JP2017051437A - X線フィルタ、放射線検出装置及び放射線検査装置 - Google Patents

X線フィルタ、放射線検出装置及び放射線検査装置 Download PDF

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和典 宮崎
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Hiroko Kitsu
裕子 岐津
景子 藤井
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景子 藤井
励 長谷川
Tsutomu Hasegawa
励 長谷川
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Abstract

【課題】物質弁別の精度を向上させることができるX線フィルタ、放射線検出装置及び放射線検査装置を提供する。【解決手段】実施形態のX線フィルタは、検出器の検出面に対して交わる第1の方向と交わる第2の方向に沿って、第1のK吸収端を有する第1の層と、第2のK吸収端を有する第2の層とが積層された積層体を少なくとも含む1組のフィルタを第2の方向に沿って周期的に配置する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、X線フィルタ、放射線検出装置及び放射線検査装置に関する。
一般に、検体に照射するX線のスペクトルをX線フィルタで調整する場合、X線を金属材料(X線フィルタ)の中を透過させる。X線が金属材料を透過する際にX線の吸収・散乱によるX線の減弱が生じ、これは金属材料ごとに存在するK吸収端と呼ばれるエネルギーで特に顕著となる。そこで、K吸収端前後での金属材料によるX線減弱率の大きな変化を用いて、透過X線スペクトルをK吸収端より高エネルギー領域及び低エネルギー領域の2つに分離することが可能である。
一般に、X線スペクトルを2つのエネルギー領域に分離するX線フィルタとして、検出器の検出面に交わる方向に2種類の金属材料を重ねたものがある。このようなX線フィルタは、先に透過した金属材料により減弱されたX線が、後に透過する金属材料により更に減弱されるので2つに分離したそれぞれのエネルギー領域でのX線量(光子数)が減少してしまう。
2種類のエネルギー領域のX線を検体に照射して物質弁別を行う場合、物質の特定に必要なエネルギー領域のX線の照射量を増加させ、かつ物質の特定に不必要なエネルギー領域のX線の照射量を低減させることでS/N比が向上できるため物質弁別の精度を向上させることが可能となる。
特開2006−155925号公報
本発明が解決しようとする課題は、物質弁別の精度を向上させることができるX線フィルタ、放射線検出装置及び放射線検査装置を提供することを目的とする。
実施形態のX線フィルタは、検出器の検出面に対して交わる第1の方向と交わる第2の方向に沿って、第1のK吸収端を有する第1の層と、第2のK吸収端を有する第2の層とが積層された積層体を少なくとも含む1組のフィルタを第2の方向に沿って周期的に配置する。
実施形態の放射線検出装置を有する放射線検査装置の構成例を示す構成図。 実施形態の放射線検査装置における放射線検出装置の位置を模式的に示す構成図。 実施形態の検出器の一例を示す図。 実施形態の放射線検出装置の構成例を示す図。 実施形態の情報処理装置のハードウェア構成例を示す図。 CT画像を生成する処理フローを示す図。 CT画像を生成する際のX線光子エネルギーの閾値の一例を示す図。 X線発生装置が有するX線フィルタの配置を示す図。 X線フィルタの構成例を示す図。 積層体(1組のフィルタ)を透過するX線の位置を示す図。 積層体(1組のフィルタ)を透過するX線の位置を示す図。 X線のエネルギーと質量減弱係数の関係を示す図。 X線フィルタの積層体を酸化テルビニウムとルテチウムで構成した場合の透過X線スペクトルを示す図。 被検体にX線を照射した場合の透過X線スペクトルを示す図。
以下、X線フィルタ及び放射線検出装置を適用した実施形態の放射線検査装置を、図面を参照して詳細に説明する。
(実施形態)
図1に、実施形態の放射線検出装置を有する放射線検査装置の構成例を示す。図2に、図1に示した放射線検査装置における放射線検出装置の位置を模式的に示す。放射線検査装置は、フォトンカウンティングCTを実行可能なX線CT装置である。すなわち、放射線検査装置は、放射線検出装置100を備え、被検体を透過したX線光子を、フォトンカウンティング方式の検出器を用いて計数することにより、SN比の高いX線CT画像データを再構成可能な装置である。
個々のX線光子は、異なるエネルギーを有する。フォトンカウンティングCT装置は、X線光子のエネルギー値の計測を行うことにより、X線のエネルギー成分の情報を得る。フォトンカウンティングCT装置は、1種類の管電圧でX線を照射することで収集された投影データを複数のエネルギー成分に分けて画像化する。
図1に示すように、放射線検査装置は、架台装置10と、寝台装置20と、情報処理装置30とを有する。なお、情報処理装置30を「コンソール装置」と呼ぶこともある。
架台装置10は、X線照射制御部11と、X線発生装置12と、検出器13(放射線検出装置100を含む)と、収集部14と、回転フレーム15と、架台駆動部16とを有する。架台装置10は、被検体PにX線を照射し、被検体Pを透過したX線を計数する。
図2に示すように、回転フレーム15は、X線発生装置12と放射線検出装置100とを被検体Pを挟んで対向するように支持している。回転フレーム15は、後述する架台駆動部16によって、被検体Pを中心とした円軌道にて高速に回転する円環状のフレームである。
X線発生装置(X線源)12は、X線管12aと、ウェッジ12bと、コリメータ12cと、X線フィルタ12dとを有する。X線発生装置12は、X線を発生し、発生したX線を被検体Pへ照射する装置である。
X線管12aは、後述するX線照射制御部11により供給される高電圧により、被検体PにX線を照射する真空管である。X線管12aは、回転フレーム15の回転にともなって、X線を被検体Pに対して照射する。X線管12aは、ファン角およびコーン角を持って広がるX線ビームを発生する。
ウェッジ12bは、X線管12aから照射されたX線のX線量を調節するためのX線フィルタである。具体的には、ウェッジ12bは、X線管12aから被検体Pへ照射されるX線が、予め定められた線量分布になるように、X線管12aから照射されたX線を透過して減衰するフィルタである。
例えば、ウェッジ12bは、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウムを加工したフィルタである。なお、ウェッジは、ウェッジフィルター(wedge filter)、または、ボウタイフィルター(bow-tie filter)とも呼ばれる。
また、放射線検査装置は、撮影条件に応じて切り替えられる複数種類のウェッジ12bを有する。例えば、後述するX線照射制御部11は、撮影条件に応じてウェッジ12bを切り替える。例えば、X線発生装置12は、2種類のウェッジ12bを有する。
コリメータ12cは、後述するX線照射制御部11の制御により、ウェッジ12bによってX線量が調節されたX線の照射範囲を絞り込むためのスリットである。
X線フィルタ12dは、後述するX線照射制御部11の制御により、被検体Pへ照射するX線のスペクトルを複数のエネルギー領域に分離するためのフィルタである。つまり、コリメータ12cで照射範囲が絞り込まれた後のX線のスペクトルを複数のエネルギー領域に分離するフィルタである。X線のスペクトルを複数のエネルギー領域に分離することで、物質の特定に必要なエネルギー領域のX線の照射量を増加させ、かつ物質の特定に不必要なエネルギー領域のX線の照射量を低減できる。実施形態のX線フィルタ12dの詳細な説明については後述する。
X線照射制御部11は、高電圧発生部として、X線管12aに高電圧を供給する装置であり、X線管12aは、X線照射制御部11から供給される高電圧を用いてX線を発生する。X線照射制御部11は、X線管12aに供給する管電圧や管電流を調整することで、被検体Pに対して照射されるX線量を調整する。
また、X線照射制御部11は、ウェッジ12bの切り替えを行なう。また、X線照射制御部11は、コリメータ12cの開口度を調整することにより、X線の照射範囲(ファン角やコーン角)を調整する。また、X線照射制御部11は、X線フィルタ12dの位置を制御することにより、X線フィルタ12dを透過したX線が後述する検出器13の検出面に到達した時の広がりを調整する。なお、放射線検査装置は、複数種類のウェッジ12b、及びX線フィルタ12dの位置を、操作者が手動で切り替えるものであってもよい。
架台駆動部16は、回転フレーム15を回転駆動させることによって、被検体Pを中心とした円軌道上でX線発生装置12と検出器13とを旋回させる。
検出器13は、図2に示した位置に放射線検出装置100を備え、X線光子が入射するごとに、当該X線光子のエネルギー値を計測可能な信号を出力する。X線光子は、例えばX線管12aから照射され被検体Pを透過したX線光子である。検出器13は、X線光子が入射するごとに、1パルスの電気信号を出力する複数の検出素子を有する。
上記のような検出器13はフォトンカウンティング型の検出器13と呼ばれる。フォトンカウンティング型の検出器13は、複数の検出素子(画素またはピクセル)を並べた構成であり、画素(ピクセル)ごとにX線スペクトルを検出することができる。すなわち、フォトンカウンティング型の検出器13は、例えば16×16画素で構成される場合、256ピクセルのそれぞれでX線スペクトルを検出する。以下では、検出素子を「画素」、または「ピクセル」とも表記する。
検出器13の検出素子は、例えばテルル化カドミウム(CdTe、CdZnTe)系の半導体素子である。この場合、検出器13は、入射したX線光子を、直接、電気信号に変換する「直接変換型の検出器」となる。
また、検出器13の検出素子は、例えばシンチレータと光電子増倍管等の光センサとにより構成されるものでもよい。この場合、検出器13は、入射したX線光子をシンチレータにより、一旦、可視光(シンチレータ光)に変換し、シンチレータ光を光電子増倍管等の光センサで電気信号に変換する「間接変換型の検出器」となる。
図3に、検出器13の一例を示す。検出器13は、直接変換型の検出器の場合、テルル化カドミウムにより構成される検出素子40が、又は間接変換型の検出器の場合、シンチレータを備えた光電子増倍管等の検出素子40が、チャンネル方向(図1中のY軸方向)にN列(図3の例ではn〜n23)、体軸方向(図1中のZ軸方向)にM列(図3の例ではm〜m)配置された面検出器となっている。このように、検出素子(画素)40が配置された位置の情報は予め設定されている。従って、電気信号を出力した検出素子(画素)40の位置からX線光子が入射した位置を特定することができる。
なお、図示していないが、検出器13の後段には、複数の検出素子40ごとに増幅器が設置され、増幅器は、前段の検出素子40から出力された電気信号を増幅して、図2に示す放射線検出装置100に出力する。
図4に、放射線検出装置100の構成例を示す。図4に示すように、放射線検出装置100は、取得部101と、算出部102と、特定部103と、生成部104と、出力部105とを有する。放射線検出装置100は、X線光子を検出する検出器13から出力された電気信号を処理する。
取得部101は、X線フィルタ12dを透過したX線光子が検出器13を構成する検出素子(画素)40に入射することにより出力される電気信号を検出素子(画素)40ごとに取得する。すなわち、取得部101は、検出素子(画素)40の位置情報と、出力される電気信号とが対応付けられた情報を取得する。
算出部102は、検出器13の検出素子(画素)40から出力されたX線光子による電気信号の数を計数すると共に、電気信号の強度を用いて計数したX線光子のエネルギー値を算出する。すなわち、検出素子(画素)40は、X線光子が入射すると、1パルスの電気信号を出力する。検出素子(画素)40が出力した個々の電気信号(パルス)を弁別して計数することで、各検出素子(画素)40に入射したX線光子の数を計数する(X線光子1つ1つをカウントする)ことができる。また、当該電気信号(パルス)の強度に対して、所定の演算処理を行うことで、計数したX線光子のエネルギー値を算出する。
特定部103は、検出器13の検出素子(画素)40が配置された位置から検出器13で検出されたX線光子の入射位置を特定する。すなわち、特定部103は、計数に用いたパルス(電気信号)を出力した検出素子(画素)40の位置を、入射位置として特定する。なお、検出素子(画素)40が配置された位置の情報は予め設定されている。
生成部104は、特定部103で特定されたX線光子の入射位置と、算出部102で計数されたX線光子の計数値と、算出部102で算出されたX線光子のエネルギー値とが対応付けられた計数情報を生成する。
出力部105は、生成部104で生成した計数情報を後段の収集部14に出力する。
以上で説明した放射線検出装置100のハードウェア構成は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、および、通信I/F装置などを含むコンピュータ装置のハードウェア構成を利用している。上述した放射線検出装置100の各部の機能(取得部101、算出部102、特定部103、生成部104、出力部105)は、CPUがROMに格納されたプログラムをRAM上で展開して実行することにより実現される。また、これに限らず、上述した放射線検出装置100の各部の機能のうちの少なくとも一部を専用のハードウェア回路(例えば半導体集積回路等)で実現することもできる。なお、放射線検出装置100のハードウェア構成としてCPUのみを備え、ROM、RAMなどは外部装置に備えるようにしてもよい。その場合、放射線検出装置100のCPUが外部装置のROM、RAMまたは記憶装置からプログラムを読み出して実行することで上記各部の機能を実現する。
放射線検出装置100の取得部101、算出部102、特定部103、生成部104、出力部105は、CPUがROMからプログラムを読み出して実行することで実現される機能である。すなわち、放射線検出装置100が有する処理回路が、取得部101、算出部102、特定部103、生成部104、及び出力部105により実行される処理を実行する。つまり、処理回路は、取得機能、算出機能、特定機能、生成機能、出力機能を実行する。なお、放射線検出装置100は、特許請求の範囲における「処理回路」の一例である。
また、上記CPU(コンピュータ)が実行するプログラムを、インターネット等のネットワークに接続された外部装置上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するようにしてもよい。また、上記CPUが実行するプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するようにしてもよい。さらに、上記CPUが実行するプログラムを、ROM等の不揮発性の記録媒体に予め組み込んで提供するようにしてもよい。
図1に戻って説明を続ける。収集部14は、検出器13の出力信号を用いた放射線検出装置100の計数処理の結果である上記の計数情報を収集する。すなわち、収集部14は、放射線検出装置100が検出器13から出力される個々の信号を弁別して演算処理した、計数情報を収集する。計数情報は、X線管12aから照射され被検体Pを透過したX線光子が入射するごとに検出器13(複数の検出素子(画素)40)が出力した個々の信号から演算処理される情報である。具体的には、計数情報は、検出器13(複数の検出素子(画素)40)に入射したX線光子の入射位置とX線光子の計数値とX線光子のエネルギー値とが対応付けられた情報である。収集部14は、計数情報を予め定めた時間ごとに収集する。収集部14は、収集した計数情報を、情報処理装置(コンソール装置)30に送信する。
次に、図1に示す寝台装置20は、被検体Pを載せる装置であり、天板22と、寝台駆動装置21とを有する。天板22は、被検体Pを載置する板であり、寝台駆動装置21は、天板22をZ軸方向へ移動して、被検体Pを回転フレーム15内に移動させる。
なお、架台装置10は、例えば、天板22を移動させながら回転フレーム15を回転させて被検体Pを螺旋状にスキャンするヘリカルスキャンを実行する。または、架台装置10は、天板22を移動させた後に、被検体Pの位置を固定したままで回転フレーム15を回転させて被検体Pを円軌道にてスキャンするコンベンショナルスキャンを実行する。または、架台装置10は、天板22の位置を一定間隔で移動させてコンベンショナルスキャンを複数のスキャンエリアで行うステップアンドシュート方式を実行する。
次に、画像生成部の一例である情報処理装置30は、入力部31と、表示部32と、スキャン制御部33と、前処理部34と、投影データ記憶部35と、画像再構成部36と、画像記憶部37と、制御部38とを有する。情報処理装置30は、操作者による放射線検査装置の操作を受け付けると共に、架台装置10によって収集された計数情報を用いてX線CT画像データを再構成する。なお、情報処理装置30は、特許請求の範囲の「画像生成部」の一例である。
入力部31は、放射線検査装置の操作者が各種指示や各種設定の入力に用いるマウスやキーボード等を有し、操作者から受け付けた指示や設定の情報を、制御部38に転送する。例えば、入力部31は、操作者から、X線CT画像データの撮影条件や、X線CT画像データを再構成する際の再構成条件や、X線CT画像データに対する画像処理条件等を受け付ける。
表示部32は、操作者によって参照されるモニタ装置であり、制御部38による制御のもと、X線CT画像データを操作者に表示したり、入力部31を介して操作者から各種指示や各種設定等を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示したりする。
スキャン制御部33は、後述する制御部38の制御のもと、X線照射制御部11、架台駆動部16、収集部14および寝台駆動装置21の動作を制御することで、架台装置10における計数情報の収集処理を制御する。
前処理部34は、収集部14から送信された計数情報に対して、対数変換処理、オフセット補正、感度補正、ビームハードニング補正等の補正処理を行うことで、投影データを生成する。
投影データ記憶部35は、前処理部34により生成された投影データを記憶する。すなわち、投影データ記憶部35は、X線CT画像データを再構成するための投影データ(補正済み計数情報)を記憶する。なお、以下では、投影データを計数情報として記載する場合がある。
画像再構成部36は、投影データ記憶部35が記憶する投影データを用いてX線CT画像データを再構成する。再構成方法としては、種々の方法があり、例えば、逆投影処理が挙げられる。また、逆投影処理としては、例えば、FBP(Filtered Back Projection)法による逆投影処理が挙げられる。また、画像再構成部36は、X線CT画像データに対して各種画像処理を行うことで、画像データを生成する。画像再構成部36は、再構成したX線CT画像データや、各種画像処理により生成した画像データを画像記憶部37に格納する。
ここで、フォトンカウンティングCTで得られる計数情報から生成された投影データには、被検体Pを透過することで減弱されたX線のエネルギー情報が含まれている。このため、画像再構成部36は、例えば、特定のエネルギー成分のX線CT画像データを再構成することができる。また、画像再構成部36は、例えば、複数のエネルギー成分それぞれのX線CT画像データを再構成することができる。
また、画像再構成部36は、例えば、各エネルギー成分のX線CT画像データの各画素にエネルギー成分に応じた色調を割り当て、エネルギー成分に応じて色分けされた複数のX線CT画像データを生成することができ、更に、これら複数のX線CT画像データを重畳した画像データを生成することができる。
また、画像再構成部36は、物質固有のK吸収端を利用して、当該物質の同定が可能となる画像データを生成することができる。K吸収端の前後では、X線の減弱係数が大きく異なるため、計数値も大きく変化する。例えば、画像再構成部36は、K吸収端より小さいエネルギー領域の計数情報を再構成した画像データと、当該K吸収端より大きいエネルギー領域の計数情報を再構成した画像データとを差分した差分画像データを生成する。例えば、造影剤の主成分のK吸収端を用いて生成された差分画像データは、当該造影剤が存在する領域が主に描出された画像となる。また、画像再構成部36が生成する他の画像データとしては、単色X線画像データや密度画像データ、実効原子番号画像データ等が挙げられる。
画像記憶部37は、画像再構成部36で再構成したX線CT画像データや、各種画像処理により生成した画像データを記憶する。
制御部38は、架台装置10、寝台装置20および情報処理装置30の動作を制御することによって、X線CT装置の全体制御を行う。具体的には、制御部38は、スキャン制御部33を制御することで、架台装置10で行われるCTスキャンを制御する。また、制御部38は、前処理部34や、画像再構成部36を制御することで、情報処理装置30における画像再構成処理や画像生成処理を制御する。また、制御部38は、画像記憶部37が記憶する各種画像データを表示部32に表示するように制御する。
以上で説明した情報処理装置30のハードウェア構成は、一例として図5に示すハードウェア構成とすることができる。図5に示すように、情報処理装置30は、CPU(Central Processing Unit)50と、ROM(Read Only Memory)51と、RAM(Random Access Memory)52と、HDD(Hard Disk Drive)53と、入出力I/F(Interface)54と、通信I/F55と、入力部31と、表示部32とを有している。
CPU50、ROM51、RAM52、HDD53、入出力I/F54、および、通信I/F55は、バスライン56を介して相互に接続されている。また、入力部31および表示部32は、入出力I/F54を介してCPU50等に接続されている。また、通信I/F55は、架台装置10に接続されている。
上述した情報処理装置30の各部の機能(入力部31、表示部32、スキャン制御部33、前処理部34、投影データ記憶部35、画像再構成部36、画像記憶部37、制御部38)は、CPU50がROM51に格納されたプログラムをRAM52上で展開して実行することにより実現される。また、これに限らず、上述した情報処理装置30の各部の機能のうちの少なくとも一部を専用のハードウェア回路(例えば半導体集積回路等)で実現することもできる。情報処理装置30が有する処理回路が、入力機能、表示機能、スキャン制御機能、前処理機能、投影データ記憶機能、画像再構成機能、画像記憶機能、制御機能を実行する。なお、投影データ記憶部35、画像記憶部37は、ROM51、RAM52およびHDD53に相当する。
また、上記CPU50(コンピュータ)が実行するプログラムを、インターネット等のネットワークに接続された外部装置上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するようにしてもよい。また、上記CPU50が実行するプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するようにしてもよい。さらに、上記CPU50が実行するプログラムを、ROM51等の不揮発性の記録媒体に予め組み込んで提供するようにしてもよい。
次に、放射線検査装置の処理動作について説明する。図6に、放射線検出装置100から受信した計数情報を用いてCT画像を生成する処理フローを示す。図7に、CT画像を生成する際のX線光子エネルギーの閾値の一例を示す。図7に示すように、検出X線光子の内、低エネルギー側のX線光子を用いてCT画像Iを生成する際のX線光子エネルギーの閾値を、例えば、(下限)ThLL:30keV、(上限)ThLH:45keVと設定し、高エネルギー側のX線光子を用いてCT画像Iを生成する際の閾値を、例えば、(下限)ThHL:50keV、(上限)ThHH:65keVと設定する。これにより、物質固有のK吸収端を利用して、当該物質の同定が可能となる画像データを生成することができる。
次に、放射線検出装置(フォトンカウンティング型のX線CT検出器)100を用いて、被検体を透過して検出器13に到達した透過X線を検出(ステップS1)し、算出部102で検出器13の検出素子(画素)40から出力されたX線光子による電気信号の数を計数すると共に、電気信号の強度を用いて計数したX線光子のエネルギー値を算出する。また、特定部103で計数に用いたパルス(電気信号)を出力した検出素子(画素)40の位置を、入射位置として特定する。放射線検出装置100の生成部104は、検出器13で検出したX線光子の入射位置と、計数されたX線光子の計数値と、算出されたX線光子のエネルギー値とが対応付けられた計数情報を生成して収集部14に出力する。収集部14は計数情報を情報処理装置30に送信する。
情報処理装置30は、計数情報を受信して、まず、検出したX線光子のエネルギーEが、ThLH≧E≧ThLLであるか否かを判定(ステップS2)し、ThLH≧E≧ThLLである場合(ステップS2:Yes)、前処理部34で補正処理を行いX線CT画像データを再構成するための投影データを生成し、画像再構成部36で投影データから低エネルギー側のCT画像Iを再構成する(ステップS3)。
ThLH≧E≧ThLLでない場合(ステップS2:No)、ThHH≧E≧ThHLであるか否かを判定(ステップS4)し、ThHH≧E≧ThHLである場合(ステップS4:Yes)、前処理部34で補正処理を行いX線CT画像データを再構成するための投影データを生成し、画像再構成部36で投影データから高エネルギー側のCT画像Iを再構成する(ステップS5)。
ThHH≧E≧ThHLでない場合(ステップS4:No)、処理を終了する。
次に、画像再構成部36は、CT画像IとCT画像Iの画像の差分I−Iをとり、エネルギー成分の差分画像Idiffを生成する(ステップS6)。
以上の処理を実行することで、放射線検査装置は、被検体の主成分のK吸収端を用いて生成された差分画像データを生成するので、被検体が存在する領域が主に描出された画像を得ることができる。
次に、実施形態のX線フィルタ12dの詳細について説明する。図8に、X線発生装置12が有するX線フィルタ12dの配置を示す。図8に示すように、X線フィルタ12dは、X線管12aと検出器13の間に配置される。具体的には、X線フィルタ12dは、図1に示した、X線が照射される方向のコリメータ12cの下流側で、検出器13との間に設けられる。
X線フィルタ12dは、検出器13の検出面に対して交わる第1の方向と交わる第2の方向に沿って、第1のK吸収端を有する第1の層(フィルタ材料A)と、第2のK吸収端を有する第2の層(フィルタ材料B)とが積層された積層体を少なくとも含む1組のフィルタを第2の方向に沿って周期的に配置したものである。すなわち、X線フィルタ12dの積層構造の断面が検出器13の検出面に垂直となるように配置する。つまり、第2の方向は、検出器13の検出面に略平行な方向である。これにより、2種類のエネルギー領域のX線を被検体に照射して物質弁別を行う場合、物質の特定に必要なエネルギー領域のX線の照射量を増加させることが可能となる。
図8において、X線管12aと検出器13の検出面との距離Lである場合、X線フィルタ12dの位置は、X線管12aから距離L′の位置に配置されている。この距離L′の位置は、X線管12aから照射されたX線が、X線フィルタ12dのうち、第1の層(フィルタ材料A)と第2の層(フィルタ材料B)とが積層された積層体を少なくとも含む1組のフィルタを透過して検出器13の検出面に到達した時のX線の広がりが検出器13の画素幅(画素ピッチ)と一致するように決められる。つまり、検出面に到達した時のX線の広がりが検出器13の1つの検出素子(画素)40の幅と一致するようにする。これにより、積層体を少なくとも含む1組のフィルタの厚さ(1周期分)と検出器13の画素とのアライメントをとる必要がないので調整の手間がかからない。
図9に、X線フィルタ12dの構成例を示す。図9に示すように、X線フィルタ12dは、K吸収端の異なる複数の材料(フィルタ材料A、B)を積層した積層体(1組のフィルタ)を、上記の第2の方向に沿って周期的に重ねたものを用いる。X線フィルタ12dは、フィルタ材料Aの1層(厚さta)とフィルタ材料Bの1層(厚さtb)を積層した積層体を1組のフィルタとして、周期的に重ねている。つまり、1つの積層体(1組のフィルタ)は、X線フィルタ12dを構成する1周期分である。
X線フィルタ12dを積層する方法として、例えば、メッキ、スパッタ等で作製してもよいし、薄膜や板状のものを張り合わせて作製してもよい。なお、X線フィルタ12dを積層する方法はこれに限らず任意である。
積層体(1組のフィルタ(1周期分))の厚さ(ta+tb)は、当該の領域を透過したX線が検出器13の検出面に到達した時の広がりが、検出器13の画素幅に一致するようにする。図8に示したように、X線管12aから照射されたX線は、空気中を放射状に直進する。X線管12aからX線フィルタ12dまでの距離L′で積層体(1組(1周期分)のフィルタ)の厚さ(ta+tb)に広がったX線は、検出器13の検出面までの距離Lで(ta+tb)×L/L′まで広がる。従って、(ta+tb)×L/L′の幅が検出器13の画素幅と一致するように(ta+tb)を決める。
上記の関係から図8において、例えば、検出器13の画素幅が1mmで、L/L′が100と仮定した場合に、積層体(1組のフィルタ(1周期分))の厚さ(ta+tb)を0.01mmと算出することができる。このように、X線管12aからX線フィルタ12dまでの距離L′と積層体(1組のフィルタ)の厚さ(ta+tb)を調整して、積層体(1組のフィルタ)の厚さ(ta+tb)を透過したX線の検出器13の検出面での広がりを検出器13の画素幅に一致させることにより、フィルタ材料の1周期分と1画素とのアライメントをとる必要がなくなる。すなわち、積層体(1組のフィルタ)の厚さ(ta+tb)の領域を透過したX線が検出器13の各画素に入射すれば、検出器13の各画素に入射するX線は同等なものとなる。
図10及び図11は、積層体(1組のフィルタ)を透過するX線の位置を示す。積層体(1組のフィルタ)が周期的に並んでいる場合には、図10に示すように、X線が積層体(1組のフィルタ)の周期の境目を両端とする厚さ(ta+tb)の領域を通過した場合でも、図11に示すように、X線が積層体のフィルタ材料Bに両端がある厚さ(ta+tb)の領域を通過した場合でも、フィルタ材料Aとフィルタ材料Bとを透過するX線の割合は同じになることがわかる。
フィルタ材料Aの1層(厚さta)とフィルタ材料Bの1層(厚さtb)の層の比率(ta:tb)は、透過X線スペクトルが所望のものとなるように設計すればよく任意である。すなわち、ta=tbである必要はなく、フィルタ材料やX線源の条件により、調整したいX線スペクトルの形状に応じて設計する。
また、フィルタ材料A、フィルタ材料Bを積層した積層体(1組のフィルタ)は、各1層を積層したものに限ることはなく、フィルタ材料A、Bのそれぞれを複数積層した積層体としてもよい。例えば、フィルタ材料Aを3層分と、フィルタ材料Bを2層分とを積層(3×ta+2×tb)したものを積層体(1組のフィルタ)の1周期分としてもよい。なお、積層するフィルタ材料は2種類に限ることはなく、3種類以上の材料を積層した積層体とすることができる。
図9において、積層体(1組(1周期分)のフィルタ)を構成するフィルタ材料A、フィルタ材料BをX線が透過する方向の厚さ(w)は、所望のX線減弱率となるように決める。図9の例では、フィルタ材料Aとフィルタ材料Bの厚さ(w)が同じである一例を示しているが、これに限ることはなく、フィルタ材料Aとフィルタ材料Bの厚さ(w)が異なっていてもよい。すなわち、それぞれのエネルギー領域において所望のX線減弱率となるように決める。
図12に、X線のエネルギーと質量減弱係数の関係を示す。縦軸は質量減弱係数(cm/g)を表し、横軸はX線のエネルギー(keV)を表す。図12の例は、X線のエネルギーに対するLu(ルテチウム(一点鎖線))、Tb(酸化テルビニウム(点線))、Gd(ガドリニウム(実線))の質量減弱係数の関係を示している。各物質のそれぞれのK吸収端(図中ピークのように見える部分)近傍のX線のエネルギーの領域を示している。GdとLuのグラフから分かるように、K吸収端からのX線のエネルギーの差が同じでも質量減弱係数の変化量は異なっている。
このように、物質のX線減弱率は物質ごとに異なる。また物質のX線減弱率はX線のエネルギーによって異なる。物質のX線減弱率の指標となる質量減弱係数は、例えば、米国のNIST(National Institute of Standards and Technology)などで公開されている。物質によるX線の減弱に関しては、入射X線の強度I、物質を透過した後のX線の強度Iとした場合、下記(式1)により算出される。
I=Iexp(−μm(E)×ρ×w) ・・・(式1)
上記(式1)中、μm(E)は物質の質量減弱係数、EはX線のエネルギー、ρは物質の密度、wは物質の厚さを表す。
上記(式1)から、物質の質量減弱係数μm(E)と密度ρを用いて、あるエネルギーのX線に対する減弱率(I/I)を得るために必要な物質の厚さwを見積もることができる。
フィルタ材料として用いる物質の種類、積層体(1組のフィルタ)の厚さ(ta+tb)及びそれらの比率(ta:tb)、1組のフィルタ材料それぞれ(例えば材料A、B)をX線が透過する方向の厚さ(w)は、被検体として物質弁別したい物質に応じて設計する必要がある。実施形態のX線フィルタ12dを設計する場合、シミュレーションを用いた検討が有効である。例えば、Geant4(http://geant4.cern.ch/)やGATE(http://www.opengatecollaboration.org/)といったシミュレーションツールが開発されているので適用することができる。実施形態のX線フィルタ12dを設計する場合、これらを用いて、被検体として物質弁別したい物質が存在する場合と、存在しない場合とのX線減弱率の変化が大きくなるように設計する。
(実施例)
次に、実施形態のX線フィルタ12dを適用した放射線検出装置100の計測結果について説明する。図13に、X線フィルタ12dの積層体を酸化テルビニウム(Tb)とルテチウム(Lu)で構成した場合の透過X線スペクトルを示す。図13の左図は、X線フィルタ12dと検出器13の検出素子(画素)40とのジオメトリの模式図を示し、右図はX線のエネルギーに対するX線の光子数の関係を示す。縦軸はX線の光子数(カウント)を表し、横軸はX線のエネルギー(keV)を表す。
図13の例は、X線管12aの管電圧80kVで発生させたX線を照射した場合であり、X線フィルタ12dの厚さ(w)は1mmである。X線が、1mmの厚さのX線フィルタ12dを透過する場合、LuのX線に対する減弱率(I/I)は、エネルギー領域60keVで約4%であり、エネルギー領域80keVで約0.09%であった。
2種類のフィルタ材料(Tb、Lu)を積層した積層体(1組のフィルタ)を透過したX線が検出器13の同じ1画素に入射することにより、エネルギー領域50keV付近と60keV付近とに2つのピークが検出され、エネルギー領域、約30keV未満と約65keV以上のX線はほぼ除外されていることが確認された。なお、従来のX線フィルタとして、検出器13の検出面に交わる方向に2種類の金属材料を重ねたものは、透過X線量が大幅に低減することが確認された。
よって、実施形態のX線フィルタ12dは、物質の特定に必要なエネルギー領域のX線の照射量を増加させ、かつ物質の特定に不必要なエネルギー領域のX線の照射量を低減させることができる。
図14に、被検体にX線を照射した場合の透過X線スペクトルを示す。図14の左図は、X線フィルタ12dと、被検体(造影剤Gdまたは水)と、検出器13の検出素子(画素)40とのジオメトリの模式図を示し、右図はX線のエネルギーに対するX線の光子数の関係を示す。縦軸はX線の光子数(カウント)を表し、横軸はX線のエネルギー(keV)を表す。
図14の例は、図13と同様の測定条件で、X線管12aの管電圧80kVで発生させたX線を照射した場合であり、X線フィルタ12dの厚さ(w)は1mmである。X線フィルタ12dと検出器13との間に、X線減弱率が人間の生体成分と近い水、または生体成分よりも減弱率が高く造影剤として用いられるガドリニウム(Gd)を被検体として配置した。
GdのK吸収端は50.2keVである。Gd(点線)を被検体とした場合は、水(実線)を被検体とした場合と比べて、エネルギー領域50keV以上で検出されたX線光子数が顕著に低下しているのが確認された。また、エネルギー領域30〜45keVで検出されたX線光子数は、Gdを被検体とした場合は、水を被検体とした場合の約80%であった。一方、エネルギー領域50〜65keVでは、Gdを被検体とした場合は約73%に低減していた。2つのエネルギー領域によるX線光子数の違いは、GdのK吸収端の前後でのX線の減弱率の違いによるものである。このことから、造影剤GdのK吸収端前後でのX線減弱率を見た場合、大きな変化があればそこには造影剤Gdがあると判定することができる。従って、このX線減弱率の違いを用いることで造影剤Gdの弁別を行うことができる。また、上記の2つのエネルギー領域でのX線減弱率を用いることで、造影剤Gdの密度を見積もることも可能である。
以上説明したように、放射線検査装置は、放射線検出装置100の計数情報を情報処理装置30に送信し、上述したCT画像を生成する処理フローを実行することで、差分画像Idiffでは、Gdを含む領域が、水のみの領域と比較して大きい値をとるため、Gdを含む領域を精度良く弁別することができる。
次に、図13及び図14を用いて説明した、2つのピークをもつX線スペクトル(2種類のエネルギー領域のX線)を得るためのX線フィルタ12dの材料を選定する方法の一例を説明する。
例えば、被検体として造影剤Gd(K吸収端50.2keV)を弁別する場合、低エネルギー側のピークを得るために、造影剤GdのK吸収端から例えば1〜5keV高エネルギー側にK吸収端のあるTb(K吸収端52.0keV)を選定し、高エネルギー側のピークを得るために、造影剤GdのK吸収端から例えば10〜15keV高エネルギー側にK吸収端のあるLu(K吸収端63.3keV)を選定する。すなわち、被検体として弁別したい物質のK吸収端を基準とし、それより高エネルギー側の所定の領域にK吸収端を持つ材料を選定するようにする。そして、上述したシミュレーションを用いた検討を行い、積層体(1組のフィルタ)の厚さ(ta+tb)及びそれらの比率(ta:tb)、1組のフィルタ材料それぞれ(例えば材料A、B)をX線が透過する方向の厚さ(w)などを設計する。
以上のようにして得られた、実施形態のX線フィルタ12dは、物質の特定に必要なエネルギー領域のX線の照射量を増加させ、かつ物質の特定に不必要なエネルギー領域のX線の照射量を低減させることでS/N比が向上できるため物質弁別の精度を向上させることができる。
なお、上記で説明したフィルタ材料を選定する方法は、あくまでも一例でありこれに限定されない。
また、放射線検出装置100は、上述したX線CT装置以外にも用いられる。例えば、放射線検出装置100は、X線診断装置、PET(Positron Emission Tomography)装置及びSPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置等の核医学イメージング装置、並びにX線CT装置と核医学イメージング装置とを組み合わせた「PET−CT装置」及び「SPECT−CT装置」等にも用いられる。また、放射線検出装置100は、PET装置の受光部として用いられ、MRI(磁気共鳴画像装置)が組み合わされた装置を構成してもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 架台装置
11 X線照射制御部
12 X線発生装置(X線源)
13 検出器
14 収集部
15 回転フレーム
16 架台駆動部
20 寝台装置
21 寝台駆動装置
22 天板
30 情報処理装置
31 入力部
32 表示部
33 スキャン制御部
34 前処理部
35 投影データ記憶部
36 画像再構成部
37 画像記憶部
38 制御部
40 検出素子(画素、ピクセル)
50 CPU
51 ROM
52 RAM
53 HDD
54 入出力I/F
55 通信I/F
56 バスライン
100 放射線検出装置
101 取得部
102 算出部
103 特定部
104 生成部
105 出力部

Claims (4)

  1. 検出器の検出面に対して交わる第1の方向と交わる第2の方向に沿って、第1のK吸収端を有する第1の層と、第2のK吸収端を有する第2の層とが積層された積層体を少なくとも含む1組のフィルタを前記第2の方向に沿って周期的に配置したX線フィルタ。
  2. 前記1組のフィルタを透過したX線が前記検出面に到達した時の広がりが前記検出器の画素幅と一致するように配置される、
    請求項1に記載のX線フィルタ。
  3. X線光子を検出する検出器から出力された電気信号を処理する処理回路を備え、
    前記処理回路は、
    請求項1または2に記載のX線フィルタを透過したX線光子が前記検出器を構成する画素に入射することにより出力される電気信号を前記画素ごとに取得する取得部と、
    前記X線光子による前記電気信号の数を計数すると共に、当該電気信号の強度を用いて前記計数した前記X線光子のエネルギー値を算出する算出部と、
    前記X線光子が入射した画素の位置と、前記X線光子の計数値と、前記X線光子のエネルギー値とが対応付けられた計数情報を生成する生成部と、
    を有する、放射線検出装置。
  4. X線源と、
    請求項1または2に記載のX線フィルタと、
    請求項3に記載の放射線検出装置と、
    前記放射線検出装置が出力する計数情報を用いて画像を生成する画像生成部と、
    を有する、放射線検査装置。
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