JP2017052532A - パックシート包装体とその製造方法 - Google Patents

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春二 大西
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由美 鍋島
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Abstract

【課題】より多量の美容液をシール巻回体4に含浸させて、機能と品質の向上が図られたフェイスパックシート1を提供する。
【解決手段】パックシート包装体は、フェイスパックシート1を渦巻状に巻回してなるスティック状のシート巻回体4と、該シート巻回体4に含浸された美容液と、該シート巻回体4を密封包装する包装袋3とを備える。そして、美容液が含浸されたシート巻回体4を、有底容器状のトレー2内に収容した状態で、該トレー2と共に、包装袋3内に密封包装する。
【選択図】図1

Description

本発明は、フェイスパックシートが個包装されているパックシート包装体とその製造方法に関する。本発明に係るフェイスパックシートは、渦巻状に巻回してなるスティック状のシート巻回体に成形されており、美容液を含浸させた状態で細筒状の包装袋内に密封包装されている。
フェイスパックシートを渦巻状に巻回してスティック状のシート巻回体とし、これを細筒状の包装袋内に密封包装することは、例えば特許文献1に公知である。かかる特許文献1に記載の発明では、不織布を打ち抜いてなる二つ折り状のフェイスパックシート(フェイスマスクシート)をさらに短手方向に折り畳んだのち、折り畳まれたフェイスパックシートを長手方向のいずれか一方端を巻き始端にして渦巻状に巻回してスティック状のシート巻回体を得ている。また、特許文献1に記載の発明では、上記のように得られたシート巻回体に対してノズルから美容液を噴射して、該シート巻回体を構成するフェイスパックシートに美容液を含浸させたのち、これをアルミラミネートフィルムで三方シール包装を行い、巻回体を細筒状の包装袋内に密封包装して、携帯用フェイスマスクパックを得ている。このように、スティック状のシート巻回体を細筒状の包装袋内に密封包装していると、コンパクトで嵩張らず、携帯性に優れたパックシート包装体を得ることができる。
特開平10−81612号公報
特許文献1のパックシート包装体の問題は、シール包装時に美容液がシール部分に付着してシール不良が生じるおそれがあるため、より多くの美容液をフェイスパックシートに付与することが困難なことにある。つまり、シート巻回体に美容液を含浸させたのちに、三方シール包装により包装袋内に密封包装しているため、シール包装時にシート巻回体から漏れ出た美容液がアルミラミネートフィルムのシール部分に付着してシール不良を招くおそれがある。このため、特許文献1のパックシート包装体では、シート巻回体の液保持能力を超えて、より多くの美容液をシート巻回体に付与することはできず、フェイスパックシートの機能や品質の点で難がある。何よりもフェイスパックシートに含浸されている美容液の液量が少ないと、使用者は十分な使用感や満足感が得られない。
加えて、フェイスパックシートに含浸される美容液は殆どの場合、化粧水とは異なりその粘度が高いため、特許文献1のパックシート包装体では、美容液が含浸されたシート巻回体が包装袋に張り付き易く、包装袋からのフェイスパックシートの取り出しが容易でない。つまり、従来のパックシート包装体では、包装袋の長手方向の端部を切り取り、或いは包装袋を長手方向に引裂くなどにより、包装袋を開封したのちに、包装袋からシート巻回体を取り出す際に、美容液が含浸されたシート巻回体が包装袋の内面にベッタリと張り付き易く、包装袋内からシート巻回体、すなわちフェイスパックシートを簡便に取り出すことができず、実用利便性に難がある。
上記のようなシール不良の問題や、取り出し時の張り付きの問題は、例えば、シート巻回体に比べて、包装袋の外形寸法を格段に大きくすることである程度は解決できる。しかしこの場合には、パックシート包装体の全体寸法が大きくなることが避けられず、パックシート包装体のコンパクト化、携帯性の向上という本来要請に反する結果を招く。また、このように包装袋の外形寸法を大きくすると、携帯時に包装袋越しにシート巻回体が圧迫されるなどの要因によってシート巻回体から美容液が分離したときに、包装袋内における分離美容液とシート巻回体との接触機会が減少することが避けられず、分離美容液がシート巻回体に再含浸されずに、フェイスパックシートにおける美容液の含浸量が不足するおそれがある。尤も、シート巻回体からの美容液の分離を見越して、より多量の美容液を供給することも考えられるが、その場合には、個々のパックシート包装体における美容液の供給量が増えるため、コストアップを招来する。
さらに、従来のパックシート包装体では、シート巻回体に美容液が含浸されるまでの含浸処理が必須である。つまり、シート巻回体に対する美容液の供給直後に密封包装処理を行うと、未含浸の美容液がシール部分に付着することに由来する溶着不良が生じるため、従来のパックシート包装体では、美容液の供給からシート巻回体に美容液が含浸されるまでの数秒〜数十秒の待機時間が必須であった。かかる待機時間は、パックシート包装体の生産性の向上を図るうえで大きな妨げとなる。
本発明は以上のような従来のパックシート包装体が抱える問題点を解決するためになされたものであり、シール不良の発生を抑えながら、より多量の美容液をフェイスパックシートに付与することができる、新規なパックシート包装体を得ることを目的とする。
また本発明の他の目的は、美容液をシート巻回体自体に保持させると共に、美容液が含浸されたシート巻回体を、開封した包装袋からより簡便に取り出すことができる、実用利便性に優れたパックシート包装体を提供することにある。
本発明の他の目的は、スティック状のシート巻回体の成形から、美容液の供給および含浸を経て、シート巻回体の個包装に至る一連の処理を、美容液の無駄がなく効率よく行うことができ、従って、パックシート包装体をより低コスト短時間で製造できる、パックシート包装体の製造方法を提供することにある。
本発明のパックシート包装体は、フェイスパックシート1を渦巻状に巻回してなるスティック状のシート巻回体4と、該シート巻回体4に含浸された美容液と、該シート巻回体4を密封包装する包装袋3とを備える。そして、美容液が含浸されたシート巻回体4が、有底容器状のトレー2内に収容された状態で、該トレー2と共に、包装袋3内に密封包装されていることを特徴とする。
トレー2は、長方形状の底壁16と、底壁16の四周縁から上向きに延設される周囲壁17とで上開口を有する横長の四角箱状に形成する。シート巻回体4を、周囲壁17で囲まれるトレー2の収容室18内に収容する。
収容室18の高さ寸法Hは、シート巻回体4の直径寸法Dの30%以上、120%以下に設定することが好ましい。
トレー2は、その断面形状が、向かい合う周囲壁17どうしの対向間隔寸法が上方に行くに従って漸次大きくなる上拡がり状に形成することが好ましい。
フェイスパックシート1は、展開状態で扁平円形状に形成する。シート巻回体4は、扁平円形状のフェイスパックシート1を折り畳むことで得られた重畳部分を巻き始端にして、スティック状に巻回してなるものとする。なお、ここで言う「扁平円形状」とは、略円形状、楕円形状、あるいは複数の曲率を備える楕円形状などを含む概念である。また、一部に直線を含んでいてもよい。
また、本発明のパックシート包装体の製造方法は、原反ロール30から連続して供給されるシート素材31からフェイスパックシート1を打ち抜き形成する打ち抜き工程P1と、得られたフェイスパックシート1を、折り畳んで重畳部分を形成する折り畳み工程P2と、折り畳み工程P2で得られた重畳部分を巻き始端にして、フェイスパックシート1を渦巻状に巻回してスティック状のシート巻回体4に成形する成形工程P4と、シート巻回体4をトレー2の収容室18に収容する収容工程P5と、トレー2の収容室18に収容されたシート巻回体4に対して規定量の美容液を供給する液供給工程P6と、シート巻回体4が収容されたトレー2を、包装袋3内に密封包装する包装工程P7とを含むことを特徴とする。
成形工程P4に先行して、フェイスパックシート1に所定量の美容液を含浸させる液含浸工程P3を行う。
本発明のパックシート包装体においては、美容液が含浸されたシート巻回体4をトレー2内に収容した状態で、該トレー2と共に包装袋3内に密封包装した。このようにシート巻回体4をトレー2内に収容して包装袋3内に密封包装していると、シート巻回体4から漏れ出た美容液が包装袋3のシール部分に付着することに由来するシール不良の問題を一掃できるので、より多量の美容液をシール巻回体4に含浸させることができる。つまり、本発明によれば、シール処理時にシート巻回体4から美容液が漏れ出た場合でも、漏れ出た美容液はトレー2で受け止められるため、シール不良の問題が生じることは無く、シート巻回体4の含浸能力や液保持能力を超えて、より多量の美容液をシート巻回体4であるフェイスパックシート1に付与することができる。以上より、本発明によれば、より多量の美容液が含浸され、機能と品質の向上が図られたフェイスパックシート1を提供できる。より多量の美容液が含浸されており、使用感と満足感に富んだフェイスパックシート1を提供できる利点もある。
また、本発明のパックシート包装体では、シート巻回体4がトレー2内に収容された状態で包装袋3内に密封包装するため、シート巻回体4の巻き終端が、包装袋のシール部分に噛み込まれ難く、シール不良の発生を抑えて、信頼性に優れたパックシート包装体を得ることができる。つまり、従来のパックシート包装体では、シート巻回体4の巻き終端が、巻回体4から浮き離れていると、シート巻回体4の姿勢状態によっては、巻き終端がシール部分に噛み込まれて、シール不良を招くおそれがあった。これに対して、本発明では、トレー2内にシート巻回体4が収容された状態で包装処理を行うため、巻き始端がシール部分に噛み込まれ難く、シール不良の発生を抑えて、パックシート包装体の信頼性向上に貢献できる。
また、本発明のパックシート包装体によれば、シート巻回体4が包装袋3の内面に接触する機会を該トレー2により少なくできるので、包装袋3を開封してシート巻回体4を取り出す際に、美容液が含浸されたシート巻回体4が包装袋3の内面に張り付くことを効果的に防いで、より簡便にかつ巻回形状を保持したまま包装袋3からシート巻回体4を取り出すことが可能となる。また、包装袋3の開封後は、トレー2の端部を指で引き出すだけで、トレー2ごとシート巻回体4を取り出すことができるので、この点でもより簡便に包装袋3からシート巻回体4を取り出すことができる。また、万一包装袋3からトレー2を取り出した後、何らかの理由により直ぐに使用できず一時的に保管したい場合には、トレー2ごとシート巻回体4を包装袋3内に一時的に戻すことも容易に行える。以上より、本発明によれば、美容液が含浸されたシート巻回体4を、簡便に包装袋3から取り出すことができ、実用利便性に優れたパックシート包装体を得ることができる。
美容液が含浸されたシート巻回体4が、トレー2に収容した状態で包装袋3内に包装されていると、コンパクト化を目的として包装袋3の外形寸法を小さくした場合でも、包装袋3の内面に美容液が含浸されたシート巻回体4が張り付くことを、トレー2により確実に抑えることができる。以上より、本発明によれば、嵩張らずコンパクトであり優れた携帯性を備えるものでありながら、シート巻回体4の取り出し性に優れたパックシート包装体を得ることができる。
また、例えば携帯時に包装袋3越しにシート巻回体4が圧迫され、美容液がシート巻回体4から搾り出されて分離された場合でも、分離された美容液はトレー2で受け止められ、トレー2内に留められる。また、トレー2内で分離した美容液とシート巻回体4とを確実に接触させることができるため、美容液をシート巻回体4に再び含浸させ、保持させることができる。以上より、本発明によれば、無駄に多量の美容液をパックシート包装体に供給する必要がなくなり、製造コストの上昇を効果的に抑えることができる。
また、本発明によれば、トレー2内にシート巻回体4を収容した状態で、美容液の含浸処理を進めることができる。これにより、従来のパックシート包装体では不可避であった、含浸処理のための待機時間を省いて、迅速に包装処理を進めることができるため、パックシート包装体の生産性の向上を図ることができる。また、トレー2で美容液が受け止められる状態としながら、シート巻回体4に対する美容液の供給作業を進めることができるので、美容液が周囲に飛散、無駄に或いは流出することを防ぐこともできる。
また、本発明に係るパックシート包装体によれば、包装袋3を開封して取り出したシート巻回体4を、トレー2ごと化粧台等の机上に置くことができるので、シート巻回体4を机上に安定的に載置でき、シート巻回体4から漏れ出た美容液により、化粧台等が不用意に汚損されることを防止できる。包装袋3を介して、机上にトレー2ごとシート巻回体4を載置しても良く、この場合にも机上にシート巻回体4を安定的に載置できる。また、トレー2内からシート巻回体4を取り出したときに、シート巻回体4から分離してトレー2内に残った美容液を手の甲などに塗布してスキンケアを行うことも容易であり、包装袋3内に封入された美容液を無駄なく使用できる利点もある。
トレー2は、長方形状の底壁16と、底壁16の四周縁から上向きに延設される周囲壁17とを備え、上開口を有する横長の四角箱状に形成されており、シート巻回体4が、周囲壁17で囲まれるトレー2の収容室18内に収容される形態を採ることが好ましい。つまり、本発明では、シート巻回体4をスティック状としているため、かかるシート巻回体4の形状に合わせて、トレー2は上開口を有する横長の四角形状として、収納室18内にスティック状のシート巻回体4が収容されるようにすることが好ましい。また、トレー2に上開口を設けていると、該上開口を介して収納室18内へシート巻回体4を落とし込むだけで、収納室18に対するシート巻回体4の収容作業を進めることができる。また、フェイスパックシート1の使用時には、包装袋3からトレー2ごとシート巻回体4を取り出したのちに、上開口からシート巻回体4を摘み上げるだけで、トレー2からシート巻回体4を取り出すことができる。
収容室18の高さ寸法Hは、シート巻回体4の直径寸法Dの30%以上、120%以下に設定することが好ましい。収容室18の高さ寸法Hがシート巻回体4の直径寸法Dの30%未満であると、収納室18の収納能力が小さくなりすぎ、シート巻回体4から漏れ出た美容液を受止めることが困難となる。また、収容室18の高さ寸法Hが直径寸法Dの120%を超えると、いたずらにトレー2が大型化し、シート巻回体4が取り出し難くなるなど利便性も損なわれることになる。これに対して、収容室18の高さ寸法Hが、シート巻回体4の直径寸法Dの30%以上、120%以下に設定されていると、トレー2が無用に大型化することを抑えて、嵩張らずコンパクトであり優れた携帯性を備えるパックシート包装体を得ることができる。また、優れた携帯性を備えながらもシート巻回体4の取り出しを容易に行える、パックシート包装体を得ることができる。
トレー2の断面形状が、向かい合う周囲壁17どうしの対向間隔寸法が上方に行くに従って漸次大きくなる上拡がり状に形成されていると、上開口を介した収納室18内へのシート巻回体4の収容作業がより容易となる。また、上開口を介したシート巻回体4を取り出し作業もより容易となる。
フェイスパックシート1を、展開状態で扁平円形状に形成し、シート巻回体4を、扁平円形状のフェイスパックシート1を折り畳むことで得られた重畳部分を巻き始端にしてスティック状に巻回してなるものとすることができる。このように、重畳部分を巻き始端にして巻回すると、巻回時の芯になる部分が少なくとも2重になるため、織布や不織布などからなるフェイスパックシート1の腰を強くして、フェイスパックシート1を安定した状態で巻回することができる。従って、巻回途中のフェイスパックシート1が、巻回方向に対して不用意に傾いたり蛇行したりすることを効果的に防止して、巻き姿が美麗なスティック状のシート巻回体4を成形できる。また、展開状態から巻き始める形態に比べて、少ない巻き込み回数でフェイスパックシート1をシート巻回体4に成形でき、さらに、使用時にシート巻回体4を素早く展開できる利点もある。
本発明に係るパックシート包装体の製造方法では、液供給工程P6において、トレー2内にシート巻回体4を収容した状態で、美容液の含浸処理を進めることができる。これにより、従来のパックシート包装体では不可避であった、含浸処理のための待機時間を省いて、迅速に包装処理を進めることができるため、パックシート包装体の生産性の向上を図ることができる。また、トレー2で美容液が受け止められる状態としながら、シート巻回体4に対する美容液の供給作業を進めることができるので、美容液が周囲に飛散、或いは流出することを防ぐこともできる。従って、スティック状のシート巻回体4の成形から、美容液の供給および含浸を経て、シート巻回体4の個包装に至る一連の処理を、美容液の無駄がなく効率よく時間を短縮して行うことができ、従って、パックシート包装体をより低コスト短時間で製造できる。
液含浸工程P3においてパックシート1に所定量の美容液を含浸させると、美容液によってフェイスパックシート1が形状を保持し易くなるため、腰を強くした状態で次の成形工程P4を行うことができるので、フェイスパックシート1を安定した状態で巻回することができる。従って、巻回途中のフェイスパックシート1が、巻回方向に対して不用意に傾いたり蛇行したりすることを効果的に防止して、巻き姿が美麗なスティック状のシート巻回体4を成形できる。また、美容液が含浸されたシート巻回体4は、美容液によって巻き終端部分などのシート端部が巻回部分に張り付いた状態となって、巻回が解け難くその巻き姿が保持されるので、トレー2の収容室18へのシート巻回体4の収容を容易に行うことができる。
本発明に係るパックシート包装体を構成するフェイスパックシートと、フェイスパックシートを包装袋内に包装した状態を示す図である。 図1におけるA−A線断面図である。 フェイスパックシートをシート巻回体に成形する手順を示す正面図である。 図3におけるB−B線断面図である。 トレーの平面図である。 パックシート包装体の製造工程を示す説明図である。 成形工程を示す説明図である。 フェイスパックシートをシート巻回体に成形する手順の別の実施例を示す正面図である。 フェイスパックシートをシート巻回体に成形する手順のさらに別の実施例を示す正面図である。
(実施例) 図1から図7に、本発明に係るパックシート包装体の実施例を示す。図1および図2に示すように、パックシート包装体は、フェイスパックシート1と、フェイスパックシート1を収容するトレー2と、これら1・2を密封包装する細筒状の包装袋3などで構成されている。フェイスパックシート1は、渦巻状に巻回してなるスティック状のシート巻回体4に成形されており、美容液を含浸させた状態でトレー2に収容されている。なお、本実施例におけるフェイスパックシート1の上下、左右とは、図3に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した上下、左右の表示に従う。
図1に示すように展開状態のフェイスパックシート1は、不織布を素材として外形形状が扁平円形状に打ち抜き形成されており、そのシート面には、人の目、鼻、口に対応する開口7・8・9が形成されている。詳しくは、フェイスパックシート1は、上下で曲率が異なる楕円形状であり、左右方向の中央を対称軸とした線対称状に形成されている。シート面の略中心に、横臥コ字状の切込みを設けて、人の鼻に対応する開口8を形成している。鼻に対応する開口8の下方には、人の口に対応する横長楕円状の開口9を形成し、上方の左右には、人の目に対応する横長楕円状の開口7・7を形成している。また、上半左右と下半左右のシート周縁には、シート面を顔肌に密着させるための直線状の切込み10が計4本形成されている。なお、本実施例におけるフェイスパックシート1の上下寸法は210mmであり、左右寸法は230mmである。
図3に示すように、展開状態のフェイスパックシート1は、まず、左右方向中央の折り線11で、右半部を左半部へ向かって二つ折りに折り曲げる(図3(a))。次いで二つ折りにされたフェイスパックシート1の上側部を、上下方向中途部の折り線12で、背面側に折り曲げて四つ折状にし(図3(b))、さらに折り曲げ縁である屈曲縁13(重畳部分)を巻き始端にして渦巻状に巻回する。(図3(c))。これにより、シート巻回体4は、スティック状のシート巻回体4に成形される(図3(d))。なお、折り線12は、二つ折りにされたフェイスパックシート1の上下方向中央よりも僅かに上側に偏寄させてある。このように、折り線12は、上下方向中央である必要はない。本実施例におけるシート巻回体4は直径寸法Dが約16mmであり、その長さ寸法が115mmである。
上記のように、屈曲縁13を巻き始端にしてフェイスパックシート1を巻回すると、巻回時の芯になる部分が4重になるため、不織布からなるフェイスパックシート1の腰を強くして、フェイスパックシート1を安定した状態で巻回することができる。従って、巻回途中のフェイスパックシート1が、巻回方向に対して不用意に傾いたり蛇行したりすることを効果的に防止して、巻き姿が美麗なスティック状のシート巻回体4を成形できる。また、展開状態から巻き始める形態に比べて、少ない巻き込み回数でフェイスパックシート1をシート巻回体4に成形でき、さらに、使用時にシート巻回体4を素早く展開できる。
上記の折り線12は、二つ折りにされたフェイスパックシート1の左右幅方向の最大幅寸法をW1とし、屈曲縁13の幅方向寸法をW2としたとき、幅方向寸法W2が左右幅方向の最大幅寸法W1の50%以上を有する位置に設定することが好ましい。これは、巻回時の芯になる屈曲縁13が少なくとも幅方向の半分以上ある状態で巻き込むことができるので、フェイスパックシート1を確りと巻回できる。屈曲縁13の幅方向寸法W2は、左右幅方向の最大幅寸法W1の70%以上に設定することがより好ましく、さらに好ましくは左右幅方向の最大幅寸法W1の90%以上に設定することが好ましい。本実施例では、屈曲縁13の幅方向寸法W2を、最大幅寸法W1の95%とした。
シート巻回体4をスティック状としているため、かかるシート巻回体4の形状に合わせて、トレー2は上開口を有する横長の四角形状として、トレー2内にスティック状のシート巻回体4が収容されるようにすることが好ましい。詳しくは、トレー2は、四隅が丸められた長方形状の底壁16と、底壁16の四周縁から上向きに延設される周囲壁17とで上開口を有する横長の四角箱状に形成されており、その内部に収容室18が形成されたプラスチック成形品である。シート巻回体4は、周囲壁17で囲まれる収容室18に収容される。本実施例では、収容室18の上開口の短手方向の寸法は30mmであり、長手方向の寸法は125mmであり、シート巻回体4よりも一回り大きく形成した。
上記のように、トレー2に上開口を設けていると、該上開口を介して収納室18内へシート巻回体4を落とし込むだけで、収納室18に対するシート巻回体4の収容作業を進めることができる。フェイスパックシート1の使用時には、包装袋3からトレー2ごとシート巻回体4を取り出したのちに、上開口からシート巻回体4を摘み上げるだけで、トレー2からシート巻回体4を取り出すことができる。また、トレー2の断面形状を、向かい合う周囲壁17どうしの対向間隔寸法が上方に行くに従って漸次大きくなる上拡がり状に形成すると、上開口を介した収納室18内へのシート巻回体4の収容作業、および上開口を介したシート巻回体4を取り出し作業をより容易に行うことができる。
周囲壁17の上縁には、周囲壁17を補強するための補強枠壁19が、水平方向外向きに張り出している。また、周囲壁17の上端から底壁16の周縁寄りにわたって一群の補強リブ20が、内向きに膨出形成されている。このように、トレー2に、補強枠壁19や一群の補強リブ20を形成すると、底壁16および周囲壁17の厚み寸法を薄くした場合でも、トレー2の剛性を向上して変形し難くでき、包装袋3の開封後、トレー2の端部を指で引き出す際に、スムーズにトレー2ごとシート巻回体4を取り出すことができる。なお、底壁16には補強構造を別途形成することもできる。
トレー2の高さ寸法Hはシート巻回体4の直径寸法Dを基準に設定されており、高さ寸法Hは、直径寸法Dの30%以上、120%以下に設定することが好ましい。これは、収容室18の高さ寸法Hがシート巻回体4の直径寸法Dの30%未満であると、収納室18の収納能力が小さくなりすぎ、シート巻回体4から漏れ出た美容液を受止めることが困難となる。また、収容室18の高さ寸法Hが直径寸法Dの120%を超えると、いたずらにトレー2が大型化し、シート巻回体4が取り出し難くなるなど利便性も損なわれることになる。従って、収容室18の高さ寸法Hを、シート巻回体4の直径寸法Dの30%以上、120%以下に設定することにより、トレー2が無用に大型化することを抑えて、嵩張らずコンパクトであり優れた携帯性を備えるパックシート包装体を得ることができる。また、優れた携帯性を備えながらもシート巻回体4の取り出しを容易に行える、パックシート包装体を得ることができる。本実施例においては、収容室18の高さ寸法Hを約8mm(直径寸法Dの50%)に設定した。
包装袋3は、例えば、ポリプロピレン延伸フィルムと未延伸ポリプロピレンフィルムをラミネートした複合フィルム、あるいはアルミニウム箔の片面にポリエチレンフィルム、またはポリプロピレンフィルムをラミネートしたフィルム複合体などで通気不能な袋として形成することができる。PET・CPP系の機能フィルムを用いることもできる。包装袋3は、底面側に位置し長手方向に伸びるセンターシール23と、左右両端のサイドシール24・24で3方がシールされてピロー包装状に密封されている。シール部24に臨む袋端は、連続山形状の切欠縁25を形成して、包装袋3を長手方向に引き裂き開封する際の開裂動作を容易に行えるようにしている。連続山形状の切欠き縁25に代えて、VノッチやIノッチであっても良く、さらに包装袋3の素材としてイージーカットフィルムを用いても良い。
パックシート包装体は、図6に示す各工程を経て製造する。
(打ち抜き工程P1)この工程では、原反ロール30から連続して供給される不織布性のシート素材31からロールカッタ32を用いてフェイスパックシート1を打ち抜く。このとき、フェイスパックシート1の上下方向が、シート素材31の搬送方向に沿うように打ち抜かれ、同時に目、鼻、口に対応する開口7・8・9、および切込み10が形成される。打ち抜き後のシート素材は、回収ローラ33に巻き取られて回収され、打ち抜かれたフェイスパックシート1は水平方向に走る第1コンベアC1で折り曲げ工程P2へと移送される。
(折り曲げ工程P2)この工程では、フェイスパックシート1の搬送方向と平行な、左右方向中央の折り線11で、右半部を左半部へ向かって二つ折りに折り曲げる。これにより、フェイスパックシート1はその外形形状が半楕円状に二つ折り状に折り曲げられる。
(液含浸工程P3)この工程では、二つ折状のフェイスパックシート1に所定量の美容液を第1供給ノズル34で含浸させる。この工程で含浸させる美容液の量は、後段の成形工程P4において、フェイスパックシート1を巻回する際でも美容液が分離しない程度であり、美容液は二つ折状のフェイスパックシート1の全体に満遍なく含浸される。こののちフェイスパックシート1は、第1コンベアC1の終端に設けた垂直方向に走る第2コンベアC2で成形工程P4へと移送される。
上記のように、液含浸工程P3においてパックシート1に所定量の美容液を含浸させると、美容液によってフェイスパックシート1が形状を保持し易くなるため、腰を強くした状態で次の成形工程P4を行うことができるので、フェイスパックシート1を安定した状態で巻回することができる。これにより、巻回途中のフェイスパックシート1が、巻回方向に対して不用意に傾いたり蛇行したりすることを効果的に防止して、巻き姿が美麗なスティック状のシート巻回体4を成形できる。
(成形工程P4)この工程では、成形装置35により、二つ折状に折り曲げられ所定量の美容液が含浸されたフェイスパックシート1を、該フェイスパックシート1の搬送方向に直交する上下方向中途部の折り線12に沿って折り曲げ、折り曲げ縁である屈曲縁13を巻き始端にして渦巻状に巻回してスティック状のシート巻回体4に成形する。成形装置35は、上下に対向配置されて巻き込み通路36を形成する上回転ベルト37、および下回転ベルト38と、巻き込み通路36の入口39にフェイスパックシート1を挿入する挿入板40を備えている。挿入板40は入口39に臨むように水平状に配置されており、入口39に向かって出退駆動される。巻き込み通路36は入口39から出口41に向かって、その通路幅が徐々に大きくように配置されている。
上下の回転ベルト37・38は、ベルトコンベア状に構成されており、同一方向に回転駆動されている。このように、上下の回転ベルト37・38を同一方向に回転駆動することにより、フェイスパックシート1を図6に向かって時計方向に回転させながら渦巻状に巻回できる。なお、上下の回転ベルト37・38の巻き込み通路36部分の走行速度は、上回転ベルト37の方が高くなるように設定されている。これは、フェイスパックシート1を巻回しながら下流側の出口41に向かって移動させるためである。因みに、巻き込み通路36部分の走行速度が上下の回転ベルト37・38で同一であると、フェイスパックシート1は入口39部分で巻き込まれるだけであり、出口41へと移動されない。
図7に示すように、第2コンベアC2で搬送されてきたフェイスパックシート1の折り線12の位置が、巻き込み通路36の入口39に臨む位置に来たとき、挿入板40が水平方向に進出駆動されてフェイスパックシート1を入口39に挿入する。これにより、フェイスパックシート1は、折り線11で二つ折状にされ、さらに折り線12で四つ折状にされた状態で、巻き込み通路36に挿入される。次いで、フェイスパックシート1は、挿入された折り曲げ縁である屈曲縁13(重畳部分)を芯にして、時計方向に回転して渦巻状に巻回されながら下流側へと移動されスティック状のシート巻回体4に成形される。シート巻回体4は、出口41から排出され収容工程P5へと移送される。
上記のように、シート巻回体4を、扁平円形状のフェイスパックシート1を折り畳むことで得られた屈曲縁13を巻き始端にして巻回すると、巻回時の芯になる部分が4重になるため、不織布からなるフェイスパックシート1の腰を強くして、フェイスパックシート1を安定した状態で巻回することができる。従って、巻回途中のフェイスパックシート1が、巻回方向に対して不用意に傾いたり蛇行したりすることを効果的に防止して、巻き姿が美麗なスティック状のシート巻回体4を成形できる。
(収容工程P5)この工程では、成形装置35で成形されたスティック状のシート巻回体4を、トレー2の収容室18に収容する。本実施例では、巻き込み通路36の出口41から排出されたシート巻回体4をトレー2で受止め、シート巻回体4が収容室18に収容されるようにした。このとき、美容液が含浸されたシート巻回体4は、美容液によって巻き終端部分などのシート端部が巻回部分に張り付いた状態となって、巻回が解け難くその巻き姿が保持されるので、トレー2の収容室18へのシート巻回体4の収容を容易に行うことができる。トレー2に収容されたシート巻回体4は、水平方向に走る第3コンベアC3、および第3コンベアC3と直交する第4コンベアC4で液供給工程P6へと移送される。
(液供給工程P6)この工程では、トレー2に収容されたシート巻回体4に美容液を供給する。美容液は短時間で多量の美容液を供給できる第2供給ノズル42で行い、先の液含浸工程P3で含浸させた美容液と、液供給工程P6で供給する美容液との総量が、製品となるパックシート包装体に含浸される美容液の規定量になるよう美容液を供給する。供給時にシート巻回体4に含浸されなかった美容液はトレー2の収容室18の底に溜まり、第4コンベアC4で包装工程P7に移送される間、および包装工程P7中にシート巻回体4に徐々に含浸される。
上記のように、本発明に係るパックシート包装体の製造方法では、液供給工程P6において、トレー2内にシート巻回体4を収容した状態で、美容液の含浸処理を進めることができるので、従来のパックシート包装体では不可避であった、含浸処理のための待機時間を省いて、迅速に包装処理を進めることができるため、パックシート包装体の生産性の向上を図ることができる。また、トレー2で美容液が受け止められる状態としながら、シート巻回体4に対する美容液の供給作業を進めることができるので、美容液が周囲に飛散、或いは無駄に流出することを防ぐこともできる。従って、スティック状のシート巻回体4の成形から、美容液の供給および含浸を経て、シート巻回体4の個包装に至る一連の処理を、美容液の無駄がなく時間を短縮して効率よく行うことができ、従って、パックシート包装体をより低コスト短時間で製造できる。
(包装工程P7)この工程では、シート巻回体4が収容されたトレー2を、包装袋3内に密封包装する。包装は、公知の連続式ピロー包装機を用いて行い、これにより、美容液を含浸させたスティック状のシート巻回体4とトレー2を包装袋3に密封包装して、パックシート包装体を完成できる。本実施例のパックシート包装体では、シート巻回体4がトレー2内に収容された状態で包装袋3内に密封包装するため、シート巻回体4の巻き終端が、包装袋のシール部分に噛み込まれ難く、シール不良の発生を抑えて、信頼性に優れたパックシート包装体を得ることができる。つまり、従来のパックシート包装体では、シート巻回体4の巻き終端が、巻回体4から浮き離れていると、シート巻回体4の姿勢状態によっては、巻き終端がシール部分に噛み込まれて、シール不良を招くおそれがあった。これに対して、本実施例では、トレー2内にシート巻回体4が収容された状態で包装処理を行うため、巻き始端がシール部分に噛み込まれ難く、シール不良の発生を抑えて、パックシート包装体の信頼性向上に貢献できる。
本実施例のパックシート包装体を使用して、顔肌のスキンケアを行う場合には、まず、包装袋3の長手方向の端部を切り取り、あるいは包装袋3を長手方向に引き裂き開封して、トレー2ごとシート巻回体4を包装袋3から取り出す。このとき、包装袋3を開封して取り出したシート巻回体4を、トレー2ごと化粧台等の机上に置くことができるので、シート巻回体4を机上に安定的に載置でき、シート巻回体4から漏れ出た美容液により、化粧台等が不用意に汚損されることを防止できる。包装袋3を介して、机上にトレー2ごとシート巻回体4を載置しても良く、この場合にも机上にシート巻回体4を安定的に載置できる。続いて、シート巻回体4をトレー2から取り出したうえで、シート巻回体4を展開し、展開状態のパックシート1を顔肌に密着させる。さらに、トレー2からシート巻回体4を取り出したのちも、シート巻回体4から分離した美容液が、トレー2内に留められている場合、残った美容液を手の甲などに塗布してスキンケアを行うこともできる。これにより、包装袋3内に封入された美容液を無駄なく使用できる。
以上のように、本実施例のパックシート包装体においては、シート巻回体4をトレー2内に収容して包装袋3内に密封包装したので、シート巻回体4から漏れ出た美容液が包装袋3のシール部分に付着することに由来するシール不良の問題を一掃でき、より多量の美容液をシール巻回体4に含浸させることができる。つまり、本実施例によれば、シール処理時にシート巻回体4から美容液が漏れ出た場合でも、漏れ出た美容液はトレー2で受け止められるため、シール不良の問題が生じることは無く、シート巻回体4の含浸能力や液保持能力を超えて、より多量の美容液をシート巻回体4であるフェイスパックシート1に付与することができる。以上より、より多量の美容液が含浸され、機能と品質の向上が図られたフェイスパックシート1を提供できる。より多量の美容液が含浸されており、使用感と満足感に富んだフェイスパックシート1を提供できる利点もある。
また、シート巻回体4が包装袋3の内面に接触する機会を該トレー2により少なくできるので、包装袋3を開封してシート巻回体4を取り出す際に、美容液が含浸されたシート巻回体4が包装袋3の内面に張り付くことを効果的に防いで、より簡便にかつ巻回形状を保持したまま包装袋3からシート巻回体4を取り出すことが可能となる。また、包装袋3の開封後は、トレー2の端部を指で引き出すだけで、トレー2ごとシート巻回体4を取り出すことができるので、この点でもより簡便に包装袋3からシート巻回体4を取り出すことができる。また、万一包装袋3からトレー2を取り出した後、何らかの理由により直ぐに使用できず一時的に保管したい場合には、トレー2ごとシート巻回体4を包装袋3内に一時的に戻すことも容易に行える。以上より、美容液が含浸されたシート巻回体4を、簡便に包装袋3から取り出すことができ、実用利便性に優れたパックシート包装体を得ることができる。
美容液が含浸されたシート巻回体4が、トレー2に収容した状態で包装袋3内に包装されていると、コンパクト化を目的として包装袋3の外形寸法を小さくした場合でも、包装袋3の内面に美容液が含浸されたシート巻回体4が張り付くことを、トレー2により確実に抑えることができる。以上より、嵩張らずコンパクトであり優れた携帯性を備えるものでありながら、シート巻回体4の取り出し性に優れたパックシート包装体を得ることができる。
また、例えば携帯時に包装袋3越しにシート巻回体4が圧迫され、美容液がシート巻回体4から搾り出されて分離された場合でも、分離された美容液はトレー2で受け止められ、トレー2内に留められる。また、トレー2内で分離した美容液とシート巻回体4とを確実に接触させることができるため、美容液をシート巻回体4に再び含浸させ、保持させることができる。以上より、無駄に多量の美容液をパックシート包装体に供給する必要がなくなり、製造コストの上昇を効果的に抑えることができる。
図8にフェイスパックシート1をシート巻回体4に成形する手順の別の実施例を示す。そこでは、まず、左右の折り線45部分でフェイスパックシート1の左右部分を中央に向かってC字状に折り曲げた。このとき、折り曲げたパックシート1の左右端は対向している。次いで、フェイスパックシート1を折り線12で折り曲げ、さらに屈曲縁13を巻き始端にして渦巻状に巻回して、スティック状のシート巻回体4を得た。このように、C字状に折り曲げたフェイスパックシート1では、屈曲縁13の幅寸法W2がフェイスパックシート1の長手方向のほぼ全体で、最大幅寸法W1と一致している。従って、折り線12の設定位置の自由度を向上できる。他は、先の実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。以下の実施例においても同じとする。
図9にフェイスパックシート1をシート巻回体4に成形する手順のさらに別の実施例を示す。そこでは、まず、上下の折り線46部分でフェイスパックシート1の上側部分を中央に向かって山折りにし、下側部分を中央に向かって谷折りにして、Z字状に折り曲げた。このとき、折り曲げたパックシート1の上下端は重畳している。次いで、フェイスパックシート1を折り線12で折り曲げ、さらに屈曲縁13を巻き始端にして渦巻状に巻回して、スティック状のシート巻回体4を得た。このように、上下端が重畳するようにZ字状に折り曲げることにより、屈曲縁13の幅寸法W2を小さくして、よりコンパクトなシート巻回体4とすることができる。
上記の実施例以外に、トレー2の底壁16の断面形状を下凸湾曲状に形成して、トレー2を逆かまぼこ状に形成することができる。補強枠壁19および補強リブ20を省いた状態でトレー2を形成することができる。打ち抜き工程P1において、シート素材31にトムソン加工を施してフェイスパックシート1を打ち抜くことができる。また、フェイスパックシート1の左右方向が、シート素材31の搬送方向に沿うように打ち抜いてもよい。この場合には、折り畳み工程までの間に、打ち抜いたフェイスパックシート1を90度回転させる工程を追加する。成形装置35を構成する下回転ベルト38に替えて、上回転ベルト37と向かい合う板状の対向板体を配置してもよい。この場合でも、上回転ベルト37により、フェイスパックシート1は巻回されなから、下流側へ移動される。収容工程P5においては、公知の移載装置を用いて、巻き込み通路36の出口41から排出されたシート巻回体4をトレー2に収容してもよい。包装袋3は3周縁をシールして、トレー2およびシート巻回体4を密封包装するものであってもよい。
1 フェイスパックシート
2 トレー
3 包装袋
4 シート巻回体
7 開口
8 開口
9 開口
11 折り線
12 折り線
13 屈曲縁
16 底壁
17 周囲壁
18 収容室
20 補強リブ
30 原反ロール
31 シート素材
H 収容室の高さ寸法
D シート巻回体の直径寸法
本発明のパックシート包装体は、フェイスパックシート1を渦巻状に巻回してなるスティック状のシート巻回体4と、該シート巻回体4に含浸された美容液と、該シート巻回体4を密封包装する包装袋3とを備える。そして、美容液が含浸されたシート巻回体4が、有底容器状のトレー2内に収容された状態で、該トレー2と共に、包装袋3内に密封包装されている。包装袋3越しにシート巻回体4は圧迫され、美容液がシート巻回体4から絞り出されて分離された場合でも、分離された美容液はトレー2で受け止められて、トレー2内に留められるようになっている。そして、フェイスパックシート1の使用に際しては、包装袋3を開封したうえで、トレー2を包装袋3から引き出すことで、該トレー2ごと美容液が含浸されたシート巻回体4を包装袋3から取り出すことができるように構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、美容液が含浸されたシート巻回体4が、有底容器状のトレー2内に収容された状態で、該トレー2と共に、包装袋3内に密封包装されており、包装袋3越しにシート巻回体4が圧迫され、美容液がシート巻回体4から絞り出されて分離された場合でも、分離された美容液はトレー2で受け止められて、トレー2内に留められるようになっており、フェイスパックシート1の使用に際しては、包装袋3を開封したうえで、トレー2を包装袋3から引き出すことで、該トレー2ごと美容液が含浸されたシート巻回体4を包装袋3から取り出すことができるように構成されているパックシート包装体の製造方法を対象とする。原反ロール30から連続して供給されるシート素材31からフェイスパックシート1を打ち抜き形成する打ち抜き工程P1と、得られたフェイスパックシート1を、折り畳んで重畳部分を形成する折り畳み工程P2と、折り畳み工程P2で得られた重畳部分を巻き始端にして、フェイスパックシート1を渦巻状に巻回してスティック状のシート巻回体4に成形する成形工程P4と、シート巻回体4をトレー2の収容室18に収容する収容工程P5と、トレー2の収容室18に収容されたシート巻回体4に対して規定量の美容液を供給する液供給工程P6と、シート巻回体4が収容されたトレー2を、包装袋3内に密封包装する包装工程P7と、成形工程に先行して、フェイスパックシート1に所定量の美容液を含浸させる液含浸工程P3とを含むことを特徴とする。

Claims (7)

  1. フェイスパックシート(1)を渦巻状に巻回してなるスティック状のシート巻回体(4)と、該シート巻回体(4)に含浸された美容液と、該シート巻回体(4)を密封包装する包装袋(3)とを備えるパックシート包装体であって、
    美容液が含浸されたシート巻回体(4)が、有底容器状のトレー(2)内に収容された状態で、該トレー(2)と共に、包装袋(3)内に密封包装されていることを特徴とするパックシート包装体。
  2. 前記トレー(2)は、長方形状の底壁(16)と、底壁(16)の四周縁から上向きに延設される周囲壁(17)とを備え、上開口を有する横長の四角箱状に形成されており、
    シート巻回体(4)が、周囲壁(17)で囲まれるトレー(2)の収容室(18)内に収容されている請求項1に記載のパックシート包装体。
  3. 収容室(18)の高さ寸法(H)が、シート巻回体(4)の直径寸法(D)の30%以上、120%以下に設定されている請求項2に記載のパックシート包装体。
  4. 前記トレー(2)の断面形状が、向かい合う周囲壁(17)どうしの対向間隔寸法が上方に行くに従って漸次大きくなる上拡がり状に形成されている、請求項2又は3に記載のパックシート包装体。
  5. フェイスパックシート(1)が、展開状態で扁平円形状に形成されており、
    シート巻回体(4)が、扁平円形状のフェイスパックシート(1)を折り畳むことで得られた重畳部分を巻き始端にして、スティック状に巻回してなるものである請求項1から4のいずれかひとつに記載のパックシート包装体。
  6. 原反ロール(30)から連続して供給されるシート素材(31)からフェイスパックシート(1)を打ち抜き形成する打ち抜き工程と、
    得られたフェイスパックシート(1)を、折り畳んで重畳部分を形成する折り畳み工程と、
    折り畳み工程で得られた重畳部分を巻き始端にして、フェイスパックシート(1)を渦巻状に巻回してスティック状のシート巻回体(4)に成形する成形工程と、
    シート巻回体(4)を、トレー(2)の収容室(18)に収容する収容工程と、
    トレー(2)の収容室(18)に収容されたシート巻回体(4)に対して規定量の美容液を供給する液供給工程と、
    シート巻回体(4)が収容されたトレー(2)を、包装袋(3)内に密封包装する包装工程と、
    を含むことを特徴とするパックシート包装体の製造方法。
  7. 成形工程に先行して、フェイスパックシート(1)に所定量の美容液を含浸させる液含浸工程を行う請求項6に記載のパックシート包装体の製造方法。
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