JP2017048276A - ブロックポリイソシアネート組成物及びその製造方法、一液型コーティング組成物、塗膜、並びに塗膜を備える物品 - Google Patents

ブロックポリイソシアネート組成物及びその製造方法、一液型コーティング組成物、塗膜、並びに塗膜を備える物品 Download PDF

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Abstract

【課題】製造初期の着色及び経時の着色が小さいブロックポリイソシアネート組成物を提供する。
【解決手段】脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートより誘導されたポリイソシアネートと活性メチレン系化合物とから得られるブロックポリイソシアネートと、燐酸トリエステル化合物と、を含むブロックポリイソシアネート組成物であって、当該ブロックポリイソシアネート組成物は、当該ブロックポリイソシアネートの質量に対して、当該燐酸トリエステルを100質量ppm以上2000質量ppm以下含む、ブロックポリイソシアネート組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ブロックポリイソシアネート組成物及びその製造方法、一液型コーティング組成物、塗膜、並びに塗膜を備える物品に関する。
ポリウレタン塗膜は非常に優れた耐摩耗性、耐薬品性、耐候性、耐汚染性等を有しているため、その市場は拡大している。ここで、ポリウレタン塗膜は、通常、ポリオールとポリイソシアネートとから形成される。そのとき、ポリイソシアネートが有するイソシアネート基は、反応性が高く、ポリオールが有する水酸基と常温でも反応する。そのため、製品出荷時はポリオールとポリイソシアネートとをそれぞれ別の容器に入れておき、塗装前にポリオールとポリイソシアネートとを混合し、塗装する。
また、ブロックポリイソシアネートは、ポリイソシアネートが有するイソシアネート基がブロック剤でブロックされた化合物である。ブロック剤でブロックされていることにより、ブロックされたイソシアネート基(ブロックイソシアネート基)は、例えばポリオールが有する水酸基と常温では反応しない。そのため、製品出荷時にポリオールとブロックポリイソシアネートとを混合した塗料としておくことができる。この塗料は、塗装後に加熱することにより、ブロックイソシアネート基と水酸基とが反応させることができる。この際に必要となる加熱温度が高いと、被塗装基材の耐熱性が必要となり、使用エネルギーも大きくなる。
上記の加熱温度を低くしても、ブロックイソシアネート基と水酸基とが反応することができるブロックポリイソシアネート組成物として、例えば特許文献1〜4には、低温硬化性を有する活性メチレン系ブロックポリイソシアネート組成物が提案されている。
特開平8−225630号公報 特開平9−278865号公報 特開2001−278945号公報 特開2014−227439号公報
しかしながら、特許文献1〜4に提案されるような活性メチレン系ブロックポリイソシアネート組成物は、それ自体が製造初期に着色することや、さらに経時で着色することがある。また、これらの活性メチレン系ブロックポリイソシアネート組成物を用いた塗料では、特に白等の淡色系で、色調が変化してしまうため、塗料を使用する上での制限を生じる場合がある。そのため、活性メチレン系ブロックポリイソシアネート組成物自体の製造初期における着色(初期着色)及び経時での着色(経時着色)の改良が強く求められている。
そこで、本発明は、製造初期の着色及び経時の着色が小さいブロックポリイソシアネート組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来技術の課題を解決するため検討を重ねた結果、脂肪族ジイソシアネート及び/又は脂環式ジイソシアネートより誘導されたポリイソシアネートと活性メチレン系化合物とから得られるブロックポリイソシアネートと、所定範囲量の燐酸トリエステル化合物とを含むブロックポリイソシアネート組成物が、製造初期の着色及び経時の着色が小さいことを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]
脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートより誘導されたポリイソシアネートと、活性メチレン系化合物と、から得られるブロックポリイソシアネートと、
燐酸トリエステル化合物と、を含む、ブロックポリイソシアネート組成物であって、
前記ブロックポリイソシアネート組成物は、前記ブロックポリイソシアネートの質量に対して、前記燐酸トリエステルを100質量ppm以上2000質量ppm以下含む、ブロックポリイソシアネート組成物。
[2]
前記活性メチレン系化合物は、マロン酸ジエステル化合物を含む、[1]に記載のブロックポリイソシアネート組成物。
[3]
前記マロン酸ジエステル化合物は、マロン酸ジエチルである、[2]に記載のブロックポリイソシアネート組成物。
[4]
前記活性メチレン系化合物は、アセト酢酸エステル化合物をさらに含む、[2]又は[3]に記載のブロックポリイソシアネート組成物。
[5]
前記ブロックポリイソシアネートは、前記ポリイソシアネート、前記マロン酸ジエステル化合物及び前記アセト酢酸エステル化合物の合計量に対して、40質量%以上70質量%以下の前記ポリイソシアネートと、10質量%以上50質量%以下の前記マロン酸ジエステル化合物と、1.0質量%以上20質量%以下の前記アセト酢酸エステル化合物と、から得られる、[4]に記載のブロックポリイソシアネート組成物。
[6]
前記アセト酢酸エステル化合物は、アセト酢酸エチルである、[4]又は[5]に記載のブロックポリイソシアネート組成物。
[7]
[1]〜[6]のいずれかに記載のブロックポリイソシアネート組成物と、多価活性水素化合物と、を含む、一液型コーティング組成物。
[8]
[7]に記載の一液型コーティング組成物により形成された塗膜。
[9]
[8]に記載の塗膜を備える物品。
[10]
脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートより誘導されたポリイソシアネートと、活性メチレン系化合物と、を反応させて、ブロックポリイソシアネートを得る反応工程と、
前記ブロックポリイソシアネートと燐酸トリエステル化合物とを混合し、ブロックポリイソシアネート組成物を得る混合工程とを有し、
前記ブロックポリイソシアネート組成物は、前記ブロックポリイソシアネートの質量に対して、前記燐酸トリエステルを100質量ppm以上2000質量ppm以下含む、ブロックポリイソシアネート組成物の製造方法。
本発明に係るブロックポリイソシアネート組成物は、製造初期の着色及び経時の着色が大幅に抑制されている。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
〔ブロックポリイソシアネート組成物〕
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物は、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートより誘導されたポリイソシアネートと、活性メチレン系化合物と、から得られるブロックポリイソシアネートと、燐酸トリエステル化合物と、を含む。また、ブロックポリイソシアネート組成物は、上記ブロックポリイソシアネートの質量に対して、上記燐酸トリエステル化合物を100質量ppm以上2000質量ppm以下含む。
〔ブロックポリイソシアネート〕
本実施形態のブロックポリイソシアネートは、ポリイソシアネートが有するイソシアネート基とブロック剤としての活性メチレン系化合物とを反応させることにより得られる。本実施形態のブロック剤は、少なくとも活性メチレン系化合物を含めばよく、本実施形態の効果を損なわない範囲で、活性メチレン系化合物以外のブロック剤を併用してもよい。
<ポリイソシアネート>
本実施形態のポリイソシアネートは、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートより誘導される。
脂肪族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、炭素数4〜30のものが好ましい。また、脂環族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、炭素数8〜30のものが好ましい。脂肪族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HDI」と略す)、2,2,4(又は、2,4,4)−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートが挙げられる。また、脂環族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、イソホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」と略す)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートが挙げられる。これらの中でも、耐候性、工業的入手の容易さから、HDI、IPDIが好ましく、HDIがより好ましい。また、これらは単独で使用しても併用しても構わない。
これらジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、イソシアヌレート型ポリイソシアネート、ビウレット型ポリイソシアネート、ウレタン型ポリイソシアネート、アロファネート型ポリイソシアネート及びこれらの2種以上を含む混合物が挙げられる。好ましくは、耐候性、耐熱性に優れたイソシアヌレート型ポリイソシアネートを含むものである。例えば、イソシアヌレート型ポリイソシアネートの場合は、特開昭57−47321号公報、特開昭61−111371号公報、特開平6−312969号公報、特開平3−7252号公報、特開平8−225630号公報、特開平9−278865号公報に記載のように、イソシアヌレート化反応前、反応中及び/又は反応後にヒドロキシル化合物を用いて変性、即ちウレタン化することにより合成したものを用いることができる。上記のヒドロキシル化合物の具体例、イソシアヌレート化反応の触媒、反応条件は、特に限定されないが、例えば、特開平8−225630号公報、特開平9−278865号公報に記載されているものを採用することができる。
上記のヒドロキシル化合物としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、フェノール等のモノヒドロキシル化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ジメチロールシクロヘキサン、ネオペンチルグリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール等のジヒドロキシル化合物;トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価ヒドロキシル化合物;アクリルポリオール類;ポリエステルトリオール等のポリエステルポリオール類;ポリエーテルポリオール類;脂肪族炭化水素ポリオール類;エポキシポリオール類;含フッ素ポリオール類が挙げられる。
上記のイソシアヌレート化反応に用いられる触媒としては、特に限定されないが、一般に塩基性を有するものが好ましく、例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド;その酢酸塩、オクチル酸塩、ミリスチン酸塩、安息香酸塩等の有機弱酸塩;トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム等のヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド;その酢酸塩、オクチル酸塩、ミリスチン酸塩、安息香酸塩等の有機弱酸塩;酢酸、カプロン酸、オクチル酸、ミリスチン酸等のアルキルカルボン酸の錫、亜鉛、鉛等の金属塩;ヘキサメチレンジシラザン等のアミノシリル基含有化合物が挙げられる。触媒濃度は、イソシアヌレート化合物の質量に対して、0.001質量%以上1.0質量%の範囲から選択されることが好ましい。
上記の反応条件としては、反応は溶剤の有無に関わらず行なうことができる。溶剤を用いる場合は、特に限定されないが、イソシアネート基に不活性な溶剤を用いることが好ましい。反応温度は、特に限定されないが、好ましくは20℃以上160℃以下であり、より好ましくは40℃以上130℃以下である。反応が目的の収率に達したならば、例えば、スルホン酸、燐酸により触媒を失活させ、反応を停止することができる。さらに、未反応物と溶剤とを除去し、イソシアヌレート型ポリイソシアネートを得ることができる。
ポリイソシアネートのNCO含有量は、好ましくは5.0質量%以上40質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上30質量%以下である。NCO含有量がこのような範囲にあることにより、硬化性が十分となる傾向にある。NCO含有量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
ポリイソシアネートの粘度は、好ましくは50mPa.s以上1000000mPa.s以下であり、より好ましくは100mPa.s以上500000mPa.s以下である。粘度がこのような範囲にあることにより、ブロックポリイソシアネートの取り扱いが容易となり、かつ硬化性が充分となる傾向にある。粘度は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
ポリイソシアネートの数平均分子量は、好ましくは300以上5000以下であり、より好ましくは500以上4000以下である。数平均分子量がこのような範囲にあることにより、硬化性が十分となる傾向にある。数平均分子量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
ポリイソシアネートのイソシアネート基平均数は、好ましくは2.0以上10以下であり、より好ましくは3.0以上9以下である。イソシアネート基平均数がこのような範囲にあることにより、硬化性が十分となる傾向にある。イソシアネート基平均数は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
ポリイソシアネートの残留HDI濃度は、好ましくは0.01質量%以上1質量%以下であり、より好ましくは0.02質量%以上0.5質量%以下である。残留HDI濃度がこのような範囲にあることにより、毒性が低く硬化性が十分となる傾向にある。残留HDI濃度は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
<活性メチレン系化合物>
本実施形態の活性メチレン系化合物は、マロン酸ジエステル化合物を含むことが好ましい。また、活性メチレン系化合物は、アセト酢酸エステル化合物をさらに含むことがより好ましい。さらに、活性メチレン系化合物として、本実施形態の効果を損なわない範囲で、マロン酸ジエステル化合物、アセト酢酸エステル化合物以外の活性メチレン系化合物を含んでもよい。その他の活性メチレン系化合物としては、特に限定されないが、例えば、マロン酸ジニトリル、アセチルアセトン、メチレンジスルホン、ジベンゾイルメタン、ジピバリルメタン、アセトンジカルボン酸ジエステルが挙げられる。
本実施形態のブロックポリイソシアネートは、上記ポリイソシアネート、上記マロン酸ジエステル化合物及び上記アセト酢酸エステル化合物の合計量に対して、40質量%以上70質量%以下の上記ポリイソシアネートと、10質量%以上50質量%以下の上記マロン酸ジエステル化合物と、1.0質量%以上20質量%以下の上記アセト酢酸エステル化合物と、から得られることが好ましい。このことで、低温硬化性及び貯蔵安定性により優れる傾向がある。より好ましい含有量は、ポリイソシアネートが45質量%以上65質量%以下、マロン酸ジエステル化合物が15質量%以上45質量%以下、及びアセト酢酸エステル化合物が2.0質量%以上18質量%以下であり、さらに好ましい含有量は、ポリイソシアネートが50質量%以上60質量%以下、マロン酸ジエステル化合物20質量%以上40質量%以下、及びアセト酢酸エステル化合物が3.0質量%以上16質量%以下である。
マロン酸ジエステル化合物としては、特に限定されないが、例えば、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジn−プロピル、マロン酸ジn−ブチル、マロン酸エチルn−ブチル、マロン酸メチルn−ブチル、マロン酸エチルt−ブチル、マロン酸メチルt−ブチル、メチルマロン酸ジエチル等のマロン酸ジアルキルエステル化合物;マロン酸ジベンジル、マロン酸ジフェニル、マロン酸ベンジルメチル、マロン酸エチルフェニル、マロン酸t−ブチルフェニル等のアリール基を含むマロン酸ジエステル化合物が挙げられる。これらのマロン酸ジエステル化合物は、一種又は二種以上を用いることができる。
上記の中でも、マロン酸ジエステル化合物は、低温硬化性の観点からマロン酸ジアルキルエステル化合物が好ましく、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、及びマロン酸ジイソプロピルがより好ましく、低温硬化性及び入手容易性の観点からマロン酸ジエチルがさらに好ましい。
マロン酸ジエステル化合物は、特に限定されないが、ポリイソシアネートのイソシアネート基に対して、好ましくは50当量%以上、より好ましくは60当量%以上、さらに好ましくは80当量%以上が用いられる。マロン酸ジエステル化合物の量が50当量%以上であると、活性メチレン系ブロックポリイソシアネートが持つ好ましい低温硬化性がより発現される傾向にある。
アセト酢酸エステル化合物としては、特に限定されないが、例えば、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸n−プロピル、アセト酢酸t−ブチル、アセト酢酸n−ブチル等のアセト酢酸アルキルエステル;アセト酢酸フェニル等のアセト酢酸アリールエステル化合物が挙げられる。これらのアセト酢酸エステル化合物は、一種又は二種以上を用いることができる。
上記の中でも、アセト酢酸エステル化合物は、貯蔵安定性の観点からアセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、及びアセト酢酸イソプロピルが好ましく、貯蔵安定性及び入手容易性の観点からアセト酢酸エチルがより好ましい。
アセト酢酸エステル化合物は、特に限定されないが、ポリイソシアネートのイソシアネート基に対して、好ましくは50当量%以下、より好ましくは40当量%以下、さらに好ましくは20当量%以下が用いられる。アセト酢酸エステル化合物の量が50当量%以下であると、塗膜の加熱黄変性をより良好に抑制できる傾向にある。
活性メチレン系化合物以外のブロック剤としては、特に限定されないが、例えば、アルコール系、フェノール系、オキシム系、アミン系、酸アミド系、イミダゾール系、ピリジン系、メルカプタン系の化合物が挙げられる。活性メチレン系化合物以外のブロック剤は、ポリイソシアネートのイソシアネート基に対して、低温硬化性を損なわない範囲で使用してもよい。
ブロック化反応は、溶剤の存在の有無に関わらず行なうことができる。溶剤を用いる場合、イソシアネート基に対して不活性な溶剤を用いることが好ましい。不活性な溶剤としては、例えば、酢酸ブチル、及びトルエンが挙げられる。
ブロック化反応に際しては、特に限定されないが、錫、亜鉛、鉛等の有機金属塩;ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、ナトリウムフェノラート、カリウムメチラート等の金属アルコラート;三級アミン等を触媒として用いてもよい。
ブロック化反応は、−20℃以上150℃以下で行なうことが好ましく、より好ましくは0℃以上100℃以下である。ブロック化反応を150℃以下で行うことで、副反応の抑制の点で有利となる傾向にあり、ブロック化反応を−20℃以上で行うことで、反応速度を好適な範囲に調整でき、生産性の点で有利となる傾向にある。また、ブロック化反応は、実質的に活性なイソシアネート基がなくなるようにブロック化されることが好ましい。
二種以上のブロック剤によるブロック化反応を行う際は、同時に行なってもよいし、一方のブロック剤で先にブロックしてから残った遊離イソシアネート基を他方のブロック剤でブロックしてもよい。
また、上記のブロック化反応に用いた触媒の少なくとも一部を下記の酸性化合物等で中和してもよい。中和により、ブロックポリイソシアネート組成物の熱安定性が向上する傾向にあり、好ましい。
酸性化合物としては、特に限定されないが、例えば、塩酸、亜燐酸、燐酸等の無機酸;メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸;燐酸エチル、燐酸ジエチル、燐酸イソプロピル、燐酸ジイソプロピル、燐酸ブチル、燐酸ジブチル、燐酸2−エチルヘキシル、燐酸ジ(2−エチルヘキシル)等の燐酸エステルが挙げられる。また、酸性化合物は、触媒に対して、0.3当量以上3.0当量以下の範囲が好ましく、より好ましくは0.5当量以上2.0当量以下であり、さらに好ましくは0.7当量以上1.5当量以下である。
〔燐酸トリエステル化合物〕
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物は、燐酸トリエステル化合物を含む。また、ブロックポリイソシアネート組成物は、ブロックポリイソシアネート組成物中のブロックポリイソシアネートの質量に対して、燐酸トリエステル化合物を100質量ppm以上2000質量ppm以下含む。燐酸トリエステル化合物をこのような範囲で含むことによって、ブロックポリイソシアネート組成物自体の初期着色と経時着色を小さくすることができる。
燐酸トリエステル化合物としては、特に限定されないが、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリイソデシルホスフェート、トリデシルホスフェート、トリス(トリデシル)ホスフェート、トリス(イソトリデシル)ホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリステアリルホスフェート、ジステアリルペンタエリスリトールジホスフェート、トリラウリルトリチオホスフェート、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスフェート等の燐酸トリアルキルエステル化合物が挙げられる。その中でも、炭素数6〜16の燐酸トリアルキルエステル化合物が好ましい。燐酸トリアルキルエステル化合物の炭素数が6〜16の場合、着色を抑制する効果がより顕著になる傾向にある。さらに、燐酸トリアルキルエステル化合物の炭素数が6〜16でありかつ分岐を有する場合、着色を抑制する効果に加えて、濁りを抑制することができる傾向にあり、より好ましく、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリス(イソトリデシル)ホスフェート、及びトリヘキシルホスフェートであることがさらに好ましい。
上記の燐酸トリエステル化合物は、一種又は二種以上併用することができる。
燐酸トリエステル化合物の含有量は、ブロックポリイソシアネート組成物中のブロックポリイソシアネートの質量に対して、100質量ppm以上2000質量ppm以下であり、好ましくは200質量ppm以上1500質量ppm以下であり、より好ましくは300質量ppm以上1200質量ppm以下であり、さらに好ましくは500質量ppm以上1000質量ppm以下である。100質量ppm以上であることで、初期着色を抑制する効果が十分に得られ、2000質量ppm以下であることで、経時着色を抑制する効果を十分に得ることができる。燐酸トリエステル化合物の含有量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
燐酸トリエステル化合物の含有量を100質量ppm以上2000質量ppm以下とする方法としては、後述するブロックポリイソシアネートと燐酸トリエステル化合物とを混合し、ブロックポリイソシアネート組成物を得る混合工程を実施する方法が好ましく用いられる。
〔亜燐酸エステル化合物〕
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物には、亜燐酸エステル化合物をさらに含むことができる。亜燐酸エステル化合物を含むことによって、ブロックポリイソシアネート組成物自体の経時着色をより抑制することができる傾向にある。このような亜燐酸エステル化合物としては、特に限定されないが、例えば、亜燐酸ジエステル化合物、亜燐酸トリエステル化合物が挙げられる。
亜燐酸ジエステル化合物としては、特に限定されないが、例えば、ジラウリルハイドロゲンホスファイト、ジオレイルハイドロゲンホスファイト等の亜燐酸ジアルキルエステル化合物;ジフェニルハイドロゲンホスファイト等の亜燐酸ジアリールエステル化合物が挙げられる。
亜燐酸トリエステル化合物としては、特に限定されないが、例えば、トリエチルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリイソデシルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、トリス(イソトリデシル)ホスファイト、トリステアリルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト等の亜燐酸トリアルキルエステル化合物;トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等の亜燐酸トリアリールエステル化合物;ジフェニルモノ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルホスファイト、ビス(ノニルフェノール)ペンタエリスリトールジホスファイト等の亜燐酸トリアルキルアリールエステル化合物が挙げられる。
上記の亜燐酸エステル化合物は、一種又は二種以上併用することができる。
亜燐酸エステル化合物の含有量は、特に限定されないが、ブロックポリイソシアネートの質量に対して、0.01質量%以上10質量%以下が好ましく、より好ましくは0.05質量%以上5.0質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以上2.0質量%以下である。0.01質量%以上であることで、経時着色を抑制する効果がより得られる傾向にあり、10質量%以下であることで、より硬化性を好適に保つことができる傾向にある。
〔モノアルコール類〕
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物には、ブロックポリイソシアネート組成物自体の結晶性や、ブロックポリイソシアネート組成物を用いた一液型コーティング組成物における貯蔵安定性を改良するために、溶剤としてモノアルコール類を含んでもよい。モノアルコール類としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、2−メチル−1−ブタノール、n−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ジエチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、フェノール、ベンジルアルコール、イソアミルアルコールが挙げられる。
モノアルコール類は、一種又は二種以上を選択して用いることができる。モノアルコール類の含有量は、特に限定されないが、ブロック化されたイソシアネート基に対して、10当量%以上500当量%以下が好ましく、より好ましくは20当量%以上400当量%以下であり、さらに好ましくは30当量%以上300当量%以下である。
ブロックポリイソシアネート組成物の有効NCO含有量は、好ましくは1.0質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは2.0質量%以上15質量%以下である。有効NCO含有量がこのような範囲にあることにより、硬化性が十分となる傾向にある。有効NCO含有量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
ブロックポリイソシアネート組成物の固形分濃度は、該ブロックポリイソシアネート組成物の総量(100質量%)に対して、好ましくは40質量%以上90質量%以下であり、より好ましくは50質量%以上80質量%以下である。固形分濃度がこのような範囲にあることにより、ブロックポリイソシアネート組成物の有効NCO含有量が高くなる傾向にある。固形分濃度は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物の製造方法は、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートより誘導されたポリイソシアネートと、活性メチレン系化合物と、を反応させて、ブロックポリイソシアネートを得る反応工程と、得られたブロックポリイソシアネートと燐酸トリエステル化合物とを混合し、ブロックポリイソシアネート組成物を得る混合工程とを有する。また、それにより得られたブロックポリイソシアネート組成物は、上記ブロックポリイソシアネートの質量に対して、上記燐酸トリエステルを100質量ppm以上2000質量ppm以下含む。
〔一液型コーティング組成物〕
本実施形態の一液型コーティング組成物は、上述したブロックポリイソシアネート組成物と、多価活性水素化合物とを含む。
〔多価活性水素化合物〕
多価活性水素化合物としては、特に限定されないが、ポリオール、ポリアミン及びアルカノールアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、その中でも、ポリオールを含むことがより好ましい。
ポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、フッ素ポリオール、ポリカーボネートポリオール、及びポリウレタンポリオールが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のカルボン酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上の二塩基酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリンからなる群より選ばれる1種又は2種以上の多価アルコールとの縮合反応によって得られるポリエステルポリオール、及び、例えば多価アルコールを用いたε−カプロラクトンの開環重合により得られるポリカプロラクトン類が挙げられる。
アクリルポリオールは、例えば、ヒドロキシル基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体の単独又は混合物と、これと共重合可能な他のエチレン性不飽和結合含有単量体の単独又は混合物と、を共重合させることにより得られる。
ヒドロキシル基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、及びメタクリル酸ヒドロキシブチルが挙げられる。好ましくは、アクリル酸ヒドロキシエチル、及びメタクリル酸ヒドロキシエチルである。
上記単量体と共重合可能な他のエチレン性不飽和結合含有単量体としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル等のメタクリル酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸;アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイミド等の不飽和アミド;メタクリル酸グリシジル、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、フマル酸ジブチル等のビニル系単量体;ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性シリル基を有するビニル系単量体が挙げられる。
ポリエーテルポリオール類としては、特に限定されないが、例えば、多価ヒドロキシ化合物の単独又は混合物に、リチウム、ナトリウム、カリウム等の水酸化物;アルコラート、アルキルアミン等の強塩基性触媒を使用して、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの単独又は混合物を付加して得られるポリエーテルポリオール類;エチレンジアミン類等の多官能化合物にアルキレンオキサイドを反応させて得られるポリエーテルポリオール類;これらポリエーテル類を媒体としてアクリルアミド等を重合して得られるいわゆるポリマーポリオール類が挙げられる。
上記の多価ヒドロキシ化合物としては、
(1)ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等、
(2)エリスリトール、D−トレイトール、L−アラビニトール、リビトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、ラムニトール等の糖アルコール系化合物、
(3)アラビノース、リボース、キシロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、ラムノース、フコース、リボデソース等の単糖類、
(4)トレハロース、ショ糖、マルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、メリビオース等の二糖類、
(5)ラフィノース、ゲンチアノース、メレチトースなどの三糖類、
(6)スタキオース等の四糖類
が挙げられる。
ポリオレフィンポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、水酸基を2個以上有するポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレンが挙げられる。ポリオールの統計的1分子が持つ水酸基数(以下、「水酸基平均数」ともいう)は2.0以上であることが好ましい。ポリオールの水酸基平均数が2.0以上であることによって、得られる塗膜の架橋密度の低下を抑制することができる傾向にある。
フッ素ポリオールとは、分子内にフッ素を含むポリオールであり、例えば特開昭57−34107号公報、特開昭61−275311号公報で開示されているフルオロオレフィン、シクロビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、モノカルボン酸ビニルエステル等の共重合体が挙げられる。
ポリカーボネートポリオール類としては、特に限定されないが、例えば、ジメチルカーボネート等のジアルキルカーボネート;エチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート;ジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネート等の低分子カーボネート化合物;上述したポリエステルポリオールに用いられる低分子ポリオールとを、縮重合して得られるものが挙げられる。
ポリウレタンポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、常法によりポリオールとポリイソシアネートとを反応させることにより得ることができる。カルボキシル基を含有しないポリオールとしては、例えば低分子量のものとして、エチレングリコール、プロピレングリコールが例示され、例えば高分子量のものとして、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールが例示される。
上記ポリオールの樹脂あたりの水酸基価は、10mgKOH/樹脂g以上300mgKOH/樹脂g以下であることが好ましい。樹脂あたりの水酸基価が10mgKOH/樹脂g以上であることによって、架橋密度が減少することを防止し、目的とする物性を十分に達成することができる傾向にある。一方、樹脂あたりの水酸基価が300mgKOH/樹脂g以下であることによって、架橋密度が過度に増大することを抑制し、塗膜の機械的物性を高度に維持することができる傾向にある。
上記ポリオールの樹脂あたりの酸価は、好ましくは5.0mgKOH/樹脂g以上150mgKOH/樹脂g以下、より好ましくは8.0mgKOH/樹脂g以上120mgKOH/樹脂g以下、さらに好ましくは、10mgKOH/樹脂g以上100mgKOH/樹脂g以下である。酸価が5.0mgKOH/樹脂g以上であることにより、水分散性を高く保つことができる傾向にあり、150mgKOH/樹脂g以下であることにより、塗膜の耐水性の低下を抑制することができる傾向にある。
上記で列挙したポリオールの中でも、アクリルポリオール、及びポリエステルポリオールが好ましい。ポリオールを用いる場合のコーティング組成物において、ブロックイソシアネート基とポリオールとの水酸基の当量比は、10:1〜1:10であることが好ましい。
ポリアミンとしては、特に限定されないが、1級アミノ基又は2級アミノ基を1分子中に2個以上有するものが好ましく、その中でも、1分子中に3個以上有するものがより好ましい。
ポリアミンの具体例としては、特に限定されないが、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、イソホロンジアミン等のジアミン類;ビスヘキサメチレントリアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタメチレンヘキサミン、テトラプロピレンペンタミン等の3個以上のアミノ基を有する鎖状ポリアミン類;1,4,7,10,13,16−ヘキサアザシクロオクタデカン、1,4,7,10−テトラアザシクロデカン、1,4,8,12−テトラアザシクロペンタデカン、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン等の環状ポリアミン類が挙げられる。
アルカノールアミンとは、1分子中に、アミノ基と水酸基を有する化合物である。アルカノールアミンとしては、特に限定されないが、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、モノ−、ジ−(n−又はイソ−)プロパノールアミン、エチレングリコール−ビス−プロピルアミン、ネオペンタノールアミン、及びメチルエタノールアミンが挙げられる。
本実施形態の一液型コーティング組成物は、必要に応じて、ヒンダードフェノール等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン等の紫外線吸収剤、酸化チタン、カーボンブラック、インジゴ、キナクリドン、パールマイカ等の顔料、アルミ等の金属粉顔料、ヒドロキシエチルセルロース、尿素化合物、マイクロゲル等のレオロジーコントロール剤、錫化合物、亜鉛化合物、アミン化合物等の硬化促進剤をさらに含んでもよい。
上述した様に調製された一液型コーティング組成物は、ロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、静電塗装、ベル塗装等により、鋼板、表面処理鋼板等の金属及びプラスチック、無機材料等の素材に、プライマー、中塗り、又は上塗りとして好適に使用される。また、この塗料組成物は、さらに防錆鋼板を含むプレコートメタル、自動車塗装、プラスチック塗装等に、美粧性、耐候性、耐酸性、防錆性、耐チッピング性、密着性等を付与するために好適に用いられる。さらに、この塗料組成物は、接着剤、粘着剤、エラストマー、フォーム、表面処理剤等のウレタン原料としても有用である。
〔塗膜、塗膜を備える物品〕
本実施形態の塗膜は、上述した一液型コーティング組成物により形成される。また、本実施形態の塗膜を備える物品は、上述した自動車等が本実施形態の塗膜を備えるものである。特に限定されないが、例えば、本実施形態の一液型コーティング組成物を、ロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、静電塗装、ベル塗装等により塗装後、焼付け工程を経ることにより、塗膜を形成することができる。この塗膜は、焼付け工程を経て、架橋塗膜が形成されていることが好ましい。一液型コーティング組成物の硬化後の架橋塗膜は、ブロック化反応前のポリイソアネート由来のウレタン結合だけでなく、ブロックイソシアネート基由来のアミド結合、エステル結合等の極性基を有することができる。そのため、本実施形態の一液型コーティング組成物から形成された架橋塗膜は、一般的なウレタン架橋塗膜の特徴である耐薬品性、耐熱性、耐水性等に加え、積層塗装又はリコートを行う場合に、層間での水素結合等が可能となり、層間の密着性に優れる傾向にある。焼付け工程後、架橋構造が完全に形成されていない塗膜においても、上記の極性基を有するため、積層塗装又はリコート時に密着性に優れる点が架橋塗膜と同様に優れている。
また、自動車の新車ラインの塗装のように、数層の塗液をウェットオンウェットで積層する場合、本実施形態の一液型コーティング組成物中又は硬化後の塗膜中に有機アミン化合物が存在するため、下層又は上層の架橋反応の触媒として働く可能性もある。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本実施形態をさらに具体的に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、これらの実施例と比較例によって何ら限定されるものではない。後述する実施例及び比較例における物性及び評価は、以下の方法により測定及び評価された。
(物性1)(有効)NCO含有量
製造例1又は2で製造したポリイソシアネートのNCO含有量(質量%)は、次の通りに求めた。三角フラスコに製造例1又は2で製造したポリイソシアネート1〜3gを精秤し(Wg)、トルエン20mLを添加し、ポリイソシアネートを完全に溶解した。その後、2規定のジ−n−ブチルアミンのトルエン溶液10mLを添加し、完全に混合した後、15分間室温放置した。さらに、この溶液にイソプロピルアルコール70mLを加えて、完全混合した。この溶液を1規定塩酸溶液(ファクターF)で、指示薬を用いて滴定して、滴定値V2mLを得た。次に、上記同様の滴定操作についてポリイソシアネートを用いないこと以外は同様に行ない、滴定値V1mLを得た。得られた滴定値V2mL及び滴定値V1mLから、ポリイソシアネートのNCO含有量を、下記式に基づいて算出した。
NCO含有量=(V1−V2)×F×42/(W×1000)×100
また、実施例及び比較例で得られたブロックポリイソシアネート組成物の有効NCO含有量(質量%)については、仕込み量からの計算値で求めた。
(物性2)粘度
製造例1又は2で製造したポリイソシアネートの粘度(mPa.s)は、E型粘度計(商品名:RE−85R 東機産業株式会社製)を用いて25℃での粘度を測定した。標準ローター(1°34′×R24)を用いて、回転数は以下の通り設定した。
100r.p.m.( 128mPa.s未満の場合)
50r.p.m.( 128mPa.s以上256mPa.s未満の場合)
20r.p.m.( 256mPa.s以上640mPa.s未満の場合)
10r.p.m.( 640mPa.s以上1280mPa.s未満の場合)
5r.p.m.( 1280mPa.s以上2560mPa.s未満の場合)
2.5r.p.m.( 2560mPa.s以上5120mPa.s未満の場合)
1.0r.p.m.( 5120mPa.s以上10240mPa.s未満の場合)
0.5r.p.m.(10240mPa.s以上20480mPa.s未満の場合)
(物性3)数平均分子量
製造例1又は2で製造したポリイソシアネートの数平均分子量は、下記の装置を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という。)を用いて、ポリスチレン基準の数平均分子量として求めた。
装置:東ソー社製の商品名「HLC−802A」
カラム:東ソー社製の商品名「G1000HXL」×1本
「G2000HXL」×1本
「G3000HXL」×1本
キャリアー:テトラヒドロフラン
検出方法:示差屈折率
(物性4)イソシアネート基平均数
製造例1又は2で製造したポリイソシアネートのイソシアネート基平均数は、(物性1)ポリイソシアネートのNCO含有量と(物性3)数平均分子量から、下記式に基づいて算出した。
イソシアネート基平均数=数平均分子量×NCO含有量/100/42
(物性5)残留HDI濃度
製造例1又は2で製造したポリイソシアネートの残留HDI濃度(質量%)は、(物性3)数平均分子量の測定で得られたポリイソシアネートのピーク面積と、未反応ジイソシアネートモノマー相当の分子量(HDIであれば168)のピーク面積から下記式に基づいて算出した。
残留HDI濃度=(未反応ジイソシアネートモノマー相当のピーク面積)/{(ポリイソシアネートのピーク面積)+(未反応ジイソシアネートモノマー相当のピーク面積)}×100
(物性6)固形分濃度
実施例又は比較例で得られたブロックポリイソシアネート組成物の固形分濃度(質量%)は、次の通りに求めた。底直径38mmのアルミ皿を精秤後、ブロックポリイソシアネート組成物をアルミ皿上に約1g乗せた状態で精秤し(W1)、ブロックポリイソシアネート組成物を均一厚さに調整後、105℃のオーブンで1時間保持した。アルミ皿が室温になった後、アルミ皿に残存したブロックポリイソシアネート組成物を精秤した(W2)。
固形分濃度=W2/W1×100
(物性7)燐酸トリエステル化合物の含有量
実施例又は比較例で得られたブロックポリイソシアネート組成物中の燐酸トリエステル化合物の含有量(質量ppm)は、次の通り求めた。各ブロックポリイソシアネート組成物と同様の溶剤組成に測定対象の燐酸トリエステル化合物を添加した標準試料を調整し、下記に示す条件でGC/MS測定して検量線を作成した。実施例及び比較例のブロックポリイソシアネート組成物についても、同様にGC/MS測定を行ない、検量線から燐酸トリエステル化合物の定量を行なった。
GC装置:Agilent社製の商品名「6890」
カラム:SUPELCO社製の商品名「Equity−1」
内径0.25mm×30m
液相厚:1.0μm
カラム温度:開始温度50℃、10℃/分で昇温、最終温度300℃で20分保持
カラム流量:1.0mL/分(ヘリウム)
注入口温度:320℃
注入法:スプリット法(スプリット比;1/10)
注入量:1.0μL
MS装置:日本電子社製の商品名「Automass sun」
イオン源温度:240℃
インターフェイス温度:300℃
イオン化法:電子イオン化(EI)法
(評価1)初期着色
ブロックポリイソシアネート組成物についての製造初期の着色を、分光光度計で透過率を測定し(波長430nmでの透過率を「T430%」で示す。測定器「UV−160」(島津製作所社製の商品名)、セル長=20mm、リファレンスには蒸留水を使用)、以下の基準で評価した。
○:T430%が99%以上(無色)
×:T430%が99%未満
(評価2)経時着色
60℃で2週間保存した後のブロックポリイソシアネート組成物の着色を、分光光度計で透過率を測定し(波長430nmでの透過率を「T430%」で示す。測定器「UV−160」(島津製作所社製の商品名)、セル長=20mm、リファレンスには蒸留水を使用)、以下の基準で評価した。
◎:T430%が98%以上(無色)
○:T430%が97%以上98%未満(無色)
×:T430%が97%未満
(評価3)低温硬化性
塗膜のゲル分率を測定することにより、低温硬化性を評価した。80℃又は90℃に保持されているオーブン内で、30分間焼き付けた硬化塗膜を、アセトンに23℃で24時間浸漬した時の重量残存率で表した。
◎:重量残存率が90%以上
○:重量残存率が80%以上90%未満
△:重量残存率が80%未満
[製造例1]ポリイソシアネート
撹拌器、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付けた4ッ口フラスコの内部を窒素雰囲気にし、HDI600g、3価アルコールであるポリカプロラクトン系ポリエステルトリオール「プラクセル303」((株)ダイセル化学社製の商品名、分子量300)30gを仕込み、撹拌下反応器内温度を90℃で1時間保持した。その後、反応器内温度を80℃に保持し、イソシアヌレート化反応触媒であるテトラメチルアンモニウムカプリエート0.1gを加え、反応液のNCO含有量が33.4%になった時点で燐酸0.2gを添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸留缶を用いて未反応のHDIを除去して製造例1のポリイソシアネートを得た。得られたポリイソシアネートのNCO含有量は19.2質量%、25℃における粘度は9500mPa.s、数平均分子量は1100、イソシアネート基平均数は5.1、残留HDI濃度は0.2質量%であった。
[製造例2]ポリイソシアネート
製造例1と同様の装置を用いて、4ッ口フラスコの内部を窒素雰囲気にし、HDI600gを仕込み、撹拌下反応器内温度を70℃に保持した。イソシアヌレート化触媒テトラメチルアンモニウムカプリエート0.1gを加え、反応液のNCO含有量が38.7%になった時点で燐酸0.2gを添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸留缶を用いて未反応のHDIを除去して製造例2のポリイソシアネートを得た。得られたポリイソシアネートのNCO含有量は21.7質量%、25℃における粘度は2700mPa.s、数平均分子量は660、イソシアネート基平均数は3.4、残留HDI濃度は0.2質量%であった。
[実施例1]ブロックポリイソシアネート組成物
撹拌器、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付けた4ッ口フラスコの内部を窒素雰囲気にし、ポリイソシアネートとして製造例1のポリイソシアネートを100g、活性メチレン系化合物としてマロン酸ジエチル51g、アセト酢酸ジエチル21g、溶剤1として酢酸ブチル25gを仕込み、28%ナトリウムメチラート溶液1.0gを室温で添加し、80℃で2時間反応した。その後、溶剤2としてn−ブタノール29gを添加し、その温度で2時間撹拌を続けた後、2−エチルヘキシルホスフェート(燐酸2−エチルヘキシルと燐酸ジ(2−エチルヘキシル)の混合物)1.0g及び燐酸トリエステル化合物としてトリス(イソトリデシル)ホスフェート0.0275g(ブロックポリイソシアネートの質量に対して160質量ppm)を添加して、更にトリス(イソトリデシル)ホスファイト1.7gを添加して、十分に撹拌した。得られた固形分濃度75質量%のブロックポリイソシアネート組成物の有効NCO含有量は8.4質量%であった。仕込み原料の組成、反応条件及び得られたブロックポリイソシアネート組成物の物性及び評価を表1に示す。
[実施例2〜6、比較例1〜4]ブロックポリイソシアネート組成物
仕込み原料の組成、反応条件を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様に製造を行なった。得られたブロックポリイソシアネート組成物の物性及び評価を表1に示す。
Figure 2017048276
[実施例7]一液型コーティング組成物
アクリルポリオール(商品名:SETALUX1767、Nuplex社製、水酸基価=150mgKOH/g(固形分)、樹脂分濃度=65質量%)に対して、実施例1で得られたブロックポリイソシアネート組成物を、NCO/OH比が1.0となるよう混合し、酢酸ブチルにて塗料固形分を50質量%に調整し、一液型コーティング組成物を得た。一液型コーティング組成物を用いて、乾燥膜厚約50μmとなるようにポリプロピレン板に塗膜を作製した。得られた塗膜に関して、低温硬化性を評価した。評価結果を表2に示す。
[実施例8〜12、比較例5〜8]一液型コーティング組成物
使用したブロックポリイソシアネート組成物を、表2に示すように変更した以外は実施例7と同様に行なった。評価結果を表2に示す。
Figure 2017048276
上記結果から、本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物は、製造初期の着色及び経時の着色が大幅に抑制されていることが分かった。また、本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物を含有する一液型コーティング組成物を用いることにより、低温硬化性が良好な塗膜を得ることができた。
本発明に係るブロックポリイソシアネート組成物及び一液型コーティング組成物は、塗料、インキ、接着剤、注型材、エラストマー、フォーム、及びプラスチック材料の原料として使用することができる。その中でも、自動車塗料、家電塗料、パソコンや携帯電話等の情報機器用の塗料に好適に使用することができる。

Claims (10)

  1. 脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートより誘導されたポリイソシアネートと、活性メチレン系化合物と、から得られるブロックポリイソシアネートと、
    燐酸トリエステル化合物と、を含む、ブロックポリイソシアネート組成物であって、
    前記ブロックポリイソシアネート組成物は、前記ブロックポリイソシアネートの質量に対して、前記燐酸トリエステルを100質量ppm以上2000質量ppm以下含む、ブロックポリイソシアネート組成物。
  2. 前記活性メチレン系化合物は、マロン酸ジエステル化合物を含む、請求項1に記載のブロックポリイソシアネート組成物。
  3. 前記マロン酸ジエステル化合物は、マロン酸ジエチルである、請求項2に記載のブロックポリイソシアネート組成物。
  4. 前記活性メチレン系化合物は、アセト酢酸エステル化合物をさらに含む、請求項2又は3に記載のブロックポリイソシアネート組成物。
  5. 前記ブロックポリイソシアネートは、前記ポリイソシアネート、前記マロン酸ジエステル化合物及び前記アセト酢酸エステル化合物の合計量に対して、40質量%以上70質量%以下の前記ポリイソシアネートと、10質量%以上50質量%以下の前記マロン酸ジエステル化合物と、1.0質量%以上20質量%以下の前記アセト酢酸エステル化合物と、から得られる、請求項4に記載のブロックポリイソシアネート組成物。
  6. 前記アセト酢酸エステル化合物は、アセト酢酸エチルである、請求項4又は5に記載のブロックポリイソシアネート組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のブロックポリイソシアネート組成物と、多価活性水素化合物と、を含む、一液型コーティング組成物。
  8. 請求項7に記載の一液型コーティング組成物により形成された塗膜。
  9. 請求項8に記載の塗膜を備える物品。
  10. 脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートより誘導されたポリイソシアネートと、活性メチレン系化合物と、を反応させて、ブロックポリイソシアネートを得る反応工程と、
    前記ブロックポリイソシアネートと燐酸トリエステル化合物とを混合し、ブロックポリイソシアネート組成物を得る混合工程とを有し、
    前記ブロックポリイソシアネート組成物は、前記ブロックポリイソシアネートの質量に対して、前記燐酸トリエステルを100質量ppm以上2000質量ppm以下含む、ブロックポリイソシアネート組成物の製造方法。
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