以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.第1の実施の形態]
[1−1.画像形成装置の構成]
図1に示すように、第1の実施の形態による画像形成装置1は、電子写真式のプリンタとして構成されており、例えば長尺の用紙Pに対し、所望のカラー画像を印刷するようになっている。画像形成装置1は、大きく分けて、印刷処理を行う本体部2、用紙Pの搬送及び切断を行う搬送切断部3、及び用紙Pを供給するロールフィーダユニット4により構成されている。また本体部2の内部には、全体を統括制御する制御部5が設けられている。
制御部5は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、印刷に関する種々の処理を行う。また制御部5は、内部にRAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させる。
この制御部5は、図示しない通信処理部を介して、パーソナルコンピュータのような上位装置(図示せず)と無線又は有線により接続されている。制御部5は、上位装置から印刷対象の画像を表す画像データが与えられると共に当該画像データの印刷が指示されると、用紙Pの表面に画像を形成する印刷処理を開始する。
説明の都合上、以下では、ロールフィーダユニット4側を前側、本体部2側を後側とし、図1における紙面の手前側を左側、奥側を右側とし、さらに上側及び下側を定義した上で、説明する。
媒体としての用紙Pは、左右方向に沿った芯材(図示せず)の周側面を周回するように巻き付けられてロール状となっており(以下この部分をロール部PRと呼ぶ)、印刷時にその最外周から一端が引き剥がされ、後述する搬送路に沿って走行する。この用紙Pは、図2(A)及び(B)に示すように、いわゆるラベル用紙となっており、台紙PM及び複数のラベル紙片PLにより構成されている。台紙PMは、走行する方向に沿って長尺であり、表面の剥離性が高められている。ラベル紙片PLは、比較的小さな長方形状でなると共に裏面の粘着性が高められており、台紙PMの表面に対し、走行する方向に沿って、所定間隔ごとに整列して貼り付けられている。
ロールフィーダユニット4(図1)は、取付アーム11により搬送切断部3の前側に取り付けられており、その前側に設けられたロールホルダ12により、用紙Pのロール部PRを回転可能に保持している。用紙Pは、ロール部PRの最外周から一端が引き剥がされると、矢印E1に沿って後下方へ引き出される。
搬送切断部3は、筐体20内にガイドローラ21及び搬送部22が設けられている。ガイドローラ21は、筐体20の前側における下寄りに設けられ、中心軸を左右方向に沿わせた円筒状に形成されており、筐体20に対しこの中心軸を回転中心として回転し得るように支持されている。このガイドローラ21は、ロール部PRから引き出された用紙Pを周側面の下側部分に当接させながら案内し、矢印E2に沿って後ろ斜め上方へ進行させて搬送部22へ引き渡す。
搬送部22には、前後方向に沿った搬送路22Yが形成されており、この搬送路22Yに沿って、前から順に搬送ローラ対23、用紙検出センサ部26及び用紙切断部28が設けられている。搬送ローラ対23は、搬送路22Yを上下から挟むように配置された搬送ローラ24及び25により構成されている。
搬送ローラ24は、搬送路22Yの下側に配置されており、中心軸を左右方向に沿わせた円筒状に形成され、図示しない搬送モータから供給される駆動力により、図1における反時計回りに回転する。搬送ローラ25は、搬送路22Yの下側に配置されており、搬送ローラ24と同様の円筒状に形成され、自在に回転し得ると共に下方へ付勢されている。このため搬送ローラ対23は、搬送路22Yに沿って用紙Pが進行してくると、これを搬送ローラ24及び25の間に挟み込み、当該搬送ローラ24の回転駆動力を当該用紙Pに伝達することにより、当該用紙Pを後方へ進行させる。
用紙検出センサ部26は、透過センサ及び反射センサを有しており、光の反射や透過を利用して用紙Pの有無や当該用紙Pにおけるラベル紙片PL(図2)の先端位置等を検出し、得られた検出結果を制御部5へ通知する。用紙切断部28は、内部に用紙Pを切断するカッタや用紙Pを搬送する搬送ローラ対等が組み込まれている。この用紙切断部28は、制御部5の制御に基づき、用紙検出センサ部26により検出したラベル紙片PLの位置等に合わせて、用紙Pを切断する。
また搬送部22は、搬送ローラ対23及び用紙切断部28内の搬送ローラ対により用紙Pを搬送路22Yに沿って搬送し、後方の本体部2内へ進行させる。
本体部2は、直方体状に形成された筐体30の内部における上寄りに、複数の1次転写部31が前後方向に沿って整列するように配置されている。各1次転写部31は、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)及びホワイト(W)といった各色にそれぞれ対応している。
各1次転写部31は、色のみが相違しており、何れも同様に構成されている。この1次転写部31は、トナーカートリッジ、LED(Light Emitting Diode)ヘッドや感光体ドラム等を有しており、制御部5から供給される画像データに基づいたトナー画像を感光体ドラムの周側面に形成し、これを中間転写部32の中間転写ベルト41に転写する。
筐体30の内部には、1次転写部31の下側に中間転写部32が配置されており、さらに当該中間転写部32の下側、すなわち当該筐体30における上下方向のほぼ中央となる箇所に、前後方向に沿って用紙Pの搬送路30Yを形成している。また筐体30内には、この搬送路30Yに沿って、前側から後側へ向かって、中央搬送部33、2次転写部34、定着部35及び後搬送部36が順次配置されている。
中間転写部32は、中間転写ベルト41と、当該中間転写ベルト41を走行させる複数のベルトローラ42とにより構成されている。各ベルトローラ42は、中心軸を左右方向に沿わせた円筒状に形成されており、図示しないベルト駆動モータから供給される駆動力により回転する。中間転写ベルト41は、可撓性を有する材料により構成された無端ベルトとなっており、複数のベルトローラ42と、2次転写部34のバックアップローラ46(詳しくは後述する)との周囲を囲むように張架されている。中間転写部32は、各ベルトローラ42及びバックアップローラ46の回転により、中間転写ベルト41を走行させ、1次転写部31から転写されたトナー画像を2次転写部34に到達させる。
中央搬送部33は、搬送路30Yに沿って離散的に配置された3組の搬送ローラ対43A、43B及び43Cと、複数の検出センサでなる検出センサ群44とを有している。搬送ローラ対43A、43B及び43Cは、搬送切断部3の搬送ローラ対23と同様に構成されており、図示しない搬送モータから供給される駆動力によりそれぞれ所定の方向へ回転し、搬送路30Yに沿って用紙Pを後方へ搬送する。
検出センサ群44は、搬送切断部3の用紙検出センサ部26と同様の透過センサ及び反射センサ等でなり、光の反射や透過を利用して用紙Pの有無や当該用紙Pにおけるラベル紙片PL(図2)の先端位置等を検出し、得られた検出結果を制御部5へ通知する。制御部5は、供給される検出結果に応じて搬送ローラ対43A、43B及び43Cを制御することにより、用紙Pにおけるラベル紙片PLの位置を、中間転写ベルト41に担持されているトナー画像の位置に揃えて、2次転写部34に到達させる。
2次転写部34は、搬送路30Yの下側及び上側にそれぞれ配置された2次転写ローラ45及びバックアップローラ46により構成されている。2次転写ローラ45及びバックアップローラ46は、何れも中心軸を左右方向に沿わせた円筒状に形成され、図示しないモータからの駆動力により、それぞれ所定の方向へ回転する。さらに2次転写ローラ45は、所定のバイアス電圧が印加される。この2次転写部34は、中間転写ベルト41及び用紙Pを間に挟み込んだ状態で2次転写ローラ45及びバックアップローラ46をそれぞれ回転させることにより、トナー画像を当該中間転写ベルト41から当該用紙Pに転写する。
定着部35は、搬送路30Yの下側及び上側にそれぞれ配置された定着ローラ47及び48により構成されている。定着ローラ47及び48は、何れも中心軸を左右方向に沿わせた円筒状に形成されており、図示しないモータからの駆動力により、それぞれ所定の方向へ回転する。また定着ローラ47及び48は、それぞれ内部にヒータが設けられている。この定着部35は、制御部5の制御に基づき、定着ローラ47及び48をそれぞれ加熱すると共に所定方向へ回転させることにより、用紙Pに熱及び圧力を加えてトナー画像を定着させ、後方の後搬送部36に引き渡す。これにより用紙Pには、画像データに基づいた画像が形成される。
後搬送部36は、搬送路30Yを上下から挟むように配置された搬送ローラ対の各搬送ローラを回転させることにより、用紙Pを後方へ搬送する。因みに本体部2から後方へ排出された用紙Pは、本体部2の後側に設置された用紙巻取部(図示せず)により巻き取られる。
[1−2.中央搬送部の構成]
中央搬送部33は、大きく分けて、前上側の部分を占め、搬送ローラ対43Aのうち上側の搬送ローラ及びその周辺部分を構成する搬送前上部33Fと、その他の部分を占める搬送本体部33Mとにより構成されている。
搬送本体部33Mは、図3(A)に斜視図を、図4に平面図を、図5にその一部の左側面図及び断面図を、図6にその一部の分解斜視図を模式的に示すように、搬送路30Yよりも下側の搬送本体下部33MLと、当該搬送路30Yよりも上側の搬送本体上部33MUとにより構成されている。なお説明の都合上、各図では一部の部品を簡略化し、或いは省略している。
[1−2−1.搬送本体下部の構成]
搬送本体下部33ML(図3)は、下左側板51L及び下右側板51Rの間に種々の部品を挟んだ構成となっており、全体として上下方向に短い直方体を形成している。下左側板51Lは、全体として左右方向に薄く前後方向に長い長方形の板状でなり、後辺の上端近傍が後方へ突出すると共に、上辺の後端近傍が上方へ突出している。
下左側板51L(図6)には、後上端近傍に左右方向に貫通する丸孔でなる回動孔51H1が穿設され、当該回動孔51H1の下方に下スクリューシャフト孔51H2が穿設され、さらに回動孔51H1の前方に操作ノブ孔51H3が穿設されている。下右側板51Rは、操作ノブ孔51H3を除いて、下左側板51Lと同様に構成されている。
下左側板51L及び下右側板51Rの間には、搬送ローラ対43A、43B及び43Cにおける下側の搬送ローラ43AL、43BL及び43CLが前後方向に間隔を空けるように配置されている。また、下左側板51L及び下右側板51Rの間であって、搬送ローラ43AL、43BL及び43CL以外の部分には、用紙Pを案内するガイド部材等が取り付けられている。
下左側板51L及び下右側板51Rの下スクリューシャフト孔51H2には、下スクリューシャフト52が挿通されている。下スクリューシャフト52は、中心軸を左右方向に沿わせた細長い円柱状に形成されており、その周側面に螺旋状の溝(すなわちねじ溝)が刻まれている。
第1スクリューシャフトとしての下スクリューシャフト52には、下キャリッジ53、下連動ギア54及びノブ連動ギア55が挿通されている。第1キャリッジとしての下キャリッジ53は、図5(C)及び図6に示すように、全体として搬送本体下部33MLよりも十分に小さい直方体状に構成されている。下キャリッジ53の後端近傍には、左右方向に貫通する貫通孔53Hが穿設されている。貫通孔53Hは、内周側面に螺旋状の溝(すなわちねじ溝)が刻まれており、下スクリューシャフト52のねじ溝と螺合するようになっている。
また下キャリッジ53の前面における上下方向の中央付近には、左右方向に沿った案内溝53Dが形成されている。一方、下キャリッジ53の前方には、下左側板51L及び下右側板51Rを繋ぐように後側板56が設けられている。後側板56の後面には、左右方向に沿ったガイドレール56Rが後方へ向けて立設されている。
下キャリッジ53は、搬送本体下部33MLに組み付けられる場合、貫通孔53Hに下スクリューシャフト52が挿通されると共に、案内溝53Dにガイドレール56Rを入り込ませることにより、当該搬送本体下部33MLに対する上下方向及び前後方向への移動が規制される。このとき下キャリッジ53は、その上面を、搬送路30Yよりも僅かに下側に位置させる。下キャリッジ53は、下スクリューシャフト52がいずれかの方向へ回転されると、貫通孔53Hとの間で互いのねじ溝を螺合させていることにより、当該下スクリューシャフト52及びガイドレール56Rに沿って左方向又は右方向へ移動する。
さらに下キャリッジ53には、上側における後寄りの箇所及び前寄りの箇所にそれぞれ、検出センサ群44(図1)の一部である反射センサ57及び受光素子58が組み込まれている。反射センサ57は、発光素子及び受光素子が組み込まれており、発光素子から上方に向けて光を照射すると共に上方から進行してくる光を受光素子により受光し、当該受光素子による受光結果を制御部5(図1)に通知する。受信素子としての受光素子58は、上方からの光を受光し、得られた受光結果を制御部5に通知する。
また下キャリッジ53には、右端近傍に、上下方向に貫通する位置合わせ孔53Jが穿設されている。位置合わせ孔53Jは、孔径が比較的小さい丸孔でなり、その中心点と受光素子58における受光中心点との間隔が所定距離に調整されている。
さらに下キャリッジ53の上面と搬送路30Yとの間には、下ガイド板59が配置されている。この下ガイド板59は、少なくとも反射センサ57の真上及び受光素子58の真上となる箇所が透明となっており、光の進行を阻害すること無く、紙粉や埃等の異物が反射センサ57及び受光素子58に付着することを防止できる。因みに下ガイド板59には、左右方向に沿って所定間隔ごとに、相対的な位置を表す目盛りや数字が付されている。ユーザは、この下ガイド板59に付された目盛りや数字を参考にして下キャリッジ53を移動させることにより、用紙Pの幅等に適した位置に容易に合わせることができる。
下連動ギア54は、中心軸を左右方向に向けた円板状に形成されており、周側面に歯が形成された歯車(ギア)となっている。この下連動ギア54は、中央に挿通孔54Hが穿設されており、この挿通孔54Hに下スクリューシャフト52が挿通されると、下左側板51Lの右側(すなわち内側)に隣接するように位置し、当該下スクリューシャフト52に固定されて一体に回転する。
ノブ連動ギア55は、下連動ギア54と同様の歯車となっており、中央に挿通孔55Hが穿設されている。このノブ連動ギア55は、下左側板51Lの左側(すなわち外側)に隣接する位置において、挿通孔55Hに下スクリューシャフト52が挿通されることにより、当該下スクリューシャフト52に固定されて一体に回転する。
このように下スクリューシャフト52は、下左側板51L及び下右側板51Rの下スクリューシャフト孔51H2に挿通され、下連動ギア54及びノブ連動ギア55と一体に回転し、このとき下キャリッジ53を左右方向へ移動させるようになっている。
さらに下左側板51Lの操作ノブ孔51H3には、操作ノブ軸60が挿通される。操作ノブ軸60は、中心軸を左右方向に向けた細い円柱状に形成されており、また左右方向の長さも比較的短くなっている。操作ノブ軸60は、下左側板51Lに対し左方向へ突出するように取り付けられる。この操作ノブ軸60の左側には、操作ノブ61が挿通される。
操作ノブ61は、左右方向に薄い円板状に形成されており、その半径がノブ連動ギア55よりも十分に大きくなっている。この操作ノブ61は、ノブ連動ギア55等と同様、周側面に歯が形成された歯車(ギア)となっており、操作ノブ軸60に挿通された状態で、その歯を当該ノブ連動ギア55の歯と噛み合わせる。このため搬送本体下部33MLは、ユーザの操作により操作ノブ61が回転されると、ノブ連動ギア55を介して下スクリューシャフト52及び下連動ギア54を回転させることができる。
さらに下左側板51L(図3(A))における操作ノブ孔51H3の前下方には、レバー軸孔51H4が穿設されている。このレバー軸孔51H4には、回動軸65が挿通されている。回動軸65は、中心軸を左右方向に沿わせた短い円柱状に形成されており、下左側板51Lに対して自在に回動するようになっている。回動軸65における下左側板51Lの左側(外側)及び右側(内側)には、それぞれ操作レバー66及びロック爪67(図3(B))が固定されている。
ロック爪67は、後上側部分が斜めに切り落とされたような傾斜面を有しており、その下側が前方へ切り欠かれて爪状に形成されている。このロック爪67は、スプリング68により左方向から見て反時計回りに付勢されており、下左側板51Lに取り付けられたストッパ69に当接することにより、図3(B)に示した状態で静止している。
[1−2−2.搬送本体上部の構成]
一方、搬送本体上部33MU(図3(A))は、上左側板71L及び上右側板71Rの間に種々の部品を挟んだ構成となっており、全体として上下方向に短い直方体を形成している。この搬送本体上部33MUは、搬送本体下部33MLと比較して、前後方向の長さが約2/3であり、上下方向の長さが約1/2であり、左右方向の長さが僅かに短くなっている。
上左側板71Lは、全体として左右方向に薄く前後方向に長い長方形の板状でなり、後上側部分が斜めに切り落とされ、下辺の後端近傍が下方へ突出している。上左側板71L(図6)には、後下端近傍に左右方向に貫通する丸孔でなる回動孔71H1が穿設され、当該回動孔71H1の前上方に上スクリューシャフト孔71H2が穿設されている。上右側板71Rは、上左側板71Lと同様に構成されている。
上左側板71L及び上右側板71Rの間には、搬送ローラ対43B及び43Cにおける上側の搬送ローラ43BU及び43CUが前後方向に間隔を空けるように配置されている。また、上左側板71L及び上右側板71Rの間であって、搬送ローラ43BU及び43CU以外の部分には、用紙Pを案内するガイド部材等が取り付けられている。
上左側板71L及び上右側板71Rの上スクリューシャフト孔71H2には、上スクリューシャフト72が挿通されている。第2スクリューシャフトとしての上スクリューシャフト72は、下スクリューシャフト52とほぼ同様に構成されており、周側面にねじ溝が刻まれている。
上スクリューシャフト72には、上キャリッジ73及び上連動ギア74が挿通されている。第2キャリッジとしての上キャリッジ73は、図5(C)及び図6に示すように、全体として搬送本体上部33MUよりも十分に小さい直方体状に構成され、上左側板71L等と同様、後上側部分が斜めに切り落とされている。上キャリッジ73の後端近傍には、左右方向に貫通する貫通孔73Hが穿設されている。貫通孔73Hは、下キャリッジ53の貫通孔53Hと同様、内周側面に螺旋状の溝(すなわちねじ溝)が刻まれており、上スクリューシャフト72のねじ溝と螺合する。
また上キャリッジ73の前面における上下方向の中央付近には、後方へ向けて案内突部73Gが突設されている。一方、上キャリッジ73の前方には、上左側板71L及び上右側板71Rを繋ぐように後側板76が設けられている。後側板76の後面には、左右方向に沿ったガイド溝76Dが形成されている。
上キャリッジ73は、搬送本体上部33MUに組み付けられる場合、貫通孔73Hに上スクリューシャフト72が挿通されると共に、案内突部73Gを後側板76のガイド溝76Dに入り込ませることにより、当該搬送本体上部33MUに対する上下方向及び前後方向への移動が規制される。このとき上キャリッジ73は、その下面を、搬送路30Yよりも僅かに上側に位置させる。上キャリッジ73は、下キャリッジ53の場合と同様、上スクリューシャフト72がいずれかの方向へ回転されると、貫通孔73Hとの間で互いのねじ溝を螺合させていることにより、当該上スクリューシャフト72及びガイド溝76Dに沿って左方向又は右方向へ移動する。
さらに上キャリッジ73には、下側における中央付近に、検出センサ群44(図1)の一部である発光素子78が組み込まれている。発信素子としての発光素子78は、下方へ向けて光を発射する。この発光素子78は、下キャリッジ53に組み込まれた受光素子58との組合せにより、搬送路30Yを搬送される用紙Pに光を照射し、当該用紙Pを透過した光を受光する透過型センサとして機能するようになっている。
また上キャリッジ73には、下キャリッジ53と同様、右端近傍に、上下方向に貫通する位置合わせ孔73Jが穿設されている。位置合わせ孔73Jは、位置合わせ孔53Jと同様、孔径が比較的小さい丸孔でなり、その中心点と発光素子78における発光中心点との間隔が、下キャリッジ53と同等の所定距離に調整されている。
因みに上キャリッジ73の下面と搬送路30Yとの間には、上ガイド板79が配置されている。この上ガイド板79は、少なくとも発光素子78の真上となる箇所が透明となっており、下ガイド板59の場合と同様、光の進行を阻害すること無く、紙粉や埃等の異物が発光素子78に付着することを防止することができる。
第2ギアとしての上連動ギア74は、下連動ギア54と同様の歯車(ギア)となっており、中央に挿通孔74Hが穿設されている。上連動ギア74は、この挿通孔74Hに上スクリューシャフト72が挿通されると、上左側板71Lの左側(すなわち外側)に隣接するように位置し、当該上スクリューシャフト72に固定されて一体に回転する。
このように上スクリューシャフト72は、上左側板71L及び上右側板71Rの上スクリューシャフト孔71H2に挿通され、上連動ギア74と一体に回転し、このとき上キャリッジ73を左右方向へ移動させるようになっている。
さらに上左側板71Lの右側(内側)には、搬送本体下部33MLのロック爪67と対応する箇所に、ロックポスト(図示せず)が設けられている。また搬送本体上部33MUは、図示しないスプリングにより、搬送本体下部33MLに対し、上方向に付勢されている。
[1−2−3.搬送本体部の開閉]
搬送本体部33Mは、図6に示したように、左側後端近傍において、搬送本体下部33MLの下左側板51Lに穿設された回動孔51H1と、搬送本体上部33MUの上左側板71Lに穿設された回動孔71H1とに対し、左回動軸81Lが挿通される。左回動軸81Lは、中心軸を左右方向に沿わせた短い円柱状でなり、回動孔51H1及び71H1の何れに対しても自在に回動することができる。
さらに搬送本体部33Mは、右側後端近傍においても、搬送本体下部33MLの下右側板51Rに穿設された回動孔51H1と、搬送本体上部33MUの上右側板71Rに穿設された回動孔71H1とに対し、右回動軸81Rが挿通される。右回動軸81Rは、左回動軸81Lと同様、中心軸を左右方向に沿わせた短い円柱状でなり、回動孔51H1及び71H1の何れに対しても自在に回動することができる。因みに右回動軸81Rの中心軸は、左回動軸81Lの中心軸の延長線上に位置している。
このような構成により搬送本体部33Mは、搬送本体下部33MLに対し、左回動軸81L及び右回動軸81R(以下、両者をまとめて回動軸81とも呼ぶ)を回動中心として、搬送本体上部33MUを回動させることができる。これにより搬送本体部33Mは、図3(A)のように搬送本体下部33MLの上面に対し搬送本体上部33MUの下面を対向させた状態(以下これを閉塞状態とも呼ぶ)と、図3(B)のように搬送本体下部33MLの上面から搬送本体上部33MUの下面を引き離した状態(以下これを開放状態とも呼ぶ)とに遷移できる。
具体的に搬送本体部33Mでは、閉塞状態において、搬送本体下部33MLのロック爪67が搬送本体上部33MUのロックポスト(図示せず)と係合することにより、この閉塞状態を維持している。搬送本体部33Mは、閉塞状態において操作レバー66に対し前方向へ向かう力が加えられると、ロック爪67と共に回動することによりロックポストとの係合を解除し、スプリングの作用により搬送本体上部33MUを上方へ回動させ、開放状態となる。
また搬送本体部33Mは、開放状態において搬送本体上部33MUが下方へ回動されてくると、搬送本体上部33MUのロックポストをロック爪67の傾斜面に当接させ、この傾斜面に摺動させることで前方へ回動させた後、爪形状の下側に入り込ませることで、当該ロック爪67と再び係合し、閉塞状態に戻る。
さらに搬送本体部33Mの左側後端近傍には、仲介ギア82が設けられている。仲介ギア82は、下連動ギア54及び上連動ギア74と同様の歯車(ギア)となっており、中央に挿通孔82Hが穿設されている。因みに仲介ギア82は、下連動ギア54及び上連動ギア74よりも半径が大きくなっている。
仲介ギア82は、挿通孔82Hに左回動軸81Lが挿通されるようにして搬送本体部33Mに組み込まれ、且つ当該左回動軸81Lに対して自在に回動し得るようになっている。さらに仲介ギア82は、図5(B)に示すように、左回動軸81Lに挿通されると、閉塞状態において、下連動ギア54及び上連動ギア74とそれぞれ噛み合う。
このため仲介ギア82は、例えば閉塞状態において下スクリューシャフト52と一体に下連動ギア54が回転した場合、当該下連動ギア54から駆動力が伝達されることにより回転し、上連動ギア74に駆動力を伝達して回転させ、当該上連動ギア74と一体の上スクリューシャフト72も回転させることができる。
ここで下連動ギア54及び上連動ギア74は、互いの半径が同等であり、また形成された歯の形状や数も同等である。また下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72は、互いのねじ溝のピッチ、すなわち回転軸に沿った左右方向における単位長さ当たりに刻まれた溝の数及び直径が同等である。このため搬送本体部33Mは、下連動ギア54及び上連動ギア74を仲介ギア82と噛み合わせることにより、下キャリッジ53及び上キャリッジ73を同時に、同一方向へ且つ同一の距離だけ、連動して移動させることができる。以下では、下連動ギア54、上連動ギア74及び仲介ギア82をまとめて連動部80とも呼ぶ。
ところで搬送本体部33Mは、その組立作業や出荷前の調整作業等において、この機構を利用して、透過型センサを形成する発光素子78及び受光素子58の相互位置を合わせる受発光位置合わせ作業が行われる。この受発光位置合わせ作業では、作業者等により、まず下連動ギア54が下スクリューシャフト52に対し右方向へ移動され、当該下連動ギア54と仲介ギア82との噛み合いが一時的に解除される。これにより搬送本体部33Mでは、下キャリッジ53及び上キャリッジ73を互いに独立に左右方向へ移動させることができる。
続いて搬送本体部33Mでは、上キャリッジ73及び下キャリッジ53における左右方向の位置が概ね揃えられた状態で、上キャリッジ73の位置合わせ孔53Jと下キャリッジ53の位置合わせ孔53Jとを貫通するように、上下方向に細長い位置合わせピン(図示せず)が挿通される。これにより搬送本体部33Mは、上キャリッジ73の発光素子78における発光中心点の真下に、下キャリッジ53の受光素子58における受光中心点を位置させることができる。
その後、搬送本体部33Mは、下連動ギア54が左方向へ移動されて仲介ギア82との噛み合いが復元され、位置合わせピンが引き抜かれる。これにより搬送本体部33Mは、ユーザ等により操作ノブ61が回転された場合に、下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72を同等に回転させることができ、下キャリッジ53及び上キャリッジ73を左方向又は右方向へ同一距離ずつ移動させることができる。すなわち搬送本体部33Mは、透過型センサを形成する発光素子78及び受光素子58の相互位置を一定に保ったまま、両者を左右方向へ移動させることができる。
ここで、図7(A)に示すように、搬送本体下部33MLに対する搬送本体上部33MUの回動中心であり回動軸81の中心を表す点を点Pとし、下スクリューシャフト52及び下連動ギア54の回転中心を表す点を点Qとし、上スクリューシャフト72及び上連動ギア74の回転中心を表す点を点Rとする。また、点PQ間の距離を距離LPQとし、点PR間の距離を距離LPRとする。さらに説明するまでも無く、下左側板51L及び上左側板71Lにおける各孔の位置は、不変である。
このため搬送本体部33Mでは、図7(A)と対応する図7(B)に示すように、搬送本体下部33MLに対する搬送本体上部33MUの回動角度に拘わらず、距離LPQ及び距離LPRが何れも不変である。すなわち搬送本体部33Mでは、点Pから下連動ギア54までの距離が常に一定であり、また当該点Pから上連動ギア74までの距離も常に一定である。
さらに仲介ギア82は、その回転中心が回動軸81の中心である点Pと一致している。このため搬送本体部33Mでは、搬送本体下部33MLに対する搬送本体上部33MUの回動角度に拘わらず、仲介ギア82及び下連動ギア54を噛み合わせた状態、及び当該仲介ギア82及び上連動ギア74を噛み合わせた状態を、常に維持できる。
これにより搬送本体部33Mでは、搬送本体下部33MLに対し搬送本体上部33MUを開閉させたとしても、下キャリッジ53及び上キャリッジ73の位置を左右方向に揃えた状態を維持でき、透過型センサを形成する発光素子78及び受光素子58の相互位置を一定に保つことができる。
因みに搬送本体部33Mでは、下連動ギア54及び仲介ギア82を固定して考えた場合、図7(A)に示した閉側状態から図7(B)に示した開放状態に遷移する際に、当該仲介ギア82と噛み合う上連動ギア74が回転する。このため、閉塞状態において発光素子78及び受光素子58の相互位置が揃っていたとしても、開放状態に遷移するときに、上連動ギア74及び上スクリューシャフト72が回転するために、上キャリッジ73が左右方向へ僅かに移動し、この相互位置が僅かにずれることになる。
しかしながら搬送本体部33Mでは、開放状態から再び閉塞状態に遷移した場合、今度は仲介ギア82と噛み合う上連動ギア74が反対方向に同一の回転量だけ回転する。これにより搬送本体部33Mでは、上連動ギア74及び上スクリューシャフト72が開放時とは反対方向へ回転して上キャリッジ73を元の位置へ戻すため、発光素子78及び受光素子58の相互位置を再び揃えることができる。
[1−3.効果等]
以上の構成において、第1の実施の形態による画像形成装置1の搬送本体部33Mでは、受光素子58を搭載した下キャリッジ53を下スクリューシャフト52の回転により左右方向へ移動させると共に、発光素子78を搭載した上キャリッジ73を上スクリューシャフト72の回転により左右方向へ移動させるようにした。また搬送本体部33Mでは、下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72にそれぞれ取り付けた下連動ギア54及び上連動ギア74を仲介ギア82とそれぞれ噛み合わせて連動部80を構成し、互いの回転を連動させるようにした。
これにより搬送本体部33Mでは、用紙Pに対し互いに反対に位置する発光素子78及び受光素子58を、左方向又は右方向へ同一距離ずつ移動させることができるので、透過型センサとしての検出精度を維持したまま、検出位置を左右へ自在に変位させることができる。
また搬送本体部33Mでは、左回動軸81L及び右回動軸81Rを介して、搬送本体下部33ML及び搬送本体上部33MUを接続した。このため搬送本体部33Mは、用紙Pを搬送する動作時には、搬送本体上部33MUの下面と搬送本体下部33MLの上面とを対向させて搬送ローラ対43A、43B及び43Cの各搬送ローラを上下方向にそれぞれ隣接させることにより、搬送路30Yに沿って用紙Pを適切に搬送できる(図3(A))。その一方で搬送本体部33Mは、用紙Pを搬送する動作時には、搬送本体上部33MUと搬送本体下部33MLとを引き離すことにより、搬送路30Yに詰まった用紙の除去や下ガイド板59及び上ガイド板79の清掃といった保守作業の効率を高めることができる(図3(B))。
さらに搬送本体部33Mでは、搬送本体下部33MLに対する搬送本体上部33MUの回動中心と、仲介ギア82の回転中心とを一致させた(図7)。これにより搬送本体部33Mでは、搬送本体下部33MLに対し搬送本体上部33MUを回動させたとしても、連動部80における各ギアの噛み合い、すなわち下連動ギア54及び仲介ギア82の噛み合い並びに当該仲介ギア82及び上連動ギア74の噛み合いを、何れも維持できる。このため搬送本体部33Mは、搬送本体下部33MLに対する搬送本体上部33MUの開閉に拘わらず、上キャリッジ73及び下キャリッジ53の間における、左右方向に関する相互の位置を保持できるので、発光素子78及び受光素子58による透過型センサとしての検出精度を維持できる。
ところで搬送本体部33Mでは、仮に搬送本体下部33MLに対する搬送本体上部33MUの回動中心、すなわち回動軸81の中心を、下スクリューシャフト52の回転中心と一致させたとしても、連動部80における各ギアの噛み合いを維持できる。しかしながらこの場合、下連動ギア54が下スクリューシャフト52に固定された状態で、当該下スクリューシャフト52に搬送本体上部33MUの荷重が加わるため、当該下スクリューシャフト52及び下連動ギア54を回転させ難くなってしまう。
この点において搬送本体部33Mは、搬送本体下部33MLに対する搬送本体上部33MUの回動中心を、仲介ギア82の回動中心と一致させ、且つ当該仲介ギア82を回動軸81(左回動軸81L)に対し自在に回動し得るようにした。このため搬送本体部33Mは、搬送本体上部33MUの荷重が回動軸81に加わったとしても、仲介ギア82を容易に回動させ、上キャリッジ73及び下キャリッジ53を円滑に連動させることができる。
また搬送本体部33Mは、下スクリューシャフト52にノブ連動ギア55を取り付け、当該ノブ連動ギア55と操作ノブ61とを噛み合わせた(図5(A))。このため搬送本体部33Mは、ユーザの操作により操作ノブ61を回転させるだけで、連動部80の各ギア、下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72をそれぞれ回転させることができるので、下キャリッジ53及び上キャリッジ73を容易に連動して移動させることができる。
以上の構成によれば、搬送本体部33Mは、受光素子58を有する下キャリッジ53と螺合する下スクリューシャフト52に取り付けた下連動ギア54と、受光素子58を有する上キャリッジ73と螺合する上スクリューシャフト72に取り付けた上連動ギア74と、仲介ギア82とそれぞれ噛み合わせて連動部80を構成した。また搬送本体部33Mは、搬送本体下部33MLに対する搬送本体上部33MUの回動中心と、仲介ギア82の回転中心とを一致させた。これにより搬送本体部33Mでは、搬送本体下部33MLに対し搬送本体上部33MUを回動させたとしても、連動部80における各ギアの噛み合いを維持でき、発光素子78及び受光素子58による透過型センサとしての検出精度を維持できる。
[2.第2の実施の形態]
第2の実施の形態による画像形成装置101(図1)は、第1の実施の形態による画像形成装置1と比較して、搬送切断部3に代わる搬送切断部103を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。搬送切断部103は、搬送切断部3と比較して、用紙検出センサ部26に代わる用紙検出センサ部126を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。
[2−1.用紙検出センサ部の構成]
用紙検出センサ部126は、図8に斜視図を、図9に左側面図をそれぞれ示すように、大きく分けて主に搬送路22Y(図1)の下側部分を占める本体下部130と、主に搬送路22Yの上側部分を占める本体上部140とにより構成されている。
本体下部130は、全体として上下方向に比較的短い直方体状に形成されており、上側部分における前後方向の中央付近に、用紙切断部28(図1)の下側約半分を収容すべき空間が形成さている。また本体下部130における用紙切断部28よりも前側となる箇所には、下センサ部150が配置されている。
本体下部130の左右両側面における後端近傍には、上方へ向けて支持板131がそれぞれ立設されている。支持板131は、その上端を搬送路22Yよりも上方まで到達させている。支持板131の上端近傍には、左右方向に貫通する軸孔131Hが穿設されている。
本体上部140は、全体として上下方向に比較的短い直方体状に形成されており、下側部分における前後方向の中央付近に、用紙切断部28(図1)の上側約半分を収容すべき空間が形成さている。また本体上部140の前上側部分は、斜めに切り落とされたような傾斜面が形成されている。さらに本体上部140における用紙切断部28よりも前側となる箇所には、上センサ部170が配置されている。
本体上部140の左右両側面における後端近傍には、回動軸141が設けられている。回動軸141は、中心軸を左右方向に向けた短い円柱状に形成され、本体上部140の左右両側面から左右の外方へ向けて突設されている。回動軸141は、本体下部130の支持板131に形成された軸孔131Hに挿通される。これにより本体上部140は、第1の実施の形態における搬送本体上部33MU(図3)と同様、本体下部130に対し、回動軸141を中心として回動することができる。
[2−2.下センサ部の構成]
下センサ部150(図8)は、本体下部130に固定された左側板132L及び右側板132Rにより、左右の両端近傍から支持された構成となっている。左側板132L及び右側板132Rは、左右方向に薄い板状に形成されており、下第1規制シャフト151、下スクリューシャフト152及び下第2規制シャフト153における左右の両端近傍をそれぞれ支持している。
図10(B)に示すように、下第1規制シャフト151及び下第2規制シャフト153は、中心軸を左右方向に沿わせた細長い円柱状に形成されており、左側板132L及び右側板132R(図8)によりそれぞれ回転可能に支持されている。因みに下第1規制シャフト151は、下第2規制シャフト153よりも左右方向に長くなっている。
下スクリューシャフト152は、第1の実施の形態による下スクリューシャフト52(図3、図6等)と同様、中心軸を左右方向に沿わせた細長い円柱状に形成されており、その周側面に螺旋状の溝(ねじ溝)が刻まれている。この下スクリューシャフト152は、左側板132L及び右側板132R(図8)によりそれぞれ回転可能に支持されている。
下スクリューシャフト152の左端近傍には、下連動ギア154が取り付けられている。下連動ギア154は、第1の実施の形態による下連動ギア54と同様、左右方向に薄い円板状に形成されると共に、その周側面に複数の歯が形成されることにより、歯車(ギア)を構成している。この下連動ギア154は、中央に形成された孔部に下スクリューシャフト152が挿通されることにより、当該下スクリューシャフト152に固定されている。
また下センサ部150には、第1の実施の形態における下キャリッジ53と対応する下キャリッジ155が設けられている。下キャリッジ155は、比較的小さな直方体状に形成されており、左右方向に貫通する貫通孔155H1、155H2及び155H3がそれぞれ穿設されている。このうち貫通孔155H2は、第1の実施の形態における貫通孔53Hと同様、内周側面に螺旋状の溝(すなわちねじ溝)が刻まれており、下スクリューシャフト152のねじ溝と螺合する。一方、貫通孔155H1及び155H3は、内周側面に溝が形成されておらず、下第1規制シャフト151及び下第2規制シャフト153に対しそれぞれ円滑に摺動するようになっている。
この下キャリッジ155は、下センサ部150の組立時に、貫通孔155H1、155H2及び155H3に下第1規制シャフト151、下スクリューシャフト152及び下第2規制シャフト153がそれぞれ挿通される。このとき下キャリッジ155は、貫通孔155H1及び155H3に下第1規制シャフト151及び下第2規制シャフト153がそれぞれ挿通されることにより、本体下部130に対する上下方向及び前後方向への移動及び各方向への回転がそれぞれ規制される。これを換言すれば、下第1規制シャフト151及び下第2規制シャフト153は、下キャリッジ155における前後方向及び上下方向の位置の基準となっている。
下キャリッジ155は、下スクリューシャフト152がいずれかの方向へ回転されると、貫通孔155H2との間で互いのねじ溝を螺合させていることにより、当該下スクリューシャフト152、下第1規制シャフト151及び下第2規制シャフト153に沿って左方向又は右方向へ移動する。
さらに下キャリッジ155には、下キャリッジ53と同様、上側における後寄りの箇所及び前寄りの箇所に、反射センサ57及び受光素子58とそれぞれ同様に構成された反射センサ157及び受光素子158が組み込まれている。また下キャリッジ155の上面と搬送路22Yとの間には、下ガイド板59と同様に構成された下ガイド板159(図9)が配置されている。
また、下第1規制シャフト151における左右の両端近傍には、ロックレバー160(図10)がそれぞれ設けられている。ロックレバー160は、全体として左右方向に薄く上下方向に細長い板状に形成されている。ロックレバー160の下端近傍には、左右方向に貫通する丸孔でなる取付孔161が穿設されている。ロックレバー160は、取付孔161に下第1規制シャフト151が挿通されることにより、当該下第1規制シャフト151に固定され、その中心軸を回動中心として当該下第1規制シャフト151と一体に回動することができる。
ロックレバー160の後辺における上下のほぼ中央には、矩形状に切り欠かれた後切欠部162が形成されている。この後切欠部162には、コイルばねでなるスプリング168の前端部分が取り付けられる。スプリング168は、その後端部分において本体下部130に取り付けられており、前後方向に伸縮するようになっている。
このためロックレバー160は、上端近傍に対し後方へ向かう力が加えられると、スプリング168を圧縮させながら、左側から見て反時計回りに、すなわち矢印S2方向へ回動する。またロックレバー160は、加えられていた力が解放されると、スプリング168の復元力が作用することにより、左側から見て時計回りに、すなわち矢印S1方向へ回動する。
ロックレバー160の上端近傍には、前上端近傍が斜めに切り落とされることにより、斜辺163が形成されている。斜辺163の下側には、後方へ向けて概ね矩形状に切り欠かれた前切欠部164が形成されている。この前切欠部164における上辺を係合辺165と呼ぶ。係合辺165は、ロックレバー160の前辺及び後辺とほぼ直交しており、概ね前後方向に沿っている。
[2−3.上センサ部の構成]
上センサ部170は、本体上部140に固定された左側板142L及び右側板142Rにより、左右の両端近傍から支持されており、下センサ部150と類似した構成となっている。すなわち上センサ部170には、下センサ部150の下第1規制シャフト151、下スクリューシャフト152及び下第2規制シャフト153とそれぞれ概ね同様に構成された上第1規制シャフト171、上スクリューシャフト172及び上第2規制シャフト173が設けられている。
図10(A)に示すように、上第1規制シャフト171、上スクリューシャフト172及び上第2規制シャフト173は、左側板142L及び右側板142R(図8)によりそれぞれ回転可能に支持されている。また上スクリューシャフト172の左端近傍には、下連動ギア154と同様に構成された上連動ギア174が取り付けられている。
上センサ部170には、第1の実施の形態における上キャリッジ73と対応する上キャリッジ175が設けられている。上キャリッジ175は、下キャリッジ155と同様に比較的小さな直方体状に形成されており、貫通孔155H1、155H2及び155H3とそれぞれ同様の貫通孔175H1、175H2及び175H3が穿設されている。
この上キャリッジ175は、上センサ部170の組立時に、貫通孔175H1、175H2及び175H3に上第1規制シャフト171、上スクリューシャフト172及び上第2規制シャフト173がそれぞれ挿通される。このとき上キャリッジ175は、貫通孔175H1及び175H3に上第1規制シャフト171及び上第2規制シャフト173がそれぞれ挿通されることにより、本体上部140に対する上下方向及び前後方向への移動及び各方向への回転がそれぞれ規制される。これを換言すれば、上第1規制シャフト171及び上第2規制シャフト173は、上キャリッジ175における前後方向及び上下方向の位置の基準となっている。
上キャリッジ175は、上スクリューシャフト172がいずれかの方向へ回転されると、貫通孔175H2との間で互いのねじ溝を螺合させていることにより、当該上スクリューシャフト172、上第1規制シャフト171及び上第2規制シャフト173に沿って左方向又は右方向へ移動する。
さらに上キャリッジ175には、第1の実施の形態における上キャリッジ73と同様、上側における後寄りの箇所及び前寄りの箇所に、発光素子78と同様に構成された発光素子178が組み込まれている。また上キャリッジ175の下面と搬送路22Yとの間には、上ガイド板79と同様に構成された上ガイド板179(図9)が配置されている。
[2−4.用紙検出センサ部の開閉]
ところで用紙検出センサ部126の左側には、図9(A)及び(B)に示すように、本体上部140の回動軸141を回転中心とする仲介ギア182が設けられている。仲介ギア182は、第1の実施の形態における仲介ギア82と同様、歯車(ギア)として構成されており、回動軸141に対し自在に回転し得るようになっている。
また用紙検出センサ部126の左側には、下連動ギア154と仲介ギア182との間で駆動力を伝達する複数のギアでなる下仲介ギア群183と、上連動ギア174と仲介ギア82との間で駆動力を伝達する複数のギアでなる上仲介ギア群184とが設けられている。下仲介ギア群183の各ギアは、図示しないギア支持部材により、本体下部130に対する位置を保ったまま自在に回転し得るように支持されている。これと同様に上仲介ギア群184の各ギアは、図示しないギア支持部材により、本体上部140に対する位置を保ったまま自在に回転し得るように支持されている。説明の都合上、以下では、下連動ギア154、上連動ギア74、仲介ギア182、下仲介ギア群183及び上仲介ギア群184をまとめて連動部180と呼ぶ。
かかる構成により用紙検出センサ部126では、第1の実施の形態と同様、下スクリューシャフト152及び下連動ギア154と、上スクリューシャフト172及び上連動ギア174とを、連動して回転させることができる。これにより用紙検出センサ部126では、下キャリッジ155及び上キャリッジ175を連動させること、すなわち互いに同一方向に同一距離ずつ移動させることができる。
また用紙検出センサ部126では、本体下部130に対する本体上部140の回動中心と、仲介ギア182の回転中心とを一致させている。これにより用紙検出センサ部126では、本体下部130に対し本体上部140を開放させた状態(図9(A))又は閉塞させた状態(図9(B))、さらにはその間の状態の何れにおいても、連動部180の各ギアを互いに噛み合わせた状態を維持でき、左右方向に関する下キャリッジ155及び上キャリッジ175の相対的な位置を保つことができる。
ところで用紙検出センサ部126(図8及び図9)では、本体上部140に対し、図示しないスプリングにより本体下部130から離れる方向へ力が付勢されている。また用紙検出センサ部126では、図10(A)及び(B)と対応する図11に示すように、閉塞状態(図8及び図9(A))において、ロックレバー160の係合辺165を本体上部140の上第1規制シャフト171と係合させるようになっている。
ここで用紙検出センサ部126では、本体上部140を閉塞状態(図9(A))から開放状態(図9(B))へ遷移させる場合、ユーザによりロックレバー160に対し後方向へ向かう力が加えられると、当該ロックレバー160がスプリング168を圧縮しながら回動する。やがて用紙検出センサ部126では、ロックレバー160の係合辺165による上第1規制シャフト171への係合が解除されると、本体下部130に対する本体上部140の回動が可能となる。
一方、用紙検出センサ部126では、本体上部140を開放状態(図9(B))から閉塞状態(図9(A))へ遷移させる場合、当該本体上部140を本体下部130に近づけるように回動させるだけで、ロックレバー160の係合辺165を上第1規制シャフト171に係合させ得るようになっている。
具体的に用紙検出センサ部126では、図12(A)及びその一部を拡大した図12(B)に模式的に示すように、回動軸141を中心とした本体上部140(図9等)の回動により、上第1規制シャフト171が軌跡LCを描きながら移動する。因みに軌跡LCは、回動軸141を中心とした円弧の一部となる。
本体上部140が開放状態にあるとき、上第1規制シャフト171は例えば図中のシャフト位置171Aにある。当該本体上部140に対して作業者等から下方向へ向かう力が加えられると、当該本体上部140は、本体下部130(図9等)へ近接する方向、すなわち下方へ回動される。やがて上第1規制シャフト171は、シャフト位置171Bに到達し、ロックレバー160の斜辺163に当接する。
ここで本体上部140がさらに下方へ回動されると、上第1規制シャフト171は斜辺163を介してロックレバー160に対し後方へ向かう力を加え、当該斜辺163と摺動しながらスプリング168を圧縮させると共に、当該ロックレバー160を後方へ回動させていく。やがて上第1規制シャフト171は、斜辺163の下端に到達すると、当該斜辺163を介したロックレバー160に対する後方への力の作用を終了する。因みにこのときロックレバー160は、図中に破線で示した姿勢となっている。
これに応じてスプリング168は、加えられていた力が解放されて伸張し、ロックレバー160を前方へ回動させる。これにより上第1規制シャフト171は、ロックレバー160の前切欠部164内へ入り込む。因みにロックレバー160は、前辺の一部を図示しないストッパに当接させることにより、図中に実線で示した姿勢で静止する。
また本体上部140も、図示しないストッパに当接することにより、下方への回動を終了する。このとき上第1規制シャフト171は、ロックレバー160の係合辺165よりもやや下方のシャフト位置171Cに到達する。その後本体上部140は、作業者等から下方向へ向かう力が解放されると、図示しないスプリングの作用により、上方向へ付勢されて僅かに回動し、上第1規制シャフト171をロックレバー160の係合辺165に当接させるシャフト位置171Dに到達して静止する。かくして本体上部140は、閉塞状態となり、且つロックレバー160の係合辺165と上第1規制シャフト171との係合により、この閉塞状態を安定的に維持する。
[2−5.効果等]
以上の構成において、第2の実施の形態による画像形成装置101の用紙検出センサ部126は、下センサ部150が組み込まれた本体下部130に対し、上センサ部170が組み込まれた本体上部140を回動可能に構成した(図9)。また用紙検出センサ部126は、下第1規制シャフト151にロックレバー160を取り付け、閉塞状態において当該ロックレバー160の係合辺165を上第1規制シャフト171に係合させるようにした(図11等)。
このため用紙検出センサ部126は、本体上部140が閉塞状態であるとき、当該上第1規制シャフト171と下第1規制シャフト151との間隔を、当該ロックレバー160により常に一定の距離に合わせることができる。これにより用紙検出センサ部126では、本体上部140が閉塞状態であれば、上第1規制シャフト171が挿通される上キャリッジ175の発光素子178と、下第1規制シャフト151が挿通される下キャリッジ155の受光素子158との間隔を、常に一定の距離とすることができる。
また用紙検出センサ部126は、連動部180を設けたことにより、第1の実施の形態における搬送本体部33Mの場合と同様、本体上部140の開閉に拘わらず、上キャリッジ175及び下キャリッジ155を常に連動させることができる。
これらにより用紙検出センサ部126は、上キャリッジ175の発光素子178及び下キャリッジ155の受光素子158を、左右方向に関して常に互いに対応する位置に揃えることができ、且つ本体上部140が閉塞状態である場合に、上下方向に関する互いの間隔を常に一定に保つことができる。この結果、用紙検出センサ部126は、本体下部130に対し本体上部140を開閉可能として保守作業の効率を高めながらも、発光素子178及び受光素子158により構成される透過型センサの検出精度を最適な状態に維持できる。
特に用紙検出センサ部126は、上キャリッジ175及び下キャリッジ155と回動軸141との間に用紙切断部28を挟んだ構成となっており(図8)、特に第1の実施の形態による搬送本体部33Mと比較して、透過型センサと回動軸81又は141との距離が大きくなっている。このため用紙検出センサ部126では、本体下部130に対し本体上部140が僅かに回動しただけでも、受光素子158及び発光素子178の間隔が大きく変化する可能性がある。
そこで用紙検出センサ部126は、閉塞状態において、上キャリッジ175及び下キャリッジ155それぞれの位置の基準であり、直近に位置している上第1規制シャフト171と下第1規制シャフト151との間隔を、ロックレバー160によって一定に保つようにした。これにより用紙検出センサ部126は、回動軸141から受光素子158及び発光素子178までの距離に起因した影響を受けること無く、透過型センサにおける検出精度を維持することができる。
ところで用紙検出センサ部126は、本体上部140を開放状態から閉塞状態へ遷移させるときに、仮に上第1規制シャフト171をロックレバー160の斜辺163に摺動させた後に継続して係合辺165に当接させた場合、当該上第1規制シャフト171が係合辺165における前端近傍に引っ掛かる可能性がある。このとき用紙検出センサ部126では、本体上部140が正しく閉塞されているように見えるものの、僅かな振動等が加わっただけで上第1規制シャフト171とロックレバー160の係合辺165との係合が解除され、本体上部140が開放されてしまい、用紙Pの適切な検出を行い得なくなる恐れがあった。
この点を踏まえて用紙検出センサ部126は、本体上部140を開放状態から閉塞状態へ遷移させるときに、上第1規制シャフト171をロックレバー160の斜辺163に摺動させた後、係合辺165から一度引き離してから再び当該係合辺165に当接させ、当該係合辺165に係合させるようにした(図12)。これにより用紙検出センサ部126は、ロックレバー160を係合時の姿勢(図中に実線で示す)まで適切に戻すことができる。
このため用紙検出センサ部126では、本体上部140を開放状態から閉塞状態へ遷移させるときに、ユーザに当該本体上部140に対し下方向へ向かう力を加えさせ、ストッパに当接して静止した後にこの力を解放させるだけで良い。これにより用紙検出センサ部126では、上第1規制シャフト171をロックレバー160の係合辺165における中央付近で適切に係合させることができ、僅かな振動等によって係合を解除すること無く、透過型センサによる用紙Pの検出精度を確実に維持できる。
その他の点においても、用紙検出センサ部126は、第1の実施の形態による搬送本体部33Mと同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、用紙検出センサ部126は、下キャリッジ155が挿通される下第1規制シャフト151にロックレバー160を取り付け、本体上部140の閉塞状態において、上キャリッジ175が挿通される上第1規制シャフト171に対し、ロックレバー160の係合辺165を係合させる。これにより用紙検出センサ部126は、本体上部140が閉塞状態であるとき、上第1規制シャフト171と下第1規制シャフト151との間隔を一定の距離に合わせるため、上キャリッジ175の発光素子178と下キャリッジ155の受光素子158との間隔を常に一定として、透過型センサとしての検出精度を維持できる。
[3.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態においては、搬送本体下部33MLに対する搬送本体上部33MUの回動中心と、仲介ギア82の回転中心とを一致させる場合について述べた(図7)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば搬送本体下部33MLに対する搬送本体上部33MUの回動中心を、下連動ギア54や上連動ギア74の回転中心と一致させるようにしても良い。要は、搬送本体下部33MLに対する搬送本体上部33MUの回動中心を、連動部80を構成するいずれかのギアの回転中心と一致させることにより、搬送本体上部33MUの回動に拘わらず、各ギアの噛み合いを常に維持できれば良い。第2の実施の形態についても同様である。
また上述した第1の実施の形態においては、連動部80を3枚のギア(歯車)の組合せにより構成する場合について述べた(図7)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば連動部を、ベルトやリンク機構、或いはギアとこれらとの組合せ等により構成しても良い。要は、下スクリューシャフト52の回転と上スクリューシャフト72の回転とを連動させることができ、且つ搬送本体下部33MLに対し搬送本体上部33MUが回動する場合にも常に連動させることができれば良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、操作ノブ61の回転を下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72に伝達することで、当該操作ノブ61の回転に応じて下キャリッジ53及び上キャリッジ73を移動させる場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば操作ノブ61及びノブ連動ギア55を省略し、ユーザに上キャリッジ73を直接移動させても良い。この場合、連動部80が駆動力を伝達するため、当該上キャリッジ73に追従するように下キャリッジ53を移動させることができる。
さらに上述した第1の実施の形態においては、下キャリッジ53における上下方向及び左右方向の位置を、下スクリューシャフト52及びガイドレール56Rにより規定する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば第2の実施の形態における下キャリッジ155のように、下スクリューシャフト152とは別に設けた下第1規制シャフト151及び下第2規制シャフト153により、下キャリッジ53における上下方向及び左右方向の位置を規定しても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、上キャリッジ73に発光素子78を設けると共に下キャリッジ53に受光素子58を設ける場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば上キャリッジ73に受光素子58を設けると共に下キャリッジ53に発光素子78を設けても良い。或いは、透過型センサを構成する発光素子78及び受光素子58に限らず、用紙Pの一面側から光や電磁波等を発信し、反対面側においてこれを受信することで当該用紙Pにおける種々の特性を検出する種々の素子を、上キャリッジ73側及び下キャリッジ53側に振り分けて配置しても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、下連動ギア54及び上連動ギア74における半径、歯の形状や数を同等とし、下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72におけるねじ溝のピッチ及び直径を同等とする場合について述べた。これにより第1の実施の形態では、連動時における下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72の回転数を一致でき、下キャリッジ53及び上キャリッジ73を同一方向に同一距離ずつ移動させることができた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば下連動ギア54及び上連動ギア74における半径、歯の形状や数を相違させ、或いは下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72におけるねじ溝のピッチ及び直径を相違させても良い。この場合、それぞれの値の比率を適切に設定することにより、連動時に下キャリッジ53及び上キャリッジ73を同一方向に同一距離ずつ移動できれば良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、搬送本体部33Mに対し、透過型センサを構成する発光素子78及び受光素子58等の他に、用紙Pを搬送する搬送ローラ対43A等を一体に組み込む場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば第2の実施の形態における用紙検出センサ部126のように、搬送ローラ対を組み込まない構成としても良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、下センサ部150の下第1規制シャフト151にロックレバー160を取り付け、当該ロックレバー160を上センサ部170の上第1規制シャフト171と係合させる場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば下センサ部150の下第2規制シャフト153にロックレバー160を取り付けても良く、また当該ロックレバー160を上センサ部170の上第2規制シャフト173や上スクリューシャフト172に係合させても良い。さらには、上センサ部170側の上第1規制シャフト171等にロックレバー160を取り付け、これを下センサ部150側の下第1規制シャフト151等に係合させても良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、下第1規制シャフト151における左右両側にロックレバー160をそれぞれ取り付ける場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば下第1規制シャフト151における左右何れか一方にのみロックレバー160を取り付けても良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、スプリング(図示せず)により本体下部130に対し本体上部140を引き離す方向へ付勢する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えばこのスプリングを省略しても良い。第1の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、用紙Pをいわゆるラベル用紙とする場合について述べた(図2)。しかしながら本発明はこれに限らず、用紙Pを種々の構成でなる用紙としても良い。この場合、発光素子78及び受光素子58により構成される透過型センサにより、用紙Pにおける画像を形成すべき位置を検出することができれば良い。また用紙Pは、長尺紙に限らず、例えばA4サイズ等の比較的短い長さでなるカット紙でも良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
さらに上述した第1の実施の形態においては、第1本体部としての搬送本体下部33MLと、第2本体部としての搬送本体上部33MUと、本体回動部としての左回動軸81L及び右回動軸81Rと、第1スクリューシャフトとしての下スクリューシャフト52と、第2スクリューシャフトとしての上スクリューシャフト72と、第1キャリッジとしての下キャリッジ53と、第2キャリッジとしての上キャリッジ73と、発信素子としての発光素子78と、受信素子としての受光素子58と、連動部としての連動部80とによって媒体検出装置としての搬送本体部33Mを構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる第1本体部と、第2本体部と、本体回動部と、第1スクリューシャフトと、第2スクリューシャフトと、第1キャリッジと、第2キャリッジと、発信素子と、受信素子と、連動部とによって媒体検出装置を構成しても良い。