JP2017052613A - 自動倉庫における荷の移載方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アーム手段の先端側による荷の保持作業の信頼性を向上させることができる自動倉庫における荷の移載運搬方法を提供すること。【解決手段】複数の荷収容区画3a,3a…を備えた複数の保管棚3,3’,…の間を移動する移載・運搬装置2を用いて、荷10を移載し運搬する自動倉庫1における荷10の移載運搬方法であって、移載・運搬装置2のベース枠7から保管棚3方向に伸縮移動可能なアーム手段5を荷10へ向けて伸長させる動作と、荷10の載置部6aを有する基台6に対してベース枠7をアーム手段5の伸縮方向に相対移動させる動作と、を行い、アーム手段5の先端側で荷10を保持する。【選択図】図9

Description

本発明は、自動倉庫における荷の移載方法に関する。
多くの荷を保管するために、荷を複数収容できる多列・多段式の複数の保管棚にスタッカクレーン(移載・運搬装置)により荷の出し入れ運搬を行う自動倉庫が用いられている。
例えば、特許文献1に示される自動倉庫は、複数の荷を収納する複数のラック(保管棚)と、対向して配置されたラック間に形成された走行路を走行するとともに移載指令のあった前記保管棚に荷の移載を行う移載装置と、を備えている。移載装置は、荷を載置する載置台(載置部)を有する基台と、基台上に強固に固定されたベース枠と、ベース枠からラック方向に向けて伸縮可能なアーム部材(アーム手段)と、を備えている。アーム部材は、ベース枠に対して入れ子状に設けられる複数段の平板状部材から成り、アーム部材の先端側は、荷を保持することが可能となっている。制御装置の指令に基づき、移載装置がラックの所定の間口に移動するとともに、複数段の平板状部材をベース枠から伸長させ、アーム部材の先端側により荷を保持する。その後、複数段の該平板状部材をベース枠内に収縮させることで載置台上に荷を引き出すことができるようになっている。
特開2012−236683号公報(第6頁、第5図)
しかしながら、特許文献1の自動倉庫にあっては、基台に強固に固定されたベース枠から複数段の平板状部材を伸長させてアーム部材の先端側で荷を保持する構造であることから、荷の収納位置がベース枠から遠くなるにつれて、アーム部材の先端側を荷に到達させるために必要な複数段の平板状部材の伸長量が大きくなるため、ベース枠に対してアーム部材の先端側の位置が安定せず、荷とアーム部材の先端側との保持作業の信頼性が低くなってしまうという問題があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、アーム手段の先端側による荷の保持作業の信頼性を向上させることができる自動倉庫における荷の移載運搬方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の自動倉庫における荷の移載方法は、
複数の荷収容区画を備えた複数の保管棚の間を移動する移載・運搬装置を用いて、荷を移載し運搬する自動倉庫における荷の移載運搬方法であって、
前記移載・運搬装置のベース枠から前記保管棚方向に伸縮移動可能なアーム手段を前記荷へ向けて伸長させる動作と、前記荷の載置部を有する基台に対して前記ベース枠を前記アーム手段の伸縮方向に相対移動させる動作と、を行い、前記アーム手段の先端側で前記荷を保持することを特徴としている。
この特徴によれば、ベース枠から保管棚方向へのアーム手段の伸縮移動に加えて、ベース枠を保管棚に近接するように基台に対して相対移動させることにより、実質的なアーム手段のベース枠からの伸縮量が少なくなるため、アーム手段の先端位置が安定し、アーム手段の先端側による荷の保持作業の信頼性が向上する。
前記荷の運搬時には、前記基台の中央位置に前記ベース枠を配置することを特徴としている。
この特徴によれば、荷の運搬作業から移載作業に移行する際に、ベース枠が基台の中央位置に配置されているため、移載・運搬装置の両側のいずれの保管棚であっても迅速に移載作業に取り掛かることができる。
前記基台に対して前記ベース枠を相対移動させる動作と、前記アーム手段を伸縮させる動作と、をそれぞれ異なる駆動手段により、同時期に行う段階を備えていることを特徴としている。
この特徴によれば、基台に対するベース枠の相対移動と、ベース枠に対するアーム手段の伸縮移動と、をそれぞれ異なる駆動手段で同時期に行うことにより、ベース枠とアーム手段との動作のバリエーションを増やして、移載・運搬装置の荷の移載能力を向上させることができる。
前記アーム手段は、前記ベース枠に対して一対設けられており、一対の前記アーム手段により前記荷を挟持して保持することを特徴としている。
この特徴によれば、基台に対してベース枠を相対移動させ該ベース枠を保管棚に近接させることで一対のアーム手段の実質的な伸縮量が少ない状態とし、その状態で一対のアーム手段を近接させることにより荷を挟持して保持することができるため、荷を強固に挟持して保持できる。
前記荷における一対の前記アーム手段との対向面に設けられた第1挟持部を、一対の前記アーム手段で挟持するとともに、所定の位置まで引き出す工程と、
前記第1挟持部よりも奥側に設けられた第2挟持部を一対の前記アーム手段で挟持し、前記荷を前記載置台上に引き出す工程と、を行うことを特徴としている。
この特徴によれば、荷と保管棚の支柱との隙間が狭く設定されている場合や、荷同士が近接している場合であっても荷の移載を行えるようにするために、引き出し動作を複数回に分けて行う際において、いずれの荷の保持作業も、一対のアーム手段で第1挟持部及び第2挟持部を挟持する動作により行われるため、荷の保持作業にかかる制御が簡素化される。
実施例における自動倉庫を示す側面図である。 自動倉庫を示す上面図である。 移載処理におけるスタッカクレーンと保管棚に収納保管された荷との関係を示す部分上面図である。 スタッカクレーンの構造を示す斜視図である。 入荷された荷の受け入れから自動倉庫に入庫されるまでを示すシステム構成図である。 移載装置の構造を示す側断面図である。 移載装置の構造を示す背面断面図である。 (a)は、移載装置の構造を示す上面図であり、(b)は、(a)の状態からアーム部材間の幅を広げた状態を示す上面図である。 (a)、(b)、(c)は、保管棚に収納された荷の第1側壁部の挟持部に、アーム手段の係止部を係止させる動作を説明する上面概略図である。 図9(c)の状態を示す要部斜視図である。 (a)、(b)、(c)は、保管棚の間口近傍に配置された荷の第2側壁部の係止片にアーム手段の係止部を係止させる動作を説明する上面概略図である。 (a)、(b)、(c)は、図11の(c)の状態から載置台上に荷を移載する動作を説明する上面概略図である。 (a)、(b)、(c)は、載置台上の荷を保管棚の間口近傍に移載する動作を説明する上面概略図である。 (a)、(b)、(c)は、保管棚の間口近傍に配置された荷を保管棚の奥側に送り出す動作を示す上面概略図である。
本発明に係る自動倉庫における荷の移載方法を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例1に係る自動倉庫における荷の移載方法につき、図1から図14を参照して説明する。以下、図3の自動倉庫において、画面左側(保管棚3側)を前方向として説明し、画面右側(保管棚3’側)を後方向として説明する。また、図3に示されるスタッカクレーン2から前方側の保管棚3を見て、その左右を該自動倉庫における左右方向として説明する。
図1及び図2に示されるように、本実施例における自動倉庫1は、複数の荷10,10,…(図3参照)を同一構成の4基のスタッカクレーン2,2,2,2(移載・運搬装置)により自動的に移載自在に収納保管することで作業の効率化が図られる大型の倉庫であって、4基のスタッカクレーン2,2,2,2に対してそれぞれ前後両側に保管棚3,3’が向き合って配置された保管棚ブロックA,B,C,Dにより構成されている。尚、図3に示されるように、保管棚3,3’,…は、前後に延びる荷載置レール3a,3a…(荷収納区画)を上下左右に複数備えた多列・多段式の棚であって、荷載置レール3a,3a…には、それぞれ前後方向に複数の荷10,10,…(本実施例においては3個)を並べて配置可能となっている。さらに尚、保管棚ブロックA,B,C,Dの構成は、ほぼ同一であることから、図1の画面左側に配置された保管棚ブロックAを例に取り説明し、保管棚ブロックB,C,Dの説明を省略する。
次いで、自動倉庫1における荷10,10,…の入出庫の概要について説明する。図5に示されるように、保管棚ブロックAの一端入口側には、荷10,10,…の入出庫を行うための入出庫ステーションが設けられ、入出庫ステーションには、自動倉庫1全体における荷10,10,…の管理を行うメインコンピュータMCの指令に基づいて作動し、保管棚ブロックAにおける荷10,10,…の移載処理を制御するシステムコントローラSCが配設されている。また、入出庫ステーションには、入出庫される荷10,10,…の搬入、搬出を行う搬送装置8から分岐した分岐搬送装置8aが保管棚ブロックAの入口近傍位置まで配置されている。
図3及び図5に示されるように、例えば、自動倉庫1に入荷された荷10’が保管棚ブロックAを構成する保管棚3に入庫される場合には、先ず、保管棚ブロックAの入出庫ステーションにおいて、メインコンピュータMCの指令に基づいてシステムコントローラSCが作動することにより搬送装置8を介して搬入されてくる荷10’は、保管棚ブロックAに延びる分岐搬送装置8aに向かうように分岐され、分岐搬送装置8aを介して保管棚ブロックAの入口近傍位置まで搬入される。そして、システムコントローラSC1の指令に基づいて作動するスタッカクレーン2と分岐搬送装置8aとの間で荷10’の移載処理が行われた後、荷10’が載置された状態のスタッカクレーン2が保管棚3,3’間を左右方向に移動し、且つ後述する移載装置4が上下に移動して、保管棚3の所定の収納位置で停止した後、保管棚3に対して荷10’の移載処理が行われる。
次いで、スタッカクレーン2の構造について説明する。図4に示されるように、スタッカクレーン2は、対面する保管棚3,3’間の床面に延設された走行レール2aと、該走行レール2a上を図示しない駆動装置により自動走行する走行台車2bと、該走行台車2bの左右に立設した一対のマスト2c,2cと、該一対のマスト2c,2cに対して取付けられ保管棚3,3’との間で荷10,10,…の移載を行う移載装置4と、から主に構成されている。
移載装置4は、荷10,10,…を載置する載置台6a(載置部)を備えた基台6と、保管棚3,3’方向に向けて伸縮可能な左右一対のアーム手段5,5と、アーム手段5,5を基台6上に支持するベース枠7と、を備えている。
図4に示されるように、基台6は、マスト2c,2cに対して図示しない駆動装置により昇降可能に案内支持された昇降部材6b,6bと、該昇降部材6b,6b間で水平に支持された剛性体6cと、を備えており、マスト2c,2cに沿って上下に昇降可能となっている。また、剛性体6cは、上面視略矩形状のフレーム6dと、フレーム6dの前後の側板上に架設されるガイドレール6e,6eと、を備え、強度が高くなっている(図8参照)。
図6ないし図8に示されるように、ガイドレール6e,6eは、その上端に長手方向に沿って延設される凸条部6f,6f(走行ガイド)が固定されている。凸条部6f,6fの上部には、ベース枠7が左右に渡って配置されており、ベース枠7は、凸条部6f,6fに沿って前後に移動可能、すなわち、基台6に対して相対移動可能となっている。
ベース枠7は、左右方向に延設されるベースレール7a,7aと、ベースレール7a,7aの左右両端の下端部同士を連結する板状部材7b,7bと、を備えている。板状部材7b,7bの下端部には、凸条部6f,6fに係合可能な凹部7c,7c(特に図7参照)がそれぞれ設けられており、この凹部7c,7cと凸条部6f,6fとの係合によりベース枠7が前後に案内されて移動可能となっている。また、ベースレール7a,7aの上端には、該ベースレール7a,7aの長手方向に沿って延設される凸条部7d,7dが固定されている。
図6ないし図8に示されるように、ベース枠7の凸条部6f,6fに沿った前後の移動は、ベース枠7の下方に設けられる前後駆動装置9によって行われる。前後駆動装置9は、フレーム6dの前後の側板間の中央部に架設される棒状部材9aと、棒状部材9aに沿って移動可能な駆動モータ9bと、棒状部材9aに挿通されたガイド部材9cと、駆動モータ9b及びガイド部材9cを連結する連結部材9dと、を備え、駆動モータ9b及びガイド部材9cは、ベースレール7a,7aの下端部にそれぞれ固定されている。駆動モータ9bを駆動することにより、駆動モータ9b、ガイド部材9c及び連結部材9dが一体的に棒状部材9aに沿って移動するようになり、それに伴いベース枠7及びアーム手段5,5が凸条部6f,6fに沿って前後に移動するようになる。尚、前後駆動装置9は、後述するアーム手段5,5を伸縮させるための伸縮駆動装置12の駆動力よりも大きな駆動力を備えている。
このように、ベース枠7は、凸条部6f,6fに案内されて前後に移動するようになっているため、ベース枠7の基台6に対する相対移動を安定して行うことができる。
また、凸条部6f,6fの前後端部にはそれぞれ図示しないストッパが設けられている。したがって、ベース枠7が前後に移動してもその移動が前記ストッパに規制され、ベース枠7が基台6の外側に張り出すことがない(図9(b)参照)。そのため、アーム手段5,5が基台6に対して前後に相対移動しても、ベース枠7によるアーム手段5,5の支持強度が変化しないため、アーム手段5,5が基台6上に安定的に支持された状態を保つことができる。
図6ないし図8に示されるように、アーム手段5,5は、ベース枠7の凸条部7d,7dに係合する凹部51a,51a(特に図6参照)を備えた外枠51,51と、外枠51,51の互いに対向する側にそれぞれ多段的に立設された複数の平板状部材52,52,53,53,54,54と、を備えている。外枠51,51は、凹部51a,51aがベース枠7の凸条部7d,7dに係合することで、凸条部7d,7dに沿って左右方向に移動可能となっている。尚、平板状部材54は、荷10,10,…と係合可能な後述の係合部、例えばピン54a,54bをその前後両端に備えている。
図8に示されるように、凸条部7d,7dに沿った外枠51,51の左右方向への移動は、左右駆動装置11,11により行われる。左右駆動装置11,11は、板状部材7b,7bにそれぞれ固定される駆動モータ11a,11aと、駆動モータ11a,11aから載置台6a側に向けて延びる駆動軸11b,11bと、を備えている。この駆動軸11b,11bは、外面に雄ネジ部が形成されており、該雄ネジ部には、内面に雌ネジ部が形成された雌ネジ部材11c,11cが螺挿されているとともに、この雌ネジ部材11c,11cには、外枠51,51がそれぞれ固着されている。駆動モータ11a,11aを駆動させ駆動軸11b,11bを回転させることにより、外枠51,51が雌ネジ部材11c,11cを介して駆動軸11b,11bに沿って左右方向に移動することができるようになっている。
また、図4に示されるように、平板状部材52,52,53,53,54,54は、互いに前後方向に相対移動可能となっており、外枠51,51から保管棚3及び保管棚3’方向に伸長できるようになっている。より詳しくは、平板状部材52,52,53,53,54,54は、図示しないチェーンとラチェットによって互いに連結されており、後述する伸縮駆動装置12により平板状部材52,52に前後方向に駆動力が与えられ、それに追従して平板状部材53,53,54,54が同一方向に連動するようになっている。すなわち、外枠51,51に対して平板状部材52,52,53,53,54,54がニュートラルな伸縮基準位置にある状態(図6の状態)から、外枠51,51に対して平板状部材52,52,53,53,54,54が相対移動することにより、アーム手段5,5が前後両側に伸長できるようになっている。
図8に示されるように、アーム手段5,5の伸縮は、ベース枠7に設けられる伸縮駆動装置12により行われる。伸縮駆動装置12は、片側の板状部材7b上に固定される駆動モータ12aと、左右の板状部材7b,7bに渡って延び駆動モータ12aの駆動を受けて回転する駆動軸12bと、を備えている。詳細には、駆動モータ12aに固定されたピニオンギアと駆動軸12bに固定された駆動ギアの噛合により駆動モータ12aから駆動軸12bに駆動力が伝達されるようになっている。駆動軸12bは、平板状部材52,52と対応する位置にピニオンギア12c,12cが設けられており(図6及び図7参照)、ピニオンギア12c,12cは、平板状部材52,52の底部長手方向に連続して設けられたラック52a,52aと噛合している。駆動モータ12aにより駆動軸12bを回転させることにより、平板状部材52,52,53,53,54,54が同一方向に連動して外枠51,51に対して相対移動することができるようになっている。
また、ピニオンギア12c,12cは、外枠51,51からそれぞれ延びる案内片51b,51b(図7参照)に遊嵌されており、外枠51,51と共に左右方向に移動可能となっている。換言すれば、ピニオンギア12c,12cは、駆動軸12bに対してスプライン結合されている。これによれば、前述のように外枠51,51が左右方向に移動しても、平板状部材52,52のラック52a,52aとピニオンギア12c,12cは、常時噛合状態が維持されるようになっている。
尚、図10に示されるように、荷10は、上方が開口する箱状のコンテナであり、図示しないが内部に書籍やその他物品等が収納されている。この荷10は、平面視矩形状であり、その長辺側の第1側壁部10a,10aは、各外側面の左右端部から所定寸法中央寄りに設けられる一対の挟持係合片100,100(第1挟持部)と、各外側面の左右方向に所定距離離間して複数設けられる係止片101,101,…と、をそれぞれ有している。挟持係合片100,100は、第1側壁部10aから外側に突出するとともに、その先端から互いに離れる方向に屈曲して延びる上面視略L字形状を成している。また、係止片101,101,…は、上下に延び第1側壁部10aから外側に突出する平板状を成し、第1側壁部10aのリブとしても機能している。また、前記第1側壁部10a,10aと同様に、荷10のコンテナの短辺側の第2側壁部10b,10b(第2挟持部)は、各外側面の左右端部から所定寸法中央寄りに設けられる一対の挟持係合片100’,100’と、各外側面の左右方向に所定距離離間して複数設けられる複数の係止片101,101,…と、をそれぞれ有している。
次いで、保管棚3から載置台6aへの荷10の移載処理について図9から図12を用いて説明する。尚、本実施例では、荷10,10,…は、第1側壁部10a,10aが前後方向を向いて保管棚3に横置きの状態で配置されており、目的の荷10は、移載装置4に対して遠い位置(保管棚3の奥側)に収納されている態様について説明する。
図9(a)に示されるように、スタッカクレーン2を移動操作して、移載装置4を目的の荷10が収納された保管棚3の荷載置レール3aの間口近傍で停止させる。このとき、アーム手段5,5は、外枠51,51に対して平板状部材52,52,53,53,54,54が前記伸縮基準位置にある状態となっているとともに、ベース枠7は、基台6の前後中央の前後基準位置(基台6の中央位置)にある状態となっている。尚、基台6の前後基準位置は、基台6の厳密に前後方向の中央でなくてよく、基台6の前後基準位置からベース枠7が前後に移動できるようになっていればよい。
次に、図9(b)に示されるように、前述した前後駆動装置9の駆動によってベース枠7を基台6に対して保管棚3に近接するように前方向に移動させる動作と、前述した伸縮駆動装置12の駆動によってアーム手段5,5を荷10に向けて伸長させる動作と、を同時に行う。これによれば、ベース枠7の前方向の動作と、アーム手段5,5の伸長動作とが、同一方向(保管棚3方向)に同時に行われるため、ベース枠7の前方向の動作と、アーム手段5,5の伸長動作とを別々に行う場合に比べて、平板状部材54,54のピン54a,54aを荷10の挟持係合片100,100に係合可能な位置に配置する作業時間を短縮できる。
また、ベース枠7の前方向の動作により一対のアーム手段5,5を保管棚3に向けて同じ距離前方向に移動させることができ、ベース枠7の移動によりアーム手段5,5の前後の相対位置が変化しないため、1つの伸縮駆動装置12によりアーム手段5,5を伸縮させることができる。つまり、アーム手段5,5の伸縮量を同じにして、ピン54a,54aを挟持係合片100,100に係合可能な位置に正確に配置することができる。
そして図9(c)及び図10に示されるように、ピン54a,54aが挟持係合片100,100に係止可能な前後方向の位置に配置(移動)された際に、アーム手段5,5の伸長動作を停止させるとともに、左右駆動装置11,11の駆動によってアーム手段5,5が互いに近接するように該アーム手段5,5間の幅を狭める。これにより、アーム手段5,5により荷10の挟持係合片100,100を左右方向から挟み、且つ挟持係合片100,100とピン54a,54aとを係合させる。
このように、保管棚3に近接するようにベース枠7を基台6に対して相対移動させることにより、荷10に到達するまでに必要な実質的なアーム手段5,5の伸長量(外枠51,51に対する平板状部材52,52,53,53,54,54の相対移動量)が少なくて済むため、平板状部材54,54のピン54a,54aの位置を安定させることができる。したがって、アーム手段5,5のピン54a,54aによる荷10の保持作業の信頼性が向上している。
さらに、前述のように、ベース枠7を基台6に対して相対移動させることにより、実質的なアーム手段5,5の伸長量を少ない状態(アーム手段5,5のアーム長が短い状態)で、アーム手段5,5により挟持係合片100,100を挟持するため、荷10をアーム手段5,5により強固に保持できる。
また、アーム手段5,5により挟持係合片100,100を左右方向から挟み、且つ挟持係合片100,100とピン54a,54aとを係合させるのみで荷10を保持できるため、アーム手段5,5自体や移載装置4を上下に動かすこと無く、荷10の保持作業を簡便に行うことができる。
また、挟持係合片100,100は、第1側壁部10aの中央寄りに設けられているため、荷10の左右側方(第2側壁部10b,10bの側方)にアーム手段5,5を張り出させずに挟持係合片100,100を挟持できるようになっており、荷10の保持作業時において、アーム手段5,5が保管棚3の支柱3b,3b,…に干渉することが無い。
次いで、図11(a)に示されるように、図9(c)の状態から、アーム手段5,5により荷10を保持した状態のまま、ベース枠7を後方に移動させるとともにアーム手段5,5を収縮させて、荷載置レール3aにおける移載装置4側の端部から荷10の一部がはみ出す位置(保管棚3の間口近傍)まで荷10を引き出す。この荷載置レール3aの移載装置4側の端部には、保管棚3の支柱3b,3b,…が設けられていないため、支柱3b,3b,…に阻害されることなく、アーム手段5,5を荷10の第2側壁部10b,10bの左右に配置できるようになっている(図11(c)参照)。ここで、ベース枠7を前後方向に移動可能に構成し、ベース枠7を後方に移動させたため、荷10の横幅よりも狭い離間幅となっている外枠51,51に該荷10を干渉させることなく、荷10を移載装置4側の端部から該荷10の一部がはみ出す位置、言い換えると載置台6aに一部重複する位置まで荷10を引き出せるようになっている。そのため、保管棚3の間口の奥行きを短くすることができる。
尚、図示しないが、荷載置レール3aの移載装置4側の端部から荷10の一部がはみ出す位置まで荷10を引き出す際には、先ず、基台6の保管棚3に近接したベース枠7を、前述の基台6の前後基準位置に移動させる動作を行う。その後、ベース枠7の前後基準位置への移動が完了する前に、アーム手段5,5を収縮させる動作(平板状部材52,52,53,53,54,54を外枠51,51の前記伸縮基準位置に移動させる動作)を開始させる。アーム手段5,5の収縮動作が完了すると、荷10を荷載置レール3aの移載装置4側の端部から荷10の一部がはみ出す位置まで荷10が引き出されるようになっている。これによれば、前記伸縮駆動装置12の駆動力よりも大きな駆動力を有する前記前後駆動装置9により、大きな摩擦力がかかる静止した状態の荷10(静摩擦がかかる荷10)の動き出しを行った後、伸縮駆動装置12の駆動力により荷10(動摩擦がかかる荷10)の引き出し動作を引き継ぐため、伸縮駆動装置12にかかる負荷を軽減させることができる。
さらに尚、荷載置レール3aの移載装置4側の端部から荷10の一部がはみ出す位置まで荷10を引き出す際には、上記の動作手順に限られず、例えば、ベース枠7の前後基準位置への移動動作とアーム手段5,5の収縮動作とを同時に開始してもよいし、ベース枠7が基台6の保管棚3に近接した状態のまま、アーム手段5,5の収縮動作を行い、その後、さらに平板状部材52,52,53,53,54,54を外枠51,51の後方側に相対移動させる動作を行うようにしてもよい。このとき、平板状部材54,54が保管棚3と反対側の保管棚3’側に延びないようにして、保管棚3’の間口近傍に待機する荷10への干渉が防止されることが好ましい。
次に、図11(b)に示されるように、平板状部材54,54が荷10の左右幅よりも外側に開くようにアーム手段5,5を互いに離間させる。そして、図11(c)に示されるように、基台6の前後基準位置に配置されたベース枠7を、保管棚3から離間するように移動させる動作を行うとともに、アーム手段5,5の伸長動作を行う。このときのアーム手段5,5の伸長動作は、前端側のピン54a,54aが荷10の第2側壁部10b,10bにおける最も前端側に設けられる係止片101,101に係止可能な位置に配置されるまで行われる。
続いて、図12(a)に示されるように、アーム手段5,5により荷10の第2側壁部10b,10bを左右方向から挟み、係止片101,101にピン54a,54aを係止させる。
次いで、図12(b)に示されるように、アーム手段5,5の収縮動作と、ベース枠7の前後基準位置への移動動作と、を同時に行い、荷10を荷載置レール3aから載置台6a上に移載する。これによれば、ベース枠7の動作と、アーム手段5,5の動作とが、逆方向に同時に行われるため、荷載置レール3aから載置台6a上への荷10の移動速度が緩やかになり、荷10の載置台6a上への移載精度が向上する。
このように、基台6に対するベース枠7の相対移動と、アーム手段5,5の伸縮移動とが、それぞれ異なる前後駆動装置9及び伸縮駆動装置12によって同時期に行われることによって、基台6に対するベース枠7の相対移動と、アーム手段5,5の伸縮移動との駆動のベクトルを相対的に同一の向きまたは逆向きにすることができ、すなわち、ベース枠7とアーム手段5,5との動作のバリエーションを増やすことができる。そのため、例えば、前述のように、ピン54a,54aを荷10の挟持係合片100,100に係合可能な位置に配置する作業時間の短縮や、荷10の載置台6a上への移載精度の向上等を図ることができる。つまり、移載装置4の荷10の移載能力を向上させることができる。
また、上述のように、アーム手段5,5が第2側壁部10b,10bにアクセス可能となる位置まで引き出した後、荷10を載置台6a上に移載することにより、本実施例のように、荷10と保管棚3の支柱3b,3b,…との隙間が狭く設定されている場合であっても荷10を載置台6a上に移載することができる。
さらに、アーム手段5,5が第2側壁部10b,10bにアクセス可能となる位置まで引き出す際の荷10の保持作業も、荷10を載置台6a上に移載する際の荷10の保持作業も、アーム手段5,5によって挟持係合片100,100及び第2側壁部10b,10bをそれぞれ左右から挟持する動作により行われるため、荷10の保持作業にかかる制御が簡素化される。
また、アーム手段5,5により荷10の挟持係合片100,100及び第2側壁部10b,10bを挟持した際には、挟持係合片100,100及び係止片101,101にピン54a,54aが係止されるため、荷10を移動させる際にアーム手段5,5による荷10の保持状態が解けることが防止される。
尚、本実施例では、荷載置レール3aの移載装置4側の端部から荷10の一部がはみ出す位置まで荷10を引き出した後、前端側のピン54a,54aを第2側壁部10b,10bにおける最も前端側に設けられる係止片101,101に係止させ、1回の引き出し動作で荷10を載置台6a上に移載する態様について説明したが、例えば、荷載置レール3aの移載装置4側の端部から荷10の一部がはみ出す位置まで荷10を引き出した後、ピン54a,54aを第2側壁部10b,10bにおける最も前端側に設けられる係止片101,101に係止できない場合には、図11(c)から図12(b)までの動作を複数回繰り返して荷10を載置台6a上に移載するようにしてもよい。
次いで、図12(c)に示されるように、アーム手段5,5を互いに離間させ、荷10の保持状態を解き、その後、平板状部材52,52,53,53,54,54を外枠51,51の前記伸縮基準位置に移動させる動作を行う。これにより、アーム手段5,5は、外枠51,51に対して平板状部材52,52,53,53,54,54が前記伸縮基準位置にある状態となるとともに、基台6の前後基準位置にある状態となる。そして、図示しないが、荷10を載置台6a上に載置した状態でスタッカクレーン2を移動操作して、当該荷10を前記入出庫ステーションに運搬する。
このように、荷10の運搬時には、外枠51,51に対して平板状部材52,52,53,53,54,54が前記伸縮基準位置にある状態とし、且つベース枠7が基台6の前後基準位置にある状態とすることにより、荷10の運搬処理から次の移載処理に移行する際に、移載装置4の両側のいずれの保管棚3,3’であっても迅速に移載処理に取り掛かることができる。
次いで、載置台6aから保管棚3への荷10の移載処理について図13から図14を用いて説明する。
図13(a)に示されるように、先ず、保管棚3に向けてアーム手段5,5の伸長動作を行う。このときのアーム手段5,5の伸長動作は、後端側のピン54b,54bが荷10の第2側壁部10b,10bにおける最も後端側に設けられる係止片101,101に係止可能な位置に配置されるまで行われる。そして、アーム手段5,5により荷10の第2側壁部10b,10bを左右方向から挟み、係止片101,101にピン54b,54bを係止させる。
次いで、図13(b)に示されるように、アーム手段5,5の伸長動作と、ベース枠7の前後基準位置から後方への移動動作と、を同時に行い、荷10を載置台6aと荷載置レール3aとの間に跨るように配置する。これによれば、上述と同様に、ベース枠7の動作と、アーム手段5,5の動作とが、逆方向に同時に行われるため、載置台6a上から荷載置レール3aへの荷10の移動速度が緩やかになり、荷10の載置台6aと荷載置レール3aとの間への移載精度が向上する。
そして、図13(c)に示されるように、アーム手段5,5を互いに離間させ、荷10の保持状態を解き、その後、アーム手段5,5を収縮移動させるとともに、ベース枠7を基台6における保管棚3に近接した位置に向けて前方向に移動させる。このときのアーム手段5,5の収縮動作は、第2側壁部10b,10bの中央寄りの係止片101,101(あるいは挟持係合片100’,100’)に係合可能な位置に配置されるまで行われる。そして、アーム手段5,5により荷10の第2側壁部10b,10bを左右方向から挟み、第2側壁部10b,10bの中央寄りの係止片101,101(あるいは挟持係合片100’,100’)に前端側のピン54a,54aを係止させる。
次いで、図14(a)に示されるように、アーム手段5,5の伸長動作と、ベース枠7の後方位置から前後基準位置への移動動作と、を同時に行い、荷10を載置台6a上から荷載置レール3aに移載する。これによれば、上述と同様に、ベース枠7の動作と、アーム手段5,5の動作とが、逆方向に同時に行われるため、載置台6a上から荷載置レール3aへの荷10の移動速度が緩やかになり、荷10の荷載置レール3aへの移載精度が向上する。
続いて、図14(b)に示されるように、平板状部材54,54の前端が荷10よりも後方に配置されるまで一旦アーム手段5,5の収縮動作を行う。そして、アーム手段5,5を互いに近接させるとともに、平板状部材54,54の前端を後方側の第1側壁部10aに当接させる。
そして、図14(c)に示されるように、ベース枠7を前後基準位置から前方に移動させるとともに、アーム手段5,5の伸長動作を同時に行う。これにより、上述と同様に、ベース枠7の動作と、アーム手段5,5の動作とが、同一方向(保管棚3方向)に同時に行われるため、荷10を所定の収納位置に収納する作業時間を短縮できる。
尚、前記実施例では、ベース枠7が基台6に対して前方向に移動できるため、荷10に到達するまでに必要な実質的なアーム手段5,5の伸長量が小さくて済むため、平板状部材54,54のピン54a,54aを安定させることができることについてのみ説明したが、実質的なアーム手段5,5の伸長量が小さくて済むため、従来のアーム手段に比べて平板状部材52,52,53,53,54,54を短く形成することが可能となるので、アーム手段5,5の製造コストを安くできるという効果もある。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、移載・運搬装置としてスタッカクレーン2を例に挙げ説明したが、これに限られず、保管棚3の後面にレールが敷設されており、移載装置4がそのレールを走行することで、目的の荷10が収納された保管棚3の荷載置レール3aの間口にアクセスできるようになっていてもよい。
また、前記実施例では、荷10,10,…が第1側壁部10a,10aが前後方向を向いた横置きの状態で保管棚3に配置されている態様について説明したが、荷10,10,…は、第2側壁部10b,10bが前後方向を向いて保管棚3に縦置きの状態で配置されていてもよいし、横置き及び縦置きが混在して配置されていてもよい。また、荷10,10,…が縦置きの状態で配置される場合には、挟持係合片100’,100’が第1挟持部として機能し、第1側壁部10a,10aが第2挟持部として機能する。
また、前記実施例では、アーム手段5,5による荷10の保持が、アーム手段5,5による荷10の挟持と、ピン54a,54a(ピン54b,54b)と荷10との係止とにより行われていたが、アーム手段5,5による荷10の挟持またはピン54a,54aと荷10との係止のいずれか一方のみを採用し、他方を省略してもよい。ピン54a,54aと荷10との係止を採用する場合、必ずしもアーム手段5,5は一対設けられることに限られず、1つのアーム手段5で荷10に係止させるようにしてもよい。
1 自動倉庫
2 スタッカクレーン(移載・運搬装置)
3,3’ 保管棚
3a 荷載置レール(荷収納区画)
4 移載装置
5 アーム手段
51,51 外枠
52,53,54 平板状部材
54a,54b ピン(係止部)
6 基台
6a 載置台(載置部)
6f 凸条部(走行ガイド)
7 ベース枠
9 前後駆動装置
10,10’ 荷
10a 第1側壁部
10b 第2側壁部(第2挟持部)
100,100’ 挟持係合片(第1挟持部)
11 左右駆動装置
12 伸縮駆動装置
A,B,C,D 保管棚ブロック
MC メインコンピュータ
SC1 システムコントローラ

Claims (5)

  1. 複数の荷収容区画を備えた複数の保管棚の間を移動する移載・運搬装置を用いて、荷を移載し運搬する自動倉庫における荷の移載運搬方法であって、
    前記移載・運搬装置のベース枠から前記保管棚方向に伸縮移動可能なアーム手段を前記荷へ向けて伸長させる動作と、前記荷の載置部を有する基台に対して前記ベース枠を前記アーム手段の伸縮方向に相対移動させる動作と、を行い、前記アーム手段の先端側で前記荷を保持することを特徴とする自動倉庫における荷の移載方法。
  2. 前記荷の運搬時には、前記基台の中央位置に前記ベース枠を配置することを特徴とする請求項1に記載の自動倉庫における荷の移載方法。
  3. 前記基台に対して前記ベース枠を相対移動させる動作と、前記アーム手段を伸縮させる動作と、をそれぞれ異なる駆動手段により、同時期に行う段階を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の自動倉庫における荷の移載方法。
  4. 前記アーム手段は、前記ベース枠に対して一対設けられており、一対の前記アーム手段により前記荷を挟持して保持することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の自動倉庫における荷の移載方法。
  5. 前記荷における一対の前記アーム手段との対向面に設けられた第1挟持部を、一対の前記アーム手段で挟持するとともに、所定の位置まで引き出す工程と、
    前記第1挟持部よりも奥側に設けられた第2挟持部を一対の前記アーム手段で挟持し、前記荷を前記載置台上に引き出す工程と、を行うことを特徴とする請求項4に記載の自動倉庫における荷の移載方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20140023462A1 (en) * 2010-12-09 2014-01-23 SSI Schafer NoeII GmbH Lager-und Systemtechnik Universal load-lifting means for the palettless handling of goods to be loaded onto paletts

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