「TSKgel SuperHM−H」(商品名)×2本
キャリアー:N,N−ジメチルホルムアミド
検出方法:示差屈折計
(物性2)粘度(mPa・s)
ポリイソシアネートの粘度は、E型粘度計(トキメック社製)を用いて25℃で測定した。測定に際しては、標準ローター(1°34’×R24)を用いた。回転数は、以下の通りであった。
100rpm (128mPa・s未満の場合)
50rpm (128mPa・s以上256mPa・s未満の場合)
20rpm (256mPa・s以上640mPa・s未満の場合)
10rpm (640mPa・s以上1280mPa・s未満の場合)
5rpm (1280mPa・s以上2560mPa・s未満の場合)
(物性3)NCO含有率(質量%)
ポリイソシアネートのNCO含有率(イソシアネート含有量、質量%)は、測定試料中のイソシアネート基を過剰の2Nアミンで中和した後、1N塩酸による逆滴定によって求めた。なお、後述する実施例及び比較例で作製したポリイソシアネート組成物の不揮発分を上述した方法によって調べ、その値が98質量%以上であったものは、そのまま測定した。
(物性4)HDIモノマー濃度(質量%)
ポリイソシアネートのHDIモノマー濃度は、次のように求めた。最初に、20mLサンプル瓶をデジタル天秤に乗せ試料を約1g精秤した。次に、ニトロベンゼン(内部標準液)を0.03〜0.04g加え精秤した。最後に、酢酸エチルを約9mL加えた後、蓋をしっかりして良く混合し、サンプルを調整した。上記調整液を以下の条件で、ガスクロマトグラフィー分析し、定量した。
装置:SHIMADZU社製「GC−8A」(商品名)
カラム:信和化工社製「Silicone OV−17」(商品名)
カラムオーブン温度:120℃
インジェクション/ディテクター温度:160℃
(物性5)イソシアネート基平均数
ポリイソシアネートのイソシアネート基平均数は、上記(物性1)の数平均分子量と、上記(物性3)のNCO含有率(イソシアネート濃度)とから下記一般式で算出した。
Figure 2017052917
(物性6)固形分濃度(質量%)
底直径38mmのアルミ皿を精秤後、実施例または比較例のブロックポリイソシアネート組成物をアルミ皿上に約1g乗せた状態で精秤し(W1)、ブロックポリイソシアネート組成物を均一厚さに調整後、105℃のオーブンで1時間保持した。アルミ皿が室温になった後、アルミ皿に残存したブロックポリイソシアネート組成物を精秤した(W2)。
固形分濃度=W2/W1×100
(物性7)有効NCO含有率(質量%)
ブロックポリイソシアネートの有効NCO含有率は、次のように求めた。ここでの有効NCO含有率(質量%)とは、ブロック化反応後のブロックポリイソシアネート組成物中に存在する架橋反応に関与しうるブロックイソシアネート基量を定量化するものであって、イソシアネート基の質量%として表し、下記式により算出した。
{(ブロックポリイソシアネート組成物の固形分(質量%))×(反応に使用したポリイソシアネート質量×前駆体のポリイソシアネートのイソシアネート基含有量%)}/(ブロック化反応後のブロックポリイソシアネート組成物の樹脂質量)
なお、試料が溶剤等で希釈されている場合は、希釈された状態での値を記載した。
(物性8)メタンテトラカルボニル構造比率(モル%)
ブロックポリイソシアネート組成物のメタンテトラカルボニル構造比率は、次のように求めた。BrukerBiospin社製「Avance600」(商品名)を用いた、1H−NMRの測定により、メタンテトラカルボニル構造/(メタンテトラカルボニル構造+メタントリカルボニル構造のケト体+メタントリカルボニル構造のエノール体)のモル比率を求めた。具体的な測定条件は以下の通りであった。
装置:BrukerBiospin社製「Avance600」(商品名)
溶剤:重クロロホルム
積算回数:256回
試料濃度:5.0質量%
ケミカルシフト基準:テトラメチルシランを0ppmとした。
以下のシグナルの積分値を、測定している炭素の数で除し、その値から各モル比を求めた。
・メタントリカルボニル構造(下記式(III)で示される構造)のケト体NHプロトン:7.3ppm付近:積分値÷1
Figure 2017052917
・メタントリカルボニル構造(下記式(IV)で示される構造)のエノール体NHプロトン:9.8ppm付近:積分値÷1
Figure 2017052917
・メタンテトラカルボニル構造(下記式(I)で示される構造)のNHプロトン:8.0ppm付近:積分値÷2
Figure 2017052917
(評価1)低温硬化性
「Setalux1152」(アクリルポリオール、Nuplex Resins社製の商品名、水酸基価138mgKOH/樹脂g、固形分濃度51質量%)とブロックポリイソシアネート組成物とを、NCO/OH=1.0になるように配合し、酢酸ブチルでフォードカップNo.4で20秒/23℃に調整し、α塗料溶液を得た。
得られたα塗料溶液をPP板に、エアースプレーガンで乾燥膜厚40μmになるように塗装し、温度23℃にて30分間乾燥後、90℃で20分間焼付けし、硬化塗膜を得た。
得られた硬化塗膜を焼付け後、20℃で1時間放置し、PP板から剥がし、アセトン中に20℃、24時間浸漬後、未溶解部質量の浸漬前質量に対する値(ゲル分率)を計算し、下記の基準で評価した。
◎:ゲル分率が90%以上
○:ゲル分率が80%以上90%未満
△:ゲル分率が70%以上80%未満
×:ゲル分率が70%未満
(評価2)上層塗膜との密着性
上記(評価1)で得られたα塗料溶液を、軟鋼板に、エアースプレーガンで乾燥膜厚40μmになるように塗装し、温度23℃にて30分間乾燥後、90℃で20分間焼付けし、α塗膜層1を得た。α塗膜層1の軟鋼板との密着性試験をJIS K5600−5−6に準じて行った。その結果、一部の浮き等も含め、剥がれは観察されなかった。
「Setalux1767」(アクリルポリオール、Nuplex Resins社製の商品名、水酸基価150mgKOH/樹脂g、固形分65質量%)70部、日本サイテック株式会社製のヘキサメトキシメチル化メラミン樹脂「サイメル(登録商標)300」30質量部、p−トルエンスルホン酸1質量部を混合後、酢酸ブチルで、フォードカップNo.4で20秒/23℃に調整し、β塗料溶液を得た。
別途、上記(評価1)で得られたα塗料溶液を、軟鋼板に、エアースプレーガンで乾燥膜厚40μmになるように塗装し、温度23℃にて30分間乾燥後、90℃で20分間焼付けし、α塗膜層2を得た。α塗膜層2に、β塗料溶液を乾燥膜厚40μmになるように塗装し、温度23℃にて30分間乾燥後、14℃で30分間焼付けし、α層及びβ層を有する複層塗膜を得た。このα層及びβ層を有する複層塗膜の密着性試験をJIS K5600−5−6に準じて行った。下記の基準で評価した。
◎:剥離塗膜、浮き無し
○:カット部に一部浮きあり
△:半分未満の剥離塗膜あり
×:半分以上の剥離塗膜あり
(評価3)相溶性
上記(評価1)で得られたα塗料溶液を、ガラス板に、エアースプレーガンで乾燥膜厚80μmになるように塗装した。温度23℃にて30分間乾燥し、90℃にて20分間焼き付けた後、冷却した。目視で観測し、下記の基準で評価した。
○:透明なもの
△:微かに濁りが見られるもの
×:濁りの程度が強いもの
<製造例1>ポリイソシアネートP−1
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI1100質量部、1,3−ブタンジオール1.2質量部を仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃で2時間保持した。その後反応器内温度を60℃に保持し、テトラブチルアンモニウムアセテートを添加、反応液のNCO含有率が41.3質量%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去し、25℃における粘度が3800mPas、イソシアネート含有量21.0%、HDIモノマー濃度0.2質量%、イソシアネート基平均数3.6のポリイソシアネートP−1を得た。
<製造例2>ポリイソシアネートP−2
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI100質量部、トリメチロールプロパン3.3質量部を仕込み、撹拌下、反応器内温度を80℃で2時間保持した。その後反応器内温度を60℃に保持し、テトラブチルアンモニウムアセテートを添加し、反応液のNCO含有率が36.3質量%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去した。25℃における粘度が25000mPas、イソシアネート含有量19.5%、HDIモノマー濃度0.2質量%、イソシアネート基平均数5.1のポリイソシアネートP−2を得た。
<製造例3>ポリイソシアネートP−3
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI100部を仕込み、撹拌下反応器内温度を60℃に保持し、テトラブチルアンモニウムアセテートを添加し、反応液のNCO含有率が43.8質量%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去し、25℃における粘度が1700mPas、イソシアネート含有量23.0%、HDIモノマー濃度0.2質量%、イソシアネート基平均数3.2、イソシアヌレート型のポリイソシアネートP−3を得た。
<製造例4>メタンテトラカルボニル構造比率の高いブロックポリイソシアネートM−1
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、ヘキサメチレンジイソシアネートモノマーを100質量部、マロン酸ジエチル131質量部((マロン酸ジエチルのモル比)/(イソシアネート基のモル比)=0.77倍)、酢酸ブチル82質量部を仕込み、28%ナトリウムメチラート溶液0.7質量部を室温で添加し、60℃で6時間反応した。この時点でサンプリングし、1H−NMRを実施したところ、メタンテトラカルボニル構造:50モル%、メタントリカルボニル構造:45モル%、マロン酸ジエチル:5モル%となった。なおマロン酸ジエチルの定量は、1H−NMR測定で3.4ppmに検出されるピーク÷2から算出した。その後、1−ブタノール60質量部を添加し1時間その温度で撹拌を続けた。そこに、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート0.7質量部を添加し、30分撹拌後、冷却した。再度、1H−NMRを実施したところ、メタンテトラカルボニル構造:26モル%、メタントリカルボニル構造:69モル%、マロン酸ジエチル:5モル%を含む樹脂分60%、有効NCO含有率:6.4質量%、メタンテトラカルボニル構造含有のブロックポリイソシアネートM−1を得た。
<実施例1>
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、ポリイソシアネートP−1を100質量部、マロン酸ジエチル67質量部、アセト酢酸エチル14質量部、酢酸n−ブチル39質量部を仕込み、28%ナトリウムメチラート溶液0.8質量部を室温で0.16質量部/分の速度で添加し、60℃で6時間反応した。その後、1−ブタノール74質量部を添加し2時間その温度で撹拌を続けた。それに燐酸モノ(2-エチルヘキシル)0.8質量部を添加し、樹脂分60質量%、有効NCO含有率7.1質量%のブロックポリイソシアネート組成物B−1を得た。得られたブロックポリイソシアネート組成物B−1の1H−NMR測定を実施し、イソシアネート−マロン酸ジエステル結合構造中のメタンテトラカルボニル構造比率を定量した。また、上述した(評価1)〜(評価3)の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
<実施例2〜4、6〜7、比較例1〜2>
実施例2〜4、6〜7、比較例1〜2において、表1で示した配合とする以外は実施例1と同様にして、ブロックポリイソシアネート組成物B−2〜B−4、B6〜B9を得た。得られたブロックポリイソシアネート組成物の物性値及び評価結果を表1、表2に示す。また、表1及び表2において、メチルエチルケトオキシムを、「MEKO」と示す。
<実施例5>
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、ポリイソシアネートP−1を100質量部、マロン酸ジエチル67質量部、アセト酢酸エチル14質量部、酢酸n−ブチル39質量部を仕込み、28%ナトリウムメチラート溶液0.8質量部を室温で0.8質量部/分の速度で添加し、60℃で6時間反応した。その後、1−ブタノール74質量部を添加し、2時間その温度で撹拌を続けた。そこに、燐酸モノ(2−エチルヘキシル)0.8質量部を添加した。その後、メタンテトラカルボニル構造含有ブロックポリイソシアネートM−1を50質量部添加し、樹脂分60質量%、有効NCO含有率7.0質量%、イソシアネート−マロン酸ジエステル結合構造比率83モル%のブロックポリイソシアネート組成物B−5を得た。得られたB−5の1H−NMR測定を実施し、イソシアネート−マロン酸ジエステル結合構造中のメタンテトラカルボニル構造比率を定量した。また、上述した(評価1)〜(評価3)の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
<比較例3>
表1で示した配合とする以外は、実施例5と同様にしてブロックポリイソシアネート組成物B−10を得た。得られたブロックポリイソシアネート組成物B−10の物性値及び評価結果を表2に示す。
Figure 2017052917
Figure 2017052917
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物は、上記の実施例及び比較例の結果から、100℃以下の焼付け温度で架橋可能な程度の低温硬化性を保持しつつ、上層塗膜との密着性に優れ、かつ、ポリオールとの相溶性に優れていることが分った。
本発明に係るブロックポリイソシアネート組成物は、低温硬化性、上層との密着性、及び、ポリオールとの相溶性に優れた一液型コーティング組成物として、好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. 脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートより誘導されたポリイソシアネートと、ブロック剤と、から得られるブロックポリイソシアネートを含み、
    前記ブロック剤は、マロン酸ジエステル化合物を含み、
    イソシアネート−マロン酸ジエステル結合構造の総量に対する下記式(I)で示されるメタンテトラカルボニル構造の比率が、0.5モル%以上10モル%以下である、ブロックポリイソシアネート組成物。
    Figure 2017052917
    (式(I)中、R1及びR2は、各々独立に、炭素数1〜8個のアルキル基、フェニル基、又はベンジル基を示す。)
  2. 前記ブロック剤は、前記マロン酸ジエステル化合物以外のブロック剤をさらに含む、請求項1に記載のブロックポリイソシアネート組成物。
  3. 前記ブロック剤において、前記マロン酸ジエステル化合物以外のブロック剤に対する前記マロン酸ジエステル化合物のモル比が、1.0以上である、請求項2に記載のブロックポリイソシアネート組成物。
  4. 1価アルコール化合物をさらに含み、
    前記ブロックポリイソシアネート組成物のブロックポリイソシアネート基に対する前記1価アルコール化合物のモル比が、0.2以上10以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のブロックポリイソシアネート組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のブロックポリイソシアネート組成物と、ポリオールと、を含む一液型コーティング組成物。
  6. 請求項5に記載の一液型コーティング組成物により形成された塗膜。
  7. 請求項5に記載の一液型コーティング組成物により塗装された塗装物品。
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